JP2553096B2 - ポリエステル立毛布帛 - Google Patents

ポリエステル立毛布帛

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JP2553096B2 JP62215213A JP21521387A JP2553096B2 JP 2553096 B2 JP2553096 B2 JP 2553096B2 JP 62215213 A JP62215213 A JP 62215213A JP 21521387 A JP21521387 A JP 21521387A JP 2553096 B2 JP2553096 B2 JP 2553096B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、優れた深色性を与えるとともに見る方向や
角度による深色度差が少なく且つソフトで良好な風合い
を与えるポリエステル立毛布帛に関する。
<従来技術> ポリエステルは多くの優れた特性を有するがゆえに繊
維として広く用いられている。しかしながら、ポリエス
テル繊維は衣料、インテリア等の立毛布帛用繊維として
は、立毛の直立性や耐ヘタリ性等の機械的物性が優れる
反面で、絹の如き天然繊維、レーヨンやアセテートの如
き繊維素系繊維、アクリル繊維等に比較して立毛布帛特
有の深色性において劣る欠点がある。また、見る方向や
角度によって白っぽく見えるいわゆる白ぼけや布帛の凹
部が墨を流したように黒っぽく見えるいわゆる黒ずみが
起こる等審美面で問題があり、更に風合いが硬く、感性
面でも劣るという欠点があった。
従来より、ポリエステル繊維を染色した際の色の深み
さ鮮明性を改良するために、平均の一次粒子径が100mμ
未満の微粒子を含有せしめたポリエステル繊維をアルカ
リ減量処理して繊維表面に可視光線の波長域又はそれ以
下のオーダーの微細な凹凸を多数形成しせめる方法が知
られている(例えば、特開昭55−107512号公報、特開昭
57−139118号公報)。しかし、上記微多孔性ポリエステ
ル繊維にあっては、その表面に極めて微細な凹凸を多数
形成させることが必要であるため、艶消剤のような比較
的巨大な粒子を含有させると、アルカリ減量処理する際
に巨大な凹凸が形成されて深色性が損われるであろうと
考えられており、更に艶消剤は、深色性と相反するパス
テル化効果を有するため、従来艶消剤の併用は0.07重量
%程度の微量の使用しか具体的には提案されていなかっ
た(例えば、特開昭57−139118号公報参照)。
<発明の目的> 本発明の目的は、立毛の直立性や耐ヘタリ性等の機械
的物性に優れ、立毛布帛特有の深色性に優れるとともに
前記した白ぼけ、黒ずみ現象が解消され、且つソフトタ
ッチの良好な風合いを呈する立毛布帛を提供することに
ある。
本発明者は上記の目的を達成すべく鋭意検討した結
果、上記した白ぼけ、黒ずみ現象が、立毛の直立方向か
ら見た断面色と立毛の側方から立毛群を横切って見た側
面色との深色度比に高度に相関することを見出し、この
深色度比を1に近づけることにより白ぼけ、黒ずみ現象
が解消することを知った。
本発明者はこれらの知見に基づいて上記深色度比を1
に近づけることを指標にして鋭意検討を重ねた結果、驚
くべきことに上記した微粒子含有ポリエステル繊維に特
定量の艶消剤を含有せしめてアルカリ処理することによ
って、優れた深色性を損うことなく、特に顕著な白ぼ
け、黒ずみの解消効果が認められるとともに、更にソフ
トタッチ風合いや機械的物性にも優れ、上記目的を達成
できることを知った。
本発明はかかる知見に基づいて、艶消剤の屈折率や粒
子径の影響等を含め、更に重ねて検討を行った結果完成
したものである。
<発明の構成> 本発明は、平均の一次粒子径が100mμ未満である微粒
子を0.1〜5重量%及び艶消剤を0.1〜2.0重量%含有し
てなるポリエステル繊維をアルカリ処理することによっ
て該繊維の少なくとも2重量%を溶出して繊維表面に微
細孔を形成せしめた繊維をパイル糸とすることを特徴と
するポリエステル立毛布帛である。
本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を主たる
酸成分とし、少なくとも1種のグリコール、好ましくは
エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコールから選ばれた少なくとも1種のアル
キレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエ
ステルを主たる対象とする。
また、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性カルボ
ン酸成分で置換えたポリエステルであってもよく、及び
/又はグリコール成分の一部を主成分以外の上記グリコ
ール、若しくは他のジオール成分で置換えたポリエステ
ルであってもよい。
ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボ
ン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタリンジカル
ボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタン
ジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−
オキシ安息香酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、
アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸の如き芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボ
ン酸をあげることができる。また、上グリコール以外の
ジオール化合物としては、例えばシクロヘキサン−1,4
−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールSの如き脂肪族、脂環族、芳香
族のジオール化合物及びポリオキシアルキレングリコー
ル等をあげることができる。
かかるポリエステルは任意の方法によって合成したも
のでよい。例えばポリエチレンテレフタレートについて
説明すれば、通常、テレフタル酸とエチレングリコール
とを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチ
ルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレ
ングリコールとをエステル交換反応させるか又はテレフ
タル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかしてテレ
フタル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体
を生成させる第1段階の反応と、第1段階の反応生成物
を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応さ
せる第2段階の反応によって製造される。
本発明において使用する微粒子は、平均の一次粒子径
が100mμ未満であれば特に限定する必要はなく、例えば
シリカゾル(いわゆるコロイダルシリカ)、乾式法シリ
カ、酸化アルミニウムを含有する乾式法シリカ、粒子表
面にアルキル基を有し且つ粒子表面のシラノール基を封
鎖した乾式法シリカ、アルミナゾル(いわゆるコロイダ
ルアルミナ)、微粒子状アルミナ、極微粒子酸化チタ
ン、炭酸カルシウムゾル(いわゆるコロイダル炭酸カル
シウム)、微粒子状炭酸カルシウム等の不活性無機微粒
子やリン化合物と金属化合物とをポリエステル反応系内
部で反応させて析出せしめた内部析出系微粒子等を好ま
しく例示できる。内部析出系微粒子の好ましい具体例と
しては、例えば下記一般式 (式中、R1及びR2は1価の有機基、Xは1価の有機基又
は金属、nは1又は0を示す) で表わされるリン化合物とアルカリ土類金属化合物との
反応により析出せしめた内部析出系微粒子等をあげるこ
とができる。
上記微粒子の平均の一次粒子径は100mμ未満である必
要があり、好ましくは50mμ以下、更に好ましくは30mμ
以下である。平均の一次粒子径が100mμ以上となると最
終的に充分な色の深みと鮮明性が得られない。なお、こ
こでいう一次粒子径とは該一次粒子と同じ容積を有する
想像上の球の直径を意味する。
かかる微粒子の含有量は、あまりに少ないときには最
終的に得られるポリエステル繊維の表面凹凸形成が不充
分となり色の深みや鮮明性を改善する効果が認められ難
く、この量を多くするに従って色の深みや鮮明性は増加
するが、あまりに多くなると最早色の深みや鮮明性は著
しい向上を示さず、かえって耐摩擦性が悪化するように
なり、その上紡糸が極めて困難となり事実上不可能な実
施範囲となる。このため、微粒子の含有量は0.1〜5重
量%の範囲が適当であり、なかでも0.1〜3重量%の範
囲が好ましい。
本発明において上記微粒子とともにポリエステル繊維
中に含有せしめる艶消剤としては、ポリエステル繊維を
不透明化し得る高屈折率のものであれば特に限定する必
要はないが、本発明者の数多くの実験結果より、屈折率
が大きい程白ぼけ、黒ずみ現象の解消効果が大きくなる
傾向があり、屈折率が2.0以上である艶消剤において特
に顕著な白ぼけ、黒ずみ防止効果があらわれる。従っ
て、屈折率は2.0以上であることが好ましい。しかしな
がら、他方この屈折率が大きくなるに従って深色性の阻
害効果が増大する傾向があらわれるので、艶消剤の特に
好ましい屈折率は2.0〜2.60の範囲である。本発明にお
いて好ましく使用できる艶消剤の具体例としては、酸化
亜鉛(屈折率2.03)、アナタース型二酸化チタン(屈折
率2.55)、ルチル型二酸化チタン(屈折率2.70)等をあ
げることができ、特にアナタース型二酸化チタンが好ま
しい。
かかる艶消剤の含有量は、あまりに少ないときには白
ぼけ、黒ずみ防止効果が不充分であり、逆にあまりに多
くなると深色性を阻害する負効果が顕著になる。従っ
て、艶消剤の含有量は0.1〜2.0重量%の範囲が適当であ
り、なかでも0.2〜0.5重量%の範囲が好ましい。更に、
上記艶消剤の平均の一次粒子径は白ぼけ、黒ずみの防止
効果及び深色化阻害の負効果のバランスより、0.1〜0.5
μの範囲であることが好ましい。
上記した微粒子及び艶消剤をポリエステルに添加配合
するには、前述したポリエステルの製造反応が完結する
以前の任意の段階で上記微粒子と艶消剤を添加すればよ
い。
かくして得られた上記微粒子と艶消剤とを含有するポ
リエステルは繊維になされるが、この際格別な方法を採
用する必要はなく、任意のポリエステル繊維の溶融紡糸
方法、延伸熱処理方法等が採用される。かかる繊維は中
空部を有しない中実繊維であっても、中空部を有する中
空繊維であってもよい。また、繊維の横断面における外
形や中空部の形状は円形であっても異形であってもよ
い。異形形状としては立毛の直立性、ソフトネス等から
偏平形状、串刺し団子状偏平形状等を好ましいものとし
て例示できる。更に、上記微粒子と艶消剤とを含有する
変性ポリエステルと未変性ポリエステルとからなり、変
性ポリエステルを鞘成分とし、未変性ポリエステルを芯
成分とする芯鞘型複合繊維であっても、変性ポリエステ
ルと未変性ポリエステルとからなる2層又はそれ以上の
多層のサイド・バイ・サイド型複合繊維でもよい。
かくして得られる微粒子及び艶消剤含有ポリエステル
繊維から、その一部を除去するには必要に応じて延伸熱
処理又は仮撚加工等を施した後、又は更に立毛布帛にし
た後アルカリ化合物の水溶液で処理することにより容易
に行なうことができる。
ここで使用するアルカリ化合物としては水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等をあ
げることができる。なかでも水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムが特に好ましい。
かかるアルカリ化合物の水溶液の濃度は、アルカリ化
合物の種類、処理条件等によって異なるが、通常0.01〜
40重量%の範囲が好ましく、特に0.1〜30重量%の範囲
が好ましい。処理温度は常温〜100℃の範囲が好まし
く、処理時間は1分〜4時間の範囲で通常行なわれる。
また、このアルカリ化合物の水溶液の処理によって溶出
除去する量は、繊維重量に対して2重量%以上にすべき
である。このようにアルカリ化合物の水溶液で処理する
ことによって、可視光線の波長域又はそれ以下の大きさ
の凹凸を繊維表面の全面に多数有すると共に艶消剤に起
因する少数のマクロボイドを有するポリエステル繊維が
得られ、染色した際に白ぼけ、黒ずみの欠点が解消され
ると同時に深色性に優れた立毛布帛が与えられる。
以上に説明した微細孔を形成せしめた又は形成せしめ
る前のポリエステル繊維を用いて立毛布帛を得るには、
従来公知の任意の方法、例えばカットパイル布帛となす
方法を採用することができる。カットパイル布帛として
は、カットパイル編物、カットパイル織物いずれでもよ
く、前者としてはダブルラッセル編機によるパイル編地
を例示することができ、後者としてはヨコパイル織、タ
テパイル織があげられ、タテパイル組織の単パイル二重
ビロード織を例示することができる。
次に立毛布帛のパイル長は、あまりに長いとパイル立
毛をなでた時逆毛の乱れが生じて外観が悪くなり、逆に
短すぎるとベース地の組織が目立つだけでなくパイル長
さのカット斑が生じ易くなり且つ表面タッチを粗硬にな
るため、通常は0.3〜5.0mm程度が好ましい。
なお、立毛布帛において立毛の先端をカット後にアル
カリ処理した場合には繊維の側面部のみならず繊維のカ
ット断面にも微細凹凸が形成されるのに対し、立毛にア
ルカリ処理を施した後カットした場合には立毛繊維のカ
ット断面はフラットのまま残ることになるが、白ぼけ、
黒ぼけの防止効果の点からは後者の方法を採用するのが
より好ましい。
<発明の効果> 本発明によれば衣料、インテリア等に有用な立毛布帛
が提供される。即ち、本発明にかかる微細孔を形成せし
めたポリエステル繊維によれば、ポリエステル本来の優
れた機械的物性により立毛の直立性や耐ヘタリ性に優れ
ると共に立毛布帛特有の深色性においても絹の如き天然
繊維、レーヨンやアセテートの如き繊維素系繊維、アク
リル繊維等と比較して勝るとも劣らない優れた深色性が
呈される。その上、立毛布帛を見る方向や角度によって
白っぽく見えるいわゆる白ぼけや布帛の凹部が墨を流し
たように黒っぽく見えるいわゆる黒ずみ現象が起こりに
くく、また極めてソフトタッチで良好な風合を呈するた
め、審美性、感性、高級感に優れた立毛布帛が得られ
る。
かかる優れた効果が発現する光学的作用機構について
は未だ明らかではないが、繊維の特殊な微細孔構造、艶
消剤の特有な光の屈折作用及び立毛布帛構造の3者が相
乗的に作用して特殊な光学的効果を奏しているものと推
量される。
上記したように本発明のポリエステル立毛布帛は、機
械的物性、審美性、感性(風合い)、高級感に共に優れ
るため、特に車輌内装用立毛シート等に有用である。
なお、本発明で用いられる微細孔を形成せしめたポリ
エステル繊維には、必要に応じて任意の添加剤、例えば
触媒、着色防止剤、耐熱剤、難燃剤、蛍光増白剤、着色
剤等が含まれていてもよい。
<実施例> 以下に実施例をあげて更に説明する。実施例中の部及
び%は重量部及び重量%を示し、各評価項目は以下の方
法で測定した。
《深色度》 試料を分光光度計(Machbeth社製、MS−2000)で明度
L値を測定した。このL値が小さいほど深色効果が大き
いことを示す。
《白ぼけ値》 (株)村上色彩技術研究所製の変角分光測色システム
CCMS−3型を用いて測定した。
立毛面が白っぽく見える方向即ち倒れたパイルの先端
が向いている方向と反対の方向からパイル布帛表面を見
ると、パイルは白っぽく見えるが、この方向に受光器を
置き(垂線からの傾き角度=80度)、入光は受光器側か
らパイルの先端が向いている方向に沿って変えながらCI
E表色系のL値を求めた。
パイル表面が白っぽく見える(即ちL値が大きい)
部分と黒っぽく見える(即ちL値が小さい)部分の差
が大きければ大きいほど、白ぼけが目立つということに
なる。
パイル布帛に対する垂線を0゜とし、パイルの傾いて
いる方向に対して60゜〜−60゜の範囲内で10゜毎に立毛
表面のL値を求めた。L値の最大値(L )とL
値の最少値(L )を求め、両者の差即ちΔL
(L −L )の最大値を求め、これを白ぼけ値
とした。白ぼけ値が大きい程、白ぼけが目立つことにな
る。
実施例1 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール60
部、酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフタル酸ジメチ
ルに対して0.066モル%)をエステル交換缶に仕込み、
窒素ガス雰囲気下4時間かけて140℃から230℃まで昇温
して生成するメタノールを系外に留去しながらエステル
交換反応を行った。続いて得られた反応生成物に、0.4
部のリン酸トリメチル(テレフタル酸ジメチルに対して
0.554モル%)と0.25部の酢酸カルシウム1水塩(リン
酸トリメチルに対して1/2倍モル)とを6.8部のエチレン
グリコール中で120℃の温度において全還流下60分間反
応せしめて調製したリン酸ジエステルカルシウム塩の透
明溶液7.45部に室温下0.45部の酢酸カルシウム1水塩
(リン酸トリメチルに対して0.9倍モル)を溶解せしめ
て得たリン酸ジエステルカルシウム塩と酢酸カルシウム
との混合透明溶液7.9部を添加し、次いで三酸化アンチ
モン0.04部及び第1表記載量のアナタース型二酸化チタ
ンを20%エチレングリコールスラリーにして添加し重合
缶に移した。次いで15分間の常圧反応の後1時間かけて
760mmHgから1mmHgまで減圧し、同時に1時間30分かけて
230℃から285℃まで昇温した。1mmHg以下の減圧下、重
合温度285℃で更に3時間、合計4時間30分減圧重合し
て極限粘度0.640、軟化点259℃のポリマーを得た。反応
終了後ポリマーを常法に従いチップ化した。
このチップを常法により乾燥し、孔径0.3mmの円形紡
糸孔を36個穿設した紡糸口金を使用して290℃で溶融紡
糸し、次いで常法に従って延伸倍率3.5倍で延伸、熱処
理して75デニール/36フィラメントのマルチフィラメン
トを得た。このマルチフィラメント中の内部析出系微粒
子の平均の一次粒子径は、繊維断面の透過型電子顕微鏡
写真より5mμであり、その含有量は、繊維中のCaとPの
分析値より、0.45%であった。
得られたマルチフィラメントを綛取りして綛束にな
し、180℃で1分間プリセットした後、3.0%の水酸化ナ
トリウム水溶液で沸騰温度にて処理し、10%の減量を施
した。
得られたアルカリ処理後の綛束をSumikalon Navy Blu
e S−2GL(住友化学(株)製品)4%owfで130℃で45分
間染色後、水酸化ナトリウム2g/、ハイドロサルファ
イト2g/及び界面活性剤2g/を含む水溶液にて80℃で
20分間還元洗浄してネービー・ブルーに染色された綛束
を得た。得られた綛束より梵天を作成し、先端をカット
し手揃えを行って深色度測色用試料とした。
断面色のL値(La)と側面色のL値(Lb)とを測定
し、Lb/Laを計算して第1表に示した。Lb値が小さい程
深色度が高く、またLb/La比が1に近い程白ぼけ、黒ず
み現象が起こりにくいことを示す。
また上記染色された綛糸をフロント糸とし、艶消剤と
してアナタース型酸化チタンを0.3wt%含有するポリエ
ステルマルチフィラメント糸(75デニール/36フィラメ
ント)をミドル糸とし、同じくアナタース型酸化チタン
を0.3wt%含有するポリエステルマルチフィラメント糸
(100デニール/48フィラメント)をバック糸として、編
組織:フロント1078、ミドル1078、バック1012で28ゲー
ジの密度76cpiのトリコット編地を製編した。
得られた編地を常法により、精練・セットした後に起
毛剤をパッドし、乾燥した後にフロント糸をカット・起
毛し、次いでシャーリングしてパイル長を2mmに整え、
ブラッシングして立毛化処理を行い、次いで170℃下3
秒間乾燥処理し、平均立毛角度73゜のトリコットパイル
布帛を得た。得られた立毛布帛の白ぼけ評価(ΔL
結果を第1表にあわせて示す。
比較例1 実施例1において行ったアルカリ減量処理を行わない
以外は実施例1と同様に行った。結果を第1表に示し
た。
実施例2 微粒子として、実施例1の内部析出系微粒子に代え
て、平均の一次粒子が50mμのコロイダルシリカを二酸
化ケイ素として3.0%含有する極限粘度0.635の外部添加
系微粒子含有ポリエチレンテレフタレートを用いる以外
は実施例1と同様に行った。結果は第1表に示した通り
であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−139118(JP,A) 特開 昭61−152849(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均の一次粒子径が100mμ未満である微粒
    子を0.1〜5重量%及び艶消剤を0.1〜2.0重量%含有し
    てなるポリエステル繊維をアルカリ処理することによっ
    て該繊維の少なくとも2重量%を溶出して繊維表面に微
    細孔を形成せしめた繊維をパイル糸とすることを特徴と
    するポリエステル立毛布帛。
  2. 【請求項2】艶消剤の屈折率が2.0以上である特許請求
    の範囲第1項記載のポリエステル立毛布帛。
  3. 【請求項3】艶消剤の屈折率が2.20〜2.60の範囲である
    特許請求の範囲第1項記載のポリエステル立毛布帛。
  4. 【請求項4】艶消剤の平均の一次粒子径が0.1〜0.5μで
    ある特許請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項記載
    のポリエステル立毛布帛。
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