JP2669518B2 - 濃色化剤 - Google Patents

濃色化剤

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JP2669518B2 JP61127451A JP12745186A JP2669518B2 JP 2669518 B2 JP2669518 B2 JP 2669518B2 JP 61127451 A JP61127451 A JP 61127451A JP 12745186 A JP12745186 A JP 12745186A JP 2669518 B2 JP2669518 B2 JP 2669518B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は繊維製品の濃色化剤に関する。更に詳しく
は、染色物の発色性を改善し、色の深み及び鮮明性を改
善する濃色化剤に関する。 〔従来の技術及び問題点〕 従来、合成繊維特にポリエステル系繊維の大きな欠点
として、ウール、絹などの天然繊維に比べ染色物の色に
深みや鮮明性が劣る点が挙げられている。この為、染色
物の鮮明性や色の深みを改善すべく研究が続けられ、幾
つかの報告がなされている。 例えば、「染料と薬品」Vol.15,No.1,3〜8頁(197
0)は、染色布を水(屈折率1.33)で濡らすと濃くみえ
且つ鮮やかである事実から、屈折率の低い樹脂加工剤で
染色布を処理すれば水に濡らすと同じ濃色化効果が得ら
れることを実験的及び理論的に説明し、その理由が表面
反射率を低下させる為であるとしている。また、「繊維
工学」Vol.26,No.3,186頁(1973)は、“繊維表面と発
色性”と題する討論の要約の中で、分散染料によるポリ
エステル繊維の発色が、表面層の反射を下げ、繊維内に
入る光量を増して発色効果を上げるためには、繊維表面
に適当な屈折率の層を作ることが効果的であるとし、染
色PETフィラメントに三フッ化塩化エチレン低重合物
(屈折率1.4)を塗装することにより濃色になることが
示されている。 これらの事実に立脚して種々の提案がなされている。
特開昭53−111192号公報は屈折率が1.50以下の重合体か
ら形成された薄膜を有する繊維構造物を開示し、その製
造法として、重合体としての屈折率が1.5以下のモノマ
ーを密閉容器中に繊維と共に入れ、プラズマ重合又は放
電グラフト重合して薄膜を形成する方法を提案してい
る。また、特公昭58−51557号公報は繊維構造物の表面
に1.45以下の低屈折率を有する化合物を該繊維に対し0.
3%から10%薄膜状に吸着せしめ乾熱又は湿熱処理を行
う方法を開示し、薄膜形状の原料としてポリマーの屈折
率が1.45以下の弗素樹脂、アクリル酸エステル樹脂、ビ
ニル重合体、ケイ素樹脂を用いうることを述べ、その具
体的実施例として、含弗素化合物やアクリル酸エステル
の乳化物及び溶剤溶液を用い、高温で浸漬吸着させたり
スプレー塗布した後乾熱又は湿熱処理することにより繊
維上に薄膜を作る方法を開示している。 しかしながら、特開昭53−111192号公報が開示する方
法はバッチ生産方式で効率が悪く、また特殊な設備を要
し、モノマーの重合時に容器壁にも重合ポリマーが付着
してロスが多いと共に洗浄が面倒であるなど、多くの欠
点を有しており、工業的生産には不適当である。また、
特公昭58−51557号公報が開示する方法は、大浴比のも
ので浸漬する方法については、高温でなければ均一吸着
が無理なため、大量の溶液を高温にする必要があり、省
エネルギーに反しコスト高となる欠点がある。 また特公昭60−30796号公報は、熱硬化反応性を有す
るポリウレタンエマルションの存在下に、重合可能な不
飽和結合を有する単量体を重合させて得られる水性樹脂
組成物からなり、該水性樹脂組成物の乾燥皮膜の屈折率
が1.50以下であることを特徴とする濃色化剤を開示して
いるが、この濃色化剤は優れた濃色効果が工業的規模で
簡単に行なえるものの、ポリウレタンエマルションを含
有しているために、加工布が光・熱等によって黄変する
という欠点を有している。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは上記欠点のない濃色化剤を見出すべく濃
色効果を発現するための必要機能を徹底的に研究し、次
のような結論を得た。 濃色化剤の処理工程は吸着工程と、フィルム形成
工程に分けられる。 吸着工程 濃色化剤が繊維に吸着する工程で、主に濃色化剤と繊
維との間の静電的相互作用が関与する。繊維は一般に水
中で負に帯電するため、均一に濃色化剤が繊維に吸着す
るには正の帯電が必須である。しかし、正の帯電が強す
ぎると水中での安定性が良すぎることになり、かえって
吸着が抑制される。 フィルム形成工程 繊維に吸着した濃色化剤粒子が乾燥に伴い融着し、フ
ィルムを形成する工程でこれまで低い屈折率のみ必要機
能とされてきた。しかし本研究により、低屈折率の高Tg
物質が乾燥後繊維表面でミクロクレーターを形成し、優
れた濃色効果を発現することを見出した。 以上のように、本発明者らは鋭意研究の結果、吸着工
程におけるζ−電位、フィルム形成工程における屈折率
とTgが濃色化剤に要求される機能であることを見出し、
更に乳化剤としてカチオン性界面活性剤を使用すること
により、光或いは熱による加工布の黄変も抑制できるこ
とを見出し、本発明を完成するに到った。 即ち本発明は、カチオン性界面活性剤の存在下に、重
合可能な不飽和結合を有する単量体を重合させて得られ
る水性樹脂組成物からなり、該水性樹脂組成物の乾燥皮
膜のガラス転移点(Tg)が20〜110℃の範囲にあり、か
つその屈折率が1.50以下であり、かつ該水性樹脂組成物
エマルションのζ−電位が+5〜+80mV(測定条件:イ
オン強度10-3、pH7)の範囲にあることを特徴とする濃
色化剤を提供するものである。 本発明に使用されるカチオン性界面活性剤としては、
例えば下記(1)の如きアルキル第4級アンモニウム
塩、(2)の如きアルキル基の一部がエステル結合、ア
ミド結合を含む一価の有機基によって置換された第4級
アンモニウム塩、(3)の如きアルキル基の一部がヒド
ロキシエチル基で置換された第4級アンモニウム塩、
(4)の如きアルキルベンジル第4級アンモニウム塩、
(5)の如きアルキルピリジニウム塩、(6)の如きア
ルキルイミダゾリニウム塩、(7)の如きアルキルモル
ホリニウム塩、(8),(9),(10)の如きアルキル
アミン塩、及び(11),(12)の如き重合可能な不飽和
結合を有するカチオン性界面活性剤等が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。 R1−NH2・HX ……(8) (1)〜(12)において、R1,R2,R3,R4は炭素数1〜2
2のアルキル基、R5は炭素数1〜22のアルキレン基、X
はCl,Br,I,CH3SO4,C2H5SO4,NO3,ClO4,HOCH2COO等の一価
の陰イオン性基である。 本発明で使用される重合可能な不飽和結合を有する単
量体としては、ラジカル重合性化合物が用いられ、例え
ばペンタデカフルオロオクチルアクリレート(nD=1.33
9)、テトラフルオロ−3−(ペンタフロオロエトキ
シ)プロピルアクリレート(nD=1.35)、ヘプタフロオ
ロブチルアクリレート(nD=1.367)、2−(ヘプタフ
ルオロブトキシ)エチルアクリレート(nD=1.39)、ト
リフルオロイソプロピルメタクリレート(nD=1.42)、
2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチルメタクリレー
ト(nD=1.42)等の弗素化アクリル酸エステル又はメタ
クリル酸エステル、ビニルイソブチルエーテル(nD=1.
45)、ビニルエチルエーテル(nD=1.454)、ビニルブ
チルエーテル(nD=1.456)等のビニルエーテル化合
物、ブチルアクリレート(nD=1.46)、エチルアクリレ
ート(nD=1.47)、2−エトキシエチルアクリレート
(nD=1.471)、イソプロピルメタクリレート(nD=1.4
73)、n−ブチルメタクリレート(nD=1.483)、n−
ヘキシルメタクリレート(nD=1.4813)、メチルメタク
リレート(nD=1.49)等のα,β−不飽和カルボン酸の
エステル、ビニルアセテート(nD=1.4665)、ビニルプ
ロピオネート(nD=1.4665)等のビニルエステル化合物
のα,β−不飽和化合物が主として用いられる。これら
の群から選択される1種又は2種以上の単量体が使用さ
れる。 また、上記単量体の他に、重合可能な不飽和結合と架
橋反応基を有する単量体を加えて重合して得られる水性
樹脂組成物エマルションはより一層優れた濃色効果を与
える。 重合可能な不飽和結合と架橋反応基を有する単量体と
しては、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマ
ル酸、マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸、アク
リルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド、マ
レイン酸イミド等のα,β−不飽和カルボン酸アミド、
メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミ
ド、メトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシ
メチルアクリルアミド等の不飽和カルボン酸置換アミド
類、ビニルピリジン、ビニルピロリドンに代表される複
素環ビニル化合物、アリルアルコールや酢酸アリル等の
アリル化合物、及びグリシジルメタクリレート等が挙げ
られ、反応性付与の改質のため、副成分として用いるこ
とができ、これらの群から選択される1種又は2種以上
の単量体が使用される。 重合可能な不飽和結合を有する単量体と重合可能な不
飽和結合と架橋反応基を有する単量体との割合(モル
比)は99.9/0.1〜50/50が好ましい。 カチオン性界面活性剤の存在下で、上述の重合可能な
不飽和結合を有する単量体或いはそれらと重合可能な不
飽和結合と架橋反応基を有する単量体との単量体混合物
をラジカル乳化重合させる際に用いられる重合触媒とし
ては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水
素、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオキシ
ド、サクシニックアシッドハイドロパーオキシド、クメ
ンハイドロパーオキシド、p−メンタンハイドロパーオ
キシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチル
過安息香酸等の過酸化物或いは2,2′−アゾビス(2−
アミジノプロパン)ハイドロクロリド、アゾビスシクロ
ヘキサンカルボニトリル等のアゾビス系開始剤等が好ま
しい代表例であり、必要に応じて、エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テト
ラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、プロピレンジアミン、ジエチルアミン、モ
ノエチルアミン等の水溶性アミンやピロ亜硫酸、重亜硫
酸ソーダ、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレー
ト等を賦活剤として重合触媒と組み合わせて用いたり、
また重合度調節剤として有機ハロゲン化合物、ニトロ化
合物、アルキルメルカプタン類、ジイソプロピルキサン
トゲン酸等を用いることも出来る。 本発明に係る乳化重合反応は、カチオン性界面活性剤
の存在下、上記の重合性単量体、触媒、触媒賦活剤、及
び重合度調節剤等を適宜適当に合わせて、公知の方法で
特別の工夫を施すことなく実施される。 また、カチオン性界面活性剤と重合性単量体との混合
比は如何なる割合になっても良いが、99.5乃至50重量%
の重合性単量体に対して0.5乃至50重量%のカチオン性
界面活性剤を使用することが好ましく、より好ましくは
98乃至70重量%の重合性単量体に対して2乃至30重量%
のカチオン性界面活性剤を使用することが望ましい。 このようにして得た水性樹脂組成物のうち、その乾燥
皮膜のTgが+20〜110℃の範囲にあり、かつその屈折率
が1.50以下であり、かつ該水性樹脂組成物エマルション
のζ−電位(測定条件:イオン強度10-3、pH7)が+5
〜+80mvの範囲にあるものが、本発明の濃色化剤を構成
する。 これらのTg、屈折率及びζ−電位の調整方法は必ずし
も明確でないが、Tg、屈折率については、ポリマーハン
ドブックより予め推定することができる。2種以上の単
量体の共重合ポリマーのTg及び屈折率は一般に下式に従
い推定することができる。 単量体A,B及びCの共重合体の場合、 (Tg)A,(Tg)B,(Tg)C:A,B,C各々のホモポリマーのT
g WA,WB,WC:共重合体におけるA,B,C各々の組成比 (ii)共重合体の屈折率n=WAna+WBnB+WCnC nA,nB,nC:A,B,C各々のホモポリマーの屈折率 WA,WB,WC:共重合体におけるA,B,C各々の組成比 エマルションのζ−電位はカチオン活性剤の添加量、
非イオン性界面活性剤の添加、無機塩の添加等によって
コントロールすることができる。 本発明の濃色化剤を用いることにより、染色繊維を該
濃色化剤水溶液に常温で浸漬又はパッド処理するだけ
で、繊維表面上に樹脂を均一に吸着でき、更に風乾或い
は加熱乾燥することにより固着し、染色繊維の色に深み
と鮮明性を与えることが可能となった。 本発明の濃色化剤はポリエステル繊維だけでなく、カ
チオン可染ポリエステル、ポリアミド、アクリル、トリ
アセテート、レーヨン、絹、木綿などの染色繊維に対し
て、その色に深みを与え、鮮明度を増すことができる。 本発明の濃色化剤は、染色後に通常の条件で吸着処理
することは勿論、カチオン可染ポリエステルやアクリル
繊維については染色の際に同時に処理することも可能で
あり、また染色前に吸着処理し、その後染色することも
可能である。 〔実 施 例〕 以下、実施例等により本発明を具体的に説明するが、
本発明がこれら実施例に限定されないことは勿論であ
る。 尚、例中の部及び%は特記しない限り全て重量基準で
ある。 合成例 1 窒素導入管、滴下ロート等を備えた300mlの四頚フラ
スコにコータミン86Pコンク(花王(株)製:ステアリ
ルトリメチルアンモニウムクロライド)3.2部(固型分
2部)をとりイオン交換水71.8部を加え、系内を窒素置
換しながら45℃に昇温、次いで撹拌しながらイソブチル
メタクリレート5部、p−メンタンハイドロパーオキシ
ド0.105部、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレー
ト1%水溶液5部をその順に添加して重合を開始した。
更にイソブチルメタクリレート15部を30分間にわたり滴
下し、モノマー滴下終了後50℃で2時間熟成し重合を終
えた。 合成例 2 窒素導入管、滴下ロート等を備えた300mlの四頚フラ
スコにサニゾールC(花王(株)製:アルキルベンジル
メチルアンモニウムクロライド)4部(固型分2部)を
とりイオン交換水71部を加え、系内を窒素置換しながら
45℃に昇温、次いで撹拌しながらイソブチルメタクリレ
ート5部、p−メンタンハイドロパーオキシド0.105
部、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート1%水
溶液5部をその順に添加して重合を開始した。更にイソ
ブチルメタクリレート15部を30分間にわたり滴下し、モ
ノマー滴下終了後50℃で2時間熟成し重合を終えた。 合成例 3 300mlの四頚フラスコにコータミン24W(花王(株)
製:ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド)8.6
部(固型分3部)及び水71.4部を入れ、系内を窒素置換
しながら昇温、60℃でメチルメタクリレートモノマー5
部を添加し、次に2,2′−アゾビス(2−アミジノプロ
パン)ハイドロクロリド0.15部を添加して重合開始、更
にメチルメタクリレート15部を30分間で滴下、モノマー
滴下終了後60℃で1時間熟成し重合を終えた。重合途中
でのポリマーの凝析が全く認められない安定なエマルシ
ョンが得られた。 合成例 4 コータミンD−86P(花王(株)製:ジステアリルジ
メチルアンモニウムクロライド)6.7部(固型分として
5部)を窒素導入管、滴下ロート管のついた500mlの四
頚フラスコにとりイオン交換水233部を加え、次に系内
を充分に窒素置換させトリフルオロイソプロピルメタク
リレート10部を添加し60℃に昇温、2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)ハイドロクロリド0.105部を
加え、重合開始後トリフルオロイソプロピルメタクリレ
ート90部を1時間で滴下、モノマー滴下終了後更に60℃
で1時間熟成した後室温に冷却し100メッシュの金網を
通し、重合中に生じた凝析物を濾去し、未反応モノマー
臭の全くない安定なエマルションを得た。 合成例 5 窒素導入管、滴下ロート等を備えた500mlの四頚フラ
スコにコータミン86Pコンク(花王(株)製:ステアリ
ルトリメチルアンモニウムクロライド)7.9部(固型分
として5部)及びイオン交換水241.8部をとり撹拌下に
系内を充分に窒素置換した。次いでプロピルメタクリレ
ート10部を添加して60℃に昇温後2,2′−アゾビス(2
−アミジノプロパン)ハイドロクロリド0.105部を加
え、撹拌しながらプロピルメタクリレート90部を滴下ロ
ートで1時間にわたって滴下、モノマー滴下終了後更に
60℃で1時間熟成後室温に冷却し100メッシュの金網を
通し重合中のポリマー凝析物を濾去し、未反応モノマー
臭の全くない安定なエマルションを得た。 合成例 6 合成例5と同様にしてコータミン86Pコンク(花王
(株)製:ステアリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド)11.9部(固型分として7.5部)、イソブチルメタク
リレート96部、N−メチロールアクリルアミド3部、イ
タコン酸1部を逐次滴下法で、2,2′−アゾビス(2−
アミジノプロパン)ハイドロクロリド0.15部、及びイオ
ン交換水245.6部を用いて乳化重合を行い、安定なエマ
ルションを得た。 合成例 7 合成例5と同様にしてコータミン86Pコンク(花王
(株)製:ステアリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド)11.9部(固型分として7.5部)、イソブチルメタク
リレート96部、グリシジルメタクリレート2部、メタク
リル酸2部を逐次滴下法で、2,2′−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)ハイドロクロリド0.15部、及びイオン
交換水245.6部を用いて乳化重合を行い、安定なエマル
ションを得た。 合成例8(比較品:特公昭60−30796開示濃色化剤) ビスフェノールAの酸化プロピレン付加物(水酸基価
315)を100℃にて減圧下に脱水し、その115部を温度計
と撹拌機のついた丸底フラスコに入れ、87.5部のメチル
エチルケトンと2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−
トリレンジイソシアネートの80:20の混合物112.5部を加
えて70℃にて4時間反応させ、8.36%の遊離のイソシア
ネート基を含有するウレタンプレポリマー溶液を得た。 一方、別のフラスコに487.4部のメチルエチルケトン
と39.1部のジエチレントリアミンを入れて、30〜40℃に
て1時間混合し、この溶液の中に、上記のウレタンプレ
ポリマー溶液320部を、40分間を要して撹拌しながら徐
々に滴下して加え、次いで162.5部のメチルエチルケト
ンを加えて希釈して50℃で30分間反応させた。この反応
物溶液の1滴を使用して、赤外線吸収スペクトルを測定
したところ遊離のイソシアネート基に基づく2250cm-1
吸収は認められなかった。 この反応物溶液、101.4部の水と18.3部のエピクロル
ヒドリンを加えて、50℃で1時間反応し、42.8部の70%
グリコール酸水溶液と707部の水を加えた後、減圧下に
約40℃でメチルエチルケトンを留去し、水を加えて濃度
を調整し、樹脂分30%の均一で安定なポリウレタンエマ
ルションを得た。 このようにして得られたポリウレタンエマルション25
部(固型分として7.5部)、イソブチルメタクリレート1
00部を逐次滴下法で2,2′−アゾビス(2−アミジノプ
ロパン)ハイドロクロリド0.15部、及びイオン交換水24
5.6部を用いて乳化重合を行いエマルションを得た。 合成例 9(比較品) 合成例3と同様にしてコータミン24W57部(固型分と
して20部)、メチルメタクリレート10部を逐次滴下法で
2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロク
ロリド0.105部、及びイオン交換水33部を用いて乳化重
合を行いエマルションを得た。 合成例 10(比較品) 窒素ガス導入管のついた500mlのセパラブル四頚フラ
スコ中にエマルゲン935(花王(株)製ポリオキシエチ
レンノニルフェノールエーテル系非イオン性界面活性
剤)5部及びイオン交換水235部を入れ、撹拌下窒素ガ
ス気流中で均一に溶解し、次いで過硫酸カリウム0.1部
及びメチルメタクリレート10部を加えて、50℃に昇温し
た。更に0.5%重亜硫酸ソーダ水溶液10部を添加し、系
の温度を60℃にした後、撹拌しながらメチルメタクリレ
ート90部を1時間にわたって滴下した。モノマー滴下終
了後、更に60℃で1時間熟成し重合を終えエマルション
を得た。 合成例 11(比較品) 合成例4と同様にしてコータミンD−86P6.7部(固型
分として5部)、ベンジルメタクリレート100部を逐次
滴下法で2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハ
イドロクロリド0.105部、及びイオン交換水233部を用い
て乳化重合を行いエマルションを得た。 合成例 12(比較品) 合成例1と同様にしてコータミン86Pコンク3.2部(固
型分として2部)、ブチルアクリレート20部を逐次滴下
法でp−メンタンハイドロパーオキシド0.105部、ソジ
ウムホルムアルデヒドスルホキシレート1%水溶液5
部、イオン交換水71.8部を用いて乳化重合を行いエマル
ションを得た。 合成例1〜12の組成と物性データを表1にまとめて示
す。 実施例1(濃色化剤加工布の黄変性) ポリエステル黒色染色布を合成例に示す水性樹脂組成
物で処理し、その濃色効果を調べた。更にその濃色化剤
加工布(パッド−ドライ−キュア法処理布)をウェザー
メーター(スガ試験機(株)製、光源:カーボンアー
ク)で80時間光照射し、光黄変性を調べた。その結果を
表2に示す。 <処理条件> 1) パッド−ドライ−キュア法 表2に示す濃色化剤6g/(固型分換算)の浴を作
り、常温〜30℃に保ちパッドした後100%に絞り100℃で
3分間乾燥した。更に180℃で1分間キュアした。 2) 浸漬−脱水−風乾法 表2に示す濃色化剤0.5g/(固型分換算)の浴を作
り、浴比1:10で常温で10分間撹拌して均一に吸着させ、
遠心脱水して80%絞りとした後、常温で風乾した。 <評価> 1) 濃色効果 濃色効果はカラーマシン(スガ試験機(株)製)で測
定し、L,a,b値を求めた。L値が小さい方が明度が低
く、濃色であることを示す。 2) 黄変性 光黄変性は光照射前後にカラーマシンでb値を求め、
その差分Δb(光照射後のb値−光照射前のb値)によ
って評価した。即ちΔbが大きい程黄変していることを
示す。 本発明の濃色化剤はパッド−ドライ−キュア法、浸漬
風乾法、いずれの処理方法でも優れた濃色効果を示し、
また80時間の光照射に対しても殆ど黄変しなかった。一
方、ウレタンエマルションを保護コロイドとした合成例
8の濃色化剤はパッド−ドライ−キュア法では優れた濃
色効果を示したが、浸漬風乾法では不充分な濃色効果を
示した。また光照射により著しい黄変を呈した。 実施例2(エマルションのζ−電位と濃色効果) ポリエステル黒色染色布と絹黒色染色布に表3に示す
水性樹脂組成物をパッド−ドライ−キュア法で処理し、
その濃色効果を調べた。 供試水性樹脂組成物エマルションのζ−電位をゼータ
メーターで測定した。 (測定条件) 水性樹脂組成物エマルション 1g/ (固型分換算) イオン強度 10-3 pH 7 その結果を表3に示す。 合成例3,9,10はいずれも同様な屈折率とTgを示すにも
かかわらず、濃色効果は合成例3のみ優れていた。 合成例9は97mVもの著しく高いζ−電位を有し、水中
で非常に安定に存在するため、繊維への吸着が妨げられ
たものと考えられる。合成例10は繊維表面と同じ負電位
を示すため、静電反発作用によって繊維への吸着が抑制
されたものと考えられる。 実施例3(屈折率と濃色効果) アクリル黒色染色布に表4に示す水性樹脂組成物を浸
漬風乾法で処理し、その濃色効果を調べた。 供試水性樹脂組成物を乾燥させフィルムを形成させた
後、屈折計でその屈折率を測定した。 その結果を表4に示す。 本発明品は優れた濃色効果を示したが、屈折率の高い
合成例11は全く濃色効果を示さなかった。 実施例4(Tgと濃色効果) 木綿と羊毛の黒色染色布に表5に示す水性樹脂組成物
をパッド−ドライ−キュア法で処理し、その濃色効果を
調べた。羊毛の処理の際のみ浸透剤としてイソプロピル
アルコールを浴へ4%添加した。 供試水性樹脂組成物を乾燥し、DSC法でTgを測定し
た。その結果を表5に示す。 本発明品は両者共優れた濃色効果を示した。一方、合
成例12はTgが低すぎるため、濃色効果を発現しなかっ
た。 実施例2〜4よりζ−電位、屈折率、Tgの最適値を全
て満たして、はじめて優れた濃色効果が得られることが
明らかとなった。 実施例5(架橋反応基と濃色効果) ポリエステルの黒色染色布と赤色染色布に表6に示す
水性樹脂組成物をパッド−ドライ−キュア法で処理し、
濃色効果を調べた。 赤色染色布の場合、評価は測定値a,bより 即ち彩度にて行った。 が大きい程濃色に、且つ鮮やかになったことを示す。そ
の結果を表6に示す。 本発明品はいずれも優れた濃色効果を示しているが、
架橋反応基を有する単量体を共重合している合成例6,7
は特に優れた濃色効果を発現した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−111192(JP,A) 特開 昭55−26232(JP,A) 特開 昭56−112588(JP,A) 特開 昭56−112580(JP,A) 特開 昭56−112581(JP,A) 特開 昭57−25485(JP,A) 特開 昭57−29680(JP,A) 特開 昭57−29681(JP,A) 特開 昭57−29682(JP,A) 特開 昭57−139585(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.カチオン性界面活性剤の存在下に、重合可能な不飽
    和結合を有する単量体を重合させて得られる水性樹脂組
    成物からなり、該水性樹脂組成物の乾燥皮膜のガラス転
    移点(Tg)が20〜110℃の範囲にあり、かつその屈折率
    が1.50以下であり、かつ該水性樹脂組成物エマルション
    のζ−電位が+5〜+80mV(測定条件:イオン強度1
    0-3、pH7)の範囲にあることを特徴とする濃色化剤。 2.重合可能な不飽和結合を有する単量体の一部が重合
    可能な不飽和結合及び架橋反応基を有する単量体である
    特許請求の範囲第1項記載の濃色化剤。
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