JP2678770B2 - 新規食品素材の製造法 - Google Patents

新規食品素材の製造法

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JP2678770B2 JP63213742A JP21374288A JP2678770B2 JP 2678770 B2 JP2678770 B2 JP 2678770B2 JP 63213742 A JP63213742 A JP 63213742A JP 21374288 A JP21374288 A JP 21374288A JP 2678770 B2 JP2678770 B2 JP 2678770B2
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弘治 只左
裕文 赤野
猛 佐藤
一 奥村
吉也 川村
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、柑橘類の搾汁残渣を均質化したものに醸造
用酵母を接種し、軽度に発酵させることにより得られる
香味に優れたクリーム状の新規食品素材の製造法に関す
る。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
柑橘類は、生鮮食品として食される以外にジュース,
缶詰等の加工食品として利用されているが、その製造工
程において果実の約50重量%は搾汁残渣となるため、そ
の処理が大きな問題となっている。従来、柑橘類の搾汁
残渣は十分には利用されておらず、そのままあるいは乾
燥して飼料とするのが主な利用法であり、食品としての
利用については、植物繊維食品として食品に添加したり
(特開昭58−126768号公報)、マーマレード,砂糖菓子
の原料として利用する方法等が知られているが、苦味や
ざらつきがあるため食味,食感の点から広く素材として
利用するには問題がある。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者らは柑橘類の搾汁残渣を用いて香味
に優れた食感の良好な食品素材を開発するために研究を
重ねた結果、柑橘類の搾汁残渣を均質化したものに醸造
用酵母を接種し、軽度の発酵させればよいことを見出
し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は柑橘類の搾汁残渣に鋳造用酵母を
接種し、軽度の発酵を行うことを特徴とする新規食品素
材の製造法を提供するものである。
本発明に用いることのできる柑橘類としては特に制限
はなく、温州ミカン,ユズ,オレンジ,レモン,グレー
プフレーツ,ハッサク,スダチ等を単独で、あるいは必
要に応じて2種以上を混合して使用する。
本発明において柑橘類の搾汁残渣とは、上記の柑橘類
の全果実、果皮または剥皮果実のいずれか、またはそれ
らの混合物を圧搾し、搾汁した残渣をいい、通常固形物
中の水分含量が50〜90(W/W)%のものを使用する。搾
汁残渣は、そのままでは不均一な固形物であり食感が著
しく劣るため、残渣に対して適宜加水したのち、磨砕し
て均質化する。なお、加水容量は約3倍量までがよい。
磨砕は通常用いられる装置を用いて行うことができる
が、コロイドミルまたはホモジナイザーを用いる機械的
方法が望ましい。さらに望ましくは、該残渣を凍結微粉
砕装置で粉砕後、水分量を調整すると、より一層均質で
滑らかなものが得られる。このようにして得られた均質
化した搾汁残渣のpHは3.0〜5.0であり、クリーム状で滑
らかな食感を与えるが、まだ苦味等が存在する。
次に、本発明で用いる醸造用酵母としては、通常醸造
に用いられているサッカロミセス(Sacc−haromyces)
属,キャンディダ(Candida)属,トルロプシス(Torul
opsis)属,シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyce
s)属,ハンゼヌラ(Han−senula)属などに属する酵母
を挙げることができ、これらを適宜選択、もしくは目的
とする香味に応じて併用すればよい。
本発明では、前記のごとくして得られた均質化した搾
汁残渣に上記の醸造用酵母を接種して軽度に発酵を行
う。酵母は通常行われている方法で前培養したものを用
い、均質化した搾汁残渣(原料)に対し、酵母を0.05〜
1(W/W)%接種し、15〜35℃、好ましくは20〜30℃で
3日〜2週間、好ましくは4〜10日間静置またはゆるや
かに撹拌しながら発酵を行う。本発明においては、発酵
が進みすぎ、いわゆる「酵母臭」が発生し、香味が劣化
する以前の軽度な発酵段階で発酵を終了することが必要
である。また栄養源としてグルコースやシュークロース
等の通常用いる糖質を3(W/W)%以下、好ましくは2
(W/W)%以下の範囲で添加することも可能であるが、
糖質の添加は必須ではない。さらに、必要に応じて窒素
源やミネラルを適宜選択して栄養源として加えてもよ
い。
本発明により得られる食品素材はクリーム状であり、
苦味のほとんど感じられない香味良好なものであるばか
りでなく、後記実験例に示すように血圧降下に有益なア
ンジオテンシン変換酵素阻害活性も上昇している。ま
た、本発明により得られる食品素材は、そのままの形で
各種食品に混合,添加して利用することができるが、凍
結乾燥,熱風温風乾燥等の乾燥工程を経て粉末状もしく
は顆粒状に成形して、食品の使用形態に応じて適宜利用
することもできる。さらに、水分含量の調整や増粘剤を
添加して粘度を調節をしたものを各種食品に利用できる
ことは言うまでもないが、各種添加物を添加してそのま
ま食することもできる。
〔実 施 例〕
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
実験例 1 キャンディダ・ウティリスIFO0396をグルコース1(W
/W)%,酵母エキス0.3(W/W)%,麦芽エキス0.3(W/
W)%,ペプトン0.5(W/W)%を含む液体培地100mlに接
種し、30℃で3日間常法に従い振とう培養を行った。培
養終了後、集菌,洗浄し、生酵母菌体3gを得た。
一方、温州ミカン搾汁残渣(水分75%)100gに90mlの
水を徐々に加水しながらホモジナイザーで5分間磨砕し
て均質化を行いクリーム状の均質化した搾汁残渣180gを
得た。
このようにして得られた均質化した搾汁残渣に前記の
生酵母菌体を混合し、23℃で5日間静置培養を行った。
なお、発酵中は1日1回程度軽く撹拌を行い、均一に発
酵が進むようにした。
このようにして得られた素材はクリーミィで苦味もほ
とんどなく芳香の強いものであり、食品素材として優れ
ていた。このものの組成は第1表に示す通りであり、粘
度は18000cps(東京計器製,BH型粘度計,20℃,10rpm,No.
6ローター使用)で、色調は橙色だった。
第 1 表 組 成 分析値((W/W)%) 水 分 85 全 糖 13 粗蛋白 1.3 灰 色 0.7 次に、香気の改善効果について調べた。発酵前の均質
化した搾汁残渣(A)と均質化した搾汁残渣を前記の如
く発酵して得られた素材(B)それぞれについて、エー
テル抽出物のガスクロマトグラムを第1図および第2図
に示し、官能評価(2点し好試験)の結果を第2表に示
す。なお、ガスクロマトグラフィーの試料は、均質化し
たAおよびBそれぞれ5gに50mlのエチルエーテルを加え
た後、10分間室温にて振とう抽出して得られたエーテル
画分に硫酸アンモニウムを加えて脱水し、次いで窒素気
流中で脱溶媒し、残渣を10mlのメチルアルコールに溶解
して調整した。ガスクロマトグラフィーの分析は使用カ
ラム:PEG20M,1.5m;検出方法:FID;カラム温度:185℃定
温;注入口温度:200℃の条件で行った。
第1図および第2図を比較して明らかなように、発酵
により香気成分に変化が見られた。
また、第2表から明らかなように、香り,味ともにB
の方が優れており、香りは危険率1%で有意差があり、
味は危険率5%で有意差がある。
次に、アンジオテンシン転換酵素阻害活性(以下、AC
E阻害活性という。)能の上昇について調べた。ACE阻害
活性の測定はCushmanらの方法(Biochemical Pharamcol
ogy,20,1637(1971))に従って行った。ただし、測定
に用いた試料は搾汁残渣に等量の水を加えて均質化した
もの(A′)およびそれを前記の如く発酵して得られた
素材(B′)をそれぞれ3000×gで15分間遠心分離して
得た上清を用いた。なお、ブランクは測定試料の変わり
に蒸留水を加えて測定した。ブランクに対するA分のAC
E阻害活性の割合は70.44%であり、ACE阻害活性が認め
られた(阻害の割合の数値が高いほど高圧予防効果が高
いとされている)。A分に対する各種B′のACE阻害活
性の割合を第3表に示す。
第3表から明らかなように、酵母により軽度の発酵を
行うことにより、ACE阻害活性はさらに上昇した。従っ
て、本発明により得られる食品素材は、血圧降下等の作
用のある機能性食品の開発に利用することが可能であ
る。
実施例 1 キャンディダ・ウティリスIFO0396をグルコース1(W
/W)%,酵母エキス0.3(W/W)%,麦芽エキス0.3(W/
W)%,ペプトン0.5(W/W)%,を含む液体培地100mlに
接種し、30℃で3日間常法に従い振とう培養を行った。
培養終了後、集菌,洗浄し、生酵母菌体3gを得た。
一方、温州ミカン搾汁残渣(水分75%)100gに90mlの
水を徐々に加水しながらホモジナイザーで5分間磨砕し
て均質化を行い、クリーム状の均質化した搾汁残渣180g
を得た。
このようにして得られた均質化した搾汁残渣に前記の
生酵母菌体を混合し、23℃で5日間静置培養を行った。
なお、発酵中は1日1回程度軽く撹拌を行い、均一に発
酵が進むようにした。
このようにして得られた食品素材100gに市販の赤みそ
50gを混合したところ、果実顔の芳香の強い調味みそが
得られた。これをたれとして豆腐,こんにゃく,ゆでた
里芋にかけて食したところ、非常に風味良好でおいしか
った。
実施例 2 実施例1において、酵母をサッカミセス・ロキシイAH
U3013としたこと以外は実施例1と同様の方法で食品素
材を得た。
得られた食品素材を用いて以下の処方で調合し、−20
℃で冷凍してシャーベットを製造したところ、風味良好
で口どけも滑らかであり、非常においしかった。
食品素材 60(W/W)% 砂 糖 25(W/W)% 水 + 100% 実施例 3 実施例1において、酵母をサケ・イーストIFO2164と
したこと以外は実施例1と同様の方法で食品素材を得
た。
得られた食品素材を用いて以下の処方で調合し、乳化
タイプのドレッシングを製造したところ、果実芳香の強
いおいしいものだった。
食品素材 50(W/W)% 食酢(酢酸酸度5%) 20(W/W)% 砂 糖 5(W/W)% 食 塩 1(W/W)% 増粘剤(キサンタンガム) 0.1(W/W)% 調味料(肉エキス) 0.1(W/W)% 調味料(グルタミン酸ナトリウム) 0.2(W/W)%水 + 100% 〔発明の効果〕 本発明によれば、クリーミィで香味に優れ、食感の良
好な食品素材を得ることができる。得られた食品素材
は、広く食品加工に用いることができるだけでなく、血
圧効果作用効果の期待できる機能性食品素材としても有
効である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実験例1における発酵前の均質化した搾汁残
渣のエーテル抽出物のガスクロマトグラムであり、第2
図は均質化した搾汁残渣を発酵して得られた素材のエー
テル抽出物のガスクロマトグラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 吉也 愛知県江南市古知野町古渡132

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】柑橘類の搾汁残渣に醸造用酵母を接種し、
    軽度の発酵を行うことを特徴とする新規食品素材の製造
    法。
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