JP2647505B2 - 塗膜形成方法 - Google Patents

塗膜形成方法

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JP2647505B2
JP2647505B2 JP1201451A JP20145189A JP2647505B2 JP 2647505 B2 JP2647505 B2 JP 2647505B2 JP 1201451 A JP1201451 A JP 1201451A JP 20145189 A JP20145189 A JP 20145189A JP 2647505 B2 JP2647505 B2 JP 2647505B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は表面平滑な塗膜の形成方法に関する。
[従来の技術] 塗料吐出用の微小開口部から吐出される塗料を実質的
に霧化させずに筋状に連続して飛翔させて塗布する塗膜
形成方法が提案されているが、この塗膜形成方法におい
ては、塗膜にゆず肌、泡、ピンホール等の欠陥を生ずる
ことがあり、特に顔料分散系の塗膜の場合には色分れ、
光沢ムラ、浮き、ヘコミや表面の粗面化等の表面欠陥を
生じることもある。
従来公知の塗膜形成方法においては、かかる表面欠陥
を防止したり、塗膜に表面平滑性を付与するために、一
般に、アニオン系、カチオン系、ノニオン系界面活性
剤、フッ素化ポリオレフィン、ポリビニルブチラール、
ポリアクリレート、シリコーンオイル等の添加剤を塗料
中に少量添加する事が知られている。これらの添加剤は
塗布後、塗膜表面あるいはその近傍に移行し、塗膜の不
均一な指触乾燥等を防止したり、表面欠陥を防止した
り、表面平滑性を付与したりする。しかしながらこれら
の添加剤のほとんどは、高分子量、高沸点であるため不
揮発性あるいは極めて揮発性が悪く、塗膜の指触乾燥、
さらには、加熱乾燥後も塗膜中に残留し易く、添加剤の
種類や添加量によっては添加剤本来の目的を損うばかり
でなく、塗膜の光沢がなくなったり、表面の粗面化が生
じる等の弊害を生じることもある。
前記のような、塗料吐出用の微小開口部から吐出され
る塗料を実質的に霧化させずに筋状に連続して飛翔させ
て塗布する塗膜形成方法においては、塗料は実質的に霧
化せず、筋状に飛翔し、塗料が専有する空間体積の割合
が高く、塗料と空気との接触が少ないために、塗料中の
揮発成分の揮発等に起因する塗料の流動性の低下、粘度
の上昇等の塗料の変性がないので、添加剤はより表面近
傍に移行しやすい。さらに被塗布物が円筒形などの場合
には、塗膜形成に際して被塗布物を回転させる為に塗膜
中の添加剤は遠心力により、より塗膜の表面近傍に移行
し易くなる。従って、この場合には添加剤の添加による
上記の弊害が更に大きくなる。
塗膜の精密性がさらに要求される電子写真感光体にお
いても、導電層、下引き層、感光層、保護層などの塗膜
形成に際しては、前記の表面欠陥が大面積にわたって発
生しないことが必要とされる。そのため、電子写真感光
体の塗膜形成においても、塗料中に前記の添加剤を添加
することがある。添加剤のほとんどは電気絶縁性が高
く、その上、塗膜の表面あるいは、表面近傍に移行す
る。電子写真感光体は光により発生したキャリアーが感
光層を移動する事によって画像形成を行うものであり、
導電層、下引き層、感光層、保護層中またはその表面近
傍に電気絶縁性の高いものや電気的トラップ等、電荷の
移動を妨げるものが存在する場合には残留電位の上昇や
耐久時の残留電位の上昇、画像カリブ等、電子写真特性
を悪化させる要因となる。そのため、添加剤の種類、使
用量の点で著しい制約があった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、塗膜の面状態、均一性に優れ、塗膜欠陥の
ない塗膜形成方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 前記の目的は、塗料吐出用の微小開口部から吐出され
る塗料を実質的に霧化させずに筋状に連続して飛翔させ
て塗布する塗膜形成方法において、塗料中に環状シリコ
ーンオイルまたは分子量1000以下の下記一般式(I)の
シリコーンオイルを含有させることを特徴とする塗膜形
成方法。
一般式(I) (式中、R1〜R8はアルキル基、アリール基またはアルコ
キシ基を示し、これらの基は置換基を有してもよく、m
は正の整数である)を含有させることによって達成され
る。
かかる塗膜形成方法においては、微小開口部より吐出
された塗料が専有する空間体積の割合は95%〜100%程
度となり、塗料中の揮発成分の揮発が少なく、塗料の変
性がない。そのため塗布直後の塗膜は、塗料とほとんど
変りのない流動性、粘性を呈しており、かつ十分湿潤し
ており、塗膜がセッティングするまでの指触乾燥の間に
塗膜中の添加剤は十分に塗膜表面に移行し、特に被塗布
物が塗膜形成時に回転している場合には極めて顕著であ
り、塗膜のセッティング、さらには加熱乾燥後も塗膜表
面、あるいはその近傍に残留していることがほとんどで
ある。前記の添加剤の本来の目的は塗膜の形成過程、特
にセッティングまでの過程において塗膜の表面欠陥を防
止することが主たるものであるから、塗膜のセッティン
グ、加熱乾燥後も、塗膜中に残留することはあまり好ま
しくない。特に電子写真感光体においては、残留電位の
上昇等、電子写真特性の面から、極めて好ましくない。
そこで本発明では、塗料吐出用の微小開口部から吐出
される塗料を実質的に霧化させずに筋状に連続して飛翔
させて塗布する塗膜形成方法において、塗料添加剤とし
て揮発性のレベリング剤を用いることにより、塗膜の表
面欠陥を防止し、かつ、加熱乾燥後の塗膜中の塗料添加
剤の残留を防止するものである。
本発明において使用できる揮発性のレベリング剤とし
ては、例えば沸点が300℃以下のレベリング剤が挙げら
れる。これらの中でも分子量1000以下、特に分子量600
以下のシロキサン構造を有する下記一般式(I)のシリ
コーンオイルを用いる。また、環状シリコーンオイルと
しては、例えば下記一般式(II)のものが好ましい。
一般式(I) 一般式(II) (式中、R1〜R10はメチル、エチルなどのアルキル基、
フェニルなどのアリール基またはメトキシ、エトキシな
どのアルコキシ基を示し、他の置換基やハロゲン原子な
どで置換されていてもく、m,nは正の整数である) これらの中でもR1〜R10がメチル、エチル、メトキ
シ、エトキシから選ばれた基であって、mが2〜4の整
数、nが4〜6の整数であるシリコーンオイルが好まし
い。このような揮発性シリコーンオイルの具体的構造式
を以下に例示する。
なお、レベリング剤の効果は分子量が大きいほど全体
的な作用効果が強く現れるが、それに比例して揮発性も
小さくなっていく。
この点で同一分子量でも揮発性が大きい一般式(II)
で示したような環状シリコーンオイルは有利である。ま
た、分子量が小さいものでも添加量を多くすることで、
十分な添加剤効果を得るものである。
揮発性レベリング剤の使用方法としては、通常のレベ
リング剤の如く塗料調合時でもあるいは塗料調製後の後
添加においても効果に変化なしで使用でき、添加量に関
しては塗膜の表面欠陥防止、表面平滑性に対し、必要量
の添加が可能である。
尚、本発明の塗膜形成方法においては、レベリング剤
として従来公知の非揮発性レベリング剤を併用すること
もできる。その併用する量は塗膜の用途によって異な
り、レベリング剤の残留があまり問題にならない用途で
は相対的に多くてもよいが、電子写真感光体の用途では
相対的に少ない、あるいは併用しないことが望ましい。
このような本発明の塗膜形成方法はいろいろな分野に
適用することができるが、なかでも、電子写真感光体に
おける導電層、下引き層、感光層、保護層などの塗布に
対しても極めて有効である。電子写真感光体用塗料とし
ては、導電層用塗料、下引き層用塗料、電荷発生層用塗
料、電荷輸送層用塗料などの感光層用塗料、保護層用塗
料などが挙げられる。これらの中でも導電層用塗料や電
荷発生層用塗料などの顔料分散系塗料に対して本発明の
塗膜形成方法は特に適している。
塗布により形成された塗膜は溶剤を除去するために、
指触乾燥、加熱乾燥処理がなされる。
一般的に有機光導電材による電子写真感光体は、有機
高分子、有機顔料、有機染料を使用しており耐熱性に優
れているわけではなく、高温長時間の乾燥は熱劣化を生
じ、電子写真特性を悪化させる。そのため、通常は強く
とも200℃1時間前後の加熱乾燥条件以内で行なわれる
事が多く、通常添加剤として使用される高分子シリコー
ンオイルが留去される事はないのに対し本発明において
は、多量に使用した場合でも、完全に留去されるか、少
なくともほとんどが留去され、いずれにしろ、電子写真
特性を悪化させる事はない。
電子写真感光体用塗料に対する揮発性レベリング剤の
添加量は電子写真感光体塗膜形成材料に対して、0.05〜
3wt%、特に0.1〜1wt%の範囲が好ましい。
本発明における電子写真感光体用塗料を加熱乾燥させ
る条件としては、200℃以下、1時間以内、特には50℃
〜150℃、5分〜1時間の範囲が好ましい。
次ぎに、本発明の塗膜形成方法を用いて製造できる電
子写真感光体について説明する。
導電性支持体としてはアルミニウム、しんちゅう、ス
テンレス等を円筒や箔に形成したものや、紙、プラスチ
ック等にアルミニウム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸
化インジウム等を蒸着又はラミネートしたものが用いら
れる。
また、導電性支持体の傷、欠陥をカバーするために、
あるいは支持体からの注入を阻止するために、導電性支
持体のうえに導電層を設けることがある。この導電層
は、アルミニウム、銀、金、ニッケル、銅等の金属粉、
カーボンブラック粉体、酸化スズ、酸化アンチモン、酸
化インジウム等の導電性物質をフェノール樹脂、ウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の樹脂を適当
な溶剤と共に分散させた導電層用塗料を塗布し、加熱乾
燥することにより形成することができる。導電層の膜厚
は10〜50μm、特に15〜40μmの範囲が好ましい。
上記のような導電性支持体あるいは導電層と感光層と
の間にバリヤー機能と接着機能を有する下引き層を形成
することができる。
下引き層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニト
ロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリ
アミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重
合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウ
レタン等を適当な溶剤に溶解させた下引き層用塗料を塗
布し、加熱乾燥することにより形成することができる。
下引き層の膜厚は0.1〜5μm、特に0.5〜3μmの範囲
が好ましい。
なお、下引き層はその機能を発揮するためには107Ωc
m以上であることが望ましい。
感光層は感光層用途量を塗布し、加熱乾燥することに
より形成することができる。また感光層は電荷発生層と
電荷輸送層の積層型であっても、単一層型であってもよ
い。
積層型の場合には、電荷発生層は、スーダンレッド、
ダイアンブルー、ジェナスグリーンB等のアゾ顔料、ア
ルゴールイエロー、ピレンキノン、インダンスレンブリ
リアント、バイオレットRRP等のキノン顔料、キノシア
ニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ、チオインジゴ等の
インジゴ顔料、インドファーストオレンジトナー等のビ
スベンゾイミダゾール顔料、銅フタロシアニン等のフタ
ロシアニン顔料、キナクリドン顔料等の電荷発生物質を
ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ
ビニルブチラール、ポリアミド、アクリル、ポリアリレ
ート、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ポリ
アクリル酸エステル、セルロースエステル類等の結着剤
樹脂に適当な溶剤と共に分散させて調製した電荷発生層
用塗料を塗布し、加熱乾燥することにより形成すること
ができる。電荷発生層の膜厚は0.01〜1μm、特に0.05
〜0.5μmの範囲が好ましい。
電荷輸送層は、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合
物、スチリル化合物、カルバゾール化合物、トリアリー
ルアミン化合物などの電荷輸送物質を、ポリカーボネー
ト、ポリメタクリル酸エステル、ポリアミド、ポリアリ
レート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリサルホン、
スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−メ
タクリル酸メチルコポリマー等の結着剤樹脂に適当な溶
剤と共に溶解させて調製した電荷輸送層用塗料を塗布
し、加熱乾燥することにより形成することができる。電
荷輸送層の膜厚は5〜30μm、特に10〜20μmの範囲が
好ましい。
また、感光層が単一層型の場合には、電荷発生物質と
電荷輸送物質とを前記のような結着剤樹脂に適当な溶剤
と共に含有させて調製した単一感光層用塗料を塗布し、
加熱乾燥することにより形成することができる。
また、色素、顔料、有機電荷輸送物質などは一般に紫
外線、オゾン、オイル等による汚れ、金属切粉等に弱い
ので、必要に応じて保護層(絶縁層)を形成する。保護
層は、その上に静電潜像を形成するために表面抵抗率は
1011Ω以上とすることが望ましい。
保護層は、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポ
リカーボネート、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ナイ
ロン、ポリイミド、ポリアリレート、ポリウレタン、ス
チレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸
コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマーな
どの樹脂を適宜の溶剤に溶解した保護層用塗料を感光層
表面に塗布し、加熱乾燥することにより形成することが
できる。膜厚は0.05〜20μmの範囲で適宜に定めるもの
とし、紫外線吸収剤などを含ませてもよい。
表面保護層に、又は表面保護層を有しない感光体では
感光層表面に潤滑性を出すためのPTFE、PFA、PVDFなど
のフッ素樹脂粉、MoS2、WS2、BNなどの固体潤滑剤、あ
るいは被覆強度を出すためのAl2O3、TiO2、SiO2などを
分散させることもできる。まお、導電層や電荷発生層に
揮発性レベリング剤を用いない場合にはこれらの層は蒸
着により形成してもよい。
電子写真感光体用塗料中に用いることのできる溶剤と
しては、メタノール、エタノール、イソプロパノールな
どのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチ
ルエーエルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル
などのエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジク
ロルエチレン、四塩化炭素、トリクロルエチレンなどの
脂肪族ハロゲン化炭化水素類あるいはベンゼン、トルエ
ン、キシレン、リグロイン、モノクロルベンゼン、ジク
ロルベンゼンなどの芳香族類などを用いることができ
る。
電子写真感光体用塗料の塗布は、その一層又ははそれ
以上を本発明の塗膜形成方法によって形成し、他の層は
浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピン
ナーコーティング法、ビードコーティング法、マイヤー
バーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラ
ーコーティング法、カーテンコーティング法などのコー
ティング法を用いて行なうことができる。なお、必要に
応じて、塗布された塗料を室温において指触乾燥した後
に加熱乾燥してもよい。
本発明による塗膜形成方法を用い、電子写真感光体の
ような円筒状基体表面に塗膜を形成するための塗布装置
の具体例を第1図に示す。
第1図(a)において、1は円筒状基体であり、これ
は円筒状基体の保持を兼用する回転軸2に固定される。
又、回転軸2は回転モーター3により所定の回転速度で
回転される。一方、ビーム状の塗布液4を吐出するため
のガン5は、横送り機構の架台6に乗せられており、円
筒状基体1の回転軸方向と平行に移動する。また、ガン
5は、導出管7及びフィルター8を経由してタンク9に
接続されている。エアーパイプ10で導入された圧縮エア
ーにより、ゲージ11で定めた圧力にタンク9内の塗料は
加圧され、フィルター8および導出管7を経由してガン
5の先端のノズルチップ(第1図(b)参照)から吐出
される。
この装置を用いて実際に塗布する場合、ガンの横送り
機構のスイッチとガン・ニードルのエアースイッチをセ
ットし、円筒状基体1の所定位置からビーム4を吐出す
る。同時に回転モーター3のスイッチも入れ、円筒状基
体保持の回転軸2を回転させる。第1図(b)に示した
ように、ガン5の先端に設けられたノズルチップ12から
吐出したビーム状の塗布液4は、円筒状基体1上にネジ
を切ったようなパターン13で糸巻き状(らせん状)に付
着し、レベリングすることにより塗膜14が成膜される。
レベリングによる塗膜の生成工程は第2図に示すとおり
である。すなわち、円筒状基体1上に付着した糸巻き状
塗料は、塗料の衝突エネルギーおよび塗料と被塗布物と
の界面張力の為、徐々に幅広く拡がっていき、隣接する
塗料がたがいに接触し被塗布物の塗布面をすきまなくお
おう(第2図(a))。そして、塗料の拡散性ならびに
塗料と被塗布物との界面張力により適切な時間経過後、
ピッチに応じて生じていた当初の塗布膜凹凸がレベリン
グされて、平滑な面として成膜される(第2図
(b))、なお、糸巻き状に付着する塗料は、塗料の端
部どうしが重なり合うように付着してもよい。更に、塗
料の溶剤蒸気を制御する為にフードを併用すれば表面を
より平滑にすることも可能である。
ビームにより形成する糸巻きのラインのピッチは、回
転速度とガンの送り速度によって決まる。又、単位面積
上の塗布液の量は吐出量が一定であればガンの送り速度
によって決まる。
ΔVu :単位面積当りの吐出量(cc/分・cm2) P :吐出圧(kgf/cm2) r :吐出口径(cm) d :オリフイスのベアリング長(cm) v :送り速度(cm/分) また、ビームのピッチ巾に関しては、次の関係があ
る。
Pw :ビームピッチ巾(cm) R0:円筒状基体回転数(rpm) 上記の塗布装置で用いる塗料吐出口の具体例としては
標準的には第3図(a)に示すような単一吐出口を有す
るノズルチップであるが、塗布速度を早める為に多数
の、例えば第3図(b)に示すような3つの吐出口を有
するノズルチップの形態をとってもよい。
実施例1 表面にアルミナ処理した酸化チタン110部(重量部、
以下同様)、表面にSb2O3処理した酸化チタン110部、フ
ェノール樹脂100部(固形分として)、メタノール68
部、メチルセロソルブ68部及び環状シリコーンオイル
(オクタメチルシクロテトラシロキサン)0.32部を、ガ
ラスビーズを加えたサンドミルで2時間分散し、導電性
塗料を得た。この塗料をメタノールとメチルセロソルブ
で希釈して粘度30cpの塗料を調製した。
第1図(a)の塗布装置を用い、口径200μmの1個
の吐出口を中央に有するノズルチップを用いて吐出圧0.
5kgf/cm2で塗料を加圧し、吐出速度2.4m/sec、毎分4.6c
cの条件で塗料を霧化させずに筋状で、直径80mm、長さ3
60mmのアルミシリンダーの表面の長手方向10mmから350m
mの幅に吐出した。塗布装置の条件はシリンダーの回転
速度120ppm、吐出口の横送り速度400mm/分、吐出口とア
ルミシリンダー表面との距離の10mmであった。塗布後14
0℃で30分間加熱硬化し、平均膜厚20μmの導電層を得
た。
冷却後この導電層の上に、第1図(a)の塗布装置を
用いて、共重合体ナイロン樹脂2部及びアルコキシメチ
ル化ナイロン樹脂8部をメタノール60部とブタノール40
部との混合液に溶解し、この溶液にさらにメタノール及
びブタノールを加えて粘度4cpに調製した塗料を口径100
μmの1個の吐出口を中央に有するノズルチップを用い
て吐出圧0.3kgf/cm2で塗料を加圧し、吐出速度4.2m/se
c、毎分2ccの条件で塗料を霧化せずに筋状でシリンダー
の長手方向10mmから350mmの幅に吐出した。塗布装置の
条件はシリンダーの回転速度150rpm;吐出口の横送り速
度210mm/分、吐出口とシリンダー表面との距離10mmであ
った。
塗布後100℃で10分間乾燥し平均膜厚1.0μmの下引層
を設けた。
次ぎに、構造式 のジスアゾ顔料10部、酢酸酪参セルロース樹脂(商品名
CAB-381、イーストマン化学(株)製)6部及びシクロ
ヘキサノン60部を1φガラスビーズを用いたサンドミル
装置で20時間分散した。この分散液にメチルエチルケト
ン及びシクロヘキサノンを加えて、粘度1cpの塗料を調
製した。第1図(a)の塗布装置を用い、この液を前記
下引層の上に口径75μmの1個の吐出口を中央に有する
ノズルチップを用いて吐出圧0.5kgf/cm2で塗料を加圧
し、吐出速度5.7m/sec、毎分1.5ccの条件で塗料を霧化
させずに筋状でシリンダーの長手方向10mmから350mmの
幅に吐出した。塗布装置の条件は、シリンダー回転速度
90rpm、吐出口の横送り速度180mm/分、吐出口とアルミ
シリンダー表面との距離15mmであった。
塗布後100℃で10分間乾燥し、平均膜厚0.3μmの電荷
発生層を設けた。
次いで、p−(N,N−ジエチルアミノ)ベンズアルデ
ヒド−N′−α−ナフチル−N′−フエニルヒドラゾン
5重量部及びスチレンメチルメタクリレート共重合樹脂
(数平均分子量IO×104)5重量部をモノクロルベンゼ
ン75重量部に溶解して粘度20cpsの塗料を調製した。
第1図(a)の塗布装置を用いて、この液を前記電荷
発生層上に口径150μmの1個の吐出口を中央に有する
ノズルチップを用いて吐出圧0.5kgf/cm2で塗料を加圧
し、吐出速度3.7m/sec、毎分3.9ccの条件で塗料を霧化
させずに筋状でシリンダーの長手方向10mmから350mmの
幅に吐出した。塗布装置の条件は、シリンダーの回転速
度80rpm、吐出口の横送り速度110mm/分、吐出口とアル
ミシリンダー表面との距離5mmであった。
塗布後100℃、60分間乾燥し、平均膜厚19μmの電荷
輸送層を形成し、電子写真感光体を作成した。これを感
光体No.1とする。
比較例1 実施例1において導電層塗料中に環状シリコーンオイ
ルの代わりに平均分子量1万の直鎖シロキサン構造を有
するシリコーンオイルを0.03部加えて、あとは同様にし
て感光体を製造した。これを感光体No.2とする。
実施例2 実施例1において、導電層塗料中に環状シリコーンオ
イル(オクタメチルシクロテトラシロキサン、b.P.171
℃)0.32部の代わりに別の環状シリコーンオイル(デカ
メチルシクロペンタシロキサン、b.P.204℃)0.32部加
えて、あとは同様にして感光体を製造した。これを感光
体No.3とする。
実施例3 実施例1において、導電層塗料中に環状シリコーンオ
イル(オクタメチルシクロテトラシロキサン)0.32部の
代わりに線状ジメチルシロキサン(ドデカメチルペンタ
シロキサン(CH3)3Si[OSi(CH3)2]4CH3、b.P.229℃)を0.
32部加えて、あとは同様にして感光体を製造した。これ
を感光体No.4とする。
これらNo.1〜No.4の感光体についてそれぞれ電子写真
特性を測定しながら複写機による耐久テストと導電層表
面の欠陥について観察したところ次のような結果を得
た。
[発明の効果] 以上のように本発明の塗膜形成方法によれば、塗膜本
来の性能を損うことなく、表面欠陥がなく、表面平滑性
に優れた塗膜を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施に用いる塗布装置の一例を示す概
略説明図である。 第2図は微小開口部からビーム状に吐出された塗料が基
体上で広がり、均一な膜となる様子を示す概略説明図で
ある。 第3図は塗料吐出口の例を示す概略説明図である。 図中、1は円筒状基体、2は回転軸、3は回転モータ
ー、4はビーム状塗布液、5はガン、6は架台、7は導
出管、8はフィルター、9はタンク、10はエアーパイ
プ、11はゲージー、12はノズルチップ、13はパターン、
14は塗料液膜、15は塗膜である。
フロントページの続き (72)発明者 川守田 陽一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−231966(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗料吐出用の微小開口部から吐出される塗
    料を実質的に霧化させずに筋状に連続して飛翔させて塗
    布する塗膜形成方法において、塗料中に環状シリコーン
    オイルまたは分子量1000以下の下記一般式(I)のシリ
    コーンオイルを含有させることを特徴とする塗膜形成方
    法。 一般式(I) (式中、R1〜R8はアルキル基、アリール基またはアルコ
    キシ基を示し、これらの基は置換基を有してもよく、m
    は正の整数である)
  2. 【請求項2】前記の塗料が電子写真感光体用塗料である
    ことを特徴とする請求項1記載の塗膜形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002001873A (ja) * 1999-06-09 2002-01-08 Kazariichi:Kk コーティング素材及びこれを用いた食品包装用フィルムないしシート等
JP2005103392A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Seiko Epson Corp 膜形成方法、電気光学装置および電気光学装置の製造方法

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