JP2658414B2 - グリーンシートへの導電層パターン形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電気機器等に使用されるセラミック回路基板
の製造に使用されるグリーンシートへの導電層パターン
形成装置に関するもので、特にビアホールを有するグリ
ーンシートに所定の導電層パターンを形成する手段に特
徴を有する。

従来の技術 ビアホールのあるグリーンシートに導体ペーストによ
り所定のパターンの導電層を印刷形成する際、グリーン
シートの両面で電気的導通をとる為にビアホールをメタ
ライズする必要があり、そのために、従来第２図に示す
ような印刷工法を用いていた。すなわち、グリーンシー
ト１のビアホール６に対応した位置に、そのビアホール
６の孔よりやや大きめの孔７を印刷ステージ２に形成し
ておき、この孔７より空気を吸引しながらスクリーン印
刷を行う事により、第３図に示す如くビアホール６の壁
面及び裏側に導電ペースト層５を形成したり、第４図に
示す如くビアホール６に導電ペースト５を充填した構造
に形成したりしていた。尚、第２図中、３はスクリーン
メッシュ、４はスキージ、５は導体ペーストである。

発明が解決しようとする課題 ところが従来の工法では、グリーンシート中のビアホ
ールの位置が変わる毎に印刷ステージの孔位置も変更し
なければならず、印刷ステージのコストは高くつき、さ
らに印刷回数が多くなってくると印刷ステージの穴周辺
が導電ペーストで汚れ、次に印刷するグリーンシートに
転写されるという問題点を有していた。

本発明はこのような従来の問題点を解消するものであ
り、簡単な手段でビアホールに導電ペーストを充填し、
連続印刷しても上記の汚れが発生しない装置を提供する
ものである。

課題を解決するための手段 上記問題点を解決する為に、本発明のグリーンシート
の導電層パターン形成装置は、被印刷物であるグリーン
シートを第１の多孔質材よりなる固定基板の表面に、第
２の多孔質材よりなるシート状体を介して載置し、前記
固定基板を通して空気を吸引しながら前記グリーンシー
トに導電層パターンをスクリーン印刷等により形成し、
その形成後に自動的に前記シート状体を所定の長さだけ
移動せしめるよう構成したものである。

作 用 上述の本発明の構成によれば、固定基板とグリーンシ
ート間に介在されたシート状体は多孔質である為、この
シート状体を通してグリーンシートにも吸引力が働き、
グリーンシートのビアホール部に導体ペースト十分に充
填される。また、このシート状体がある為に裏側にまわ
り込もうとする余分な導体ペーストはシート状体で遮断
され、その汚れたシート状体は印刷後に自動的に移動さ
れて、新たなシート状体がセッティングされるので、グ
リーンシートの裏側はペーストで汚れない。

実施例 以下、本発明の一実施例のグリーンシートへの導電層
パターンの形成装置について、図面を参照しながら説明
する。第１図に於て、８は例えば焼結金属のような剛質
の多孔質材により形成された固定基板であり９は例えば
トイレットペーパーのような可撓性の多孔質材により形
成されたシート状体である。このシート状体９の両端は
それぞれ供給リール10と巻取リール11に固定され、前記
巻取リール11の回転に伴って、前記多孔質固定基板８の
面上を移動可能に構成されている。前記シート状体９を
停止せしめた状態で、そのシート状体９の上にビアホー
ル６のあいたグリーンシート１を載置し、前記多孔質固
定基板８の下から吸引を行ないながら従来と同様にスク
リーン印刷法によって導電層パターン５を形成する。こ
の時、グリーンシート１のビアホール６には、多孔質固
定基板８及びシート状体９を介して吸引力が働き、この
ビアホール６内にも導電層が形成される。導電層が形成
されたグリーンシートが取除かれ、次のグリーンシート
が載置される前に、例えばグリーンシートの取除き作業
に連動して巻取リール11は所定の角度だけ回転され、導
体ペースト５で汚れたシート状体９は所定の長さ巻き取
られ、新たなシート状体９が供給されるように動作す
る。

以上のように、本実施例によれば被印刷物のグリーン
シート１と多孔質固定基板８の間に多孔質材よりなるシ
ート状体９をセットし、吸引しながら印刷する事により
グリーンシート１のビアホール６の位置が変わっても、
印刷治具である多孔質固定基板８を変更しなくても良
く、シート状体９を移動する事により多孔質固定基板８
も汚れない為、連続印刷が可能である。また、本実施例
に於て導電層パターンの形成法にスクリーン印刷法を用
いたが、スクリーン印刷法の代りにメタルマスク印刷法
を用いてもよい。

発明の効果 以上のように本発明によれば、印刷ステージを多孔質
固定基板により構成し、被印刷物であるグリーンシート
と前記多孔質固定基板との間に、紙，メッシュ，布，ス
ポンジ等の多孔質シート状体を介在せしめることによ
り、グリーンシートのビアホールの位置に関係なく、多
孔質固定基板が共用出来る為、低コスト化が図れる。ま
た、シート状体を順次移動取替えることにより多孔質固
定基板がペーストで汚れない為、連続印刷が可能とな
り、高品質なセラミック多層基板を効率良く得る事が出
来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のグリーンシートへの導電層パターンの
形成装置の一実施例を示す断面図、第２図は従来のグリ
ーンシート用スクリーン印刷装置の断面図、第３図はビ
アホールに導体が形成されたグリーンシートの断面図、
第４図はビアホールに導体が充填されたグリーンシート
の断面図である。 １……グリーンシート、２……印刷ステージ、３……ス
クリーンメッシュ、４……スキージ、５……導体ペース
ト、６……ビアホール、７……印刷ステージの孔、８…
…多孔質固定基板、９……シート状体、10……供給リー
ル、11……巻取リール。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−178991（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−144898（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−127456（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−118460（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】第１の多孔質材よりなる固定基板と、両端
   がそれぞれ巻取リールと供給リールに固定されており、
   前記巻取リールの回転にともなって前記固定基板の表面
   上を移動する第２の多孔質材よりなるシート状体と、前
   記シート状体の上に載置されたグリーンシートに所定の
   導電層パターンを形成する印刷手段と、前記固定基板と
   シート状体を通して前記グリーンシートを吸引する吸引
   手段と、前記印刷手段と連動して、前記導電層パターン
   の形成後に前記巻取リールを所定の角度回転せしめる手
   段とよりなるグリーンシートへの導電層パターン形成装
   置。