JP2003320288A - ペースト塗布装置およびペースト塗布方法 - Google Patents

ペースト塗布装置およびペースト塗布方法

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JP2003320288A
JP2003320288A JP2002125771A JP2002125771A JP2003320288A JP 2003320288 A JP2003320288 A JP 2003320288A JP 2002125771 A JP2002125771 A JP 2002125771A JP 2002125771 A JP2002125771 A JP 2002125771A JP 2003320288 A JP2003320288 A JP 2003320288A
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JP2002125771A
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Kazuyuki Okeshi
一之 桶師
Tetsuya Mori
哲也 森
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被塗布体の前面側部分と後面側部分とのそれぞ
れに簡易な作業で均等にペーストを塗布できるペースト
塗布装置を提供にする。 【解決手段】基体2表面の一定層厚のペースト層3が側
面視円弧状経路を一定速度で移動するように構成し、ペ
ースト層3の移動する円弧状経路の接線方向に沿って被
塗布体6が一定速度で移動する過程でペースト層3に対
して一定深さまで侵入することによって、該被塗布体6
にペーストが塗布されるペースト塗布装置であって、被
塗布体6の前面側部分と後面側部分とにペーストが均等
に塗布されるよう、被塗布体6のペースト塗布時の移動
速度と、ペースト層3のペースト塗布時の移動速度とに
速度差を設定して被塗布体6にペーストを塗布する設定
手段を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品などの被
塗布体に接着剤、導電性接着剤、フラックスなどのペー
ストを塗布するペースト塗布装置およびペースト塗布方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記ペースト塗布装置としては、特開平
10−41339号公報に開示されたものが知られてい
る。これは、図8に示すように、塗布エリアAにおける
周速度V2が一定となるように一定方向にペースト3を
循環移動する塗布体(ローラ)2と、ペースト3を貯蔵
し塗布体2にこのペーストを接液させる貯蔵部1と、塗
布エリアAにおいて塗布体2上のペーストの厚さ、すな
わち層厚が一定になるように塗布体上のペーストの液厚
を調整するスキージ8と被塗布体6が塗布エリアAを横
切るとき、被塗布体の移動速度V1と塗布体の周速度V2
とが等しくなるように被塗布体を水平方向に移動させる
ヘッド5とを備えている。
【0003】また、従来は、例えば特許第313115
6号公報(特開平6−296929号公報)に開示され
ているものが知られている。これは、図9に示すよう
に、回転する薄板円板状の塗布ディスク7の外周に所定
量のペースト3を付着させ、前記ディスク7の接線方向
に被塗布体としてのチップ状部品cを直線移動させなが
ら、チップ状部品cの側面に前記塗布ディスク7の外周
に付着したペーストを転写するとともに、この転写時の
前記塗布ディスク7外周の周速度とチップ状部品cの移
動速度との差を制御することにより、このチップ型電子
部品に塗布されるペーストeの形状を適宜変更できるよ
うにしたものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように塗布される
ペーストは、チップ型電子部品において上面側部分ある
いは下面側部分、前面側部分および後面側部分に塗布さ
れるものであって、その前面側部分と後面側部分とに均
等に塗布されることが望ましい。すなわち、例えばペー
ストが導電性接着剤の場合、その塗布された後の被塗布
体である電子部品を回路基板へ実装する際、部品の電極
が基板の配線に対して前後均等に接着されるようにする
ことで実装不良の発生が抑制される。
【0005】上記従来技術のうち前者の塗布装置の場
合、ローラなどの塗布体は円弧状の外周面を有している
から、ローラの回転と共にペースト層が移動していく過
程において、ヘッドの水平移動により被塗布体にペース
トの塗布を行った場合、被塗布体は塗布エリア(ペース
ト中)においてペースト表面に対し垂直方向と水平方向
との両方向の移動成分を持つ。そして、このうち水平方
向の移動分によって、被塗布体はペーストを掻き取る。
また、塗布体のペースト層表面が被塗布体の移動速度と
等しい速度で移動していても、この水平方向の移動成分
(水平移動量)は、被塗布体の前面側部分と後面側部分と
で差が生じてしまう。よって、この水平移動量の差によ
り、被塗布体の前面側部分と後面側部分とでペーストの
掻き取り量に差が生じ、結局塗れ上がり量に差が生じて
しまう。
【0006】その理由を、図5に基づいて説明する。こ
の図5は、ローラの回転と共に移動するペースト層表面
の任意の点を仮想基準点Oとし、これを中心として被塗
布体の進行方向に対して側面視で見た座標系の直交座標
を示している。ここではペースト層表面に対して、この
仮想基準点Oを接点とする接線を横軸とし、仮想基準点
Oを通り該接線に垂直な方向(ペースト層表面に対する
法線方向)を縦軸としている。この横軸は、被塗布体の
進行方向をプラスとし、縦軸は、ペースト層表面から離
れる方向をプラスとする。また、被塗布体を直方体とす
る。そして、図5は直方体の被塗布体がペースト層へ浸
漬していくその過程を、被塗布体の前面下端位置と後面
下端位置との前記仮想基準点Oに対する相対的な移動軌
跡a2,b2としてそれぞれ示している。つまり、この
図5に示される移動軌跡a2,b2は、実際にはペース
ト層表面と同じように一定速度で移動していく仮想基準
点Oを座標中心に固定したものとして見たときのその仮
想基準点Oと、前記前面下端位置及び後面下端位置との
相対的な位置関係を示すものである。ここでは、仮想基
準点Oは、被塗布体がもっともペースト層に浸漬したと
きに、その被塗布体の進行方向での前後幅における中央
位置と共に前記法線上を通過するように設定している。
そして、ペースト層表面の移動速度のうち水平方向に沿
った速度成分は、円弧状の移動経路において最上位位置
で被塗布体の水平方向での移動速度と一致するように設
定している。
【0007】この場合、仮想基準点Oが最上位位置にく
る前後においては、被塗付体の移動速度のほうが、ペー
スト層表面の移動速度成分のうち水平方向に沿った速度
成分よりも高速となっている。このことから、被塗布体
の前面側部分はその浸漬開始から浸漬終了までの間、相
対的にペースト層の移動速度より速いために、被塗布体
の前面側部分がペースト層と相対的に見てさらに前面水
平方向に移動する量L1は、被塗付体の後面側部分がペ
ースト層と相対的に見てさらに後面水平方向に移動する
L2と比して大きくなっていた。
【0008】したがって、この従来技術の場合、被塗布
体の前面側部分でのペースト押出し量が大きくなり、一
方被塗布体の後面側部分でのペースト押出し量は逆に小
さくなる。このため、被塗布体の前面側部分のペースト
塗布量が後面側部分より大きくなり、前面側部分と後面
側部分とでペーストの塗付量を均等にしたいという要望
に適合していなかった。そこで、被塗布体の前面側部分
と後面側部分とでペーストを均等に塗付するためには、
一旦塗布した被塗布体の前後向きを替えて再度塗布作業
をしなければならず、作業効率が低いという問題があっ
た。
【0009】また、図9に示す塗布装置の場合、被塗布
体cの後面側部分に特に集中してペーストeを付着させ
ることを目的として被塗布体の移動速度V1よりもペー
ストを塗布するディスク7のペースト表面での速度V2
を大にしているものであって、被塗布体cの前面側部分
と後面側部分とに均等にペーストを塗布しようとするも
のでなかった。
【0010】本発明は、このような実情に着目してなさ
れたものであって、被塗布体の前面側部分と後面側部分
とのそれぞれに簡易な作業で均等にペーストを塗布でき
るペースト塗布装置及びペースト塗布方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次のように構成している。
【0012】すなわち、本発明に係る発明のペースト塗
布装置は、基体表面に一定層厚のペースト層が形成さ
れ、前記ペースト層が基体と共に移動する経路を側面視
円弧状経路とし、前記ペースト層の移動する前記円弧状
経路の接線方向に沿って被塗布体が移動する過程で、前
記被塗布体が前記ペースト層に対して一定深さまで侵入
することによって、該被塗布体にペースト塗布するペー
スト塗布装置であって、前記被塗布体にペーストを塗付
するペースト塗布時において、前記被塗布体の前面側部
分と後面側部分とにペーストが均等に塗付されるよう、
前記被塗布体の移動速度と、前記ペースト層の移動速度
とに速度差を設ける設定手段を有することを特徴とす
る。
【0013】本発明に係るペースト塗布装置によれば、
被塗布体のペースト塗布時の移動速度と、ペースト層の
ペースト塗布時の移動速度とに速度差を設けることによ
って、塗布体の前面側部分と後面側部分とに均等にペー
ストが塗布されるようにしているから、単にその速度差
をつけるだけの簡易な速度制御によって所望の良好なペ
ースト塗布を行うことができる。
【0014】本発明に係るペースト塗布装置は、好まし
くは、前記円弧状経路は、円柱状のローラの外周面によ
り設定され、前記ペースト層は前記円弧状経路の表面に
塗着しているとともに、前記円弧状経路の表面にペース
トを供給する供給部と、前記円弧状経路の表面のペース
ト層の層厚を一定にする層厚調整部とを有する。この場
合、ペースト層が移動していく円弧状経路が円柱状のロ
ーラの外周面により設定され、その円弧状経路をペース
ト層が移動していく際に、そのペースト層の移動速度と
被塗布体に移動速度とに速度差を設けて、塗布体の前面
側部分と後面側部分とに均等にペーストが塗布されるよ
うにしているから、単にその速度差をつけるだけの簡易
な速度制御によって所望の良好なペースト塗布を行うこ
とができる。
【0015】本発明に係るペースト塗布装置は、好まし
くは、前記設定手段は、ペースト塗布時における前記ペ
ースト層の移動速度と前記被塗布体の移動速度との速度
差を、前記被塗布体にペーストを塗付する位置で前記円
弧状経路の円弧の中心から前記ペースト層表面までの距
離と、前記被塗布体の前記ペースト層中への浸漬深さ
と、前記被塗布体の外形寸法とに基づいて設定する。こ
の場合、ペースト塗布時におけるペースト層の円弧状経
路での移動速度と被塗布体の移動速度との速度差が、円
弧状経路の円弧の中心からペースト層表面までの距離、
被塗布体のペースト層中への浸漬深さ、及び、被塗布体
の外形寸法のパラメータによって求めることで簡易に設
定できるので、各種の条件が変わっても計算するだけで
簡単に前記速度差を求めることができる。
【0016】本発明に係るペースト塗布装置は、好まし
くは、前記基体は回転駆動される円柱状のローラで構成
されるとともに、前記ローラの表面にペーストを供給す
る供給部と、前記ローラの表面のペースト層の層厚を一
定にする層厚調整部とを有する。この場合、ローラ表面
に塗着されたペースト層をローラの回転に伴い回転移動
させる状態にして、その回転移動しているペースト層に
対して被塗布体をその接線方向に沿って通過移動する際
に、ローラ表面のペースト層のペーストを被塗布体に塗
布するものとなっている。
【0017】本発明に係るペースト塗布装置は、好まし
くは、前記設定手段は、ペースト塗布時における前記ペ
ースト層の移動速度と前記被塗布体の移動速度との速度
差を、前記被塗布体にペーストを塗付する位置で前記ロ
ーラの中心から前記ペースト層表面までの距離と、前記
被塗布体の前記ペースト層中への浸漬深さと、前記被塗
布体の外形寸法とに基づいて設定する。この場合、ペー
スト塗布時におけるペースト層の円弧状経路での移動速
度と被塗布体の移動速度との速度差が、ローラの中心か
らペースト層表面までの距離、被塗布体のペースト層中
への浸漬深さ、及び、被塗布体の外形寸法のパラメータ
によって求めることで簡易に設定できるので、各種の条
件が変わっても計算するだけで簡単に前記速度差を求め
ることができる。
【0018】本発明に係るペースト塗布装置は、好まし
くは、ペースト塗布時において、前記設定手段は前記被
塗布体の移動速度よりも、前記ペースト層の移動速度の
方が高速に設定してある。この場合、ペースト塗布時に
おける被塗布体の移動速度に比して、ペースト層の円弧
状経路での移動速度を高速に設定することによって、被
塗布体の前面部分と後面部分との塗布量が均等になるよ
うにできる。
【0019】本発明に係るペースト塗布装置は、好まし
くは、前記設定手段は、前記被塗布装置の移動方向での
前記前面側部分と前記後面側部分とが、前記ペースト層
中に浸漬したときの、それぞれの前記ペースト層に対す
る浸漬の移動軌跡において、その浸漬開始位置と浸漬終
了位置とが一致するように前記速度差を設定する。この
場合、被塗布体の前面側部分と後面側部分とでペースト
層に浸漬した状態での前後それぞれにおける移動量が同
じになって、それぞれの面部分におけるペーストの塗布
量が均等になる。
【0020】本発明に係るペースト塗布方法は、基体表
面に一定層厚のペースト層が形成され、前記ペースト層
が基体と共に移動する経路を側面視円弧状経路とし、前
記ペースト層の移動する前記円弧状経路の接線方向に沿
って被塗布体が移動する過程で、前記被塗布体が前記ペ
ースト層に対して一定深さまで侵入することによって、
該被塗布体にペースト塗布するペースト塗布方法であっ
て、前記被塗布体の前面側部分と後面側部分とにペース
トが均等に塗布されるよう、前記被塗布体のペースト塗
布時の移動速度と、前記ペースト層のペースト塗布時の
移動速度とに速度差を設定して前記被塗布体にペースト
を塗布することを特徴とする。
【0021】本発明に係るペースト塗布方法によれば、
被塗布体のペースト塗布時の移動速度と、ペースト層の
ペースト塗布時の移動速度とに速度差を設けることによ
って、塗布体の前面側部分と後面側部分とに均等にペー
ストが塗布されるようにしているから、単にその速度差
をつけるだけの簡易な速度制御によって所望の良好なペ
ースト塗布を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0023】図1から図4は、本発明の実施の形態を示
している。図1は、ペースト塗布装置を示す縦断側面
図、図2は、側面視での原理説明図、図3は、ペースト
塗布時における所定時間ごとの被塗布体の位置を示す側
面図、図4は、被塗布体のペースト塗布時における移動
軌跡を示す側面図である。
【0024】図1において、1はペーストを供給する供
給部としてのペースト槽、2はペーストを塗布する基体
としての回転駆動されるローラ、3はペースト層、4は
ペースト厚みを調整する層厚調整部としてのスキージ、
5はヘッド、6は被塗布体であって例えばチップ型電子
部品である。
【0025】ローラ2が矢印方向(図1において右回り
方向)に中心周りに回転することで、ペースト槽1内の
ペーストがローラ2とともに巻き上げられ、ローラ2表
面にペースト層3を形成するとともに、このペースト層
3はスキージ4によって一定層厚に調整される。ペース
トをローラ2と共に回転するのでこの一定層厚となって
いるペースト層3の表面はローラ2の回転速度に対応し
た表面周速度V2となっている。
【0026】そして、ヘッド5に吸着で保持された被塗
布体6は、その底面高さがローラ2の頂点よりも若干
(0.01〜1.0mm程度)高い位置を速度V1で矢
印方向(図1において左から右へ向かう方向)へ水平移
動し、ローラ2の頂点近傍を通過する際にローラ2の表
面のペーストが塗布される。すなわち、ローラ2の頂点
におけるペースト層3の表面位置はペースト層3での最
上位になっていて、この最上位位置を通る接線方向であ
る水平方向に沿って被塗布体6が移動していきながらペ
ーストが塗布される。
【0027】なお、ペーストとしては、用途に応じて導
電性接着剤、絶縁性接着剤、フラックス等が使用でき
る。
【0028】さらに、このペースト塗布装置では、図示
しない制御手段を備えている。この制御手段は、ペース
ト塗布時のヘッド5の移動速度、ひいては被塗布体6の
移動速度を制御するとともに、ローラ2の回転速度を制
御できる構成となっている。詳述すると、制御手段は、
被塗布体6の移動速度である前記速度V1と、ペースト
層3の表面周速度V2との速度差を設定する設定手段を
備えているとともに、その設定された速度差となるよう
に、ヘッド5の移動速度及びローラ2の回転速度を制御
する構成となっている。
【0029】ここで、制御手段による速度制御及び設定
手段による速度差の設定の具体例を示す。例えば、ロー
ラ2とペースト層3からなる塗布体のローラ2中心から
ペースト表面までの距離(ローラ半径+ペースト厚み)
が10mm、被塗布体6の高さ寸法aが0.5mm、被
塗布体6の移動方向(前後方向)寸法が1.0mm、浸
漬深さが0.25mmであるとき、被塗布体6の移動速
度V1を2000mm/sに設定すると、被塗布体移動
速度V1と塗布体のペースト表面周速度V2の比をV2
1=1.008にする。したがって、塗布体のペース
ト表面周速度V2は、2016mm/sである。なお、
この場合の被塗布体6がペースト層3に浸漬していく過
程を最も深く浸漬した時点、すなわち被塗布体6の前後
方向での幅の中心がペースト層3の表面の最上位を通過
する時点を0としてその前後で0.001秒ごとの被塗
布体6の位置を図3に示している。
【0030】そして、この条件によって、被塗布体6の
ペースト層表面の特定点Oに対する相対移動経路の描く
軌跡a1,b1を図4に示している。図4で描かれる曲
線の軌跡a1,b1は、図2における被塗布体6の側面
視での前面下端角の頂点P3と後面下端角の頂点P2と
がそれぞれ描く軌跡である。上記条件の場合その各軌跡
a1,b1では、ペースト層表面に対する突入した位置
と、離脱した位置とが一致している。また、その突入し
てから離脱するまでの間のペースト層内での各軌跡a
1,b1は、前後にほぼ対称となる軌跡を描くものとな
っており、被塗布体6の前面側部分と後面側部分とにお
けるペースト層3内での前後方向の掻き取り移動量L
1,L2(図4においては、それぞれ前面水平移動量L
1、後面水平移動量L2として示している)が同一とな
っていることが理解できる。
【0031】次に、ペースト表面周速度V2と被塗布体
6の移動速度V1とに上記のように速度差を設けること
によって、被塗布体6の前面側部分と後面側部分とに均
等にペーストを塗布できることの原理および各パラメー
タに基づいて算出する方法について図2を参照に以下に
説明する。
【0032】図2に示すモデルにおいて、ローラ2上の
ペーストに対する被塗布体6の位置(座標系1での被塗
布体の位置(xPn,yPn))は、式(1)のように表す
ことができる。ここで、座標系1は、ペースト層表面の
仮想的に設定した特定点Oを中心とする座標であって、
前述したように、この特定点Oに対する被塗布体6の移
動軌跡a1,b1を前記P3,P2の点の描く軌跡とし
て図4に示している。
【0033】
【数1】 ここで、Rはローラ2の半径rとペースト層3の一定層
厚となったときの厚みlとの和、すなわちペースト層3
表面のローラ中心からの距離であり、ωはローラ2の回
転速度、tは被塗布体6の前後方向での幅の中心がペー
スト層3の表面の最上位を通過する時点を0とする時間
を示す。
【0034】式(1)の導入について補足説明をする。
【0035】まず、前提条件を以下に説明する。図2に
おいて、Pnは被塗布体の側面視での各頂点P1,P
2,P3,P4を示す。被塗布体中心(前後幅での中
心)がローラ頂点を通過する時刻t=0とする。ここ
で、aは、被塗布体6の上下幅寸法、bは、被塗布体6
の移動方向幅寸法、dは、被塗布体6のペースト層3へ
の浸漬深さである。xp1,yp1はt=0の時の座標系1
でみた被塗布体6の側面視での各頂角位置を示してい
る。xp1=−b/2、yp1=a−d、xp2=−b/2、
p2=−d、xp3=b/2、yp3=−d、xp4=b/
2、yp4=a−dである。よって、浸漬深さdが変わる
とxpn、ypnも変化する。
【0036】座標系0はローラ2の中心を原点としたX
軸、Y軸の直交座標とする。
【0037】座標系1はt=0の時のローラ2の頂点
(最上位点)上のペースト層3表面を原点としたX軸、
Y軸の直交座標とする。
【0038】Σ0Z1Pnは線分Z0Pnを座標系0の
X軸、Y軸に投影したときの長さを示す。
【0039】Σ1Z1Pnは線分Z0Pnを座標系1の
X軸、Y軸に投影したときの長さ、すなわち座標系1か
ら見たPnの位置を示す。
【0040】よって、ローラ2上のペースト層3表面に
対する被塗布体の位置(座標系1での被塗布体の位置)
は、Σ1Z1Pnによって表すことができる。
【0041】式(1)は、Σ0Z1Pnを座標系0から
座標系1に座標変換することにより、Σ1Z1Pnを求
めたものである。
【0042】すなわち、式(1)は以下のようにして導
かれる。
【0043】
【数2】 式(1)に基づいて、ペースト層表面に対する被塗布体
の位置は、時刻tをパラメータとすることで軌跡を描
き、この軌跡は、V1、R、ω(V2と比例関係にあ
る)、xpn、ypnの値によって変化することを示してい
る。また、xpn、y pnは前提条件で示したように、被塗
布体6の寸法および浸漬深さdによって変化するため、
被塗布体6の寸法、浸漬深さdによっても軌跡は変化す
る。
【0044】式(1)を用いて、ローラ上のペースト表
面に対する被塗布体の運動状態を示すと前述の図3のよ
うになる。時刻t=−0.003〜0.003まで0.
001秒刻みで表示した被塗布体の位置を、被塗布体6
の側面視での位置で示している。
【0045】次に、被塗布体の移動速度と、ペースト層
表面の円弧状経路を移動するときの移動速度との最適な
速度差の求め方について説明する。
【0046】この最適な速度差とは、上述したように、
ペースト層内に塗布体が突入してから離脱するまでの間
においてペーストに対する塗布体の前面側部分の水平移
動量と塗布体の後面側部分の水平移動量が等しくなる速
度差である。
【0047】別言すれば、被塗布体のペースト表面に対
する運動軌跡において、被塗布体の前後端がペースト層
表面に突入する点とペースト層表面から離脱する点とが
一致することであり、これは本発明者によりシミュレー
ションで確認されている。
【0048】したがって、上記最適な速度差は、被塗布
体の移動速度V1を予め任意に設定し、被塗布体の前面
端ならびに後面端のペースト表面に対する運動軌跡を描
く計算をして、そのペースト表面に被塗布体が突入する
位置と離脱する位置とが一致することになるペースト層
表面の移動速度V2を求める。そして、その移動速度V1
とV2との速度比V2/V1を求めることで得られる。こ
のような速度差に対応する速度比V2/V1は、作業者が
制御手段の設定手段に上述した各パラメータを入力する
ことによって自動的に演算される。
【0049】また、比較例として、図5には被塗布体6
の移動速度とペースト層表面の移動速度とを同速度に設
定した場合の被塗布体のペースト層表面の特定点に対す
る相対移動経路を示している。
【0050】上記解決しようとする課題の欄でも同じ図
5で説明したように、ペースト層に突入してから離脱す
るまでの間における被塗布体の前面側部分の水平移動量
L1と、後面側部分の水平移動量L2とは、図5に示さ
れているように、L1>L2の関係になるため、ペース
トの前面の塗れ上がり量が後面より大きくなり、前面と
後面とでのペースト塗布量が不均一となる。
【0051】このように、前記速度差は、ローラ中心か
らペースト層表面までの距離R、被塗布体の前記ペース
ト層中への浸漬深さd(最も深く浸漬したところでの浸
漬深さ)、および前記被塗布体の移動方向での幅寸法b
に基づいて設定されるものであって、それらR,d,b
の各パラメータが前述実施の形態と異なる場合でも最適
速度差は予め算出できることになり、その最適速度差と
なるように塗布体の移動速度V1とペースト層表面での
移動速度V2とを設定手段で設定することになる。その
具体例を表1に示す。なお、速度差は速度比V2/V1
して示している。
【0052】
【表1】 本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、例
えば以下のような変形例で実施することもできる。
【0053】(1)上記実施の形態では、回転するロー
ラ表面にペースト層を塗布したものを示したが、例え
ば、ペーストを供給する形態は、図1のようにペースト
槽の中にペーストを貯蔵しておきローラで巻き上げて供
給する形態以外にも、図7に示すように、層厚調整部と
してのスキージ4の上部にペーストPを貯蔵してローラ
表面にペーストを塗着供給できように供給部を構成して
も良い。
【0054】さらに、層厚調整部としては、スキージに
代えて、ペースト層の層厚を一定することのできるロー
ラを用いても良い。
【0055】(2)上記実施の形態では、ローラを基体
として用いて塗布体を構成したものを示したが、例え
ば、図7に示すように、駆動ローラ8と従動ローラ9と
にわたって張設されて一定速度で回動駆動される基体と
してのベルト10の表面に、ペースト槽1に貯留された
ペーストを付着して巻き上げ、その途中でスキージ4で
掻き取りされて一定層厚となったペースト層3を塗着
し、中間に設けた遊転自在なローラ11によってベルト
10が円弧状移動経路を移動できるように構成したもの
でも良い。この構成のものでは、その円弧状移動経路に
おいて、被塗布体6を水平方向に沿って移動させること
によってベルト10表面のペースト層のペーストを被塗
布体6に塗布できる。この場合も、被塗布体6の移動速
度と、ベルト10表面のペースト層表面の円弧状移動経
路における移動速度とに速度差を設定して被塗布体6の
前面と後面とへの塗布量が均等になるようにしている。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば以下に示すような効果が期待できる。
【0057】本発明によれば、被塗布体のペースト塗布
時の移動速度と、ペースト層のペースト塗布時の移動速
度とに速度差を設けることによって、被塗布体の前面部
分と後面部分とに均等にペーストが塗布されるようにし
ているから、単にその速度差をつけるだけの簡易な速度
制御によって所望の良好なペースト塗布を行うことがで
き、例えば被塗布体がチップ型電子部品でペーストが導
電性接着剤の場合、前後面で均等にペーストが塗布され
ていることで実装が良好に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るペースト塗布装置を
示す縦断側面図
【図2】側面視での原理説明図
【図3】ペースト塗布時における所定時間ごとの被塗布
体の位置を示す側面図
【図4】被塗布体のペースト塗布時における移動軌跡を
示す側面図
【図5】従来の被塗布体のペースト塗布時における移動
軌跡を示す側面図
【図6】別の実施の形態に係るペースト塗布装置を示す
縦断側面図
【図7】さらに別の実施の形態に係るペースト塗布装置
を示す縦断側面図
【図8】従来のペースト塗布装置の一例を示す縦断側面
【図9】従来のペースト塗布装置の他の一例を示す縦断
側面図
【符号の説明】
2 ローラ(基体) 3 ペースト層 6 被塗布体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AC27 AC92 AC94 CA13 CA22 CA47 DA11 DC18 DC21 EA07 EA35 4F040 AA01 AA12 AA31 AB01 AC01 BA12 BA16 CB11 CB33 CC20 5E082 AA01 BC38 GG10 GG28 JJ03 JJ23 MM11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体表面に一定層厚のペースト層が形成
    され、前記ペースト層が基体と共に移動する経路を側面
    視円弧状経路とし、前記ペースト層の移動する前記円弧
    状経路の接線方向に沿って被塗布体が移動する過程で、
    前記被塗布体が前記ペースト層に対して一定深さまで侵
    入することによって、該被塗布体にペースト塗布するペ
    ースト塗布装置であって、 前記被塗布体にペーストを塗付するペースト塗布時にお
    いて、前記被塗布体の前面側部分と後面側部分とにペー
    ストが均等に塗付されるよう、前記被塗布体の移動速度
    と、前記ペースト層の移動速度とに速度差を設ける設定
    手段を有することを特徴とする
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のペースト塗布装置にお
    いて、 前記円弧状経路は、円柱状のローラの外周面により設定
    され、前記ペースト層は前記円弧状経路の表面に塗着し
    ているとともに、前記円弧状経路の表面にペーストを供
    給する供給部と、前記円弧状経路の表面のペースト層の
    層厚を一定にする層厚調整部とを有することを特徴とす
    るペースト塗布装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のペースト塗付
    装置において、 前記設定手段は、ペースト塗布時における前記ペースト
    層の移動速度と前記被塗布体の移動速度との速度差を、
    前記被塗布体にペーストを塗付する位置で前記円弧状経
    路の円弧の中心から前記ペースト層表面までの距離と、
    前記被塗布体の前記ペースト層中への浸漬深さと、前記
    被塗布体の外形寸法とに基づいて設定することを特徴と
    するペースト塗付装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のペ
    ースト塗付装置において、 前記基体は回転駆動される円柱状のローラで構成される
    とともに、前記ローラの表面にペーストを供給する供給
    部と、前記ローラの表面のペースト層の層厚を一定にす
    る層厚調整部とを有することを特徴とするペースト塗布
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のペースト塗付装置にお
    いて、 前記設定手段は、ペースト塗布時における前記ペースト
    層の移動速度と前記被塗布体の移動速度との速度差を、
    前記被塗布体にペーストを塗付する位置で前記ローラの
    中心から前記ペースト層表面までの距離と、前記被塗布
    体の前記ペースト層中への浸漬深さと、前記被塗布体の
    外形寸法とに基づいて設定することを特徴とするペース
    ト塗付装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のペ
    ースト塗布装置において、 ペースト塗布時において、前記設定手段は前記被塗布体
    の移動速度よりも、前記ペースト層の移動速度の方が高
    速に設定してあることを特徴とするペースト塗布装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6に記載のペースト塗布
    装置において、 前記設定手段は、前記被塗布装置の移動方向での前記前
    面側部分と前記後面側部分とが、前記ペースト層中に浸
    漬したときの、それぞれの前記ペースト層に対する浸漬
    の移動軌跡において、その浸漬開始位置と浸漬終了位置
    とが一致するように前記速度差を設定することを特徴と
    するペースト塗付装置。
  8. 【請求項8】 基体表面に一定層厚のペースト層が形成
    され、前記ペースト層が基体と共に移動する経路を側面
    視円弧状経路とし、前記ペースト層の移動する前記円弧
    状経路の接線方向に沿って被塗布体が移動する過程で、
    前記被塗布体が前記ペースト層に対して一定深さまで侵
    入することによって、該被塗布体にペースト塗布するペ
    ースト塗布方法であって、 前記被塗布体の前面側部分と後面側部分とにペーストが
    均等に塗布されるよう、前記被塗布体のペースト塗布時
    の移動速度と、前記ペースト層のペースト塗布時の移動
    速度とに速度差を設定して前記被塗布体にペーストを塗
    布することを特徴とするペースト塗布方法。
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