JP2667215B2 - カラー受像管装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、インライン型電子銃を有するカラー受像管
と、同受像管に装着された偏向ヨークと、前記電子銃か
ら放射された電子ビームに垂直補正磁界を与えるための
補正磁界発生器とを備えてなるカラー受像管装置に関す
るものである。

従来の技術 一般に、インライン型電子銃を有するカラー受像管に
装着される偏向ヨークは、ピンクッション傾向に歪んだ
水平偏向磁界およびバレル傾向に歪んだ垂直偏向磁界を
発生するように構成される。このため、複雑なコンバー
ゼンス回路を用いることなくダイナミックコンバーゼン
ス効果を得ることができるのであるが、このように歪ん
だ偏向磁界で偏向作用を受けた電子ビームは、その断面
形状に歪みを生じ、第４図に示すように蛍光面に生成さ
れる青（Ｂ），緑（Ｇ）および赤（Ｒ）のビームスポッ
トにも歪みを生じ、とくに画面の周辺部において高い解
像度を得ることが困難になる。

このため、水平偏向磁界の全体的な歪みをピンクッシ
ョン傾向に、そして、垂直偏向磁界の全体的な歪みをバ
レル傾向にそれぞれ保ちながら、当該磁界の電子銃側ま
たは蛍光面側を逆傾向に歪ませ、ダイナミックコンバー
ゼンス効果を得ながら前述のようなビームスポット歪み
を軽減させることが行なわれている。しかし、垂直偏向
磁界のバレル傾向歪みが不十分であると、第５図に示す
ように両サイドの電子ビームb,rによる青（Ｂ）および
赤（Ｒ）の縦線が画面の上下においてオーバコンバーゼ
ンスとなり、色ずれが発生する。

特公昭60−19188号公報に開示されている発明におい
ては、インライン型電子銃を有するカラー受像管のネッ
ク部に第６図に示すような補正磁界発生器を設けてい
る。ここで、一対のコ字型コアー1a,1bの両脚部は、前
記ネック部を挟んで垂直方向に相対向し、各コアーに巻
装されているコイル2a,2bの端子3,4が第７図に示す回路
の端子5,6に接続されるので、垂直偏向出力回路７から
垂直偏向コイル８および抵抗９に垂直偏向電流が流れる
と、抵抗９に並列接続されているダイオードブリッジ回
路10を経てコイル2a,2bに補正電流が流れ、電子銃から
放射されて偏向磁界に入る３電子ビームは第６図に矢印
で示す補正磁界の影響を受ける。すなわち、両サイドの
電子ビームb,rは外側へ向かう力Ｆを受けるので、第５
図に示す縦線のミスコンバーゼンスを補正することがで
きる。

発明が解決しようとする課題 本発明は、前述のような縦線のミスコンバーゼンス補
正のみならず、センターの電子ビームｇに対するコンバ
ーゼンスコマ補正およびビームスポットのコマ収差補正
もできるカラー受像管装置を提供するものである。

発明が解決しようとする課題 本発明のカラー受像管装置は、３本の電子ビームを発
生するインライン型電子銃をバルブのネック部内に有す
るカラー受像管と、同カラー受像管に装着されてピンク
ッション傾向に歪んだ水平偏向磁界およびバレル傾向に
歪んだ垂直偏向磁界を発生する偏向ヨークと、補正磁界
発生器とを備えており、前記補正磁界発生器は、前記電
子銃と前記偏向ヨークとの間におけるネック外側に配置
され、垂直偏向電流の正の半サイクル成分のみを流通さ
せてその両脚部間に垂直偏向磁界と同じ向きの補正磁界
を発生させるコイルを巻装してなる第１のコの字状コア
ーと、前記垂直偏向電流の負の半サイクル成分のみを流
通させてその両脚部間に垂直偏向磁界と同じ向きの補正
磁界を発生させるコイルを巻装してなる第２のコの字状
コアーとを有し、前記第１および第２のコの字状コアー
の各両脚部は、前記ネック部を挟んで垂直方向に相対向
しているものである。

作 用 このように構成すると、蛍光面の上半分が電子ビーム
走査される期間中、下側に位置するコ字状コアーの両脚
部間にのみバレル傾向の垂直補正磁界が発生し、蛍光面
の下半分が電子ビーム走査される期間中、上側に位置す
るコ字状コアーの両脚部間にのみバレル傾向の垂直補正
磁界が発生するので、両サイドの電子ビームは外側へ向
かう力を受けることになり、前述のような縦線のミスコ
ンバーゼンスを効果的に補正することができる。そのう
え、センターの電子ビームには垂直方向の力が作用する
ので、センターの電子ビームによる横線を両サイドの電
子ビームによる横線とのミスコンバーゼンスを補正せし
め得る。さらに、前記補正磁界は偏向ヨークによる偏向
磁界のいわゆる６極成分を打ち消すように作用するの
で、ビームスポットの形状歪みをも補正することができ
る。

実施例 つぎに、本発明を図面に示した実施例とともに説明す
る。

第１図に示すように、偏向ヨーク11を装着してなるカ
ラー受像管12は、そのガラスバルブのネック部内に電子
銃13を封入してなり、電子銃13と偏向ヨーク11との間に
おけるネック部の外側に補正磁界発生器14が配設されて
いる。ただし、偏向ヨーク11はピンクッション傾向に歪
んだ水平偏向磁界およびバレル傾向に歪んだ垂直偏向磁
界を発生する機能を有し、電子銃13は３つの電子ビーム
放射口が一水平面内に配列されているインライン型のも
のである。15は垂直偏向系回路を示す。

補正磁界発生器14は、第２図に示すように第１および
第２のコ字状コアー15a,15bと、各コアー15a,15bに巻装
されているコイル16a,16bとからなる。ただし、第１お
よび第２のコ字状コアー15a,15bは、それぞれの両脚部
が前記ネック部を挟んで垂直方向に相対向するように配
設されており、両コイル16a,16bは、第３図に示すよう
に回路構成されている。すなわち、両コイル16a,16bは
それぞれに直列接続されたダイオード17a,17bを介して
偏向ヨーク11の一対の垂直偏向コイル18に接続されてお
り、両ダイオード17a,17bは相互に逆極性となる向きに
接続されている。

垂直偏向出力回路19から垂直偏向コイル18に流れる垂
直偏向電流は、その半サイクル成分がコイル16aに、そ
して、残余の半サイクル成分がコイル16bにそれぞれ流
通することになる。

蛍光面の上半分が電子ビーム走査される期間中は、第
２図に示すように下側に位置するコ字状コアー15bの両
脚部間にのみ、バレル傾向の垂直補正磁界が発生し、両
サイドの電子ビームb,rに外側へ向かう力Ｆが作用す
る。また、蛍光面の下半分が電子ビーム走査される期間
中は、上側に位置するコ字状コアー15aの両脚部間にの
み、バレル傾向の垂直補正磁界が前述と同様に発生す
る。このため、前述のような縦線のミスコンバーゼンス
を効果的に補正することができる。また、センターの電
子ビームには垂直方向の力が作用するので、センターの
電子ビームによる横線と両サイドの電子ビームによる横
線とのミスコンバーゼンス（第５図）を補正せしめるこ
とができる。そのうえ、前記補正磁界は偏向ヨーク11に
よって生じる偏向磁界のいわゆる６極成分を打ち消す方
向に作用するので、ビームスポットの形状歪みをも補正
することができる。

発明の効果 以上にのべたように、本発明によると比較的簡単な構
成によって、垂直方向および水平方向のミスコンバーゼ
ンスを軽減せしめ得るのみならず、ビームスポットの形
状歪みも軽減でき、高解像度にしてかつ色ずれの少ない
カラー受像管装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施したカラー受像管装置の全体構成
図、第２図は同装置の補正磁界発生器と電子ビームとの
関係を示す図、第３図は同補正磁界発生器の電気回路
図、第４図は偏向収差に伴うビームスポットの形状歪み
を説明するための図、第５図はミスコンバーゼンスを説
明するための図、第６図および第７図は従来の補正磁界
発生器の構成および回路を示す図である。 11……偏向ヨーク、12……カラー受像管、13……電子
銃、14……補正磁界発生器、15a,15b……コアー、16a,1
6b……コイル、17a,17b……ダイオード、18……垂直偏
向コイル。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】３本の電子ビームを発生するインライン型
   電子銃をバルブのネック部内に有するカラー受像管と、
   同カラー受像管に装着されてピンクッション傾向に歪ん
   だ水平偏向磁界およびバレル傾向に歪んだ垂直偏向磁界
   を発生する偏向ヨークと、補正磁界発生器とを備えてな
   り、前記補正磁界発生器は、前記電子銃と前記偏向ヨー
   クとの間におけるネック外側に配置され、垂直偏向電流
   の正の半サイクル成分のみを流通させてその両脚部間に
   垂直偏向磁界と同じ向きの補正磁界を発生させるコイル
   を巻装してなる第１のコの字状コアーと、前記垂直偏向
   電流の負の半サイクル成分のみを流通させてその両脚部
   間に垂直偏向磁界と同じ向きの補正磁界を発生させるコ
   イルを巻装してなる第２のコの字状コアーとを有し、前
   記第１および第２のコの字状コアーの各両脚部は、前記
   ネック部を挟んで垂直方向に相対向していることを特徴
   とするカラー受像管装置。