JP3470240B2 - ポリマーセメントモルタル組成物用ポリマーディスパージョン、及びポリマーセメントモルタル組成物 - Google Patents

ポリマーセメントモルタル組成物用ポリマーディスパージョン、及びポリマーセメントモルタル組成物

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JP3470240B2 JP25997094A JP25997094A JP3470240B2 JP 3470240 B2 JP3470240 B2 JP 3470240B2 JP 25997094 A JP25997094 A JP 25997094A JP 25997094 A JP25997094 A JP 25997094A JP 3470240 B2 JP3470240 B2 JP 3470240B2
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B40/00Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability
    • C04B40/0028Aspects relating to the mixing step of the mortar preparation
    • C04B40/0039Premixtures of ingredients

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリマーセメントモル
タル組成物用ポリマーディスパージョン、及び該ポリマ
ーディスパージョンを含有するポリマーセメントモルタ
ル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】結合剤としてセメントと樹
脂を併用し、両者で骨材を結合するポリマーセメントモ
ルタルは、コンクリートと比べて伸び能力に優れ、温湿
度の変化による亀裂の発生が少ないものであり、その良
好な接着性を利用して、磁器タイルの接着用モルタルと
して利用されている。また、近年、その良好な作業性の
ため、外壁、床等の下塗り材やコンクリート構造物の補
修材としても使用されている。
【0003】この様なポリマーセメントモルタルでは、
ポリマー成分としては、主として、アクリル重合体、ポ
リエチレン、ポリ酢酸ビニル、スチレン・ブタジエン共
重合体等を樹脂分とする水性ディスパージョンが用いら
れているが、これらのポリマー成分がモルタル中に分散
して硬化したポリマーセメントモルタルは、酸性雨、塩
害、セメントアルカリ、水、温度等の外的要因により、
劣化又は変化して強度が低下し易いという欠点がある。
【0004】そこで、上記した樹脂と比べて、耐候性、
耐熱性、耐薬品性等に優れ、分子構造的にも安定なクロ
ロプレンラテックスをセメントモルタルの混和用ポリマ
ーディスパージョンとして使用する試みがなされている
が、クロロプレンラテックスを用いたポリマーセメント
モルタルは、実際の施工時におけるコテさばき性等が悪
いために作業性が劣るという欠点があり、また、クロロ
プレンラテックス特有の粘性のためにコテ押さえができ
ず、表面硬化時にコテに粘りついて、微細な亀裂が発生
しやすく、実用に耐えないものである。更に、クロロプ
レンラテックスを用いたポリマーセメントモルタルを、
外壁、床等の下塗り材としてコンクリート上に直接施工
する場合には、下地のコンクリートに水分を吸収されて
ドライアウトが発生し、剥離が生じやすいという問題点
もある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した如
き従来技術の問題点に鑑みて、耐候性、耐熱性、耐薬品
性等の特性が良好であって、施工性、接着性などに優
れ、しかもドライアウトが生じることがなく、硬化安定
性の良好なポリマーセメントモルタル組成物を得るべく
鋭意研究を重ねてきた。その結果、クロロプレンラテッ
クスと特定のカチオン性アクリル樹脂エマルジョンとを
混合した水性ディスパージョンをポリマーディスパージ
ョン成分として配合したポリマーセメントモルタル組成
物は、施工が容易で接着力に優れ、形成される皮膜は耐
候性、耐熱性、耐薬品性等の特性が良好であって乾燥亀
裂の生じ難いものとなることを見出し、ここに本発明を
完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、以下のポリマーセメント
モルタル組成物用ポリマーディスパージョン、及びポリ
マーセメントモルタル組成物を提供するものである。
【0007】(I)アクリル酸アルキルエステル及びメ
タクリル酸アルキルエステルの少なくとも一種とアミノ
基含有アクリル系モノマーとを共重合して得られるカチ
オン性アクリル樹脂エマルジョンと、クロロプレンラテ
ックスとからなり、前者/後者の固形分量の重量比が2
5/75〜75/25であるポリマーセメントモルタル
組成物用ポリマーディスパージョン。
【0008】(II) (i) セメント100重量部、(ii)骨材50〜500重量
部、並びに(iii) アクリル酸アルキルエステル及びメタ
クリル酸アルキルエステルの少なくとも一種とアミノ基
含有アクリル系モノマーとを共重合して得られるカチオ
ン性アクリル樹脂エマルジョンと、クロロプレンラテッ
クスとからなり、前者/後者の固形分量の重量比が25
/75〜75/25であるポリマーディスパージョン成
分5〜25重量部(固形分量)を含有することを特徴と
するポリマーセメントモルタル組成物。
【0009】本発明のポリマーセメントモルタル組成物
では、ポリマーディスパージョン成分として、アクリル
酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステル
の少なくとも一種とアミノ基含有アクリル系モノマーと
を共重合して得られるカチオン性アクリル樹脂エマルジ
ョンと、クロロプレンラテックスとを混合して得られる
水性ディスパージョンを用いることが必要である。この
様な特定の二種類のポリマー成分を組み合わせて用いる
ことによって、クロロプレンラテックスの特徴である優
れた耐候性、耐熱性、耐薬品性等を阻害することなく、
クロロプレンラテックス使用時の欠点であったコテさば
き性、コテならし性、コテ押さえ性等の施工性が劣る点
を改善して、亀裂等のない良好な皮膜を簡単に形成する
ことが可能となり、更に、コンクリート上に直接施工し
た場合にもドライアウトが生じることがなく、接着性の
良好な皮膜を形成することが可能となる。
【0010】本発明で使用するクロロプレンラテックス
とは、クロロプレンの単独重合体の水分散液、又はクロ
ロプレンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体の水
分散液である。該クロロプレン共重合体においては、モ
ノマー成分の80重量%以上がクロロプレンであること
が好ましい。本発明で用いるクロロプレンラテックス
は、一般の乳化重合法に従って得ることができ、例え
ば、モノマー成分を一括仕込み又は連続滴下し、界面活
性剤及び重合触媒の存在下に5〜50℃程度の反応温度
で乳化重合することによって得ることができる。界面活
性剤は、予め水相中に溶解するか、或いはモノマーと混
合して添加することができ、また、重合触媒は、重合開
始時に添加するか、或いは、重合中に分割滴下すること
ができる。界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤
又はノニオン系界面活性剤を用いることができ、カチオ
ン系界面活性剤の具体例としては、トリメチルオクタデ
シルアンモニウムクロライド、トリメチルドデシルアン
モニウムクロライド、トリメチルヘキサデシルアンモニ
ウムクロライド、トリメチルステアリルアンモニウムク
ロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロ
ライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド
等の第4級アンモニウム塩を挙げることができ、ノニオ
ン系界面活性剤の具体例としては、ポリエチレンオキサ
イド系、ソルビタン脂肪酸エステル系、オキシエチレン
オキシプロピレンブロックコポリマー系、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル系等の界面活性剤を挙
げることができる。また、重合触媒としては、2,2´
−アゾビス(2−アミジノプロパン)の水溶性塩、t−
ブチルハイドロパーオキサイド、サクソニックアシッド
パーオキサイド、過酸化水素等の一般的な水溶性触媒を
用いることができる。
【0011】該クロロプレンラテックスの固形分量等は
特に限定的ではないが、通常30〜60重量%程度の固
形分量で粘度が10〜10000cps程度のものが適
当である。また、クロロプレンの単独重合体、又は共重
合体の粒径は、0.1〜0.5μm程度が適当である。
【0012】本発明で使用するカチオン性アクリル樹脂
エマルジョンは、アクリル酸アルキルエステル及びメタ
クリル酸アルキルエステルの少なくとも一種とアミノ基
含有アクリル系モノマーとを共重合して得られるもので
ある。
【0013】原料のアクリル酸アルキルエステル及びメ
タクリル酸アルキルエステルとしては、各種のものが使
用でき、例えば、アクリル酸アルキルエステルの具体例
としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、ヒドロキシプロピルアクリレート、β−エトキシエ
チルアクリレート、グリシジルアクリレート等を用いる
ことができる。また、メタクリル酸アルキルエステルの
具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、
β−エトキシエチルメタクリレート、グリシジルメタク
リレート等を挙げることができる。これらのモノマーは
単独または適宜組み合わせて用いることができる。本発
明では、必要に応じて、アクリル酸アルキルエステルま
たはメタクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他の
モノマーを添加して共重合させてもよい。この様なモノ
マーとしては、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリ
ル、塩化ビニル等のビニル系モノマーを例示でき、アク
リル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエス
テルに対して、1/1(重量比)程度まで添加すること
ができる。
【0014】該カチオン性アクリル樹脂エマルジョンを
得るには、エマルジョンにカチオン性を付与するため
に、カチオン性モノマーであるアミノ基含有アクリル系
モノマーの存在下に重合反応を行なうことが必要であ
る。アミノ基含有アクリル系モノマーとしては、一般式
【0015】
【化1】
【0016】(式中、R1 は水素又はメチル基、R2
1 〜C6 のアルキレン基、R3 及びR4 は水素又はC
1 〜C6 のアルキル基を表わす)で示されるアミノアル
キル(メタ)アクリレート及び/又は一般式
【0017】
【化2】
【0018】(式中、R1 は水素又はメチル基、R2
1 〜C6 のアルキレン基、R3 及びR4 は水素又はC
1 〜C6 のアルキル基を表わす)で示されるN−アミノ
アルキル(メタ)アクリルアミドを用いることができ
る。カチオン性モノマーの使用量は、所望するエマルジ
ョンの性状に応じて決定すればよく、特に限定されるも
のではないが、通常全モノマーに対して、1〜5重量%
程度が好ましい。
【0019】カチオン性モノマーの具体例としては、一
般式(I)のアミノアルキル(メタ)アクリレートとし
て、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアク
リレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、t
−ブチルアミノエチルアクリレート、t−ブチルアミノ
エチルメタクリレート、モノメチルアミノエチルアクリ
レート、モノメチルアミノエチルメタクリレート等を挙
げることができる。一般式(II)のN−アミノアルキル
(メタ)アクリルアミドとしては、ジメチルアミノプロ
ピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリ
ルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメ
チルアミノエチルメタクリルアミド等を例示できる。
【0020】カチオン性モノマーは、酸によって中和し
て使用される。中和度(酸/カチオン性モノマー(モル
比))は、0.2程度以上とし、エマルジョンの用途に
応じて、1を上回る事もできる。具体的には、中和度が
高くなると親水性が高くなり、中和度が低くなると乳化
力が弱くなって、重合安定性が低下する傾向にあるの
で、使用する共重合モノマーや界面活性剤の性質や使用
量等に応じて中和度を決定すればよい。
【0021】中和に使用する酸としては、各種の無機酸
又は有機酸を用いることができ、無機酸としては、塩
酸、硫酸、リン酸、硝酸などが使用でき、有機酸として
は、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、ク
エン酸、リンゴ酸等が使用できる。
【0022】該カチオン性アクリル樹脂エマルジョンを
得るための重合方法は、通常の乳化重合方法に従えばよ
く、例えば、メインモノマー、カチオン性モノマー及び
その他の原料を一括して仕込み重合する方法、各成分を
連続供給しながら重合する方法など各種の方法が可能で
あり、いずれの方法によっても所期の目的を達成するカ
チオン性エマルジョンを得ることができる。また、連続
供給する場合には、各成分を単独で添加してもよく、任
意の成分を予め混合して添加してもよい。重合反応は、
加温下に行ない、通常50〜85℃程度の温度で行なえ
ばよい。
【0023】上記したエマルジョンの重合においては、
得られるエマルジョンの安定性を確保するために、ノニ
オン系界面活性剤及び/又はカチオン系界面活性剤を添
加することが好ましい。ノニオン系界面活性剤として
は、ポリエチレンオキサイド系界面活性剤が好ましく、
具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン
ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエー
テル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン
モノオレエート、オキシエチレンオキシプロピレンブロ
ックポリマー等を例示できる。
【0024】カチオン系界面活性剤としては、ラウリル
トリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメ
チルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチル化アル
キルアミン、アミンオキサイド誘導体、アルキルトリメ
チレンジアミン、ジステアリルジメチルアンモニウムク
ロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロ
ライド、1,2又は3級アミン誘導体等を例示できる。
【0025】これらの界面活性剤のうち、特に、重合安
定性、機械的、化学的安定性が良好となる点で、HLB
値14以下のポリエチレンオキサイド系ノニオン性界面
活性剤を使用することが好ましい。
【0026】界面活性剤の使用量は、エマルジョンに対
して要求される性質に応じて変わり得るが、一般に、重
合安定性を向上させて粗大粒子の発生を抑制する目的や
エマルジョンの機械的、化学的安定性を向上させて、セ
メント混和性を良好にする目的には、界面活性剤の使用
量が多いことが好ましく、乾燥皮膜の耐水性を向上させ
るためには、使用量が少ないことが好ましく、通常全モ
ノマーに対して1〜10重量%程度の範囲内から目的に
応じて使用量を決定すればよい。
【0027】エマルジョンの製造に際しては、重合反応
の触媒として、一般のノニオン性触媒及びカチオン性触
媒をいずれも使用できるが、カチオン性触媒である2,
2´−アゾビス(2−アミノジプロパン)を使用するこ
とが好ましい。
【0028】該カチオン性アクリル樹脂エマルジョンの
濃度は特に限定的ではないが、通常固形分量40〜65
重量%程度のものが適当である。
【0029】本発明のポリマーセメントモルタル組成物
では、ポリマーディスパージョン成分として、上記クロ
ロプレンラテックスとカチオン性アクリル樹脂エマルジ
ョンとを組み合わせて用いることが必要であり、クロロ
プレンラテックス/アクリル樹脂エマルジョンの配合割
合は、重量比(固形分量)で、25/75〜75/25
程度が適当であり、40/60〜60/40程度が好ま
しい。クロロプレンラテックスの配合割合が上記範囲を
下回ると、形成される皮膜の耐候性、耐熱性、耐薬品性
等の特性が劣るものとなり、一方、上記範囲を上回ると
施工性が低下し、更にドライアウトが生じやすくなるの
で好ましくない。
【0030】また、ポリマーセメントモルタル組成物に
おけるクロロプレンラテックス及びカチオン性アクリル
樹脂エマルジョンからなるポリマーディスパージョン成
分の配合量は、クロロプレンラテックス及びカチオン性
アクリル樹脂エマルジョンの固形分の合計量が、セメン
ト100重量部に対して、5〜25重量部程度、好まし
くは10〜15重量部程度となるようにすればよい。ポ
リマーディスパージョン成分の配合量が上記範囲を下回
ると、十分な添加効果を発揮できず、一方、上記範囲を
上回るとセメントの硬化性に悪影響を与えるので好まし
くない。
【0031】本発明のポリマーセメントモルタル組成物
では、セメント成分としては、特に限定はなく、従来の
ポリマーセメントモルタル組成物に配合する各種のセメ
ント類を使用できる。この様なセメントの具体例として
は、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメ
ント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトラン
ドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポル
トランドセメント等のポルトランドセメント;高炉セメ
ント、シリカセメント、フライアッシュセメント等の混
合セメント;セメント系固化材、アルミナセメント、超
速硬セメント、膨脹セメント等の特殊セメント等を挙げ
ることができ、使用目的等に応じて、適宜選択すればよ
い。
【0032】本発明のポリマーセメントモルタル組成物
では、骨材としても特に限定はなく、従来のポリマーセ
メントモルタル組成物に配合する各種の骨材を用いるこ
とができ、例えば、砂、硅砂、炭酸カルシウム、タル
ク、ポゾラン、マイカ、硅ソウ土、酸化チタン、フェラ
イト、カーボンブラック等を用いることができる。骨材
の粒径は特に限定されないが、通常1μm〜5mm程度
のものを用いることが好ましい。
【0033】骨材の配合量は、セメント100重量部に
対して、50〜500重量部程度とすることが適当であ
り、200〜300重量部程度とすることが好ましい。
骨材の配合量が上記範囲を下回ると、硬化時に収縮が発
生し易く、亀裂の原因となり、一方、上記範囲を上回る
と強度が低下するので好ましくない。
【0034】本発明のポリマーセメントモルタル組成物
は、上記したセメント成分、ポリマーディスパージョン
成分及び骨材を必須成分として含有するものであり、更
に、必要に応じて、顔料、シリカヒューム、マイカ等の
無機質微粉末、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂等
の有機質微粉末、アスベスト、カーボン繊維、ガラス繊
維等の繊維状物等を増量、収縮防止、亀裂予防等の目的
で、セメント100重量部に対して、200重量部程度
まで添加することができる。
【0035】該ポリマーセメントモルタル組成物は、全
体の水分量が、セメント100重量部に対して40〜1
00重量部程度の範囲となるように水を添加して使用す
ることが適当である。
【0036】本発明のポリマーセメントモルタル組成物
は、通常のポリマーセメントモルタル組成物と同様の用
途に用いることができ、例えば、タイル等の接着用モル
タル、外壁、床等の下塗り材、コンクリート中性化(劣
化)防止材、防食材、海洋構造物防水材等の用途に好適
に用いることができる。使用方法も従来のものと同様と
すればよい。通常は、コテ塗り、吹付け等の方法で施工
した後、大気中で24〜48時間程度乾燥することによ
って、硬化させることができる。
【0037】
【発明の効果】本発明のポリマーセメントモルタル組成
物は、施工が容易であって、下地との接着力に優れ、形
成される皮膜は、耐候性、耐熱性、耐薬品性等の特性が
良好で、亀裂のない良好な硬化状態となり、下地がコン
クリートの場合にもドライアウトが生じることがないと
いう優れた特性を有するものである。
【0038】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0039】実施例1 以下の方法でカチオン性アクリル樹脂エマルジョンを調
製した。
【0040】まず、撹拌翼、コンデンサー及び温度計を
備えたセパラブルフラスコに、窒素置換したイオン交換
水125重量部を加え、次いで、HLB12.8のポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテルを3.5重量部
添加して溶解させた。次に、この界面活性剤溶液を75
℃に保って、アミノ基含有アクリル系モノマーとして、
ジメチルアミノエチルメタクリレート2重量部を添加し
た後、36%塩酸をイオン交換水で塩酸濃度18%に希
釈したものを1.6重量部加えて十分に混合してアミノ
基含有アクリル系モノマーを中和した後、2,2´−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の14%水溶
液を0.7重量部添加した。次いで、メチルメタクリレ
ートと2−エチルヘキシルアクリレートの1/1(重量
比)混合液98重量部の連続滴下を開始した。フラスコ
内部は、ウォーターバスによって78℃±2℃に保ち、
モノマー混合液の滴下は4時間で終了した。モノマー混
合液滴下終了後、2,2´−アゾビス(2−アミジノプ
ロパン)二塩酸塩の14%水溶液を0.7重量部添加し
て、フラスコ内の温度を82℃±2℃として、2時間放
置した後、冷却して樹脂濃度45%のカチオン性エマル
ジョンを得た。
【0041】カチオン性クロロプレンラテックスとして
は、ネオメント102M(昭和電工・デュポン株式会社
製)の商標名で市販されている、クロロプレンポリマー
を主成分とし、粘度3,200cps,pH7、固形分
量45%のものを用いた。
【0042】上記したカチオン性アクリル樹脂エマルジ
ョン(固形分量45%)とクロロプレンラテックス(固
形分量45%)を1:1の重量比で混合してポリマーデ
ィスパージョン成分とし、このポリマーディスパージョ
ン成分22重量部(固形分量)に対して、ポルトランド
セメント100重量部、硅砂5号300重量部及び水3
8重量部を加えて十分に混合してポリマーセメントモル
タル組成物を得た。
【0043】得られたポリマーセメントモルタル組成物
について、各種特性を測定した結果を下記表1に示す。
また、この組成物を用いて直径48mm、高さ40mm
の円柱状の試料を作製し、室温で28日間放置した後、
各種特性を測定した結果も下記表1に示す。尚、比較と
して、カチオン性アクリル樹脂エマルジョンとクロロプ
レンラテックスの1:1混合物に代えて、クロロプレン
ラテックスを単独で22重量部用いたポリマーセメント
モルタル組成物(比較例1)及びカチオン性アクリル樹
脂エマルジョンを単独で22重量部用いたポリマーセメ
ントモルタル組成物(比較例2)についても同様の試験
を行なった。試験方法は以下の通りである。
【0044】*フロー値:JIS R 5201の9.
7フロー試験に示す方法に従って測定した。
【0045】*施工性:左官仕上げコテを用いて、コン
クリート床上に塗布厚5mmに施工し、コテならし性、
コテさばき性、及び仕上げ押さえコテ性を評価した。評
価基準は、施工性が良好な場合を○とし、施工不可の場
合を×とし、その中間の場合を△とした。
【0046】*乾燥亀裂:目視により、硬化物における
亀裂の発生の有無を評価した。
【0047】*仕上り表面状態:目視により、硬化物の
外観を以下の基準で評価した。
【0048】○ 外観良好 × 細かい凹凸あり *接着強度 JIS A 6203に従って測定した。
【0049】*耐酸性:2%硫酸中に硬化物を室温で7
日間浸漬し、1日水洗した後、湿布で拭いて重量を測定
し、下記の計算式により吸酸率を求めた。
【0050】吸酸率(%)=(浸漬後の重量−浸漬前の
重量)×100/浸漬前の重量 また、吸酸率測定後の試料を更に7日間放置した後、圧
縮強度を測定した。
【0051】*耐アルカリ性:45%水酸化ナトリウム
中に硬化物を室温で7日間浸漬し、1日水洗した後、湿
布で拭いて重量を測定し、下記の計算式により吸アルカ
リ率を求めた。
【0052】吸アルカリ率(%)=(浸漬後の重量−浸
漬前の重量)×100/浸漬前の重量 また、吸アルカリ率測定後の試料を更に7日間放置した
後、圧縮強度を測定した。
【0053】*耐水性:水中に硬化物を室温で7日間浸
漬した後、湿布で拭いて重量を測定し、下記の計算式に
より吸水率を求めた。
【0054】吸水率(%)=(浸漬後の重量−浸漬前の
重量)×100/浸漬前の重量 また、吸水率測定後の試料を更に7日間放置した後、圧
縮強度を測定した。
【0055】
【表1】
【0056】以上の結果より、本発明のポリマーセメン
トモルタル組成物は、施工性が良好で、硬化物の仕上が
り状態が良く、耐薬品性については、クロロプレンラテ
ックスを単独で用いた場合(比較例1)よりも更に優れ
たものとなることが判る。
【0057】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 24:26) (56)参考文献 特開 平3−177348(JP,A) 特開 昭63−8253(JP,A) 特開 昭61−241308(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 11/02 C08L 33/06 - 33/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル酸アルキルエステル及びメタクリ
    ル酸アルキルエステルの少なくとも一種とアミノ基含有
    アクリル系モノマーとを共重合して得られるカチオン性
    アクリル樹脂エマルジョンと、クロロプレンラテックス
    とからなり、前者/後者の固形分量の重量比が25/7
    5〜75/25であるポリマーセメントモルタル組成物
    用ポリマーディスパージョン。
  2. 【請求項2】(i) セメント100重量部、(ii)骨材50
    〜500重量部、並びに(iii) アクリル酸アルキルエス
    テル及びメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも一
    種とアミノ基含有アクリル系モノマーとを共重合して得
    られるカチオン性アクリル樹脂エマルジョンと、クロロ
    プレンラテックスとからなり、前者/後者の固形分量の
    重量比が25/75〜75/25であるポリマーポリマ
    ーディスパージョン成分5〜25重量部(固形分量)を
    含有することを特徴とするポリマーセメントモルタル組
    成物。
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