JP2664282B2 - 磁気ヘッドの研磨方法 - Google Patents

磁気ヘッドの研磨方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、VTR用磁気ヘッドの製造方法に係り、特に
磁気ヘッドのテープ摺動面を好適に研磨する方法に関す
るものである。
〔従来の技術〕
従来磁気ヘッドの研磨装置は、特開昭58−13972号に
記載のように、磁気ヘッドを回転体に取り付け回転シリ
ンダからの突き出す場合の突き出し量および見掛け上の
テープ剛性を調整する方法については配慮されておら
ず、磁気ヘッドのチップの厚み方向の曲率の中心と磁気
ヘッドギャップ中心位置の差、すなわち、偏心量、テー
プ走行方向の曲率半径、磁気ヘッドの厚み方向の曲率半
径などの精度バラツキが大きく、磁気ヘッドの磁気テー
プへの接触不良等により出力特性を満足しないため再研
磨を行なうことがあり、研磨の時間的ロスが大きかっ
た。
すなわち、磁気ヘッドのテープ案内筒からの突き出し
量(以下突出量と称する、第2図参照)をΔt、磁気テ
ープ走行方向の形状半径(以下走行方向半径と称する、
第9図参照)をRx、磁気テープ走行方向と直角方向形状
半径(以下直角方向半径と称する、第9図参照)をRyと
すると、これらの間の関係は、第6図に示すようになっ
ている。この場合のテープ張力は1.96Nとした。この図
は、突出量Δtの増加にともない、走行方向半径Rx、直
角方向半径Ryはともに減少傾向にあり、走行方向半径R
x、直角方向半径Ryの形状精度を向上するためには、突
出量Δtを高精度に設定する必要があることを示してい
る、RxとRyを総称して形状半径Rとする。
第4図は、従来の磁気ヘッドラッピング装置による、
磁気ヘッドの研磨状態の一例を示す要部断面図、第5図
a〜第5図cは、これによって研磨されたん磁気ヘッド
の例を示す略示図である。
第4図において、30a,bは案内筒であって、これに、
ヘッドベース13bにヘッドチップ13aを固定してなる磁気
ヘッド13が、その外周から若干量だけ突出して取付けら
れている。そして、研磨テープ1によって、磁気ヘッド
13のテープ摺動面Sを研磨するようになっている。
しかし、この研磨中、研磨テープ1と案内筒との接触
抵抗の変動、テープ張力変動、ヘッドチップ13aと研磨
テープ1との接触変動等により、研磨テープ1が上下方
向へ移動するため、研磨テープ1の幅Wの中心に対する
ヘッドチップ13aの位置誤差が生じる。このことによ
り、研磨テープ1の中心に対してヘッドチップ13aが上
にある場合には、第5b図に示すように、ヘッドチップ13
aの幅方向の上方が凸になって、幅方向に傾斜が生じ
た。これとは反対に、ヘッドチップ13aが下にある場合
は、第5c図に示すように、ヘッドチップ13aの幅方向の
下方が凸になって、これも幅方向に傾斜が生じるもので
あった。
したがって、第5aに示すような、テープ摺動面Sの所
望形状、すなわち、テープ走行方向と直交方向(ヘッド
チップ厚みh方向)の曲率半径Ryが所定値であり、且つ
その曲率中心が厚み中心(h/2)に位置するような形状
を得ることが困難であり、また被加工物間の形状寸法の
バラツキも大きいものであった。このように従来技術
は、磁気ヘッドを回転体である、テープ案内筒に取り付
けた場合の磁気ヘッドのテープ案内筒からの突出量の調
整、見掛け上のテープ剛性の調整、および研磨中の研磨
テープの位置変動について配慮がされておらず、磁気ヘ
ッドのテープ摺動面を所望形状に、しかも被加工物間の
バラッキを小さく研磨することができなかった。このた
め、磁気ヘッドの接触不良などを発生し、再研磨を行な
う必要があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記従来技術の難点を解消し、磁気
ヘッドのテープ摺動面をバラツキの少ない所望形状に研
磨することができる磁気ヘッドの研磨方法の提供にあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記本発明の目的を達成するため、本発明の磁気ヘッ
ドの研磨方法は、所定の間隙をもって、軸方向(磁気ヘ
ッド保持板の回転軸)に対向する、所定曲率半径のテー
プフォーミングガイドと称する円筒状内面に研磨テープ
吸着用スリットを設け、このテープフォーミングガイド
に設けた研磨テープ吸着用スリットにより、真空吸着さ
せ、走行しつつある研磨テープを、テープフォーミング
ガイドに案内するとともに、テープフォーミングガイド
の曲率より小さい曲率の研磨テープガイドを、テープフ
ォーミングガイドの研磨テープ走行面の内側に所定の間
隙をもって設置し、研磨テープが、テープフォーミング
ガイドから離脱するのを防止し、前記テープフォーミン
グガイドの円筒状内周面から所定量突出して前記、上下
一対のテープフォーミングガイドの間隙中に、テープフ
ォーミングガイドの曲率とほぼ同じ曲率になるように磁
気ヘッドのテープ摺動面を前記走行しつつある研磨テー
プで研磨する方法において、前記、テープフォーミング
ガイドの内周面に接して走行している研磨テープにより
磁気ヘッドのテープ摺動面を研磨するものである。研磨
テープのフォーミングガイドへの保持すなわち、吸着部
分は、研磨テープの幅方向にみて磁気ヘッド対向部分
は、除外されて、その上側および下側すなわち研磨テー
プの両端側)の面である。さらに上記テープフォーミン
グガイドを振動させながら研磨すると、より良好な結果
が得られる。
また、上記、テープガイドの外周面(すなわち、テー
プフォーミングガイドの内周面との対向面)より空気を
噴出させることにより、加工屑の排除が良好になること
より、加工面が良好となる。またテープフォーミングガ
イド内周面に沿った研磨テープの走行が良好となる。
テープフォーミングガイドを振動させる場合、前記磁
気ヘッドチップの厚さ方向の中心面内を中心軸とする回
転陽動かあるいは、テープフォーミングガイドシリンダ
の中心軸に向う方向の直線的な揺動をもちいることがで
きる。
また、被加工物である磁気ヘッドをテープフォーミン
グガイドからの突出量を光学系を用いて非接触で位置決
めすることにより高精度に加工できる。
〔作用〕 本発明の磁気ヘッドの研磨方法を用いる、本発明の磁
気ヘッド研磨装置の構成は、同一内径を有する2個1組
のテープフォーミングガイドと同軸心で回転するワーク
支持部を所定の時間間隙で正転、逆転方向へ交互に回転
駆動することができるシリンダ駆動部と、前記テープフ
ォーミングガイドの内周面に沿って研磨テープを走行さ
せることができるテープ走行系と、前記テープフォーミ
ングガイドの間隔を所定値に設定する、テープフォーミ
ングガイド部とを有するものであって、前記ワーク支持
部は、被加工物を、前記テープフォーミングガイドの間
隔にあって、その先端を、前記テープフォーミングガイ
ドの内周面から所定量だけ突出させた位置で、着脱可能
に保持することができるようにしたものである磁気ヘッ
ド研磨装置である。すなわち、上記目的を達成するた
め、本発明の磁気ヘッド研磨装置は、所定の間隔をもっ
て対向する1対のテーブフォーミングガイドの内周面で
研磨テープを案内し(研磨終了時など研磨テープの吸着
解除時に、研磨テープが、テープフォーミングガイドよ
り離脱を防止するためにテープフォーミングガイドの内
周面と所定の間隙を保ってテープガイドを設ける)前記
テープフォーミングガイドの内周面から所定量突出させ
るようにワーク支持部に保持した磁気ヘッドのテープ摺
動面を前記研磨テープで研磨する装置において、前記テ
ープフォーミングガイド内周面に真空吸着しながら走行
する研磨テープを強性的に保持することにより研磨テー
プの形状をコントロールできるようにしたものである。
さらには、ワーク支持部に磁気ヘッドを高精度に支持す
る(第3図のθ,X軸、,Y軸方向)ために、ワーク支持部
の回転中心からの磁気ヘッドテープ摺動面研磨位置を、
干渉縞を検出し、位置及び姿勢を高精度に位置合せでき
るようにしたものである。
さらにまた、テープフォーミングガイドを、前記磁気
ヘッドのチップの厚さ方向の中心を通る平面内を中心と
して、回転揺動させる手段を設けるとより好ましい結果
が得られる。
ところで、本発明の上記方法と上記装置により得られ
た本発明の磁気ヘッドは、磁気テープ摺動面の形状が、
テープ摺動方向に直角な断面において良好な対称性を有
する(すなわち、上記断面に現れる直角方向半径Ryに対
応する曲面が対称的である)。上記断面が磁気ヘッドの
作動ギャップのテープ摺動方向からみた中心から0.2mm
以内の範囲にあるとしたとき、テープ摺動方向に直角方
向にみた中心から0.05mm離れた位置での、両側の高さ
(第10図におけるa,b)の差が0.1μm以下である対称の
よい磁気ヘッドが得られる。
テープフォーミングガイド部の全高さ(第2図のWg)
は、研磨テープの幅+2mm、1対のテープフォーミング
ガイドのそれぞれの高さは、研磨テープ幅の1/2+1mm以
上、互に対向する1対のテープフォーミングガイド間の
間隔は、0.5〜15mmとする。各テープフォーミングガイ
ド間の間隔が0.5mm未満では、研磨テープの変形が過度
に厳しくなり、15mmを越えると、テープフォーミングガ
イドを用いない従来技術に近付き本発明の結果が薄れ好
ましくない。テープフォーミングガイドの内周面の曲率
半径は、被加工物のテープ走行半径が8〜12Rの場合、3
0〜15Rとする。しかし被加工物のテープ走行方向半径Rx
とほぼ同等の曲率半径の円筒曲面をして案内されている
限り、テープフォーミングガイドの内周面の曲率半径
は、上記値に限定しなくてよい。
研磨テープのテープフォーミングガイド内周面への吸
着力は、研磨テープが容易に走行できる程度の吸着力と
なるように、吸着力をセットする。
磁気ヘッドチップのテープフォーミングガイドシリン
グ内周面からの突出量は、20μm〜300μm、研磨テー
プのテープフォーミングガイドへの走行距離は、第1図
の角αで示す所とし、60〜120゜とするのがよい。ま
た、テープフォーミングガイド間の間隔は、第2図に示
すように磁気ヘッドチップの中心から上下に振分け、そ
れぞれWa,Wbとすると、Wa,Wbは、いずれも0.25〜7.5mm
とする。
本発明の磁気ヘッド研磨装置は、テープフォーミング
ガイド部を設けたので研磨テープの磁気ヘッドのテープ
摺動面に対する位置変動がなくなるため、磁気ヘッドチ
ップの厚み方向の曲率中心が、前記のWa,Wbの位置を変
えること、すなわち、テープフォーミングガイド中心
と、磁気ヘッドチップ厚み中心を一致または、Wa>Wb,W
b>Waとすることにより、容易に移動できる。また、研
磨テープの見掛け上の剛性が向上するので、研磨テープ
の張力テープフォーミングガイドの間隔を調整すれば、
前記曲率半径の大きさを容易に調整できる。すなわち、
研磨テープ押圧力を小さくすること、およびテープフォ
ーミングガイド間の間隔を大にすることにより、いずれ
も、磁気ヘッドのテープ摺動面の形状半径Rx,Ryを大き
くする。研磨テープ押圧力は、研磨テープ張力および、
磁気ヘッド突出量Δtを大きくすることにより増大す
る。
また、磁気ヘッドを、ワーク支持部12に取付けて、磁
気ヘッドのテープ摺動面Sと、磁気テープの間のみで、
加工が行われるため、ワーク支持部12が、摩耗すること
がないこと、および軽量化が図れるので、磁気ヘッド研
磨装置が長寿命化する。
本発明では、所定の間隙をもって軸方向に対向する1
対のテープガイドの外周面で研磨テープを案内し、この
テープガイドより0.5〜1mm大きい曲率半径の1対のテー
プフォーミングガイドの内周面に研磨テープ吸着用スリ
ット又は吸着穴を設け、双方のテープフォーミングガイ
ドを所定の間隙を隔てて、軸方向に対向して設置すると
ともに、研磨テープをテープフォーミングガイドの内周
面のR面に沿って吸着させながら走行させ、該1対のテ
ープフォーミングガイドの内周面から所定量Δt突き出
して、高速で正転又は正逆転を繰り返しながら、該研磨
テープにより磁気ヘッドの摺動面を研磨する方法であっ
て、磁気ヘッドを取り付けたワーク支持部の回転中心か
ら該磁気ヘッドまでの距離を一定とし、前記磁気ヘッド
のテープ摺動面を干渉計で計測し、前記干渉計の干渉縞
により前記磁気ヘッドの突出量及び姿勢を一定とし、少
なくとも1個以上の磁気ヘッドを前記ワーク支持部に着
脱自在に保持し、研磨することができるので、所定の走
行方向半径Rxと直角方向半径Ryにすることができる。ま
た、ヘッド先端位置を測定しながら加工できるので、磁
気ヘッドの形状精度向上が図れる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図〜第3図を用いて説
明する。本実施例の磁気ヘッド研磨装置は、研磨テープ
供給部1a、研磨加工終了済み研磨テープ2を巻取るリー
ル部1b、研磨テープ2を供給し、研磨ユニット部を通
り、研磨テープに張力を付与し、研磨テープを巻取るた
めの架台部および、磁気ヘッドを研磨するための研磨ユ
ニットからなっている。まずテープ走行系について説明
する。研磨テープ供給リール1aより、研磨テープ2が繰
出し用ピンチローラ3とキャプスターンローラ4の間を
通り、中間ローラ5、ガイドローラ6を通りテープフォ
ーミングガイド7a,7bおよびテープガイド8a,8bの間を通
り、ガイドローラ14、中間ローラ15、巻取りローラ17お
よびキャプスターンローラ16の間を通って、巻取りリー
ル1bに巻取られる。テープフォーミングガイド7a,7b、
およびテープガイド8a,8bは、加工中は、被加工物が、
テープフォーミングガイド7a,7bの内周面からの所定の
突出量Δtになるように、図2のKに示す位置まで移動
(駆動方法は図示せず)し、加工準備段階および終了時
点では、図2のDに示す位置に移動するようになってい
る。研磨テープ繰出し側のピンチローラ3には、ピンチ
ローラ駆動用ブレーキモータが結合されており、研磨テ
ープに張力を付与するようになっている。テープ走行系
は、テープ走行系支持台(図示せず)に取付けられてい
る。テープ走行系支持台を、第1図に示す、紙面に対し
て研磨テープ供給リール1a側を上昇または下降、巻取リ
ール1b側を下降または上昇するように、走行系支持台を
傾斜することにより、研磨テープ2を、ワーク支持板12
の回転面に対して、傾斜させて走行できるようになって
いる。つぎに、第2図により、本発明の主要部の構造に
ついて説明する。ワーク支持板12上に、磁気ヘッド13
を、第3図に示す、ワーク取付装置により、磁気ヘッド
13のテープ摺動面Sを正確に取付ける、すなわち、ワー
ク支持板12を、ワーク支持シャフト21に取付けワーク支
持固定ボルト22より固定する。つぎにワーク支持板の端
面の頂点ΔS面を干渉計23により干渉縞を出し、X−X,
Y−Y方向に干渉計23を移動させ、干渉計23からの像
を、テレビカメラ24を通し、モニタ27上に出し、ワーク
支持板12の端面ΔSを位置合せをする。つぎに、所定の
磁気ヘッド突出量Δxに相当する位置まで干渉計23をX
−X方向、Z−Z方向に移動させる。(移動量検出計は
図示せず)この状態で、磁気ヘッドをワーク支持板12に
取付け、干渉縞を、モニタ27上に示すように、干渉縞26
a,26bが現れるように、磁気ヘッドをX1−X1,Y1−Y1
方向に移動させ磁気ヘッドを、磁気ヘッド固定ボルト
29により固定する。(X1−X1,Y1−Y1,θの移動装置は図
示せず)つぎに、ワーク支持板12を、180゜回転させ、
磁気ヘッド13−1も同様に取付ける。このように、磁気
ヘッド13−I 13−IIを取付けた、ワーク支持板12を、第
2図に示す、ワーク支持板回転シャフト10上に取付け、
ワーク支持板シャフト11がはまり合うようになってい
る。ワーク支持板回転シャフト10には駆動用モータ10a
が結合されている。テープフォーミングガイド7a,7bに
は、研磨テープ吸着用孔9a,9bが設けられており、研磨
テープ吸着孔9a,9bは、真空ポンプV.Pに結合されてい
る。テープフォーミングガイド9a,9bには、テープガイ
ド8a,8bが取りつけられており、研磨テープは、テープ
フォーミングガイド内周面に吸着されながら手前より紙
面側に巻取られる。テープフォーミングガイド7a,7bに
は、テープフォーミングガイド間隔WA,Wbを調整するツ
マミ、テープフォーミングガイド7a,7bと、磁気ヘッド
の厚み方向の位置合せ用Zステージが取付けられてい
る。
次にその動作を説明すると、ワーク支持板12に未加工
の磁気ヘッド13a,13bを前述の図3に示す磁気ヘッド突
出量調整装置により取付けたものをワーク支持板回転シ
ャフト10上に装着し、ワーク支持板回転駆動部を上昇さ
せ、ワーク支持板支持シャフト11と組合せる。つぎに、
所定のワーク突出量に相当する位置まで、テープフォー
ミングガイド7a,7bを−X方向に移動させるとともに、
真空ポンプV.Pが起動され研磨テープ2をテープフォー
ミングガイド7a,7bの内周面に吸着させ、研磨テープ駆
動用モータを回転させることにより研磨テープ2が、巻
取りリール2により研磨テープが巻取られ一定の張力が
付与され、磁気ヘッドテープ摺動面に所定の圧力で接触
される。と同時にワーク支持板回転用駆動モータ10aが
所定の高速回転を始め、予め設定されたタイマにより、
正転、逆転を所定時間くり返す。この状態が終了する
と、テープフォーミングガイド7a,7bが後退しワーク支
持板回転用駆動モータ10aが停止するとともにワーク支
持板回転駆動部が下降、研磨テープ巻取りモータが停止
し、ワーク支持板を取り出すことにより、一連の動作を
終了する。通常、加工時間を短かくし、能率を上げるた
め初め荒い研磨テープを用い、順次細い研磨テープを用
い研磨面あらさを向上させていくことは、本方式におい
ても同じである。この場合、本開発方式のユニットをた
とえば、荒、中、仕上げユニットを設け、研磨テープを
たとえば、荒加工ユニットでは、#4000,中仕上げユニ
ットでは、#8000,仕上げユニットでは#10000を用い
て、各ユニット間は搬送手段によりワーク支持板を、各
ユニットのワーク支持板回転シャフト10上に移動し、前
述の動作を繰返し研磨を行なう。研磨テープの送りは、
テープ走行系支持台を傾斜させて走行させてもよく、あ
るいは、テープフォオーミングガイド7a,7bに垂直方向
に走行させてもよい。以上のようにすることにより本実
施例によれば、均一なヘッド形状を得ることができる。
また自動化できるため、能率がよい、また、磁気ヘッド
の突出量を精度よく、取りつけることができる、また、
研磨量を高精度に計測できるため高精度な均一なヘッド
形状を得ることなどの効果がある。
上記研磨装置により加工すると、第7図,第8図に示
すようにフォーミングガイドを用いない場合(従来値)
にくらべ、バラツキは大幅に低減し、また、フォーミン
グガイドを移動させると、移動量に比例して、精度よ
く、磁気ヘッド先端曲率の中心が移動し、任意の加工形
状が得られる。
本実施例における方法の他の実施例について説明する
と、磁気ヘッドの姿勢を制御する他の方法として、光な
どを用いて、磁気ヘッドのテープ摺動面の形状を被接触
で検出し、この値にもとずいて、磁気ヘッドのX,Y,θ方
向の姿勢を所定の値になるように取付ける。このとき磁
気ヘッド先端の形状を測定する方法として、光切断方法
を用いて、所定ピッチづつ検出器又は磁気ヘッドを移動
させる方法か又は、干渉縞を検出器により、データを取
り込み、コンピュータ処理を行い、三次元形状又は、磁
気ヘッドのギャップ近傍の二次元形状のX,Y,θの位置が
所定の位置になるようにすることにより、高精度に位置
決めするとともに、加工量をワーク保持具の基準面から
の磁気ヘッドのテープ摺動面Sまでの位置を加工前後で
計測できるため、高精度な加工ができる。この形状測定
や位置の測定は、加工機内で行なってもよく、加工機外
で行なってもよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、以下の効果がある。
テープフォーミングガイドおよび磁気ヘッド突出量調
整装置により研磨テープの変形を強制することおよび、
ヘッド突出量を高精度に位置決めできることにより、磁
気ヘッドのテープ走行方向と直角方向の形状ばらつきを
小さくでき、またテープフォーミングガイドと磁気ヘッ
ドの間隔を任意に設定できるため、磁気ヘッドのギャッ
プ中心と、磁気ヘッドのテープ走行方向の形状の曲率の
中心を任意に加工でき、高精度な磁気ヘッドを提供でき
る。さらに高精度な加工ができることにより、ばらつき
の少ない高精能な磁気ヘッドを供給できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る方法を実施するための磁気ヘッ
ドラッピング装置の概略構成を示す平面図、第2図は第
1図における磁気ヘッド研磨装置の主要部(テープフォ
ーミングガイド部、ワーク支持板部とその近傍)を説明
する断面図、第3図は磁気ヘッドのワーク取付装置の構
成を示す説明図、第4図は従来の磁気ヘッド研磨装置に
おける磁気ヘッド研磨部周辺を示す断面図、第5a図〜第
5c図は研磨された磁気ヘッドチップの研磨状態を示す断
面図、第6図は磁気ヘッドチップの研磨における、チッ
プの形状半径と磁気ヘッド突出量との関係を示すグラ
フ、第7図は磁気ヘッドチップの形状半径と一対のテー
プフォーミングガイド間の間隔との関係を示すグラフ、
第8図は磁気ヘッドチップの直角方向半径の中心の移動
量とテープフォーミングガイド部の上下方向移動量との
関係を示すグラフ、第9図は磁気ヘッドチップを示す斜
視図、第10図は磁気ヘッドチップを示す断面図である。 1a……研磨テープ供給リール、1b……研磨テープ巻取り
リール、2……研磨テープ、3……研磨テープ繰出し用
ピンチローラ、4,16……キャプスタンローラ、5,15……
中間ローラ、6,14……ガイドローラ、17……巻取りロー
ラ、7a,7b……テープフォーミングガイド、8a,8b……テ
ープガイド、13I,13II……磁気ヘッド、13a……ヘッド
チップ、13b……ヘッドベース、12……ワーク保持板、1
0……ワーク支持板回転シャフト、11……ワーク支持板
支持シャフト、23……干渉計、24……テレビカメラ、25
a,25b……ワーク位置合せ用基準線、26a,b……干渉縞、
27……テレビモニタ、28……参照ミラー。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−203749(JP,A) 特開 昭59−172110(JP,A) 特開 平1−296416(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の間隙をもって軸方向に対向する1対
    のテープガイドの外周面で研磨テープを案内し、このテ
    ープガイドより0.5〜1mm大きい曲率半径の1対のテープ
    フォーミングガイドの内周面に研磨テープ吸着用スリッ
    ト又は吸着穴を設け、双方のテープフォーミングガイド
    を所定の間隙を隔てて、軸方向に対向して設置するとと
    もに、研磨テープをテープフォーミングガイドの内周面
    のR面に沿って吸着させながら走行させ、該1対のテー
    プフォーミングガイドの内周面から所定量Δt突き出し
    て、高速で正転又は正逆転を繰り返しながら、該研磨テ
    ープにより磁気ヘッドの摺動面を研磨する方法であっ
    て、 磁気ヘッドを取り付けたワーク支持部の回転中心から該
    磁気ヘッドまでの距離を一定とし、 前記磁気ヘッドのテープ摺動面を干渉計で計測し、 前記干渉計の干渉縞により前記磁気ヘッドの突出量及び
    姿勢を一定とし、 少なくとも1ケ以上の磁気ヘッドを前記ワーク支持部に
    着脱自在に保持し、 研磨することを特徴とする磁気ヘッドの研磨方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH04177607A (ja) 1992-06-24

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