JP2667597B2 - 脱穀選別制御装置 - Google Patents

脱穀選別制御装置

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、扱室への穀稈供給量を
検出する穀稈供給量検出手段の検出値に基づいて選別装
置の処理能力の目標値を設定し、前記選別装置に備えら
れた揺動選別板上の処理物の層の厚さを検出する処理物
量検出手段の検出値に応じた補正演算を前記目標値に施
し、補正後の目標値に基づいて前記選別装置の処理能力
を調節する制御手段が設けられた脱穀選別制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】コンバイン等の脱穀選別装置において、
車速センサや稈厚センサ等の穀稈供給量検出手段によっ
て検出される穀稈供給量に比例して選別装置の処理能力
を調節することが従来から行われている。さらに、最近
では揺動選別板上の処理物の層の厚さを直接検出する処
理物量検出手段を設け、その検出値を併用することによ
り、選別装置の処理能力をより適切に調節するように改
良した脱穀選別制御装置が提案されている(例えば特願
平2−402532号参照)。
【0003】かかる脱穀選別制御装置においては、先ず
穀稈供給量検出手段の検出値に基づいて選別装置の処理
能力の目標値を設定し、次にその目標値に処理物量検出
手段の検出値に応じた補正演算を施し、補正後の目標値
に基づいて選別装置の処理能力を調節するのが一般的で
ある。具体的には、処理物量検出手段によって検出され
る処理物量が多いほど選別装置の処理能力を増加させる
べく目標値に補正演算を施す。
【0004】又、コンバイン等の脱穀選別装置において
は、脱穀選別対象の条件を選択する選別モード選択手段
が設けられ、オペレータは脱穀選別対象の種類(例えば
稲や麦)や湿り具合に応じて適切な選別モードを選択す
る。
【0005】例えば、脱穀選別対象が濡れている場合に
選択する選別モード(以下、濡れモードという)が選択
されていれば選別装置の処理能力を増加させる必要があ
る。乾いている場合に比べ処理物が選別装置に滞留しや
すく、ややもすれば詰まり状態が発生し易いからであ
る。従って、濡れモードにおいて、穀稈供給量検出手段
の検出値に応じた目標値を、他の選別モードに比べて大
きめ(処理能力増加側)に設定する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際問題とし
て、どの程度大きめに設定するかは難しい問題である。
例えば、濡れモードにおいて一律に選別装置の処理能力
が最大となるように目標値を設定したとすれば、詰まり
状態を回避する点では安全であるが、選別精度が荒くな
る点ではあまり好ましくない。一方、処理能力の増加が
不十分であれば、処理物の詰まり状態が発生するおそれ
がある。
【0007】本発明は、かかる実情に鑑みて為されたも
のであって、その目的は、上記濡れモードにおいて不必
要に選別装置の処理能力を高めて選別精度を落とすこと
なく、しかも、処理物の詰まり状態を的確に回避するよ
うにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の脱穀選別制御装
置は、扱室への穀稈供給量を検出する穀稈供給量検出手
段の検出値に基づいて選別装置の処理能力の目標値を設
定し、前記選別装置に備えられた揺動選別板上の処理物
の層の厚さを検出する処理物量検出手段の検出値に応じ
た補正演算を前記目標値に施し、補正後の目標値に基づ
いて前記選別装置の処理能力を調節する制御手段が設け
られたものであって、第1の特徴構成は、脱穀選別対象
の条件を選択する選別モード選択手段が設けられ、前記
制御手段が、前記選別モード選択手段により選択された
少なくとも一つの選別モードにおいて、他の選別モード
と異なる前記補正演算を前記目標値に施すように構成さ
れている点にある。
【0009】第2の特徴構成は、第1の特徴構成を実施
する際の好ましい具体構成を特定するものであって、前
記制御手段が、前記選別モード選択手段により選択され
た少なくとも一つの選別モードにおいて、前記処理物量
検出手段の検出値が設定値以上のとき、前記選別装置の
処理能力を最大にすべく前記補正後の目標値を決定する
ように構成されている点にある。
【0010】
【作用】第1の特徴構成によれば、穀稈供給量検出手段
の検出値に基づく選別装置の処理能力の目標値に処理物
量検出手段の検出値に応じた補正演算を施す際、選別モ
ード選択手段により選択された少なくとも一つの選別モ
ードにおいては、他の選別モードと異なる補正演算が施
される。
【0011】例えば、詰まり状態の発生し易い選別モー
ド(前述の濡れモード)において、処理物量検出手段の
検出値、即ち、処理物の層厚が設定値以上になれば、選
別装置の処理能力を設定量だけ無条件に増加させるべく
補正演算を決める。又は、第2の特徴構成に示すよう
に、該選別モードにおいて処理物の層厚が設定値以上に
なれば、選別装置の処理能力を最大にすべく補正後の目
標値を決定する。
【0012】以上の如く、濡れモードにおいて、一律に
選別装置の処理能力を例えば最大能力にするのではな
く、処理物の層厚が設定値以上のときのみに詰まり状態
を回避すべく処理能力を最大にするといった、処理物量
検出手段の検出値に応じた補正演算を行うのである。
【0013】
【発明の効果】従って、詰まり状態の発生し易い選別モ
ードにおいて、処理物の層の厚さに応じて詰まり状態を
回避しながらも、不必要に選別装置の処理能力を高めて
選別精度を落とすことなく的確な処理能力制御を行うこ
とができるようになった。
【0014】
【実施例】以下、本発明をいわゆる自脱型のコンバイン
に適用した場合における実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0015】図2に示す自脱型のコンバインは、左右一
対のクローラ走行装置1、脱穀部2、操縦部3、刈取部
4等を備える。刈取部4は、分草具5、植立穀稈の引き
起こし装置6、刈り刃7を備え、刈り取られた穀稈は搬
送装置9によって脱穀部2のフィードチェーン16まで
搬送される。
【0016】動力伝達系は図3に示すように構成されて
いる。エンジンEの動力は、脱穀クラッチ10を介して
脱穀部2に伝達されると共に、走行クラッチ11及び油
圧式無段変速装置12を介してクローラ走行装置1のミ
ッション部13に伝達される。刈取部4には、ミッショ
ン部13から刈取クラッチ14を介して動力が伝達され
る。又、脱穀クラッチ10の入切状態を検出する脱穀ス
イッチSW1が設けられている。
【0017】脱穀部2は、図4に示すように、扱胴15
を収納する扱室A、刈取部4から供給される穀稈を搬送
するフィードチェーン16、排塵用の横断流ファン1
7、トウミ18と揺動選別板19とからなる選別装置
B、穀粒回収用の一番口20、及び、穀粒と藁屑との混
合物を回収するための二番口21を備えている。
【0018】扱室Aの下部には、扱胴15の下側外周部
に沿って脱穀処理物漏下用の受網22が設けられてい
る。受網22から漏下出来なかった処理物は受網22の
後端部より揺動選別板19に落下する。受け網22のフ
レーム後端部には、揺動選別板19上の処理物の層の厚
さを検出する処理物量検出手段としての層厚センサS1
が設けられている。
【0019】選別装置Bの揺動選別板19は、トウミ1
8の上方に位置するグレンパン23、その後方に位置す
るチャフシーブ24、その下方に位置するグレンシーブ
25等からなる。グレンシーブ25から漏下する穀粒は
揺動選別板19の下方に設けられた一番口20から回収
され、タンク等に貯溜される。又、チャフシーブ24の
後端やグレンシーブ25の後端から落下する穀粒と藁屑
との混合物は二番口21から回収されて揺動選別板19
に還元される。
【0020】チャフシーブ24は、図5に示すように、
処理物移送方向に並置された複数個の帯板状部材24a
の各々が、その中央部を支点として左右の側板に対して
回動自在に取り付けられたものである。そして各帯板状
部材24aの下端部に枢着された操作ロッド25を前後
方向に移動操作することによって、各帯板状部材24a
は同時に角度を変更される。その結果、帯板状部材24
aの隣合うもの同士の間隔t(以下、チャフシーブ開度
という)が変更調節できるように構成されている。
【0021】チャフシーブ開度を電気的に変更調節する
ためのシーブモータM1が設けられ、ギヤ式の連係機構
26、揺動アーム27、レリーズワイヤ28を介して前
記操作ロッド25に連結されている。図中、29はチャ
フシーブを閉じ側に復帰付勢するスプリング、S2は揺
動アーム27の回転角をチャフシーブ開度として検出す
るためのポテンショメータ式のチャフシーブ開度センサ
である。シーブモータM1は印加電圧の極性を変えるこ
とによって正転・逆転が切り換えられる。
【0022】選別装置Bのトウミ18は、揺動選別板1
9上の藁屑を吹き飛ばすためのものであり、その風力は
図4に示すように、ファンケースカバー18aの開度
(以下トウミ排風開度という)を変えることによって行
われる。つまり、トウミ排風開度を大きくするほどその
開口部から逃げる風量が増加し、揺動選別板19上の処
理物に及ぼす風力(以下トウミ風力という)が小さくな
る。
【0023】トウミ排風開度の調節は、図6に示すよう
に、トウミモータM2によって行われる。シーブモータ
M1と同様に印加電圧の極性を変えることによってトウ
ミモータM2を正転・逆転させると、連係機構30、揺
動アーム31、ロッド32、33を介してファンケース
カバー18aが開閉する。図中、S3は揺動アーム31
の回転角をトウミ排風開度として検出するためのポテン
ショメータ式のトウミ排風開度センサである。
【0024】選別装置Bは、以上のようにしてチャフシ
ーブ開度とトウミ排風開度が変更調節されることによ
り、その処理能力が変更調節される。これらの変更調節
は、図1に示すように、マイクロコンピュータを搭載し
た制御手段Hが司る。基本的には、扱室Aへの穀稈供給
量が多いほど、又、揺動選別板上19の処理物の層が厚
いほど選別装置Bの処理能力を大きくするように、即ち
チャフシーブ開度を大きく、トウミ排風開度を小さくす
るように自動制御が行われる。
【0025】扱室Aへの穀稈供給量は次のようにして検
出される。図7に示すように、フィードチェーン16の
上部に、搬送される穀稈を下方に押圧しフィードチェー
ン16とで挟持する機構が設けられている。即ち、枢支
軸Pにて搬送方向に連結された複数の押圧部材34a,
34bがコイルバネ34cにて各別に弾性付勢されてい
る。そして前から一番目の押圧部材34aと二番目の押
圧部材34bとの枢支軸Pの上方への変位を検出するポ
テンショメータS4が設けられている。
【0026】このポテンショメータ(以下、稈厚センサ
という)S4によってフィードチェーン16と押圧部材
34a,34bとの間に挟持される穀稈の厚さが検出さ
れる。そして、フィードチェーン16の搬送速度はほぼ
一定に保たれるので、稈厚センサS4の検出値は扱室A
への穀稈供給量に比例する。つまり、この稈厚センサS
4が扱室Aへの穀稈供給量を検出する穀稈供給量検出手
段として働く。稈厚センサS4の検出値は制御手段Hに
入力され、A/D変換されたのち0〜9の10段階の値
(以下、ワラレベルという)に分けられる。
【0027】揺動選別板19上の処理物、即ち、チャフ
シーブ24上に堆積した処理物の層の厚さは、前述の層
厚センサS1によって検出される。層厚センサS1は図
8に示すように、横軸芯周りに揺動自在に垂下されたセ
ンサバーTと、そのセンサバーTの後方(処理物の移送
方向)への回動角度を抵抗値に変換するポテンショメー
タPMからなる。
【0028】センサバーTは、処理物移送方向の下流部
T1が上流部T2より長い二股状に形成されている。処
理物の層が厚くなるほど、センサバーTの後方への回動
角度が大きくなるが、処理物の層の厚さが比較的小のと
きは下流部T1が処理物に接当し、処理物の層の厚さが
大になると上流部T2が処理物に接当するように構成さ
れている。
【0029】層厚センサS1の検出値(以下シーブ電圧
という)は0〜5ボルトのDC電圧として制御手段Hに
入力され、8ビットディジタル値(0〜255)にA/
D変換されたのち、後述するように0〜5の6段階の値
(以下、シーブレベルという)に分けられる。
【0030】上記のようにして得られたシーブレベル
は、選別装置Bの処理能力の調節制御のための情報とな
る他に、操縦部3に設けられたモニタ35にて表示さ
れ、又、警報にも用いられる。つまり、図1に示すよう
に、バーグラフ表示器35aによってレベル表示される
と共に、7セグメント表示器35bによって数値表示さ
れる。
【0031】モニタ35は文字表示器35c及びブザー
35dをも備えている。そして、シーブレベルが5にな
ると制御手段Hは、文字表示器35cに「シーブチュウ
イ!」と表示する。さらにこの状態が10秒以上続くと
「シーブケイホウ!」と表示すると共に、ブザー35d
にて警報を発する。作業者は、これらの警報に基づいて
走行速度を下げる等必要な処置を行い、処理物の層が厚
くなり過ぎて詰まり状態が発生するのを回避する。
【0032】又、操縦部3に選別モード選択手段として
の選別モード切換スイッチSW2が設けられ、この切換
信号が図1に示すように、制御手段Hに入力されてい
る。選別モード切換スイッチSW2は、7通りの選別モ
ードの中から一つの選別モードを選択するものである。
7通りの選別モードは、大きくは手動モード、稲モー
ド、麦モードの3通りに分かれる。
【0033】手動モードを選択すれば、設定器(図示せ
ず)を用いてチャフシーブ開度及びトウミ排風開度を各
別に手動設定できる。稲モードには四つのモードがあ
り、イネ2が標準モード、イネ1は選別処理能力が最小
のモード、イネ3は高水分モード、イネ4は濡れモード
である。麦モードには二つのモードがあり、ムギ1が標
準モード、ムギ2は高水分モードである。
【0034】これら6通りの自動モード(稲モード及び
麦モード)が選択されると、制御手段Hは各モード別に
前述のワラレベル(扱室Aへの穀稈供給量)及びシーブ
レベル(揺動選別板19上の処理物の層の厚さ)に基づ
いてチャフシーブ開度及びトウミ排風開度を自動調節す
る。以下、この自動調節制御について流れ図を参照しな
がら説明する。
【0035】図9に示す脱穀選別制御の処理ルーチン
は、ワラレベル及びシーブレベルに基づいてチャフシー
ブ開度の目標値(以下、チャフ目標値という)及びトウ
ミ排風開度の目標値(以下、トウミ目標値という)を決
定するサブルーチンである。メインルーチン(図示せ
ず)から、このサブルーチンがコールされると、先ずシ
ーブレベル判定の処理が行われる。
【0036】シーブレベル判定処理は図10乃至図12
に流れ図で示すように行われる。図10に示す処理で
は、前述のように、層厚センサS3の検出値(シーブ電
圧)から0〜5の6段階のシーブレベルを得る。実際に
はシーブ電圧を一旦0〜255の8ビットディジタル値
に変換したのち、そのディジタル値に基づいてシーブレ
ベルが判定されるが、図ではわかりやすくするために各
しきい値をシーブ電圧で示している。
【0037】図11の処理では、約1秒間連続してシー
ブレベルが前回値(OLD)と異なるときに初めてその
シーブレベルを有効とする。従って、カウンタには約1
秒間に相当する初期値が代入される。この処理について
説明を加えると、シーブレベル判定処理にて判定された
シーブレベルがシーブレベル前回値と同じであればカウ
ンタを初期値に設定して、次の処理に移行する。そし
て、判定されたシーブレベルがシーブレベル前回値と異
なっていれば、カウンタをデクリメントして、カウンタ
がカウントアップして「0」以下になると、即ち、シー
ブレベルがシーブレベル前回値と異なっている状態が約
1秒間が継続すると、前記判定されたシーブレベルがシ
ーブレベル前回値OLDに代入されるとともに、カウン
タが初期値が代入されて次の処理に移行する。尚、カウ
ンタがカウントアップするまではシーブレベル前回値を
シーブレベルに代入して次の処理に移行する。従って、
約1秒間連続してシーブレベルが前回値(OLD)と異
なるときに初めてそのシーブレベルが有効となり、次の
処理が実行されることになる。
【0038】図12の処理では、シーブレベルの変化が
上昇から下降に転じたときにピークを記憶しておくため
のフラグLVL3,LVL4,LVL5がセット・リセ
ットされる。シーブレベルのピーク5、4、3に対応し
て夫々フラグLVL5,LVL4,LVL3がセット
(他はリセット)され、シーブレベルが2以下になった
時に全てリセットされる。これらのフラグLVL3,L
VL4,LVL5は後述する補正処理で用いられる。
【0039】シーブレベル判定処理が終わると、図9に
戻り、次に自動モードの起動条件をチェックする。即
ち、脱穀スイッチSW1がオン(脱穀クラッチ10を接
続した状態)で、且つ、選別モード切換スイッチSW2
により自動モードが選択されていれば次の処理に移る
が、この条件が満たされていなければ何もせずにメイン
ルーチンに戻る。つまり、この場合、得られたシーブレ
ベルは前述のモニタ表示や警報にのみ用いられることに
なる。
【0040】自動モードの起動条件が満たされている場
合は、ワラレベルに基づいて図13、図14のテーブル
に従ってチャフ目標値CH及びトウミ目標値TOが設定
される。実際の制御量であるチャフシーブ開度(単位は
mm)とチャフ目標値CHとの関係は図15の通りであ
る。同様にトウミ排風開度(単位はmm)とトウミ目標
値TOとの関係は図16のようになる。
【0041】図に示すように、ワラレベルが大きいほ
ど、即ち穀稈供給量が多いほど選別装置Bの処理能力を
大きくするように、即ちチャフシーブ開度を大きく、ト
ウミ排風開度を小さくするように両目標値CH、TOが
決められている。又、稲モード、麦モード共にモード番
号が大きい程(水分が多い程)、選別装置Bの処理能力
を大きくするように両目標値CH、TOが決められてい
る。
【0042】尚、図13乃至16のテーブルは一例であ
って、機種が異なればテーブルの内容は異なる。又、こ
れらのテーブルは前述の二番口21から回収されて揺動
選別板19に還元される処理物量をも考慮して実験等に
基づいて定められている。
【0043】次に、シーブレベルに基づいてチャフ目標
値CH及びトウミ目標値TOの補正を行う。但し、先ず
シーブレベルがゼロかどうかをチェックし、ゼロであれ
ば補正は行わない。つまり、シーブ電圧が0.5ボルト
以下であれば、ワラレベルのみに基づいてチャフシーブ
開度及びトウミ排風開度が決定される。
【0044】シーブレベルがゼロでなければ、次にイネ
4モード(濡れモード)か否かを判断する(図9後
半)。イネ4モードが選択されていれば、他の選別モー
ドとは異なる補正演算を行う。即ち、図17に示すよう
に、シーブレベルが2以上であればチャフ目標値CH及
びトウミ目標値TOを共に7にする。これは、層厚セン
サS1の検出値が設定値以上のとき、選別装置Bの処理
能力(チャフシーブ開度及びトウミ風力)を最大にする
ことを意味する。
【0045】前述の如く、イネ4モードは稲が濡れてい
るときに選択される選別モードであり、このとき、脱穀
された穀粒は選別装置Bの揺動選別板19上に滞留しや
すく、従って処理物の詰まりが発生しやすい状態とな
る。そこで処理物の詰まり状態を回避すべく、チャフシ
ーブ開度及びトウミ風力を最大にするのである。
【0046】イネ4モード以外のモードが選択されてい
れば、図18及び図19に示す通常モード補正の処理が
実行される。このとき、図12の処理でセット・リセッ
トされたフラグLVL3,LVL4,LVL5を用いて
場合分けされる。図中、CH4及びCH3には、夫々シ
ーブレベルが4及び3のときのチャフ目標値CHの補正
後の値が代入される(図18の(イ)及び図19の
(ロ))。
【0047】LVL5が1のとき、図18に示すよう
に、チャフ目標値CH及びCH4が共に5未満であれば
チャフ目標値CHに5が代入され、それ以外は7(最大
値)が代入される。又、トウミ目標値TOには無条件に
7(最大値)が代入される。LVL4が1のとき、チャ
フ目標値CHが4未満であれば4が代入され、4以上で
あれば1が加算される。さらにCH3以下であればCH
3に1を加算した値が代入される。トウミ目標値TOに
は無条件に7(最大値)が代入される。LVL3が1の
ときは、図19に示すように、チャフ目標値CHに1が
加算される。トウミ目標値TOは補正されない。
【0048】前述したように、フラグLVL5,LVL
4,LVL3はシーブレベルの変化が上昇から下降に転
じたときのピークを記憶しておくためのものであって、
シーブレベルが2以下になるまでリセットされない。従
って、上記のフラグLVL3,LVL4,LVL5によ
って場合分けされた、選別装置Bの処理能力を高める方
向の補正演算はシーブレベルが2以下になるまで維持さ
れる。処理物の詰まり状態を回避すべく、シーブレベル
が1又は2の安全な領域に早く戻すためにこのように制
御する。
【0049】フラグLVL5,LVL4,LVL3のい
ずれもセットされていないときは、ワラレベルをチェッ
クし、ワラレベルがゼロでなければチャフ目標値CH及
びトウミ目標値TOの補正処理を行わずに図9のルーチ
ンに戻る(図19参照)。ワラレベルがゼロであれば、
刈り終わりモードにおけるチャフ目標値CHのみの補正
が実行される。即ち、稲モードであれば3を、麦モード
であれば2を代入し、さらにシーブレベルが1の状態が
6秒以上続けば1を代入する。つまり、刈り終わりで選
別処理の精度が下がらないようにチャフシーブ開度を絞
るのである。
【0050】以上のようにして補正後のチャフ目標値C
H及びトウミ目標値TOが決定されると、図9の脱穀選
別制御の処理を終了しメインルーチン(図示せず)に戻
る。メインルーチンでは、補正後のチャフ目標値CH及
びトウミ目標値TOに基づいてチャフシーブ開度及びト
ウミ排風開度が調節される。
【0051】つまり、制御手段Hは、チャフ目標値CH
に基づいて、図1に示す如くチャフシーブ開度センサS
2の検出値をフィードバック量としてシーブモータM1
を駆動制御する。同様に、トウミ目標値TOに基づいて
トウミ排風開度センサS3の検出値をフィードバック量
としてトウミモータM2を駆動制御する。
【0052】以下、別実施例について列記する。 濡
れモード(イネ4モード)の目標値の補正演算におい
て、上記実施例では層厚センサS1の検出値が設定値以
上のとき、選別装置Bの処理能力を最大にするように構
成したが、最大処理能力に余裕がある場合は設定量だけ
処理能力を増加させるように構成してもよい。或いは、
層厚センサS1の検出値の設定値を二段階に設け、検出
値が第1設定値を越えたときに選別装置Bの処理能力を
設定量だけ増加させ、第2設定値を越えたときに選別装
置Bの処理能力を最大にするように構成してもよい。
【0053】 上記実施例では、穀稈供給量検出手段
として、フィードチェーンで搬送される穀稈の厚みを検
出する稈厚センサを用いたが、車速(走行速度)を検出
するセンサで代用してもよい。一般に同一圃場内であれ
ば、車速に比例した刈り取り量即ち穀稈供給量が得られ
るからである。又、処理物量検出手段としては、実施例
の層厚センサに限らず、揺動選別板上の処理物の重量を
検出する手段等も考えられる。
【0054】 上記実施例における目標値を決めるた
めの各テーブルや、補正演算及びその補正値、補正の有
無を決めるしきい値(所定値)等の具体的な値は、本発
明の実施に当たって適宜変更し得るものである。
【0055】 上記実施例の選別装置は、チャフシー
ブ開度と唐箕風力を調節することによりその処理能力を
調節するものであるが、チャフシーブ開度や唐箕風量を
調節するための具体構成は各種変更できる。又、本発明
は下記のような種々の方式の処理能力調節を行う選別装
置にも適用できる。 選別シーブの濾過面積を調節する遮蔽板を出退させる方
式。 選別ラックの隣接するラック板の間隔を変化させる方
式。 揺動選別板の揺動周期(揺動速度)を変える方式。 揺動選別板の傾斜角を変える方式。
【0056】 本発明は実施例のような、いわゆる自
脱式のコンバインに限らず、全桿投入式のコンバインに
も適用できる。
【0057】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るコンバインの脱穀選別装
置のブロック図
【図2】同じくコンバインの側面外観図
【図3】同じくコンバインの動力伝達系の説明図
【図4】同じくコンバインの脱穀部を示す透視図
【図5】選別装置のチャフシーブ開度調節機構の概略図
【図6】選別装置のトウミ排風開度調節機構の概略図
【図7】穀稈供給量検出手段とその周辺の側面図
【図8】処理物量検出手段その周辺の側面図
【図9】脱穀選別制御の流れ図
【図10】シーブレベル判定処理の流れ図
【図11】シーブレベル判定処理の流れ図
【図12】シーブレベル判定処理の流れ図
【図13】ワラレベルとチャフ目標値の関係を示すテー
ブル
【図14】ワラレベルとトウミ目標値の関係を示すテー
ブル
【図15】チャフ目標値とチャフシーブ開度の関係を示
すテーブル
【図16】トウミ目標値とトウミ排風開度の関係を示す
テーブル
【図17】イネ4モード補正処理の流れ図
【図18】通常モード補正処理の流れ図
【図19】通常モード補正処理の流れ図
【符号の説明】
19 揺動選別板 A 扱室 B 選別装置 H 制御手段 S1 処理物量検出手段 S4 穀稈供給量検出手段 SW2 選別モード選択手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 末蔵 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (72)発明者 冨永 俊夫 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (72)発明者 溝口 隆雄 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扱室(A)への穀稈供給量を検出する穀
    稈供給量検出手段(S4)の検出値に基づいて選別装置
    (B)の処理能力の目標値を設定し、前記選別装置
    (B)に備えられた揺動選別板(19)上の処理物の層
    の厚さを検出する処理物量検出手段(S1)の検出値に
    応じた補正演算を前記目標値に施し、補正後の目標値に
    基づいて前記選別装置(B)の処理能力を調節する制御
    手段(H)が設けられた脱穀選別制御装置であって、脱
    穀選別対象の条件を選択する選別モード選択手段(SW
    2)が設けられ、前記制御手段(H)は、前記選別モー
    ド選択手段(SW2)により選択された少なくとも一つ
    の選別モードにおいて、他の選別モードと異なる前記補
    正演算を前記目標値に施すように構成されている脱穀選
    別制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段(H)は、前記選別モード
    選択手段(SW2)により選択された少なくとも一つの
    選別モードにおいて、前記処理物量検出手段(S1)の
    検出値が設定値以上のとき、前記選別装置(B)の処理
    能力を最大にすべく前記補正後の目標値を決定するよう
    に構成されている請求項1記載の脱穀選別制御装置。
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