JPH0413445B2 - - Google Patents

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JPH0413445B2
JPH0413445B2 JP60110170A JP11017085A JPH0413445B2 JP H0413445 B2 JPH0413445 B2 JP H0413445B2 JP 60110170 A JP60110170 A JP 60110170A JP 11017085 A JP11017085 A JP 11017085A JP H0413445 B2 JPH0413445 B2 JP H0413445B2
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acid
ester
fiber
fine particles
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Motoyoshi Suzuki
Katsuo Kunugi
Setsuo Yamada
Koichi Iohara
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Teijin Ltd
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Publication of JPH0413445B2 publication Critical patent/JPH0413445B2/ja
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  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
a 利用分野 本発明はポリエステル繊維に関する。更に詳細
には、不活性微粒子を含有し、且つカチオン染料
染着座席をポリマー鎖末端に有するポリエステル
繊維であつて、アルカリ減量処理を施すことによ
つて繊維表面に微細な凹凸が形成され、優れた鮮
明染色性と光沢を呈し得るポリエステル繊維に関
する。 b 従来技術 ポリエステルは多くの優れた特性を有するがゆ
えに合成繊維として広く使用されている。しかし
ながら、ポリエステル繊維は羊毛や絹の如き天然
繊維、レーヨンやアセテートの如き繊維素系繊
維、アクリル系繊維等に比較して、染色した際に
光沢を保持しつつ色の深みや鮮明性を呈するとい
う光学的機能の点で劣る欠点がある。 従来より、この欠点を解消せんとして、染料の
改善やポリエステルの化学改質等が試みられてき
ており、その一つとして金属スルホネート基を含
有するイソフタル酸成分をポリエステル主鎖中に
共重合することによりカチオン染料で染色可能に
する方法が知られているが、充分な効果は得られ
ていない。また、ポリエステル繊維表面に低屈折
率薄膜を形成させる方法や織編物表面にプラズマ
を照射して繊維表面に微細な凹凸を形成させる方
法等が提案されている。しかしながら、これらの
方法によつても、色の深みや鮮明性を改善する効
果は不充分であり(プラズマ照射を施す方法では
照射面の影になる繊維部分の繊維の表面には凹凸
が生じない)、その上繊維表面に形成された低屈
折率薄膜は洗濯等によつて容易に脱落し、その耐
久性も不充分であり、プラズマ照射を施す方法で
は繊維表面に微細な凹凸が形成されるため合成繊
維特有の光沢が失われて艶消し効果が同時に生じ
るようになり、色の深み・鮮明性と光沢とを兼備
させることは極めて困難である。 他方、ポリエステル繊維の表面に凹凸を付与す
る方法として、ポリオキシエチレングリコール又
はポリオキシエチレングリコールとスルホン酸化
合物を配合したポリエステルよりなる繊維をアル
カリ水溶液で処理することにより、繊維軸方向に
配列した雛状の微細孔を形成させる吸湿性繊維の
製造法、又は酸化亜鉛、リン酸カルシウム等の如
き不活性無機物質の微粒子を添加配合せしめたポ
リエステルよりなる繊維を、アルカリ水溶液で処
理して無機微粒子を溶出させることにより、微細
孔を形成させる吸湿性繊維の製造法等が提案され
ている。しかしながら、これらの方法によつて得
られる繊維は、微細孔による光の乱反射によるた
めか、著しく艶消しされた外観を呈し、視感濃度
が低下して濃色に染色しても白つぽく見える。 また、粒子径80mμ以下のシリカの如き無機微
粒子を配合したポリエステルよりなる繊維をアル
カリ減量処理して、繊維表面に0.2〜0.7μの不規
則な凹凸を付与すると共にこの凹凸内に50〜
200mμの微細な凹凸を存在せしめることによつて
色の深みや鮮明性を改善する方法が提案されてい
る。しかしながら、この方法によつても色の深
み・鮮明性の改善効果と無光沢化・艶消し効果と
は二律背反の関係にあり、光沢を保持したままで
色の深みや鮮明性を改善することはできない。そ
の上、かかる複雑な凹凸形態によるためか、摩擦
等の外部からの物理作用により凹凸が破壊され、
破壊された部分が他の破壊されていない部分と比
べて大きく変色したり、光沢の差を生じたり、更
には容易にフイブリル化するという欠点がある。 以上述べたように、アセテートやアクリル繊維
に匹敵する光沢と色の深み、鮮明性とを兼備し、
実用に耐え得る糸物性を有し、且つ実用に供しう
るコスト/パーフオーマンス性をもつたポリエス
テル繊維は従来全く存在しなかつた。 c 発明の目的 本発明者は、ポリエステル繊維の表面に可視光
線の波長の大きさよりも小さなミクロボイドを多
数形成させることによつて、上記欠点がなくアセ
テートやアクリル繊維に匹敵する色の深み・鮮明
性と光沢共に優れたポリエステル繊維を提供でき
るのではないかと考え、染料自体の吸光係数が大
きく、色彩鮮明性が分散染料に比べて格段に優れ
たカチオン染料に対して可染型のポリエステルに
着目し、このものに粒径が可視光線の波長の大き
さよりも小さな不活性微粒子を含有させて繊維と
なした後、アルカリ減量処理することによつて所
望のミクロボイドを形成せしめんとして鋭意検討
を行なつた。しかしながら、カチオン可染化剤と
して通常工業的に用いられている5−金属スルホ
イソフタル酸成分を共重合したカチオン可染型ポ
リエステル繊維に上記の微粒子を含有させたので
は、アルカリ減量処理によつて形成される微細孔
が繊維軸方向に配向した縦長の形態をとると共
に、その大きさが可視波長範囲の大きさにまで粗
大化され、染色した際に色の深みと鮮明性は良好
となるものの、光沢面ではダル化が著しく進んだ
ものしか得られなかつた。 本発明者は、可視波長の大きさよりも小さな超
微細孔を有するカチオン可染型ポリエステル繊維
を得ようとして重ねて検討を繰り返した結果、驚
くべきことにカチオン可染化剤として上記5−金
属スルホイソフタル酸成分に代えてm−金属スル
ホ安息香酸成分を共重合したカチオン可染型ポリ
エステルを使用し、このものに前記微粒子を含有
させて繊維となした後、アルカリ減量処理を施す
ことによつて、繊維軸方向の配向が少なく、比較
的円形に近い形状で、その大きさが可視波長の大
きさよりも小さな微細孔が多数形成され、特にカ
チオン染料で染色した際に優れた色の深みと鮮明
性を呈するのみならず光沢が格段に優れたポリエ
ステル繊維が得られ、上記目的が達成できること
を見出した。 本発明はかかる知見に基づき更に重ねて検討し
た結果完成した。 d 発明の構成 即ち、本発明は平均の一次粒子径が100mμ以下
である不活性微粒子を0.1〜5重量%含有し、且
つ下記一般式(),()及び() [式中、A1,A2,A3及びA4はエステル形成性
官能基、R1,R2,R3及びR4は水素原子、水酸
基、アルキル基又はハロゲン原子、M1,M2
M3及びM4は金属、k及びlは1又は2、m及び
nはそれぞれ0〜2の整数であつて且つ1≦m+
n≦4の関係を満足する整数、p及びqはそれぞ
れ0又は1であつて且つp+q=1の関係を満足
する整数、a及びbはそれぞれm+a+p=5、
n+b+q=5の関係を満足する正の整数を示
す。] で表わされる化合物より選ばれた1種以上の化合
物で少なくとも一部の末端が封鎖されたポリエス
テルよりなるポリエステル繊維であつて前記不活
性微粒子がイソプロピルアシドホスフエートとカ
ルシウム化合物とをポリエステル反応系内で反応
させて内部析出微粒子であることを特徴とするポ
リエステル繊維に係るものである。 本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を
主たる酸成分とし、少なくとも1種のグリコー
ル、好ましくはエチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラエチレングリコールから選
ばれた少なくとも1種のアルキレングリコールを
主たるグリコール成分とするポリエステルを主た
る対象とする。 また、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性
カルボン酸成分で置換えたポリエステルであつて
もよく、及び/又はグリコール成分の一部を主成
分以外の上記グリコール若しくは他のジオール成
分で置換えたポリエステルであつてもよい。 ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性
カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフ
タリンジカルボン酸、ジフエニルジカルボン酸、
ジフエノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキ
シエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、1,4シクロヘキサンジカ
ルボン酸の如き芳香族、脂肪族、脂環族の二官能
性カルボン酸をあげることができる。更に本発明
の効果が実質的に奏せられる範囲で5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸等の金属スルホネート基を
有するイソフタル酸を共重合成分として用いても
よいが、この場合、その使用量をテレフタル酸成
分に対して1.8モル%未満の量に抑えることが望
ましい。 また、上記グリコール以外のジオール化合物と
しては例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノ
ール、ネオペンチルグリコール、ビスフエノール
A、ビスフエノールSの如き脂肪族、脂環族、芳
香族のジオール化合物及びポリオキシアルキレン
グリコール等をあげることができる。 更に、ポリエステルが実質的に線状である範囲
でトリメリツト酸、ピロメリツト酸の如きポリカ
ルボン酸、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトールの如きポリオールを使
用することができる。 かかるポリエステルは任意の方法によつて合成
したものでよい。例えばポリエチレンテレフタレ
ートについて説明すれば、通常、テレフタル酸と
エチレングリコールとを直接エステル化反応させ
るか、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸
の低級アルキルエステルとエチレングリコールと
をエステル交換反応させるか又はテレフタル酸と
エチレンオキサイドとを反応させるかしてテレフ
タル酸のグリコールエステル及び/又はその低重
合体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の
反応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になる
まで重縮合反応させる第2段階の反応によつて製
造される。 本発明においては、上記ポリエステルよりなる
ポリマー鎖の少なくとも一部の末端が、下記一般
式(),()及び() で表わされる化合物より選ばれた1種以上の化合
物で封鎖されていることが必要である。 上記(),(),()式中A1,A2,A3及び
A4はエステル形成性官能基を示し、具体例とし
ては
【式】 【式】
【式】 −(CH2)jOH, −O(CH2iOH, [但し、R′は低級アルキル基又はフエニル基
を、iは2以上の整数を、jは1以上の整数を示
す)等をあげることができる。このA1,A2,A3
及びA4は同一でも異なつてもよい。R1,R2,R3
及びR4は水素原子、水酸基、アルキル基、ハロ
ゲン原子であり、アルキル基であるときは直鎖状
であつても、分岐した側鎖を有していてもよい。
このアルキル基の炭素数は1〜30であるのが好ま
しく、特に1〜4であるのが好ましい。ハロゲン
原子としてはCl及びBrが好ましい。R1,R2,R3
及びR4としては水素原子又はアルキル基である
のが特に好ましい。このR1,R2,R3及びR4
各々は分子内又は分子間で同一であつても、又は
異なつていてもよい。M1,M2,M3及びM4は金
属であり、特にアルカリ金属又はアルカリ土類金
属であるのが好ましい。このM1,M2,M3及び
M4の各々は分子内又は分子間で同一でも異なつ
てもよい。 かかる化合物の好ましい具体例としてm−ナト
リウムスルホ安息香酸(又はそのメチルエステ
ル、β−ヒドロキシエチルエステル若しくはδ−
ヒドロキシブチルエステル)、p−ナトリウムス
ルホ安息香酸(又はそのメチルエステル、β−ヒ
ドロキシエチルエステル若しくはδ−ヒドロキシ
ブチルエステル)、O−ナトリウムスルホ安息香
酸(又はそのメチルエステル、β−ヒドロキシエ
チルエステル若しくはδ−ヒドロキシブチルエス
テル)、5−ナトリウムスルホ−m−トルイル酸
(又はそのメチルエステル、β−ヒドロキシエチ
ルエステル若しくはδ−ヒドロキシブチルエステ
ル)、5−ナトリウムスルホ−O−トルイル酸
(又はそのメチルエステル、β−ヒドロキシエチ
ルエステル若しくはδ−ヒドロキシブチルエステ
ル)、5−ナトリウムスルホサリチル酸(又はそ
のメチルエステル、β−ヒドロキシエチルエステ
ル若しくはδ−ヒドロキシブチルエステル)、5
−リチウムスルホサリチル酸(又はそのメチルエ
ステル、β−ヒドロキシエチルエステル若しくは
δ−ヒドロキシブチルエステル)、p−(β−ヒド
ロキシエチル)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、
3−クロロ−5−ナトリウムスルホ安息香酸(又
はそのメチルエステル、β−ヒドロキシエチルエ
ステル若しくはδ−ヒドロキシブチルエステル)、
6−ナトリウムスルホ−1−ナフトエ酸(又はそ
のメチルエステル、β−ヒドロキシエチルエステ
ル若しくはδ−ヒドロキシブチルエステル)、5
−ナトリウムスルホ−1−ナフトエ酸(又はその
メチルエステル、β−ヒドロキシエチルエステル
若しくはδ−ヒドロキシブチルエステル)、6−
ナトリウムスルホ−2−ナフトエ酸(又はそのメ
チルエステル、β−ヒドロキシエチルエステル若
しくはδ−ヒドロキシブチルエステル)、7−ナ
トリウムスルホ−2−ナフトエ酸(又はそのメチ
ルエステル、δ−ヒドロキシエチルエステル若し
くはδ−ヒドロキシブチルエステル)、6−リチ
ウムスルホ−1−ナフトエ酸(又はそのメチルエ
ステル、β−ヒドロキシエチルエステル若しくは
δ−ヒドロキシブチルエステル)、6−カリウム
スルホ−1−ナフトエ酸(又はそのメチルエステ
ル、β−ヒドロキシエチルエステル若しくはδ−
ヒドロキシブチルエステル)、3−ナトリウムス
ルホジフエニル−4′−カルボン酸(又はそのメチ
ルエステル、β−ヒドロキシエチルエステル若し
くはδ−ヒドロキシブチルエステル)、4−ナト
リウムスルホジフエニル−4′−カルボン酸(又は
そのメチルエステル、β−ヒドロキシエチルエス
テル若しくはδ−ヒドロシブチルエステル)、4
−ナトリウムスルホジフエニル−2′−カルボン酸
(又はそのメチルエステル、β−ヒドロキシエチ
ルエステル若しくはδ−ヒドロキシブチルエステ
ル)、3−ナトリウムスルホジフエニル−2′−カ
ルボン酸(又はそのメチルエステル、β−ヒドロ
キシエチルエステル若しくはδ−ヒドロキシブチ
ルエステル)、4−ナトリウムスルホジフエニル
−4′−(β−ヒドロキシエチル)、m−マグネシウ
ムスルホ安息香酸(又はそのメチルエステル、β
−ヒドロキシエチルエステル若しくはδ−ヒドロ
キシブチルエステル)、m−カルシウムスルホ安
息香酸(又はそのメチルエステル、β−ヒドロキ
シエチルエステル若しくはδ−ヒドロキシブチル
エステル)、m−バリウムスルホ安息香酸(又は
そのメチルエステル、β−ヒドロキシエチルエス
テル若しくはδ−ヒドロキシブチルエステル)等
をあげることができる。 上記化合物でポリエステル鎖の末端を封鎖する
には前述したポリエステルの合成が完了する以前
の任意の段階で上記化合物を添加すればよい。そ
の使用量は、あまりに少ないと最終的に得られる
ポリエステル繊維中の染着座席が不足するために
カチオン染料に対する染色性が不充分になつて充
分な色の深みと鮮明性が得られ難くなる。逆にあ
まりに多いと最終的に得られる繊維の表面凹凸が
粗大化して光沢が失われる傾向があり、その上重
縮合反応の過程においてポリエステルの重合度が
あまりに低いレベルで頭打ちになるため、最終的
に得られるポリエステル繊維の強度、耐摩耗性等
の力学的特性が悪化するようになる。そのため、
上記化合物の使用量は、ポリエステル繊維を構成
する二官能性カルボン酸成分に対して0.5〜5.0モ
ル%となる範囲の量が好ましい。 かかる末端封鎖の化合物を使用すると多量のエ
ーテル結合が副生することがあるが、この難点
は、例えば特開昭58−66650号公報、特公昭53−
28955号公報等に開示されたアルカリ金属化合物
の添加によつて回避することができる。 本発明のポリエステル繊維が最終的に優れた鮮
明染色性と光沢とを共に呈するためには、平均の
一次粒子径が100mμ以下の不活性微粒子の特定量
を含有させることが必要である。この不活性微粒
子はその平均の一次粒子径が100mμ以下であるこ
とが必要であり、また100mμを超える二次凝集粒
子が繊維横断面10平方ミクロン当り3個以上存在
しないのが好ましい。平均の一次粒子径として
は、50mμ以下の範囲が好ましく、30mμ以下の範
囲が特に好ましい。また、繊維横断面10平方ミク
ロン当りに存在する二次凝集粒子数としては、2
個末満であるのがより好ましく、1個未満である
のが特に好ましい。 本発明でいう一次粒子径とは、一次粒子と同じ
容積を有する想像上の球の直径を意味する。ま
た、二次凝集粒子とは一次粒子がその一次粒子径
より小さい間隔、即ち隣接する一次粒子の中心間
の距離が該一次粒子径の2倍未満に接近し合つた
状態の粒子群を意味し、この二次凝集粒子の端か
ら端までの距離が最大のところを二次凝集粒子の
大きさとする。この定義による二次凝集粒子は一
次粒子径が識別できる程度に拡大された電子顕微
鏡写真によつて観察することができる。 本発明でいう不活性微粒子はポリエステル繊維
中に分散し得るポリエステルに不活性の微粒子で
あれば特に限定する必要はなく、例えばコロイダ
ルシリカ(シリカゾル)、乾式法シリカ、コロイ
ダルアルミナ(アルミナゾル)、微粒子状アルミ
ナ、極微粒酸化チタン、コロイダル炭酸カルシウ
ム(炭酸カルシウムゾル)、微粒子状炭酸カルシ
ウム等の無機微粒子をあげることができる。 かかる無機微粒子はグリコール、アルコール又
は水等の分散スラリー又はゾルとして、例えばシ
リカゾルについて説明すれば、(1)水ガラスよりア
ルカリ分を除去して得られた水系シリカゾルをそ
のまま、(2)この水系シリカゾルにグリコール及
び/又はアルコールを混合して、(3)この水系シリ
カゾルの水をグリコール及び/又はアルコールで
置換してポリエステルの合成反応が完了するまで
の任意の段階で添加することが望ましい。 本発明でいう不活性微粒子としては、上記した
もの以外にリン化合物と金属化合物とをポリエス
テル反応系内部で反応させて析出させた不溶性微
粒子(所謂、内部析出微粒子)をあげることがで
き、かかる内部析出微粒子は100mμを超える二次
凝集粒子を形成しにくい点で前記シリカ等の無機
微粒子よりも好ましいものである。 かかる内部析出微粒子としては、ポリエステル
の合成反応が終了するまでの任意の段階で、下記
一般式() で表わされるリン化合物とアルカリ土類金属化合
物とをポリエステル反応系内で反応させて析出せ
しめた不溶性微粒子を特に好ましく例示できる。
リン化合物を示す上記式()中、R5は水素原
子又は一価の有機基であり、この一価の有機基は
具体的にはアルキル基、アリール基、アラルキル
基又は―[(CH2x−O―]yR7(但し、R7は水素原
子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基、
xは2以上の整数、yは1以上の整数)等が好ま
しい。Qは金属、水素原子又は一価の有機基であ
る。Qにおける金属としては特にアルカリ金属、
アルカリ土類金属が好ましく、より好ましくは
Li,Na,K,Mg1/2,Ca1/2,Sr1/2,Ba1/2を
あげることができる。なかでもCa1/2が特に好ま
しい。Qにおける一価の有機基としては上記R5
における有機基の定義と同様であつて、R5と同
一でも異なつていてもよい。Xは−OH,−OR6
又は一価の有機基である。但しR6は一価の有機
基であつて、この一価の有機基としては上記R5
及びQにおける有機基の定義と同様であつてR5
Qと同一でも異なつていてもよい。Xにおける一
価の有機基としては上記R5及びQにおける有機
基の定義と同様であつてR5,Qと同一でも異な
つていてもよい。rは1又は0である。 かかるリン化合物としては、例えば正リン酸、
リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸ト
リブチル、リン酸トリフエニルの如きリン酸トリ
エステル、メチルアシドホスフエート、エチルア
シドホスフエート、イソプロピルアシドホスフエ
ート、ブチルアシドホスフエートの如きリン酸モ
ノ及びジエステル、亜リン酸、亜リン酸トリメチ
ル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブチルの
如き亜リン酸トリエステル、メチルアシドホスフ
アイト、エチルアシドホスフアイト、ブチルアシ
ドホスフアイトの如き亜リン酸モノ及びジエステ
ル、メチルホスホン酸、フエニルホスホン酸の如
きホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、フエ
ニルホスホン酸ジメチルの如きホスホン酸エステ
ル、上記リン化合物をグリコール及び/又は水と
反応することによつて得られるリン化合物、更に
上記リン化合物を所定量のLi,Na,Kの如きア
ルカリ金属の化合物又はMg,Ca,Sr,Baの如
きアルカリ土類金属の化合物と反応することによ
り得られる含金属リン化合物をあげることができ
る。これらのリン化合物は1種のみ単独で使用し
ても2種以上併用してもよい。 上記含金属リン化合物を製造するには、通常正
リン酸(又は亜リン酸若しくはホスホン酸)又は
対応する正リン酸(又は亜リン酸もしくはホスホ
ン酸)のエステル(モノ、ジ又はトリ)と所定量
の対応する金属の化合物とを溶媒の存在下加熱反
応させることによつて容易に得られる。なお、こ
の際溶媒として、対象ポリエステルの原料として
使用するグリコールを用いるのが最も好ましい。 上記リン化合物と併用するアルカリ土類金属化
合物としては、上記リン化合物と反応してポリエ
ステルに不溶性の塩を形成するものであれば特に
制限はなく、アルカリ土類金属の酢酸塩、しゆう
酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、ステアリン酸塩
の如き有機カルボン酸塩、硼酸塩、硫酸塩、珪酸
塩、炭酸塩、重炭酸塩の如き無機酸塩、塩化物の
如きハロゲン化物、エチレンジアミン4酢酸錯塩
の如きキレート化合物、水酸化物、酸化物、メチ
ラート、エチラート、グリコレートの如きアルコ
ラート類、フエノラート等をあげることができ
る。特にエチレングリコールに可溶性である有機
カルボン酸塩、ハロゲン化物、キレート化合物、
アルコラートが好ましく、なかでも有機カルボン
酸塩が特に好ましい。また、アルカリ土類金属と
してはCaが特に好ましい。上記のアルカリ土類
金属化合物は1種のみ単独で使用しても、2種以
上併用してもよい。 上記リン化合物(a)とアルカリ土類金属化合物(b)
とは、(a)と(b)とを予め反応させることなくポリエ
ステル反応系に添加することによつて、不溶性微
粒子を均一な微分散状態で生成せしめることがで
きる。この際(a)と(b)との好ましい添加組成は(a)と
(b)の金属の当量数の合計量が(a)のリン化合物のモ
ル数に対して2.0〜3.2倍となる量である。なお、
上記の内部粒子析出反応時にアンモニウム化合物
及び/又はホスホニウム化合物を共存せしめるこ
とは生成微粒子の分散性の点から好ましいことで
ある(特開昭59−145214号、特開昭59−197424号
公報)。 上記不活性微粒子のポリエステル繊維中におけ
る含有量は、あまり少ないときには最終的に得ら
れるポリエステル繊維表面の凹凸形成が不充分と
なつて色の深みや鮮明性の改善効果が認められ難
く、この量を多くするに従つて色の深みや鮮明性
は増加する。しかしながら、あまりに多くなると
最早色の深みや鮮明性は向上を示さず、かえつて
光沢が悪化するようになる。このため不活性微粒
子の含有量は0.1〜5重量%の範囲にすべきであ
り、なかでも0.3〜3重量%の範囲が好ましい。 本発明のポリエステル繊維は中空部を有しない
中実繊維であつても、中空部を有する中空繊維で
あつてもよい。また、繊維の横断面における外形
や中空部の形状は円形であつても異形であつても
よい。更に、本発明の不活性微粒子を含有する末
端改質ポリエステルとレギユラー・ポリエステル
(分散染料可染型又はカチオン染料可染型)とか
らなり、本発明のポリエステルを鞘成分とし、レ
ギユラー・ポリエステルを芯成分とする芯鞘型複
合繊維であつても、本発明のポリエステルとレギ
ユラー・ポリエステルとからなる2層又はそれ以
上の多層のサイド・バイ・サイド型複合繊維であ
つてもよい。かかる繊維を製造するには格別の方
法を採用する必要はなく、通常のポリエステル繊
維の溶融紡糸方法が任意に採用される。 かくして得られるポリエステル繊維から、表面
に微細凹凸を形成せしめるには、必要に応じて延
伸熱処理又は仮撚加工等を施した後、又は更に布
帛にした後アルカリ減量処理することにより容易
に行なうことができる。 アルカリ減量処理は、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなどのアルカリ性化合物を水
溶液として用い、パツド法、スプレー法、浸漬法
などで付着させた後加熱する方法、付着させた後
大気中に吊しておく方法などの方法が任意に採用
される。アルカリ濃度は通常1〜300g/lの範
囲が好ましく、処理温度は常温〜100℃の範囲が
好ましい。アルカリ処理促進剤としてキヤリヤー
などを添加してもよい。アルカリによる減量は2
〜40%の範囲が最終的に得られるポリエステル繊
維の色彩鮮明性・光沢等の光学的機能および繊維
の強度・耐摩耗性等の物性面から好ましい。 e 発明の効果 以上説明したように、本発明のポリエステル繊
維は平均の一次粒子径が100mμ以下である不活性
微粒子の特定量を含有すると共に、カチオン染料
可染化剤として特定の単官能性スルホネート化合
物をポリエステル鎖末端に共重合せしめたカチオ
ン可染型ポリエステルよりなる。かかる単官能性
スルホネート化合物共重合タイプのカチオン可染
型ポリエステルは、カチオン可染化剤として多用
されている二官能性の5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸化合物をポリエステル主鎖中にランダム
に共重合して含有する通常のカチオン可染型ポリ
エステルとは、ポリマー構造的に明らかに相違す
る。そしてこの違いが両者の糸物性、耐アルカリ
性及びアルカリ処理後の繊維表面凹凸構造におけ
る著しい差として発現し、最終的にカチオン染料
で染色した際の色彩鮮明性及び光沢の顕著な差違
をもたらすのである。 即ち、本発明の不活性微粒子含有ポリエステル
繊維は、アルカリ未減量状態において既に同様の
不活性微粒子を含有せしめた5−金属スルホイソ
フタル酸を共重合したカチオン可染型ポリエステ
ル繊維と比較して、糸物性が優れる、アルカ
リ減量速度が小さい、仮撚加工を施した際の糸
強度の劣化が小さい、アルカリ減量処理時の糸
強度劣化が小さい、高温にも強く、染色時の糸
強度劣化が小さい等の特長を有しており、更にア
ルカリ減量処理によつて、通常のカチオン可染
型ポリエステルベースの場合に比較してより微細
で、繊維軸方向の配向が少なく且つ円形に近い微
細孔が多数形成される、カチオン染色した際に
格段に優れた色の深み・鮮明性及び光沢を呈する
(アセテート、アクリル繊維に匹敵)、糸強度、
耐摩耗性等の力学的特性に優れる、アセテート
様の清涼感のあるドライ風合を呈する等の効果が
顕在化するようになる。 かかる差違が生じる理由については未だ定かで
はないが、繊維の微細構造の解析結果より、本発
明のポリエステル繊維は非晶部の配向が特異的に
大きいことが明らかになつており、ポリマー鎖末
端にスルホネート基を有するポリエステルは溶融
紡糸又は溶融紡糸・延伸した際に極めて緻密な繊
維微細構造を形成するような何らかの特異現象を
惹起するものと推定される。 なお、本発明のポリエステル繊維は前記した如
く高温にも強く、例えば、130℃染色においても
強度低下や収縮などが問題にならない(通常のカ
チオン可染型ポリエステルは120℃染色)。このよ
うに130℃染色を行なつたり又は/及び染色時に
キヤリヤー(染料拡散促進剤)を併用すること
は、染色布の色彩鮮明性が更に向上するので本発
明のポリエステル繊維にとつて好ましいことであ
る。 また、本発明のアルカリ処理前又はアルカリ処
理後のポリエステル繊維には染色後適宜深色化後
加工を施すことができる。かかる深色化後加工と
しては、例えばジメチルポリシロキサン、テトラ
フルオロエチレン−プロピレン共重合体の如きポ
リエステルよりも低い屈折率を有する重合体でポ
リエステル繊維の表面を被覆する方法が好ましく
採用できる。 更に、本発明のポリエステル繊維には、必要に
応じて任意の添加剤、例えば触媒、着色防止剤、
耐熱剤、難燃剤、螢光増白剤、艶消剤、着色剤等
が含まれていてもよい。 f 実施例 以下に実施例をあげて更に説明する。実施例中
の部及び%は特にことわらない限り重量部及び重
量%を示し、得られるポリエステル繊維の色彩鮮
明性、光沢及び糸強度低下率は以下の方法で測定
した。 (i) 色彩鮮明性 5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分を
2.5モル%共重合したカチオン可染型ポリエチ
レンテレフタレートよりなる75デニール/24フ
イラメントのマルチフイラメントを平織した標
準布と、この標準布と同一布帛構成にした試験
布とを同一条件下で染色し、両者を隣接して並
べ、曇天の昼光下北窓付近で観察し、下記の判
定基準で判定者5名の平均をとつた。 1級:標準布より鮮明性が劣る。 2級:標準布との差が認められない。 3級:標準布との差は認められるが、差が小さ
い。 4級:標準布に比べかなり鮮明性が優る。 5級:標準布より鮮明性が著しく優る。 (ii) 光沢 布帛の光沢を下記の判定基準により視感判定
した。 ◎:非常に光沢良好 〇:光沢良好 △:光沢やや不良 ×:光沢不良(艶消効果大) (iii) 糸強度低下率 アルカリ減量処理する前の織物を解いて得た
マルチフイラメントとアルカリ減量処理に引続
き染色処理した後の織物を解いて得たマルチフ
イラメントの強度とを比較した。 実施例 1 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコ
ール60部、酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフ
タル酸ジメチルに対して0.066モル%)及び三酸
化アンチモン0.04部をエステル交換缶に仕込み、
窒素ガス雰囲気下4時間かけて140℃から230℃ま
で昇温して生成するメタノールを系外に留去しな
がらエステル交換反応させた。続いて得られた反
応生成物に酢酸カルシウム1水塩の10%エチレン
グリコール溶液4.0部(テレフタル酸ジメチルに
対して0.441モル%)を添加し、次いで5分後に
イソプロピルアシツドホスフエート0.42部(テレ
フタル酸ジメチルに対して0.506モル%)を添加
して重合缶に移した。重合缶にm−ナトリウムス
ルホ安息香酸−β−ヒドロキシエチルエステルの
24%エチレングリコール溶液11.5部(テレフタル
酸ジメチルに対して2.0モル%)及び酢酸ナトリ
ウム3水塩0.112部(テレフタル酸ジメチルに対
して0.16モル%)を添加した後、1時間かけて
760mmHgから1mmHgまで減圧し、同時に1時
間30分かけて230℃から280℃まで昇温した。1mm
Hg以下の減圧した、重合温度280℃で更に2時
間30分重合して極限粘度0.435、軟化点256℃、不
溶性微粒子含有量0.38%(平均の一次粒子径
5mμ)のポリマーを得た。反応終了後常法に従い
チツプ化した。 このチツプを常法により乾燥し、孔径0.3mmの
円形紡糸孔を24個穿設した紡糸口金を使用して溶
融紡糸し、次いで常法に従つて延伸倍率3.5倍で
延伸して75デニール/24フイラメントのマルチフ
イラメントを得た。 得られたマルチフイラメントを平織地になし、
常法により精練、プリセツト後1.5%の水酸化ナ
トリウム水溶液で沸騰温度にて処理し、減量率5
%及び20%の布帛を得た。 このアルカリ処理後の布帛をCathilon Blue
CD−FRLH/Cathilon Blue CD−FBLH=1/
1(保土谷化学(株)製)2%owfで芒硝3g/l、
酢酸0.3g/lを含む染浴中にて130℃で60分間染
色後常法に従つてソーピングして青色布を得た。 第1表に得られた布帛の色彩鮮明性、光沢およ
び糸強度低下率を示した。電子顕微鏡観察の結果
(SEM)、繊維表面はほぼ円形のミクロボイドに
よつて隙間なく覆われていた。 比較例 1 実施例1においてカチオン染料可染化剤として
使用したm−ナトリウムスルホ安息香酸−β−ヒ
ドロキシエチルエステルに代えて5−ナトリウム
スルホイソフタル酸ジ(β−ヒドロキシエチル)
3.7部(テレフタル酸ジメチルに対して2.0モル
%)を使用する以外は実施例1と同様に行なつて
極限粘度0.475、軟化点251℃、不溶性微粒子含有
量0.38%(平均の一次粒子径5mμ)のポリマーを
得た。以下実施例1と同様に紡糸、延伸、製織、
精練、プリセツト、アルカリ減量処理、カチオン
染料による染色を行なつた。結果を第1表に示
す。 実施例 2 実施例1においてカチオン染料可染化剤として
使用したm−ナトリウムスルホ安息香酸−β−ヒ
ドロキシエチルエステルに代えて、3−ナトリウ
ムスルホ−ρ−トルイル酸−β−ヒドロキシエチ
ルエステルの同一モル量を使用する以外は実施例
1と同様に行なつた。結果は第1表に示した通り
であつた。 実施例 3 実施例1において使用したm−ナトリウムスル
ホ安息香酸−β−ヒドロキシエチルエステルに代
えて6−ナトリウムスルホナフタレン−2−カル
ボン酸(β−ヒドロキシエチル)の同一モル量を
使用する以外は実施例1と同様に行なつた。結果
を第1表に示した。 実施例 4 実施例1において使用したm−ナトリウムスル
ホ安息香酸−βヒドロキシエチルエステルに代え
てm−マグネシウムスルホ安息香酸−β−ヒドロ
キシエチルエステルの同一モル量を使用する以外
は実施例1と同様に行なつた。結果を第1表に示
す。 実施例 5 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコ
ール60部、m−ナトリウムスルホ安息香酸メチル
2.45部(テレフタル酸ジメチルに対して2.0モル
%)、酢酸マンガン4水塩0.03部及びエーテル生
成抑制剤として酢酸ナトリウム3水塩0.1部をエ
ステル交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下4時間
かけて140℃から230℃まで昇温して生成するメタ
ノールを系外に留去しながらエステル交換反応を
行なつた。続いて得られた生成物に正リン酸の56
%水溶液0.03部及び三酸化アンチモン0.04加え、
更に平均の一次粒子径が20mμであるシリカゾル
(エチレングリコール媒体、濃度10%)を、得ら
れるポリエステルに対して酸化ケイ素として1.0
%となる量を添加して重合缶に移した。次いで1
時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧し、
同時に1時間30分かけて230℃から280℃まで昇温
した。1mmHg以下の減圧下、重合温度280℃で
更に2時間30分重合して極限粘度0.437、軟化点
258℃のポリマーを得た。このポリマーを用いて、
以下実施例1と同様に紡糸、延伸、製織、精練、
プリセツト、アルカリ減量処理、カチオン染色を
行なつた。結果は第1表に示した通りであつた。 実施例 6 実施例5で不活性微粒子として使用したシリカ
ゾルに代えて酸化アルミニウムを1.0%含有しか
つ平均の一次粒子径が15mμの乾式法シリカの10
%エチレングリコールスラリーを、得られるポリ
エステルに対して酸化ケイ素として1.0%となる
ように添加する以外は実施例5と同様に行なつ
た。結果を第1表に示した。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 平均の一次粒子径が100mμ以下である不活性
    微粒子を0.1〜5重量%含有し、且つ下記一般式
    (),()及び() [式中、A1,A2,A3及びA4はエステル形成性
    官能基、R1,R2,R3及びR4は水素原子、水酸
    基、アルキル基又はハロゲン原子、M1,M2
    M3及びM4は金属、k及びlは1又は2、m及び
    nはそれぞれ0〜2の整数であつて且つ1≦m+
    n≦4の関係を満足する整数、p及びqはそれぞ
    れ0又は1であつて且つp+q=1の関係を満足
    する整数、a及びbはそれぞれm+a+p=5、
    n+b+q=5の関係を満足する正の整数を示
    す。] で表わされる化合物より選ばれた1種以上の化合
    物で少なくとも一部の末端が封鎖されたポリエス
    テルよりなるポリエスルテル繊維であつて、前記
    不活性微粒子がイソプロピルアシドホスフエート
    とカルシウム化合物とをポリエステル反応系内で
    反応させて析出させた内部析出粒子であることを
    特徴とするポリエステル繊維。 2 封鎖された末端が、ポリエステルを構成する
    二官能性カルボン酸成分に対して0.5〜5.0モル%
    となる範囲である特許請求の範囲第1項記載のポ
    リエステル繊維。
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