JP2666650B2 - シフトバイワイヤ自動変速機用油圧制御装置 - Google Patents

シフトバイワイヤ自動変速機用油圧制御装置

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JP2666650B2
JP2666650B2 JP4054310A JP5431092A JP2666650B2 JP 2666650 B2 JP2666650 B2 JP 2666650B2 JP 4054310 A JP4054310 A JP 4054310A JP 5431092 A JP5431092 A JP 5431092A JP 2666650 B2 JP2666650 B2 JP 2666650B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動変速機の油圧制御
装置に関し、特に走行レンジの切換えを電気信号に基づ
いて行うよう構成したシフトバイワイヤ自動変速機の油
圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように車両用の自動変速機は、ク
ラッチやブレーキなどの摩擦係合装置の係合・解放の状
態を油圧によって変えて変速を実行するよう構成されて
いる。その変速の判断は一般には、スロットル開度で代
表されるエンジン負荷と車速とに基づいて行っている。
このような走行状態に基づく変速は、複数の前進段につ
いて行っているが、中低速段でエンジンブレーキを効か
せる走行レンジやリバースレンジあるいはニュートラル
レンジなどの走行レンジの選択は、従来一般にはシフト
レバーをマニュアル操作することによって行うようにな
っていた。
【0003】これに対して最近では、走行レンジの選択
を、スイッチ操作することによって電気的に行うよう構
成した自動変速機が提案されている。これは基本的に
は、スイッチ操作によって所定のアクチュエータを動作
させることより、走行レンジを切換えるバルブを駆動す
るように構成したものである。この種の装置では、電気
系統やバルブ機構の異常に対処するための手段、すなわ
ちフェイルセーフの手段が一般に設けられている。例え
ば実開昭62−184249号公報には、イマージェン
シーバルブを設けた装置が記載されている。この公報に
記載された装置は、ロータリーバルブをモータによって
動作させて変速を実行するよう構成したものであって、
そのロータリーバルブとは並列にイマージェンシーバル
ブを設けておき、ロータリーバルブに異常があったとき
には、ロータリーバルブへの油圧の供給を遮断するとと
もに、イマージェンシーバルブを介して特定の摩擦係合
装置に油圧を供給するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したイマージェン
シーバルブを設けた従来の装置では、変速を実行するた
めのロータリーバルブが正常に動作しなくなった場合で
あっても、イマージェンシーバルブを介して油圧が供給
される特定の摩擦係合装置が係合することによって所定
の変速段を設定することができる。しかしながらこのよ
うにして設定することのできる変速段は、前進段のうち
の特定の1つの変速段であるから、前進走行を行い得る
としても、道路状況などの多様に変化する状況に合せた
走行を必ずしも行えないので、実用性に劣るなどの問題
があった。
【0005】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、電気的に制御されるレンジ切換機構に異常が
生じても通常と同様なレンジの選択を行うことを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、複数のレンジを設定するための油圧
を選択的に出力するレンジ切換弁と、このレンジ切換弁
から出力された油圧を所定の摩擦係合装置もしくはバル
ブに送る複数のレンジ用油路とを備えたシフトバイワイ
ヤ自動変速機用油圧制御装置において、前記レンジ切換
弁と前記油路のうち少なくとも二つのレンジ用油路との
間に配置され、レンジ切換弁から出力された第1のレン
ジ用油圧が供給される第1のポートを第1のレンジ用油
路に連通させると同時に第2のレンジ用油圧が供給され
る第2のポートを第2のレンジ用油路に連通させる第1
の状態と、前記第1のポートを前記第2のレンジ用油路
に連通すると同時に第2のポートを第1のレンジ用油路
に連通させる第2の状態とに、電気信号に基づいて切換
えられる切換弁が設けられていることを特徴とするもの
である。
【0007】
【作用】この発明の油圧制御装置においては、レンジ切
換弁から複数のレンジを設定するための油圧が選択的に
出力され、そのレンジ設定のための油圧は、通常は、そ
れぞれのレンジを設定するための油路に送られる。その
うち第1のレンジを設定するための油圧と、第2のレン
ジを設定するための油圧とは、通常、切換弁を介してそ
れぞれに対応する油路に送られる。これに対してレンジ
換弁に異常が生じて、第1のレンジ用油圧もしくは第
2のレンジ用油圧を出力できなくなった場合、切換弁が
動作して油圧を出力する油路を切換え、したがって第1
のレンジ用油圧が第2のレンジ用油路に送られ、あるい
は第2のレンジ用油圧が第1のレンジ用油路に送られる
ので、少なくともいずれかのレンジを設定することがで
きる。
【0008】
【実施例】つぎにこの発明の実施例を図面を参照して説
明する。図1ないし図3はこの発明に係る油圧制御装置
の主な部分を示す油圧回路図であって、ここに示す油圧
制御装置は例えば図4に示すシフトバイワイヤ自動変速
機を対象とするものである。図4に示す自動変速機Aに
は、変速機構として、ロックアップクラッチ1を有する
トルクコンバータ2と、一組の遊星歯車機構を有する第
2変速部3と、二組の遊星歯車機構によって複数の前進
段および後進段を設定する第1変速部4とが設けられて
いる。
【0009】第2変速部3は、ハイ・ローの二段の切換
えを行うものであって、その遊星歯車機構のキャリヤ5
がトルクコンバータ2のタービンランナ6に連結されて
おり、またこのキャリヤ5とサンギヤ7との間にはクラ
ッチC0 および一方向クラッチFo が相互に並列の関係
となるよう設けられ、さらにサンギヤ7とハウジングH
u との間にブレーキB0 が設けられている。
【0010】第1変速部4の各遊星歯車機構におけるサ
ンギヤ8,9は、共通のサンギヤ軸10に設けられてお
り、この第1変速部4の図における左側(フロント側)
の遊星歯車機構におけるリングギヤ11と第2変速部3
におけるリングギヤ12との間に第1クラッチC1 が設
けられ、また前記サンギヤ軸10と第2変速部3のリン
グギヤ12との間に第2クラッチC2 が設けられてい
る。第1変速部4における図の左側の遊星歯車機構のキ
ャリヤ13と右側(リヤ側)の遊星歯車機構のリングギ
ヤ14とが一体的に連結されるとともに、これらのキャ
リヤ13とリングギヤ14とに出力軸15が連結されて
いる。
【0011】そしてバンドブレーキである第1ブレーキ
B1 がサンギヤ軸10の回転を止めるように設けられ、
より具体的には第2クラッチC2 のクラッチドラムの外
周側に設けられており、またサンギヤ軸10とハウジン
グHu との間に、第1一方向クラッチF1 と第2ブレー
キB2 とが直列に配置されており、またリヤ側の遊星歯
車機構におけるキャリヤ16とハウジングHu との間に
第2一方向クラッチF2 と第3ブレーキB3 とが並列に
配置されている。
【0012】上記の各クラッチC0 ,C1 ,C2 および
前記各ブレーキB0 ,B1 ,B2 ,B3 に油圧を給排す
る油圧制御装置17は、第1速ないし第4速の変速を主
に実行するための第1および第2のソレノイドバルブS
1 ,S2 と、主にロックアップクラッチ1を制御するた
めのリニアソレノイドバルブSLUと、走行レンジを切換
えるための第3ないし第5のソレノイドバルブS3 ,S
4 ,S5 とを備えている。これらのソレノイドバルブS
1 ,S2 ,SLU,S3 ,S4 ,S5 のうち、第1および
第2のソレノイドバルブS1 ,S2 とリニアソレノイド
バルブSLUとを制御するために変速用電子制御装置(以
下、仮に変速用ECUと記す)18と、走行レンジを切
換えるために第3ないし第5のソレノイドバルブS3 ,
S4 ,S5 を制御する走行レンジ切換用電子制御装置
(以下、仮にレンジ切換用ECUと記す)19とが設け
られている。これらの各EUC18,19は中央演算処
理素子および記憶素子ならびに入出力インータフェース
を主体とするものであって、変速用ECU18には従来
のものと同様に、スロットル開度信号、車速信号、パタ
ーンセレクト信号、エンジン水温信号、ブレーキ信号等
の信号が入力されており、この変速用ECU18はこれ
らの入力された信号と予め記憶している変速マップとに
基づいて、設定するべき変速段を演算して求め、その変
速段を設定するよう第1および第2のソレノイドバルブ
S1 ,S2 に信号を出力し、またリニアソレノイドバル
ブSLUに信号を出力するようになっている。
【0013】また一方、レンジ切換用ECU19には、
パーキング(P)レンジ、リバース(R)レンジ、ニュ
ートラル(N)レンジ、ドライブ(D)レンジ、Sレン
ジ、Lレンジをそれぞれ選択するレンジ選択スイッチ2
0が接続されており、レンジ切換用ECU19は、レン
ジ選択スイッチ20で選択した走行レンジを設定するよ
う第3ないし第5のソレノイドバルブS3 ,S4 ,S5
をオン・オフ制御し、同時にレンジ位置信号を、変速用
ECU18およびレンジ表示器(図示せず)に出力する
ようになっている。またこのレンジ切換用ECU19に
は変速用ECU18から変速段を示す変速信号およびパ
ーキング検出スイッチ(図示せず)からの信号が入力さ
れている。
【0014】前記油圧制御装置17は、図1ないし図3
に示す油圧回路を備えている。なお、これら図1ないし
図3において丸で囲んだ数字は、同一の数字を付した線
同士が接続されていることを示している。図1に示すよ
うに、走行レンジを切換えるための2本のレンジ切換バ
ルブ200,300と切換バルブ400とが設けられて
いる。第1レンジ切換バルブ200は、四つのランドを
設けたスプール201とその一端部(図では下端部)に
設けたスプリング202とを備えており、そのスプリン
グ202を設けた端部とは反対側の端部の制御ポート2
03に第3ソレノイドバルブS3 が接続されている。こ
の第3ソレノイドバルブS3 は、油圧ポンプ100で加
圧したオイルをプライマリーレギュレータバルブ101
で調圧して得たライン圧PL を制御ポート203に対し
て供給・排出するためのものであって、オフ状態でドレ
ンポートを閉じて制御ポート203にライン圧PL を生
じさせ、またオン状態でドレンポートを開いて制御ポー
ト203から排圧するようになっている。そしてこの第
1レンジ切換バルブ200は、第3ソレノイドバルブS
3 がオン状態であることにより、スプール201がスプ
リング202に押されて図1の右半分に示す位置にある
ときに、ライン圧油路102を接続してある入力ポート
204を第1出力ポート205に連通させると同時に第
2出力ポート206をドレンポート207に連通させ、
また第3ソレノイドバルブS3 がオフ状態であることに
より、スプール201がスプリング202の弾性力に抗
して図1の左半分に示す位置にあるときに、入力ポート
204を第2出力ポート206に連通させると同時に第
1出力ポート205をドレンポート208に連通させる
ようになっている。
【0015】また第2レンジ切換バルブ300は、六つ
のランドを形成したスプール301とスプール301の
一端部側に配置したスプリング302とを有し、このス
プリング302とは反対側の端部に形成した制御ポート
303に第4ソレノイドバルブS4 が接続されている。
第4ソレノイドバルブS4 は制御ポート303にライン
圧PL を供給・排出するためのものであって、前述した
第3ソレノイドバルブS3 と同様に、オフ状態でドレン
ポートを閉じて制御ポート303にライン圧PL を生じ
させ、またオン状態でドレンポートを開いて制御ポート
303から排圧するようになっている。さらにこの第2
レンジ切換バルブ300は、第1レンジ切換バルブ20
0における第1出力ポート205に接続した第1入力ポ
ート304と、第1レンジ切換バルブ200における第
2出力ポート206に接続した第2入力ポート305と
の二つの入力ポート、およびRレンジポート306、D
レンジポート307、エンジンブレーキポート308、
パーキングポート311の四つの出力ポートを有してい
る。そしてこの第2レンジ切換バルブ300は、第4ソ
レノイドバルブS4 がオン状態であることに伴ってスプ
ール301が図1の右半分に示す位置にあるときに、第
1入力ポート304とRレンジポート306、第2入力
ポート305とエンジンブレーキポート308、Dレン
ジポート307とドレンポート309、パーキングポー
ト311とドレンポート312とをそれぞれ連通させ
る。また第4ソレノイドバルブS4 がオフ状態であるこ
とに伴ってスプール301が図1の左半分に示す位置に
あるときに、第1入力ポート304とDレンジポート3
07、Rレンジポート306とドレンポート310、エ
ンジンブレーキポート308とドレンポート309、第
2入力ポート305とパーキングポート311とをそれ
ぞれ連通させる。
【0016】第2レンジ切換バルブ300の各出力ポー
トは、切換バルブ400におけるそれぞれに対応する入
力ポートに接続されている。この切換バルブ400は、
所定の二つの入力ポートに対して出力側の油路を反転し
て接続するためのものであって、七つのランドを有する
スプール401を、その一端部側に配置したスプリング
402によって軸線方向に押圧し、かつスプリング40
2とは反対側の端部に形成した制御ポート403に第5
ソレノイドバルブS5 が接続されている。この第5ソレ
ノイドバルブS5 は、オフ状態でドレンポートを閉じて
制御ポート403にライン圧PL を生じさせ、またオン
状態でドレンポートを開いて制御ポート403から排圧
するよう構成され、第5ソレノイドバルブS5 がオフ状
態であれば、スプール401が図1の左半分に示す位置
に下がった第1の状態となり、また反対に第5ソレノイ
ドバルブS5 がオン状態であればスプール401が図1
の右半分に示す位置に押し上げられた第2の状態とな
る。
【0017】また切換バルブ400には、入力ポートと
して図1の左側の上から順に第1ないし第4の入力ポー
ト405,406,407,408が形成されており、
第1入力ポート405に第2レンジ切換バルブ300の
Rレンジポート306が接続され、第2入力ポート40
6に第2切換バルブ300のパーキングポート311が
接続され、第3入力ポート407に第2レンジ切換バル
ブ300のDレンジポート307が接続され、さらに第
4入力ポート408に第2レンジ切換バルブ300のエ
ンジンブレーキポート308が接続されている。さらに
切換バルブ400には、出力ポートとして図1の右側の
上から順に、第1Rポート409、パーキングポート4
10、第2Rポート411、第1Dポート412、エン
ジンブレーキポート413、第2Dポート414の六つ
のポートが形成されている。そしてスプール401が図
1の左半分に示す位置に下がった第1の状態では、第1
入力ポート405が第1Rポート409に連通し、第2
入力ポート406がパーキングポート410に連通し、
第3入力ポート407が第1Dポート412に連通し、
さらに第4入力ポート408がエンジンブレーキポート
413に連通する。またスプール401が図1の右半分
に示す位置に押し上げられている状態では、第1入力ポ
ート405がパーキングポート410に連通し、第2入
力ポート406が第2Rポート411に連通し、第3入
力ポート407がエンジンブレーキポート413に連通
し、さらに第4入力ポート408が第2Dポート414
に連通する。
【0018】そして第1および第2のRポート409,
411にRレンジ用油路110が接続され、またパーキ
ングポート410にパーキングレンジ用油路111が接
続され、さらに第1および第2のDポート412,41
4にDレンジ用油路112が接続され、エンジンブレー
キポート413にエンジンブレーキレンジ用油路113
が接続されている。すなわち切換バルブ400は、Rレ
ンジ用油路110とパーキングレンジ用油路111と
を、第2レンジ切換バルブ300のRレンジポート30
6とパーキングポート311とに、それぞれそのまま、
あるいは反転して接続し、かつDレンジ用油路112と
エンジンブレーキレンジ用油路113とを、第2レンジ
切換バルブ300のDポート307とエンジンブレーキ
ポート308とに、それぞれそのまま、あるいは反転し
て接続するようになっている。
【0019】前記Rレンジ用油路110は、二つの入力
ポートと一つの出力ポートとを有するチェックボールバ
ルブ103を介して第3ブレーキB3 に接続されてお
り、またこのRレンジ用油路110は、図3に示す二つ
の入力ポートと一つの出力ポートとを有する他のチェッ
クボールバルブ105における一つの入力ポートに接続
されている。またDレンジ用油路112とエンジンブレ
ーキレンジ用油路113とが、更に他のチェックボール
バルブ104における二つの入力ポートのそれぞれに接
続されており、このチェックボールバルブ104の出力
ポートが第1クラッチC1 に接続されている。
【0020】さらに 1-2シフトバルブ500、 2-3シフ
トバルブ600、 3-4シフトバルブ700、カットオフ
バルブ800が設けられている。これらのバルブは前進
段での第1速ないし第4速の間で変速を実行するための
ものであって、基本的には従来知られているものと同様
に構成されている。すなわち 1-2シフトバルブ500
は、四つのランドを形成したスプール501の一端側に
スプリング502を配置するとともに、このスプリング
502を配置した端部にホールドポート503を形成
し、かつホールドポート503とは反対側の端部に制御
ポート504を形成したものであり、この制御ポート5
04に第2ソレノイドバルブS2 が接続されている。こ
の第2ソレノイドバルブS2 はライン圧油路102から
のライン圧PL を供給・排出するためのものであって、
オン状態ではドレンポートを開いて排圧し、オフ状態で
はドレンポートを閉じて、 1-2シフトバルブ500の制
御ポート504にライン圧PL を生じさせるようになっ
ている。
【0021】そして第2ソレノイドバルブS2 がオン状
態となることにより、あるいはホールドポート503に
ライン圧PL が作用することによって 1-2シフトバルブ
500のスプール501が図2の左半分に示すように位
置し、その結果、第1入力ポート505が第1ブレーキ
ポート506に連通し、また前記チェックボールバルブ
104の出力ポートに接続してある第2入力ポート50
7が第2ブレーキポート508に連通し、さらに第3入
力ポート509が閉じられ、かつ第3ブレーキポート5
10がドレンポートに連通する。またホールドポート5
03から排圧されかつ第2ソレノイドバルブS2 がオフ
状態となることにより、 1-2シフトバルブ500のスプ
ール501が図2の右半分に示すように位置し、その結
果、第1入力ポート505および第2入力ポート507
が閉じられ、かつ第3入力ポート509が第3ブレーキ
ポート510に連通する。そして第1ブレーキポート5
06がカットオフバルブ800にモジュレータバルブ1
07を介して接続され、また第2ブレーキポート508
が第2ブレーキB2 に接続され、さらに第3ブレーキポ
ート510が前記チェックボールバルブ103を介して
第3ブレーキB3 に接続されている。
【0022】2-3シフトバルブ600は、第1ソレノイ
ドバルブS1 によって切換動作させられるものであっ
て、六つのランドを有するスプール601の一端部側に
スプリング602が配置されるとともに、スプリング6
02とは反対側の端部に制御ポート603が形成されて
おり、この制御ポート603に第1ソレノイドバルブS
1 が接続されている。この第1ソレノイドバルブS1
は、前述したDレンジ用油路112あるいはエンジンブ
レーキレンジ用油路113からチェックボールバルブ1
04を介して送られる油圧を、制御ポート603に供給
・排出するためのものであって、オフ状態でドレンポー
トを閉じることにより、制御ポート603にライン圧P
L を生じさせ、またオン状態でドレンポートを開いて制
御ポート603から排圧するようになっている。
【0023】そして 2-3シフトバルブ600の制御ポー
ト603にライン圧PL が作用してスプール601が図
3の左半分に示す位置に押し下げられることによってラ
イン圧油路102を接続してある第1入力ポート604
とクラッチポート605とが連通し、かつ前記エンジン
ブレーキレンジ用油路113を接続してある第2入力ポ
ート606がホールド出力ポート607に連通し、また
前記エンジンブレーキレンジ用油路113を接続してあ
る第3入力ポート608が閉じられる。また制御ポート
603から排圧されてスプール601が図3の右半分に
示す位置に押し上げられると、第1入力ポート604が
ホールド出力ポート607に連通し、かつ第2入力ポー
ト606が第1ブレーキポート609に連通し、さらに
第3入力ポート608が第2ブレーキポート610に連
通する。これらのポートのうち第1ブレーキポート60
9が 1-2シフトバルブ500の第1入力ポート505に
接続され、クラッチポート605が、二つの入力ポート
と一つの出力ポートとを有するチェックボールバルブ1
05を介して第2クラッチC2 および 1-2シフトバルブ
500のホールドポート503に接続されており、さら
に第2ブレーキポート610がモジュレータバルブ10
6を介して 1-2シフトバルブ500の第3入力ポート5
09に接続されている。なお、チェックボールバルブ1
05の他方の入力ポートは前記Rレンジ用油路110に
接続されている。
【0024】3-4シフトバルブ700は四つのランドを
有するスプール701とその一端部側に配置したスプリ
ング702とを有しており、そのスプリング702を配
置した端部に、前記 2-3シフトバルブ600におけるホ
ールド出力ポート607に接続したホールドポート70
3が形成されるとともに、これとは反対側の端部に、前
記第2ソレノイドバルブS2 を接続した制御ポート70
4が形成されている。そしてホールドポート703から
排圧されかつ制御ポート704にライン圧PLが生じて
いるときにスプール701が図2の左半分に示す位置に
押し下げられて、ライン圧油路102を接続した入力ポ
ート705が、ブレーキB0 を接続してあるブレーキポ
ート706に連通し、また制御ポート704から排圧し
たときにスプール701が図2の右半分に示す位置に押
し上げられて入力ポート705が、クラッチC0 を接続
してあるクラッチポート707に連通する。
【0025】カットオフバルブ800はスロットル開度
に応じてスロットル圧が増大することによってスプール
801を図2の右半分に示す位置に押し下げることによ
って入力ポート802から出力ポート803に至る流路
面積を減じるバルブであって、その入力ポート802が
モジュレータバルブ107を介して 1-2シフトバルブ5
00の第1ブレーキポート506に接続されている。ま
た出力ポート803が第1ブレーキB1 に接続されてい
る。
【0026】パーキングロック機構は、二本のバルブす
なわち制御バルブ900および切換バルブ910と、油
圧サーボ920とを備えている。その制御バルブ900
はパーキングレンジを選択した際に供給される油圧を二
つの出力ポートのいずれかから出力するバルブであっ
て、四つのランドを有するスプール901と、このスプ
ール901の一端部側に配置したスプリング902とを
有し、そのスプリング902とは反対側に形成した制御
ポート903が、第2ソレノイドバルブS2 に接続され
ている。またこの制御バルブ900は、一つの入力ポー
ト904と二つの出力ポート905,906ならびに二
つのドレンポート907,908を有しており、その入
力ポート904がパーキングレンジ用油路111に接続
されている。そして制御ポート903から排圧されてス
プール901が図3の右半分に示す位置に押し上げられ
ている場合に、入力ポート904が一方の出力ポート
(仮に第1出力ポートとする)905に連通し、かつ他
方の出力ポート(仮に第2出力ポートとする)906が
ドレンポート908に連通する。また制御ポート903
にライン圧PL が作用することによりスプール901が
図3の左半分に示す位置に押し下げられている場合は、
入力ポート904が第2出力ポート906に連通し、か
つ第1出力ポート905がドレンポート907に連通す
る。
【0027】また切換バルブ910は入力される油圧を
ロック用ポートと非ロック用ポートとに切換えて出力す
るバルブであって、四つのランドを有するスプール91
1とこれを一端部側に押圧するスプリング912とを備
えており、そのスプリング912を圧縮する方向に油圧
を作用させる制御ポート913がスプリング912を設
けた端部とは反対側の端部に形成され、この制御ポート
913が前記リニアソレノイドバルブSLUに接続されて
いる。さらにこの切換バルブ910は、二つの入力ポー
ト914,915と二つの非ロック用ポート916,9
17と、一つのロック用ポート918とを備えており、
一方の入力ポート(仮に第1入力ポートとする)914
が前記第1出力ポート905に接続され、また他方の入
力ポート(仮に第2入力ポートとする)915が前記第
2出力ポート906に接続されている。
【0028】そしてリニアソレノイドバルブSLUがオフ
状態であることによって制御ポート913から排圧され
ると、スプール912が図3の左半分に示す位置に押し
上げられて、第1入力ポート914がロック用ポート9
18に連通し、かつ第2入力ポート915が一方の非ロ
ック用ポート(仮に第2非ロック用ポートとする)91
7に連通する。またリニアソレノイドバルブSLUから供
給される油圧が高いことによってスプール911が図3
の右半分に示す位置に押し下げられると、第1入力ポー
ト914が他方の非ロック用ポート(仮に第1非ロック
用ポートとする)916に連通し、かつ第2入力ポート
915がロック用ポート918に連通する。
【0029】油圧サーボ920は所謂複動形シリンダと
して構成したものであって、ピストン921を前進(図
3の右方向への移動)させるよう油圧を作用させるフォ
ワードポート922が前記ロック用ポート918に接続
されており、ピストン921を後退(図3の左方向への
移動)させるよう油圧を作用させるリターンポート92
3が、互いに連通している前記二つの非ロック用ポート
916,917に接続されている。またピストン921
と一体となったロッド924に、円錐形状のカム925
が一定範囲で前後動するよう嵌合され、かつこのカム9
25はスプリング926によって前方(図3の右方向)
に押圧されている。またロッド924の基端部には凹部
が形成され、ここに嵌り込むボール927がスプリング
928によってロッド924の軸心に向けて押圧されて
いる。すなわちここにディテント機構が形成されてい
る。そしてピストン921が前進することによってカム
925がパーキングロックポール929を回動させて出
力軸15の回転を阻止するようになっている。より具体
的には、パーキングロックポール929が図4における
リヤ側のリングギヤ14に係合して、その回転を阻止す
ることにより、出力軸15を固定する。
【0030】上述した油圧制御装置を備えた自動変速機
では、第1ないし第5のソレノイドバルブS1 〜S5 お
よびリニアソレノイドバルブSLUを図5の作動表に示す
ようにオン・オフ制御することによって、各摩擦係合装
置が図5の作動表に示すように係合もしくは解放して各
変速段が設定される。なお、図5において、ソレノイド
バルブについて○印はオン、×印はオフ、その他の印は
オン・オフいずれでもよいことをそれぞれ示し、摩擦係
合装置について○印は係合、×印は解放、その他の印は
係合・解放のいずれでもよいことをそれぞれ示す。
【0031】PレンジおよびNレンジは前述したパーキ
ングレンジ用油路111を介して所定箇所に油圧を供給
することにより設定され、これと同様にRレンジはRレ
ンジ用油路110を介して、DレンジはDレンジ用油路
112を介して、エンジンブレーキレンジはエンジンブ
レーキレンジ用油路113を介してそれぞれ所定箇所に
油圧を供給することにより設定される。これらの各レン
ジを設定するための油圧の給排状態は、第3ないし第5
のソレノイドバルブS3 〜S5 により各レンジ切換バル
ブ200,300および切換バルブ400を制御するこ
とによって達成されるが、そのための第3ないし第5の
ソレノイドバルブS3 〜S5 のオン・オフ状態は、フェ
イルの有無によって異なっている。
【0032】すなわち図6の(A)〜(F)は、第3な
いし第5のソレノイドバルブS3 〜S5 の、各フェイル
状態に対応させたオン・オフ作動表であって、図6の
(A)はフェイルのない通常の作動表あるいは第5ソレ
ノイドバルブS5 がオフ状態のままとなるフェイル時の
作動表である。なお、これは図5に示すものと同様であ
る。この場合、いずれのレンジを設定する場合にも第5
ソレノイドバルブS5 はオフであり、これに対して第3
ソレノイドバルブS3 および第4ソレノイドバルブS4
は、Rレンジを設定する際に共にオンとされる。したが
って第1レンジ切換バルブ200では、スプール201
が図1の右半分に示すように押し上げられるので、その
第1出力ポート205から第2レンジ切換バルブ300
の第1入力ポート304に油圧が供給される。またこの
第2レンジ切換バルブ300においても、その制御ポー
ト303から排圧されてそのスプール301が図1の右
半分に示す位置に押し上げられているので、第1入力ポ
ート304にRレンジポート306が連通し、ここから
切換バルブ400の第1入力ポート405に油圧が出力
される。さらに切換バルブ400においてはスプール4
01が図1の左半分に示す位置に押し下げられているか
ら、第1入力ポート405が第1Rポート409に連通
し、したがってここに接続してあるRレンジ用油路11
0を介して各チェックボールバルブ103,105に油
圧が送られる。
【0033】またDレンジを選択した場合は、第3ソレ
ノイドバルブS3 がオン、第4ソレノイドバルブS4 が
オフとされる。したがって第1レンジ切換バルブ200
は、上記のRレンジの場合と同様な状態となるので、そ
の第1出力ポート205から第2レンジ切換バルブ30
0の第1入力ポート304に油圧が供給されるが、第2
レンジ切換バルブ300では、その制御ポート303に
ライン圧PL が供給されていることによってスプール3
01が図1の左半分に示す位置に押し下げられており、
したがって第1入力ポート304がDレンジポート30
7に連通し、ここから切換バルブ400における第3入
力ポート407に油圧が送られる。この第3入力ポート
407は第1Dポート412に連通しているから、ここ
に接続してあるDレンジ用油路112を介してチェック
ボールバルブ104から第1クラッチC1 に油圧が送ら
れる。
【0034】これに対してエンジンブレーキレンジを選
択した場合には、第3ソレノイドバルブS3 がオフ、第
4ソレノイドバルブS4 がオンとなる。したがって第1
レンジ切換バルブ200では、スプール201が図1の
左半分に示す位置に押し下げられることによって第2出
力ポート206から第2レンジ切換バルブ300の第2
入力ポート305に油圧が送られる。第2レンジ切換バ
ルブ300は前述したRレンジの場合と同様にスプール
301が図1の右半分に示す位置に押し上げられている
から、第2入力ポート305がエンジンブレーキポート
308に連通し、ここから切換バルブ400の第4入力
ポート408に油圧が送られる。切換バルブ400で
は、第4入力ポート408がエンジンブレーキポート4
13に連通しているので、ここに接続してあるエンジン
ブレーキレンジ用油路113に油圧が送られ、ここから
チェックボールバルブ104を介して第1クラッチC1
に油圧が送られる一方、 2-3シフトバルブ600に油圧
が送られる。
【0035】Nレンジ(およびPレンジ)は第3および
第4のソレノイドバルブS3 ,S4が共にオフとなる。
したがって第1レンジ切換バルブ200は上記のエンジ
ンブレーキレンジの場合と同様な状態になるので、第2
レンジ切換バルブ300の第2入力ポート305に油圧
が供給されるが、この第2レンジ切換バルブ300のス
プール301が前述したDレンジの場合と同様に図1の
左半分に示す位置に押し下げられているので、第2入力
ポート305がパーキングポート311に連通し、ここ
から切換バルブ400の第2入力ポート406に油圧が
送られる。そしてこの第2入力ポート406はパーキン
グポート410に連通しているから、ここに接続してあ
るパーキングレンジ用油路111を介してパーキングロ
ック機構の制御バルブ900に油圧が送られる。
【0036】図6の(B)は第3ソレノイドバルブS3
がショートするなど第3ソレノイドバルブS3 が常時オ
ン状態となるフェイルが生じた場合の作動表であり、こ
のようなフェイルが生じた場合、第1レンジ切換バルブ
200では第1出力ポート205のみから油圧を出力す
ることになり、それに伴って第2レンジ切換バルブ30
0では第4ソレノイドバルブS4 をオン・オフのいずれ
に切換えてもRレンジポート306とDレンジポート3
07のいずれかから出力するのみである。そこでこのよ
うなフェイルが生じた場合には、エンジンブレーキレン
ジおよびNレンジ(Pレンジ)を設定するにあたって、
第4ソレノイドバルブS4 と第5ソレノイドバルブS5
とを、前述した通常の場合(あるいは第5ソレノイドバ
ルブS5の断線の場合)とは反対に動作させる。すなわ
ちエンジンブレーキレンジを選択した場合、第4ソレノ
イドバルブS4 をオフ、第5ソレノイドバルブS5 をオ
ンにする。したがって第2レンジ切換バルブ300では
スプール301が図1の左半分に示す位置に押し下げら
れるので、油圧の供給されている第1入力ポート304
がDレンジポート307に連通し、ここから切換バルブ
400の第3入力ポート407に油圧が供給される。ま
たこの切換バルブ400では、その制御ポート403か
ら排圧されてスプール401が図1の右半分に示す位置
に押し上げられるので、第3入力ポート407がエンジ
ンブレーキポート413に連通し、その結果、エンジン
ブレーキレンジ用油路113を介して油圧を供給するこ
とができる。
【0037】またNレンジ(Pレンジ)を選択した場合
は、第3ソレノイドバルブS3 および第4ソレノイドバ
ルブS4 をオンにする。したがって第2レンジ切換バル
ブ300では、油圧の供給されている第2入力ポート3
04がRレンジポート306に連通し、ここから切換バ
ルブ400の第1入力ポート405に油圧が供給され
る。そしてこの切換バルブ400ではスプール401が
図1の右半分に示す位置に押し上げられていることによ
り第1入力ポート405がパーキングポート410に連
通し、したがってパーキングレンジ用油路111を介し
て油圧が供給される。なお、RレンジおよびDレンジは
通常と同様にして設定される。
【0038】図6の(C)は第3ソレノイドバルブS3
で断線が生じるなど第3ソレノイドバルブS3 がオフ状
態のままとなるフェイルが生じた場合の作動表である。
この場合は、通常時に第3ソレノイドバルブS3 をオン
にするRレンジとDレンジとにおいて、第4ソレノイド
バルブS4 と第5ソレノイドバルブS5 とを通常時とは
反対に動作させる。すなわちこの場合は、第1レンジ切
換バルブ200の第2出力ポート206から第2レンジ
切換バルブ300の第2入力ポート305に油圧が供給
されたままとなるので、Rレンジを設定する場合は第4
ソレノイドバルブS4 をオフ、第5ソレノイドバルブS
5 をオンにする。したがって第2レンジ切換バルブ30
0では、スプール301が図1の左半分に示す位置に押
し下げられているから、油圧の供給されている第2入力
ポート305がパーキングポート311に連通し、ここ
から切換バルブ400の第2入力ポート406に油圧が
供給される。そしてこの切換バルブ400ではスプール
401が図1の右半分に示す位置に押し上げられるか
ら、第4入力ポート408がエンジンブレーキポート4
13に連通し、エンジンブレーキレンジ用油路113に
油圧が出力される。なお、エンジンブレーキレンジとN
レンジ(Pレンジ)とは通常と同様にして設定される。
【0039】図6の(D)は第4ソレノイドバルブS4
がショートするなどのことによりオン状態に固定される
フェイルが生じた場合の作動表であり、この場合は、D
レンジとNレンジ(Pレンジ)とを設定する際に第3ソ
レノイドバルブS3 と第5ソレノイドバルブS5 とを、
通常時に対して反対に動作させる。すなわちこの場合
は、第2レンジ切換バルブ300において、そのスプー
ル301が図1の右半分に示す位置に押し上げられてい
ることにより、第1入力ポート304がRレンジポート
306に連通し、かつ第2入力ポート305がエンジン
ブレーキポート308に連通したままとなる。したがっ
てDレンジを設定するにあたっては、第3ソレノイドバ
ルブS3 をオフ、第5ソレノイドバルブS5 をオンにす
る。その結果、上述した第3ソレノイドバルブS3 がオ
フ状態となるフェイルが生じた際のDレンジと同様にし
てDレンジ用油路112に油圧が送られてDレンジが設
定される。
【0040】またNレンジ(Pレンジ)を設定する場合
は、第3ソレノイドバルブS3 および第5ソレノイドバ
ルブS5 を共にオンにする。これは図6の(B)に示す
第3ソレノイドバルブS3 がオン状態となるフェイルが
生じた場合のNレンジ(Pレンジ)と同じであり、パー
キングレンジ用油路111に油圧が送られてNレンジ
(Pレンジ)が設定される。なお、Rレンジとエンジン
ブレーキレンジとは通常時と同様にして設定される。
【0041】図6の(E)は上記の場合とは反対に、第
4ソレノイドバルブS4 が断線するなど、オフ状態のま
まとなるフェイルが生じた場合の作動表であって、この
場合は、Rレンジとエンジンブレーキレンジとを設定す
る場合に第3ソレノイドバルブS3 および第5ソレノイ
ドバルブS5 が通常時とは反対に動作させられる。すな
わちRレンジを選択した場合、第3ソレノイドバルブS
3 がオフ、第5ソレノイドバルブS5 がオンとなる。こ
のオン・オフ状態は図6の(C)に示す第3ソレノイド
バルブS3 がオフ状態となるフェイルが生じた場合のR
レンジと同様である。したがって前記Rレンジ用油路1
10に油圧が送られてRレンジが設定される。
【0042】またエンジンブレーキレンジを選択した場
合、第3ソレノイドバルブS3 および第5ソレノイドバ
ルブS5 が共にオンとなる。これは図6の(B)に示す
第3ソレノイドバルブS3 がオン状態のままとなるフェ
イルが生じた場合のエンジンブレーキレンジと同じであ
って、前記エンジンブレーキレンジ用油路113に油圧
が送られて、エンジンブレーキレンジが設定される。な
おDレンジとNレンジ(Pレンジ)とは、通常時と同様
にして設定される。
【0043】図6の(F)は、第5ソレノイドバルブS
5 がショートするなど、これがオン状態となるフェイル
が生じた場合の作動表であって、この場合は、切換バル
ブ400におけるスプール401が図1の右半分に示す
位置に押し上げられたままとなる。したがってこの場合
は全てのレンジで第3ソレノイドバルブS3 と第4ソレ
ノイドバルブS4 とを、通常時とは反対に動作させる。
すなわちRレンジを設定する場合は第3ソレノイドバル
ブS3 および第4ソレノイドバルブS4 とを共にオフに
する。これは図6の(C)におけるRレンジと同様であ
る。またDレンジを設定する場合は、第3ソレノイドバ
ルブS3 をオフ、第4ソレノイドバルブS4 をオンにす
る。これも図6の(C)におけるDレンジと同様であ
る。さらにエンジンブレーキレンジを設定する場合は、
第3ソレノイドバルブS3 をオン、第4ソレノイドバル
ブS4 をオフにする。これは図6の(B)に示すエンジ
ンブレーキレンジと同様である。またNレリンジ(Pレ
ンジ)を設定する場合は、第3ソレノイドバルブS3 お
よび第4ソレノイドバルブS4 を共にオンとする。これ
も図6の(B)に示すNレンジ(Pレンジ)と同様であ
る。
【0044】このように上述した油圧制御装置において
は、第3ないし第5のソレノイドバルブS3 〜S5 のい
ずれがフェイルしても全てのレンジを設定することがで
きる。
【0045】なおここで図3に示すパーキングロック機
構の作用について説明すると、通常、Pレンジを選択し
ているときには、第2ソレノイドバルブS2 はオンで、
かつリニアソレノイドバルブSLUはオフ状態であり、し
たがって制御バルブ900の制御ポート903には油圧
が作用しない。そのためPレンジを選択しているときに
は、制御バルブ900のスプール901が図3の右半分
に示すように押し上げられており、したがって入力ポー
ト904から供給された油圧は第1出力ポート905か
ら出力されて切換バルブ910の第1入力ポート914
に供給される。また切換バルブ910の制御ポート91
3から排圧されるので、そのスプール911は図3の左
半分に示す位置に押し上げられる。そのため第1入力ポ
ート914に供給された油圧は、ロック用ポート918
から油圧サーボ920のフォワードポート922に供給
され、それに伴ってピストン921およびロッド924
が前進動作することにより、パーキングロックポール9
29が出力軸15の回転を阻止する。この状態は前記デ
ィテント機構によって維持される。
【0046】これに対して第2ソレノイドバルブS2 が
オフに切替わると(すなわちNレンジに切替わると)、
切換バルブ900の制御ポート903にライン圧PL が
作用してスプール901が図3の左半分に示す位置に押
し下げられるので、油圧の供給される第1入力ポート9
04が第2出力ポート906に連通し、ここから切換バ
ルブ910の第2入力ポート915に油圧が供給され
る。この第2入力ポート915は第2非ロック用ポート
917に連通しているから、油圧サーボ920のリター
ンポート923に油圧が供給される。そのためピストン
921およびロッド924が後退して出力軸15の回転
を阻止しているパーキングロック状態を解除する。
【0047】なお、制御バルブ900のスプール901
が何らかの異常で図3の左半分に示す位置に固定された
場合、切換バルブ910を上述した場合とは反対に動作
させることにより、パーキングロック機構による出力軸
15のロックとその解除とを行うことができる。すなわ
ちこの場合には、制御バルブ900の第2出力ポート9
06から油圧が出力されて切換バルブ910の第2入力
ポート915に供給されるので、リニアソレノイドバル
ブSLUをオンにして切換バルブ910のスプール911
を図3の右半分に示す位置に押し下げれば、ロック用ポ
ート918から油圧が出力され、またこれとは反対にリ
ニアソレノイドバルブSLUをオフにして切換バルブ91
0のスプール911を図3の左半分に示す位置に押し上
げれば、第2非ロック用ポート917から油圧が出力さ
れて、出力軸15のロックが解除される。
【0048】上述したように、切換バルブ910は、第
1入力ポート914をロック用ポート918に連通させ
ているときには、第2入力ポート915を第2非ロック
用ポート917に連通させ、また第1入力ポート914
を第1非ロック用ポート916に連通させているときに
は、第2入力ポート915をロック用ポート918に連
通させるから、切換バルブ910のスプール911が図
3の左右いずれか半分に示す位置に固定されてしまった
場合には、制御バルブ900からの油圧の出力を、第1
出力ポート905と第2出力ポート906とに切換えれ
ば、パーキングロック機構による出力軸15のロックと
その解除とを行うことができる。すなわち切換バルブ9
10のスプール911が図3の左半分に示す位置に固定
された場合は、第1出力ポート905から油圧を出力す
ることにより、パーキングロックを行い、また第2出力
ポート906から油圧を出力することによりパーキング
ロックの解除を行う。切換バルブ910のスプール91
1が図3の右半分に示す位置に固定された場合には、第
1出力ポート905から油圧を出力することにより、パ
ーキングロックを解除し、また第2出力ポート906か
ら油圧を出力することによりパーキングロックを行う。
【0049】このように図3に示す構成では、制御バル
ブ900と切換バルブ910のいずれか一方が動作しな
いフェイルが生じても、パーキングロック機構を通常ど
おりに切換動作させることができる。
【0050】図7はこの発明の他の実施例を示す部分油
圧回路図であって、ここに示す例は、前述した切換バル
ブ400のうち第3入力ポート407および第4入力ポ
ート408、第1および第2のDポート412,414
ならびにエンジンブレーキポート413を省き、切換バ
ルブ400の軸長を短いものとした例である。したがっ
てDレンジ用油路112は第2レンジ切換バルブ300
のDレンジポート307に接続され、またエンジンブレ
ーキレンジ用油路113は第2切換バルブ300のエン
ジンブレーキポート308に接続されている。
【0051】したがってこの図7に示す例では、第3ソ
レノイドバルブS3 にフェイルが生じても第1レンジ切
換バルブ200の第1出力ポート205と第2出力ポー
ト206とのいずれかから油圧を出力することができ、
また第4ソレノイドバルブS4 にフェイルが生じたとき
も第2レンジ切換バルブ300のRレンジポート306
およびDレンジポート307、もしくはエンジンブレー
キポート308およびパーキングポート311から油圧
を出力することができる。そのため切換バルブ400に
は第1あるいは第2の入力ポート405,406のいず
れかに油圧が入力され、しかもこれらの入力ポート40
5,406を出力ポートであるパーキングポート410
に連通させることができる。
【0052】したがって図7に示す例では、Dレンジと
エンジンブレーキレンジとのいずれか一方とNレンジと
を必ず設定できるので、リンプホーム走行を確保するこ
とができる。また切換バルブ400の軸長を短くできる
ので、そのスティックやこれが原因となる動作不良を防
止することができる。
【0053】なお、この発明は上記の実施例に限定され
ないのであって、図4に示す歯車列以外の歯車列を備え
た自動変速機を対象とするものであってもよく、したが
ってシフトバルブおよびその油圧回路も図1ないし図3
あるいは図7に示す構成に限定されない。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から明らかなようにこの発明
の油圧制御装置によれば、入力側の第1のレンジ用油圧
と第2のレンジ用油圧とを、出力側の第1のレンジ用油
路と第2のレンジ用油路とに、選択的に反転して出力で
きるように構成してあるので、フェイルが生じても第1
のレンジと第2のンレジとを確実に設定することでき、
その結果、多様な道路状況に対応できる退避走行(リン
プホーム走行)が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例における油圧回路の一部を
示す部分油圧回路図である。
【図2】この発明の一実施例における油圧回路の他の部
分を示す部分油圧回路図である。
【図3】この発明の一実施例における油圧回路の更に他
の部分を示す部分油圧回路図である。
【図4】この発明の一実施例を示す歯車列を含む概略的
なブロック図である。
【図5】各変速段を設定するための各ソレノイドバルブ
および各摩擦係合装置の作動表を示す図表である。
【図6】レンジ設定のための第3ないし第5ソレノイド
バルブのオン・オフ作動表を示す図表である。
【図7】この発明の他の実施例を示す部分油圧回路図で
ある。
【符号の説明】
110 Rレンジ用油路 111 パーキングレンジ用油路 112 Dレンジ用油路 113 エンジンブレーキレンジ用油路 200 第1レンジ切換バルブ 300 第2レンジ切換バルブ 400 切換バルブ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも第1のレンジ用油圧と第2の
    レンジ用油圧との二つのレンジ用油圧を選択的に出力す
    るとともに、第1のレンジ用油圧を出力しているときに
    第2のレンジ用油圧を出力せず、かつ第1のレンジ用油
    圧を出力していないときに第2のレンジ用油圧を出力す
    るレンジ切換弁と、このレンジ切換弁から出力された油
    圧を所定の摩擦係合装置もしくはバルブに送る複数のレ
    ンジ用油路とを備えたシフトバイワイヤ自動変速機用油
    圧制御装置において、前記レンジ切換弁と前記油路のう
    ち少なくとも二つのレンジ用油路との間に配置され、レ
    ンジ切換弁から出力された第1のレンジ用油圧が供給さ
    れる第1のポートを第1のレンジ用油路に連通させると
    同時に第2のレンジ用油圧が供給される第2のポートを
    第2のレンジ用油路に連通させる第1の状態と、前記第
    1のポートを前記第2のレンジ用油路に連通すると同時
    に第2のポートを第1のレンジ用油路に連通させる第2
    の状態とに、電気信号に基づいて切換えられる切換弁が
    設けられていることを特徴とするシフトバイワイヤ自動
    変速機用油圧制御装置。
JP4054310A 1992-01-30 1992-02-05 シフトバイワイヤ自動変速機用油圧制御装置 Expired - Fee Related JP2666650B2 (ja)

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