JP2679230B2 - 電子部品の塗装方法及び塗装装置 - Google Patents

電子部品の塗装方法及び塗装装置

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電子部品製造工程において電子部品に電気
特性保護用の塗装を塗装する電子部品の塗装装置及びそ
の方法に関するものである。
従来の技術 近年、電子機器の軽薄短小化が進み、それに伴って電
子部品の小型化に対する要求が高まっている。電子部品
の製造工程の一つである塗装工程においては小型化した
電子部品の一つ一つに少量の塗料を均一に塗装し、塗装
後の寸法精度を確保し、さらに合理化のための高速塗装
にも対応できる塗装装置が求められている。
以下に従来の電子部品の塗装装置について説明する。
第5図は従来の電子部品の塗装装置を示す斜視図であ
り、電子部品2を矢印Xの方向へ移動させる間に外周に
V字状の溝を有した塗装ローラ14a,14bにてその電子部
品の外周に塗装する機構を示している。つまり、矢印W
の方向へ回転している塗装ローラ14aで16aの塗装容器の
内に入れた塗料7を汲み上げ、スクレイパー15aにて余
分な塗料をかき落とした後、電子部品の外周に塗布して
いる。また塗装ローラ14bは塗装ローラ14aの塗装ローラ
と同様に塗料容器16bとスクレイパー15bを備えた塗装ロ
ーラでYの方向に回転しながら塗装ローラ14aで塗残し
た約半周分を塗装するための物である。第6図は塗料を
均一に塗装する為の塗装ローラ14bとスクレイパー15bの
断面図であり塗装ローラ14bの外周についた余分な塗料
をかき落とす機構を示している。第7図は第6図に示さ
れた機構で塗料を均一に乗せた塗装ローラ14bで電子部
品2に塗装を施している途中を示す図である。以上の構
成並びに動作はもう1つの塗装ローラ14aについても同
様である。
発明が解決しようとする課題 第5図に示す従来の塗装装置では、塗装ローラ14aに
供給する塗料の量の調整だけでは電子部品2に転移させ
る際の塗料の幅と厚みの両方を個別に調節することが困
難であった。すなわち、塗装の厚みを厚くするために塗
装ローラ14aに乗せる塗料の量を多くすると塗装幅も同
時に広くなってしまい定められた塗装幅寸法精度が確保
できなくなる。さらに、回転する塗装ローラ14aの外周
に付着する余分な塗料が経時的に変質し粘度の変化が生
じることによって塗料の表面張力も変化し、小型の電子
部品に対し所定の幅で一定の厚さの塗装を施すことがい
っそう困難となっていた。
また2個の塗装ローラ14a,14bで円柱状の電子部品の
外周の約半分ずつを塗装しているため、それらの境目で
塗料が少なすぎたり、或は逆に多すぎたりするという問
題が生じる。第8図は第5図の電子部品2aの塗装の状態
を示したものであり、塗装ローラ14aによって外周の約
半分にのみ塗装がなされた状態を示している。2dはその
電子部品の外周面の展開図を示している。第9図は第5
図の電子部品2bの塗装状態を示したものであり、塗装ロ
ーラ14a,14bによって全周に亘って塗装が施された状態
を示している。尚2eはその状態に於ける外周面の展開図
である。17と18は塗装が不十分な部分であり、塗装完了
後の乾燥工程に経た後でもこの17と18の部分は塗装不十
分のまま残ってしまう。
第10図〜第13図は第5図の塗装装置にて出来るさまざ
まな塗装形状を示しており、2gは塗装幅Lが狭く厚みH
も不十分な部分がある例であり、この塗装幅不足、塗装
厚み不足のため電子部品の電気特性(例えば絶縁特性)
を十分に生かしきれないという問題が生じる。2h,2iは
塗料が付き過ぎ、外形寸法が大きくなってしまったため
形状不良となった電子部品を示している。
第10図〜第13図の2fは塗装幅も塗装厚みも十分な状態
の電子部品を示しており、このような塗装形状を維持安
定させ塗装幅Lと塗装厚みHの寸法精度を確保するため
には、頻繁に塗装ローラ14aやスクレイパー15aに付着し
た塗料を拭ったり、塗装ローラ14aの回転数の調整等を
しなければならず、塗装作業の高速化へ障害となってい
た。
課題を解決するための手段 上記問題点を解決するため、本発明は、塗装位置で電
子部品を自転させる手段と、長尺状のテープに塗料を担
持させる手段と表面に塗料を担持した前記テープを搬送
させながら前記電子部品の外周に押さえつける手段と、
電子部品の外周への塗装工程を経たテープを巻き取るテ
ープ巻き取り手段を備え、塗装位置で回転している電子
部品に前記テープを押し当てて、電子部品の外周に塗装
を施す。
作用 上記構成による作用は次の通りである。
即ち、塗装位置で電子部品を回転させることにより、
電子部品の外周に帯状の塗装を施すことができ、また塗
装工程を経た長尺状のテープを使いすてにすれば、残留
塗料の変質による塗装ムラの発生はなくなる。
実施例 以下、本発明の一実施例を第1図〜第4図の図面を参
照して説明する。
図に於て、1a,1bは電子部品をチャックするチャック
部材であり、その具体形状は第2図に示しているよう
に、1aは円筒状をしており、また1bは円筒状部材の一端
面をすり鉢状になした形状をしており、共に吸引ノズル
となっており、吸引されることにより電子部品をチャッ
クするのである。これらのチャック部材1a,1bは自転可
能なドラム4の外縁部に複数個配置されている。またモ
ータ3aによってローラ3bが矢印J方向へ回転されると、
このローラと当接しているチャック1bは矢印E方向へ回
転する。
5は所定の幅Lを有する平板状の塗装テープ12の供給
側ボビン、6はドクター8に収容された塗料7を前記塗
装テープ12へ塗布するドクターローラである。このドク
ターローラは第3図に示しているようにサブドクターロ
ーラ13と当接しており、このサブドクターローラ13と共
に前記塗装テープを溝内に位置決めして塗料の付与を行
うのである。9a,9bはテンションローラであり、電子部
品への塗装位置の上下に配置され、このテンションロー
ラ間に張架される塗装テープに所定のテンションを与え
るものである。10は使用済の塗装テープ12を巻き取りボ
ビン11にて巻き取らせるためのテープ駆動モータであ
る。
尚、本実施例に於て塗装テープ12としては、厚さ0.1m
m、幅1.0mmのナイロン(デュポン社の商品名)製長尺テ
ープを用いた。また塗装が施される電子部品としては小
型円筒形の皮膜抵抗器を用いた。
以上のように構成された本実施例の電子部品の塗装装
置について以下その動作を説明する。
まず2の電子部品を1a,1bのチャックで保持し所定の
塗装位置Dで回転装置3によりE,F方向の回転を加え
る。塗料テープ12はテープ駆動モータ10によって塗装テ
ープ巻出しボビン5から矢印M方向に巻出され、ドクタ
ーローラ6,ドクター8,サブドクターローラ13からなる塗
料ユニットにより所定量の塗料7が乗せられ塗装位置D
に送られ、9a,9bのテンションローラへの間で、チャッ
ク回転装置3によって回転させられている電子部品2に
接触しながら走行し電子部品2を塗装する。
この時テープ駆動モータ10の回転数を調整して塗装テ
ープの送り量を加減し、単位時間当り搬送される塗料の
量を調整することにより、第4図に示す塗装形状の塗装
幅Lを安定させながら塗装厚みHaを自由に調節すること
が出来る。また、塗装テープの送り量は一定としたま
ま、塗装位置に電子部品が滞在する時間を調整すること
により、前記と同様、塗装幅Lを安定させながら塗装厚
みを自由に調整することができる。尚、このような塗装
位置での滞在時間の調整は、ドラム4の回転速度をかえ
ることにより容易に達成できる。
発明の効果 以上の様に本発明の塗装装置によれば電子部品に一定
量の塗料を所定の幅で供給できるため正規の塗装形状、
塗装幅L、塗装厚みHaの寸法を保証することが容易とな
った。
また、塗装テープとしてナイロン製のものをもちいれ
ば、このテープは安価であるため使い捨てが可能で常に
新しい塗料をドクターから搬送し塗装できる。このため
従来の塗装方法の問題点であった塗装ローラに付着して
経時的に粘度が変化した塗料による塗装不良が発生する
ことが無くなり、頻繁に塗装ローラの管理をする手間が
不用になる。
また、塗装位置での電子部品の滞在時間を調整した
り、塗装テープの送り量を調整することにより、所定の
塗装幅を確保しながら、所望の塗装厚みとすることがで
きる。
また、以上説明したように、本発明によれば塗装寸法
及び形状が安定するため塗装作業の高速化も可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例による電子部品の塗装装置の斜
視図、第2図はチャック部の断面図、第3図は塗装テー
プに塗料を付与する機構を示す図、第4図aは塗装がほ
どこされた状態の電子部品の正面図、第4図bは同側面
図、第4図cは同斜視図、第5図は従来の電子部品の塗
装装置の斜視図、第6図aは塗装ローラに塗料を乗せて
いる状態の塗装ローラ部分の断面図、第6図bは同要部
側面図、第7図aは塗装ローラに乗せた塗料を電子部品
に塗装している状態の断面図、第7図bは同要部側面
図、第8図a,第9図aは従来の塗装装置による電子部品
への塗装形状を示す側面図、第8図b,第9図bは第8図
a,第9図aの電子部品の展開図、第10図a,第11図a,第12
図a,第13図aは従来の塗装装置により塗装が施された電
子部品の側面図、第10図b,第11図b,第12図b,第13図b
は、夫々第10図a,第11図a,第12図a,第13図aの電子部品
の斜視図である。 1a……チャック、1b……チャック、2……電子部品、3
……チャック回転装置、4……ドラム、5……塗装テー
プ巻き出しボビン、6……ドクターローラ、7……塗
料、8……ドクター、9a……テンションローラ、9b……
テンションローラ、10……テープ駆動モータ、11……巻
き取りボビン、12……塗装テープ、13……サブドクター
ローラ。
フロントページの続き (72)発明者 三宅 啓史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭48−8059(JP,A) 特開 昭59−179173(JP,A) 特開 昭63−93374(JP,A) 実公 昭30−18876(JP,Y1) 実公 昭49−44051(JP,Y1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗装位置へ電子部品を搬送する手段と、所
    定の厚み及び所定の幅をもった長尺状の塗装テープと、
    この塗装テープの表面に塗料を所定の幅及び所定の厚み
    で付与する塗料付与手段と、塗料が付与された塗装テー
    プを前記塗装位置にある電子部品の外周に当接させる手
    段と、塗装後の塗装テープを巻き取る巻き取り手段を備
    え、前記塗装位置にある電子部品を回転させつつその電
    子部品の外周に前記塗料が付与された塗装テープを当接
    させてその電子部品の外周に塗装を施すことを特徴とす
    る電子部品の塗装方法。
  2. 【請求項2】塗装位置にある電子部品を回転させる電子
    部品回転手段と、所定の厚み及び所定の幅をもった長尺
    状の塗装テープと、この塗装テープの表面に塗料を所定
    の幅及び所定の厚みで付与する塗料付与手段と、塗料が
    付与された塗装テープを前記塗装位置で回転している電
    子部品の外周に当接させ電子部品の外周に塗装を施す手
    段と、塗装後の塗装テープを巻き取る巻き取り手段とを
    備えたことを特徴とする電子部品の塗装装置。
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