JPH08300015A - オンラインロール研削装置を備えた型鋼圧延機 - Google Patents

オンラインロール研削装置を備えた型鋼圧延機

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Publication number
JPH08300015A
JPH08300015A JP10884995A JP10884995A JPH08300015A JP H08300015 A JPH08300015 A JP H08300015A JP 10884995 A JP10884995 A JP 10884995A JP 10884995 A JP10884995 A JP 10884995A JP H08300015 A JPH08300015 A JP H08300015A
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JP
Japan
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grindstone
roll
rotary grindstone
rotary
model steel
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Application number
JP10884995A
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English (en)
Inventor
Shigeru Mori
茂 森
Terutoshi Odagi
輝年 小田木
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Landscapes

  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】オンラインロール研削装置を備えた型鋼圧延機
において、圧延ロールの円筒面と側面の両方を研削でき
るようにし、合わせて圧延ロールを高い研削能力で長時
間正確に研削できるようにする。 【構成】回転砥石20、回転砥石20の回転駆動装置2
2、送り装置23、移動装置24で研削ユニット5を構
成し、水平ロール1の円筒面1aと側面1bを1個の砥
石で研削できるようにするため、回転砥石20はカップ
型の形状をし、その平面状の端面52aと円筒形の側面
52bの両方に砥粒層51a,51bを取り付ける。回
転砥石20は弾性体機能を持たせるため、台金52にス
リットGを設け、砥粒層は超砥粒を用いる。回転砥石2
0と水平ロール1が接触した点とイニシャルロールプロ
ファイルデータから基準プロファイルを求め、このプロ
ファイル上を回転砥石20の砥粒層が移動するよう制御
し研削する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオンラインロール研削装
置を備えた型鋼圧延機に係り、特に、圧延ロールの持つ
振動の影響を受けず、正確なロールプロフィールに圧延
ロールを研削するオンラインロール研削装置を備えた型
鋼圧延機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、H型鋼圧延機の水平圧延ロール
は圧延材をH型の形状に圧延するためにH型の溝に入る
よう、円筒面とこの円筒面に対して角度をなす側面とを
有する大径で幅狭のロール形状になっている。この圧延
ロールは板圧延用の水平ロールと異なり、ロールの円筒
面部分と側面部分ではロール径の差により周速差が生ず
る。このため、一定の速度で移動する圧延材とロール
間、特に圧延材とロール側面間には速度差が生じ、この
速度差が続くとスリップによりロール側面に焼き付きが
生じ、これが突起に成長して圧延材を傷つける。また、
H型のコーナーのR部は圧延圧力が集中し摩耗により形
状が変化する。このような問題を解決すべく、オンライ
ンで圧延ロールを研削するために各種簡易型の研削装置
が提案された。
【0003】その一例として、実開昭58−81006
号号公報の「ユニバーサル水平ロールのオンライン研磨
装置」には、水平ロールのR部を研磨するためにリンク
機構により砥石をロールに押付けながらR部に沿って移
動させる装置が提案されている(以下、第1の従来技術
という)。
【0004】また、特開昭63−278604号号公報
の「カリバーロールのオンライン研磨方法」には、H型
鋼の圧延の場合と同様に圧延材との間に速度差により焼
き付きが発生するカリバー面を有するロール(カリバー
ロール)で鋼管等を圧延するとき、カリバー面に発生す
る焼き付きを効率よく除去するために、砥石をスプリン
グ等で弾性変形可能に支持するか、弾性変形可能な素
材、例えば不織布研磨材で作り、この砥石を液圧シリン
ダー等にて圧延ローに押しつけ研磨することが提案され
ている(以下、第2の従来技術という)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次ぎのような問題がある。
【0006】上記第1の従来技術では、リンク機構によ
り圧延ロールの円筒面とコーナーのR部は研削できる
が、圧延ロールの側面までは砥石がとどかず、ロール側
面に生ずる突起物は十分に除去することができない。ま
た、回転する圧延ロールに砥石を押しつけ、砥石は回転
させず圧延ロールの回転力により研削を行う。しかし、
砥石を回転させず回転する圧延ロールに押し付けても研
削能力は低く、短時間で研削することができない。ま
た、すぐ目詰まり等を生じさせ、それを除去しようとし
てさらに大きな押し付け量を与えると回転する圧延ロー
ルの持つ振動で砥石が破損したりする。
【0007】第2の従来技術では、カリバーロールのカ
リバー面の研削を対象としているので、第1の従来技術
と同様にH型鋼圧延ロールの側面を研削することはでき
ない。また、砥石をスプリングで支持するか弾性変形可
能な素材で作ることにより回転する圧延ロールの持つ振
動は吸収することができる。しかし、この従来技術でも
第1の従来技術と同じように砥石は回転せず、砥石を圧
延ロールに押付け圧延ロールの回転力によりに研削しよ
うとするので、第1の従来技術と同様研削能力は低い。
また、砥石を弾性変形可能な素材で作り砥石自体に弾性
体機能を与えた場合は、弾性変形可能な素材が不織布研
磨材等なので摩耗が早く、頻繁に交換の必要が生ずる。
【0008】本発明の第1の目的は、圧延ロールの円筒
面と側面の両方を研削できるオンラインロール研削装置
を備えた型鋼圧延機を提供することにある。
【0009】本発明の第2の目的は、圧延ロールを長時
間正確に研削できかつ研削能力の高いオンラインロール
研削装置を備えた型鋼圧延機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために本発明は次の構成を採用する。すなわち、円筒
面とこの円筒面に対して角度をなす側面とを有する圧延
ロールを研削するオンラインロール研削装置を備えた型
鋼圧延機において、前記オンラインロール研削装置は、
軸心に直交する平面状の端面と軸心を取り囲む円筒形の
側面を有するカップ型の回転砥石と、前記回転砥石を回
転させる砥石駆動装置と、前記回転砥石を圧延ロールの
軸方向へ移動させる砥石移動装置と、前記回転砥石を圧
延ロールの軸直角方向に移動させる砥石送り装置とを備
え、前記カップ型の回転砥石は前記平面状の端面と円筒
形の側面の両方に砥粒層を有する構成とする。
【0011】また、上記第2の目的を達成するため、本
発明は上記オンラインロール研削装置を備えた型鋼圧延
機において、前記カップ型の回転砥石は、前記砥粒層を
それぞれ取付けた平面状の端面と円筒形の側面を持つカ
ップ型の台金を有し、この台金の端面部と側面部の両方
に弾性体機能を持たせた構成とする。この場合、好まし
くは、前記カップ型の台金の側面部と端面部の両方及び
これら側面部と端面部に取り付けた砥粒層に回転砥石の
外周から中心に向かい放射状の複数のスリットを形成
し、前記弾性体機能を持たせる。
【0012】また、好ましくは、前記回転砥石の砥石回
転軸を圧延ロールの軸直角方向に対して微小に傾け、圧
延ロールの円筒面を研削するとき前記回転砥石の端面側
砥粒層の片側のみを接触させ研削する。
【0013】更に、好ましくは、前記回転砥石の平面状
の端面と円筒形の側面が有する砥粒層は立法晶窒化硼素
又はダイアモンド砥粒で構成する。
【0014】また、好ましくは、前記砥石送り装置はバ
ックラッシュのないボールねじと位置制御可能な電動モ
ータとを含む。
【0015】また、好ましくは、前記オンラインロール
研削装置は、前記回転砥石を支える砥石回転軸の回転砥
石と反対側の位置に設置されたロードセルを更に備え、
このロードセルにて圧延ロールへの回転砥石の押付け力
と、回転砥石の側面が圧延ロールの側面と接した時に発
生する研削振動を検出する。
【0016】更に、好ましくは、前記オンラインロール
研削装置は、前記回転砥石と圧延ロールが接触した瞬間
を認識し圧延ロールの円筒面及び側面の基準点を求める
第1手段と、前記第1手段で求めた基準点に予め設定し
たイニシャルロールプロファイルデータを噛み合わせ、
研削すべき圧延ロールの基準ロールプロファイルを求め
る第2手段とを更に備える。この場合、前記第1手段
は、好ましくは、前記回転砥石を支える砥石回転軸の軸
力を検出する負荷検出手段を含み、この負荷検出手段の
信号に基づき前記回転砥石と圧延ロールが接触した瞬間
を認識する。前記第1手段は、前記砥石駆動装置のモー
タ負荷を検出する負荷検出手段を含み、この負荷検出手
段の信号に基づき前記回転砥石と圧延ロールが接触した
瞬間を認識してもよい。。
【0017】また、好ましくは、前記オンラインロール
研削装置は、前記第2手段で求めた圧延ロールの基準ロ
ールプロファイルに従って前記回転砥石が移動するよう
前記砥石移動装置及び砥石送り装置を駆動する第3手段
を更に備え、この第3手段により前記回転砥石を位置制
御で移動しながら圧延ロールを研削する。この場合、好
ましくは、前記オンラインロール研削装置は、前記第3
手段により位置制御で研削中に、前記砥石駆動装置のモ
ータの負荷が許容負荷を超えたとき、前記回転砥石が圧
延ロールから逃げるように前記砥石移動装置と砥石送り
装置を制御する第4手段を更に備える。
【0018】また、好ましくは、前記オンラインロール
研削装置は、前記カップ型の回転砥石、砥石駆動装置、
砥石移動装置及び砥石送り装置を含むロール研削ユニッ
トを有し、このロール研削ユニットを圧延ロール1本に
対し1個設ける。
【0019】
【作用】第1の目的に係わる本発明において、カップ型
の回転砥石は平面状の端面と円筒形の側面の両方に砥粒
層を有することにより、端面部の砥粒層で圧延ロールの
円筒面を研削し、側面部の砥粒層で圧延ロールの側面を
研削し、圧延ロールの円筒面と側面の両方を研削でき
る。
【0020】第2の目的に係わる本発明において、カッ
プ型の台金の端面部と側面部の両方に弾性体機能を持た
せ、この台金の端面部と側面部に砥粒層を支えることに
より、砥粒層と弾性体機能部材が一体化し、圧延ロール
からの振動で可動する質量は砥粒層と台金の一部のみと
なる。このため、可動部質量が非常に小さくなり、回転
砥石の固有振動数が高くなり、回転砥石を砥石駆動装置
で積極的に回転させても振動する圧延ロールを共振によ
るビビリ現象も生じさせずに長時間正しく研削すること
ができる。また、圧延ロールからの振動を吸収しながら
回転砥石を砥石駆動装置で積極的に回転させて研削を行
うので高い研削能力が得られる。
【0021】カップ型の台金の側面部と端面部の両方及
び台金の側面部の砥粒層と端面部の砥粒層の両方に回転
砥石の外周から中心に向かい放射状の複数のスリットを
形成することにより、台金が断面二次モーメントの大き
いカップ型であっても回転砥石の強度や耐久性を犠牲に
することなく回転砥石を撓みやすくしロール振動を吸収
する構造を実現できる。
【0022】回転砥石の砥石回転軸を圧延ロールの軸直
角方向に対して微小に傾け、圧延ロールの円筒面を研削
するとき回転砥石の端面側砥粒層の片側のみを接触させ
ることにより、回転砥石がより撓みやすくなり、台金の
弾性体機能がより有効に発揮され、圧延ロールからの振
動を容易に吸収することができる。
【0023】回転砥石の平面状の端面と円筒形の側面が
有する砥粒層を立法晶窒化硼素又はダイアモンド砥粒で
構成することにより、超砥粒の持つ硬さにより回転砥石
の寿命を長くすることができる。また、超砥粒は少ない
体積で研削寿命が長いので、砥粒層は薄くできる。
【0024】砥石送り装置をバックラッシュのないボー
ルねじと位置制御可能な電動モータとを含む構成とする
ことにより、研削時に回転砥石の台金のみが撓み、台金
の弾性体機能が有効に働き、ロール振動を吸収すること
ができる。また、電動モータの回転角度を制御し、ボー
ルねじを回転させることにより回転砥石を正確に位置決
めでき、回転砥石を位置制御して圧延ロールのコーナー
の曲面R寸法や側面を研削できる。
【0025】型鋼圧延機用、特にH型鋼用の水平ロール
の円筒面と側面を連続的に研削するためには、カップ型
の回転砥石の砥粒層が圧延ロールの目的とする外形形状
になるよう位置制御されながら移動することが好まし
い。回転砥石を位置制御するには研削を開始する基準位
置を正確に求める必要ある。ロードセルにて圧延ロール
への回転砥石の押付け力や、回転砥石の側面が圧延ロー
ルの側面と接した時に発生する研削振動を検出すること
により、圧延ロールの円筒面や側面の位置を認識し、回
転砥石を圧延ロールの外径形状になるよう位置制御で移
動することができる。ロードセルを用いる代わりに、回
転砥石が圧延ロールに接し砥石回転用の駆動モータの負
荷が変化した位置を圧延ロールの外面と認識してもよ
い。
【0026】負荷検出手段の信号に基づき回転砥石と圧
延ロールが接触した瞬間を認識して圧延ロールの円筒面
及び側面の基準点を求め、この基準点に予め設定したイ
ニシャルロールプロファイルデータを噛み合わせること
により、研削すべき圧延ロールのプロファイルを求め、
回転砥石の位置制御での移動軌跡を決めることができ
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1において、本発明に係わる圧延機はH型圧延材
Sを延伸する上下一対の水平ロール1を有する2段圧延
機である。各水平ロール1は、図2に示すように、H型
圧延材のH型の溝に入るよう円筒面1aと円筒面1aに
直交する左右の側面1bと円筒面1a及び側面1b間の
コーナーのR部1cとを有する大径で幅狭のロール形状
になっている。この圧延ロール1は両端を軸受箱3によ
り保持され、これら軸受箱3はスタンド4に組み込まれ
ている。
【0028】このような圧延機に本実施例のオンライン
圧延ロール研削装置が設けられている。この本実施例の
オンライン圧延ロール研削装置は、図1に示すように、
上水平ロール1及び下水平ロール1それぞれにロール研
削ユニット5を備え、ロール研削ユニット5は図3に示
すように1本の水平ロール1に対して1個設けられてい
る。
【0029】また、ロール研削ユニット5は、各々、水
平ロール1を研削するカップ型の回転砥石20、この回
転砥石20を砥石回転軸21を介して回転させる砥石駆
動装置22、水平ロール1の軸直角方向に回転砥石20
を移動させる砥石送り装置23、回転砥石20を水平ロ
ール1の軸方向に移動させる砥石移動装置24とを備え
ている。
【0030】回転砥石20は、図4に示すように、回転
砥石20の軸心に直交する平面状で環状の端面52aと
前記軸心を取り囲む円筒形の側面52bを有するカップ
型の台金52と、この台金52の端面52aに取り付け
た環状の砥粒層51aと側面52b側に取り付けた円筒
形の砥粒層51bからなる砥粒層51を有している。回
転砥石20は砥石回転軸21の先端に取り付けられ、砥
石駆動装置22からの回転力で駆動されるようになって
いる。また、砥石回転軸21は、回転砥石20の端面5
2aの砥粒層51aの端面片側のみを水平ロール1の円
筒面1aに接触させるため、水平ロール1の軸直角線に
対し微小角、傾いて設置されている。砥粒層51a,5
1bは立法晶窒化硼素(CBN)又はダイアモンド砥粒
をレジンボンドで固めて作られている。台金52は軽量
でかつ放熱性を良くするためアルミ材又はアルミ合金で
作られている。
【0031】砥石駆動装置22は、図4に示すように、
回転砥石20を所定の砥石周速になるよう回転駆動する
液体モータ54(電動モータでもよい)と、液体モータ
54の出力軸54aの回転を砥石回転軸21に伝えるプ
ーリシャフト54b及びベルト55とを有し、出力軸5
4aとプーリシャフト54bとは平行スプライン54c
を介して連結されている。プーリシャフト54bはボデ
ー59に回転自在に支持されている。液圧モータ54は
油圧回路70から供給される圧油により駆動される。砥
石回転軸21はスライド型のラジアル軸受21a,21
bを介してボデー59内に回転自在にかつ軸方向に移動
可能に支持されている。砥石回転軸21の反回転砥石側
には回転砥石20と作業ロール1a間の接触力を測定す
るロードセル53がボデー59に収納されている。
【0032】ボデー59はケース25に収納されてお
り、液圧モータ54はケース25に取り付けられてい
る。また、ボデー59は、図4に示すように、ケース2
5の底部にスライドベアリング25aを介して砥石回転
軸21の軸方向に移動可能に搭載されている。
【0033】砥石送り装置23は、図4に示すように、
ケース25に取り付けられた位置制御可能な電動モータ
(以下、送りモータという)57と、送りモータ57の
回転でボデー59を作業ロール1aの接離方向に移動さ
せ、回転砥石20、砥石回転軸21及びロードセル53
を一緒に前後送りするバックラッシュレスタイプの予圧
式ボールねじ56と、送りモータ57の回転角度を検出
するエンコーダ57aとを有している。予圧式ボールね
じ56の代わりにバックラッシュレスタイプの歯車機構
を用いてもよい。
【0034】砥石移動装置24は、図5に示すように、
ケース25に取り付けられた電動モータ(以下、トラバ
ースモータという)58と、トラバースモータ58の回
転軸に装着され、ラック14とバックラッシュの少ない
噛み合いを行うピニオン58bと、ケース25の上面に
取り付けられ、1対のガイドレール7a,7bと係合す
る2対のガイドローラ26と、トラバースモータ58の
回転数を検出するエンコーダ58aとを有している。ガ
イドレール7a,7bは、図1及び図3に示すように、
水平ロール1の入側に水平ロール1の軸心に沿って差し
渡されたレールフレーム7に取り付けられている。ラッ
ク14はガイドレール7bの反水平ロール側の側面に形
成されている。このように研削ユニット5は、ガイドロ
ーラ26及びガイドレール7a,7bを介してレールフ
レーム7に支えられながら、トラバースモータ58の回
転とピニオン58aとラック14の噛合いによりスムー
ズにロール軸心方向に移動可能としてある。ピニオン5
8bとラック14のバックラッシュをより少なくするた
め図示しないが、バックラッシュ除去装置を設けてもよ
い。
【0035】ロール研削ユニット5は、水平ロール1の
交換時に軸受箱3と干渉しないようにする必要がある。
このため、レールフレーム7の両端はスタンド4に取付
けられたガイド9に摺動可能に支持され、研削ユニット
5はレールフレーム7の両端近傍にそれぞれ設けられた
操作側及び駆動側のレール移動装置30によりレールフ
レーム7と一緒に水平ロール1の接離方向に移動できる
ようになっている。
【0036】ロードセル53、砥石送り装置23のエン
コーダ57a及び砥石移動装置24のエンコーダ58a
の検出信号は情報処理装置13bに送られ演算を行い、
制御装置13aにより砥石送り装置22の送りモータ5
7、砥石移動装置24のトラバースモータ58のモータ
類や油圧回路70の制御弁を駆動する。
【0037】また、本実施例において、カップ型の台金
52は水平ロール1の回転による振動や、砥石自体の振
れによる振動で研削面に「びびり」が発生しないよう、
回転砥石20の砥粒層51a,51bを支えている台金
52の平面状の端面52aと円筒形の側面52bの両方
に弾性体機能を持たせている。
【0038】ここで、平面型(ディスク型)に比較し、
カップ型の回転砥石20は台金52の肉厚が同じ厚さの
場合断面2次モーメント(剛性)が大きくなる。このよ
うな回転砥石20で容易に撓みを大きく取り、水平ロー
ル1の振動を吸収しやすくするためには、台金52及び
砥粒層51a,51bの肉厚を可能な限り薄くすること
が好ましい。しかし、台金52や砥粒層51a,51b
を薄くするには強度上限界がある。これを解決するため
に、本実施例では図7及び図8に示すように、台金52
の端面52a及び側面52bの両方と砥粒層51の平面
部51a及び側面部51bの両方に、回転砥石20の外
周より中心に向かい放射状の複数のスリットGを形成
し、これにより断面2次モーメント(剛性)を小さくし
て回転砥石20をより撓みやすくしている。
【0039】次に、以上のように構成した本実施例の構
造的特徴に基づく作用を説明する。
【0040】板圧延機用の圧延ロールを研削する場合
は、回転砥石20の台金を平面型(ディスク型)とし、
その平面側にのみ砥粒層を取り付けて研削することによ
り、圧延材と接する部分全部を研削することができる。
しかし型鋼圧延機では、図6に示すように、水平ロール
1の円筒面1aは板圧延機と同じ方法で研削できるが、
H型鋼のフランジと呼ばれる部分と接するロール側面1
bは同じ方法では研削できない。そのため、上記のよう
に回転砥石20の台金52を平面型(ディスク型)から
カップ型にし、台金52の平面状の端面52a側と円筒
形の側面52b側の2か所に砥粒層51a,51bを有
する構造とする。台金52の端面52a側に取り付けた
砥粒層51aは回転しながら水平ロール1の円筒面1a
を研削し、側面52a側に取り付けた砥粒層51bは回
転しながら水平ロール1の側面1bを研削する。このよ
うにカップ型の回転砥石20の端面側と側面側の両方に
砥粒層51a,51bを持つことにより、1個の回転砥
石20で水平ロール1の円筒面1aと側面1bを研削で
きる。
【0041】また、水平ロール1は円筒面1aの左右に
側面1bが2つがあるが、この2つの側面1bを1個の
回転砥石20で研削するために図3に想像線で示すよう
に回転砥石20を移動させ、水平ロール1の右側の側面
1bは回転砥石20の左側の砥粒層51bで研削し、左
側の側面1bは回転砥石20の右側の砥粒層51bで研
削する。この研削方法により1本の水平ロール1に対し
1個の回転砥石20を用いて研削できる。
【0042】カップ型の台金52は水平ロール1からの
振動を吸収するため台金52の端面部52aと側面部5
2bの両方に弾性体機能を持たせ、砥粒層51と弾性体
機能部材(台金52)を一体化している。このため、水
平ロール1からの振動で可動する質量は砥粒層51と台
金52の一部のみとなり、可動部質量が非常に小さくな
り、回転砥石20の固有振動数が高くなる。このため、
振動する水平ロール1を共振によるビビリ現象も生じさ
せずに長時間正しく研削することができる。また、水平
ロール1からの振動を吸収しながら回転砥石20を砥石
駆動装置22の液圧モータ54で積極的に回転させて研
削を行うので高い研削能力が得られる。
【0043】前述したように、平面型(ディスク型)に
比較し、カップ型の回転砥石20は断面2次モーメント
が大きく剛性が高くなり、撓みずらい。このため本実施
例では、台金52の端面52a及び側面52bの両方と
砥粒層51の平面部51a及び側面部51bの両方に、
回転砥石20の外周より中心に向かい放射状の複数のス
リットGを形成しており、これにより回転砥石20の強
度や耐久性を犠牲にすることなく回転砥石20を撓みや
すくしロール振動を吸収する構造を実現できる。
【0044】回転砥石20は図9〜図11に示すように
カップ型を逆にしたような形にしても上記で述べたのと
同じ効果がある。すなわち、図9〜図11において、回
転砥石20Aは逆カップ型の台金52Aを有し、逆カッ
プ型の平面状の端面52Aaの外周部分に平面状で環状
の砥粒層51Aaを取り付け、円筒形の側面52Abの
反端面52Aa側の端部に円筒形の砥粒層51Abを取
り付けた構造とする。この場合、普通のカップ型回転砥
石20より、端面52Aa側の砥粒層51Aaの幅を広
くできる利点がある。
【0045】台金52の弾性体機能を発揮しやすくする
ため水平ロール1の軸直角方向に対し砥石回転軸21を
少し傾けることにより、水平ロール1と回転砥石20の
端面側砥粒層51aとの接触線は砥石中央から一方側の
みに形成される。このようにすれば、回転砥石20の台
金52は水平ロールへの押し付け力で片持ち梁の形で撓
み、台金の弾性体機能がより有効に発揮されロール振動
をより吸収しやすくなる。
【0046】カップ型をした回転砥石20の端面52a
及び側面52bに取り付けた砥粒層51a,51bは薄
くかつ長寿命でなけれならない。しかし、従来の酸化ア
ルミナ系や炭化珪素系の砥粒では容易に摩耗してしま
い、頻繁に砥石交換をしなければならない。この砥粒層
51a,51bに超砥粒である立法晶窒化硼素(CB
N)又はダイアモンド砥粒を用いることにより、砥粒層
51a,51bの質量を少なくして、長寿命の砥石にす
ることができる。
【0047】特に、水平ロール1は外周の円筒面1aと
側面1bとのコーナー部は曲面1cになっていて、この
曲面1cのR寸法が圧延が進むと変化する。オンライン
でこの曲面1cのR寸法を研削により修正するニーズが
ある。R寸法の修正研削は回転砥石20の端面52a側
砥粒層51aの最外周部の砥粒で研削するようになる。
この研削は少ない砥粒で研削するようになるため、特に
摩耗しずらい超砥粒でなければならない。立法晶窒化硼
素(CBN)又はダイアモンド砥粒はこの条件を満足
し、少ない摩耗で曲面1cのR寸法を修正研削すること
ができる。
【0048】回転砥石20を駆動する砥石回転軸21の
反砥石側にロードセル53を備え、このロードセル53
を用いて、水平ロール1の外周円筒面1aを研削すると
きはロール1と回転砥石20間の接触力を検出し、水平
ロール1の円筒面1bの位置を認識できる。また、水平
ロール1の側面1bを研削するときは、ロードセル53
でロール1と回転砥石20が接したときに発生する研削
振動を検知して、水平ロール1の側面1bの位置を認識
する。このようにロードセル53を用いて水平ロール1
の円筒面1aの一と側面1bの位置を認識し、回転砥石
20を水平ロール1の外径形状になるよう位置制御で移
動することにより水平ロール1の側面1b、曲面1c及
び円筒面1aを連続的に研削することができる。
【0049】水平ロール1を研削するためには、回転砥
石20を水平ロール1の軸直角方向に前後動させなけれ
ばならない。この移動のためには砥石送り装置23を配
置してある。この砥石送り装置23は砥石回転軸21の
軸方向の剛性を高めるため、バックラッシュレスタイプ
の予圧式ボールねじ56の回転により移動するようにな
っている。この移動機構にシリンダーやバネ等の剛性の
少ないものを用いると、回転砥石20の弾性体機能が有
効に働かず、ロール振動で回転砥石20と砥石回転軸2
1全体が振動し、慣性質量が大きくなる。慣性質量が大
きくなると、ロールと回転砥石20間の接触圧変動が大
きくなり、砥粒層51の摩耗が早くなる。砥石送り装置
23にバックラッシュのないボールねじ56を用いるこ
とにより、回転砥石20の台金52のみが撓み、台金5
2の弾性体機能が有効に働き、ロール振動を吸収するこ
とができる。また、水平ロール1のコーナー曲面1cの
R寸法や側面1bを研削するには、回転砥石20と水平
ロール1の接触圧力制御では制御不可能なので、回転砥
石20の位置制御が必要となる。回転砥石20の位置制
御を行うために、砥石送り装置23のエンコーダ57a
によって送りモータ57の回転角度を制御し、ボールね
じ56を回転させることにより回転砥石20を正確に位
置決めできる。
【0050】次に、本実施例の研削動作の一例を説明す
る。
【0051】板圧延機用の圧延ロールでは研削する部分
は円筒部分のみであるから、回転砥石20と圧延ロール
との接触圧力を制御して研削できる。しかし、型鋼圧延
機特にH型鋼の水平ロール1は、上記でも述べたように
円筒面1aと曲面1cと側面1bの異なる3種類の外形
線により構成されている。この外形線を常に目的のプロ
ファイルに維持するためには、回転砥石20の砥粒層5
1を位置制御しながら移動し研削をすることが必要であ
る。しかし、水平ロール1はスタンド4と軸受3の隙間
により常に同じ位置に保持されているわけではないか
ら、研削する前に水平ロール1の位置を計測し、回転砥
石20の研削すべき移動軌跡を決めなけれだならない。
【0052】水平ロール1の位置を求めるためには、水
平ロール1の円筒面1aの位置と側面1bの少なくとも
1か所の位置を基準点として測定する。水平ロール1の
側面1bの位置を測定するためには、回転砥石20の砥
粒層51bが水平ロール1に接触した点を、回転砥石2
0が水平ロール1を研削したときに発生する振動波形を
ロードセル53で感知して、図11(a)に示すロール
側面1bの位置aと認識する。水平ロール1の円筒面1
aも回転砥石20の砥粒層51aを接触させ、上記で述
べたと同じようにロール円筒面1aの位置bを認識す
る。しかし、好ましくは回転砥石20と水平ロール1の
円筒面1aの接触圧が常に一定になるように制御しなが
ら研削し、水平ロール1の円筒面1aのプロファイルを
認識するのが良い。水平ロール1の位置a,bは情報処
理装置13bを用いてエンコーダ57a,58aの信号
からX,Y方向の2次元的な値として認識する。これら
の位置a,bや円筒面1aのプロファイルに情報処理装
置13bにおいて、ロールショップで加工されたときの
図11(b)に示すイニシャルロールプロファイルデー
タcを噛み合わせることにより、図12に示す現在の水
平ロール1の基準ロールプロファイルdを求める。
【0053】このように基準ロールプロファイルdを求
めた後、基準ロールプロファイルdに従って回転砥石2
0の砥粒層51の外周端が移動するよう砥石送り装置2
3と砥石移動装置24のモータ57,58を駆動し、回
転砥石20を位置制御で移動しながら圧延ロール1を研
削する。
【0054】図13に基準ロールプロファイルdを求め
る時の情報処理装置13bの処理手順を示す。
【0055】まず、砥石送り装置23の送りモータ57
及び砥石移動装置24のトラバースモータ58を駆動
し、回転砥石20をロール側面1bの近くへ移動させる
(手順100)。次いで、砥石駆動装置22の液圧モー
タ54を駆動して回転砥石20を回転させながら砥石移
動装置24のトラバースモータ58を更に駆動して回転
砥石20をロール側面1bに向けて移動させ、回転砥石
20をロール側面1bに接触させる(手順101)。回
転砥石20がロール側面1bに接触すると研削振動が発
生し、この研削振動がロードセル53で感知され、ロー
ドセル53の検出信号が情報処理装置13bに送られ
る。
【0056】情報処理装置13bでは、ロードセル53
の信号波形から研削振動が発生したかどうかを判断し
(手順102)、研削振動が発生したと判断されるとそ
のときの砥石送り装置23のエンコーダ57aと砥石移
動装置24のエンコーダ58aからの信号でロール側面
1bの位置aを認識する(手順103)。信号波形から
研削振動が発生したかどうかを判断するには信号波形が
所定レベルを越えたかどうかを見れば良い。次いで、砥
石送り装置23の送りモータ57及び砥石移動装置24
のトラバースモータ58を再び駆動し、回転砥石20を
ロール側面1bから離し、ロール円筒面1aの近くに移
動させる(手順104)。次いで、砥石駆動装置22の
液圧モータ54を駆動して回転砥石20を回転させなが
ら砥石送り装置23の送りモータ57を更に駆動して回
転砥石20をロール円筒面1aに向けて移動させ、回転
砥石20をロール円筒面1aに接触させる(手順10
5)。回転砥石20がロール円筒面1bに接触した場合
も研削振動が発生し、この研削振動がロードセル53で
感知され、ロードセル53の検出信号が情報処理装置1
3bに送られる。
【0057】情報処理装置13bでは、ロードセル53
の信号波形から研削振動が発生したかどうかを判断し
(手順106)、研削振動が発生したと判断されるとそ
のときの砥石送り装置23のエンコーダ57aと砥石移
動装置24のエンコーダ58aからの信号でロール円筒
面1aの位置bを認識する(手順107)。
【0058】このようにしてロール側面1bとロール円
筒面1aの基準点として位置a,bを求めた後、これら
2点の位置a,bにロールショップで予め測定されたイ
ニシャルロールプロファイルデータcを加味し、基準ロ
ールプロファイルdを求める(手順108)。
【0059】図14に基準ロールプロファイルdにした
がって回転砥石20を移動させる時の情報処理装置13
bの処理手順を示す。
【0060】まず、砥石送り装置23で回転砥石20を
p−1近傍へ移動させ(手順200)、次に砥石移動装
置24でp−1の位置まで移動後(手順201)、前記
で述べた基準ロールプロファイルd上を砥石送り装置2
3と砥石移動装置24のモータ57,58及びエンコー
ダ57a,58a、制御装置13aを用いて、図12に
示すようにp−1,p−2,p−3,p−4,p−5と
X,Y方向へ2次元的に移動させる(手順202)。p
−5までの移動が完了すると、回転砥石20を初期位置
に戻す(手順203)。なお、実際の制御では、目標位
置P−1からP−2、P−2からP−3、P−3からP
−4、P−4からP−5の間を更に細分し、連続的に変
化する座標値を用いて位置制御がなされる。
【0061】以上により回転砥石20は砥石駆動用モー
タ54により回転しながら計算されたロールプロファイ
ル上を移動し、水平ロール1の円筒面1a、コーナー曲
面1c、側面1bの3面を連続的に研削可能となる。ま
た、表面上に、焼き付き等で凸部が有れば、除去が必要
な部分となり研削される。
【0062】以上のように本実施例によれば、回転砥石
20の端面52a側と側面52b側の両方に砥粒層51
a,51bを設けたので、1つの回転砥石20で水平ロ
ール1の円筒面1a、コーナー曲面1c、及び側面1b
を研削できる。このようにオンラインで水平ロール1の
外面を研削することによりロール側面1bやR部に付着
する焼き付きを除去し、更に摩耗によるロール形状の乱
れを研削により常に一定のプロファイルに維持できる。
【0063】また、回転砥石20を積極的に回転させか
つ回転砥石20の台金52に弾性体機能を持たせたの
で、水平ロール1からの振動を吸収しながら長時間正確
にかつ高い研削能力でロール表面を研削できる。
【0064】以上の結果、ロール組替えのサイクルが大
幅に延長され、圧延設備全体の生産性の向上や、ロール
への焼き付きの除去により圧延材の品質も向上する。
今、ロール組替えは人手により行われる場合が多いの
で、このオンラインロール研削装置が設けられることに
より、省人化も同時に図れる。
【0065】本発明の他の実施例を図15及び図16に
より説明する。上記実施例では、水平ロール1の外周を
認識するために、回転砥石20が水平ロール1を研削し
たときに発生する振動波形をロードセル53で感知する
方法を述べたが、ロードセル53を用いず、図15のよ
うに研削ユニット5内の砥石駆動装置22のモータとし
て電動モータ54Aを用い、回転砥石20がロールと接
触した瞬間に電動モータ54Aの負荷が変動するのを感
知する。この砥石駆動電動モータ54Aの負荷が変動し
たときの回転砥石20の位置をロール側面1bと円筒面
1aの位置a,bと認識する。また、これらの位置a,
bをロール側面1b及び円筒面1aの基準点として前記
で述べた方法と同様な方法で水平ロール1の基準ロール
プロフィールdを求め、回転砥石20が基準ロールプロ
フィールにしたがって移動するように位置制御し、研削
移動軌跡を制御する。
【0066】また、本実施例では、位置制御での研削中
に、水平ロール1の表面に焼き付き等の異常があり、回
転砥石20を駆動する砥石駆動電動モータ54Aの負荷
が許容負荷を超えた場合は、電動モータ54Aの負荷が
少なくなる方向に砥石送り装置23又は砥石移動装置2
4を用いて電動モータ54Aの負荷が許容負荷の範囲内
となる位置まで緊急に回転砥石20を移動させる。
【0067】図16に回転砥石20の緊急退避制御を行
う時の情報処理装置13bの処理手順を示す。図中、2
02Aは図14のフローチャートの手順202に対応す
る手順である。
【0068】図14の手順201で回転砥石20をp−
1の位置まで移動後、目標位置番号nをn=2とし(手
順300)、P−n点を目標位置として砥石送り装置2
3と砥石移動装置24のモータ57,58により回転砥
石20を移動させる(手順301)。次いで、砥石駆動
電動モータ54Aの負荷が許容負荷を越えたかどうかを
判断する(手順302)。この判断は制御装置13aに
おける電動モータ54Aの駆動電流を検出し、この駆動
電流が所定値を越えたかどうかを見ることで行う。電動
モータ54Aの負荷が許容負荷内であると判断されると
回転砥石20がP−n点に達するまで当該処理を行い
(手順303)、回転砥石20がP−n点に達すると、
回転砥石20が最後の目標位置P−mに到達したかどう
かを判断し(手順304)、到達していなければ目標位
置番号nを更新し、上記の手順301〜305を繰り返
し、到達していれば図14の手順203に進み、回転砥
石20を初期位置に戻す。
【0069】また、手順302において、電動モータ5
4Aの負荷が許容負荷を越えたと判断されると、回転砥
石20が水平ロール1から微少量離れるよう砥石送り装
置23の送りモータ57又は砥石移動装置24のトラバ
ースモータ58に信号を送り(手順306)、ある時間
研削を続けながらその位置を保持し(手順307)、再
度正規の研削目標位置へ回転砥石20を移動するよう砥
石送り装置23の送りモータ57又は砥石移動装置24
のトラバースモータ58に信号を送る(手順308)。
そして、手順302で再び、砥石駆動電動モータ54A
の負荷が許容負荷を越えているかどうかを判断し、越え
ていれば上記手順306〜308を繰り返し、許容負荷
内であれば手順303に進み、上記の処理を行う。
【0070】本実施例によっても砥石駆動装置のモータ
として電動モータ54Aを使用したものにおいて、先の
実施例と同様の効果が得られる。また、電動モータ54
Aを使用したので、水平ロール1の表面に焼き付き等の
異常があり、電動モータ54Aの負荷が許容負荷を超え
た場合の緊急退避制御を容易かつ適確に実現できる。
【0071】なお、以上の実施例では1本の水平ロール
1に対し1個の研削ユニット5を設けたが、1本の水平
ロール1に対して2個の研削ユニットを設け、これらを
独立に研削して水平ロール1の左右の側面1bを別々の
回転砥石20で研削してもよい。また、砥石駆動装置の
モータとして液圧モータ54を使用する場合でも、油圧
回路70の供給圧力を検出することにより液圧モータ5
4の負荷を検出することができ、上記緊急退避制御を実
現することができる。
【0072】また、上記実施例では水平ロール1の基準
ロールプロフィールdを求め、水平ロール1のプロフィ
ール全周を回転砥石20の位置制御で移動研削したが、
水平ロール1の側面1bとコーナー曲面1cのみ位置制
御で回転砥石20を移動して研削し、円筒面1aは板圧
延機用のロールの円筒面の研削と同様、ロードセル53
を用いてロール1と回転砥石20間の接触力が一定にな
るように制御しても良い。
【0073】更に、上記実施例はH型鋼圧延機用の水平
ロール1のオンラインロール研削について述べたが、縦
型ロールやその他型鋼圧延機用のロールについても本発
明の趣旨に逸脱しない範囲で適用可能である。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、型鋼圧延機、特にH型
鋼圧延機用の水平ロールの研削において、回転砥石の端
面側と側面側の両方に砥粒層を設けたので、1つの回転
砥石で水平ロールの円筒面、R曲面部、及び側面を研削
でき、オンラインで水平ロール1の外面を研削すること
によりロール側面やR部に付着する焼き付きを除去し、
更に摩耗によるロール形状の乱れを研削により常に一定
のプロファイルに維持できる。
【0075】また、回転砥石を積極的に回転させかつ回
転砥石の台金に弾性体機能を持たせたので、水平ロール
からの振動を吸収しながら長時間正確にかつ高い研削能
力でロール表面を研削できる。
【0076】以上の結果、ロール組替えのサイクルが大
幅に延長され、圧延設備全体の生産性の向上や、ロール
への焼き付きの除去により圧延材の品質も向上する。
今、ロール組替えは人手により行われる場合が多いの
で、このオンラインロール研削装置が設けられることに
より、省人化も同時に図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による型鋼圧延機にオンライ
ン研削装置を備えた圧延機の要部の部分断面図である。
【図2】型鋼圧延機の水平ロールとH型鋼の関係を示す
図である。
【図3】図1のIII−III方向から見た圧延機の平
面図である。
【図4】研削ユニットの横断面図である。
【図5】研削ユニットの縦断面図である。
【図6】水平ロールの円筒面と側面でカップ型砥石の異
なる砥粒層部分が研削を行うこと説明する図である。
【図7】スリットを持つカップ型回転砥石の正面図であ
る。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】スリットを持つ逆カップ型の回転砥石の正面図
である。
【図10】図9に示す逆カップ型の回転砥石の側面図で
ある。
【図11】図9のXI−XIの断面図である。
【図12】水平ロールの側面と円筒面の基準点と水平ロ
ールのイニシャルロールプロファイルから基準ロールプ
ロファイルを求める説明図である。
【図13】図12で求めた基準ロールプロファイル上を
回転砥石が移動し研削する様子を示す説明図である。
【図14】情報処理装置による基準ロールプロファイル
を求める処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】情報処理装置による基準ロールプロファイル
上を回転砥石を移動させる処理手順を示すフローチャー
トである。
【図16】本発明の他の実施例による研削ユニットの横
断面図である。
【図17】情報処理装置による回転砥石を緊急退避制御
する処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:水平ロール(圧延ロール) 3:軸受箱 4:スタンド 5:研削ユニット 7:レールフレーム 13a:制御装置 13b:情報処理装置 20:回転砥石 21:回転砥石軸 22:砥石駆動装置 23:砥石送り装置 24:砥石移動装置 51:砥粒層 51a:平面側砥粒層 51b:側面側砥粒層 52:カップ型の台金 53:ロードセル 54:砥石駆動液体モータ 54A:砥石駆動電動モータ 57:送りモータ 57a:エンコーダ 58:トラバースモータ 58a:エンコーダ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒面とこの円筒面に対して角度をなす
    側面とを有する圧延ロールを研削するオンラインロール
    研削装置を備えた型鋼圧延機において、 前記オンラインロール研削装置は、軸心に直交する平面
    状の端面と軸心を取り囲む円筒形の側面を有するカップ
    型の回転砥石と、前記回転砥石を回転させる砥石駆動装
    置と、前記回転砥石を圧延ロールの軸方向へ移動させる
    砥石移動装置と、前記回転砥石を圧延ロールの軸直角方
    向に移動させる砥石送り装置とを備え、前記カップ型の
    回転砥石は前記平面状の端面と円筒形の側面の両方に砥
    粒層を有することを特徴とする型鋼圧延機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のオンラインロール研削装
    置を備えた型鋼圧延機において、前記カップ型の回転砥
    石は、前記砥粒層をそれぞれ取付けた平面状の端面と円
    筒形の側面を持つカップ型の台金を有し、この台金の端
    面部と側面部の両方に弾性体機能を持たせたことを特徴
    とする型鋼圧延機。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のオンラインロール研削装
    置に備えた型鋼圧延機において、前記カップ型の台金の
    側面部と端面部の両方及びこれら側面部及び端面部に取
    り付けた砥粒層に回転砥石の外周から中心に向かい放射
    状の複数のスリットを形成し、前記弾性体機能を持たせ
    たことを特徴とする型鋼圧延機。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のオンラインロール研削装
    置に備えた型鋼圧延機において、前記回転砥石の砥石回
    転軸を圧延ロールの軸直角方向に対して微小に傾け、圧
    延ロールの円筒面を研削するとき前記回転砥石の端面側
    砥粒層の片側のみを接触させ研削することを特徴とする
    型鋼圧延機。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のオンラインロール研削装
    置に備えた型鋼圧延機において、前記回転砥石の平面状
    の端面と円筒形の側面が有する砥粒層は立法晶窒化硼素
    又はダイアモンド砥粒で構成することを特徴とする型鋼
    圧延機。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のオンラインロール研削装
    置に備えた型鋼圧延機において、前記砥石送り装置はバ
    ックラッシュのないボールねじと位置制御可能な電動モ
    ータとを含むことを特徴とするオンラインロール研削装
    置を備えた型鋼圧延機。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のオンラインロール研削装
    置に備えた型鋼圧延機において、前記オンラインロール
    研削装置は、前記回転砥石を支える砥石回転軸の回転砥
    石と反対側の位置に設置されたロードセルを更に備え、
    このロードセルにて圧延ロールへの回転砥石の押付け力
    と、回転砥石の側面が圧延ロールの側面と接した時に発
    生する研削振動を検出することを特徴とする型鋼圧延
    機。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のオンラインロール研削装
    置に備えた型鋼圧延機において、前記オンラインロール
    研削装置は、前記回転砥石と圧延ロールが接触した瞬間
    を認識し圧延ロールの円筒面及び側面の基準点を求める
    第1手段と、前記第1手段で求めた基準点に予め設定し
    たイニシャルロールプロファイルデータを噛み合わせ、
    研削すべき圧延ロールの基準ロールプロファイルを求め
    る第2手段とを更に備えることを特徴とするオンライン
    ロール研削装置を備えた型鋼圧延機。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のオンラインロール研削装
    置に備えた型鋼圧延機において、前記第1手段は、前記
    回転砥石を支える砥石回転軸の軸力を検出する負荷検出
    手段を含み、この負荷検出手段の信号に基づき前記回転
    砥石と圧延ロールが接触した瞬間を認識することを特徴
    とするオンラインロール研削装置を備えた型鋼圧延機。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のオンラインロール研削
    装置に備えた型鋼圧延機において、前記第1手段は、前
    記砥石駆動装置のモータ負荷を検出する負荷検出手段を
    含み、この負荷検出手段の信号に基づき前記回転砥石と
    圧延ロールが接触した瞬間を認識することを特徴とする
    オンラインロール研削装置を備えた型鋼圧延機。
  11. 【請求項11】 請求項8記載のオンラインロール研削
    装置に備えた型鋼圧延機において、前記オンラインロー
    ル研削装置は、前記第2手段で求めた圧延ロールの基準
    ロールプロファイルに従って前記回転砥石が移動するよ
    う前記砥石移動装置及び砥石送り装置を駆動する第3手
    段を更に備え、この第3手段により前記回転砥石を位置
    制御で移動しながら圧延ロールを研削することを特徴と
    するオンラインロール研削装置を備えた型鋼圧延機。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のオンラインロール研
    削装置に備えた型鋼圧延機において、前記オンラインロ
    ール研削装置は、前記第3手段により位置制御で研削中
    に、前記砥石駆動装置のモータの負荷が許容負荷を超え
    たとき、前記回転砥石が圧延ロールから逃げるように前
    記砥石移動装置と砥石送り装置を制御する第4手段を更
    に備えることを特徴とするオンラインロール研削装置を
    備えた型鋼圧延機。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のオンラインロール研削
    装置に備えた型鋼圧延機において、前記オンラインロー
    ル研削装置は、前記カップ型の回転砥石、砥石駆動装
    置、砥石移動装置及び砥石送り装置を含むロール研削ユ
    ニットを有し、このロール研削ユニットを圧延ロール1
    本に対し1個設けることを特徴とするオンラインロール
    研削装置を備えた型鋼圧延機。
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