JP2660182B2 - GaAs半導体装置の製造方法 - Google Patents

GaAs半導体装置の製造方法

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JP2660182B2 JP5037349A JP3734993A JP2660182B2 JP 2660182 B2 JP2660182 B2 JP 2660182B2 JP 5037349 A JP5037349 A JP 5037349A JP 3734993 A JP3734993 A JP 3734993A JP 2660182 B2 JP2660182 B2 JP 2660182B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は特に単分子層単位の寸法
を有した微細構造の化合物半導体装置の製造方法に関
し、特に、半導体基板における化合物半導体固有の結晶
欠陥や、表面状態の欠陥を克服して高品質の化合物半導
体装置を製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】半導体装置を微細化するメリットはいろ
いろあるが、微細構造の半導体装置を製造するには非常
に困難が伴う。縦型静電誘導トランジスタや三次元デバ
イスのように縦方向の寸法精度は横方向の寸法に対し比
較的制御が簡単で、熱拡散深さの制御を用いれば、高価
な電子線リソグラフィーもしくはX線リソグラフィーを
用いる必要が無くなる。 【0003】しかしながら、熱拡散による制御はイオン
注入し、その後アニールするという工程を用いてもせい
ぜい0.3μm程度であり、それ以下の制御は非常に困
難である。後述するようなn−n−p−i−n
ような多層構造による複雑でしかも微細な不純物プロフ
ァイルを熱拡散で制御するにはほとんど不可能である。
なぜなら、イオン注入は現在、熱拡散に比べて低温で不
純物を導入できるという利点があるが、低温で打ち込ん
だだけでは電気的に活性にならないからである。バイポ
ーラトランジスタのエミッタ領域や静電誘導トランジス
タのソース領域等にはできるだけ多くの不純物を導入
し、できるだけエミッタ領域やソース領域の抵抗を下げ
ることが、超高速デバイスの必要とする条件であるが、
単に不純物イオンを打ち込んだだけでは電気的に活性に
ならず、必ず高温でのアニールが必要で、例えばSiに
75Asイオンを打ち込んだ場合1000℃、10分
程度のアニールが必要となる。1000℃、10分間の
アニールは75Asイオンのある程度の活性化を図る
ことができるが、高速に加速したイオンを打ち込んだこ
とによるダメージの除去にはまだ不十分である。化合物
半導体であるGaAsに室温でSeイオンを打ち込ん
だ場合は活性化しにくく、同様に1000℃程度による
アニールが必要であるが、GaAsの場合、Asが蒸発
しやすいのでAs圧を印加しながらアニールする等の複
雑な工程が更に必要になり、このような工程を追加して
も通常1000℃程度の高温でアニールすると表面が荒
れ、微細加工を要求されるデバイスには使用が困難にな
り、また、拡散層が不均一になり、耐圧が悪くなり、P
−N接合の特性が極めて悪くなるなどの欠点がある。 【0004】一方、超高真空中で蒸着することにより、
結晶成長を行なう分子線エピタキシー法(以下、MBE
法と呼ぶ)が、超格子デバイス等縦型構造の半導体装置
に適用されつつあるが、物理吸着を第一段階としている
ために結晶性が悪く、結晶性を良くするためには、高温
で成長する必要があるという第1の欠点、および、蒸発
量の制御で膜厚制御しているため、原子層の精度で膜厚
を制御するのが困難であるという第2の欠点がある。ま
た、化合物半導体の場合には、化学量論的組成の制御
が、各成分元素を同時に蒸着しているため困難であると
いう第3の欠点がある。 【0005】これに対し、T.Suntolaが、特開
昭51−77589号公報で説明している原子層エピタ
キシー法(以下、ALE法と呼ぶ)は、MBE法を改良
して半導体元素のそれぞれをパルス状に交互に供給し、
基板に交互に付着させ、原子層に近い精度で膜厚を制御
でき、また、化学量論的組成の制御が比較的容易である
利点はあるが、MBE法の延長であり、MBEと同様
に、結晶性が良くない。また、同書第4頁右下欄第15
行目〜第18行目に記載のように、現在超LSI等の半
導体装置の主力であるSiのような元素半導体は原理的
に成長不可能である。特開昭55−130896号公報
および日経エレクトロニクス(1981年11月9日
号)第86頁〜91頁にはこのALE法を改良して、分
子層を吸着し、表面での化学反応を利用したALE法が
示されてはいるが、ZnSの多結晶、Taのアモ
ルファスの薄膜の成長であり、単結晶成長技術とはなっ
ていないため、高精度の高再現性が要求される半導体デ
バイスの製造方法としての適用が困難である欠点があっ
た。 【0006】半導体産業の今日の発展はまさに単結晶技
術を基礎としているためであると言って良い。化学反応
を利用したALE法においては、特開昭55−1308
96号公報に記載のようにキャリアガス等の不活性ガス
を用いてガス相拡散バリアを用いないと、交換表面反応
の反応工程の分離が出来ず、ALE法の長所を消してし
まう欠点がある。 【0007】また特開昭55−130896号公報等に
記載されたALE法においてはGaClやTMGとい
った蒸気圧の低い原料ガスを成長槽内に矩形パルス状の
圧力特性で導入して、交換表面反応を実現できないた
め、III−V族化合物半導体が成長できない本質的な
欠点がある。かろうじて成長できるII−VI族化合物
半導体も交換表面反応が不十分で、1サイクル当り1/
3分子層といった小さな値しか実現できず、自己停止機
構による成長とはならない欠点がある。 【0008】このように、イオン注入を含めた熱拡散法
やMBEおよびALE法では確実に1分子層単位の成長
精度を要求される複雑な不純物プロファイルを有した単
結晶による微細構造の高品質な半導体装置が得られない
欠点があった。 【0009】更に、基板もしくは成長しようとする下層
領域の表面状態が悪い場合あるいは基板表面に0.5〜
3nmの薄い自然酸化膜が形成されている場合、初期の
ガス導入サイクルにおいて結晶が成長しない不都合が生
じ、後述するMLE法のガス導入サイクル数の計測に誤
差が生じ、本来のMLE法の膜厚制御性が発揮されない
欠点があった(MLE法とは、図1を用いて後述する
が、分子層エピタキシャル成長(olecular
ayer pitaxy)法の略称である)。特
に、GaAsのような化合物半導体の場合は硫酸(H
SO)等により表面が激しくエッチングされるため、
Siのように強酸中で基板の表面洗浄ができない欠点を
内在している。したがってGaAsの表面の洗浄度はS
iに比べて極めて悪い問題点があった。また機械的強度
もGaAsのようなIII−V賊化合物半導体は弱く、
超音波洗浄の超音波のパワーを高くすると基板が割れて
しまうので、十分な表面洗浄ができない欠点があった。
更にSiの場合は1000℃以上で数分、超高真空中の
加熱を行なうと、表面の自然酸化膜が除去できるが、G
aAsの場合は600℃以上での加熱によりAsが真空
中に飛び出し、その結果Gaが過剰となり表面にGaが
ボール状に飛び出して来るので、真空中での加熱による
自然酸化膜は困難であるという問題があった。Asが飛
び出す量は激しいので、基板の重量測定によっても観測
できる程度のものである。 【0010】更に分子層単位の超薄膜を成長しているの
で、基板に欠陥が含まれていたり、基板と成長層界面に
欠陥が生じると、これらの欠陥がMLE成長層にまで引
き継がれ、成長層の移動度が低下したりリーク電流の原
因になる欠点があった。特に、現在の技術レベルでは化
合物半導体の結晶性はSiに比べて極めて悪く、欠陥密
度等はSiより1桁〜2桁多い。したがって分子層オー
ダーの薄膜の成長においては、基板の欠陥の影響は容易
に成長層に及ぶので、良質な化合物半導体の薄膜は得ら
れないという問題があった。更にこの上、前述したよう
に基板の表面の洗浄等も十分にできないので、化合物半
導体の分子層オーダーの成長は極めて再現性に乏しく、
かつ困難であった。更に、半導体装置の製造方法におい
ては、複雑な種々の工程が組み合わさり行なわれるの
で、分子層オーダーの成長の前に高温の工程が必要な場
合があり、蒸気圧成分の高い一方の元素が基板表面から
飛び出してしまい基板表面が荒れ、結晶性が悪くなると
いう化合物半導体の半導体装置製造プロセス特有の問題
点があった。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の欠点を除き、完全性の優れた化合物半導体の単結晶を
分子層単位の寸法精度で成功させることにより、微細構
造で、しかも高品質な化合物半導体装置が製造できる方
法を提供することを目的とする。 【0012】本発明の別の目的は基板とエピタキシャル
成長層界面の欠陥の少ない高品質な化合物半導体装置の
製造方法を提供することである。 【0013】本発明の更に別の目的は、基板表面の汚染
や自然酸化膜の除去が不十分であることに起因して、M
LE法のガス導入サイクルの初期のサイクルにおいて成
長しない不都合が生じても、本質的に化合物半導体装置
の構造に影響を与えないバッファー層を成長してから、
重要な寸法の多層構造を成長することにより、正確に分
子層数で設計できる超高速半導体装置の製造方法を提供
することである。 【0014】本発明の更に別の目的は、化合物半導体特
有の基板の結晶欠陥や基板成長層界面の欠陥が半導体装
置の動作に影響を与えない化合物半導体装置の製造方法
を提供することである。 【0015】 【課題を解決するための手段】このため本発明は、Ga
As半導体基板の表面に選択成長用のマスク材を形成
し、マスク材の窓部として露出させたGaAs半導体基
板の少なくとも一部に第1導電型高不純物密度の第1
の半導体領域を形成する第1の工程と、GaAs半導体
基板を成長槽内に配置し、分子層エピタキシャル成長法
により、GaAs半導体の成分元素をそれぞれ含む少な
とも2種類の活性な原料ガスを10 −1 〜10 −4
aなる圧力範囲でGaAs半導体基板の表面に交互に
入して800℃以下で交換表面反応を実現し、交換表面
反応と同時に第1導電型となるドーパントガスをGa
As半導体基板に導入し、第1の半導体領域の上部に連
続して第1の半導体領域と同じ導電型であって同程度の
不純物密度を有する第2の半導体領域であるバッファー
層領域を分子層単位で形成する第2の工程と、分子層エ
ピタキシャル成長法による第2の工程に連続してこの
第2の工程で形成したバッファー層を大気にさらすこと
なく、第3の半導体領域を第2の半導体領域に連続して
分子層単位で形成する第3の工程とを備える構成とし
。 【0016】 【作用】上述した本発明によれば、GaAs半導体固有
の結晶欠陥や、表面欠陥、表面酸化膜の問題が有効に解
決される。通常、第1の工程では高温の工程がなされ
る。したがって第1の工程でGaAs半導体の表面は荒
れる。その上GaAs半導体は本質的には基板そのもの
が欠陥が多いが、第2の工程でGaAs半導体の基板と
同じ電導型でほぼ同程度で抵抗率(不純物密度)のバッ
ファーエピタキシャル層を形成してから第3の工程以降
の所望のエピタキシャル成長を行なうことにより、基板
や基板と成長層界面の欠陥の影響をバッファーエピタキ
シャル層内にとどめ主動作領域の移動度等の結晶性を向
上させることが出来る。 【0017】また、本発明の特徴によれば、n−n
−p−i−n構造等の複雑なGaAs半導体のエピタ
キシャル成長を第2の工程に連続して同一の成長槽内で
連続的に行ない、それぞれの界面での自然酸化膜や欠陥
の発生を防ぐと共に、その結晶性を向上させ、GaAs
半導体装置の性能を高めている。したがって、Siの場
合のように真空中の熱処理で自然酸化膜を除去できなく
ても良好なGaAs半導体が成長できる。同様にGaA
s半導体の表面洗浄が困難である問題も、第2の工程で
GaAs半導体装置の本質的な寸法に無関係なGaAs
半導体のバッファー層を成長させてから、第3の工程以
降の所望の連続エピタキシャル成長をすることにより、
解決している。したがって、GaAs半導体基板の表面
状態による膜厚制御性の低下を防ぎ、連続多層成長の初
期のガス導入サイクルにおける成長が生じない場合にお
いても単分子層単位の寸法を有した分子層数で設計され
るGaAs半導体装置の実現を可能になる。 【0018】 【実施例】第1図は本発明の工程の一部に使用するML
E法およびPMLE法を説明するための図で、結晶成長
装置の一例を示したものである。説明の都合上Siの場
合で説明するが、導入ガスを変更すれば化合物半導体の
場合も同様である。1はステンレス等の金属製の成長
槽、2はゲートバルブ、3は成長槽1内を超高真空に排
気するための排気装置、4はSiHCl(ジクロル
シラン)を供給するガス源、5はそのSiHCl
化学反応するHを供給するガス源、6はn型ドーパン
トガスAsH(アルシン)を供給するガス源、7,
8,9はそれらのガスを成長槽1内に導入あるいは遮断
するバルブで、ガス源およびバルブは全て成長槽1の外
部に配置されている。10,11,12はそれらのガス
を基板13上に供給するノズル、14は基板13を保持
するサセプタ、15は成長槽1内の真空度を測る圧力計
である。16は赤外線ランプ、18は石英ガラスであ
る。19は光学系、20は水銀ランプ、重水素ランプ、
Xeランプ、エキシマレーザ、Arレーザ等の光源であ
る。 【0019】この構成で、Si単結晶の成長は以下のよ
うに行なう。即ち、基板13をサセプタ14上に設置
し、成長槽1内を真空度10−7Pa(パスカル)以下
に排気する。しかる後に、赤外線ランプ16により基板
13を800℃に加熱する。バルブ7と9を開け、Si
を含んだガス状分子SiHCl4とSiに対するn
形ドーパントであるAsを含んだガス状分子AsH
を同時にノズル10と12より導入する。このとき成長
槽1内の圧力が10−1〜10−4Paになる範囲で、
ガスを0.5〜50秒間導入する。その後、バルブ7と
9を閉じ、成長槽1内を真空排気する。次に、バルブ8
を開け、Hガス5をノズル11より10−2〜10
−4Paの圧力で1〜25秒間導入する。しかる後、バ
ルブ8を閉じ成長槽1内を真空排気する。このガス導
入、排気の1サイクルにより、基板13の表面上の交換
表面反応が実現され基板13上にはSiの単結晶が一分
子層形成される。ノズルを用いているので、基板表面に
のみ有効にガスが供給され、基板表面以外の部分へのガ
スのまわり込みや成長槽内壁に吸着したガスの再放出も
ない。また、ガス源やバルブ等も全て成長槽の外部に配
置されているので、ガスのまわり込みや再放出がない。
従って、ガス導入と真空排気のみで基板表面での交換表
面反応が実現するのである。すなわち基板13がSi
(100)面の場合、1サイクル当り0.136nm
(1.36Å)成長し、Si(111)面の場合、0.
157nm(1.57Å)成長する。この成長は自己停
止機構を有した成長であり、ガス導入圧力を増して行き
1分子層の飽和が開始する値以上の圧力を導入しても膜
厚は1分子層で一定である。すなわち飽和圧力範囲内で
あれば導入圧力の変動や、導入量の変動に依存しない成
長となる。このサイクルを繰り返すことにより所望の分
子層数のn形Si単結晶層が単分子層の単位で形成でき
る。GaAsの場合はTEGあるいはTMGとAsH
との交互ガス導入による交換表面反応もしくはGaCl
とAsHとの交互ガス導入による交換表面反応等に
よって実現できる。GaAsの場合はGaAs(10
0)面上では1サイクル当り0.286nm、GaAs
(111)面では0.326nm成長することになる。
このような単結晶成長法を以後MLE法と呼ぶ。 【0020】一方、上記の結晶成長サイクルを実行する
に際して光源20より光学系19を介して基板13上に
紫外光を照射する。すると、紫外光を照射しない場合に
比べて結晶の成長が促進され、基板温度を下げ、結晶性
を向上させることができるようになる。また、紫外光の
エネルギーで吸着種が活性化し基板表面上を有効に表面
泳動するので、基板表面に汚染や欠陥があっても有効に
一分子層吸着が実現できる。この光を照射しながら行な
う単結晶成長法を以下、PMLE法と呼ぶ。 【0021】このような単結晶成長法を用いてSiの縦
形UMOS−SITを製造する本発明の一実施例の方法
を第2図を参照して説明する。まず、ドレイン領域とな
る0.01Ωcm程度の抵抗率のN形シリコン領域10
1を通常の気相エピタキシャル成長により形成する(第
1の工程)。あるいは、この第1の工程によって形成さ
れるN形シリコン領域は、P形シリコン基板上に形成さ
れた埋め込み領域でも良いし、第2図(a)のように低
比抵抗のN形シリコン基板101そのものでもよい。半
導体装置の最終構造に応じて決定すればよいのである。
次に第2の工程としてシリコン基板をMLE成長の成長
槽(チャンバー)内に配置し、N形シリコン領域101
上にSiHClとH、およびドーパントガスとし
てAsHを用いたMLE法もしくはPMLE法により
800℃バッファー層となるN形シリコン領域101と
同じ抵抗率の0.01ΩcmのN形シリコン領域102
を0.3μm成長する。Si(100)基板上では0.
3μmは約2200サイクルに相当する。このうちの初
期の200サイクルが成長しなくて、実際にはバッファ
ー層が0.27μmになってしまっても、ここはドレイ
ン領域101と同じ導電型で同じ不純物密度(抵抗率)
であるので、UMOS−SITの動作には全く影響を与
えない。通常、第2の工程の直前までは大気中に基板が
さらされることがあり、基板表面に自然酸化膜が形成さ
れやすい。この自然酸化膜や、基板表面の欠陥のため、
MLE成長の初期のサイクルにおいて成長が起きない、
いわゆる空サイクルが生じても、バッファー層が存在す
るのでUMOS−SITの基本構造には全く影響を与え
ない。続いて、第3の工程として同図(b)に示すよう
にMLE法もしくはPMLE法により、200〜100
0ΩcmのN形シリコン領域103を0.2μm、ドー
パントガスを用いないで750℃で成長させる。同じ成
長槽内で大気にさらされずにバッファー層に連続して成
長するので、自然酸化膜も生せず、また表面状態も良好
となっているので、成長しないサイクルも無くなり、第
3の工程の膜厚は設計通りの分子層数となる。更に続い
て第4の工程としてP形ドーパントガスBを用い
てMLE法もしくはPMLE法により0.05ΩcmP
形シリコン領域104を750℃、で0.08μm形成
する。続いて2種類のN形ドーバントガスAsHとP
の周期的導入によるMLE法もしくはPMLE法に
より0.002Ωcmのソース領域となるN形シリコン
領域105を720℃で0.3μm成長させる。 【0022】以上のように第2の工程以降を同一チャン
バー(成長槽)内で、800℃以下の低温で、nバッ
ファー層102、n領域103、p領域104、n
領域105が連続的に成長されその後チャンバーより取
り出される。続いて、当業者周知のフォトレジスト塗布
によるリソグラフィ技術により、フォトレジストマスク
をしてSiをエッチングして同図(c)に示すように開
孔部Aを形成する。開孔部Aの深さは図示したよりも深
くnバッファー層102までもしくは基板101まで
達して良い。SiエッチングはCClもしくはP
Clによるプラズマエッチングでも良いが望ましくは
光エッチが良い。続いて、同図(d)に示すように80
0℃でゲート酸化膜106を10nmの厚みに形成し、
更にCVD法により600℃でAsをドープした多結晶
シリコン107を350nm形成する。続いて、同図
(e)に示すように通常のリソグラフィ技術およびドラ
イエッチング技術により、ゲート電極となる部分のみの
多結晶シリコン107を残し、他は除去する。続いて、
同図(f)に示すように350℃でSiO膜108を
350nmCVDし、同図(g)に示すように、ソース
コンタクトホールBを開孔後、A1を真空蒸着し、同図
(h)に示すようにソース電極部110およびドレイン
電極部111を形成することにより、UMOS−SIT
が完成する。 【0023】なお、n領域103のMLE法もしくは
PMLE法による成長を省略しても良い。この場合、第
2の工程で形成したnバッファー層102の上に直接
p領域104が第3の工程で形成されることとなる。n
接合のように導電型の変化する場合はn
合やn接合の場合に比して界面の欠陥の影響が大
きいので、nバッファー層102がより重要となる。
また、第3図に示すようにp領域104とn領域10
5の間に、n領域104′をMLE法もしくはPML
E法で形成すれば、ソース接合容量が減少して更に良
い。即ち、第3の工程で形成する第3の半導体領域の不
純物密度や導電型は、半導体装置の最終構造に応じて決
定すればよい。第3の半導体領域は、p層、n層からな
る多層構造でもよいのである。 【0024】また、第4図に示すように開孔部AはV形
でも良いことは勿論である。 【0025】また、第2図ではゲート電極107として
Asをドープした多結晶シリコンで説明したが、W(タ
ングステン)やMo(モリブテン)のような高融点金属
の方がゲートの抵抗が小さくなり望ましい。 【0026】ところで、MLE法はMBE法やALE法
と異なり、選択エピ成長が可能である特徴を有する。 【0027】第5図はこの選択MLE法によるUMOS
−SITを製造する場合の工程を示したものである。ま
ずn基板101上にSiO膜141とSiN膜14
2をCVD法で形成した後、通常のフォトリソグラフィ
技術およびエッチング技術により、第5図(a)に示す
ように、選択成長用のマスク材を形成する(第1の工程
の前段工程)。その後、同図(b)に示すように、n
基板101のままでも良いが、場合によってはn基板
101の露出部に第1の工程の後段工程としてn埋め
込み領域を形成する。次いで、n基板101を成長槽
内に配置し第1図と同様にMLE法により、n基板1
01もしくはn埋め込み領域と同程度の不純物密度の
n形バッファー層102をn基板101の露出部に形
成する(第2の工程)。更に続けて103〜105の領
域を連続的に形成する。マスク材142の上には多結晶
Si等の析出は全く生じない。同図(c)は、マスク材
のSiN膜142、SiO膜141およびSi膜11
5,114,113をエッチングしてU溝を形成した断
面を示している。マスク材142,141の上に析出が
ないので、このエッチングは極めて容易である。その後
は、前述した第2図と同様な工程で、同図(d)に示
す、UMOS−SITが完成する。第5図(a)のフォ
トリソグラフィ工程や、n埋め込み領域を形成する工
程は基板を大気中にさらすことが多い。したがって、自
然酸化膜等が基板表面に形成され、その結果第2図の場
合と同様にバッファー層102の厚みが設計値よりも薄
くなる不都合が生じても、UMOS−SITの動作には
全く影響を与えない。103〜105の各領域は大気に
さらされずに連続して成長するので、成長しないガス導
入サイクルは無く、設計値通りの分子層数が得られる。
選択エピのマスク材としては前記のSiN膜とSiO
膜の複合膜で無くとも良く、SiO膜のみもしくはS
iN膜のみでも良く、Al等の他の材料でも良い
のは勿論である。 【0028】第6図(a)〜(c)は本発明による集積
回路製造法の一例を示すものである。同図(a)は第1
の工程の前段工程により選択成長用マスク材のSiN膜
142SiO膜141が形成され、更に、P基板15
1の表面にn埋め込み領域152が第1の工程の後段
工程により形成された断面を示す。このn埋め込み領
域152の形成はPOClを用いた950〜1050
℃での熱拡散や、31もしくは75Asのイオン
注入およびその後の活性化アニール等の周知の技術によ
り形成すれば良い。GaAsの場合は32もしくは
79Seのイオン注入およびその後の活性化アニール
という、GaAsプロセスで周知の方法を用いればよ
い。この場合、通常アニール時にGaAs表面が荒れる
という化合物半導体固有の問題が生じるが、本発明では
次のように行なうことにより、表面荒れの問題が半導体
装置の特性に悪影響を与えないようにできる。すなわ
ち、その後のP基板151をMLE成長の成長槽内に配
置し、MLE成長を行う。同図(b)は142,141
をマスク材としてMLE法により、n埋め込み領域と
同程度の不純物密度のnバッファー層102が第2の
工程により形成され、更に続いて、n領域103、p
領域104、n領域105が連続的に形成された(第
3の工程)断面である。その後P基板151を成長槽か
ら取り出し、第5図と同様にエッチングや電極形成を行
うと同図(c)に示した完成図となる。 【0029】第7図(a)〜(c)は本発明によるバイ
ポーラトランジスタの製造法の一例を示す。第2図
(a)および(b)と同様な工程でn基板101の上
にn基板101と同程度の不純物密度のnバッファ
ー層102、n領域103、Pベース領域104、n
エミッタ領域105をMLE法で形成する。次いで、
第7図(a)に示すように、表面の一部をPベース領域
104まで達する切り込み部160を形成し、その後S
iO膜161をCVD法により形成し、ベースコンタ
クトホールを開ける。その後、B(ボロン)をドープし
た多結晶シリコン162をCVD法により形成し、フォ
トリソグラフィ技術およびエッチング技術によりベース
電極部を形成した断面が同図(b)である。更に、エミ
ッタコンタクトホールを開け、Alを蒸着し、フォトリ
ソグラフィでAlをエッチングし、エミッタ電極163
を形成すれば、同図(c)に示すようなバイポーラトラ
ンジスタが得られる。 【0030】尚、以上の例ではnチャンネルMOS−S
ITおよびnpnバイポーラトランジスタについて説明
したが導電型を逆にしてPチャンネルでも良く、pnp
バイポーラトランジスタでも良いことは勿論である。ま
た、Siデバイスで説明したがSiデバイスに限らず、
Geでも良く、更に本発明の対象であるGaAs、In
PもしくはInGaAs等の化合物半導体でも良いこと
も勿論であり、InPの場合第2図の酸化膜106を光
励起SiOCVDで形成すれば良好な絶縁ゲートSI
Tが製造でき、また特にGaAsの場合、第2図の酸化
膜106に相当する部分をGaAsよりも禁制帯幅の大
きなAlGaAs層もしくはZnSe層で形成すれば絶
縁ゲート型SITが製造できる。第2図の酸化膜106
に相当する部分をnGaAs層およびその上のP
aAs層の2層構造とすればpn接合型GaAsSIT
が製造できる。また、異なる種類の半導体の連続エピ成
長を行い、たとえば第7図で101〜104をGaA
s、105をGaAlAsで形成すれば、周知のヘテロ
接合バイポーラトランジスタを更に微細化した構造が実
現できる。更に3種類の半導体を連続エピ成長しダブル
・ヘテロ接合を形成して良いことも、もちろんである。
またヘテロ接合による超格子を形成しても良い。第6図
で102〜105をGaAsとする時は、基板151と
して半絶縁性基板を用いることはもちろんである。 【0031】更に、上述のSi,Ge,GaAs以外の
他の既知の元素および化合物半導体物質を有利に使用で
きる。また、Se,Si,S,Zn等はGaAsに対し
て良く知られたドーパントであるけれども、他の既知の
N型およびP型ドーパントをそれらに対して代替するこ
とができるのは勿論である。また、説明中の数値は一例
であり、変更しても何らかまわない。 【0032】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、図1に示
したようなノズルを介して基板表面のみに原料ガスが供
給できるので、TMG等の蒸気圧の高いガスを用いても
交換表面反応が実現される。したがって、従来不可能で
あった交換表面反応によるGaAs半導体の分子層単位
の成長が可能となる。さらに以上のように本発明によれ
ば、埋め込み領域形成等の初期の工程終了後最初に基板
もしくは埋め込み領域と同じ導電型の同じ不純物密度の
エピタキシャル成長によるバッファー層形成をMLE法
で行なって、その後は大気にさらさず次々と所望の構造
の単結晶成長層を連続的にMLE法で形成させるように
したので、特にGaAs半導体特有の基板の欠陥の影響
およびGaAs半導体特有の基板洗浄の困難性等に起因
する基板と成長層との界面の欠陥の影響をバッファー層
内にとどめることにより、主動作領域に対しては除去す
ることができる。さらに本発明によれば、光照射によ
り、低温で連続エピタキシャル成長が可能なため、Ga
As半導体の蒸気圧の高い一方の元素が基板表面から離
脱する問題も生じず、単分子層単位の寸法を有する微細
かつ複雑な不純物プロファイルが実現でき、化学量論的
組成のずれのない高品質の半導体装置が製造できるよう
になる。さらに本発明によれば、基板もしくは埋め込み
領域と同じ導電型で同じ不純物密度のバッファー層形成
を最初に行うので、基板もしくは埋め込み領域とバッフ
ァー層界面の欠陥は発生しにくくなる利点を有する。し
たがって、Siの場合のように真空中で高温熱処理する
ことによる自然酸化膜除去が不可能であっても、界面の
欠陥は発生しにくくなる。また本発明によれば半導体装
置の構造に本質的に影響の無いバッファー層を形成して
から、重要な寸法精度を有する多層構造を成長させてい
るので、たとえ、バッファー層成長時の初期のガス導入
サイクルにおいて成長しないサイクルが存在しても半導
体装置の本質的な寸法や動作には全く影響を与えない利
点を有する。したがって分子層数で構造が設計される超
高速GaAs半導体装置が容易にしかも正確に製造でき
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の半導体装置の製造方法に使用する結晶
成長装置の構成図。 【図2】本発明の第1実施例を示すUMOS−SITの
製造過程説明図。 【図3】本発明の第2実施例を示すUMOS−SITの
構造説明図。 【図4】本発明の第3実施例を示すUMOS−SITの
構造説明図。 【図5】本発明の第4実施例を示すUMOS−SITの
製造過程説明図。 【図6】本発明の第5実施例を示す集積回路の製造過程
説明図。 【図7】本発明の第6実施例を示すバイポーラトランジ
スタの製造過程説明図。 【符号の説明】 1 成長槽 2 ゲートバルブ 3 排気装置 4,5,6 ガス源 7,8,9 バルブ 10,11,12 ノズル 13 基板 14 サセプタ 15 圧力計 16 赤外線ランプ 18 石英ガラス 19 光学系 20 光源 101 N形シリコン基板 102 N形シリコンバッファ層 152 n埋め込み領域
フロントページの続き (56)参考文献 応用物理、第53巻第6号(1984年)社 団法人応用物理学会発行、原子層エピタ キシャル法による結晶成長、P.516 (54)−520(58)、西澤潤一

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.GaAs半導体基板の表面に選択成長用のマスク材
    を形成し、このマスク材の窓部として露出させたGaA
    s半導体基板の表面の少なくとも一部に、第1導電型高
    不純物密度の第1の半導体領域を形成する第1の工程
    と、 前記GaAs半導体基板を成長槽内に配置し、分子層エ
    ピタキシャル成長法により、Ga成分を含む活性な原料
    ガスとAs成分を含む活性な原料ガスを前記GaAs半
    導体基板の表面に圧力として10−1〜10−4Paの
    範囲で交互に導入して800℃以下で交換表面反応を実
    現し、該交換表面反応と同時に第1導電型となるドー
    パントガスを前記GaAs半導体基板に導入し、前記第
    1の半導体領域の上部に連続して第1の半導体領域と同
    じ導電型であって同程度の不純物密度を有する第2の半
    導体領域であるバッファー層領域を分子層単位で形成す
    第2の工程と、前記分子層エピタキシャル成長法による 第2の工程に連
    続して第3の半導体領域を前記第2の半導体領域に連
    続して分子層単位で形成する第3の工程とを少なく
    含むことを特徴とするGaAs半導体装置の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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応用物理、第53巻第6号(1984年)社団法人応用物理学会発行、原子層エピタキシャル法による結晶成長、P.516(54)−520(58)、西澤潤一

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