JP3268080B2 - コンクリート製プレキャスト床版 - Google Patents

コンクリート製プレキャスト床版

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JP3268080B2 JP22760293A JP22760293A JP3268080B2 JP 3268080 B2 JP3268080 B2 JP 3268080B2 JP 22760293 A JP22760293 A JP 22760293A JP 22760293 A JP22760293 A JP 22760293A JP 3268080 B2 JP3268080 B2 JP 3268080B2
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石川島建材工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、橋梁の桁方向に連設す
ることにより、床を形成するコンクリート製プレキャス
ト床版に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、この種の床版としては、図4に示すように、多数の
ジベル1…が上方に突設された矩形板状の薄鋼板2の上
に、鉄筋3を配設してコンクリート4を打設し、薄鋼板
2とコンクリート4とを一体化させた構成のものがあ
る。
【0003】しかしながら、前記のような床版の場合、
上面から鉄筋3までの間のいわゆるカブリ(d)が必ず
必要となるので薄型に形成することが困難であった。こ
の問題は例えば橋梁の場合であると厚みが大きくなるほ
か、重量も大きくなるので橋脚等の部材も大型化する必
要があり、コストが上昇するといった問題を招くことに
なる。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、薄型化が可能ながらも強度を損なうことがなく橋梁
等に好適なコンクリート製プレキャスト床版を提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであって、請求項1は、平板
状の鋼製の底板と、該底板に互いに間隔をあけて立設さ
れた複数のスタッドジベルと、該スタッドジベルの先端
部に固定されて前記底板からやや離間した平面上におい
て、複数本を所定間隔離間して互いに平行に配設された
鋼製の帯板と、底板と帯板との間にこれら底板および帯
板と平行に架設されたメッシュと、底板と帯板との間に
打設充填されたコンクリートとを備えてなることを特徴
としている。
【0006】また請求項2は、床版の底面の位置に互い
に平行として複数本並設された鋼製の帯板と、該帯板に
互いに間隔をあけて立設された複数のスタッドジベル
と、該スタッドジベルの先端部に固定されて前記帯板か
らやや離間して設けられ床版の上面を覆う鋼製の上底板
と、該上底板と帯板との間にこれら上底板および帯板と
平行に架設されたメッシュと、上底板と帯板との間に打
設充填されたコンクリートとを備えてなることを特徴と
している。
【0007】
【作用】請求項1記載のコンクリート製プレキャスト床
版によれば、底板とメッシュとコンクリートと帯板とが
応力を発揮して曲げ荷重を支持する。構造上、帯板はコ
ンクリートの表面に位置し、かつ帯板上のカブリを不要
とするので、軽量化および強度の向上が図られる。
【0008】請求項2記載のコンクリート製プレキャス
ト床版によれば、強度的には請求項1記載のコンクリー
ト製プレキャスト床版と同様の作用を有するとともに、
上底板が床版上面を覆っているので、内部への雨水等の
浸入が防止される。
【0009】
【実施例】以下、図1および図2を参照して本発明の第
1実施例を説明する。図中符号10は第1実施例のコン
クリート製プレキャスト床版(以下、単に床版と称す
る)、11は底板、12は帯板、13はスタッドジベ
ル、14はメッシュ、15はコンクリート、16はパイ
プジベルである。
【0010】床版10は、長方形版状であって、平板状
の鋼製の底板11と、該底板11からやや離間した平面
上において、複数本を所定間隔離間して互いに平行に配
設された鋼製の帯板12と、これら底板11と帯板12
との間に平行に架設されたメッシュ14と、底板11と
帯板12との間に打設充填されたコンクリート15とを
備えてなっている。
【0011】底板11は、床版10の面方向と等しい形
状の長方形平板であって、均等間隔をおいて配されたス
タッドジベル13が帯板12側の面に多数垂設されてい
る。帯板12は、長尺な帯状であって、複数が床版10
の幅方向に均等配置されかつそれぞれが底板11の長さ
方向に平行に配設されている。前記スタッドジベル13
は、鋼製の筒体又はロッド状の部材であって、各帯板1
2の長さ方向に沿って多数均等配置され、かつ帯板12
および底板11の互いに対向する側の面に接して帯板1
2と床板11とを一定間隔に保持している。
【0012】メッシュ14は、床版10の長さ方向に沿
って配設された主筋17と、床版10の幅方向に沿って
配設された配力筋18とを互いに固定して構成されてい
る。主筋17は、床版10の幅方向に多数均等配置さ
れ、それぞれ配力筋18の上面に架設状態で固定されて
いる。配力筋18は、床版10の幅方向に多数均等配置
され、それぞれ、スタッドジベル13の帯板12の側端
部に溶接することにより底板11および帯板12の設置
面と平行に配設されている。
【0013】コンクリート15は、底板11と帯板12
との間に打設充填され、スタッドジベル13とメッシュ
14とパイプジベル16とを埋設状態として互いに一体
化している。コンクリート15は、帯板12の外面と面
一の表面を形成している。パイプジベル16は、中空円
筒鋼管であって、底板11における帯板12側表面に垂
直に溶接されている。パイプジベル16の溶接位置は、
互いに隣接する4本のスタッドジベル13で形成される
四角形の中心である。
【0014】以下、上記床版10の作用および効果を説
明する。床版10は、底板11に加えて帯板12が配さ
れているので、外形が同等であっても、図4に示した従
来の床版に比して、軽量で、しかも、荷重に対する耐力
が高い。すなわち、底板11の反対側に複数の帯板12
がコンクリート15の表面に配されているので両面にコ
ンクリート15のカブリが不要となり、したがって薄型
化が可能ながらも、特に断面2次モーメントに耐力の向
上が図られる。さらに、帯板12は帯状であるので、厚
さを増大させれば曲げに対する抵抗力を一層効果的に向
上させることができ、しかも、鋼材の使用に伴うコスト
の上昇も低く抑さえることができる。
【0015】これらのことから、床版10は、帯板12
の作用により軽量化や強度の向上が可能なので、例えば
橋梁に適用することにより、その橋梁の床版厚が縮小さ
れるとともに荷重を支持する橋脚等の構造材を簡易化で
き、その結果、施工能率の向上や施工コストの低減が可
能となる。
【0016】図3は本発明の第2実施例の床版20を示
しており、この床版20は、先の第1実施例における床
版10を上下逆にした構成であり、床版10における底
板11が、上底板21として構成される。
【0017】この床版20によれば、第1実施例の床版
10と同様の作用効果を奏するとともに、上面が上底板
21で覆われることになるので、内部への雨水等の浸入
が防止されて侵入水によるクラック幅の増大が抑えら
れ、これによって寿命が延びるとともに、メンテナンス
等のコストが低減するといった優れた効果を発揮する。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
および請求項2のコンクリート製プレキャスト床版によ
れば、コンクリートを確実に一体化させるとともに、メ
ッシュや帯板を設けることにより、軽量化が促進されな
がらも強度の向上が図られ、特に薄型化が可能で橋梁等
に好適であるといった優れた効果を奏する。また、特に
請求項2の床版においては、上面が上底板で覆われるこ
とにより内部への雨水等の浸入が防止されて侵入水によ
るクラック幅の増大が抑えられ、これによって寿命が延
びるとともにメンテナンス等のコストが低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の一部斜視図である。
【図2】同実施例の断面図である。
【図3】本発明の第2実施例の断面図である。
【図4】従来の床版を示す側断面図である。
【符号の説明】
10、20 床版 11 底板 12 帯板 14 メッシュ 15 コンクリート 20 床版 21 上底板
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−228710(JP,A) 特開 平2−232405(JP,A) 実開 昭60−27122(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01D 19/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数接合されて橋梁等の路面版を構成す
    るコンクリート製プレキャスト床版であって、 平板状の鋼製の底板と、該底板に互いに間隔をあけて立
    設された複数のスタッドジベルと、該スタッドジベルの
    先端部に固定されて前記底板からやや離間した平面上に
    おいて、複数本を所定間隔離間して互いに平行に配設さ
    れた鋼製の帯板と、底板と帯板との間にこれら底板およ
    び帯板と平行に架設されたメッシュと、底板と帯板との
    間に打設充填されたコンクリートとを備えてなることを
    特徴とするコンクリート製プレキャスト床版。
  2. 【請求項2】 多数接合されて橋梁等の路面版を構成す
    るコンクリート製プレキャスト床版であって、 床版の底面の位置に互いに平行として複数本並設された
    鋼製の帯板と、該帯板に互いに間隔をあけて立設された
    複数のスタッドジベルと、該スタッドジベルの先端部に
    固定されて前記帯板からやや離間して設けられ床版の上
    面を覆う鋼製の上底板と、該上底板と帯板との間にこれ
    ら上底板および帯板と平行に架設されたメッシュと、上
    底板と帯板との間に打設充填されたコンクリートとを備
    えてなることを特徴とするコンクリート製プレキャスト
    床版。
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