JP2659136B2 - 両親媒性分子を有効に充填かつ制御放出するリポソーム - Google Patents

両親媒性分子を有効に充填かつ制御放出するリポソーム

Info

Publication number
JP2659136B2
JP2659136B2 JP1253682A JP25368289A JP2659136B2 JP 2659136 B2 JP2659136 B2 JP 2659136B2 JP 1253682 A JP1253682 A JP 1253682A JP 25368289 A JP25368289 A JP 25368289A JP 2659136 B2 JP2659136 B2 JP 2659136B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liposome
liposomes
gradient
drug
ammonium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1253682A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02196713A (ja
Inventor
バレンホルツ ヤチェズケル
ハラーン ギラド
Original Assignee
イッサム リサーチ デベロップメント カンパニー オブ ザ ヒーブルー ユニバーシティー オブ エルサレム
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イッサム リサーチ デベロップメント カンパニー オブ ザ ヒーブルー ユニバーシティー オブ エルサレム filed Critical イッサム リサーチ デベロップメント カンパニー オブ ザ ヒーブルー ユニバーシティー オブ エルサレム
Publication of JPH02196713A publication Critical patent/JPH02196713A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2659136B2 publication Critical patent/JP2659136B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • A61K49/22Echographic preparations; Ultrasound imaging preparations ; Optoacoustic imaging preparations
    • A61K49/222Echographic preparations; Ultrasound imaging preparations ; Optoacoustic imaging preparations characterised by a special physical form, e.g. emulsions, liposomes
    • A61K49/227Liposomes, lipoprotein vesicles, e.g. LDL or HDL lipoproteins, micelles, e.g. phospholipidic or polymeric
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/127Liposomes
    • A61K9/1277Processes for preparing; Proliposomes
    • A61K9/1278Post-loading, e.g. by ion or pH gradient
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S436/00Chemistry: analytical and immunological testing
    • Y10S436/829Liposomes, e.g. encapsulation
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2982Particulate matter [e.g., sphere, flake, etc.]
    • Y10T428/2984Microcapsule with fluid core [includes liposome]

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,トランスメンブラン勾配を利用して,両親
媒性薬剤や化学薬品をリポソームに効率よく充填するた
めの,簡単で,効率のよい,安全で,経済的で,迅速な
改良されたトランスメンブラン充填法に関する。両親媒
性薬剤を充填して得られたリポソームは,安定かつ安全
である。この方法は,リポソームに封入された薬剤の緩
徐放出にも同様に利用できる。
(従来の技術) 近年,製薬科学によって,新規な製剤要素として,脂
質を基材にした担持媒体であるリポソームが開発され
た。最近,通常のリポソーム類もしくはリン脂質のリポ
ソーム類が,広範囲の化合物の治療活性を改良し,簡便
な薬剤放出系を提供する製薬剤として急速に受け入れら
れるようになっている。リポソームによる薬剤放出系
は,Cancer Res.,43:4730(1983);Pharmacol.Rev.,3
6:277−336(1984);Liposomes as Drug Carriers,Gre
goriadis,G.編集,Wiley,ニューヨーク(1988)に詳細な
総説が記載されている。
リポソームは,非経口的,経口的,局所的,および吸
入による,薬剤の投与に適切な放出用媒体である。リポ
ソームは,配合法を改良し,放出持続性を与え,治療比
率を改善し,各投与後の治療活性を延長し,頻繁な投与
の必要性を減らし,薬剤の必要量および/または粘膜組
織などの組織が吸収する量を減らす。
薬剤のリポソームへの充填量が,薬剤の効力の尺度で
あることが証明されている。充填量が少なければ,活性
薬剤が大きく失われ,リポソームを薬学的媒体として使
うことが不経済になる。近年,リポソームに,薬剤と生
物物質とを充填する各種方法のシステム開発に少なから
ぬ努力がなされている(Pharmacol.Rev.,36:277−336
(1984);Liposomes as Drug Carriers,Gregoriadis,
G.編集,Wiley,ニューヨーク(1988))。
これまで,リポソームに薬剤を充填する方法は,いく
つも開発されている。最も単純な薬剤充填法は,脂質成
分を中和することによって,乾燥した脂質膜に,水溶性
薬剤を受動的に封入する方法である。この方法の充填効
率は,リポソームの封入体積と,リポソームを製造する
のに用いる脂質の量とによって決まるので,一般に低い
Chem.Phys.Lipids,40:333−345(1986);およびMeth
ods in Biochemical Analysis,33:337(1988))。この
方法の欠点は,低い封入性,不均一な大きさ,および押
出しもしくは音波処理のような二次的処理工程が必要な
ことである。薬剤をリポソームに受動的に封入する方法
の改良が,脱水・再水和法を利用することによって達成
された。この方法は,予め形成されたリポソームを薬剤
の水溶液に添加し,得られた混合物を,凍結乾燥もしく
は蒸発させるか,または多重ラメラ小胞の凍結・解凍を
繰り返して行う凍結・解凍処理法で脱水することによっ
て,水和を改良し充填量を増大させる方法である。この
方法の欠点は,不均一な大きさ,標準化が困難なこと,
および低い再現性である。
リポソームに薬剤を高い効率で封入することは,高濃
度の脂質を用いかつ脂質成分の特別な組合せによって実
施できる。例えば,両親媒性アミンのドキソルビシン
は,負の電荷を有するリポソームメンブランには一層よ
い効率で封入することができる(Cancer Res.,42:4734
−4739(1982))。しかし,一般に,この薬剤充填法に
は問題点が残っている。
リポソームへの薬剤充填の効率は,薬剤の化学的性質
にも依存している。一般に,水溶性もしくは脂質に溶解
性の薬剤は処理が容易である。その理由は,脂質に溶解
性の化合物は,リポソーム形成中,脂質二重層内に容易
に取り込まれ,水溶性の化合物は,リポソームの内側に
向いているホスホリピドの極性基を持つ頭部(polar he
ad group)と相互作用してリポソーム内に隔離されるか
らである。他方,両親媒性化合物は,脂質二重層を急速
に透過し,結合しないのでリポソーム内に保持すること
は最も難しい。両親媒性分子をリポソームに充填する方
法として提案された方法が,Chem.Phys.Lipids,40:333
−345(1986)に記載されているが,この方法は,イオ
ンpH勾配に対応して薬剤を充填する方法であって,リポ
ソーム内部のpHが外部の媒体のpHより低い場合に,両親
媒性薬剤をリポソーム内に蓄積する方法である。
1986年6月16日付で出願された国際特許出願PCT/US87
/01401号(国際公開番号WO87/07530)には,制御された
pHの水性環境で製造され,次いで比較的強い酸性pHかま
たは比較的強い塩基性pHの溶媒体に暴露されたイオン化
可能な脂質もしくはイオン化可能なタンパクを含有する
非対称的リポソーム小胞が記載されている。
J.Biol.Chem.,260:802−808(1985)に記載されてい
る両親媒性薬剤の充填法は,トランスメンブランNa+/K+
勾配を利用する方法である。局所麻酔剤であるジブカイ
ンの充填の改良が認められたのは,ナトリウムとカリウ
ムとの両イオンが使用された場合だけであり,ナトリウ
ム/カリウムの勾配をバリノマイシンと組み合わせて使
用した場合に,約52%の充填が達成された。バリノマイ
シンは,殺虫剤,殺線虫剤,殺菌剤,およびイオン透過
担体として周知のものであるから,薬剤処方物への添加
剤として望ましいものではない。抗新生物薬のリポソー
ム小胞への受動封入法が,Biochem.Biophys.Acta.,816:
294−302(1985)に記載されているが,これはバリノマ
イシン依存性のK+の拡散電位に応答して薬剤を小胞に取
り込むのを利用する方法である。
リポソーム小胞に両親媒性薬剤のアドリアマイシンを
充填する他の方法が,Biochem.Biophys.Acta.,857:123
−126(1985)に記載されているが,pH勾配に応答してリ
ポソームにアドリアマイシンを取り込む方法である。こ
の方法は非生理学的に酸性のpH下と,強塩基であるKOH
の存在下と(両方とも脂質の加水分解を起こす)で行わ
れることを除けば,充填はかなり効率的に行われるよう
である。また,得られたリポソーム−薬剤の小胞は不安
定であり,約24時間で薬剤がかなり漏出する。
1985年8月7日付で出願された国際特許出願PCT/US85
/01501号(国際公開番号WO86/01102)には,水性媒体に
溶解した場合に荷電状態で存在しうる脂質親和性のイオ
ン化可能な抗新生物薬を,トランスメンブラン電位によ
って受動充填することによって,抗新生物薬をリポソー
ムに封入する方法が記載されている。最初,低pH緩衝液
を(受動的に)封入し,次いで塩基を添加して外部のpH
を上昇させることによって,プロトンの勾配が形成され
る。トランスメンブラン電位は,バリノマイシンの存在
下,ナトリウム/カリウムの化学的勾配によって達成さ
れる。充填は温度依存性で,最高の結果は,60℃の温度
で得られる。
水溶性薬剤をリポソームに高封入度で充填する方法
が,細菌,米国特許第4,752,425号に記載されている。
しかし,この方法の欠点は,高い脂質濃度での受動封入
に基づいてないということである。
これらの方法すべての基本的な欠点は,リポソームの
脂質を低いpHの環境に長時間暴露し,そのため脂質の加
水分解をもたらし,リポソームからの薬剤の漏出が起こ
ること,充填に長時間と高温とが必要なこと,および安
定性の問題である。
(発明の要旨) 本発明は,リポソーム小胞のメンブランの両面間にア
ンモニウムイオン(NH4 +)の勾配を生成させることによ
って,リポソームへ薬剤を充填し,かつ薬剤を徐放する
ための単純で迅速,安定,経済的,安全,および効率の
よいシステムを提供するものである。このシステムは従
属的な方法ではない。すなわち,リポソーム製造法の全
部と,すべての種類のリポソームとを本発明を実施する
のに使用することができる。また,このシステムは,リ
ポソームのアンモニウムイオンの勾配を,超音波による
画像形成を促進する超音波エコー源性を有するCO2(hyp
erechogenic CO2)の起源として利用することによっ
て,超音波画像形成法を行うのに有用である。
本発明のある局面は,両親媒性薬剤をリポソームに充
填し,制御して徐放するのに用いる,単純で,安全,迅
速,安定,好効率,および経済的なアンモニウムトラン
スメンブラン勾配システムである。
本発明の他の局面は,両親媒性薬剤のリポソームへの
充填が,リポソーム小胞の内部と外部との水性相間のNH
4 +とpHとの勾配に依存するシステムである。そして,こ
れらの勾配は,リポソームをアンモニウム溶液内で形成
させ,次に得られたリポソームの外部水性相のアンモニ
ウムを除去するか,または希釈することによって形成さ
れ,その結果生成したアンモニウムの勾配によって,内
部水性相から外部水性相へ向かう中性アンモニアの流出
がおこり,従って内部水性相内にアンモニアが残したプ
ロトンが蓄積することによって外側から内側へ向かう逆
のpH勾配が形成される。脱プロトン化した両親媒性薬剤
は,pH勾配によって,リポソーム内に流入して流出した
アンモニウムに取って換わる。
本発明のさらに他の局面は,リポソームのアンモニウ
ム勾配を,超音波による画像形成用のCO2を発生させる
のに利用することである。
両親媒性薬剤をリポソームに有効に充填する本発明の
システムは,アンモニウム化合物またはアンモニウム塩
の存在下でリポソーム懸濁液を調製し,該懸濁液を緩衝
剤または塩で希釈して,内部水性相と外部水性相との間
に,内側から外側へ向かうアンモニウム勾配と,リポソ
ームの内側のpHが外側のpHより酸性側であるようなpH勾
配とを与えることを包含する。
両親媒性分子をリポソーム内に有効に充填する本発明
の方法は,(a)硫酸アンモニウムの存在下でリポソー
ムの懸濁液を調製すること;(b)該工程(a)で得ら
れた懸濁液の外部水性相を適切な塩もしくは緩衝剤で希
釈するか,またはアンモニアを除去することによって,
内側から外側へ向かうアンモニウム勾配と,外側から内
側へ向かうpH勾配とを形成させること;および(c)脱
プロトン化した両親媒性薬剤をリポソームの外側から内
側へ充填することを包含する。
本発明のリポソームとアンモニウム塩との懸濁液は,
リポソームの外側水性相を希釈するか,またはこの水性
相からアンモニウムを除去して,リポソームの内側水性
相から外側水性相へ向かうアンモニウム勾配を形成させ
ることによって,両親媒性薬剤をリポソームに充填する
のに適切であり,内側から外側へ向かう該アンモニウム
勾配によって,外側から内側へ向かうpH勾配が形成さ
れ,両親媒性薬剤がリポソーム内に充填される。
本発明の他のリポソームとアンモニウム塩との懸濁液
は,リポソームの内部水性相から外部水性相へ向かう逆
のpH勾配を形成することによって,両親媒性薬剤をリポ
ソームから放出するのに適切である。
本発明の両親媒性薬剤充填用のアンモニウムリポソー
ムは,塩または緩衝剤でリポソーム懸濁液のアンモニウ
ムを希釈するか,または除去することによって形成され
た,内側から外側へ向かうアンモニウム勾配を有する。
本発明の他のアンモニウムリポソームは,二酸化炭素
を発生し,該二酸化炭素を組織に放出して,超音波画像
形成法における超音波エコー源性を高めるのに適切であ
る。
(発明の構成) 調製物の詳細な説明 両親媒性薬剤をリポソームに充填し,次いで該薬剤を
リポソームから制御して放出する本発明の新規なシステ
ムは,リポソームの内部水性相と外部水性相との間にア
ンモニウムイオン(NH4 +)の勾配を形成させたことに基
づいたものである。このアンモニウムイオンの勾配は,
両親媒性分子の充填もしくは放出の所望の比率にしたが
って,外部水性相のアンモニウムイオンを除去するか,
もしくは希釈することによって形成される。このような
除去処理によって,内部相のアンモニウムイオンの濃度
が外部相より高くなる。リポソーム内の水性相のアンモ
ニウムイオンの濃度が高いと,内部媒体から外部媒体へ
と中性アンモニア分子(NH3)の拡散が起こる。リポソ
ームから流出するNH3分子毎に,1つのプロトンが残る。
このようにpH勾配が形成され,リポソームの内部水性相
は外部媒体よりも酸性になる。この勾配の大きさは,外
部(NH4 +)/内部(NH4 +)の比で測定される。
弱い両親媒性化合物は,リポソームの内部よりも高い
アルカリ性pHの外部相を有するシステムが形成されたな
らば,通常は透過できないメンブランでも通過できるは
ずである。このようなシステムは,自然に平衡化しよう
とする。すなわち,内側と外側とのpHが同じになろうと
する。このようなpHの平衡化が可能かどうか,またはそ
の平衡化がどの位に速く起こるかは,リポソーム内部水
性相を外部水性相から隔てているメンブランの化学的特
性と,媒体の組成とによって決まる。リポソームは,そ
の脂質二重層によって,上記の平衡化に対して自然に抵
抗する最適のメンブランバリヤーを提供する。リポソー
ム自体は,硫酸アンモニウムのような適当な媒体中で形
成され,この媒体の一部が,ある程度リポソーム内に封
入され,ある内部pHを有する硫酸アンモニウム含有リポ
ソームを形成する。このpHは,リポソーム内部に充填さ
れた硫酸アンモニウムの量と,リポソーム外部の硫酸ア
ンモニウムの量との差によって決まる。この外部と内部
との量が同じならば,両方のpHは,硫酸アンモニウム溶
液のpHと同一か,または緩衝液が硫酸アンモニウムに添
加される場合は,緩衝液/硫酸アンモニウムのpHと同一
である。しかし,外部の硫酸アンモニウムが異なる塩
で,置換,希釈,もしくは交換されると,リポソームの
内部は,迅速に反応してpHを酸性側に変化させる。
リポソーム内で,硫酸アンモニウムは,硫酸アニオン
とアンモニウムカチオンに解離し,またこのカチオンは
さらに解離して中性のアンモニアとプロトン(H+)とに
なる。リポソームメンブランを自由に透過できる中性の
アンモニアは,本発明を実施する際,他の化合物,例え
ば両親媒性の脱プロトン化薬剤と交換することができ
る。このような薬はリポソーム内に浸透し,アンモニア
が脱離して残っている遊離のプロトンが,該薬剤と結合
する。このようにして薬剤は,プロトン化されてリポソ
ームの外へ透過せず,逆のpH勾配状態が起こると,リポ
ソーム内で,プロトンと脱プロトン化された薬剤とに解
離し,その結果リポソームから外に透過可能になる。
外部のアンモニウムイオン量を低下させることによっ
てリポソームの内部から外部に向かうアンモニウムイオ
ン勾配を形成すると,内部のアンモニウムイオンは,外
部に向かって透過してトランスメンブラン・アンモニウ
ム平衡に到達しようとし,その結果,アンモニアが排除
され,プロトンH+が残ることによって,pHの非平衡状態
が起こり,pHはリポソームの内部の方が小さくなる。こ
のようにして,リポソームメンブランを透過することが
可能であり,脱プロトン化できるいずれの入手しうる両
親媒性薬剤も充填できる。ある数のアンモニウム分子が
リポソームから離脱すると,同数の両親媒性薬剤分子
が,外部環境から供給されて,離脱したアンモニウム分
子に入れ換わってリポソームに入る。それ故に,脱プロ
トン化された形態で,リポソームメンブランを透過する
ことができ,外部環境に存在するいずれの薬剤も,上記
の方法によってリポソーム中に効率よく充填することが
できる。リポソーム内で薬剤はプロトン化され,そのた
めトラップされて漏出することができず,リポソーム内
に弱い両親媒性物質が蓄積される。アンモニウム勾配を
形成するシステムをスキーム1に示す。
このスキームに示す水酸化アンモニウムは,スキーム
1に従って,リポソーム内で解離して中性のアンモニア
とプロトンH+とになる,硫酸アンモニウム,炭酸アンモ
ニウム,炭酸水素アンモニウム,または他のアンモニウ
ム化合物で取り換えることができる。Mは,例えばスキ
ームに示す第一級アミノ基のような反応部位を有する両
親媒性分子である。
このようにして,かなりの測定可能な量の弱い両親媒
性薬剤をリポソームに充填することができ,充填量と充
填速度とを操作することができ,またリポソームからの
薬剤の放出も同じシステムで制御することができる。勾
配の安定性は,リポソームの脂質の組成と,脂質二重層
が無傷なことが関与する。形成されるpH勾配は,両親媒
性薬剤の,リポソームへの充填と,リポソームからの放
出との両方を制御するのに利用することができる。この
勾配は,両親媒性薬剤を充填する起プロトン力として作
用し,また逆に,薬剤を放出する力として作用する。
この方法は,他の類似の勾配充填法に対して次のよう
な改良点を示している。すなわち,本発明の方法は,特
別な化学薬剤や装置を必要としないので,簡単であり,
またリポソームに薬剤を充填するのに,ごく短時間しか
必要としないので迅速である。また,この方法は,脱水
などの保存法を用いる必要なしに,2週間以上安定な薬剤
充填リポソームを提供し,高いpHもしくは高温によって
起こる加水分解から脂質を保護し,また最も安価で容易
に入手しうる化学薬品と装置だけを使うので経済的であ
り,また強い酸もしくは塩基を必要とせずに中性の硫酸
アンモニウム勾配を利用する点で安全であり,遊離の薬
剤を余分に必要とすることに起因する損失なしで封入可
能な薬剤のほとんど100%をリポソームに封入できるの
で効率的である。
リポソームの内側と外側との間にpH勾配を形成するシ
ステムは,水酸化物のようなアンモニウム化合物,また
は硫酸アンモニウム,リン酸アンモニウム,炭酸アンモ
ニウム,炭酸水素アンモニウムのような塩をリポソーム
小胞内に封入し,外部の硫酸アンモニウムを,非透過性
のアニオンを有する異なる塩で交換することによるもの
である。適切な塩としては,硝酸塩,硫酸塩,リン酸
塩,炭酸塩,シアン酸塩,酢酸塩,安息香酸塩,臭化
物,炭酸水素塩などと,ナトリウム,カリウム,カルシ
ウム,リチウム,バリウム,マグネシウム,アルミニウ
ム,ニッケル,銅などの塩,臭化物,塩化物,ヨウ化
物,フッ化物などがあるが,塩化ナトリウムもしくは塩
化カリウムが好ましく,またリン酸緩衝剤,炭酸緩衝
剤,炭酸水素緩衝剤のように広く知られ,当該技術分野
で用いられている緩衝剤は,すべて本発明の方法に用い
ることができる。
当該技術分野で用いられ認められている方法,特に希
釈法,ゲル排除法,透析,透析濾過などで外部のアンモ
ニウムを有効に除去すると,このようにして形成された
内部のアンモニウムの勾配によって,リポソームから中
性のアンモニウムが直ちに放出されてリポソーム内にプ
ロトンが蓄積され,その結果,リポソーム内の水性相が
酸性になる。硫酸アンモニウムが解離した後,リポソー
ム内に残った水素イオンもしくは硫酸イオンは,高品質
の脂質を用いた場合,容易には漏出しない。さらに,適
正な試験条件が満たされれば,アンモニウムの勾配は少
なくとも2週間以上安定である。
この方法には,いくつもの利点がある。第1に,0.55
〜0.00055Mの硫酸アンモニウムを含有する溶液に,硫酸
アンモニウムと,塩化ナトリウムもしくは塩化カリウム
のような塩または炭酸,炭酸水素もしくはリン酸の緩衝
液とを異なる比率で含有する溶液で,硫酸アンモニウム
によるリポソーム懸濁液を希釈することによって,前記
勾配の大きさを制御できることである。このことは第1
図に示してある。希釈度によって,0〜4pH単位の範囲でp
Hの勾配を得ることができる。リポソームからのNH3イオ
ンの流出は,NH4の勾配によって決まる。勾配が大きい
程,pHは低くなり,NH3イオンの流出が速くなり,リポソ
ームに充填されるべき分子の流入が速くなる。硫酸アン
モニウムリポソーム:塩の比を操作することによって,
0.25pH単位のような小さな勾配の変化または3〜4のpH
単位のような大きな勾配の変化を得ることができる。あ
るいは,このシステムは,0.01〜1M,好ましくは0.05〜0.
15Mの範囲のより高いモル濃度もしくはより低いモル濃
度の硫酸アンモニウム溶液中のリポソームを用いること
によって,より大きいもくしはより小さいアンモニウム
勾配を得ることができ,その結果,より大きいもしくは
より小さいpH勾配が得られる。
上記の方法は,リポソームの製造法とは別個のもので
ある。したがって,リポソームは,脂質膜が薄いか厚い
かにかかわらず(薄い脂質膜が好ましい),脂質の水和
を含む溶媒注入法,逆相蒸発法,凍結乾燥,または凍結
と解凍とを繰り返すことによって,多重ラメラ小胞(ML
V)として作製することができる。この方法は,小さな
単ラメラ小胞(SUV),すなわち音波処理;フレンチ圧
力セルを用いてMLVを高圧下で小さな穴を通過させる処
理;エーテル類またはアルコール類のような溶媒を用い
る溶媒注入法によって製造される小さなリポソームを得
るのに,同様にうまく適用しかつ同様に利用できる。同
様に,この方法は,透析,カラムクロマトグラフィー,
バイオ・ビーズSM−2(bio−beads SM−2),逆相蒸
発法(REV)を用いて界面活性剤を除去するか,または
高圧押出によって中間の大きさの単ラメラ小胞を形成さ
せることによって製造される大きな単ラメラ小胞(LU
V),安定な多ラメラ小胞〔stable plurilamellar vesi
cle(SPLV)〕もしくはオリゴラメラ小胞(OLV)を得る
ために適用される(Methods in Biochemical Analysis,
33:337(1988))。当該技術分野で知られている,これ
らおよび他のリポソーム製造法は,本発明を実施するの
に有用である。これらの方法は,米国特許第4,235,871
号,第4,241,046号,第4,529,561号,第4,737,323号,
および第4,752,425号に開示されており,これらの特許
は,本願に援用する。
本発明の方法を用いてリポソームに充填できる薬剤
は,弱塩基性もしくは弱酸性の部分を有するすべての弱
い両親媒性化合物であり,数ある中で次のようなものが
含まれる。すなわち,ドキソルビシン,エピルビシン,
ダウノルビシン,カルシノマイシン,N−アセチルアドリ
アマイシン,リビダゾン,5−イミドダウノマイシン,N−
アセチルダウノマイシン,すべてのアントラシリン薬
剤,ダウノリリン,プロプラノロール,ペンタミジン,
ジブカイン,テトラカイン,プロカイン,クロルプロマ
ジン,ヒンブラスチン,ビンクリスチン,マイトマイシ
ンC,ピロカルピン,フィゾスチグミン,ネオスチグミ
ン,クロロキン,アモジアキン,クロログアニド,プリ
マキン,メフロキン,キニーネ,プリジノル,プロジピ
ン,ベンズトロピン・メシルレート,塩酸トリヘキシフ
ェニジル,プロプラノール,チモロール,ピンドロー
ル,キナクリン,ベナドリル,プロメタジン,ドパミ
ン,セロトニン,エピネフリン,コデイン,メペリジ
ン,メタドン,モルフィン,アトロピン,デシクロミ
ン,メチキセン,プロパンテリン,イミプラミン,アミ
トリプチリン,デキセピン,デシプラミン,キニジン,
プロプラノロール,リドカイン,クロルプロマジン,プ
ロメタジン,ペルフェナジン,アクリジン・オレンジ,
プロスタグランジン,フルオレセイン,カルボキシフル
オレセイン,およびこれらの化合物に類似の他の分子で
ある。
pHによる充填法は,過去に発表されているが,本発明
の新規なシステムは,他の方法に対して,いくつもの独
特の利点がある。簡単なリポソームの希釈によって前記
勾配を容易に制御する性能は,独特の利点であるが,こ
の種の薬剤放出システムの新規な特徴である。充填率は
予想可能であり,達成される最終の薬剤濃度は,充填さ
れる物質のpK値と,薬剤の化学的修飾によって改変でき
るその脂質/水分配係数から測定されるその疎水性とに
よって決まる。本発明の薬剤充填法は,迅速かつ容易で
高性能の装置や特別の化学薬品を必要とせず,すなわち
2種の緩衝液さえも必要としない。
過去に用いられた他の類似のシステムを凌駕する主要
な進歩性は,リポソームを充填前に,その内面だけを,
ごく短時間,低pHに暴露し,次いで充填と放出とを37℃
で行うことができるという方法でアンモニウムの勾配を
形成することである。このことは,リポソームの外部環
境が変化すると,アンモニアが漏出し,内部水性相のpH
が低下するが,外部水性相のpHは変化しないということ
に起因している。薬剤を充填中,特に充填開始時,薬剤
が急激に流入すると,pHが部分的に急速に上昇し,その
ためリポソームの低pHへの曝露が低下する。このこと
は,脂質小胞の安定性にとっては重要な結果である。そ
の理由は,リン脂質類を酸性の低pHに,長時間,暴露す
ると,その分解をもたらすからである。
本発明の他の重要な特徴は,リポソーム薬剤が安定な
ことである。本発明のシステムを用い,リポソームの脂
質組成物を設計することによって,リポソーム薬剤の安
定性は著しく改善される。これは,薬剤の充填と放出と
を37℃で行うことによるものである。このことは非常に
重要である。なぜならば,4℃で数週間もの間にわたる貯
蔵中に,薬剤がごく低い速度でしか漏出しないというこ
とが見出されたからである。他方,高温の約50℃では,
薬剤がかなり漏出した。また,薬剤のリポソームからの
漏出は,リポソームの脂質組成物に依存し,EPC/コレス
テロールの製剤は,例えばDPPC/コレステロール小胞よ
りも大きな速度で漏出する。これらの結果を表4に示
す。リポソームからの漏出速度は,使用するリン脂質の
選択と,コレステロールのレベルとによって制御するこ
とができる。例えば,転移温度が56℃のDSPCを添加する
と,広範囲の温度にわたって漏出による放出が減少す
る。DPPGは両親媒性薬剤と特定の複合体を形成するが,
これを添加すると,やはり異なる放出速度が得られる。
本発明のシステムの表1に示す他の重要な利点は,非
常に多重の薬剤を,リポソーム内に,イオン透過担体を
添加したり,それが存在することなしで,充填する性能
である。このシステムは,3単位より大きいpH勾配をほと
んど瞬間的に自ら形成するので,弱塩基が,少なくとも
1:1000の比率で小胞の内部と外部とに分配されている。
というのは,この分配は,外部と内部とにおけるNH4 +
比率に対して1次で依存しているからである。この比率
は,充填中の薬剤の濃度と,水溶液中の薬剤の溶解度と
に依存している。外部媒体中の薬剤の濃度を最適化し,
最初の充填封入時に高濃度のアンモニウムを封入する方
法でアンモニウムリポソームを製造することによって,
充填効率をほとんど100%に到達させることができる。
この場合,リポソーム中の薬剤/脂質の比は,薬剤が過
剰に依存している場合より低い。
本発明のシステムで利用できるリポソームは,種々の
小胞形成脂質で製造される。その脂質としては,リン脂
質類のような二脂肪族鎖脂質類;ジグリセリド類;二脂
肪族糖脂質;スフィンゴミエリンやグリコスフィンゴリ
ピドのような単一脂質類;コレステロールおよびその誘
導体が挙げられ,これらの単独もしくは組み合わせ,お
よび/またはリポソームメンブラン硬化剤を用いるか,
もしくは用いずに利用される。
本願で定義される「リン脂質類」には,ホスファチジ
ン酸(PA)とホスファチジルグリセロール(PG),ホス
ファチジルコリン(PC),ホスファチジルエタノールア
ミン(PE),ホスファチジルイノシトール(PI),ホス
ファチジルセリン(PS),プラスマローゲン類,ジパル
ミトイルホスファチジルコリン(DPSC)のようなホスフ
ァチジルコリンリピド誘導体,卵ホスファチジルコリン
(EPC),部分水素化卵ホスファチジルコリン(PHEP
C),ジステアリルホスファチジルコリン(DSPC),ホ
スファチジルグリセロール(PG)などが含まれる。これ
らのホスホリピド類は,完全に飽和されていてもよく,
または一部が水素化されていてもよい。これらは天然産
でも合成品でもよい。
本願で用いられる「糖脂質」という用語には,2つの脂
肪酸鎖を有し,その1つがスフィンゴシンの炭化水素鎖
であり,さらに1つまたはそれ以上の糖残基を有するよ
うな脂質類が含まれる。本発明を実施するのに適切な糖
脂質類の例には,セレブロシド類,ガラクトセレブロシ
ド類,グリコセレブロシド類,スフィンゴミエリン類,G
M1,スルファチド類,および極性基を持つ頭部として二
糖類や三糖類を有するスフィンゴリピド類,すなわちジ
ヘキソシド類およびトリヘキソシド類が含まれる。
本願で用いられる「ポリエチレンオキシド類」という
用語は,エチレンオキシドを重合させることによって製
造される分子量が500〜20,000のポリエーテル類を意味
する。その代表的なものは,ポリエチレングリコールで
ある。これらポリエチレンオキシド類,好ましくはグリ
コール類は,他の脂質類,特にリン脂質類と結合するの
に適切で,いわゆるPEGリポソーム類を形成する。これ
らのリポソームからなるメンブランは,リン脂質リポソ
ーム類だけで製造されたメンブランとは異なる性質を持
っている。ホスファチジルのシステムは,薬剤をこれら
のリポソーム類に充填するのに特に適切である。
大部分の小胞形成脂質類を形成するのに好ましい,リ
ン脂質類のような二脂肪族鎖の脂質類では,その脂肪族
鎖は,長さが少なくとも約12個の原子のものが好まし
く,最適なのは,約15〜24個の原子からなる長さのもの
である。この鎖は部分的もしくは実質的に飽和されてい
てもよく,また後者の場合は,各鎖が多くても1つの不
飽和結合を持っているにすぎないことを意味する。飽和
脂肪族鎖によって,リポソーム内に,より良好な脂質の
充填が起こり,その結果,酸化的/過酸化的な脂質の損
傷をなくすことにより,リポソーム処方物の安定性を顕
著に拡大する。このような酸化物損傷がないことは,ト
コフェロール,ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT),
もしくはビタミンEのような脂質親和性の遊離基捕獲剤
が存在しない場合でも認められ,これらと他の脂質保護
剤は,有効量で任意に添加することができる。同様に,
ステロイドタイプの脂質類をリポソーム類に含める場合
は,コレステロールおよびその類似物のような飽和物が
好ましい。
本発明のリポソーム組成物を製造するのに用いる脂質
は,電荷を持っていても,中性であってもよい。リポソ
ーム組成物の保持を促進するには,全リポソームの表面
が負に帯電しているのが好ましいので,中性もしくは負
に帯電した脂質が好ましい。
本発明の処方物に用いるのに好ましいEPC,DPPG,DPPC,
PHEPC,およびDSPCは,C12〜C22,好ましくはC16〜C20の各
種鎖長の,飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とのほぼ同量ずつ
で構成されている。脂質の酸化を減少させるために,使
用時には,主として多不飽和脂肪酸を水素化してモノ不
飽和脂肪酸にする。
リポソーム組成物は,さらに,コレステロール,コレ
ステリル・ヘミスクシネート,コレステリルスルフェー
ト,コレステリル,およびコレステロールの他の誘導体
を含有していてもよい。リポソーム組成物は,さらに,
少量の脂肪アルコール,脂肪酸,および/またはコレス
テロールエステル類,あるいは他の薬学的に容認可能で
あって,表面電荷,メンブランの流動性に影響しかつ薬
剤のリポソームへの取込みを増大させる賦形剤を含有さ
せて処方してもよい。
リポソームの調製 MLV,LUV,OLV,SUV,FTMLVおよびSPLVのリポソーム類を
調製した。これらはすべて,リン脂質類(PL),好まし
くはEPC,DPPC,DSPC,DSPGおよびPHEPCと,コレステロー
ルと(PL/CHOL;2/1;モル/モル),必要に応じて加えら
れた1〜10モル%のPEGとで構成されている。MLVは,Che
m.Phys.Lipids,1巻,225〜246頁,1967年とMethods in Bi
ochem.Anal.,33巻,337〜462頁,1988年,とに記載されて
いる薄層水和法で調製した。SPLVは,Biochemistry,24
巻,2833〜2842頁,1985年にしたがって,ジエチルエーテ
ルのような有機溶媒中で実施される脂質水和法で調製し
た。鉄イオンの影響またはドキソルビシンの分解および
脂質の過酸化を最少にするために,0.5mMのデスフェラル
が,米国特許第4,797,285号(本願に援用される)に記
載の手順にしたがって,リポソーム調製に用いられる全
水溶液に添加される。PEGPL,MLV,OLV,SUV,SPLVもしくは
FTMLVを含むすべてのタイプのリポソーム類が,この発
明の範囲内にあると考えられる。リポソームは,アンモ
ニウム溶液の存在下,適切な方法で調製するか,または
アンモニウムなしで予め作っておいて,次にアンモニウ
ム溶液に入れてまたはそのような環境下において調製さ
れる。あるいは,アンモニウムを,適切な封入法を用い
て,リポソームに封入してもよい。
リポソーム内NH4 +勾配の作成 リポソームは,リポソームの調製に一般に用いられて
いるいずれの方法でも調製することができる。一般に,
リポソーム調製に選択された脂質成分が1種以上存在す
る場合には,例えばホスファチジルコリンとコレステロ
ールの2:1の比率のような最適の比率でこれらを混合
し,有機溶媒に溶解させ,室温でエバポレートして乾固
させる。上記有機溶媒には,例えば,ジクロロメタン,
四塩化炭素,塩化エチレン,メチルクロロホルム,ベン
ゼン,トルエン,塩化エチル,塩化イソプロピル,クロ
ロベンゼン,ブロモベンゼン,フルオロベンゼンなどが
あり,好ましくはクロロホルムが用いられる。pHを生成
する系もしくは化合物,例えば硫酸アンモニウム,炭酸
アンモニウム,炭酸水素アンモニウム,水酸化アンモニ
ウムなどを,リポソーム内に適切な内部pHを生じさせる
量で,残留物である薄い脂質フィルムに加え,次いで,
デスフェラルまたは他のキレート化剤と,他の水溶性抗
酸化剤(例えば,可溶性ビタミンE,ビタミンC,グルタチ
オン,尿酸)とを安定化のために加える。あるいは,通
常用いられる親油性抗酸化剤がリポソーム形成中にリポ
ソーム膜に組込まれ,これが過酸化的損傷に対する保護
剤として働く。上記抗酸化剤としては,例えばブチル化
ヒドロキシアニソール,ブチル化ヒドロキシトルエン
(BHT),ブチル化ヒドロキシアセトン(BHA),α−ト
コフェロール,α−トコフェロールスクシナート,およ
びプロピルガラートがある。MLV,SUV,LUV,OLV,SPLV,FTM
LVなどのようなリポソーム類は,押出し法または音波処
理,均質化法などのようなその外の適切な方法で調製さ
れる。
硫酸アンモニウムリポソームの内部pH 例えば0.15MのNaClもしくはKCl溶液のような種々のイ
ソオスミック塩の溶液で予め平衡化したセファデックス
G−50に,リポソームを含有する硫酸アンモニウムを通
過させて,外側の硫酸アンモニウムのすべてもしくは一
部を有効に除去し塩化ナトリウムまたは塩化カリウムで
置換する。その結果,リポソームの内側と外側との間に
硫酸アンモニウムの勾配が生成する。中性のアンモニア
(NH3)はこのリポソーム膜を自由に通過できるので,pH
の勾配は,このようにして形成され,内部水性相が外部
よりも酸性になる。その原理を実施例1〜4で説明す
る。
pH勾配の存在を証明するために,リポソームの内部pH
を測定する2つの別々の測定法が用いられた。まず,ピ
ラニン(8−ヒドロキシ−1,3,6−ピレントリスルホナ
ート)をリポソーム内に封入して,その螢光強度を実施
例4にしたがって測定した。ピラニンの螢光強度はpH依
存性である。なぜなら,pK=7.2のピラニン分子の8−ヒ
ドロキシ基を滴定するとその吸光係数が明らかに変化す
るからである。実施例4の校正曲線は,リポソームの外
部媒体のpHを7.5の一定に保持し,リポソーム小胞内のp
Hを5.0〜7.5の範囲で変化させて作製した。曲線の左の
シフトは,小胞の外表面に静電気的に結合した少量のピ
ラニン染料によるものである。この校正曲線は,溶液を
希釈して硫酸アンモニウム:塩化カリウムの比率を低下
させた場合の,硫酸アンモニウムリポソームの内部pHの
変化を定量するのに用いた。硫酸アンモニウムの濃度の
外側:内側の種々の比率は,外側硫酸アンモニウムを種
々の塩で希釈して形成した。
硫酸アンモニウムリポソーム内に封入されたピラニン
の螢光強度の変化を,硫酸アンモニウムの外部対内部の
濃度の比率として第1図に示す。第1図は,硫酸アンモ
ニウムの外部/内部の濃度の比率を低下させると内部の
pHが下がることを示している。ピラニンを充填したリポ
ソームを,pH7.5の0.15M塩化カリウムで予め平衡化した
セファデックスG−50カラムを通過させた後に,ピラニ
ンの螢光は,リポソームの内部pHの変化が少なくとも3
単位であることを示している。曲線の矢印は,第1図へ
の挿入図からの硫酸アンモニウムリポソームの内部pHを
示す。挿入したグラフは,リポソームに封入されたピラ
ニンの螢光とリポソームの内部pHとの関係を示す校正曲
線である。さらにアンモニウムの勾配の存在を実証する
ために,アクリジン オレンジのような他の化合物を使
って上記したのと同じ試験を繰返した。細胞毒性薬剤の
アクリジン オレンジは両親媒性の弱塩基(pK=9.25)
であり,螢光を発する長所がある。硫酸アンモニウムリ
ポソーム内にピラニンを封入する代わりに,アクリジン
オレンジを含有する溶液にリポソームを添加した。リ
ポソームの水性相に分配し,実施例5に記載の試験計画
を利用して,上記の溶液の消光状態を監視し,第2図に
示した。
第2図は,リポソームの内側と外側との間の硫酸アン
モニウムの勾配の,アクリジン オレンジの螢光の消光
に対する影響を示す。挿入グラフは,試験の一例であ
る。アクリジン オレンジの螢光強度(F.I.)の百分率
を連続的に監視し(a)として示す。所定の時間(b)
において,リポソームを添加し消光を追跡した。定常状
態で,5μmのナイジェリシンを添加し〔(c)で示
す〕,消光の解除(release)の度合を,螢光強度に依
存する硫酸アンモニウム勾配を計算するのに用いた。試
験の詳細は実施例5に示す。
外部の硫酸アンモニウムが除去されたリポソームで
は,アクリジン オレンジは96.5%消光し,これはリポ
ソーム内部の水性区画が大きく酸性化していることを示
している。
リポソームのドキソルビシンによる充填 ドキソルビシンは,いくつかの物理特性がアクリジン
オレンジに類似した両親媒性薬物である。それはアミ
ノ基を有する両親媒性の弱塩基である(pK=8.25)。従
って,この薬物は,リポソームの内側と外側との間に生
じたpH勾配によって,リポソームの内部水性区画にドキ
ソルビシンを充填させる,アクリジン オレンジと類似
の性質を有する。この薬物を充填させるために,実施例
1〜3により形成された硫酸アンモニウムリポソーム
を,0.15M塩化ナトリウム溶液で予め平衡化したセファデ
ックスG−50カラムを通過させてpH勾配を作り,実施例
1C〜3Cの方法により,生理食塩水−デスフェラルによる
ドキソルビシン溶液に添加した。薬物取込みの動力学
を,第3図に示す。リポソームの2つの製剤を用いた。
その一方は,2:1のモル比のEPCおよびコレステロールに
より構成され,2番目は,2:1のモル比のDPPCおよびコレス
テロールにより構成される。
第3図は,ドキソルビシンの硫酸アンモニウムリポソ
ームへの充填の動力学を示す。この充填は,封入されて
いない外側のアンモニウムを,セファデックスG−50ゲ
ル排除クロマトグラフィで除いた後に開始した。ドキソ
ルビシンは,EPC/コレステロール・リポソームとともに2
5℃で所定時間インキュベートし あるいは別個にDPPC/コレステロール・リポソームとと
もに50℃で所定時間インキュベートした 加温終了後,取込まれていないドキソルビシンをダウエ
ックス50Wカラムに吸着させて除去し,次いでリン脂質
および薬物の濃度を測定してドキソルビシン/脂質比を
計算するのに用いた。
遊離の封入されていないドキソルビシン(DXR)を,
カチオン交換樹脂ダウエックス5WX−4(200〜400メッ
シュ)を用いてリポソーム・ドキソルビシン製剤から除
去した。上記の樹脂は,Biochem.Biophys.Acta,818巻,34
3−351頁,1985年に記載の方法を若干改変した方法によ
ってそのナトリウム塩の形で調製した。得られたダウエ
ックス樹脂をリポソーム・ドキソルビシン製剤に添加
し,室温で20分間ゆるやかに振盪した。上記保期間中,
正に帯電した遊離のドキソルビシンはこのダウエックス
樹脂に結合し,一方封入されたドキソルビシンは,負に
帯電したリポソームと結合して残る。ダウエックス樹脂
は,混合物を,5.0μmのナルジェン(Nalgene)濾過用
漏斗〔ナルゲ社(Nalge Company),米国,ニューヨー
ク州,ロチェスター〕で減圧濾過することによってリポ
ソーム・ドキソルビシンから除去された。ダウエックス
樹脂はデスフェラルに結合するので,ダウエックス樹脂
で遊離の薬物を除去した後,直ちに0.5mMの最終濃度で
デスフェラルを添加した。
第3図からわかるように,上記のプロセスは,最初の
1時間の速い相と,その後の遅い相との2相で構成さ
れ,後者の相は約24時間続く。DPPC/コレステロール・
リポソームに取込まれた薬物の量は,EPC/コレステロー
ル・リポソームに取込まれた量の2倍であった。内外の
pH勾配をもたない硫酸アンモニウムリポソームは,使用
した特定の脂質の分配係数と利用しうる内部体積とから
予想される程度にしか薬物を取込まなかった。最終の比
率は脂質の濃度に依存していた。
疎水性の度合の充填に対する影響 例えばアクリジンの誘導体のようなその他の両親媒性
弱塩基は,pH勾配に応答して,リポソームの内部水性相
に,ドキソルビシンより著しく速く分配される。ダウノ
ルビシンは,水酸基を欠いたドキソルビシンの同族体で
あり,従って,ドキソルビシンよりも疎水性であるが,
ダウノルビシンを充填したリポソームは,試験条件下
で,上記の傾向を有することが証明された。ダウノルビ
シン取込みの速度はドキソルビシンより高かったが,こ
れは恐らくダウノルビシンの疎水性が約10倍高いことに
よるものであり,その取込みは1時間未満で完了した。
リポソーム内のドキソルビシンの濃度 リポソーム内に充填された薬物の濃度を測定するため
に,小胞の内部の水性浸透体積を測定した。この測定
は,非測定的(non−measurable)放射性トレーサー3H
イヌリンを封入して行った。補足されなかったイヌリン
除去の前後のリン脂質1モルあたりの放射能を比較し,
これを,個々の実施例に記載された方法を用いて,封入
体積(trapped volume)を測定するのに利用した。得ら
れたデータから,2つの製剤,すなわちEPC/コレステロー
ルおよびDPPC/コレステロールの小胞の内部体積を計算
して表1に要約した。DPPC/コレステロール製剤の内部
封入体積は,EPC/コレステロール製剤のほとんど2倍
(つまり,後者の1.5ml/モルに対して2.7ml/モル)であ
った。これは,表1に示すように,これら2つのリポソ
ームの集団間の大きさの差と良好な相関関係を有してい
る。また,これら2つの製剤中のドキソルビシンの計算
平衡濃度を表1に示す。2つの製剤の内部のドキソルビ
シン濃度は,リポソームの大きさに差があるにもかかわ
らず,ほとんど同一であるが,先に述べた脂質比に対す
る薬物の差異を説明している。2種の小胞中のドキソル
ビシンの濃度が同一であるということは,システムがそ
の限界に達していることを示唆している。
リポソーム内でのドキソルビシンの凝集 リポソームへの薬物,の充填に際して出合うことが多
い問題の一つは,充填に限界があるということがあり,
すなわち薬物のある量しか充填できず,その限界に達し
たならば,薬物はリポソーム内で凝集体を形成すること
が多い。このことは,ドキソルビシンで最もよく示すこ
とができる。
約1μmより高い濃度では,ドキソルビシンは二重体
を形成し,高分子量の凝集体になるということは,すで
にBiochemistry,21巻,3927〜3932頁,1982年に記載され
ている。硫酸アンモニウムリポソーム内で達成される濃
度はこの限界をはるかに超えるので、この薬物の小胞内
での物理的状態を研究した。凝集によって変化する最も
単純なパラメータは,薬物の吸光スペクトルである。47
0nmの吸光度:550nmの吸光度の比率は,この薬物の凝集
状態の半定量的なパラメータを提供することができる。
表2に,ドキソルビシンの高濃度溶液についての上記の
比率と,ドキソルビシンが充填されたリポソームからの
同じパラメータについてのデータを示す。測定はパーキ
ン・エルマーλ3B型デュアルビーム分光光度系で実施し
た。リポソーム内の上記比率により,同じ脂質組成を用
い同じ方法で対照用に作製した“空”のリポソームすな
わちドキソルビシンを含有していないリポソームでは異
なるスペクトルが得られた。この方法を用いて,リポソ
ームの光の散乱が修正された。両方の場合において,薬
物がかなり凝集していることがデータから推測すること
ができる。しかし,このような凝集は、ドキソルビシン
のリポソームからの放出に全く悪影響を与えない。
封入されたドキソルビシンの螢光の研究を,溶液中の
遊離のドキソルビシンの螢光強度を,リポソームに封入
された薬物の螢光強度と平行してその濃度の関数として
研究することによって実施した。測定は,パーキン・エ
ルマーMPF−44分光螢光計で,励起/発光波長の470nmと
590nmとを用いて行った。ドキソルビシンは、表3に示
す濃度まで生理食塩水で希釈した。薬物の螢光は,約10
-5Mより高い濃度では消光することがわかった。この試
験は,各濃度ごとの螢光と,同じ溶液の10-6Mより低い
濃度に希釈したものの螢光を比較して行った。溶液の自
己消光の研究には,内部フィルター効果の問題がある。
表3でわかるように,リポソーム内のドキソルビシンの
螢光は,ほとんど100%消光される。これは,実施例1
〜4で作製したリポソームの螢光と,0.75M HClを10%含
有するイソプロパノールで10倍に希釈した後の同じ混合
物の螢光との差から算出した。このような溶液は,リポ
ソームを完全に可溶化するので,ドキソルビシンの濃度
は104倍以上希釈される。水中および酸性イソプロパノ
ール溶液中でのドキソルビシンの螢光の差の修正を,こ
れら2つの溶液における“遊離”の薬物の螢光の測定値
から推測して行った。少量の消光されていないドキソル
ビシンは,恐らく,小胞から漏出したいくらかの遊離の
薬物によるものである。
ドキソルビシンのリポソームからの漏出 この発明の重要な態様のひとつは,薬物のリポソーム
からの漏出である。この漏出は,速くて制御できない場
合または非常に遅い場合には,リポソームの薬物封入に
よって得られた利点を完全に打消してしまう場合があ
る。他方,この漏出を,時間的に制御して時間的に放出
ができれば,組織に対する薬物の放出において大きな利
点と改良とを達成することができる。
ドキソルビシンの螢光の自己消光性によって,リポソ
ームからのドキソルビシンの漏出を測定する直接的で容
易な方法が提供される。螢光強度の増大〔これはデクエ
ンチング(dequenching)の影響である〕を監視するこ
とによって,実施例6の方法に従って,放出された薬物
の正確な量を監視することができる。取込まれていない
ドキソルビシンを除去すると薬物の強い勾配が生成する
ので,ある程度の漏出は推定されることがわかるであろ
う。
表4および第4図は,前記2つのタイプのリポソーム
からの漏出速度に関するデータを示す。第4図はリポソ
ームからのドキソルビシンの漏出を示す。この図は,膜
に結合したドキソルビシンまたは水性相に封入されたド
キソルビシンを有する,リポソームからの漏出を比較し
ている。水性相に封入されたドキソルビシンを有するリ
ポソームは,DPPC/コレステロール(−・−・−)および
EPC/コレステロール(……)のリポソームを用いて,実
施例に記載されている硝酸アンモニウム充填法で調製し
た。膜に結合したタイプのリポソームは,(7/3/4;モル
/モル/モル)の比率のEPC/EPG/コレステロールで構成
され,痕跡量の3H−コレステアリルリノレアートを含有
しいる。
リポソーム(CO2発生体)内のアンモニウム勾配 本発明はまた,気体,特にCO2を超音波影像化用のハ
イパーエコージェニックエンハンサー(hyperechogenic
enhancer)として発生させるのに有用である。その方
法と結果を実施例9および第5図に示す。
CO2はハイパーエコージェニックであるので超音波影
像化用のエンハンサーとして作用する。CO2がλを標的
器官に形成することは,今まで困難であった。この発明
を利用する方法は,超音波影像化法で診断すべきヒトの
標的組織に,例えば炭酸水素アンモニウムを封入したリ
ポソームのようなアンモニウムリポソームを投与する方
法である。そのリポソーム内で,炭酸水素アンモニウム
は,アンモニウムカチオンと炭酸水素アニオンとに解離
し,前者のカチオンはさらに遊離水素のプロトンと中性
のアンモニアとに解離し,後者のアニオンは水と二酸化
炭素とに遊離する。次いで二酸化炭素と中性アンモニア
は,アンモニウム勾配によってリポソーム膜を透過す
る。このようにして,アンモニウムリポソームは,第5
図に示すに,組織内で二酸化炭素発生体として作用す
る。そのプロセスをスキーム2に示す。
この方法の主な長所は,リポソームが一定の組織を目
標に定めることが可能であり,またCO2放出のプロセス
が正しい時期わく内にあれば,リポソームが到着しうる
器官と組織の適切な影像エンハンサーになるということ
である。実際に,リポソームの水性区画を,アンモニウ
ム勾配によって酸性にすると,リポソーム内に封入され
たNH4HCO3からCO2にガスが発生する。NH4HCO3は,リポ
ソームを酸性にするのに用いられ,またCO2源として利
用される。この態様は,超音波影像の強化だけでなく,
ガスや他の化合物を制御して遠隔放出させることを要し
かつ通常の技術では近づけない部位を意のままに酸性化
する必要がある他のシステムにも用いることができる。
以下の実施例は,本発明の新規な方法を形成し利用す
る方法を示すが,本発明の範囲を限定するものではな
い。
有用性 本発明のシステムの主な有用性は,リポソームを充填
前のごく短時間だけその内表面のみ,低いpHに暴露しそ
の結果充填と放出を37℃で行うことができるという方法
で,2つの系(pHおよびアンモニウム)の勾配の示すを形
成することによって,両親媒性薬物を容易にかつ効率的
に,リポソームに充填し,またリポソームから放出する
ことである。充填および/または放出の速度は,勾配を
変えることによって容易に操作することができる。この
システムは生理学的に受容可能でかつ非毒性であり,ま
た両親媒性薬物を,その場でリポソームに充填するのに
適しており,例えば,血液循環系から過剰投与量の両親
媒性化合物を除去したりまたは診断影像化のためにその
場でCO2の集中を起こさせるのに有用である。リポソー
ムの低pHに対する短時間の暴露は,充分に許容できるこ
とであり,その結果,リポソームが低い酸性のpHに長期
間暴露されてリン脂質が分解するに至る場合に比べて,
脂質の分解するに至る場合に比べて,脂質小胞の安定性
が大きく改良される。pH勾配による効率的な薬物充填
は,適正に作製した脂質組成物と,両親媒性薬物のリポ
ソームからの所望の放出速度とで達成されるので上記の
ことは特に重要である。硫酸アンモニウムのリポソーム
は,マウスに投与された時に非毒性であることが見出さ
れ,毒性の徴候または毒性の起因する死亡を示さなかっ
た。
材 料 脂質類:卵ホスファチジルコリン(EPC)はAvanti Pola
r Lipids社(米国,アラバマ州,バーミンガム)から購
入し;95%EPCはアサヒ社(日本)から購入し;コレステ
ロールはSigma社(米国,ミズーリ州,セントルイス)
から入手し;ドキソルビシンはCarlo Erba社(イタリ
ー,ミラノ)から入手した。
pH指示薬:ピラニン(8−ヒドロキシピレン−1,3,6−
トリスルホナート)はMolecular Probes社(米国,オレ
ゴン州,オイゲン)から購入し;アクリジンオレンジは
Aldrich社から購入した。
ナイジェリシンはCalbiochem社(米国,カリフォルニ
ア州,マウンテン・ビュー)から購入し,ダウノルビシ
ンはSigma社から入手し,α−トコフェロールスクシナ
ートとDL−α−トコフェロール,セファデックスG−5
0,セファロース6B(Phamacia社製)およびダウエックス
50WX−4(200〜400メッシュ)(Dow Chemical社製)は
Sigma社から入手した。デスフェロキサミンメシル酸
(デスフェラル)はCiba Geigy社(スイス,バーゼル)
から入手し,ポリカーボネートフィルターはNucleopore
社(米国,カリフォルニア州,プレザントン)から入手
した。
実施例1 NH4 +勾配を有するEPC/コレステロールリポソームの調製 この実施例は,1.0より小さい,内側から外側への硫酸
アンモニウム勾配を有するEPC/コレステロールリポソー
ムの調製と,これらリポソームへの薬剤の充填を例示す
る。
A.リポソームの調製 5mlのクロロホルムに溶解した100mgのEPCを丸底フラ
スコに注入し,次いで25mgのコレステロールを添加し
た。減圧下でフラッシュエバポレータを用いてクロロホ
ルムを蒸発,乾固させた。フラスコの表面に生成した薄
い脂質フィルムに,0.5mMのデスフェラルを含有する0.11
M硫酸アンモニウムの水溶液5mlを添加し,約30分間激し
く振盪して,上記脂質を上記溶液中に分散させた。得ら
れた多重ラメラ小胞(MLV)を,Millipore濾過装置で,
アルゴンガスによる150psi(約1.0342×106Pa)の圧力
下,ステンレススチール製の押出しセルを用いて,0.4μ
mのNucleopore社のポリカーボネートフィルターを通し
て3回,および0.2μmのポリカーボネートフィルター
を通して3回押出した。この全工程は室温で実施した。
1985年12月6日に出願された米国特許出願第806,084号
(参考文献として本願に示されている)に記載の方法に
従って,劣化過程に対して脂質類とドキソルビシンを保
護するために,デスフェラルを添加した。
生成されたMLVは,直接使用してMLVと呼称されるか,
またはさらに加工され,凍結と解凍(freezing and tha
wing)によってFTMLVを提供するか,もしくは押出しに
よって押出しオリゴメラメ小胞(OLV)を提供する。
FTMLVは,Biochim.Biophys.Acta,817巻,193頁,1985年
にしたがって,液体空気と25℃の温度で凍結・解凍のサ
イクルを10回繰り返して上記のMLVから調製された。
押出しOLVは,150psi(約1.0342×106Pa)のアルゴン
ガスの圧力を用いて,直径25mmの0.4μmポリカーボネ
ートフィルターを通して3回,次いで,直径25mmの0.2
μmポリカーボネートフィルターを通して3回押出すこ
とによって上記MLVから調製された。改良されたMillipo
re限外濾過装置を上記の押出しに用いた。全押出し工程
は30分間より短い時間で実施した。バスソニケーター
(bath sonicator)(Transonic4601H,35KHz周波数,285
ワット,Elma Bergwies社,オーストリア)内で10時間,
超音波にさらすと,押出されたOLVの品質と特性に影響
を及ぼすことなく押出しが容易になる。
安定な多ラメラ小胞(SPLV)は,Proc.Natl.Acad.Sci
(USA),75巻,4194−4198頁,1978年に記載の逆相蒸発小
胞に関連するものである。SPLVは,Biochemistry,24巻,2
833〜2842頁,1985年に記載されているのと同様にして,
0.5mMのデスフェラルを含有する110mMの硫酸アンモニウ
ム溶液を用いて,脂質が非常な高濃度で存在するエーテ
ル/水の乳濁液からジエチルエーテルを除去することに
よって調製された。すべての小胞の洗浄は上記の硫酸ア
ンモニウム溶液中で行った。
リポソームの大きさの分布を,Methods in Biochem.An
al.,33巻,337−462頁,1988年に従って,Malvern4700自動
測定システムを用い,準弾性光散乱法(QELS)で測定し
た。
リポソームのタイプの,アンモニウム勾配に依存する
ドキソルビシンの充填に対する影響。表5では,3種の多
重ラメラ小胞(Avanti)EPC/コレステロールリポソーム
にドキソルビシンをアンモニウムイオンの勾配によって
充填した場合の比較を示す。すべての場合において,硫
酸アンモニウムを充填した後,リポソームをゲル排除ク
ロマトグラフィーに付すことによってアンモニウムの勾
配を得た。取り込まれたドキソルビシンを,室温下で24
時間インキュベートした後,ダウエックス樹脂で除去
し,ドキソルビシンのリン脂質類に対するモル比(DXR/
PL)を測定した。表5は,充填効率がSPLV>FTMLV>MLV
の順であることを示している。この順位は,これらの3
種のMLVの封入体積に関連している。MLVの方がSPLVもし
くはFTMLVよりも漏出しやすいことは重要であり,後者
の2種のMLVの方がよくアニールされていることを示唆
している。
ドキソルビシンを充填したリポソームの安定性を,硫
酸アンモニウム勾配法でドキソルビシンを充填した卵PC
/コレステロールリポソームの物理的および化学的安定
性を確認することによって測定した。DXRの漏出は温度
依存性であり,その活性化エネルギーはかなり高い。物
理的安定性の研究の第1段階は,表5に記載した3種の
方法で製造されたMLVのDXR/リン脂質のモル比の変化を
追跡することであった。
データから,4℃における漏出がリポソームの製造法に
依存していることが明らかである。漏出速度に基づいた
物理的安定性はFTMLV>SPLV>MLVの順である。漏出が一
次の速度式に従うと仮定すると,流体の脂質(Tm<37
℃)からなるリポソームは,遠隔充填に用いるのに最も
適している。上記のデータは,これらリポソームの安定
性についての主な問題が,DXRとリン脂質類の化学的安定
性ではなくて,DXRの漏出であることを示している。後者
の問題は,高温度の相転移点を有するリン脂質を用いれ
ば,軽減し得る。
B.pH勾配の生成 上記のようにして得たリポソームを,0.5mMのデスフェ
ラルを含有する0.15mM塩化ナトリウム溶液で予め平衡化
したセファデックスG−50のカラムにかけて,同じ溶液
で溶出させた。大きな小胞(MLV,SPLVおよびFTMLV)の
損失を減少させるために,小胞の分散液を,バスソニケ
ーター中で10秒間,音波処理を行った。リポソームを含
有する排除容積部を集めて次のステップCに用いた。
代わりに,小胞を上記のNaCl溶液で希釈して,リポソ
ームと外部媒体間に所望の硫酸アンモニウム勾配を得
た。例えば,0.15mM塩化ナトリウム溶液でリポソームを
1,000倍に希釈して,内側から外側へ1から1,000の硫酸
アンモニウム勾配を得た。
他の実験では,塩化ナトリウムの代わりに塩化カリウ
ムを用いた。
C.リポソームのドキソルビシンによる充填 10mg/mlのドキソルビシン塩酸の塩水−デスフェラル
溶液1mlを,ステップBでリポソームをセファデックス
G−50カラムでゲル濾過した後のリポソーム分散液1ml
に添加した。混合物を室温で約24時間インキュベートし
た。このインキュベーション時間は,ある種の速度論の
研究ではさらに短かった。インキュベーション期間終了
後,混合物を,ダウエックス50WX−4(Serva)のカラ
ムを通過させ,遊離の取り込まれていない薬剤を吸着さ
せた。60mgという少量の樹脂で,15分間より短い時間で1
mgもの遊離のドキソルビシンを吸着することができた。
リポソームに取り込まれたドキソルビシンは,ダウエッ
クス樹脂には全く吸着されずにリポソームに残った。乾
燥重量が1〜2gの樹脂を含有するカラムは,取込まれて
いない全薬剤を吸着するのに充分なものであった。取込
まれた薬剤のリポソーム脂質に対する比を測定するため
に,リン脂質とドキソルビシンの濃度を測定した。PC濃
度は,Anal.Biochem.,104巻,10−14頁,1980年の方法を,
検定の有機相にドキソルビシンが分配されるのを避ける
ため,20μの10M HClを検定混合物に添加するように改
変して測定した。標準曲線を得るためにEPCを用いた。
ドキソルビシンの濃度は,0.75M HCl水溶液を10%含有
するイソプロピルアルコールにリポソームを溶解した後
に測定した。溶液の吸光度は,480nmの波長と,12600M-1C
M-1という酸性イソプロピルアルコール中でのドキソル
ビシンの吸光係数を用いて、Perkin Elmerλ3B UV/VIS
デュアルビーム分光光度計で測定した。可溶化されたリ
ポソームのHPLCを用いて、J.Parent.Sci.Technol.39巻,
220〜224頁,1985年に記載された方法にしたがってドキ
ソルビシンの安全性を評価した。
実施例2 NH4 +勾配を有するDPPC/コレステロールリポソームの調
製 この実施例は,1.0より小さい外側から内側への硫酸ア
ンモニウム勾配を有するジパルミトイルホスファチジル
コリン/コレステロールリポソームの調製と,これらリ
ポソームへの薬剤の充填を例示する。
A.リポソームの調製 5mlのクロロホルムに溶解した100mgのDPPCを丸底フラ
スコに注入し、25mgのコレステロールを加えた。フラッ
シュエバポレーターを用いて減圧下でクロロホルムを蒸
発,乾固させた。フラスコの表面に生成した薄い脂質フ
ィルムに,水に溶解した0.5mMのデスフェラルを含有す
る0.11M硫酸アンモニウムの溶液5mlを加えて,約30分間
激しく振盪することによって上記脂質を上記の溶液に分
散させた。得られたMLVを,Millipore濾過装置で,アル
ゴンガスによる150psi(約1.0342×106Pa)の圧力を用
いて,0.4μmのポリカーボネートフィルターを通して3
回,0.2μmのポリカーボネートフィルターを通して3回
押出した。全工程は,リン脂質の転移温度より充分高い
50℃で実施した。
B.pH勾配の生成 上記のようにして得られたリポソームを,0.5mMのデス
フェラルを含有する0.15M塩化ナトリウム溶液で予め平
衡化したセファデックスG−50カラムにかけて,同じ溶
液で溶出させた。リポソームを含有する排除容積部を集
めて次のステップCに用いた。
代わりに,小胞を上記のNaCl溶液で希釈して,リポソ
ームと外部媒体間に所望の硫酸アンモニウム勾配を得
た。例えば,0.15M塩化ナトリウム溶液でリポソームを1,
000倍に希釈することによって,外側から内側へ1から
1,000の硫酸アンモニウム勾配を得た。
他の実験では,塩化ナトリウムの代わりに0.15Mの塩
化カリウムを用いた。
C.リポソームのドキソルビシンによる充填 塩水−デスフェラルに溶解したドキソルビシン塩酸の
10mg/ml溶液1mlを,リポソームをセファデックスG−50
カラムでゲル濾過した後のリポソーム分散液1mlに添加
した。混合物を室温で約24時間インキュベートした。イ
ンキュベーション時間終了後,混合物を,ダウエックス
50WX−4(Serva)カラムを通過させて,遊離の取り込
まれていない薬剤を吸着させた。60mgの少量の樹脂で,1
5分間より短い時間で1mgもの遊離のドキソルビシンを吸
着させることができるが,一方リポソームに取り込まれ
たドキソルビシンは,ダウエックス樹脂に全く吸着せ
ず,リポソームに残っている。乾燥重量が1〜2gの樹脂
を含有するカラムは,取り込まれていない全薬剤を吸着
するのに充分なものであった。取り込まれた薬剤のリポ
ソーム脂質に対する比率を測定するために,リン脂質と
ドキソルビシンの濃度を実施例1に記載したのと同様に
して測定した。
実施例3 NH4 +勾配を有するEPC/コレステロールリポソームの調製 この実施例は,1.0より小さい,内側から外側への硫酸
アンモニウム勾配を有する95%EPC/コレステロールリポ
ソームの調製と,これらリポソームへの薬剤の充填を例
示する。
A.リポソームの調製 5mlのクロロホルムに溶解した95%品の卵ホスファチ
ジルコリン(アサヒ社)100mgを丸底フラスコに注入
し,次に25mgのコレステロールを加えた。フラッシュエ
バポレーターを用いて減圧下でクロロホルムを蒸発,乾
固させた。フラスコの表面の薄い脂質フィルムに,水に
溶解した0.5mMのデスフェラル(Ciba−Geigy社から入
手)を含有する0.11M硫酸アンモニウムの水溶液5mlを添
加し,約30分間激しく振盪することによって上記脂質を
溶液中に分散させた。得られたSPLVを,Millipore濾過装
置で,アルゴンガスによる150psi(約1.0342×106Pa)
の圧力下,のステンレススチール製の押出しセルを用い
て,0.4μmのポリカーボネートフィルターを通して3
回,次に0.2μmのポリカーボネートフィルターを通し
て3回押出した。全工程を室温で実施した。デスフェラ
ルを添加した。
B.pH勾配の生成 上記のようにして得られたSPLVを,0.5mMのデスフェラ
ルを含有する0.15M塩化ナトリウム溶液で予め平衡化し
たセファデックスG−50カラムにかけて同じ溶液で溶出
させた。リポソームを含有する排除容積部を集めて次の
ステップCに用いた。
代わりに,小胞を,上記のNaCl溶液で希釈してリポソ
ームと外部媒体間に,所望の硫酸アンモニウム勾配を得
た。リポソームを,0.15Mの塩化ナトリウム溶液で1,000
倍に希釈して,外側から内側へ1から1,000の硫酸アン
モニウム勾配を得た。
他の実験では,塩化ナトリウムの代わりに塩化カリウ
ムを用いた。
C.リポソームのドキソルビシンによる充填 塩水−デスフェラルに溶解したドキソルビシン塩酸の
10mg/ml溶液1mlを,リポソームをセファデックスG−50
カラムでゲル濾過した後のリポソーム分散液1mlに添加
した。混合物を約24時間室温でインキュベートした。イ
ンキュベーション時間はある種の速度論の実験よりも短
かった。インキュベーション時間経過後,混合物をダウ
エックス50WX−4カラムを通過させて遊離の薬剤を吸着
させた。樹脂は,1mgもの遊離のドキソルビシンを15分間
で吸着することができるが,一方隔離されたリポソーム
に取り込まれたドキソルビシンはリポソームに残ってい
る。乾燥重量が1〜2gの樹脂を含有するカラムは,取り
込まれていない全薬剤を吸着するのに充分なものであっ
た。取り込まれた薬剤のリポソームの脂質に対する比率
を測定するために,リン脂質とドキソルビシンの濃度を
上で記載したのと同様にして測定した。
実施例4 硫酸アンモニウムを含有するリポソームへのピラニン
の充填 この実施例は,硫酸アンモニウムを含有するリポソー
ムへの,螢光化合物であるピラニンの充填と,ピラニン
の螢光を測定することによるこれらリポソーム内部のpH
の測定を例示する。
4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタ
ンスルホン酸(HEPES)緩衝剤を最終濃度10mM,pH7.5で
含有する水和溶液に0.5μmのピラニン(8−ヒドロキ
シ−1,3,6−ピレントリスルホナート)を含有させるこ
と以外,上記実施例2と同様にして,リポソームを調製
した。0.5mMデスフェラルとHEPES緩衝剤を含有する0.11
M硫酸アンモニウム溶液で予め平衡化したセファデック
スG−50カラムでゲル濾過することによって,取込まれ
ていないピラニンを除去した。酸性化するために,リポ
ソームを,HEPESで緩衝された塩化カリウム溶液で予め平
衡化されたセファデックスカラムを通過させるか,また
は硫酸アンモニウムと上記溶液との異なる比率の混合物
で希釈して,硫酸アンモニウムの所望の外側/内側の比
率を得た。小胞の内部のpHは,ピラニンの相対螢光発光
度を測定することによって測定した。20mMの4−モルホ
リノエタンスルホン酸(MES)のpH5と6の緩衝液と10mM
のHEPES緩衝液との滴定で異なるpHに調節したリポソー
ムの塩化ナトリウム溶液を調製することによって校正曲
線を作成した。上記と同様にセファデックスカラムG−
50を通過させて,外部pHを7.5に固定し内部のpHが異な
る一連のリポソーム製剤を調製した。すべての場合,pH
勾配と,内外のpHの平衡化の破壊は,最終濃度5μmま
でナイジェリシンを添加して行った。ピラニンの螢光
は,460/520nmの励起/発光波長を用い,Perkin−Elmer L
S−5螢光分光計で測定した。校正曲線を第1図に示
す。
実施例5 リポソームへのアクリジンオレンジの充填 この実施例は,リポソームへのアクリジンオレンジの
充填を例示する。アクリジンオレンジはpk9.25の両親媒
性の弱塩基であり,その主な利点は螢光性をもっている
ことである。
1μmolのアクリジンオレンジを,塩化カリウムと硫
酸アンモニウムとを異なる比率で含有する溶液に添加し
た。上記溶液は,リポソームを添加した時に,硫酸アン
モニウムの種々の内外間の勾配が得られるように設計さ
れた。リポソームを200倍に希釈するように計算し,実
施例2Aと同様にして調製した少量のリポソーム懸濁液
を,キュベット内のアクリジンオレンジと混合し,Perki
n−Elemer LS−5螢光分光計を用いて,螢光の消光を連
続してモニターした。この時,490nmの励起光と,小胞に
取り込まれたアクリジンオレンジの量の指標として525n
mの発光を用いた。平衡化した後,ナイジェリシンを添
加し最終濃度5μMとした。螢光の回復をモニターし
た。ナイジェリシン添加の前後の螢光の比率を用いて,
次式によってアクリジンオレンジの螢光の消光を計算し
た。
ここでFQは,消光のプラトーに到達した後に得られた
螢光であり,FNはナイジェリシン添加後に回復した螢光
強度である。消光はpH勾配の定性的指標として役立つ。
結果を第2図に要約して示す。
実施例6 ドキソルビシンのリポソームからの漏出の速度論 ドキソルビシン含有のリポソームを,実施例1Aもしく
は2Aのそれぞれと正確に同じにして調製した。得られた
リポソームを塩水で1,000倍に希釈し,混合物の螢光を,
22℃と49℃の制御された温度条件下で,Perkin Elmer MP
F−44螢光分光計で連続的にモニターした。すべての場
合に,連続して直線的に螢光が増大するのが認められ
た。各実験後,リポソームを,0.75M HCl水溶液を10%含
有するイソプロピルアルコールで10倍に希釈した。上記
溶液ではリポソームが完全に溶解し,消光が起こらない
程度にドキソルビシンが希釈されているので,この溶液
の螢光は,リポソーム内の薬剤の合計量の尺度であっ
た。漏出量は,リポソーム内に残っている薬剤の量の百
分率で表されるが,漏出後に得た螢光の増加量と,ドキ
ソルビシンの合計量との比率から算出した。結果を表4
に示す。
実施例7 硫酸アンモニウムを充填したリポソームの毒性 2:1モル比の新しい95%EPC/コレステロールを用いて
実施例3Aに記載したのと同様にしてリポソームを調製し
た。実施例1A,2Aおよび3Aに記載したのと同様にしてゲ
ル排除クロマトグラフィーによって外部の硫酸アンモニ
ウムを除去してpH勾配を形成させた。得られたリポソー
ムの半量を,本発明の方法を用いてドキソルビシンを充
填するのに使用した。残りの半量は,350mgPC/kgのレベ
ルで6匹のBALB−Cマウスの尾の静脈に注射した。これ
らのマウスを6ヵ月追跡した。マウスは1匹も死なず,
すべて正常に挙動した。このレベルでは硫酸アンモニウ
ムリポソームは非毒性であった。
実施例8 ダウノルビシンのリポソームへの充填 硫酸アンモニウムリポソームを,上記実施例2Aと正確
に同じにして調製した。取り込まれていない硫酸アンモ
ニウムをセファデックスG−50で分離した後,1mlのリポ
ソーム分散液を,50℃の1mlに溶解した10mgのダウノルビ
シンと混合し,特定の時間間隔をおいて,一部分を採取
した。遊離のダウノルビシンを,実施例1A,2Aおよび3A
でドキソルビシンについて記載したのと同じダウエック
ス法で除去し,ダウノルビシンの濃度を,ドキソルビシ
ンについて示したのと同様にして測定した。この充填は
1時間で完了することが判明し,ダウノルビシンのリン
脂質に対する最終モル比は1:6であった。
実施例9 超音波影像化法に有用なアンモニウム勾配 Ocuscon 128 Computerized Sonography System(米
国,カリフォルニア州,オクスコン)をこの試験全体で
使用した。モニター方法を改良するために,化粧用品質
の水溶性で,かつ塩を含まないLargo Scan−11長微粒子
スキャニングゲル(Biometrix社,イスラエル,イエル
サレム)で超音波プローブをコートした。
CO2ガスが炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3)を含有す
る媒体を酸性にすることによって生成したことの照明
は,超音波プローブで行った。このため,炭酸アンモニ
ウム(0.12M)をビーカーに入れた。超音波プローブを
ビーカーに接触させた。何のシグナルも認められなかっ
た。HClを加えてpHを4.0に低下させた時,大きなシグナ
ルがスコープに現われ,NH4CO3の酸性化によって生成し
たCO2が実際にハイパーエコジェニックであることを証
明した。
リポソーム内のアンモニウム勾配が,超音波プローブ
でモニターできるCO2ガスを発生させるのに利用できる
ことを証明するために,80mgのEPCと20mgのコレステロー
ルを用いて,実施例1に記載したのと同様にしてSPLVを
調製した。脂質をジエチルエーテルに溶解させた。0.12
モルのNH4HCO30.5mlを添加した。他のステップはすべ
て,上述のものと同じであった。連続熱線照射下でエー
テルを蒸発させた後,得られたペーストを1mlの0.12M N
H4HCO3に分散させた。NH4HCO3をNaCl(0.15M)におき変
えたためにアンモニウム勾配が形成されないこと以外同
じ条件を用いて対照のSPLVを調製した。1mlのリポソー
ム分散液を透析バッグに入れた。Ocusconプローブを透
析バッグに付け,両者をNH4HCO3(0.12M)もしくはNaCl
(0.15M)の入ったビーカーに入れた。表6に記載した
4つの異なる組合せについて試験した。
ビーカー内のNaClに対して透析された時に,NH4HCO3
含有するリポソームだけがシグナルを示したという知見
は,そのシグナルがNH4 +の勾配によるものであることを
示している。このシグナルは,数時間もの長時間にわた
って続いた。これは,発生したCO2が,徐々に形成され
たか,または徐々に放出された結果であろう。
超音波影像化を強化する可能性がマウスで証明され
た。BALB/C系マウス(27g)をペントバルビタールで麻
酔した。次いでNH4HCO3含有のSPLV0.5mlを尾の静脈に注
射した。マウスの内臓を,超音波プローブと,表示され
たソノグラムによってモニターした。結果を第5図に示
す。ソノグラムに認められた黒点が,アンモニウム勾配
リポソームのハイパーエコジェニシティを示した。
(発明の要約) 本発明は,トランスメンブラン勾配を利用して,両親
媒性薬剤や化学薬品をリポソームに効率よく充填するた
めの,改良されたトランスメンブラン充填法に関する。
この方法は,簡単かつ効果的であり,安全かつ経済的で
あり,そして迅速に行い得る。薬剤または化学薬品を充
填して得られたリポソームは,安定かつ安全である。保
存し得る形態の充填可能なリポソームは長期間にわたっ
て安定である。この方法はリポソームに封入された薬剤
の緩徐放出にも同様に適用し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は硫酸アンモニウムを含有するリポソーム中への
薬剤の封入を示すグラフ図である。第2図はリポソーム
の内部水性相と外部水性相との間における硫酸アンモニ
ウム分布のpH勾配に対する効果を示すグラフ図である。
第3図は硫酸アンモニウムリポソームへの薬剤充填の速
度論を示すグラフ図である。第4図は硫酸アンモニウム
リポソームからの薬剤の放出を示すグラフ図である。第
5図はリポソームのアンモニウム勾配を利用することに
よるCO2ガスの発生を示すグラフ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 国際公開88/6442(WO,A1)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被験体への両親媒性化合物の投与に使用さ
    れるリポソーム組成物であって、 外部連続相媒体、 該媒体中に懸濁したリポソームであって、内部水性相を
    有し、該内部水性相が、該外部媒体に対して、内側が低
    く/外側が高いpH勾配を形成するpHにある、リポソー
    ム、および 該リポソーム中にカプセル化された、プロトン化形態の
    該両親媒性化合物 を有し、 ここで該pH勾配が、内側が高く/外側が低いアンモニウ
    ムイオン勾配に起因し、該両親媒性化合物をイオン化さ
    れたリポソームカプセル化形態で維持するに有効であ
    る、 リポソーム組成物。
  2. 【請求項2】前記両親媒性化合物がドキソルビシン、ダ
    ウノルビシン、およびビンクリスチンからなる群から選
    択される、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  3. 【請求項3】前記pH勾配が、内側が高く/外側が低いア
    ンモニウムイオン硫酸塩の勾配に起因する、請求項1に
    記載のリポソーム組成物。
  4. 【請求項4】前記リポソームが、約37℃より高い相転移
    温度を有する脂質成分から構成される、請求項1に記載
    のリポソーム組成物。
  5. 【請求項5】前記リポソームの表面がポリエチレンオキ
    シドで修飾された、請求項1に記載のリポソーム組成
    物。
  6. 【請求項6】請求項1に記載のリポソーム組成物を調製
    するための薬剤送達キットであって、両親媒性化合物お
    よびリポソームを包含し、 ここで該リポソームが、選択されたpHを有する水性媒体
    に懸濁したときに、内部水性環境、および内側が低く/
    外側が高いpH勾配を有し、該pH勾配が、内側が高く/外
    側が低いアンモニウムイオン勾配に起因し、該化合物の
    リポソーム中への正味の取り込みを生じるに有効であ
    る、 薬剤送達キット。
  7. 【請求項7】請求項1に記載のリポソーム組成物を調製
    するための方法であって、 リポソームの内部がリポソームの外部よりアンモニウム
    イオン濃度が高いリポソーム懸濁液を調製し、その結
    果、リポソーム内部から外部へのpH勾配を形成する工
    程; 該リポソーム懸濁液に両親媒性化合物を添加する工程;
    および 該添加工程によって、リポソーム内部の該化合物の最終
    濃度がリポソーム外部の濃度よりも高くなるまでの、該
    化合物のリポソームへの取り込みを達成する工程 を包含する、方法。
  8. 【請求項8】前記pH勾配が、内側が高く/外側が低いア
    ンモニウムイオン硫酸塩の勾配に起因する、請求項7に
    記載の方法。
  9. 【請求項9】前記懸濁液中のリポソームが、主として約
    37℃より高い相転移温度を有する脂質から形成され、そ
    して前記添加工程が、該リポソーム形成脂質の相転移温
    度より実質的に高い温度で行われる、請求項7に記載の
    方法。
  10. 【請求項10】前記両親媒性化合物がドキソルビシン、
    ダウノルビシン、およびビンクリスチンからなる群から
    選択される、請求項7に記載の方法。
JP1253682A 1988-09-28 1989-09-28 両親媒性分子を有効に充填かつ制御放出するリポソーム Expired - Lifetime JP2659136B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US25068788A 1988-09-28 1988-09-28
US250,687 1988-09-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02196713A JPH02196713A (ja) 1990-08-03
JP2659136B2 true JP2659136B2 (ja) 1997-09-30

Family

ID=22948747

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1253682A Expired - Lifetime JP2659136B2 (ja) 1988-09-28 1989-09-28 両親媒性分子を有効に充填かつ制御放出するリポソーム

Country Status (11)

Country Link
US (2) US5192549A (ja)
EP (1) EP0361894B1 (ja)
JP (1) JP2659136B2 (ja)
AT (1) ATE113830T1 (ja)
CA (1) CA1335565C (ja)
DE (2) DE68919321T2 (ja)
ES (1) ES2067551T3 (ja)
HK (1) HK26197A (ja)
IL (1) IL91664A (ja)
LU (1) LU88856I2 (ja)
NL (1) NL960033I2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007080902A1 (ja) 2006-01-11 2007-07-19 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. 眼球において標的遺伝子の発現を抑制する組成物および眼球における疾患の治療剤
WO2008050807A1 (fr) 2006-10-25 2008-05-02 Terumo Kabushiki Kaisha Procede de production d'une preparation de liposome
WO2010013815A1 (ja) 2008-08-01 2010-02-04 協和発酵キリン株式会社 標的遺伝子の発現を抑制する組成物
WO2011136368A1 (ja) 2010-04-28 2011-11-03 協和発酵キリン株式会社 カチオン性脂質
WO2011136369A1 (ja) 2010-04-28 2011-11-03 協和発酵キリン株式会社 カチオン性脂質
WO2012098692A1 (ja) 2011-01-19 2012-07-26 協和発酵キリン株式会社 標的遺伝子の発現を抑制する組成物
WO2012133121A1 (ja) 2011-03-25 2012-10-04 テルモ株式会社 持続徐放性リポソーム組成物およびその製造方法
WO2013065825A1 (ja) 2011-11-02 2013-05-10 協和発酵キリン株式会社 カチオン性脂質
WO2013089151A1 (ja) 2011-12-12 2013-06-20 協和発酵キリン株式会社 カチオン性脂質を含有するドラッグデリバリーシステムのための脂質ナノ粒子
WO2013089152A1 (ja) 2011-12-12 2013-06-20 協和発酵キリン株式会社 カチオン性脂質の組み合わせを含有する脂質ナノ粒子
WO2014007398A1 (ja) 2012-07-06 2014-01-09 協和発酵キリン株式会社 カチオン性脂質
WO2014013995A1 (ja) 2012-07-16 2014-01-23 協和発酵キリン株式会社 KRAS遺伝子発現抑制RNAi医薬組成物
WO2017111172A1 (ja) 2015-12-25 2017-06-29 協和発酵キリン株式会社 カチオン性脂質としての化合物
US9724300B2 (en) 2012-09-21 2017-08-08 Terumo Kabushiki Kaisha Long-lasting, controlled-release local anesthetic liposome preparation
US11413244B2 (en) 2017-03-31 2022-08-16 Fujifilm Corporation Liposome composition and pharmaceutical composition

Families Citing this family (237)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5622713A (en) * 1985-09-17 1997-04-22 The Regents Of The University Of California Method of detoxifying animal suffering from overdose
US5252263A (en) * 1986-06-16 1993-10-12 The Liposome Company, Inc. Induction of asymmetry in vesicles
IL91664A (en) * 1988-09-28 1993-05-13 Yissum Res Dev Co Ammonium transmembrane gradient system for efficient loading of liposomes with amphipathic drugs and their controlled release
US5469854A (en) 1989-12-22 1995-11-28 Imarx Pharmaceutical Corp. Methods of preparing gas-filled liposomes
US5123414A (en) * 1989-12-22 1992-06-23 Unger Evan C Liposomes as contrast agents for ultrasonic imaging and methods for preparing the same
US5088499A (en) * 1989-12-22 1992-02-18 Unger Evan C Liposomes as contrast agents for ultrasonic imaging and methods for preparing the same
US5656211A (en) 1989-12-22 1997-08-12 Imarx Pharmaceutical Corp. Apparatus and method for making gas-filled vesicles of optimal size
US5733572A (en) 1989-12-22 1998-03-31 Imarx Pharmaceutical Corp. Gas and gaseous precursor filled microspheres as topical and subcutaneous delivery vehicles
US5773024A (en) 1989-12-22 1998-06-30 Imarx Pharmaceutical Corp. Container with multi-phase composition for use in diagnostic and therapeutic applications
US6551576B1 (en) 1989-12-22 2003-04-22 Bristol-Myers Squibb Medical Imaging, Inc. Container with multi-phase composition for use in diagnostic and therapeutic applications
US6001335A (en) 1989-12-22 1999-12-14 Imarx Pharmaceutical Corp. Contrasting agents for ultrasonic imaging and methods for preparing the same
US5776429A (en) 1989-12-22 1998-07-07 Imarx Pharmaceutical Corp. Method of preparing gas-filled microspheres using a lyophilized lipids
US5580575A (en) 1989-12-22 1996-12-03 Imarx Pharmaceutical Corp. Therapeutic drug delivery systems
US6088613A (en) 1989-12-22 2000-07-11 Imarx Pharmaceutical Corp. Method of magnetic resonance focused surgical and therapeutic ultrasound
US20020150539A1 (en) * 1989-12-22 2002-10-17 Unger Evan C. Ultrasound imaging and treatment
US5705187A (en) 1989-12-22 1998-01-06 Imarx Pharmaceutical Corp. Compositions of lipids and stabilizing materials
US5542935A (en) * 1989-12-22 1996-08-06 Imarx Pharmaceutical Corp. Therapeutic delivery systems related applications
US5352435A (en) * 1989-12-22 1994-10-04 Unger Evan C Ionophore containing liposomes for ultrasound imaging
US6146657A (en) 1989-12-22 2000-11-14 Imarx Pharmaceutical Corp. Gas-filled lipid spheres for use in diagnostic and therapeutic applications
US5305757A (en) 1989-12-22 1994-04-26 Unger Evan C Gas filled liposomes and their use as ultrasonic contrast agents
US5230882A (en) * 1989-12-22 1993-07-27 Unger Evan C Liposomes as contrast agents for ultrasonic imaging and methods for preparing the same
US5922304A (en) 1989-12-22 1999-07-13 Imarx Pharmaceutical Corp. Gaseous precursor filled microspheres as magnetic resonance imaging contrast agents
US5228446A (en) * 1989-12-22 1993-07-20 Unger Evan C Gas filled liposomes and their use as ultrasonic contrast agents
US5585112A (en) 1989-12-22 1996-12-17 Imarx Pharmaceutical Corp. Method of preparing gas and gaseous precursor-filled microspheres
US5334381A (en) * 1989-12-22 1994-08-02 Unger Evan C Liposomes as contrast agents for ultrasonic imaging and methods for preparing the same
DK0555229T3 (da) * 1990-07-31 1996-08-19 Liposome Co Inc Akkumulation af aminosyrer og peptider i liposomer
IS1685B (is) * 1990-12-11 1998-02-24 Bracco International B.V. Aðferð við að búa til fitukúlur (liposomes) sem eru gæddar auknum hæfileika til að draga í sig og halda í sér aðskotaefnum
US20030113369A1 (en) * 1991-01-16 2003-06-19 Martin Francis J. Liposomes with enhanced circulation time and method of treatment
JPH04356421A (ja) * 1991-03-06 1992-12-10 Green Cross Corp:The プロスタグランジン類含有脂肪小体組成物
US5205290A (en) 1991-04-05 1993-04-27 Unger Evan C Low density microspheres and their use as contrast agents for computed tomography
US5874062A (en) 1991-04-05 1999-02-23 Imarx Pharmaceutical Corp. Methods of computed tomography using perfluorocarbon gaseous filled microspheres as contrast agents
ATE128621T1 (de) * 1991-07-03 1995-10-15 Vestar Inc Beladungstechnik zur herstellung arzneistoffhaltiger liposomen.
US5325860A (en) * 1991-11-08 1994-07-05 Mayo Foundation For Medical Education And Research Ultrasonic and interventional catheter and method
US20050181021A1 (en) * 1992-02-14 2005-08-18 Robert Lamb Vitamin E phosphate/phosphatidycholine liposomes to protect from or ameliorate cell damage
US5665381A (en) * 1992-02-25 1997-09-09 Nexstar Pharmaceuticals, Inc. Inhibition of aggregation of drug containing particles
DE4208527A1 (de) * 1992-03-17 1993-09-23 Max Planck Gesellschaft Liposomen mit negativer ueberschussladung
WO1994012207A1 (en) * 1992-12-02 1994-06-09 Micro Vesicular Sytems, Inc. Extended duration antacid product
DE4244122C1 (de) * 1992-12-24 1994-06-01 Sanol Arznei Schwarz Gmbh Lyophilisierte, wirkstoffhaltige Emulsion zur intravenösen Applikation
US5739020A (en) * 1995-01-10 1998-04-14 Pope; Edward J. A. Encapsulation of animal and microbial cells in an inorganic gel prepared from an organosilicon
US7083572B2 (en) * 1993-11-30 2006-08-01 Bristol-Myers Squibb Medical Imaging, Inc. Therapeutic delivery systems
US5534499A (en) * 1994-05-19 1996-07-09 The University Of British Columbia Lipophilic drug derivatives for use in liposomes
US5736121A (en) 1994-05-23 1998-04-07 Imarx Pharmaceutical Corp. Stabilized homogenous suspensions as computed tomography contrast agents
US5741516A (en) * 1994-06-20 1998-04-21 Inex Pharmaceuticals Corporation Sphingosomes for enhanced drug delivery
US5543152A (en) * 1994-06-20 1996-08-06 Inex Pharmaceuticals Corporation Sphingosomes for enhanced drug delivery
US5714163A (en) * 1994-06-27 1998-02-03 Nexstar Pharmaceuticals, Inc. Vinca alkaloid vesicles with enhanced efficacy and tumor targeting properties
CA2152765A1 (en) 1994-06-30 1995-12-31 Jeroen Elisabeth-Joseph Knops Methods for treating a physiological disorder associated with beta amyloid peptide
US6743779B1 (en) 1994-11-29 2004-06-01 Imarx Pharmaceutical Corp. Methods for delivering compounds into a cell
US5827531A (en) * 1994-12-02 1998-10-27 The United States Of America As Represented By The Administrator Of The National Aeronautics And Space Administration Microcapsules and methods for making
US6387399B1 (en) 1994-12-02 2002-05-14 The United States Of America As Represented By The Administrator Of The National Aeronautics And Space Administration Microencapsulated bioactive agents and method of making
US5972379A (en) * 1995-02-14 1999-10-26 Sequus Pharmaceuticals, Inc. Liposome composition and method for administering a quinolone
AU4981896A (en) * 1995-02-14 1996-09-04 Sequus Pharmaceuticals, Inc. Liposome composition and method for administering liposome-loadable drugs
US5830430A (en) 1995-02-21 1998-11-03 Imarx Pharmaceutical Corp. Cationic lipids and the use thereof
US5800833A (en) * 1995-02-27 1998-09-01 University Of British Columbia Method for loading lipid vesicles
DE69632859T2 (de) * 1995-04-18 2005-07-14 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Verfahren zur Arzneistoffbehandlung von Liposomen Zusammensetzung
US5997898A (en) 1995-06-06 1999-12-07 Imarx Pharmaceutical Corp. Stabilized compositions of fluorinated amphiphiles for methods of therapeutic delivery
US6033645A (en) 1996-06-19 2000-03-07 Unger; Evan C. Methods for diagnostic imaging by regulating the administration rate of a contrast agent
US6139819A (en) 1995-06-07 2000-10-31 Imarx Pharmaceutical Corp. Targeted contrast agents for diagnostic and therapeutic use
US6231834B1 (en) 1995-06-07 2001-05-15 Imarx Pharmaceutical Corp. Methods for ultrasound imaging involving the use of a contrast agent and multiple images and processing of same
US6521211B1 (en) 1995-06-07 2003-02-18 Bristol-Myers Squibb Medical Imaging, Inc. Methods of imaging and treatment with targeted compositions
US20040208922A1 (en) * 1995-06-07 2004-10-21 The Regents Of The University Of California Method for loading lipid like vesicles with drugs or other chemicals
US6447800B2 (en) 1996-01-18 2002-09-10 The University Of British Columbia Method of loading preformed liposomes using ethanol
EP0935415B1 (en) 1996-05-01 2006-11-22 Imarx Pharmaceutical Corp. In vitro methods for delivering nucleic acids into a cell
US6414139B1 (en) 1996-09-03 2002-07-02 Imarx Therapeutics, Inc. Silicon amphiphilic compounds and the use thereof
ES2289188T3 (es) 1996-09-11 2008-02-01 Bristol-Myers Squibb Medical Imaging, Inc. Procedimiento para la obtencion de imagenes para el diagnostico usando un agente de contraste y un vasodilatador.
US5846517A (en) 1996-09-11 1998-12-08 Imarx Pharmaceutical Corp. Methods for diagnostic imaging using a renal contrast agent and a vasodilator
US6056973A (en) * 1996-10-11 2000-05-02 Sequus Pharmaceuticals, Inc. Therapeutic liposome composition and method of preparation
US5837282A (en) * 1996-10-30 1998-11-17 University Of British Columbia Ionophore-mediated liposome loading
US5827532A (en) * 1997-01-31 1998-10-27 The Reagents Of The University Of California Method for loading lipsomes with ionizable phosphorylated hydrophobic compounds, pharmaceutical preparations and a method for administering the preparations
US6537246B1 (en) * 1997-06-18 2003-03-25 Imarx Therapeutics, Inc. Oxygen delivery agents and uses for the same
US6143276A (en) 1997-03-21 2000-11-07 Imarx Pharmaceutical Corp. Methods for delivering bioactive agents to regions of elevated temperatures
US6090800A (en) 1997-05-06 2000-07-18 Imarx Pharmaceutical Corp. Lipid soluble steroid prodrugs
US6120751A (en) 1997-03-21 2000-09-19 Imarx Pharmaceutical Corp. Charged lipids and uses for the same
US20050019266A1 (en) * 1997-05-06 2005-01-27 Unger Evan C. Novel targeted compositions for diagnostic and therapeutic use
US6416740B1 (en) 1997-05-13 2002-07-09 Bristol-Myers Squibb Medical Imaging, Inc. Acoustically active drug delivery systems
US6548047B1 (en) 1997-09-15 2003-04-15 Bristol-Myers Squibb Medical Imaging, Inc. Thermal preactivation of gaseous precursor filled compositions
AU735588B2 (en) 1997-09-18 2001-07-12 Pacira Pharmaceuticals, Inc. Sustained-release liposomal anesthetic compositions
US6120800A (en) * 1997-09-25 2000-09-19 Nexstar Pharmaceuticals, Inc. Vinca-alkaloid vesicles with enhanced efficacy and tumor targeting properties
WO1999016425A1 (en) * 1997-09-30 1999-04-08 The Ohio State University Lipid-modified insulin incorporated liposomes for selectively delivering cytotoxic agents to hepatoma cells
ES2384094T3 (es) 1997-11-14 2012-06-29 Pacira Pharmaceuticals, Inc. Producción de liposomas multivesiculares
US6787132B1 (en) 1997-12-04 2004-09-07 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Combined chemo-immunotherapy with liposomal drugs and cytokines
US6123923A (en) 1997-12-18 2000-09-26 Imarx Pharmaceutical Corp. Optoacoustic contrast agents and methods for their use
US20010003580A1 (en) 1998-01-14 2001-06-14 Poh K. Hui Preparation of a lipid blend and a phospholipid suspension containing the lipid blend
WO1999065467A1 (en) * 1998-06-16 1999-12-23 See Jackie R Method for introducing a chemical agent into the systemic circulation
JP2002520120A (ja) 1998-07-17 2002-07-09 スカイファーマ インコーポレーテッド 封入物質の制御放出のための生分解性組成物
ATE355827T1 (de) * 1998-08-12 2007-03-15 Yissum Res Dev Co Mittels ammoniumsulfatgradient hergestellte liposomale therapeutische zusammensetzungen
DK1121102T3 (da) * 1998-09-16 2003-08-11 Alza Corp Liposomindesluttede topoisomeraseinhibitorer
US6159931A (en) * 1998-09-29 2000-12-12 The Ohio State University Lipid-modified insulin incorporated liposomes for selectively delivering cytotoxic agents to hepatoma cells
WO2001000173A1 (fr) * 1999-06-24 2001-01-04 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Methode de regulation de la fuite de medicaments encapsules dans des liposomes
US7094423B1 (en) * 1999-07-15 2006-08-22 Inex Pharmaceuticals Corp. Methods for preparation of lipid-encapsulated therapeutic agents
WO2002028367A1 (fr) * 2000-10-04 2002-04-11 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Procede de revetement de particules fines avec un film de lipides
CA2430897C (en) * 2000-12-07 2010-11-16 Universiteit Utrecht Holding B.V. Liposomal composition comprising water-soluble corticosteroids for the treatment of inflammatory disorders
CA2442261A1 (en) * 2001-03-26 2002-10-03 Alza Corporation Liposome composition for improved intracellular delivery of a therapeutic agent
CA2442539C (en) * 2001-03-27 2011-11-08 Phares Pharmaceutical Research N.V. Method and composition for solubilising a biologically active compound with low water solubility
DE10117043A1 (de) * 2001-04-05 2002-11-07 Gerhard Puetz Verfahren zur Eliminierung von potentiell toxischen und/oder schädlichen Stoffen
JP2004532252A (ja) * 2001-05-31 2004-10-21 スカイファーマ インコーポレーテッド リポソームおよびミクロスフェア中のナノ懸濁物のカプセル化
US20060165766A1 (en) * 2001-09-06 2006-07-27 Yechezkel Barenholz Method for preparing liposome formulations with a predefined release profile
US20040219201A1 (en) * 2001-12-06 2004-11-04 Yechezkel Barenholz Tempamine compositions and methods of use
DE10214983A1 (de) 2002-04-04 2004-04-08 TransMIT Gesellschaft für Technologietransfer mbH Vernebelbare Liposomen und ihre Verwendung zur pulmonalen Applikation von Wirkstoffen
US20050152962A1 (en) * 2002-06-12 2005-07-14 Metselaar Josbert M. Composition for treatment of inflammatory disorders
EP1393720A1 (en) * 2002-08-27 2004-03-03 Universiteit Utrecht Vesicle-encapsulated corticosteroids for treatment of cancer
EP1465531B1 (en) * 2002-10-10 2012-12-19 Visualsonics Inc. High frequency high frame-rate ultrasound imaging system
US7718189B2 (en) 2002-10-29 2010-05-18 Transave, Inc. Sustained release of antiinfectives
MXPA05004580A (es) * 2002-10-29 2005-07-26 Transave Inc Liberacion sostenida de anti - infecciosos.
US7879351B2 (en) * 2002-10-29 2011-02-01 Transave, Inc. High delivery rates for lipid based drug formulations, and methods of treatment thereof
AU2003298738A1 (en) * 2002-11-26 2004-06-18 Su-Ming Chiang Liposomal formulations
AU2003300280A1 (en) * 2002-12-19 2004-07-14 Alza Corporation Method of treating angiogenic tissue growth
AU2003303368B2 (en) * 2002-12-31 2010-06-17 Zydus Bsv Pharma Private Limited Non-pegylated long-circulating liposomes
US8980310B2 (en) * 2002-12-31 2015-03-17 Bharat Serums and Vaccines, Ltd. Non-pegylated long-circulating liposomes
EP1610763A2 (en) * 2003-03-31 2006-01-04 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Stable liposomes or micelles comprising a sphingolipid and a peg-lipopolymer
CN1812766A (zh) 2003-04-25 2006-08-02 宾州研究基金会 用于全身传递使生长停滞的、衍生于脂质的生物活性化合物的方法和系统
KR20060015265A (ko) * 2003-05-30 2006-02-16 알자 코포레이션 제제의 폐 투여 방법
CA2526284C (en) 2003-06-25 2014-11-18 Crucell Holland B.V. Binding molecules for the treatment of myeloid cell malignancies
EP1643972A4 (en) * 2003-06-27 2010-01-20 Smithkline Beecham Corp STABILIZED LIPOSOMAL TOPOTECAN COMPOSITION AND METHOD
CA2542804A1 (en) * 2003-10-24 2005-05-06 Alza Corporation Preparation of lipid particles
US20050129753A1 (en) * 2003-11-14 2005-06-16 Gabizon Alberto A. Method for drug loading in liposomes
US20050129750A1 (en) * 2003-12-15 2005-06-16 Yu-Fang Hu Process for producing liposome suspension and product containing liposome suspension produced thereby
US20050129752A1 (en) * 2003-12-15 2005-06-16 Tty Biopharm Limited Company Use and manufacturing process for liposomal doxorubicin pharmaceutical composition
US7842289B2 (en) * 2003-12-24 2010-11-30 Aduro Biotech Recombinant nucleic acid molecules, expression cassettes, and bacteria, and methods of use thereof
ATE466596T1 (de) 2004-01-20 2010-05-15 Sunnybrook & Womens College Hochfrequenz-ultraschall-darstellung mit kontrastmitteln
US8772013B2 (en) * 2004-02-02 2014-07-08 Engeneic Molecular Delivery Pty Ltd Methods for targeted in vitro and in vivo drug delivery to mammalian cells via bacterially derived intact minicells
DK2992901T3 (da) 2004-02-02 2020-01-27 Engeneic Molecular Delivery Pty Ltd Sammensætninger og fremgangsmåder til målrettet in vitro- og in vivo-medicinlevering til pattedyrceller via bakterielt afledte intakte miniceller
CN101002107B (zh) * 2004-03-01 2010-06-23 阳光溪流女子学院健康科学中心 用于心电图触发的回溯彩色血流超声成像的系统和方法
US8241663B2 (en) * 2004-03-26 2012-08-14 Terumo Kabushiki Kaisha Liposome preparation
AT500143A1 (de) * 2004-04-22 2005-11-15 Sanochemia Pharmazeutika Ag Cholinesterase-inhibitoren in liposomen sowie deren herstellung und verwendung
US8658203B2 (en) 2004-05-03 2014-02-25 Merrimack Pharmaceuticals, Inc. Liposomes useful for drug delivery to the brain
KR101376895B1 (ko) 2004-05-03 2014-03-25 헤르메스 바이오사이언스, 인코포레이티드 약물 전달에 유용한 리포좀
AP2255A (en) * 2004-06-01 2011-07-21 Yakult Honsha Kk Irinotecan preparation.
US7744920B2 (en) * 2004-09-09 2010-06-29 Hadasit Medical Research Services & Development Limited Use of liposomal glucocorticoids for treating inflammatory states
WO2006027785A1 (en) * 2004-09-09 2006-03-16 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Liposomal formulations comprising an amphipathic weak base like tempamine for treatment of neurodegenerative conditions
CN101072588B (zh) 2004-10-06 2012-11-28 不列颠哥伦比亚抗癌机构 用于治疗癌症的具有改善的药物保留的脂质体
WO2006042701A1 (de) * 2004-10-18 2006-04-27 Polymun Scientific Immunbiologische Forschung Gmbh Liposomale zusammensetzung einen wirkstoff zur relaxierung glatter muskulatur enthaltend, die herstellung dieser zusammensetzung und deren therapeutische verwendung
WO2006050327A2 (en) * 2004-10-28 2006-05-11 Alza Corporation Lyophilized liposome formulations and method
CA2584279C (en) * 2004-11-05 2015-01-27 Index Pharmaceuticals Corporation Compositions and methods for stabilizing liposomal drug formulations
TW200618820A (en) * 2004-11-05 2006-06-16 Alza Corp Liposome formulations of boronic acid compounds
EP1817004A2 (en) * 2004-11-15 2007-08-15 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Combination therapy associating preferably a ceramide with a cytotoxic drug
US20080045575A1 (en) * 2004-12-29 2008-02-21 Van Dyke Thomas E Delivery of H2 Antagonists
US20060228395A1 (en) * 2005-04-11 2006-10-12 Robert Lamb Vitamin E phosphate/phosphatidylcholine liposomes to protect from or ameliorate cell damage
EP1879583A2 (en) * 2005-05-03 2008-01-23 Mutual Pharmaceutical Company, Inc. Quinine formulations
US8275449B2 (en) * 2005-11-11 2012-09-25 Visualsonics Inc. Overlay image contrast enhancement
US8226975B2 (en) 2005-12-08 2012-07-24 Insmed Incorporated Lipid-based compositions of antiinfectives for treating pulmonary infections and methods of use thereof
WO2007117550A2 (en) 2006-04-06 2007-10-18 Transave, Inc. Methods for coacervation induced liposomal encapsulation and formulations thereof
EP1932517A3 (en) * 2006-12-11 2008-07-16 Universiteit Utrecht Holding B.V. Liposomes containing a polyphenol derivative such as caffeic acid and a method of post-loading thereof
WO2008079976A2 (en) 2006-12-21 2008-07-03 Centocor, Inc. Dimeric high affinity egfr constructs and uses thereof
WO2008079982A2 (en) 2006-12-21 2008-07-03 Centocor, Inc. Liposome composition for targeting egfr receptor
WO2008079973A2 (en) * 2006-12-21 2008-07-03 Centocor, Inc. Egfr binding peptides and uses thereof
US7964580B2 (en) * 2007-03-30 2011-06-21 Pharmasset, Inc. Nucleoside phosphoramidate prodrugs
WO2008137717A1 (en) 2007-05-04 2008-11-13 Transave, Inc. Compositions of multicationic drugs for reducing interactions with polyanionic biomolecules and methods and uses thereof
US9114081B2 (en) 2007-05-07 2015-08-25 Insmed Incorporated Methods of treating pulmonary disorders with liposomal amikacin formulations
US9119783B2 (en) 2007-05-07 2015-09-01 Insmed Incorporated Method of treating pulmonary disorders with liposomal amikacin formulations
US9333214B2 (en) 2007-05-07 2016-05-10 Insmed Incorporated Method for treating pulmonary disorders with liposomal amikacin formulations
EP3561494B1 (en) 2007-12-06 2022-03-02 Genalyte, Inc. METHOD FOR IDENTIFYING A SEQUENCE OF NUCLEOTIDES IN AN UNKNOWN SPECIES OF NUCLEIC ACID 
AND DEVICE FOR CARRYING OUT THE METHOD
EP2231190B1 (en) * 2007-12-06 2012-09-26 Yissum Research Development Company of the Hebrew University of Jerusalem Ltd. Particulate drug carriers as desensitizing agents
US20090281054A1 (en) * 2008-05-06 2009-11-12 Venkata Reddy Compositions and methods comprising capuramycin analogues
EP2282724B1 (en) 2008-05-23 2018-09-05 The University Of British Columbia Modified drugs for use in liposomal nanoparticles
US8173621B2 (en) 2008-06-11 2012-05-08 Gilead Pharmasset Llc Nucleoside cyclicphosphates
CN104274866B (zh) * 2008-07-14 2016-08-24 波利皮得有限公司 持续释放药物载体组合物
AU2009302042A1 (en) 2008-10-07 2010-04-15 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem, Ltd. Liposomal systems comprising sphingomyelin
US9846126B2 (en) 2008-10-27 2017-12-19 Genalyte, Inc. Biosensors based on optical probing and sensing
JPWO2010058840A1 (ja) * 2008-11-20 2012-04-19 テルモ株式会社 リポソームからの薬物放出手段および放出性評価法
AR076634A1 (es) 2008-11-21 2011-06-29 Medgenesis Therapeutix Inc Composiciones y metodo para tratar desordenes del sistema nervioso central
EA201100851A1 (ru) 2008-12-23 2012-04-30 Фармассет, Инк. Аналоги нуклеозидов
NZ593648A (en) 2008-12-23 2013-09-27 Gilead Pharmasset Llc Nucleoside phosphoramidates
CN101756902B (zh) * 2008-12-23 2011-10-05 上海医药工业研究院 一种可乐定多囊脂质体及其制备方法
CL2009002206A1 (es) 2008-12-23 2011-08-26 Gilead Pharmasset Llc Compuestos derivados de pirrolo -(2-3-d]-pirimidin-7(6h)-tetrahidrofuran-2-il fosfonamidato, composicion farmaceutica; y su uso en el tratamiento de enfermedades virales.
US20100209348A1 (en) * 2009-02-18 2010-08-19 Arondo Pharma, Inc. Methods for determining liposome bioequivalence
RU2476216C1 (ru) * 2009-03-30 2013-02-27 Эйсай Ар Энд Ди Менеджмент Ко., Лтд. Липосомальная композиция
EP2415464B1 (en) 2009-03-30 2017-05-10 Eisai R&D Management Co., Ltd. Method for producing liposome composition
CN102369008B (zh) 2009-03-30 2014-10-29 卫材R&D管理有限公司 脂质体组合物
US8618076B2 (en) 2009-05-20 2013-12-31 Gilead Pharmasset Llc Nucleoside phosphoramidates
TWI576352B (zh) 2009-05-20 2017-04-01 基利法瑪席特有限責任公司 核苷磷醯胺
DE102009031274A1 (de) 2009-06-30 2011-01-13 Justus-Liebig-Universität Giessen Liposomen zur pulmonalen Applikation
AU2010272167B2 (en) 2009-07-14 2016-11-17 Polypid Ltd. Sustained-release drug carrier composition
US9402812B2 (en) * 2009-09-23 2016-08-02 Indu JAVERI Methods for the preparation of liposomes
US10143652B2 (en) 2009-09-23 2018-12-04 Curirx Inc. Methods for the preparation of liposomes
US20110070294A1 (en) * 2009-09-23 2011-03-24 Javeri Indu Methods for the Administration of Drugs Using Liposomes
JP5860409B2 (ja) 2010-01-19 2016-02-16 ポリピッド リミテッド 徐放性核酸マトリックス組成物
WO2011092708A2 (en) 2010-02-01 2011-08-04 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem, Ltd. Liposomes comprising amphipathic drugs and method for their preparation
BR112012024884A2 (pt) 2010-03-31 2016-10-18 Gilead Pharmasset Llc síntese estereosseletiva de ativos contendo fósforo
EP2609923B1 (en) 2010-03-31 2017-05-24 Gilead Pharmasset LLC Process for the crystallisation of (s)-isopropyl 2-(((s)-(perfluorophenoxy)(phenoxy)phosphoryl)amino)propanoate
US8563530B2 (en) 2010-03-31 2013-10-22 Gilead Pharmassel LLC Purine nucleoside phosphoramidate
EP2374470A1 (fr) * 2010-04-08 2011-10-12 Beta Innov Utilisation thérapeutique de la protéine Beta2m
US10272040B2 (en) * 2010-08-12 2019-04-30 Nanyang Technological University Liposomal formulation for ocular drug delivery
CA3060724A1 (en) 2010-11-05 2012-05-10 Genalyte, Inc. Optical analyte detection systems and methods of use
AR084044A1 (es) 2010-11-30 2013-04-17 Pharmasset Inc Compuestos 2’-espiro-nucleosidos
EP2680820B1 (en) * 2011-03-01 2022-11-02 2-BBB Medicines B.V. Advanced active liposomal loading of poorly water-soluble substances
PL226015B1 (pl) 2011-03-03 2017-06-30 Wrocławskie Centrum Badań Eit + Spółka Z Ograniczoną Liposomowy preparat zawierajacy przeciwnowotworowa substancje aktywna, sposob jego wytwarzania i zawierajaca go kompozycja farmaceutyczna
US8889159B2 (en) 2011-11-29 2014-11-18 Gilead Pharmasset Llc Compositions and methods for treating hepatitis C virus
WO2013086526A1 (en) * 2011-12-09 2013-06-13 The Regents Of The University Of California Liposomal drug encapsulation
US20150004219A1 (en) 2012-02-02 2015-01-01 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem, Ltd. Stable liposomes for drug delivery
EP2825885B1 (en) 2012-03-12 2021-05-12 The Board of Trustees of the University of Illinois Optical analyte detection systems with magnetic enhancement
JP6402097B2 (ja) 2012-05-21 2018-10-10 インスメッド インコーポレイテッド 肺感染症を処置するためのシステム
US9717724B2 (en) 2012-06-13 2017-08-01 Ipsen Biopharm Ltd. Methods for treating pancreatic cancer using combination therapies
AU2013202947B2 (en) 2012-06-13 2016-06-02 Ipsen Biopharm Ltd. Methods for treating pancreatic cancer using combination therapies comprising liposomal irinotecan
EP2682106A1 (en) 2012-07-03 2014-01-08 Phares Pharmaceutical Research N.V. Method of solubilizing biologically active compounds
ES2442450B1 (es) * 2012-08-09 2014-12-12 Enoc Solutions, S.L. Liposomas vacíos como adyuvante de diferentes principios activos, administrados independientemente y en su forma galénica convencional
RU2655964C2 (ru) 2012-11-20 2018-05-30 Спектрум Фармасьютикалз, Инк. Улучшенный способ получения инкапсулированного в липосомы винкристина для терапевтического применения
ES2743039T3 (es) 2012-11-29 2020-02-18 Insmed Inc Formulaciones de vancomicina estabilizada
AU2013360302C1 (en) 2012-12-12 2019-01-24 Temple University - Of The Commonwealth System Of Higher Education Compositions and methods for treatment of cancer
ES2764090T3 (es) 2012-12-19 2020-06-02 Univ New York State Res Found Composiciones y procedimiento para la liberación activada por la luz de materiales de nanovesículas
EP3922241B1 (en) 2013-02-01 2023-11-15 Celator Pharmaceuticals, Inc. Remote loading of sparingly water-soluble drugs into liposomes
US10220095B2 (en) * 2013-03-15 2019-03-05 Taiwan Liposome Company, Ltd Controlled drug release liposome compositions and methods thereof
US9693958B2 (en) 2013-03-15 2017-07-04 Cureport, Inc. Methods and devices for preparation of lipid nanoparticles
ES2792503T3 (es) 2013-08-27 2020-11-11 Gilead Pharmasset Llc Formulación combinada de dos compuestos antivirales
SI3142643T1 (sl) 2014-05-15 2019-11-29 Insmed Inc Postopki za zdravljenje pljučnih netuberkuloznih mikobakterijskih infekcij
EP3177269A4 (en) 2014-08-04 2018-02-28 Zoneone Pharma, Inc. Remote loading of sparingly water-soluble drugs into lipid vesicles
CN107427791B (zh) 2015-03-19 2021-05-14 康涅狄格大学 用于连续制造脂质体药物制剂的系统和方法
US11318131B2 (en) 2015-05-18 2022-05-03 Ipsen Biopharm Ltd. Nanoliposomal irinotecan for use in treating small cell lung cancer
TWI678213B (zh) * 2015-07-22 2019-12-01 美商史倍壯製藥公司 用於長春新鹼硫酸鹽脂質體注射之即可使用的調配物
CA2992789A1 (en) 2015-08-20 2017-02-23 Ipsen Biopharm Ltd. Combination therapy using liposomal irinotecan and a parp inhibitor for cancer treatment
EP3791876A1 (en) 2015-08-21 2021-03-17 Ipsen Biopharm Ltd. Methods for treating metastatic pancreatic cancer using combination therapies comprising liposomal irinotecan and oxaliplatin
US10617672B2 (en) 2015-10-15 2020-04-14 Lipomedix Pharmaceuticals Ltd. Liposome composition co-encapsulating doxorubicin and a prodrug of mitomycin C
MX2018004328A (es) 2015-10-16 2018-08-01 Ipsen Biopharm Ltd Composiciones farmaceuticas estabilizantes de camptotecina.
CN106220562B (zh) * 2016-07-29 2019-10-01 上海璃道医药科技有限公司 两种喹啉环类药物的新用途
SG11201903615WA (en) 2016-11-02 2019-05-30 Ipsen Biopharm Ltd Treating gastric cancer using combination therapies comprising liposomal irinotecan, oxaliplatin, 5-fluoruracil (and leucovorin)
CN111372580A (zh) * 2017-07-24 2020-07-03 国邑药品科技股份有限公司 包含弱酸药物的脂质体组合物及其用途
US10864161B2 (en) 2017-10-13 2020-12-15 American University Of Sharjah Systems and methods for targeted breast cancer therapies
WO2019126766A1 (en) 2017-12-21 2019-06-27 Taiwan Liposome Co., Ltd. Sustained-release triptan compositions and method of use the same through subdermal route or the like
US11571386B2 (en) 2018-03-30 2023-02-07 Insmed Incorporated Methods for continuous manufacture of liposomal drug products
WO2019213101A1 (en) * 2018-04-30 2019-11-07 Purdue Research Foundation Liposomal nano formulation of combinational antibiotics and the uses thereof
IL278513B (en) * 2018-05-07 2022-09-01 Pharmosa Biopharm Inc A pharmaceutical preparation for the controlled release of treprostinil
JP7036919B2 (ja) * 2018-06-20 2022-03-15 富士フイルム株式会社 薬物を内包するリポソーム組成物および免疫チェックポイント阻害剤を含む組合せ医薬
CN112789032A (zh) 2018-10-01 2021-05-11 富士胶片株式会社 包含内含药物的脂质体组合物及铂制剂的组合医药
US20210393524A1 (en) * 2018-10-17 2021-12-23 Taiwan Liposome Co., Ltd. Sustained-release pharmaceutical compositions comprising an immunomodulating agent and uses thereof
EP3965738A1 (en) 2019-05-07 2022-03-16 Universidade do Minho Method for production of liposomes
US11083705B2 (en) 2019-07-26 2021-08-10 Eisai R&D Management Co., Ltd. Pharmaceutical composition for treating tumor
CN115297854A (zh) 2020-01-10 2022-11-04 帕西拉制药股份有限公司 通过蛛网膜下腔给予缓释脂质体麻醉组合物治疗疼痛
CN115515581A (zh) 2020-01-10 2022-12-23 帕西拉制药股份有限公司 通过给予缓释脂质体麻醉组合物治疗疼痛
CN111249223B (zh) * 2020-03-17 2022-08-05 中国人民解放军联勤保障部队第九〇〇医院 一种盐酸普萘洛尔立方液晶凝胶及其制备方法
BR112022025918A2 (pt) 2020-06-18 2023-03-14 Akagera Medicines Inc Compostos de oxazolidinona, composições lipossomais que compreendem compostos de oxazolidinona e métodos de uso dos mesmos
CA3200234A1 (en) 2020-11-25 2022-06-02 Daryl C. Drummond Lipid nanoparticles for delivery of nucleic acids, and related methods of use
CN116997338A (zh) 2021-01-11 2023-11-03 帕西拉制药股份有限公司 用缓释脂质体麻醉剂组合物治疗髋部疼痛
US11357727B1 (en) 2021-01-22 2022-06-14 Pacira Pharmaceuticals, Inc. Manufacturing of bupivacaine multivesicular liposomes
US11033495B1 (en) 2021-01-22 2021-06-15 Pacira Pharmaceuticals, Inc. Manufacturing of bupivacaine multivesicular liposomes
US11278494B1 (en) 2021-01-22 2022-03-22 Pacira Pharmaceuticals, Inc. Manufacturing of bupivacaine multivesicular liposomes
US11931459B2 (en) 2021-03-19 2024-03-19 Pacira Pharmaceuticals, Inc. Treatment of pain in pediatric patients by administration of sustained-release liposomal anesthetic compositions
WO2023126947A1 (en) * 2022-01-02 2023-07-06 Moebius Medical Ltd. Determination of the trapped volume of a liposome
US11918565B1 (en) 2022-11-03 2024-03-05 Pacira Pharmaceuticals, Inc. Treatment of post-operative pain via sciatic nerve block with sustained-release liposomal anesthetic compositions

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4460577A (en) * 1977-09-30 1984-07-17 Farmitalia Carlo Erba S.P.A. Pharmaceutical compositions consisting or consisting essentially of liposomes, and processes for making same
US4694000A (en) * 1983-09-29 1987-09-15 Akzo N.V. Quinazoline and isoquinoline derivatives
CA1270198A (en) * 1984-08-08 1990-06-12 Marcel B. Bally Encapsulation of antineoplastic agents in liposomes
US4885172A (en) * 1985-06-26 1989-12-05 The Liposome Company, Inc. Composition for targeting, storing and loading of liposomes
JPS63500707A (ja) * 1985-09-04 1988-03-17 ウルリヒ・シュタイネマン・ア−ゲ− 帯状材料上への液体塗布装置
US5204112A (en) * 1986-06-16 1993-04-20 The Liposome Company, Inc. Induction of asymmetry in vesicles
JPH0825869B2 (ja) * 1987-02-09 1996-03-13 株式会社ビタミン研究所 抗腫瘍剤包埋リポソ−ム製剤
CA1338702C (en) * 1987-03-05 1996-11-12 Lawrence D. Mayer High drug:lipid formulations of liposomal- antineoplastic agents
US4946683A (en) * 1987-11-18 1990-08-07 Vestar, Inc. Multiple step entrapment/loading procedure for preparing lipophilic drug-containing liposomes
IL91664A (en) * 1988-09-28 1993-05-13 Yissum Res Dev Co Ammonium transmembrane gradient system for efficient loading of liposomes with amphipathic drugs and their controlled release

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007080902A1 (ja) 2006-01-11 2007-07-19 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. 眼球において標的遺伝子の発現を抑制する組成物および眼球における疾患の治療剤
WO2008050807A1 (fr) 2006-10-25 2008-05-02 Terumo Kabushiki Kaisha Procede de production d'une preparation de liposome
WO2010013815A1 (ja) 2008-08-01 2010-02-04 協和発酵キリン株式会社 標的遺伝子の発現を抑制する組成物
WO2011136368A1 (ja) 2010-04-28 2011-11-03 協和発酵キリン株式会社 カチオン性脂質
WO2011136369A1 (ja) 2010-04-28 2011-11-03 協和発酵キリン株式会社 カチオン性脂質
WO2012098692A1 (ja) 2011-01-19 2012-07-26 協和発酵キリン株式会社 標的遺伝子の発現を抑制する組成物
US9877918B2 (en) 2011-03-25 2018-01-30 Terumo Kabushiki Kaisha Long-lasting controlled-release liposome composition and method for producing same
WO2012133121A1 (ja) 2011-03-25 2012-10-04 テルモ株式会社 持続徐放性リポソーム組成物およびその製造方法
WO2013065825A1 (ja) 2011-11-02 2013-05-10 協和発酵キリン株式会社 カチオン性脂質
EP3301086A1 (en) 2011-11-02 2018-04-04 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Production of a composition containing a complex between a membrane composed of a lipid monolayer and a nucleic acid, and, a lipid membrane for encapsulating the complex therein
WO2013089151A1 (ja) 2011-12-12 2013-06-20 協和発酵キリン株式会社 カチオン性脂質を含有するドラッグデリバリーシステムのための脂質ナノ粒子
WO2013089152A1 (ja) 2011-12-12 2013-06-20 協和発酵キリン株式会社 カチオン性脂質の組み合わせを含有する脂質ナノ粒子
WO2014007398A1 (ja) 2012-07-06 2014-01-09 協和発酵キリン株式会社 カチオン性脂質
WO2014013995A1 (ja) 2012-07-16 2014-01-23 協和発酵キリン株式会社 KRAS遺伝子発現抑制RNAi医薬組成物
US9724300B2 (en) 2012-09-21 2017-08-08 Terumo Kabushiki Kaisha Long-lasting, controlled-release local anesthetic liposome preparation
WO2017111172A1 (ja) 2015-12-25 2017-06-29 協和発酵キリン株式会社 カチオン性脂質としての化合物
US11413244B2 (en) 2017-03-31 2022-08-16 Fujifilm Corporation Liposome composition and pharmaceutical composition
US11446247B2 (en) 2017-03-31 2022-09-20 Fujifilm Corporation Liposome composition and pharmaceutical composition

Also Published As

Publication number Publication date
EP0361894A2 (en) 1990-04-04
DE68919321D1 (de) 1994-12-15
CA1335565C (en) 1995-05-16
DE19675049I2 (de) 2009-05-28
ATE113830T1 (de) 1994-11-15
ES2067551T3 (es) 1995-04-01
US5316771A (en) 1994-05-31
LU88856I2 (fr) 1997-01-31
EP0361894A3 (en) 1991-11-21
IL91664A (en) 1993-05-13
NL960033I2 (nl) 2005-04-01
US5192549A (en) 1993-03-09
EP0361894B1 (en) 1994-11-09
IL91664A0 (en) 1990-04-29
DE68919321T2 (de) 1995-05-24
NL960033I1 (nl) 1997-03-03
JPH02196713A (ja) 1990-08-03
HK26197A (en) 1997-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2659136B2 (ja) 両親媒性分子を有効に充填かつ制御放出するリポソーム
US5552155A (en) Fusogenic lipsomes and methods for making and using same
US5939096A (en) Liposome drug-loading method and composition
JP5388395B2 (ja) 脂質に被包された治療剤の製造方法
CA1338702C (en) High drug:lipid formulations of liposomal- antineoplastic agents
CA2739822A1 (en) Liposomal systems comprising sphingomyelin
Frézard et al. Fluorinated phosphatidylcholine-based liposomes: H+/Na+ permeability, active doxorubicin encapsulation and stability in human serum
AU689479B2 (en) Fusogenic liposomes and methods of making and using same
HUT62458A (en) Process for producing liposomes with increased receptive capacity towards foreign materials to be encapsulated
CA2627657A1 (en) A method for preparing liposomes and uses thereof
EP0592446B1 (en) Loading technique for preparing drug containing liposomes
EP1448165B1 (en) Lipid carrier compositions and methods for improved drug retention
US20030129224A1 (en) Lipid carrier compositions and methods for improved drug retention
EP0472639A1 (en) Accumulation of drugs into liposomes by a proton gradient
WO2007049279A2 (en) A liposomal combination and uses thereof
EP0661044A1 (en) Drug-containing liposomes
CN113116823A (zh) 一种脂质体及其制备方法
Baker Studies on liposome entrapped sitamaquine
CA2467060A1 (en) Lipid carrier compositions and methods for improved drug retention
Naaz et al. International Journal of Modern Pharmaceutical Research

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080606

Year of fee payment: 11

S202 Request for registration of non-exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080606

Year of fee payment: 11

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080606

Year of fee payment: 11

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080606

Year of fee payment: 11

S202 Request for registration of non-exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080606

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080606

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090606

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100606

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100606

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100606

Year of fee payment: 13