JP2668437B2 - サイアロン核含有粒子からなる窒化珪素質焼結体とその製造方法 - Google Patents

サイアロン核含有粒子からなる窒化珪素質焼結体とその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は,高強度・高靭性の窒化珪素質焼結体に関
し,特に自動車エンジン部材,耐熱構造部材,切削工具
その他産業用部材に関するものである。
従来の技術 窒化珪素質焼結体の靭性向上には,微構造を制御する
方法(特開昭63−159259),粒子又はウイスカー等を分
散させ複合化させる方法(特開昭62−265173,他多数あ
り),SiC粒子をSi3N4粒子中に分散させるナノコンポジ
ット(特開昭63−159256)などの方法が考えられてい
る。
発明が解決しようとする課題 しかしながら,上記の方法では,また十分な強度・靭
性が得られておらず,また上記方法のうち複合化する方
法は製造上の困難な点,例えば混合・成形における均一
化が難しいなどの問題点が残されている。
課題を解決するための手段・作用 本発明は,窒化珪素質焼結体の製造においてSi3N4
料粉末にβ−サイアロン粉末を添加することにより,生
成されるβ−Si3N4またはβ−サイアロン結晶粒子にβ
−サイアロンの核を導入でき,その結晶粒子内に内部応
力を発生させ,さらにその結晶粒子がよく成長しアスペ
クト比が高くなり焼結体の強度と靭性が向上することを
見い出したことに基づく。
本発明の焼結体はβ−Si3N4及びβ−サイアロンの結
晶粒子一種以上と粒界相とからなる。β−Si3N4,β−サ
イアロンは夫々単独で存在してもよいし,又混在しても
よい。またここで粒界相とは非晶質及び他の結晶相を指
称し,例えばSi2N2O,O−サイアロン等を若干含んでも差
支えない。但し,β−Si3N4,β−サイアロンの合計量が
焼結体の80%以上であることを要する。
β−Si3N4,β−サイアロンの結晶粒子はその内部にβ
−サイアロン核含有するもの(以下「サイアロン核含有
粒子」という。)と含有しないものとからなる。サイア
ロン核含有粒子は,アスペクト比が高く(例えば3以
上)かつ粒子がよく成長し(例えば短径で0.5μm以
上),さらに内部応力が残留しているので,粒子架橋効
果と応力による遮蔽効果によって焼結体に亀裂が進展す
るのを妨げ靭性を向上させる。従って,このような粒子
が有効に作用するには焼結体の全量に対して5vo1%以上
の量が必要であって好ましくは10〜60vo1%がよい。こ
の理由は,この粒子が60vo1%を越えると焼結体の欠陥
として作用し強度が得られないからである。β−サイア
ロン核とは,β−サイアロン構造として結晶粒子の内部
に存在し,結晶粒子を構成するβ−Si3N4,β−サイアロ
ンと組成的に区別できる部分をいう。結晶粒子がβ−サ
イアロンからなる場合,そのβ−サイアロン結晶粒子
(核を除いた部分)よりもZ値の大きい部分が該当す
る。β−サイアロンは一般式Si6-zAlzOzN8-z(0<Z<
4.2)で示され,Z値はその固溶度を表わす数値である。
「Z値の大きい部分」とはZ値で少なくとも0.5の差が
ある部分をいう。焼結体の相対理論密度は95%以上にす
るとよい。
本発明の焼結体を得るにはSi3N4原料にβ−サイアロ
ン粉末を加えさらに焼結助剤を添加・混合後,これを成
形した後焼結する方法が利用できるが,これに限定する
ことはない。Si3N4粉末はα型,β型のいずれでもよい
が,好ましくはα−Si3N4粉末である。α→β転移時に
β−サイアロン核に成長し易いからである。サイアロン
粉末については,「β」型のものを用いる。β−サイア
ロン粉末の量は,原料の全量に対して5〜20wt%にす
る。5wt%未満ではサイアロン核含有粒子を十分に生成
できず,20wt%を越えると成長粒の量が多くかつ大きく
なりすぎ破壊起源となり強度を低下させるためである。
好ましくは5〜10wt%である。β−サイアロン粉末のZ
値はZ値が高いほど内部応力の発生が高く,好ましくは
0.5〜4,より好ましくは1〜4である。また,焼成条件
については,核からの成長が起こり易いほうが好まし
く,窒素雰囲気又は不活性雰囲気中1400〜1900℃の条件
が適切である。β−サイアロン粉末以外の添加助剤とし
ては,2A族、Sc及びYを含む希土類の酸化物、Al2O3、Zr
O2ないし焼成後においてこれらの酸化物になるものを一
種以上を含むものを焼結助剤として添加する。但し、Sc
又はYの酸化物を単独で添加する場合を除く。これらの
助剤(β−サイアロン粉末を除いたもの)は3〜20wt%
添加するとよい。又,Si3N4原料粉末の平均粒径は1.5μ
m以下にするとよい。各添加助剤の粒径は特に特に限定
されないが,例えばBET比表面積で10m2/g程度にすると
よい。また,焼成は,ガス圧焼結が好ましいがこれに限
定することはない。
実施例 平均粒径0.7μm,BET比表面積10m2/gのSi3N4粉末,同2
0m2/gのMgCO3粉末,同10m2/gのCeO2粉末,同10m2/gのLi
2O粉末,同10m2/gのAl2O3粉末,同10m2/gのY2O3粉末,
同10m2/gのZrO2粉末,及び同5m2/g,Z=2のβ−サイア
ロン粉末を第1表に示す割合で秤量しSi3N4製のポット
ミル及び球石を用いて16時間湿式混合し乾燥後平均粒径
250μmの顆粒に造粒した。造粒粉末を1.5ton/cm3の圧
力で金型プレスし,第1表に示す条件で焼成することに
よって窒化珪素質焼結体を製造した。尚、Y2O3を添加す
る場合は、Al2O3を複合添加した。又、CeO2を添加する
場合は、MgOなどを複合添加した。
得られた焼結体について,JIS1601による室温抵抗力,I
M法による破壊靭性値を測定した結果を第1表に併記し
た。
また,各試料のオートクレーブ処理によるエッチング
後のSEM写真よりβ−サイアロン核含有粒子を特定し,
かつその面積割合を画像処理によって求め,これを体積
割合に換算して,β−サイアロン核含有粒子の存在割合
とした。これらの結果を第1表に併記するとともに,試
料No.5のSEM写真及びその模式図を第1図,第2図とし
て示す。
又,β−サイアロン核を含有するβ−サイアロン粒子
の確定は,TEM写真による粒内分析に拠った。試料No.5に
ついてのTEM写真及びその模式図を第3,第4図に,又EDS
(エネルギー分散型X線マイクロアナライザー)による
分析結果を第5(a),(b)図に示す。第5図中Al量
の分析値は同装置による定量分析結果である。
実施例No.5においては,Al2O3が4%と相当量含まれて
いるため,結晶粒子(核を除いた部分)はすべてβ−サ
イアロンであると考えられる。但し,Al2O3が少ない場合
には(0.5〜1.0wt%),β−サイアロンとSi3N4が混在
することも考えられる。
第1表から明らかなように,β−サイアロン粉末を所
定割合で添加し,又β−サイアロン含有粒子を所定割合
で存在させてなる実施例試料1〜9は,抗折力80kg/mm2
以上,破壊靭性値7.2MN/m1.5以上を示し,比較例試料N
o.10〜13に比して,強度・靭性が大きく向上しているこ
とを確認できた。
発明の効果 本発明に係る窒化珪素質焼結体は,原料粉末中にβ−
サイアロン粉末を添加して,生成されるβ−Si3N4,β−
サイアロン結晶粒子にβ−サイアロン核を含有させるこ
とにより,強度・靭性が向上している。従って,高強度
高靭性を要求される自動車エンジン部材等として好適に
利用できる他,構造部材としての用途拡大に寄与でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は,実施例試料No.5についてのSEM写真(結晶構
造を示したもの), 第2図はその対応部分の模式図, 第3図は同じく実施例試料No.5(第1図とは異なる部
分)についてのSEM写真(結晶構造を示したもの), 第4図はその対応部分の模式図, 第5図は第4図の点E,FにおけるEDSによる分析結果を示
す図であって,第5(a)図は点Eにおけるもの,第5
(b)図は点Fにおけるもの,を表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−183169(JP,A) 特開 昭61−178471(JP,A) 特開 昭54−83008(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】β−Si3N4及びβ−サイアロンの結晶粒子
    一種以上と粒界相とからなるSi3N4質焼結体であって、
    該結晶粒子のうち焼結体に対して5〜60vol%のもの
    が、その粒子内にβ−サイアロンの核(結晶粒子がβ−
    サイアロンの場合,その粒子よりもZ値の大きい部分)
    を含む事を特徴とする窒化珪素質焼結体(尚、Z値とは
    一般式Si6-zAlzOzN8-z(0<Z<4.2)で示されるβ−
    サイアロンにおける固溶度を表わす数値である)。
  2. 【請求項2】Si3N4原料と添加助剤を混合・成形後、N2
    あるいは不活性ガス雰囲気中で焼成する方法において、
    Si3N4原料に添加助剤として、Z値が0.5〜4のβ−サイ
    アロン粉末を5〜20wt%(原料全量に対する量)、さら
    に、2A族、Sc及びYを含む希土類の酸化物、Al2O3、ZrO
    2ないし焼成後においてこれらの酸化物になるものを一
    種以上(但し、酸化スカンジウム又は酸化イットリウム
    を単独で添加する場合を除く)を含む焼結助剤を添加す
    ることを特徴とする窒化珪素質焼結体の製造方法(尚、
    Z値とは一般式Si6-zAlzOzN8-z(0<Z<4.2)で示さ
    れるβ−サイアロンにおける固溶度を表わす数値であ
    る)。
  3. 【請求項3】Si3N4原料と添加助剤を混合・成形後、N2
    あるいは不活性ガス雰囲気中で焼成する方法において、
    Si3N4原料に添加助剤として、Z値が0.5〜4のβ−サイ
    アロン粉末を5〜20wt%(原料全量に対する量)添加
    し、混合・成形後、焼成して、β−サイアロンの核(結
    晶粒子がβ−サイアロンの場合,その粒子よりもZ値の
    大きい部分)を含む粒子を成長させることを特徴とする
    窒化珪素質焼結体の製造方法(尚、Z値とは一般式Si
    6-zAlzOzN8-z(0<Z<4.2)で示されるβ−サイアロ
    ンにおける固溶度を表わす数値である)。
  4. 【請求項4】Si3N4原料と添加助剤を混合・成形後、N2
    あるいは不活性ガス雰囲気中で焼成する方法において、
    Si3N4原料に添加助剤として、Z値が0.5〜4のβ−サイ
    アロン粉末を5〜20wt%(原料全量に対する量)添加
    し、混合・成形後、N2あるいは不活性ガス雰囲気中80at
    m以上の高圧で焼成することを特徴とする窒化珪素質焼
    結体の製造方法(尚、Z値とは一般式Si6-zAlzOzN
    8-z(0<Z<4.2)で示されるβ−サイアロンにおける
    固溶度を表わす数値である)。
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