JP2673862B2 - オキサミドの製造方法 - Google Patents

オキサミドの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シュウ酸ジエステル
とアンモニアとを反応させた後に生成したオキサミドを
脂肪族アルコールの存在下に造粒し、次いで、造粒物か
ら脂肪族アルコールを除去して乾燥し、さらに、その造
粒物(予備粒状オキサミド)を加湿した後に加熱・乾燥
することによって、緩効性窒素肥料としての効果を十分
に発揮するためのオキサミド粒の硬度と粒状を保持する
水中安定性が特に優れている粒状オキサミドを製造する
方法に係わる。
【0002】
【従来技術の説明】オキサミド製造法は、次式で示され
る。 (ただし、式中Rは、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基などの炭素数1〜6の低級ア
ルキル基を示す。)上記の製法で得られるオキサミド
[(CONH]は、水に対する溶解度が低いため
緩効性肥料として優れており、既に実用化されている。
しかしながら、オキサミドが粉末状で使用された場合に
は流亡及び飛散等による損失が起こり、緩効性の特徴が
十分に生かされない。従って、いかなる使用の状況にお
いてもその特性を十分に発揮させるためには粒状などの
形態として、分散性を制限することが望ましい。また、
合成されたオキサミドは、粒状化後硬くて水中で容易に
粒が崩壊せず形態を保持し安定であるほど、その緩効性
肥料としての特性を発揮できるということは良く知られ
ている。
【0003】しかしながら、オキサミド(特にオキサミ
ド微粉末)はその物性、とりわけ水を始めとする溶媒に
溶解度がないために、非常に造粒性が悪い。そのため、
公知の造粒法では、例えば「特開昭59−16952
7」に示されているように、ポリビニールアルコール
(PVA)のような高価な結合剤(バインダー)や多量
のエネルギーが必要であったり、あるいは「特開昭59
−169527」に示されている打錠機による高圧下で
の圧縮造粒法のように極めて非能率的な製造法であっ
た。また、これらの粒状オキサミドの製造法は、その操
作及び装置が複雑であり、製造コストや設備費が高くつ
くという問題があった。
【0004】本発明者らは、これらの問題を解決するた
めに、省エネルギーとなり、しかも、簡略化された製造
工程である「シュウ酸ジエステルから一挙に粒状オキサ
ミドを製造する方法として、「シュウ酸ジエステルを
加安分解してオキサミドを合成し、該反応混合物中にこ
の反応の副生物である脂肪族アルコールを残存させて造
粒を行い粒状オキサミドを製造する方法」に関する発明
をして、平成4年7月10日に特許出願した。しかしな
がら、この先願の方法によってシュウ酸ジエステルから
粒状オキサミドが容易に得られるけれども、この方法で
得られた粒状オキサミドの圧壊硬度は、1〜1.4kg
/粒程度と低いことがあり、また、前述したように、オ
キサミドの緩効性肥料としての特性を十分発揮させるた
めには、粒状オキサミドの硬度が充分でないことがあっ
た。さらに、前記の方法によって得られる粒状オキサミ
ドは、粒表面が粉っぽく、包装用の袋内面や、人手によ
って取り扱った場合には手にオキサミド微粉末が付着し
たり、この造粒物の取扱上または運送上で粉塵発生があ
って、環境衛生の面で好ましくないということもあっ
た。
【0005】
【解決すべき問題点】この発明の目的は、シュウ酸ジエ
ステルを加安分解してオキサミドを製造する方法におい
て、該反応混合物中にこの反応の副生物である脂肪族ア
ルコールを残存させて造粒を行って粒状オキサミド(予
備粒状オキサミド)を一挙に形成できると共に、さら
に、該予備粒状オキサミドを加湿した後加熱・乾燥し
て、造粒物の硬度が高く、水中でも安定であり、しか
も、粒表面の粉立ちが全くない粒状オキサミドを高い歩
留りで得ることができる、全く新規で工業的な粒状オキ
サミドの製法を提供することである。
【0006】
【問題点を解決する手段】この発明は、一般式(COO
R)で表わされる(ただし、式中Rは、炭素数1〜6
の低級アルキル基を示す。)シュウ酸ジエステルと脂肪
族アルコールの混合物にアンモニアを供給して反応させ
てオキサミドを製造する方法において、反応終了時以降
に、反応混合物中に5〜40重量%の脂肪族アルコール
を残存させてオキサミドの造粒を行い、該オキサミドの
造粒物を加熱乾燥して脂肪族アルコールを蒸発させて
(好ましくは5重量%以下まで)除去することで粒状の
オキサミド(予備粒状オキサミド)を形成し、更に、こ
の造粒物に対して5〜20重量%の水を添加して加湿し
た後、加熱して乾燥することにより粒状オキサミドを得
ることを特徴とする粒状オキサミドの製造方法に関す
る。
【0007】本発明の製造方法は、概略、シュウ酸ジエ
ステルを加安分解してオキサミドを合成し、続いて、加
安分解反応の副生物である脂肪族アルコールの含有率が
5〜40重量%であるように該反応混合物が脂肪族アル
コールで湿潤した状態のままで、生成したオキサミドを
主として含有する反応混合物から(好ましくは混合物の
攪拌下に)造粒して、粒状オキサミドを形成し、さら
に、この造粒物から脂肪族アルコールを除去して乾燥し
た後、該造粒物に対して5〜20重量%の水を添加して
加湿した後、加熱して乾燥することにより粒状オキサミ
ドを得ることによって、高い硬度であり、水中でも安定
であり、しかも、粒表面の粉立ちがない『粒状であるオ
キサミド』を高い歩留りで製造することができるオキサ
ミドの製造方法である。
【0008】本発明の製造方法では、まず、特願平3−
128834号出願明細書に記載されている方法、及
び、先願(出願日:平成4年7月10日)の出願明細書
に記載の方法によって、シュウ酸ジエステルとアンモニ
アとからオキサミドを生成し、次いでその造粒物(予備
粒状オキサミド)を一挙に形成するのである。
【0009】すなわち、本発明では、まず、前記の一般
式(COOR)(Rは前記のとおりである)で表され
るシュウ酸ジエステルと脂肪族アルコールとの混合物
(好ましくは溶融混合物)にアンモニアを供給して反応
させオキサミドを生成させ、その反応の終了時以降に、
反応混合物中に5〜40重量%の脂肪族アルコールを残
存させて、必要であれば、該反応混合物の攪拌下に、オ
キサミドの造粒を行い、さらに、該オキサミドの造粒物
を加熱乾燥して脂肪族アルコールを蒸発させ除去するこ
とで予備粒状オキサミドを形成することが好ましい。
【0010】また、前記の予備粒状オキサミドの形成に
おいては、シュウ酸ジエステルが好ましくは60〜10
0重量%程度、及び、脂肪族アルコールが好ましくは0
〜40重量%程度からなる混合物であって、両者の混合
物を融点以上の温度に加熱し均一な溶融溶液として、ア
ンモニアとの反応に使用すればよい。
【0011】前記の予備粒状オキサミドの形成におい
て、前記の溶融液を攪拌しながら好ましくは気体状のア
ンモニアを供給して反応を開始し、そして、反応混合物
を強制的に混合しながら、反応混合物中の脂肪族アルコ
ールの含有率を5〜40重量%程度に維持した状態で、
反応系へ気体状のアンモニアを供給し続け、高純度のオ
キサミドを含有する脂肪族アルコールとオキサミドとの
混合物とすることが好ましい。
【0012】前記の反応に使用するアンモニアは、アン
モニアの混合ガスであってもよく、その場合好ましくは
アンモニアの含有率が50容量%以上、特に60容量%
以上含有するアンモニアと不活性ガスとの混合ガスであ
ればよい。前記の不活性ガスとしては、窒素ガス、アル
ゴンガスなどを挙げることができる。
【0013】また、上記反応に使用する脂肪族アルコー
ルは、炭素数1〜6のアルキル基を有する脂肪族アルコ
ールを使用し、その脂肪族アルコールとしては、メチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアル
コールが好ましく、反応に使用する脂肪族アルコール
は、反応に用いるシュウ酸ジエステルが有するアルキル
基と同じアルキル基を有する脂肪族アルコールを選択し
使用することが好ましい。シュウ酸ジエステルと同じア
ルキル基を有する脂肪族アルコールであれば、反応によ
り生成するアルコールと共に蒸発分離し凝縮したアルコ
ールを、前記の反応に循環再使用することができるので
好適である。また、アルコールの分離後処理ができれ
ば、違ったアルキル基を有する脂肪族アルコールを使用
しても良い。
【0014】前記の予備粒状オキサミドを形成する場合
に、前記の反応の進行に従って、系内の状態は、反応の
開始から反応の経過に従って、その組成の変化と共に、
液状からスラリー状、ペースト状、及び脂肪族アルコー
ルで湿潤した粉状オキサミドへと順次変化するのであ
る。次に、反応終了時以降、生成したオキサミドは、乾
燥した粉末状オキサミドとすることなく、脂肪族アルコ
ールで前述のように充分に湿潤した状態のままで造粒操
作に移行する。
【0015】反応混合物の組成は、最初、未反応のシュ
ウ酸ジエステルが多いけれども、アンモニアとの反応が
進むに従って、そのシュウ酸ジエステルがアンモニアと
の加安分解反応で消費されてその含有割合が減少し、逆
に、加安分解の反応生成物(例えば、シュウ酸モノエス
テルモノアミド及びオキサミド)が増加する。さらに、
反応生成物の組成は、反応の最終段階では、シュウ酸モ
ノエステルモノアミドがさらに加安分解反応により実質
的になくなって、高純度のオキサミドとなるのである。
【0016】前記の予備粒状オキサミドの形成において
は、前記の反応から造粒および加熱乾燥を一つの装置内
で行うことにより粒径が揃った粒状オキサミド(予備粒
状オキサミド)を一挙に得ることができ、そのような一
連の操作を行うためには、前記した反応の段階から反応
器が、攪拌機能及び/又は造粒機能を備えた装置であ
り、加熱、冷却可能な構造である外部加熱・冷却ができ
るジャケット付き装置であることが好ましい。特に、前
記した反応の進行に伴う相変化の各段階において、充分
な攪拌、混合が行える複合型造粒装置で、例えば、攪拌
型造粒乾燥機の使用が望ましい。
【0017】上記の複合機能を備えた攪拌型造粒乾燥装
置などを使用することは、攪拌機能にて反応操作では液
状のシュウ酸ジエステルと脂肪族アルコールとの混合物
へのアンモニアガスの導入による気液接触反応に有利で
あり、さらに、造粒機能および加熱・冷却機能により、
前記の反応操作に続いて、造粒物の形成からその造粒物
内の脂肪族アルコールを蒸発除去するための加熱処理ま
でを同一装置内で行うことができるため、最終的に均質
な予備粒状オキサミドを一挙に得ることができるので好
適である。この装置を用いることにより、操作は簡略化
することができ、オキサミド製造装置の設備費や製造費
が大幅に低減できるのである。しかし、生産量が多くな
れば、それぞれの操作を別々の装置で行うこともでき
る。
【0018】前記の予備粒状オキサミドの形成における
各操作は、バッチ的に行うことが当然に可能であるが、
シュウ酸ジエステル含有の溶融液の調整と、アンモニア
ガスの供給と、反応混合物の混合、脂肪族アルコールの
含有率の調整、造粒、加熱、乾燥、冷却などと、高純度
のオキサミドからなる造粒物(予備粒状オキサミド)の
取り出しとを連続的に組み合わせて行うことによって連
続的に行うことができる。
【0019】前記の予備粒状オキサミドを形成する反応
において、反応混合物中の脂肪族アルコールの含有率を
5〜40重量%に維持した状態で、反応系へ気体状のア
ンモニアを供給し続けることが、最終的に、副生成物で
あり植物の成長に悪影響を及ぼすシュウ酸モノエステル
モノアミドを実質的に無くし、高純度のオキサミドを得
るために、特に重要である。また、脂肪族アルコールの
含有率を5〜40重量%に維持することにより、反応終
了時以降の脂肪族アルコールの含有率を次の造粒操作に
有利な濃度にすることができるのである。
【0020】前記の予備粒状オキサミドを形成する反応
における反応温度は、少なくとも、反応混合物中の未反
応のシュウ酸ジエステルと脂肪族アルコールとの混合物
が溶融している状態を維持できるような温度以上であっ
て、しかも、反応混合物中の脂肪族アルコールの含有率
を前述の範囲に維持できる温度であることが好ましく、
特に有利なのは、使用する脂肪族アルコールの沸点前後
(沸点±30℃、特に沸点±20℃程度)が好ましい。
【0021】前記の反応における反応圧力は、製造操作
上常圧が最適であるが、減圧下でも、加圧下でもよく、
好ましくは10torr〜10kg/cmGの圧力条
件下で行う。反応速度の点では、高い方が有利である
が、必要以上に高圧にすることは、設備コストの面で不
利である。造粒、乾燥時には減圧でもよい。特に乾燥は
省エネルギーの点で減圧の方が有利である。
【0022】前記の反応における反応時間は、前述の反
応条件において、シュウ酸ジエステルから加安分解反応
で高純度のオキサミドを生成させることができるまでの
時間であればよいが、好ましくは0.5〜5時間程度で
あり、特に1〜3時間が望ましいのである。
【0023】前記の予備粒状オキサミドの形成における
造粒時の脂肪族アルコールの濃度は、最終的に得られる
予備粒状オキサミドの平均粒径と相関があり、その濃度
を調整することによって所望の平均粒径の予備粒状オキ
サミドを得ることができる。よって、造粒時の脂肪族ア
ルコールの濃度は、要求される粒径によって異なるが、
予備粒状オキサミドを製造するには、設定した粒径によ
って5〜40重量%の範囲内の適当な濃度に調整すれば
良い。この範囲の脂肪族アルコールの一定濃度を保持す
ることによって、造粒物の粒径分布を制御することがで
きる。脂肪族アルコールが5重量%より少なくなると粒
径が1mm以下の顆粒や微粉が多くなり、40重量%よ
り多くなると造粒性が著しく悪くなる。一般的な肥料に
要求される2〜4mmの粒径のものを歩留り良く得るた
めには、好ましくは10〜30重量%、特に好ましくは
15〜25重量%程度にするのが良い。
【0024】反応時、反応混合物中の脂肪族アルコール
の含有率は、5〜40重量%に維持した状態で行われ、
反応が完了した時には脂肪族アルコールで湿潤した粉状
オキサミドが得られる。次に造粒を開始する時に、上記
した造粒時の脂肪族アルコールの濃度を調整し設定す
る。その調整は、ジャケットの温度を調整しながら、対
応する設定した粒径を得るために系内の脂肪族アルコー
ルの濃度を調整する。造粒時の脂肪族アルコールの濃度
は、低減するために蒸発させたり、補充することにより
5〜40重量%の一定範囲に設定する。必要な脂肪族ア
ルコールの設定濃度を保持するためには、適宜分析を行
いながら、少ない場合には留出した脂肪族アルコールを
適宜系内に戻すことにより微調整を行う。また、多い場
合には、設定した脂肪族アルコールの濃度まで過剰な分
を蒸発して除去することで調節し、脂肪族アルコールの
濃度を調整して造粒を開始するのである。
【0025】予備粒状オキサミドの造粒は、上記した脂
肪族アルコールの濃度を調整した後に、その濃度を保持
するためにジャケット温度を使用した脂肪族アルコール
の沸点前後であり、好ましくは20〜250℃に調節す
ることが好ましい。系内の圧力は減圧であっても良く、
反応時と同じ圧力でも良く、好ましくは10torr〜
10kg/cmGの圧力条件下で造粒を行う。更に、
攪拌速度は、装置形状、装置容量及び攪拌翼形状により
変わるが、好ましくは10〜500rpmの範囲を選択
し、造粒化のための必要な造粒時間は好ましくは1〜6
0分管の範囲で行うことにより、設定した粒径の予備粒
状オキサミドが形成し、粒状の均一化が達成されるので
ある。
【0026】予備粒状オキサミドの造粒操作を終了した
後、反応及び造粒操作を行ったと同一装置内(好ましく
は撹拌型造粒装置内)で、予備粒状オキサミドの乾燥処
理を行う。造粒終了から攪拌翼の攪拌速度を好ましくは
1〜200rpmの緩い速度に変更し、乾燥を好ましく
は0.5〜2時間行いながら、造粒により粒状に形成し
た予備粒状オキサミドを破壊しない条件で造粒物中の脂
肪族アルコールの濃度が0〜5重量%となるように乾燥
する。造粒時使用した脂肪族アルコールは、ジャケット
温度を系内の脂肪族アルコールの沸点以上の温度に加熱
することにより、系内の脂肪族アルコールを蒸発し除去
することにより、上記の濃度範囲の予備粒状オキサミド
を生成させる。系内の脂肪族アルコールを除去する時の
圧力は、加圧下でも減圧下でも良いが、好ましくは10
torr〜10kg/cmGの圧力条件下で乾燥を行
うが、乾燥時間の短縮のため、減圧下を採用することが
望ましい。
【0027】前記の乾燥後の造粒物(予備粒状オキサミ
ド)は、脂肪族アルコールを完全に蒸発して除去してお
くことが望ましいが、場合によっては、脂肪族アルコー
ルの濃度が0.1〜5重量%程度となるような一部の脂
肪族アルコールが残っていてもよい。何故なら、次の水
による加湿操作において、予備粒状オキサミド中の脂肪
族アルコールが水の表面張力を低下させ、水を粒子細孔
内に効率よく導入させるために都合がよく、本発明の効
果をより有効に発揮することができるのである。ただ
し、必要以上に高くすることは、最終の乾燥工程におい
て、脂肪族アルコールの回収装置が複雑となったりまた
は廃水処理に費用がかかることになり不利である。
【0028】生産量が多い場合は、上記の予備粒状オキ
サミドの乾燥操作は、反応及び造粒操作とは別の装置で
行うこともできる。この場合、乾燥装置としてはコニカ
ルドライヤー、ロータリードライヤー,通気バンド乾燥
機,通気回転乾燥機,流動層乾燥機,振動流動乾燥機な
どの公知の乾燥機を使うことができるが、蒸発除去した
脂肪族アルコールを凝縮して回収するには、熱風による
直接加熱方式より間接加熱方式の装置を採用する方が望
ましい。
【0029】上記の予備粒状オキサミドの乾燥操作を終
了した後、造粒物に対して、好ましくは5〜20重量%
の水を添加して(例えば、水又は水蒸気を添加または噴
霧して)、造粒物を水で加湿する。水の添加量が5重量
%より少ない場合には、粒の硬度の向上効果が小さく、
20重量%より多い場合には、逆に効果が低下するた
め、この添加量の範囲が特に重要である。
【0030】上記の予備粒状オキサミドに水を添加する
操作において、造粒物を均一に加湿させるために、好ま
しくは造粒物を転動、または撹拌、または流動させなが
ら、単一ないしは複数のノズルより、水または水蒸気を
噴霧して添加することが望ましい。加湿操作を行う装置
は、上記の脂肪族アルコールの乾燥を行った装置内で引
き続いて行うこともできるし、別の容器回転型または撹
拌型の混合機を使うこともできる。または、ベルトコン
ベヤーやスクリューフィーダーなどの供給装置内で造粒
物を移送しながら加湿させることもできる。
【0031】加湿操作時の圧力は、製造操作上常圧が最
適であるが、減圧下でも、加圧下でもよく、好ましくは
10torr〜10kg/cmGの圧力条件下で行
う。水を粒子細孔内に効率よく導入するためには、減圧
が有利である。一方、加圧にすることは、特に有利なこ
とはなく、むしろ設備コストの面で不利である。
【0032】加湿時の温度は、特に制限はないが、5〜
180℃、好ましくは20〜90℃の範囲で行われる。
使用する水の温度は、特に制限はないが、5〜100
℃、好ましくは10〜90℃であればよい。また、水蒸
気を使用する場合には、水蒸気の圧力が好ましくは0.
5〜20kg/cmGの範囲である飽和水蒸気の使用
が望ましい。前述の加湿操作を終了した後、直ちに最終
工程の加熱・乾燥操作を行ってもよいが、その前に1〜
60分間、好ましくは2〜30分間程度、加湿造粒物を
熟成させれば、添加した水を造粒物内部まで十分に浸透
させることができ、最終的に高い硬度で良質な粒状オキ
サミドを得ることができるので特に適当である。
【0033】前述の加湿操作を終了した後(さらに必要
であれば前述の加湿操作後の熟成を終了した後)、造粒
物を100℃以上、特に100〜350℃、さらに好ま
しくは120〜250℃に加熱して乾燥し、水を蒸発し
て実質的に(造粒物中で好ましくは約2.0重量%以
下、特に好ましくは1.0重量%以下、さらに好ましく
は0.5重量%以下の水分含有率にまで)除去して目的
の粒状オキサミドを製造することが好ましい。加熱乾燥
操作は、3分以上、好ましくは10分以上、特に好まし
くは20〜60分間かけて行うことが望ましい。3分よ
り短い時間で乾燥を行うと、粒の硬度向上の効果が小さ
くなるので望ましくない。本発明では、この加熱・乾燥
操作の過程で、造粒物が収縮して圧密化され、その結果
として粒の硬度が向上するので特に重要な操作である。
加熱乾燥における操作圧力は、製造操作の条件上常圧が
望ましい。場合によっては、加圧下で行うこともできる
が、装置コストの面で不利である。
【0034】前記の加湿された造粒物の乾燥において
は、造粒物の単位重量当たり、単位時間当たりに造粒物
から蒸発して除去される水の除去速度が、約0.5〜3
0g/kg/分、特に1.0〜15g/kg/分程度で
あることが好ましい。すなわち、加湿された造粒物から
の水の蒸発による除去速度が余りに速くなり過ぎると、
高い圧壊強度の粒状オキサミドを得ることができないこ
とがあるので好ましくない。
【0035】水を加湿した造粒物の加熱乾燥操作は、前
述の脂肪族アルコールの乾燥を行った装置と同一のもの
を使用してバッチ的に行ってもよいが、生産量が多い場
合には、別の装置で連続的に行った方が望ましい。上記
の加熱乾燥を行う装置としては、熱風または過熱水蒸気
による直接加熱方式の装置、例えばロータリードライヤ
ー、通気回転乾燥機、流動層乾燥機、振動流動層乾燥
機、通気バンド乾燥機、または熱媒または蒸気などを使
用することのできる、ジャケット等の構造を備えた間接
加熱方式の装置、例えばコニカルドライヤー、ロータリ
ードライヤー、撹拌型乾燥機、振動乾燥機などを使用す
ることができる。
【0036】以下、実施例を示し、この発明をさらに詳
しく説明する。なお、この発明は、その趣旨を越えない
限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0037】
【実施例】
実施例1 装置としては、ジャケット付きの撹拌型造粒機(有効容
積50リットル)を使用した。ジャケットに64℃の熱
媒を通しながら、装置内を窒素ガスで置換し、シュウ酸
ジメチル30kg、メタノール18kgを仕込んで加熱
・溶融し溶融液を調整した。溶融液を撹拌翼の回転数1
60rpmで撹拌しながら、アンモニアガスを20.5
Nm/Hrで装置内に導入して、加安分解反応を開始
した。装置内は、反応時0.3Kg/cmGに保持
し、ジャケットの熱媒温度は70℃に保持した。反応の
進行と共に反応熱が発生し、その反応熱により相当する
量のメタノールが蒸発し、未反応のアンモニアガスに同
伴して配管で装置外に導出される。導出されたメタノー
ルとアンモニガスの留出ガスは凝縮器で冷却し、メタノ
ールを凝縮分離した。反応を完結させるために、アンモ
ニアガスの導入を上述した速度で66分間連続的に行っ
た後、アンモニアガスの導入を停止した。反応により生
成したオキサミドの造粒は、撹拌翼の回転数を120r
pmにして造粒を開始し5分間で完了した。得られた造
粒物のメタノール濃度は21.3重量%であった。
【0038】次に、引き続いてメタノールを実質的に除
去するために乾燥を行った。乾燥は、撹拌翼の回転数を
10rpmに下げ、ジャケットの熱媒温度を120℃に
上げて、系内圧550Torrで40分間行って、高純
度の予備粒状オキサミド22kgが得られた。乾燥後の
造粒物中には、メタノールは実質的に検出されなかっ
た。メタノール乾燥後の造粒物(予備粒状オキサミド)
の圧壊硬度を、木屋式硬度計で測定した。粒径が3.3
5〜4.0mmの予備粒状オキサミド30個について粒
子の圧壊硬度を測定し、その平均値は1.1kg/粒で
あった。
【0039】次に、系内圧を常圧にし、ジャケットの熱
媒温度を80℃に下げた後、造粒物(予備粒状オキサミ
ド)を撹拌翼の回転数10rpmで撹拌しながら、15
℃の水2.2kg(造粒物に対して10重量%)を噴霧
して添加し、造粒物を水で均一に加湿した。その後、ジ
ャケットの熱媒温度を150℃に上げて、撹拌翼の回転
数は10rpmのままで40分間加熱乾燥を行って目的
の粒状オキサミドを得た。加熱乾燥後の造粒物(目的の
粒状オキサミド)中の水分は、0.1重量%以下であっ
た。また、粒状オキサミドの平均粒子径は、3.44m
mであり、粒径が3.35〜4.0mmの粒状オキサミ
ド30個について測定した粒状オキサミドの硬度の平均
値は、2.7kg/粒に向上した。
【0040】実施例2 反応時の撹拌翼の回転数を120rpmに変えた以外は
実施例1と同じ操作を行い、メタノールの濃度が23.
1重量%の造粒物を得た。メタノールの乾燥は、20リ
ットルのロータリーエバポレーターを使用して行った。
即ち、ジャケット付き撹拌型造粒機で、実施例1と同様
に反応から造粒操作までを行い、得られた造粒物をロー
タリーエバポレーターに1バッチ当たり8kg仕込ん
で、回転数10rpm,バス温度120℃で常圧下60
分間乾燥して、高純度の予備粒状オキサミド22kgが
得られた。乾燥後の造粒物(予備粒状オキサミド)中に
は、メタノールは検出されなかった。また、予備粒状オ
キサミドの硬度は1.3kg/粒であった。
【0041】次に、メタノール乾燥後の造粒物(予備粒
状オキサミド)150gを、内面に掻き上げ板を2枚装
着した500ミリリットルのロータリーエバポレーター
に仕込み、回転数10rpmで回転して造粒物を転動さ
せながら、15℃の水7.5g(造粒物に対して5重量
%)を噴霧して添加した。水の噴霧は常圧下、室温で行
った。
【0042】予備粒状オキサミドの加湿操作を終了した
後、直ちにロータリーエバポレーターを温度が150℃
のオイルバスにつけて、回転数30rpmで造粒物を転
動させながら、常圧下30分間加熱乾燥を行って目的の
粒状オキサミドを得た。加熱乾燥後の造粒物(目的の粒
状オキサミド)は、実施例1とほぼ同様の平均粒子径を
有しており、その粒状オキサミド中の水分は、0.1重
量%以下であった。また、粒状オキサミドの硬度は、
1.9kg/粒に向上した。
【0043】実施例3 予備粒状オキサミドの加湿操作時の水の添加量を15g
(造粒物に対して10重量%)にし、その加湿後の加熱
乾燥時間を60分間に変えた以外は実施例2と同じ操作
を行って目的の粒状オキサミドを得た。予備粒状オキサ
ミドの加湿および加熱乾燥した後の造粒物(目的の粒状
オキサミド)は、実施例1とほぼ同様の平均粒子径を有
しており、その粒状オキサミド中の水分は、0.1重量
%以下であった。また、粒状オキサミドの硬度は、2.
2kg/粒であった。
【0044】実施例4 予備粒状オキサミドの加湿操作時の水の添加量を22.
5g(造粒物に対して15重量%)にし、加熱乾燥時間
を70分間に変えた以外は実施例2と同じ操作を行って
目的の粒状オキサミドを得た。予備粒状オキサミドの加
湿および加熱乾燥した後の造粒物(目的の粒状オキサミ
ド)は、平均粒子径が実施例1と同様であり、粒状オキ
サミド中の水分は、0.1重量%以下であった。また、
粒状オキサミドの硬度は、2.3kg/粒であった。
【0045】実施例5 予備粒状オキサミドの加湿操作時の水の添加量を30g
(造粒物に対して20重量%)にし、加熱乾燥時間を7
0分間に変えた以外は実施例2と同じ操作を行って目的
の粒状オキサミドを得た。予備粒状オキサミドの加湿お
よび加熱乾燥した後の造粒物(目的の粒状オキサミド)
は、平均粒子径が実施例1と同様であり、粒状オキサミ
ド中の水分は、0.1重量%であった。また、粒状オキ
サミドの硬度は、1.7kg/粒であった。
【0046】実施例6 予備粒状オキサミドの加湿後の加熱乾燥時のバス温度を
120℃にし、加熱乾燥時間を75分間に変えた以外は
実施例3と同じ操作を行って目的の粒状オキサミドを得
た。予備粒状オキサミドの加湿および加熱乾燥した後の
造粒物(目的の粒状オキサミド)は、平均粒子径が実施
例1とほとんど同じであり、粒状オキサミド中の水分
は、0.1重量%以下であった。また、粒状オキサミド
の硬度は、1.8kg/粒であった。
【0047】実施例7 予備粒状オキサミドの加湿操作において、水を添加した
後、容器を密閉して、80℃で30分間熟成した以外は
実施例3と同じ操作を行って目的の粒状オキサミドを得
た。予備粒状オキサミドの加湿および加熱乾燥した後の
造粒物(目的の粒状オキサミド)は、平均粒子径が実施
例1とほとんど同じであり、粒状オキサミド中の水分
は、0.1重量%以下であった。また、粒状オキサミド
の硬度は、2.9kg/粒であった。
【0048】実施例8 予備粒状オキサミドの形成における乾燥時間を13分間
に変えた以外は実施例2と同じ操作でメタノール乾燥を
行って予備粒状オキサミドを得た。その造粒物(予備粒
状オキサミド)中のメタノール濃度は1.53重量%で
あり、予備粒状オキサミドの硬度は0.5kg/粒であ
った。前述のようにして得られた予備粒状オキサミドを
使用したほかは、水の加湿操作及び加熱乾燥操作を実施
例3と同じようにして目的の粒状オキサミドを得た。予
備粒状オキサミドの加湿および加熱乾燥した後の造粒物
(目的の粒状オキサミド)は、平均粒子径が実施例1と
ほとんど同じであり、粒状オキサミド中の水分は0.1
重量%以下であった。又、粒状オキサミドの硬度は3.
0kg/粒であった。
【0049】実施例9 予備粒状オキサミドの形成における乾燥時間を23分間
に変えた以外は実施例2と同じ操作でメタノール乾燥を
行って予備粒状オキサミドを得た。その造粒物(予備粒
状オキサミド)中のメタノール濃度は0.78重量%で
あり、粒の硬度は0.9kg/粒であった。前述のよう
にして得られた予備粒状オキサミドを使用したほかは、
水の加湿操作及び加熱乾燥操作を実施例3と同じように
して目的の粒状オキサミドを得た。予備粒状オキサミド
の加湿および加熱乾燥した後の造粒物(目的の粒状オキ
サミド)は平均粒子径が実施例1とほとんど同じであ
り、また、粒状オキサミド中の水分は0.1重量%であ
った。そして、粒状オキサミドの硬度は2.8kg/粒
であった。
【0050】実施例10 予備粒状オキサミドの形成における系内圧を200To
rrに変えた以外は実施例2と同じ操作でメタノール乾
燥を行って予備粒状オキサミドを得た。その造粒物中に
メタノールは検出されなかった。予備粒状オキサミドの
硬度は、1.0kg/粒であった。前述のようにして得
られた予備粒状オキサミドを使用したほかは、水の加湿
操作及び加熱乾燥操作を実施例3と同じように操作を行
って目的の粒状オキサミドを得た。予備粒状オキサミド
の加湿および加熱乾燥した後の造粒物(目的の粒状オキ
サミド)中の水分は、0.1重量%以下であった。ま
た、粒状オキサミドの硬度は、2.3kg/粒であっ
た。
【0051】実施例11 予備粒状オキサミドの加湿操作において、水の添加を2
0torrの減圧下で行った以外は、実施例10と同じ
ように操作を行って目的の粒状オキサミドを得た。予備
粒状オキサミドの加湿および加熱乾燥した後の造粒物
(目的の粒状オキサミド)は、平均粒子径が実施例1と
ほとんど同じであり、粒状オキサミド中の水分は、0.
1重量%以下であった。また、粒状オキサミドの硬度は
2.6kg/粒であった。
【0052】実施例12 シュウ酸ジメチル及びメタノールの仕込量をそれぞれ3
0kgと17.1kgにし、シュウ酸ジメチルとアンモ
ニアとの反応条件において、系内圧0.4kg/cm
G、撹拌翼の回転数を120rpm、反応時間を61分
間に変えた以外は実施例1と同じように操作を行い、メ
タノールの濃度が22.2重量%の造粒物を得て、その
造粒物におけるメタノールの乾燥を実施例2と同じよう
に操作して予備粒状オキサミドを得た。その予備粒状オ
キサミド中にはメタノールは検出されず、予備粒状オキ
サミドの硬度は1.1kg/粒であった。
【0053】次に、前述のようにして得られた予備粒状
オキサミド150gを金網の容器に入れ、4kg/cm
Gの飽和水蒸気を20分間吹き付けて加湿させた。加
湿後の造粒物中の水分は、7.6重量%(湿量基準)で
あった。予備粒状オキサミドの加湿終了後、直ちに造粒
物を500ミリリットルのロータリーエバポレーターに
移して、バス温度150℃、回転数30rpmで、常圧
下60分間加熱乾燥を行って目的の粒状オキサミドを得
た。加熱乾燥後の造粒物(目的の粒状オキサミド)は、
平均粒子径が実施例1とほとんど同じであり、粒状オキ
サミド中の水分は、0.1重量%以下であった。また、
粒状オキサミドの硬度は、2.8kg/粒であった。
【0054】実施例13 シュウ酸ジメチル及びメタノールの仕込量をそれぞれ2
4kgと14kgにし、シュウ酸ジメチルとアンモニア
との反応条件において、ジャケットの熱媒温度を73
℃、撹拌翼の回転数を120rpm、反応時間を43分
間に変えた以外は実施例1と同じように操作を行い、メ
タノールの濃度が20.5重量%の造粒物を得た。その
造粒物におけるメタノールの乾燥は、間接加熱方式の溝
型撹拌乾燥機(有効容積50リットル、伝熱面積1.9
)を使用して行った。この乾燥機は、ジャケット付
きで水蒸気で加熱される。また、水平撹拌軸とそれに取
り付けられた10枚の円盤も中空で加熱される構造にな
っている。上記のメタノールを20.5重量%含有する
造粒物22.2kgを、前述の間接加熱方式の溝型撹拌
乾燥機に仕込んで、ジャケット及び回転円盤を1.9k
g/cmGの水蒸気で120℃に保持し、円盤の回転
数20rpmで攪拌しながら、常圧下60分間乾燥して
予備粒状オキサミドを得た。予備粒状オキサミド中のメ
タノール濃度は1.1重量%で、予備粒状オキサミドの
硬度は1.3kg/粒であった。
【0055】前述のようにして得られた予備粒状オキサ
ミドを、撹拌しながら、20℃の水1.8kg(予備粒
状オキサミドに対して10重量%)を噴霧して添加し
た。水噴霧後、ジャケット及び回転円盤を5kg/cm
Gのスチームで150℃に保持し、回転数20rpm
で撹版しながら、常圧下45分間乾燥して目的の粒状オ
キサミドを得た。加熱乾燥後の造粒物(粒状オキサミ
ド)は、平均粒子径が実施例1とほとんど同じであり、
粒状オキサミド中の水分は0.7重量%で、粒状オキサ
ミドの硬度は3.2kg/粒であった。
【0056】実施例14 シュウ酸ジメチル及びメタノールの仕込量をそれぞれ3
0kgと13.5kgにし、シュウ酸ジメチルとアンモ
ニアとの反応条件及び造粒条件において、系内圧を0.
5kg/cmG、撹版翼の回転数を120rpm、反
応時間を53分間に変えた以外は実施例1と同じように
操作を行って、メタノールの濃度が18,7重量%の造
粒物を得て、その造粒物のメタノールの乾燥は、バス温
度を90℃、系内圧を350torr、乾燥時間を90
分間に変えた以外は実施例2と同じように操作を行って
予備粒状オキサミドを得た。予備粒状オキサミド中に、
メタノールは検出されず、予備粒状オキサミドの硬度は
1.2kg/粒であった。
【0057】予備粒状オキサミドの水の加湿操作は、予
備粒状オキサミドをスクリューフィーダーで加熱乾燥の
ためのロータリードライヤーに供給しながら行った。造
粒物を130kg/Hrで供給しながら、20℃の水を
スクリューフィーダーの途中に取り付けたノズルから噴
霧して添加した。加湿後の造粒物中の水分は9〜11重
量%(湿量基準)の範囲であった。
【0058】加湿した造粒物はスクリューフィーダーで
連続的にロータリードライヤーに供給し、加熱乾燥を行
った。使用したロータリードライヤーは、直径が0.5
m、長さが2.8mで、内面に掻き上げ板を取り付け
た、熱風加熱方式の乾燥器である。ドラムの回転数は8
rpmで、630℃の熱風を造粒物と並流に送り込ん
で、造粒物の平均滞留時間が11分となるように乾燥を
行って目的の粒状オキサミドを得た。加熱乾燥後の造粒
物(粒状オキサミド)は平均粒子径が実施例1とほとん
ど同じであり、粒状オキサミド中の水分は0.2重量%
であり、粒状オキサミドの硬度は2.8kg/粒であっ
た。
【0059】比較例1 予備粒状オキサミドに水を全く添加しなかった以外は、
実施例3と同じ操作を行って乾燥された粒状オキサミド
を得た。その加熱後の造粒物の硬度は、1.4kg/粒
で、粒子の硬度の向上の効果は認められなかった。
【0060】〔緩効性肥料としての評価〕実施例1〜1
4及び比較例1において得られた造粒物の各々につい
て、緩効性肥料としての評価を、粒硬度、粒表面の粉立
ち、水中形状安定性の各項目について試験することによ
り実施した。これらの試験方法は次の通りである。 〔粒の硬度〕木屋式硬度計を用いて測定。粒径が3.3
5〜4mmの粒30個について測定し、その平均値を硬
度として示した。 〔粒表面の粉立ち〕造粒物を手で触り、手に粉が付着す
るかどうかで評価した。 〔水中形状安定性〕500ccの水に造粒物100粒を
投入し、室温で2週間放置して形状の崩壊の有無につい
て観察した。得られた粒状オキサミドの評価結果は、表
1及び表2に示した。
【0061】
【本発明の作用効果】この発明の製造法は、シュウ酸ジ
エステルを加安分解してオキサミドを合成し、該反応混
合物中にこの反応の副生物である脂肪族アルコールを残
存させて造粒を行い粒状オキサミドを製造する方法にお
いて、得られた造粒物中の脂肪族アルコールの濃度を調
整するために乾燥したのち、さらに、この造粒物に対し
て水を添加または水蒸気を噴霧して加湿後、加熱して乾
燥することにより高い硬度で、水中でも安定であり、し
かも粒表面の粉立ちが全くない粒状オキサミドを得るこ
とができる全く新規で工業的な粒状オキサミドの製法で
ある。
【0062】この発明の製造法で得られた粒状オキサミ
ドは、非常に硬度が高くて水中でも容易に崩壊すること
がなく粒の形態を保持し安定であるため、緩効性肥料と
して好適に使用することができる。
【表1】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船津 城司 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇 部興産株式会社 宇部統合事業所内 審査官 柳 和子 (56)参考文献 特開 平6−25126(JP,A) 特開 平5−163217(JP,A) 特開 平4−290855(JP,A) 特開 昭52−7916(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(COOR)で表わされる(た
    だし、式中Rは、炭素数1〜6の低級アルキル基を示
    す。)シュウ酸ジエステルと脂肪族アルコールの混合物
    にアンモニアを供給して反応させてオキサミドを製造す
    る方法において、反応終了時以降に、反応混合物中に5
    〜40重量%の脂肪族アルコールを残存させてオキサミ
    ドの造粒を行い、該オキサミドの造粒物を加熱乾燥して
    脂肪族アルコールを蒸発させて除去することで粒状のオ
    キサミドを形成し、さらに、この造粒物に対して5〜2
    0重量%の水を添加して加湿した後、加熱して乾燥する
    ことにより粒状オキサミドを得ることを特徴とする粒状
    オキサミドの製造方法。
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