JP2666406B2 - 水分散型樹脂粉末組成物の製造法 - Google Patents

水分散型樹脂粉末組成物の製造法

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JP2666406B2 JP63231686A JP23168688A JP2666406B2 JP 2666406 B2 JP2666406 B2 JP 2666406B2 JP 63231686 A JP63231686 A JP 63231686A JP 23168688 A JP23168688 A JP 23168688A JP 2666406 B2 JP2666406 B2 JP 2666406B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水分散型樹脂粉末組成物の新規にして有用な
る製造法に関するものであり、さらに詳細には、特定の
乳化共重合体分散液と、特定のメラミンスルホン酸塩の
ホルマリン縮合物とを含んで成る樹脂組成物を乾燥して
粉末化せしめることから成る、水に再分散可能であっ
て、取り扱いも容易で、しかも応用配合物の物性をも向
上させうる、水分散型樹脂粉末組成物の製造法に関す
る。
〔従来の技術〕
これまでにも、この種の水に再分散可能な樹脂粉末組
成物、すなわち水分散性の粉末状樹脂組成物は、接着剤
として、またはセメント系の水硬性物質の混和剤として
知られている。
かかる樹脂粉末組成物の製造法としては、主に樹脂分
散液をディスクやノズルを用いて熱風流中で噴霧乾燥せ
しめるという方法が用いられている。
そのさい、噴霧乾燥時における樹脂粒子の融着や、こ
の融着に伴う再分散性の不良を改善するために、種々の
方法が採られてきた。
その一つとして、ポリマーの調製時、すなわち重合中
とか、樹脂分散液の噴霧前に、ポリビニルアルコールな
どの保護コロイドを添加するといった方法もあるが、こ
うした方法によれば、樹脂の再分散性の向上化は果たし
得るものの、応用配合物の耐水性を著しく悪化させると
いう不都合のあることは無視できない。
また、炭酸カルシウムやタルクなどの無機質充填剤を
用いるという方法によるも、少量の添加では効果を期し
得ないし、逆に、添加量を多くすれば、樹脂組成物それ
自体の特性を損う結果になるから、こうした方法もま
た、問題が残るものであると言える。
さらに、特公昭51−46126号公報に開示されているよ
うな、メラミンスルホン酸塩のホルマリン縮合物(以
下、スルホン化メラミン樹脂と略記する。)を、噴霧す
る直前に添加するという方法もあるにはあるが、該スル
ホン化メラミン樹脂としては、専ら、セメントや石膏な
どの分散剤として良く知られていて公知慣用の、ポリエ
チレングリコールを標準物質とするゲルパーミェーショ
ン・クロマトグラフィー換算の重量平均分子量(以下同
様)が、精々、5,000〜50,000程度の比較的低分子量領
域のものがそのまま転用されているにすぎないという現
状にある。
したがって、かかるスルホン化メラミン樹脂の添加を
噴霧直前に行なうという上記の方法に従えば、なるほ
ど、再分散性それ自体は向上するものの、こうした低分
子量のスルホン化メラミン樹脂それ自身が、電解質や凝
集剤としての働きを有するものである処から、必ずし
も、水性分散体との混和性は良くなく、そのために、添
加混合物の安定性も悪く、かつ取り扱いも容易であると
は言えない。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、各種の添加剤を用いるという従来の方法
は、再分散性の向上を専らの目的としているものである
処から、再分散性の向上化を図ると共に、応用配合物の
物性向上化という目的をも果たすことについては何らの
示唆を与えるものではなく、したがって、こうした広大
な目的のために添加剤を用いるという技術思想は類例を
見ないとも言えるであろうし、換言すれば、添加剤を用
いて斯かる広大な目的を達成しようとする試みは何一つ
として為されていないとも言えよう。
しかるに、本発明者らは上述した従来技術における、
唯一とも言える長所と種々の欠点との存在に鑑みて、水
への再分散化が可能であって、取り扱いも容易であり、
かつ応用配合物の物理的性能および機械的性能などの向
上化をも果たしうるような水分散型樹脂粉末組成物を提
供することを目的として鋭意検討を重ねた結果、特定の
ガラス転移温度を有するポリマーの乳化共重合体たる水
性樹脂分散体と、特定の分子量を有するスルホン化メラ
ミン樹脂とを必須の成分とする樹脂組成物を乾燥し粉末
化せしめることから成る製造法が、再分散性はもとより
のこと、取り扱いの容易さ(取り扱い性)にもすぐれた
粉末状樹脂組成物を与えるものであることを見い出し、
加えて、水硬性セメントなどに、上記した如き製造法に
より得られる水分散型樹脂粉末組成物を添加したさいに
は、すぐれた物理的強度ならびに基材付着性などの新た
な効果を発現するものであることをも見い出して、本発
明を完成させるに到った。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、基本的には、必須の成分とし
て、それぞれ、α,β−エチレン性不飽和単量体を乳化
重合させて得られる、ガラス転移温度が30℃以下なるポ
リマーの水性分散体(A)と、重量平均分子量が10万以
上なる、スルホン化メラミン樹脂、つまり、メラミンス
ルホン酸塩のホルマリン縮合物(B)とを、必須の成分
として、上記した、それぞれ、該ポリマーの水性分散体
(A):該スルホン化メラミン樹脂(B)なる固形分重
量比が73:25〜99:1となるような割合で含有している樹
脂組成物を乾燥粉末化せしめることから成る、水分散型
樹脂粉末組成物の製造方法を提供しようとするものであ
る。
ここにおいて、上記α,β−エチレン性不飽和単量体
として特に代表的なもののみを挙げるに止めれば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸
イソブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル
もしくは(メタ)アクリル酸ラウリルの如き(メタ)ア
クリル酸エステル類;ジエチルマレエート、ジエチルフ
マレートもしくはジブチルイタコネートの如き不飽和二
塩基酸のジエステル類;マレイン酸、フマル酸もしくは
イタコン酸の如き不飽和二塩基またはこれらの半エステ
ル類や塩類;(メタ)アクリル酸、ビニルスルホン酸も
しくはビニルトルエンスルホン酸の如き一塩基酸または
これらの塩類;(メタ)アクリルアミドもしくはマレイ
ン酸アミドの如きα,β−エチレン性不飽和カルボン酸
のアミド類;N−メチロールアミドもしくはジアセトンア
クリルアミドの如き不飽和カルボン酸の置換アミド類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルもしくは第三級カルボ
ン酸ビニルの如きビニルエステル類;スチレンもしくは
ビニルトルエンの如き芳香族ビニル化合物;ビニルピロ
リドンの如き複素環式ビニル化合物;塩化ビニリデンも
しくはふっ化ビニリデンの如きハロゲン化ビニリデン
類;エチレンもしくはプロピレンの如きα−オレフィン
類;ブタジエンの如きジエン類;ジアリルフタレート、
ジビニルベンゼン、アリルアクリレートもしくはトリメ
チロールプロパントリメタクリレートの如き、一分子中
に2個以上の不飽和結合を有する単量体;あるいは塩化
ビニル、アクリロニトリル、ビニルエーテル、ビニルケ
トンまたはビニルアミドなどであり、これらは単独使用
でも2種以上の併用でもよいことは勿論である。
上掲された如き各種単量体の組み合わせのうちでも特
に望ましいものとしては、アクリル系、アクリル−スチ
レン系、スチレン−ブタジエン系、ビニルエステル系、
サラン系(塩化ビニリデン系);塩化ビニル系またはエ
チレン−酢酸ビニル系などが挙げられる。
上掲のα,β−エチレン性不飽和単量体からポリマー
水性分散体を得るには、公知慣用の乳化重合法が適用で
きる。
このさい、使用される乳化剤としては、一般的に乳化
重合に用いられているものであれば、いずれでもよく、
そのうちでも代表的なものとしては、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテルもしくはポリオキシエチレンアルキ
ルフェノールエーテルの如き非イオン系乳化剤;高級ア
ルコール硫酸エステル類もしくはアルキルベンゼンスル
ホン酸塩類の如きアニオン系乳化剤;または高級アルコ
ール第四級アンモニウム塩もしくはアルキルアミンの如
きカチオン系乳化剤などが挙げられる。
また、保護コロイドとしては、ポリビニルアルコール
またはヒドロキシエチルセルロースの如き非イオン性水
溶性高分子化合物などが代表的なものである。
これらの乳化剤や保護コロイドはそれぞれ、1種もし
くは2種以上の混合物として用いられるが、それぞれの
使用量としては、粉末組成物を得るという本発明の目的
からすれば、できるだけ少量であることが望ましく、通
常、単量体総量の0.1〜8重量%程度に止めおくべきで
ある。
さらに、重合開始剤としては特に制限がなくていずれ
でもよいが、通常は、過硫酸塩類や過酸化水素などの水
溶性ラジカル触媒とか、アゾ系化合物などの有機過酸化
物が用いられ、その使用量としては、単量体総量の0.1
〜2重量%程度が好適である。さらに必要に応じて、亜
硫酸ナトリウムやロンガリット塩などの還元剤を併用し
てもよいことは勿論である。
そして、乳化重合の温度および圧力は、使用する単量
体の種類により、種々選択できるが、好ましくは0〜10
0℃なる範囲内の温度、そして100kg/cm2以下の圧力であ
る。
かくして得られるポリマー水性分散体は、荷電に応じ
て非イオン性、アニオン性またはカチオン性に大別され
るが、前記スルホン化メラミン樹脂(B)との混和性を
考慮するならば、カチオン性のものの使用は推奨できな
い。
当該水性分散体(A)の乳化重合体たるポリマーのガ
ラス転移温度としては30℃以下であることが望ましい。
それは、本発明方法により得られる粉末状樹脂組成物の
主な用途の一つが水硬性セメントの添加剤であり、セメ
ントに十分な基材付着性や柔軟性などを付与させるとい
った使用目的のためにも望ましいことである。
次に、前記したスルホン化メラミン樹脂(B)として
は、たとえば、メラミンを主成分とするアミノ基含有物
質とホルムアルデヒドおよび亜硫酸塩とを水性媒体中
で、pHを10以上として、60〜80℃なる範囲内の温度で、
0.5〜6時間反応させ(以上を前段反応と略記す
る。)、次いで、反応混合物のpHを3.5〜6.5に調節し、
20〜70℃なる温度で1〜15時間反応させ(これを後段反
応という。)、しかるのち、反応混合物のpHを7〜13に
調節するというような方法によって得られるものが挙げ
られる。
かかるスルホン化メラミン樹脂、つまりメラミンスル
ホン酸塩のホルマリン縮合物といった、この種の基本構
造を有するもののうち、重量平均分子量が5,000〜50,00
0なる範囲内のスルホン化メラミン樹脂としては、特公
昭52−1399号公報や特開昭57−100959号公報などに開示
されているようなセメント分散剤たる、いわゆる減水剤
組成物が知られているだけである。
しかるに、本発明において用いられる当該スルホン化
メラミン樹脂(B)それ自体は10万以上という著しく高
分子量物である処から、当該樹脂(B)それ自体には、
セメントや石膏などに対する分散能力が殆んど認められ
ない。
前述した如きスルホン化メラミン樹脂(B)の調製時
における前段反応のさいに用いられる、メラミンを主成
分とするアミノ基含有物質としては、メラミン単独、ま
たはメラミンとこのメラミに対して20重量%以下の尿
素、グアナミン類、ジシアンジアミドもしくはチオ尿素
などとの混合物などが代表的なものであり、また、ホル
ムアルデヒドとしてはホルマリンまたはパラホルムアル
デヒドなどが代表的なものであり、さらに亜硫酸塩とし
ては亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたは重
亜硫酸ナトリウムなとが代表的なものである。
前段反応と後段反応との間で、pH調整に用いられる酸
性物質としては、硫酸、硝酸、燐酸、蟻酸またはアミド
スルホン酸類などが代表的なものである。
ところで、本発明方法において用いられる、重量平均
分子量が10万以上なるスルホン化メラミン樹脂(B)を
得るためには、単に、縮合反応である後段反応の反応時
間を延長せしめるという方法のほかに、前段反応中に生
成した、あるいは別途に調製された、メラミン分子中の
アミノ基に存在する6個の水素原子のうちの3個以上を
メチロール基で置換した形のメチロールメラミンを架橋
点となすことによって架橋高分子化せしめるという方法
もある。
以上のようにして得られたポリマー水性分散体(A)
とスルホン化メラミン樹脂(B)とを、必須の成分とし
て、これらを配合せしめるには、使用直前にブレンドす
るのが、配合物の安定性の上でも望ましいけれども、決
して、本発明は斯かる方法のみに限定されるものではな
い。
そして、これら両必須成分の配合割合としては、固形
分重量比で、(A)成分:(B)成分が75:25〜99:1な
る範囲内が好適である。
(B)成分の比率が25を超えて多く用いてみても、
(B)成分それ自体の効果が、それ以上には期待できな
いし、一方、この比率が1未満であると、どうしても、
乾燥工程中、あるいは粉末化されたのちの保存中におけ
る融着防止効果が十分に発現され得なくなるので、いず
れも好ましくない。
本発明方法に従って目的とする、再分散可能な粉末組
成物を得るには、種々の乾燥方法があるが、噴霧乾燥法
や凍結乾燥法などが、特に代表的なものである。そのう
ちでも、特に平行流式の噴霧乾燥法が推奨される。
また、必要に応じて、目的粉末組成物の放置安定性お
よび再分散性などを一層向上させるために、粘土、タル
ク、シリカ、珪藻土または炭酸カルシウムなどの無機質
充填剤やポリビニルアルコールなどを、本発明の効果を
損わない範囲内で添加して噴霧乾燥せしめることもでき
る。
かくして、本発明の方法により得られる粉末組成物
は、水やアルカリ性物質が添加された弱アルカリ性水溶
液中に、安定な水分散液として、容易に再分散せしめる
ことができる。
得られた水分散型樹脂粉末組成物の再分散液には、必
要に応じて、さらに他の水溶性ないしは水分散性の合成
または天然樹脂、タルクもしくはシリカの如き無機質充
填剤、酸化チタンもしくはクレーの如き顔料をはじめ、
他の分散剤、保護コロイド、湿潤剤、消泡剤、可塑剤、
凍結安定剤または防腐剤、あるいは溶剤などの1種また
は2種以上を選択して用いることができるのは勿論であ
る。
本発明の方法に従って得られる水分散型樹脂粉末組成
物は、それぞれ、特定された範囲の特別のポリマー水性
分散体(A)とスルホン化メラミン樹脂(B)とを必須
の成分として含んでいるものである処から、従来公知の
利用分野のすべてに適用できるのは勿論であり、とりわ
け、水硬性セメントなどに使用された場合には、すぐれ
た物理的強度ならびに基材付着性などを発現するもので
あり、当該粉末組成物の利用性は一層、確かなものとな
ろう。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により一
層、具体的に説明するが、以下において部および%は特
記のない限り、すべて重量基準であるものとする。
参考例1〔ポリマー水性分散体(A)の調製例〕 電磁回転撹拌機、温度計および還流冷却器を備えた耐
圧反応容器中に、次の組成からなる溶液を入れて撹拌を
開始する。
イオン交換水 600部 「ゴーセノール GH−20」 10部 〔日本合成化学工業(株)製の部分けん化ポリビニルア
ルコール〕 NaHCO3 3部 ハイドロサルファイトナトリウム 3部 この溶液に50部の酢酸ビニルを加えてから、エチレン
を圧入して40℃に昇温し、5部の過硫酸カリウムを添加
したのち450部の酢酸ビニルを4時間に亘って滴下し
た。
滴下終了後も、さらに同温度に1時間保持して重合を
完結させた。
上記重合中、エチレン圧を30kg/cm2となるように常
時、調節する。
反応完結後のポリマーのエチレン含有率は15%であっ
た。
次いで、固形分濃度を50%にして、これを水性分散体
(A−1)と略記する。
参考例2(同上) 回転撹拌期、温度計および還流冷却期を備えた反応容
器中に、次の組成の溶液を仕込んで、反応系の温度を80
℃とした。
イオン交換水 100部 「エマール 10」 1部 〔花王(株)製のアニオン性乳化剤〕 「エマルゲン 940」 4部 〔同上社製の非イオン性乳化剤〕 次いで、ここへ0.5部の過硫酸カリウムを加え、さら
にアクリル酸−2−エチルヘキシルの50部、メタクリル
酸メチルの48部およびメタクリル酸の2部よりなる単量
体混合物を3時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに過硫酸カリウムの0.1部を加えて8
0℃に2時間保持してから室温まで冷却し、14%アンモ
ニア水とイオン交換水とでpHを8.7に、固形分を45%に
調整した。以下、これを水性分散体(A−2)と略記す
る。
参考例3(同上) 単量体組成を、アクリル酸−n−ブチルの43部、スチ
レンの55部およびアクリル酸の2部に変更した以外は、
参考例1と同様にして、固形分が45%で、かつpHが8.8
なる水性分散体(A−3)を得た。
参考例4(対照用ポリマー水性分散体の調製例) 単量体組成を、アクリル酸−n−ブチルの70部、メタ
クリル酸メチルの28部およびメタクリル酸の2部に変更
した以外は、参考例2と同様にして、固形分が45%で、
かつpHが9.0なる対照用分散体を得た。以下、これを水
性分散体(A′−1)と略記する。
参考例5〔スルホン化メラミン樹脂(B)の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、撹拌しつつ、次の組成
物を仕込んで、反応系のpHを13.0としてから75℃に昇温
し、同温度に2.5時間保持した。
イオン交換水 49 部 メラミン 42 部 37%ホルマリン 81 部 亜硫酸水素ナトリウム 26 部 水酸化ナトリウム 4.4部 次いで、反応系内の温度を55℃とし、7.1部の濃硫酸
を100部の水で希釈したものを1時間かけて滴下し、pH
を4.4とした。
さらに、同温度に1時間保持した処で、反応混合物が
粘稠となり、つまり25℃におけるブルックフィールド粘
度(以下同様)は15,000cpsを示した。この時点で、150
部の水を添加して更に同温度に3時間保持した。
しかるのち、水酸化ナトリウムの5部と水の70部とを
添加して室温まで冷却した。
得られた樹脂は無色半透明の液状物で、固形分が20%
で、粘度が180cpsで、pHが11.2で、かつ重量平均分子量
が30万なるものであった。以下、樹脂(B−2)と略記
する。
参考例6(同上) 参考例3と同様の装置を用い、次のような組成物を仕
込んで反応系内のpHを12として75℃に1時間保持した。
イオン交換水 58 部 メラミン 42 部 37%ホルマリン 81 部 亜硫酸水素ナトリウム 34.7部 水酸化ナトリウム 2.2部 次いで、系内の温度を55℃とし、濃硫酸の7.5部とイ
オン交換水の100部とを加えてpHを3.9とした。さらに、
同温度に12時間保持して、水酸化ナトリウムの5部と水
とで固形分を20%とし、pHを12に調整して冷却した。
得られた樹脂は無色透明な液状物で、重量平均分子量
が12万なるものであった。以下、これを樹脂(B−2)
と略記する。
実施例1〜5および比較例1〜8 ポリマー水性分散体とスルホン化メラミン樹脂とを、
さらにはポリビニルアルコールをも、第3表に示されて
いるような固形分重量比で、配合させてから、それぞれ
の配合物の固形分濃度を水で30%に調整した。
調整済みの各配合物を、まず、研究用平行流式噴霧乾
燥器を用いて噴霧乾燥せしめ、そのさいの該乾燥装置の
壁面への固着状態や、樹脂粉末のブロック生成状態など
を総合的に観察して、「粉末化の状態」を評価判定し
た。
なお、かかる噴霧乾燥中の熱風入口温度は120℃と
し、出口温度は50℃とした。
次いで、かくして得られたそれぞれの粉末組成物を20
℃、60%R.H.なる室内に3ケ月保存したのち、水に対し
て固形分濃度が40%となる量の粉末組成物を溶解せしめ
ることにより、そのさいの「再分散性」を評価判定し
た。
かくて、それぞれの配合物についての「粉末化の状
態」と、各配合物を乾燥し粉末化せしめて得られたそれ
ぞれの粉末組成物についての「再分散性」との結果を、
同表にまとめて示す。
さらに、実施例1〜5の粉末組成物(PC−1)〜(PC
−5)と、比較例4〜7で得られた対照用の粉末組成物
(PC−1′)〜(PC−4′)を用い、下記の配合に従っ
て各別にポリマーセメントモルタルを調製して、それぞ
れのモルタル配合物についてのポットライフ、曲げ強
度、圧縮強度ならびに付着強度を観察し測定した。
普通ポルトランドセメント 100部 豊浦標準砂 200部 粉末組成物 10部水 適量 *フロー値が170±10となるように調節すべき量 なお、養生の条件としては、湿空2日後、20℃で60%
R.H.なる気乾養生という条件を用いた。
また、それぞれの試験法は、次のような要領に行なっ
たものである。
「ポットライフ」……モルタル配合時からの鏝作業可能
な時間を測定したものであるが、このさい、20℃で60%
R.H.なる条件下で行なったものであり、鏝作業可能な状
態としては、フロー値が150以上なる条件を設定した。
該ポットライフの評価判定基準は次の通りとした。
○……1.5時間以上 △……0.5時間以上1.5時間未満 ×……0.5時間未満 「曲げ強度」および「圧縮強度」……両強度とも、JIS
R−5201に準拠してモルタル試片を作製して、材令7日
と28日とについて行なったものである。
「付着強度」……下記する如き両基材に、モルタルを3m
m厚に鏝で塗布して、材令28日で、建研式接着力試験機
にて測定したものである。すなわち、コンクリート基材
としては30×30cmなる大きさのコンクリート歩道板を用
いたし、磁器タイルとしては、JIS A−5209に準拠した
ものの表面を付着面として用いた。
以上の各物性試験の結果は、まとめて第4表に示す。
但し、比較例8はブランク・テスト例である。
〔発明の効果〕 第3表および第4表の結果からも明らかなように、本
発明の方法に従って得られる水分散型樹脂粉末組成物
は、水に対する再分散性にもすぐれるし、取り扱いも容
易であるし、応用配合物の物性も改善されていることが
知れる。
このことは、スルホン化メラミン樹脂が単なる水性分
散体の癒着防止という働きだけでなく、分子量が非常に
高いものである処から、塩凝集を惹起し難く、加えて、
水性分散体に吸着して保護コロイドや官能基的な働きを
も有しているためであると推測される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 61/32 LNM C08L 61/32 LNM

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α,β−エチレン性不飽和単量体の乳化重
    合によって得られる、ガラス転移温度が30℃以下なるポ
    リマーの水性分散体(A)と、 重量平均分子量が10万以上なる、メラミンスルホン酸塩
    のホルマリン縮合物(B) とを、必須の成分として、上記した、それぞれ、ポリマ
    ーの水性分散体(A):メラミンスルホン酸塩のホルマ
    リン縮合物(B)なる固形分重量比が75:25〜99:1とな
    るような割合で含有する樹脂組成物を乾燥粉末化せしめ
    ることを特徴とする、水分散型樹脂粉末組成物の製造方
    法。
JP63231686A 1988-09-16 1988-09-16 水分散型樹脂粉末組成物の製造法 Expired - Fee Related JP2666406B2 (ja)

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