JPH08138466A - 電線ストライプマーク塗布装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】印刷ロールの交換や被覆電線に対する押圧力の
調整が不要であり、太物の被覆電線に対しても確実にス
トライプマークの塗布が行え、幅広のストライプマーク
を施せる電線ストライプマーク塗布装置の提供。 【構成】被覆電線Ａの上下にそれぞれ配設された一対の
印刷ロール１０及び各印刷ロール１０にストライプマー
ク塗布用のインクを供給するインク供給手段２０であっ
て、印刷ロール１０には、その外周面の全面に弾力性の
あるウレタンゴムで形成された一定厚さの塗布部材１１
を設け、印刷ロール１０は、互いの塗布部材１１によっ
て被覆電線Ａを挟み込んだ状態で回転する。インク供給
手段２０は、ストライプマークと同一幅の転写部３１を
備えた金属製の転写ロール３０とこの転写ロール３０に
インクを付着させるインク付着手段４０とからなり、イ
ンク付着手段４０は、転写部３１と同一幅で前記転写部
と接触するかき上げロール４１とこのかき上げロール４
１が浸漬するインクの貯留部４２とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、被覆電線の被覆部外
周面にストライプマークを塗布する電線ストライプマー
ク塗布装置に関する。

【０００２】

【従来の技術と発明が解決しようとする課題】被覆電線
の被覆部外周面にストライプマークを施す電線ストライ
プグマーク塗布装置としては、図６に示すようなものが
ある。

【０００３】この電線ストライプグマーク塗布装置５０
は、同図に示すように、架台５１と、この架台５１に取
り付けられインクロール５２、印刷ロール５３及びイン
ク貯留容器５４とから構成されている。前記インクロー
ル５２は、その下部が前記インク貯留容器５４内のイン
クに浸漬されることによってインクがその外周面に供給
されるようになっており、トルクモータ５５からベルト
５６によって伝達される回転駆動力によって回転するよ
うになっている。また、前記印刷ロール５３は、その下
部外周面が前記インクロール５２の上部外周面と接触す
ることによって、インクロール５２に供給されたインク
が印刷ロール５３の外周面に転写されると共にインクロ
ール５２の回転運動が伝達されてインクロール５２と同
期回転するようになっている。この印刷ロール５３の上
部外周面には連続供給される被覆電線Ａが接触するよう
になっており、これによって印刷ロール５３に転写され
たインクが被覆電線Ａにストライプマークとして塗布さ
れる。

【０００４】しかし、このような電線ストライプグマー
ク塗布装置５０は、上述したように被覆電線Ａの外周面
と印刷ロール５３の外周面との点的な接触によるマーキ
ングであるため、電線サイズ、被覆厚及び被覆の硬さ等
に合わせて印刷ロール５３の形状を変更したり、被覆電
線Ａに対する印刷ロール５３の押圧力を調整したりする
必要があり、作業性が悪かった。

【０００５】また、太物の被覆電線の場合、その被覆表
面は内部の導体やコア線の撚りピッチによる凹凸がある
ため、ストライプマークの塗布を確実に行えないといっ
た欠点があると共に、特に幅広のストライプマークを施
すことができないといった欠点があった。

【０００６】そこで、この発明の課題は、電線サイズ等
が変わっても印刷ロールの交換や被覆電線に対する押圧
力の調整が不要であり、太物の被覆電線に対しても確実
にストライプマークの塗布が行え、しかも幅広のストラ
イプマークを施すこともできる電線ストライプマーク塗
布装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、連続的に供給される被覆電線を、外周
面に設けられた塗布部材間に挟み込んで回転する一対の
印刷ロールと、前記塗布部材にマーキング用インクを供
給するインク供給手段とから成り、前記塗布部材が、前
記被覆電線の外周面に沿って弾力性材料によって形成さ
れている電線ストライプマーク塗布装置を提供するもの
である。

【０００８】前記インク供給手段は、前記塗布部材の塗
布面に接触する転写部を備えた転写ロールと、貯留部の
インクを前記転写部に付着させるインク付着手段とによ
って構成することができる。

【０００９】また、前記転写ロールの転写部には、イン
ク貯留溝をメッシュ状に形成しておくことが好ましい。

【００１０】さらに、前記インク付着手段は、上部にお
いて前記転写ロールの転写面と接触すると共に下部にお
いて前記貯留部のインクに浸漬するかき上げロールによ
って構成することもがきる。

【００１１】また、前記インク付着手段を、前記貯留部
からインクを吸い上げるポンプと、このポンプによって
吸い上げたインクを前記転写ロールの転写部に放出する
ノズルとによって構成することもできる。

【００１２】

【作用】以上のように構成された電線ストライプマーク
塗布装置は、印刷ロールの回転によって連続供給される
被覆電線が弾力性材料によって形成された塗布部材によ
って挟み込まれると、前記塗布部材の塗布面が被覆部の
外周面に沿ってへこみ、被覆部の外周面が確実に塗布部
材の塗布面と接触し、塗布部材に供給されたインクが被
覆部の外周面に付着してストライプマークが施される。

【００１３】また、請求項２に記載された電線ストライ
プマーク塗布装置では、インク付着手段によって転写ロ
ールの転写部に付着されたインクが、塗布部材の塗布面
と転写部材の転写部とが接触することによって塗布部材
の塗布面に転写される。

【００１４】また、請求項３に記載された電線ストライ
プマーク塗布装置では、インク付着手段によって転写ロ
ールの転写部に付着されるインクがメッシュ状に形成さ
れたインク貯留溝に保持される。

【００１５】また、請求項４に記載された電線ストライ
プマーク塗布装置では、かき上げロールによって貯留部
のインクがかき上げられて転写ロールの転写部に付着
し、その転写部が印刷ロールの塗布部材の塗布面と接触
することによってインクが塗布面に転写される。

【００１６】また、請求項５に記載された電線ストライ
プマーク塗布装置では、ポンプによって吸い上げられた
貯留部のインクがノズルを介して転写ロールに放出さ
れ、その転写部に付着し、その転写部が印刷ロールの塗
布部材の塗布面と接触することによってインクが塗布面
に転写される。

【００１７】

【実施例】以下、実施例について図面を参照して説明す
る。図１に示すように、この電線ストライプマーク塗布
装置１は、押出成形機によって芯線に絶縁性樹脂が押出
被覆された被覆電線の被覆部外周面にインクを塗布して
ストライプマークを施すものであり、連続して送り出さ
れる被覆電線Ａの上下にそれぞれ配設された印刷ロール
１０及び各印刷ロール１０にストライプマーク塗布用の
インクを供給するインク供給手段２０から構成されてい
る。

【００１８】前記印刷ロール１０には、その外周面の全
面に弾力性のある軟質材又はウレタンゴム等で形成され
た一定厚さの塗布部材１１が着脱自在に設けられてお
り、印刷ロール１０は互いの塗布部材１１によって被覆
電線Ａを挟み込んだ状態で回転する。

【００１９】前記塗布部材１１は、図２（ａ）に示すよ
うに、フラットな塗布面１２を有しており、一対の印刷
ロール１０の塗布部材１１が被覆電線Ａを挟み込んだ状
態では、図３に示すように、弾力性のある塗布部材１１
が被覆電線Ａの外周に沿ってへこんで、被覆電線Ａの被
覆部が確実に前記塗布面１２と接触するようになってい
る。

【００２０】前記インク供給手段２０は、金属製の転写
ロール３０とこの転写ロール３０にインクを付着させる
インク付着手段４０とから構成されている。

【００２１】前記転写ロール３０は、図２（ｂ）に示す
ように、その外周面にストライプマークの幅でインク貯
留溝３２がメッシュ状に形成された転写部３１を有して
おり、前記インク貯留溝３２に、前記印刷ロール１０に
ストライプマークを転写すべき十分なインクが保持され
るようになっている。この転写部３１は、図４に示すよ
うに、前記印刷ロール１０の塗布部材１１の塗布面１２
と接触することによって転写部３１のインクを塗布部材
１１の塗布面１２に付着させるようになっている。

【００２２】また、この転写ロール３０は動力伝達手段
としてのベルトを介して駆動源であるモーターに接続さ
れており、この転写ロール３０の回転によって、前記印
刷ロール１０及び後述するかき上げロール４１に動力伝
達され、各ロール３０、１０、４１が同期回転するよう
になっている。なお、印刷ロール１０は電線にも接触し
ており、転写ロール３０の回転駆動力は、被覆電線Ａを
介しても伝達される。

【００２３】前記転写ロール３０の回転速度は、被覆電
線Ａの引き取り機の回転軸に取り付けられたタコゼネレ
ータの電力を測定することによって被覆電線Ａの引き取
り速度を検出し、前記印刷ロール１０の回転速度がこの
引き取り速度に同調するように制御されている。

【００２４】前記インク付着手段４０は、かき上げロー
ル４１及びインクの貯留部４２によって構成されたロー
ルかき上げ方式が採用されている。前記かき上げロール
４１は、図１及び図２（ｃ）に示すように、ストライプ
マーク幅と略同一幅のフラットな外周面が前記転写ロー
ル３０の転写部３１と接触した状態で、その下半部が前
記貯留部４２のインクに浸漬されており、このかき上げ
ロール４１の回転によって貯留部４２のインクがかき上
げられ転写ロール３０の転写部３１に付着するようにな
っている。なお、上記のように外周面をフラットにした
のは、インクのはねやロール表面へ均等にインクをかき
上げることを考慮すると、フラットに形成しておくこと
が好しいからである。

【００２５】以上のように構成された電線ストライプマ
ーク塗布装置１は、前記かき上げロール４１の回転によ
って貯留部４２内のインクが撹拌されると共に一定量の
インクが定常的にかき上げられ、転写ロール３０の転写
部３１にインクが付着する。

【００２６】転写部３１に付着したインクは、図４に示
すように、転写部３１が印刷ロール１０の塗布部材１１
に接触することによって塗布面１２に転写され、回転す
る印刷ロール１０の塗布部材１１間に被覆電線Ａが挟み
込まれることにより、被覆部表面にインクが塗布され
る。この時、前記塗布部材１１は、弾力性のあるウレタ
ンゴムによって形成されているため、各塗布部材１１が
被覆電線Ａを挟み込むと、塗布面１２が被覆電線Ａの外
周に沿ってへこみ、上述したように、被覆電線Ａの被覆
部に完全に前記塗布面１２が接触するので、被覆部表面
にインクが確実に塗布されてストライプマークが施され
る。

【００２７】なお、この実施例においては、上述したよ
うに、ロールかき上げ方式のインク付着手段４０を採用
しているが、これに限定されるものではなく、例えば、
以下に示すようなインクポンプ循環方式を採用すること
もできる。

【００２８】図５に示すように、インクポンプ循環方式
のインク付着手段４０ａは、インクを吸い上げるための
ポンプ（図示せず）と、このポンプによって吸い上げた
インクを前記転写ロール３０の転写部３１に放出するノ
ズル４１ａと、インクの貯留部４２ａとによって構成さ
れており、前記ノズル４１ａによって転写ロール３０に
放出されたインクは、余剰分が再び貯留部４２ａに回収
されるように、貯留部４２ａを転写ロール３０の真下に
設置しておく必要がある。

【００２９】また、このインクポンプ循環方式を採用す
る場合は、同図に示すように、前記転写ロール３０の幅
をストライプマークの幅と略同一幅にすると共にその外
周面の全面を転写部としてインク貯留溝を形成しておく
必要がある。

【００３０】なお、この実施例では、印刷ロールを被覆
電線Ａの上下に配設しているが、これに限定されるもの
ではなく、例えば、左右に配設してもよい。但し、印刷
ロールの配設位置が被覆電線の上下以外の場合は、上述
したロールかき上げ方式のインク付着手段を採用するこ
とはできないので、インクポンプ循環方式のインク付着
手段を採用しなければならない。

【００３１】

【発明の効果】以上のように、この発明の電線ストライ
プマーク塗布装置は、連続供給される被覆電線を弾力性
材料によって形成された塗布部材を備えた印刷ロールに
よって挟み込み、インク供給手段によって塗布部材にス
トライプマーク塗布用のインクを供給するようにしたた
め、従来のように電線サイズ等が変わっても印刷ロール
の交換や被覆電線に対する押圧力の調整が不要である。

【００３２】また、被覆電線が弾力性材料によって形成
された塗布部材によって挟み込まれると、前記塗布部材
の塗布面が被覆部の外周面に沿ってへこみ、被覆部の外
周面が塗布部材の塗布面と完全に接触するので、表面に
凹凸のある太物の被覆電線に対しても確実にストライプ
マークの塗布が行えると共に幅広のストライプマークを
施すことも可能になる。

【００３３】また、インク供給手段を、転写ロールとイ
ンク付着手段とによって構成したものにあっては転写ロ
ールに供給されたインクが確実に印刷ロールに転写さ
れ、特に、転写ロールの転写面にインク貯留溝をメッシ
ュ状に形成したものでは十分なインクが転写面に保持さ
れるので、塗布不良を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明にかかる一実施例を示す概略図であ
る。

【図２】同上の印刷ロール、転写ロール、かき上げロー
ルを示す図である。

【図３】同上の印刷ロールと被覆電線との関係を示す断
面図である。

【図４】同上の印刷ロールと転写ロールとの関係を示す
図である。

【図５】他の実施例を示す概略図である。

【図６】従来例を示す概略図である。

【符号の説明】

１ 電線全面インク塗布装置 １０ 印刷ロール １１ 塗布部材 １２ 塗布面 ２０ インク供給手段 ３０ 転写ロール ３１ 転写部 ３２ インク貯留溝 ４０、４０ａ インク付着手段 ４１ かき上げロール ４１ａ ノズル ４２、４２ａ 貯留部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 連続的に供給される被覆電線を、外周面
   に設けられた塗布部材間に挟み込んで回転する一対の印
   刷ロールと、前記塗布部材にマーキング用インクを供給
   するインク供給手段とから成り、 前記塗布部材が、前記被覆電線の外周面に沿って弾力性
   材料によって形成されている電線ストライプマーク塗布
   装置。
2. 【請求項２】 前記インク供給手段を、前記塗布部材の
   塗布面に接触するストライプマークと同一幅の転写部を
   備えた転写ロールと、貯留部のインクを前記転写部に付
   着させるインク付着手段とによって構成した請求項１記
   載の電線ストライプマーク塗布装置。
3. 【請求項３】 前記転写ロールの転写部にインク貯留溝
   をメッシュ状に形成した請求項２記載の電線ストライプ
   マーク塗布装置。
4. 【請求項４】 前記インク付着手段を、上部において前
   記転写ロールの転写部と接触すると共に下部において前
   記貯留部のインクに浸漬するかき上げロールによって構
   成した請求項２又は３に記載の電線ストライプマーク塗
   布装置。
5. 【請求項５】 前記インク付着手段を、前記貯留部から
   インクを吸い上げるポンプと、このポンプによって吸い
   上げたインクを前記転写ロールの転写部に放出するノズ
   ルとによって構成した請求項２又は３に記載の電線スト
   ライプマーク塗布装置。