JP2673239B2 - 処理装置 - Google Patents

処理装置

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JP2673239B2
JP2673239B2 JP28091588A JP28091588A JP2673239B2 JP 2673239 B2 JP2673239 B2 JP 2673239B2 JP 28091588 A JP28091588 A JP 28091588A JP 28091588 A JP28091588 A JP 28091588A JP 2673239 B2 JP2673239 B2 JP 2673239B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、被処理体の搬送経路に沿って複数の処理ユ
ニットを有する処理装置に関する。
(従来の技術) この種の処理装置として、半導体製造に使用されるも
のが挙げることができる。半導体ウエハは複数の処理工
程で各種の処理を受けるが、近年、上記半導体ウエハに
形成される半導体の集積度が高まるにつれ、処理工程は
増加し複雑化している。例えば、半導体ウエハのレジス
ト処理工程もより微細化されており、微細加工の使用例
として、半導体ウエハに塗布されたレジスト膜の上に更
にCEL膜を塗布形成することや、レジストの平坦化層を
形成するための多層レジスト膜形成が行われるなど、レ
ジストの塗布現像工程がより複雑化している。
一方、半導体製造の環境も上記微細化に伴ってダスト
の付着による半導体素子の欠陥を防止するために、より
クリーン度の高いものが要求されており、装置自体から
の発塵もより厳しく低減する必要がある。
このため、従来の半導体ウエハの搬送の一般的な使用
であったOリングを使用したベルト搬送は、上記の発塵
の問題が多く採用することができなくなっている。
上記の点を考慮した処理装置例えばレジスト処理装置
の一例として、下記のような構成の装置が実用化されて
いる。
すなわち、第5図に示すように、ウエハの搬送経路1
に沿ってピンセット2が同図の左右方向に移動可能にな
っていて、この搬送経路1の両側に半導体ウエハ3を収
納したウエハキャリア4を備えたローラ装置5と、複数
の処理ユニット6とがそれぞれ配置されている。そし
て、搬送経路1に沿って移動可能なピンセット2は、キ
ャリアカセット4又は処理ユニット6と対向する位置に
て停止され、ピンセット2の面上に半導体ウエハ3を吸
着例えば真空吸着することで、半導体ウエハ3の受け渡
しが可能となっている。このように、半導体ウエハ3の
搬送に際して、従来のベルト搬送を採用せずピンセット
2により実行することで、上述したダストの発生を大幅
に低減でき、しかも、上記構成によりたとえ処理ユニッ
ト6の数が増大したとしても、一台のピンセット2を兼
用することで装置のコンパクト化が維持することができ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 上述した装置に採用される従来のピンセット、例えば
真空吸着方式のピンセットは、第6図に示すようにコ字
状の載置面10の全面が半導体ウエハ4の裏面と接触する
ように形成されている。この載置面10の所定領域に亘っ
て真空吸着部12が形成されるようになっている。
ここで、半導体ウエハ4の裏面をミクロ的に考察する
と、この面は比較的ざらざらしており、山形の突起状部
が前記ピンセット2の載置面10と接触することになる。
このように、比較的ざらざらしている半導体ウエハ3の
裏面が広範囲に亘ってピンセット2の載置面10と接触
し、しかも、比較的広い開口面積を有する前記吸着部12
にて半導体ウエハ3を吸着することにより、ウエハ3の
裏面の突起状部分が破損し、これがダストとして半導体
製造装置内に飛散してしまうという問題があった。
そこで、本発明の目的とするところは、被処理体の搬
送をピンセットを使用して行いながらも、ダストの発生
をより低減することができる微細処理に好適な処理装置
を提供することにある。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明は、被処理体の搬送経路に沿って複数の処理ユ
ニットを有する処理装置において、 被処理体を保持するピンセットと、 前記ピンセットを支持するベース部材と、 前記ベース部材を前記搬送経路に沿って移動させるベ
ース部材駆動機構と、 前記ベース部材に対して前記ピンセットを進退駆動し
て、各処理ユニットとの間で被処理体を受け渡しさせる
ピンセット駆動機構と、 前記ベース部材に設けられ、前記ピンセット上に載置
された被処理体のアライメントを行うアライメント機構
と、 を有し、 前記ピンセットは、 その平面よりも少なくとも3箇所で突出して被処理体
を支持する突出面と、 前記突出面の少なくとも1つに形成されて、被処理体
を真空吸着する吸着用開口と、 被処理体の端部と当接することで被処理体を位置決め
可能なガイド部材と、 を有し、 前記アライメント機構は、前記ピンセット上に載置さ
れた被処理体の他の端部と当接可能なストッパーを有
し、 ピンセットに被処理体を支持した非吸着状態で、この
ピンセットを前記ピンセット駆動機構によりストッパー
側に移動することで、被処理体を前記ガイド部材と前記
ストッパーとに当接させるアライメント動作を可能とし
たことを特徴とする。
(作 用) 本発明では、ピンセット上に被処理体を支持する際に
は、このピンセットの平面よりも少なくとも3カ所で突
出している突出面にて被処理体を支持しているので、従
来のようにピンセットの全面にて被処理体を支持するも
のに比べれば、その接触面積は大幅に減少することにな
る。しかも、この接触面の少ない前記突出面の少なくと
も1カ所にて被処理体を真空吸着しているので、この真
空吸着のための開口面積も少なく維持することができ
る。このように、被処理体との接触面積が比較的小さ
く、しかも真空吸着のための開口面積も小さくなるの
で、被処理体のピンセットに対する接触面をミクロ的に
考察した場合の突起状部分の破損を従来よりも大幅に低
減することができる。このため、被処理体搬送時でのダ
ストの発生を低減でき、被処理体を微細化処理する場合
にあってもその歩留りを向上することができる。
しかも、ピンセットに載置された被処理体は、真空吸
着前にアライメント機構によりアライメントされる。こ
のとき、被処理体の受け渡しのために設けられたピンセ
ット駆動機構を兼用して、ピンセットをストッパーの方
向に移動させればよいので、アライメントのためにピン
セットを移動させる特別な機構を別個に設ける必要はな
い。さらに、ストッパーはベース部材に取り付けられ、
ピンセットと共に移動するので、ピンセットの移動先の
どの位置においても、被処理体のアライメントを実施で
きる効果がある。
(実施例) 以下、本発明をレジスト塗布現象装置に適用した一実
施例について、図面を参照して説明する。
まず、実施例の全体概要を第4図を参照して説明す
る。
本体21の中央部付近には、被処理体例えば半導体ウエ
ハ22を保持する保持機構例えば吸着保持すると共に単独
動作が可能で上下に配置された2つのピンット23,23
(一方は図示せず)を有し、かつこのピンセット23,23
(一方は図示せず)をX(縦)方向,Y(横)方向,Z(垂
直)方向,θ(回転)移動可能に構成された第1の搬送
機構24が配置されている。尚、この第1の搬送機構24
は、例えばステッピングモータ及びこれに連結されたボ
ートスクリュー等の回転駆動機構(図示せず)によって
移動,回転される。
次に、上記第1の搬送機構24の一方側の位置には、こ
の第1の搬送機構24のY方向の移動経路25に沿って、複
数の処理機構例えば半導体ウエハ22とレジスト膜との密
着正を向上させるために行うHMDS処理機構26と、半導体
ウエハ22上に塗布され第1層目のレジスト中に残存する
溶剤を加熱蒸発させるための第1のプリベーク機構27
と、この第1のプリベーク機構27で加熱処理された半導
体ウエハ22を冷却する第1の冷却機構28とが、図の左か
ら右へと並置されている。
一方、上記移動経路25の上記各機構と対向する手前側
の位置には、半導体ウエハ22の上面に第1層目のレジス
トを回転塗布する第1の塗布機構29と、半導体ウエハ22
の上面に第2層目のレジストを回転塗布する第2の塗布
機構30とが図の左から右へと並置されている。
尚、上記第1のプリベーク機構27は、必要に応じて例
えば2〜4段と多段積みに配置構成される。そして、上
記第1の搬送機構24により半導体ウエハ22を上記各機構
に任意に搬送可能に設けられる。上記のように第1の処
理装置ユニット31が構成されている。
次に、この第1の処理装置ユニット31の右側には、半
導体ウエハ22を一時的に待機させる載置台32を有する待
機機構33が設けられている。
さらに、この待機機構33の右側には、上記第1の処理
装置ユニット31と同様の構成の第2の処理装置ユニット
34が設けられている。すなわち、半導体ウエハ22を保持
する保持機構例えば吸着保持する共に単独動作が可能で
上下に配置された2つのピンセット35,35(一方は図示
せず)を有し、かつこのピンセット35,35をX(縦)方
向,Y(横)方向,Z(垂直)方向,θ(回転)移動可能に
構成され第2の搬送機構36が配置されている。尚、この
第2の搬送機構36は、例えばステッピングモータ及びこ
れに連結されたボールスクリュー等の回転駆動機構(図
示せず)によって移動,回転される。
次に、上記第2の搬送機構36の一方側には、この第2
の搬送機構36のY方向の移動経路37に沿って、複数の処
理機構例えば、上記第1の処理装置ユニット31の第2の
塗布機構30によって半導体ウエハ22の上面に塗布された
第2層目のレジスト中に残存する溶剤を加熱蒸発させる
ための第2のプリベーク機構38と、この第2のプリベー
ク機構38で加熱処理された半導体ウエハ22を冷却する第
2の冷却機構39とが、図の左から右へと並置されてい
る。一方、上記移動経路37の上記各機構と対向する手前
側の位置には、例えば露光工程時の光乱反射を防止する
ため、半導体ウエハ22に塗布されたレジストの上面にCE
L膜等の表面被覆層を塗布形成する表面被覆層塗布機構4
0が配置されている。そして、上記第1の処理装置ユニ
ット31,第2の処理装置ユニット34間、上記待機機構33
を経由して任意に半導体ウエハ35が搬送可能に構成され
ている。
次に、上記第1の処理装置ユニット31の左側の位置に
は、処理前の半導体ウエハ22を収納したウエハキャリア
41と処理後の半導体ウエハ22を収納するウエハキャリア
42を備え、半導体ウエハ22を吸着保持するピンセット4
3、及び半導体ウエハ22を載置可能な載置台44を有する
半導体ウエハの搬入搬出機構45が配置されている。また
上記ウエハキャリア41,42を、昇降機構(図示せず)に
より上下動可能に構成され、上記ピンセット43をX移動
機構46,Y移動機構47,θ回転機構38によりそれぞれX方
向,Y方向,θ移動可能にも構成されている。そして、上
記ピンセット43により処理前の半導体ウエハ22をウエハ
キャリア41から取出して載置台44に載置し、またこの載
置台44に載置された処理済みの半導体ウエハ22をウエハ
キャリア42に収納可能に構成されている。
次に、上記ピンセット23,35の構造について第1図を
参照して説明する。なお、ピンセット23,35は共に同一
構成であるので、ここではピンセット23について説明す
る。
前記ピンセット23は、その自由端がコ字状に形成され
た平板として構成され、その材質として、例えばテフロ
ンが含浸されるアルマイト処理されたアルミニウムを採
用している。
そして、このピンセット23の特徴的構成として、前記
平板の面よりも所定高さ例えば0.5mm突出した第1,第2
の突起部50,51が、前記コ字状の2つの先端位置に形成
され、かつ、そのピンセットのセンターライン上であっ
て、前記第1,第2の突起部50,51よりも離間した位置に
は、第3の突起部52が、上記突起部50,51の高さと同一
高さにて形成されている。尚、上記各突起部50,51,52の
材質としては、好ましくはその摺動抵抗の少ないテフロ
ンがよく、この他セラミック,デルリンなどが採用する
ことができ、本実施例のように処理ユニットとして熱処
理工程を実施する場合には、耐熱性,断熱性のある材質
を用いることが好ましい。
上記ピンセット23は、上記各突起部50,51,52上に半導
体ウエハ22を3点支持するものであり、さらに、このピ
ンセット23上で半導体ウエハ22を移動しないように支持
するために真空吸着方式を採用している。そして、この
半導体ウエハ22を真空吸着するための吸着用開口部53
が、前記第3の突起部52にのみ形成されている。
さらに、本実施例ではピンセット23上で半導体ウエハ
22のアライメントが実施可能となっていて、このために
前記ピンセット23上にはガイド部材54が固定され、さら
にこのガイド部材54と対向する位置であって、このピン
セット23と共に前記移動経路25に沿って移動可能なベー
ス56上には、ストッパー部材55が配置されている。
前記ガイド部材54は、例えばデルリンにて円弧状に形
成され、その内径が前記半導体ウエハ22の外径と略同一
となっている。そして、前記半導体ウエハ22の一端側が
前記ガイド部材54の円弧部分の内面と当接することで、
このピンセット23上にて半導体ウエハ22をアライメント
可能としている。そして、半導体ウエハ22を前記ガイド
部材54の円弧部分内面に当接させるために、前記ストッ
パ部材55を設けている。
すなわち、このストッパ部材55はベース56に対して上
下動可能であって、半導体ウエハ22をアライメントする
場合には半導体ウエハ22の端面と当接する位置まで上昇
させるようになってる。そして、このようにストッパ部
材55を上昇させた後に、ピンセット23を第1図(A)の
図示右側に移動することで、半導体ウエハ22の一端側を
前記ガイド部材54に当接可能としている。尚、前記スト
ッパ部材55は、第2図に示すように引張りコイルスプリ
ング57にて同図の左方向に常時移動付勢されており、こ
の結果半導体ウエハ22の一端側が前記ガイド部材54に当
接した後には、このストッパ部材55は前記スプリング57
の付勢力に抗して第2図の右方向に待避することができ
るようになっている。従って、半導体ウエハ22がガイド
部材54に当接した後の衝撃を吸収できるようにしてい
る。
次に、前記ピンセット23の駆動機構について説明す
る。
前述したように、第1の搬送機構24及び第2の搬送機
構36は、ダブルピンセット構造となっていて、従って、
第1の搬送機構24について説明すれば上述したピンセッ
ト23は第1図(B),(C)に示すように上下にそれぞ
れ配置されている。そして、本実施例ではこの2つのピ
ンセット23,23をそれぞれ独立して水平移動可能として
いる。
このために、上下の各ピンセット23,23をそれぞれ独
立して駆動するためのモータ60,60(第1図(B)では
一つのみ図示)が設けられている。ここで、上下の各ピ
ンセット23,23の駆動機構は共に同一構成を有するの
で、上側のピンセット23の駆動系についてのみ説明する
と、前記モータ60の出力軸には第1のプーリ61が固定さ
れ、一方、この第1のプーリ61の斜め上方には第2のプ
ーリ62が回転自在に設けられている。そして、この第1,
第2のプーリ61,62に第1のベルト63を掛け渡してい
る。一方、前記第2のプーリ62に対して同軸にて一体的
に回転可能な第3のプーリ64が前記ピンセット23の搬送
経路の一端側に設けられ、この搬送経路の他端側には第
4のプーリ65が回転可能に設けられている。そして、こ
の第3,第4のプーリ64,65に第2のベルト66を掛け渡し
ている。
次に、上記ピンセット23,23と第2のベルト66との連
結構成について説明する。
上側のピンセット23の連結について説明すると、この
ピンセット23はその走行方向と直交する方向に形成され
た略コ字状のピンセット支持アーム72に支持されてい
る。このピンセット支持アーム72の内側には、被案内体
71が固着されていて、この被案内体71は前記ベース部材
56上に形成したレール72に沿って移動自在となってい
る。尚、このレール70には、第1図(A)に示すよう
に、前記ピンセット23の走行領域の両側であって、この
走行方向と平行に形成されている。さらに、前記被案内
体71の内側には、前記第2のベルト66を挟持する形でこ
のベルト66に連結されたベルト連結体73を具備してい
る。この結果、ピンセット23は前記レール72に沿って移
動自在であると共に、前記第2のベルト66が搬送駆動さ
れることで、このベルト66に固着されたベルト連結体73
が共に移動することになるので、ピンセット23の水平移
動を実現することができるようになっている。
尚、このピンセット23の走行位置のリミット位置検出
を行うために、前記ベルト連結体73には被検出体74が固
着され、一方、前記ピンセット23の走行領域両端側には
検出体75,75が配置されている。この被検出体74と検出
体75とはリミットスイッチを構成するものであり、この
被検出体74がいずれか一方の検出体75に検出されること
によってエンド検出が可能となっている。尚、下側のピ
ンセット23の第2のベルト66に対する連結についても同
様に構成されている。
次に、上記の2つのピンセット23,23を具備したベー
ス部材56の駆動について説明すると、このベース部材56
は搬送経路25に沿って図示Y方向に移動可能であり、さ
らに、ベース部材56の高さ方向の位置を可変するために
Z方向にも移動自在となっている。また、ピンセット23
の向を可変するために、ベース部材56はその回転方向で
あるθ方向に回動自在となっている。このように、ベー
ス部材56をY方向に移動可能とすることで、各処理ユニ
ットに対してピンセット23を配置することができ、さら
にベース部材56を回転することで、この各処理ユニット
と対向する向きにピンセット23のコ字状部分を配置する
ことができる。また、1つの処理ユニットに対して2つ
のピンセット23,23を選択的に使用するために、前記ベ
ース部材56の高さ位置を変更し、処理ユニット内の半導
体ウエハ22の支持位置にいずれか一方のピンセット23を
設定することができるようになっている。尚、上記のベ
ース部材56のY方向駆動,Z方向駆動及びθ方向駆動の構
造については、種々の直線駆動方式あるいは回転駆動方
式を採用することができ、ここではその詳細な説明を省
略する。
次に、作用について説明する。
先ず、搬入搬出機構45のX移動機構46,Y移動機構47,
θ回転機構48を動作させてピンセット43をウエハキャリ
ア42下に移動させる。そして、昇降機構(図示せず)に
より上記ウエハキャリア42を下降させて収納している処
理前の半導体ウエハ22を1枚上記ピンセット43に載せて
吸着保持する。次に、このピンセット43をX方向に移動
させて半導体ウエハ22を取出した後、Y方向に移動させ
て載置台44上に上記処理前の半導体ウエハ22を載置す
る。
そして、第1の処理装置ユニット31の第1の搬送機構
24を図の左Y方向に移動させて、搬入搬出機構45の載置
台44に載置されている処理前の半導体ウエハ22を例えば
上側のピンセット23が受取り吸着保持する。
ここで、前記半導体ウエハ22のピンセット23による吸
着保持及びアライメント動作について、第3図を参照し
て説明する。
搬入搬出機構45より受渡された半導体ウエハ22は、ピ
ンセット23の第1,第2,第3の突起部50,51,52にて3点支
持されることになる。この際、このピンセット23上の半
導体ウエハ22は未だアライメント動作が実行されてな
く、従ってウエハ22の一端面がガイド部材54に当接しな
い状態となっている。
そこで、第3図(A)に示すようにストッパ部材55を
上昇させ、半導体ウエハ22の端面と当接可能な位置にて
停止する。その後、ピンセット23にて半導体ウエハを真
空吸着せずに、このピンセット23をストッパ部材55に向
けて水平移動する。そして、半導体ウエハ22の端面がス
トッパ部材55に当接後もさらにこのピンセット23を水平
移動させると、半導体ウエハ22はピンセット23の上記各
突起部50,51,52上でスライドして、最終的に前記ガイド
部材54に当接した形で停止されることになる。尚、この
際第3図(B)に示すように、万一半導体ウエハ22がピ
ンセット23上にてその中心がずれた形で支持されている
場合にあっても、ガイド部材54の円弧状部分によって案
内することで、その正確な位置に位置決めすなわちアラ
イメントすることができる。(第3図(C)参照)。
ここで、上記のクリアライメント動作を実施するに際
して、半導体ウエハ22は各突起部50,51,52上でスライド
移動することになるが、ピンセット23の全面にてウエハ
22を受けるものと比較すれば、ウエハ22との接触面積を
かなり少なくすることができるので、このアライメント
時での発塵を極力押えることができる。さらに、上記各
突起部50,51,52の材質として、例えば摺動抵抗の少ない
テフロンなどを採用することにより、ダストの発生をよ
り低減することが可能である。尚、半導体ウエハ22のア
ライメント動作は、ストッパ部材55とガイド部材54との
間に挾み込んで行うものであるが、この際ストッパ部材
55は第2図に示すように引張りコイルスプリング57の付
勢力に抗して退避可能であるので、このウエハ22の端面
がガイド部材54に衝撃的に当接されることを防止するこ
とができる。
尚、通常半導体ウエハ22は、その一部分に第1図
(A)に示すようにオリエンテーションフラット22aを
具備するので、前記ストッパ部材55はこのオリエンテー
ションフラット22aを押圧することになる。ただし、オ
リエンテーションフラットがストッパー部にこなくても
アライメントは可能である。
上記のようにしてアライメント動作が終了した後に、
ピンセット23上にて半導体ウエハ22を真空吸着保持する
ことになる。この際、本実施例では真空吸着するための
吸着用開口部53が、第3の突起部52にのみ形成されてい
るので、従来のピンセットのように吸着用開口部が所定
長さ領域に亘って形成されているものと比べれば、バキ
ューム吸引時での圧力によりウエハの裏面を破損させる
おそれを大幅に低減することができる。したがって、こ
のような構成によっても発塵の問題を解消することが可
能となる。
次に、このピンセット23を処理プロセスに応じて例え
ばHMDS処理機構26に向って移動させ、上記半導体ウエハ
22を上記HMDS処理機構26にセットしてHMDS{(CH33Si
NHSi(CH3}を蒸気状にして上記半導体ウエハ22に
塗布する。同時に、搬入搬出機構45を動作させ、次に処
理する半導体ウエハ22をウエハキャリア42から1枚取出
して載置台44に載置する。以下、同様に動作させる。
上記HMSD処理機構26での処理が終了すると、第1の搬
送機構24を移動させ例えば下側のピンセット23の独立し
た水平移動によりHMDS処理が終了した半導体ウエハ22を
上記HMDS処理機構26から取出す。ここで、上記HMSD処理
機構26にて処理している時間を利用して、上記第1の搬
送機構24を移動して、載置台44に載置されている半導体
ウエハ22を上側のピンセット23にて受取っていれば、下
側のピンセット23を用いての処理済み半導体ウエハ22の
受取後に、即座に上側のピンセット23を用いて処理前の
半導体ウエハ22をHMDS処理機構26にセットすることがで
き、スループットを向上することができる。次に、前記
下側のピンセット23に保持している処理済みの半導体ウ
エハ22を次の処理のため第1の塗布機構29にセットす
る。
上記第1の塗布機構29では例えばスピンコーティング
法によりレジストを半導体ウエハ22上面に所要量滴下し
て半導体ウエハ22を回転して塗布する。この第1の塗布
機構29による塗布が終了した半導体ウエハ22は次の処理
のための第1の搬送機構24により第1のプリベーク機構
27にセットして加熱する。
上記のようにして半導体ウエハ22を順に、HMDS処理機
構26→第1の塗布機構29→第1のプリベーク機構27→第
1の冷却機構28→第2の塗布機構20に半導体ウエハ22を
搬送セットしてそれぞれ処理を行う。
そして、上記第1の処理装置ユニット31における最後
の処理である第2の塗布機構30による塗布が終了する
と、第1の搬送機構24を動作させて半導体ウエハ22を例
えば上側のピンセット23で取出しX方向,θ方向,Y方
向,Z方向に移動し、待機機構33の載置台32に上記半導体
ウエハ22を載置する。この時、第1の冷却機構28で処理
を終えた半導体ウエハ22を下側のピンセット23で取出
し、上記上側のピンセット23で第2の塗布が終了した半
導体ウエハ22を取出した後に、上記下側のピンセット23
に保持している半導体ウエハ22を上記第2の塗布機構30
に直ちにセットするように動作することができる。ま
た、上記第1の搬送機構24は、待機機構33の載置台32に
半導体ウエハ22を載置した後は、第1の処理装置ユニッ
ト31を自在に動作できる。
次に、第2の処理装置ユニット34の第2の搬送機構46
を図の右Y方向に移動し、例えば上側のピンセット35で
待機機構33の載置台32に載置されている半導体ウエハ22
を受取り、アライメント動作後に保持する。この動作
は、第1の搬送機構24のピンセット22と同様に実施する
ことができる。そして、第2の搬送機構36をY方向,X方
向,Z方向,θ方向に移動させ、上記半導体ウエハ22を次
の処理機構である第2のプリベーク機構38にセットす
る。この後、第2の処理装置ユニット31の第2の塗布機
構30による塗布処理が終了した半導体ウエハ22があれ
ば、この半導体ウエハ22を第1の搬送機構24で、取出し
搬送して載置台32上に載置する。
上記第2のプリベーク機構38における処理が終了する
と、第2の搬送機構36の例えば下側のピンセット35によ
り処理終了した半導体ウエハ22を取出す。この後上側の
ピンセット35にて保持している次の半導体ウエハ22を第
2のプリベーク機構38に受け渡した後に、この下側のピ
ンセット35にて保持されている半導体ウエハ22を第2の
冷却機構39にセットする。この第2の冷却機構39の次に
は表面被覆層塗布機構40にセットして順に処理を行う。
そして、上記構成の実施例の最終処理である表面被覆
層塗布機構40による処理が終了すると、第2の搬送機構
36により上記表面被覆層塗布機構40から半導体ウエハ22
を取出し待機機構33の載置台32に載置する。
次に、第1の処理装置ユニット31の第1の搬送機構24
により上記載置台32に載置されている半導体ウエハ22を
受取り図の左Y方向に搬送する。上記のように、第1の
処理装置ユニット31と第2の処理装置ユニット34間の半
導体ウエハ22の搬送は、上記載置台32すなわち待機機構
33を経由して行う。
上記半導体ウエハ22を第1の搬送機構24により左端ま
で搬送すると、半導体ウエハ22を搬入搬出機構45の載置
台44に載置する。この時、この載置台44に処理前の半導
体ウエハ22がすでにある場合には、先にこの処理半導体
ウエハ22を上記載置台44から受取っておく。
次に、搬入搬出機構45のピンセット43で上記半導体ウ
エハ22を保持搬送し、ウエハキャリア42内に処理終了し
た半導体ウエハ22を収納する。
上記のように、半導体ウエハ22を、順に、搬入搬出機
構45のウエハキャリア42から搬出した後第1の処理装置
ユニット31で処理をし、待機機構33を経由して第2の処
理装置ユニット34に送る。この第2の処理装置ユニット
34での処理が終了すると再び待機機構33を経由して第1
の処理ユニット31に戻し搬送して、搬入搬出機構45のウ
エハキャリア42内に収納する。
上記説明から理解されるように、第1の処理装置ユニ
ット31及び第2の処理装置ユニット34の各処理機構の構
成は、必要とする処理プロセスと、各処理の所要時間
と、半導体ウエハの搬送所要時間等に基づいて、スルー
プットが最高になるように上記処理機構数を設定するこ
とができる。また、処理機構数を増加するときには、上
記のようにして構成した処理装置ユニットを待機機構33
により例えば図の右方向に連結して増設すればよい。し
たがって、従来の装置のように、1つの搬送機構しか有
していないため半導体ウエハの搬送がスムーズには行え
ず、各処理機構での無駄な待機時間を必要とし搬送のた
めの所要時間が長くなり、その結果スループットが低下
するようなことはない。
すなわち、処理機構が増加したとしても増設は容易で
あり、また装置全体を最良の状態に動作設定することが
できる。
尚、上記実施例では、処理装置ユニットを直線状に配
置した例について説明したが、待機機構33にて連結さ
れ、この待機機構33を経由して半導体ウエハを搬送でき
れば何れの配置でもよく、例えば直角に折曲げたり並置
して構成してもよい。
尚、この、待機機構33を実状に合せて変形するのは言
うまでもない。
また、上記実施例では、半導体ウエハ22の搬入搬出機
構45を装置の左端に設けたが、右側に設けてもよい。
また、上記実施例の例えば塗布機構を現像機構に置き
かえて構成することにより現像装置として適用使用する
ことができ、この他被処理体の搬送経路に沿って一連の
処理ユニットを有する種々の処理装置に適用可能であ
る。
そして、本発明の第1の特徴的構成としては、半導体
ウエハ22などの被処理体をその接触面積を少なくした形
でピンセット23上に支持するものであり、この際このよ
うな半導体ウエハ22を安定して支持するためには、3点
以上の箇所に突起部を形成して支持可能とすればよい。
また、本発明の第2の特徴的構成としては、上記のよう
に形成したピンセット上の突起部の少なくと1カ所以上
に吸着用開口部53を形成し、比較的狭い面積の吸着用開
口部53にて半導体ウエハ22を吸着支持することで、従来
よりも発塵の問題を大幅に解消することにあり、この吸
着用開口部53を各突起部に形成するものであってもよ
い。
また、ピンセット23上にてアライメント動作可能とす
る場合には、上記実施例のガイド部材54及びストッパ部
材55としては、例えばピンにて構成することも可能であ
り、その形状についても種々の変形実施が可能である。
さらに、処理のスループットを向上するためには、一
台の搬送機構に上記のように2つのピンセットを搭載す
るものが好ましいが、処理ニーズに応じて3つ以上のピ
ンセットを搭載することもできる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、被処理体を比較
的少ない接触面積で載置保持することができ、さらに比
較的狭い面積の吸着用開口部にて被処理体を真空吸着す
ることで、この双方の構成の効果としてピンセットにて
被処理体を支持する際の発塵を大幅に低減でき、特に近
年の微細化処理に好適な処理装置を提供することが可能
となる。
さらに、被処理体の受け渡しのために設けられたピン
セット駆動機構を兼用して、ピンセットをストッパーの
方向に移動させて被処理体のアライメントを実施でき、
しかも、ストッパーがベース部材に取り付けられている
ので、ピンセットの移動先のどの位置においても、被処
理体のアライメントを実施できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を半導体製造装置に適用した場合のピ
ンセット及びその駆動機構を説明するためのもので、同
図(A)は搬送機構の平面図、同図(B)は搬送機構の
一部を切欠した側面図、同図(C)は搬送機構の一部を
省略した正面図、第2図は、ピンセット上にて被処理体
をアライメントする場合のガイド部材とストッパ部材と
の関係を説明するための概略説明図、第3図は、ピンセ
ット上での被処理体のアライメント動作を説明するため
の概略説明図、第4図は、実施例装置の全体構成を説明
するための概略説明図、第5図は、従来の処理装置での
被処理体搬送方法を説明するための概略説明図、第6図
は、被処理体を吸着保持する従来のピンセット構造を説
明するための概略説明図である。 22……被処理体、23……ピンセット、 50〜52……突起部、53……吸着用開口部、 54……ガイド部材、55……ストッパ部材、 57……付勢部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 義雄 熊本県菊池郡菊陽町津久礼2655番地 テ ル九州株式会社内 (72)発明者 建山 正規 熊本県菊池郡菊陽町津久礼2655番地 テ ル九州株式会社内 (56)参考文献 実開 昭63−95241(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被処理体の搬送経路に沿って複数の処理ユ
    ニットを有する処理装置において、 被処理体を保持するピンセットと、 前記ピンセットを支持するベース部材と、 前記ベース部材を前記搬送経路に沿って移動させるベー
    ス部材駆動機構と、 前記ベース部材に対して前記ピンセットを進退駆動し
    て、各処理ユニットとの間で被処理体を受け渡しさせる
    ピンセット駆動機構と、 前記ベース部材に設けられ、前記ピンセット上に載置さ
    れた被処理体のアライメントを行うアライメント機構
    と、 を有し、 前記ピンセットは、 その平面よりも少なくとも3箇所で突出して被処理体を
    支持する突出面と、 前記突出面の少なくとも1つに形成されて、被処理体を
    真空吸着する吸着用開口と、 被処理体の端部と当接することで被処理体を位置決め可
    能なガイド部材と、 を有し、 前記アライメント機構は、前記ピンセット上に載置され
    た被処理体の他の端部と当接可能なストッパーを有し、 ピンセットに被処理体を支持した非吸着状態で、このピ
    ンセットを前記ピンセット駆動機構によりストッパー側
    に移動することで、被処理体を前記ガイド部材と前記ス
    トッパーとに当接させるアライメント動作を可能とした
    ことを特徴とする処理装置。
  2. 【請求項2】前記ストッパーは、前記ベース部材に対し
    て昇降可能に設けられ、かつ、アライメント動作時に、
    被処理体と当接可能な高さ位置に前記ストッパーが移動
    される特許請求の範囲第1項記載の処理装置。
  3. 【請求項3】前記搬送経路に沿って一体的に移動される
    ピンセットを複数設け、各ピンセットが独立して処理ユ
    ニットとの間で被処理体の受け渡しが可能である特許請
    求の範囲第1項又は第2項記載の処理装置。
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