JP2637132B2 - 浮き上がりパターンの形成方法 - Google Patents

浮き上がりパターンの形成方法

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JP2637132B2 JP63010222A JP1022288A JP2637132B2 JP 2637132 B2 JP2637132 B2 JP 2637132B2 JP 63010222 A JP63010222 A JP 63010222A JP 1022288 A JP1022288 A JP 1022288A JP 2637132 B2 JP2637132 B2 JP 2637132B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、例えばICカード等の表面に浮き上がりパタ
ーン、所謂エンボス状の文字等のパターンを形成する浮
き上がりパターンの形成方法に関する。
(従来の技術) 例えばICカードまたはクレジットカードや銀行カード
用の磁気カードのようなカードの表面には、カード番
号、有効期限、使用者の氏名等が浮き上がったエンボス
状の文字(以下、「浮き上がり文字」と称する)で形成
されているが、このような浮き上がり文字は、従来、浮
き上がり文字と同じ文字パターンを有する雄型および雌
型でカードを両側から挟んで押圧し、これによりカード
自体の浮き上がり文字の部分を片方に出っ張らせるよう
に変形させて浮き上がり文字を形成していた。
しかしながら、この方法は、いちいち浮き上がり文字
に対応した雄型や雌型を形成しなければならない上に、
カード自体を部分的に出っ張らすように変形させて浮き
上がり文字を形成しているため、例えばカード機能の拡
大、特にICカードの機能の拡大等によりカード型電卓の
ようにカードの面にテンキーや液晶表示部等を設けてIC
カード自体で情報の入力および表示を行なうようにした
場合等には、雄型、雌型を使用してカード自体を変形さ
せて浮き上がり文字を形成することができなくなり、現
在ではカード表面に浮き上がり文字を形成するのに、カ
ードを形成する塩化ビニール等のプラスチック材と略同
等の物理的特性を有する材料、例えば硬化したフォトポ
リマ等からなる浮き上がり文字形成用台座をカード表面
の浮き上がり文字を形成しようとする部分に積層し、こ
の積層した浮き上がり文字形成用台座を浮き上がり文字
に合わせて切削加工し、浮き上がり文字を形成する方法
等が考えられている。
(発明が解決しようとする課題) 上述したように、浮き上がり文字を切削加工により形
成する場合においては、従来、浮き上がり文字が複数の
連続した文字列からなる場合、各文字間を円滑に連続し
て加工する技術がなく、各文字毎に煩雑かつ特別な制御
を必要とするとともに、また各文字の切削加工工程も必
ずしも円滑かつ適切なものでないおそれがあり、浮き上
がり文字の形成方法の実現上の解決課題となっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的と
するところは、浮き上がりパターンの切削加工を円滑に
連続して効率的に行なうことができる浮き上がりパター
ンの形成方法を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明の浮き上がりパター
ンの形成方法は、切削加工により浮き上がりパターンを
形成する方法であって、前記浮き上がりパターンを構成
する記号列の各記号に対する加工を前記記号列の並び方
向と同じ方向において各記号毎に分けられる一方の側の
加工と他方の側の加工とに分割するとともに、この分割
を両方の側の加工が同数の加工処理ラインで実施し得る
ように行ない、各記号間の加工を前記一方の側の加工と
他方の側の加工との結合により連続的に行なうことを要
旨とする。
また、本発明の浮き上がりパターンの形成方法は、切
削加工により浮き上がりパターンを形成する方法であっ
て、前記浮き上がりパターンを構成する記号列の各記号
に対する加工を前記記号列の並び方向と同じ方向におい
て各記号毎に分けられる一方の側の加工と他方の側の加
工とに分割するとともに、この分割を両方の側の加工が
同数の奇数回の加工処理ラインで実施し得るように行な
い、記号と記号とが連続している場合には、該記号間の
加工を前記一方の側の加工と他方の側の加工との結合に
より連続的に行ない、また記号と記号との間にブランク
部がある場合には、該記号間の加工を前記ブランク部の
長さ分ずらしながら前記一方の側の加工と他方の側の加
工との結合により連続的に行なうことを要旨とする。
(作用) 本発明の浮き上がりパターンの形成方法では、各記号
の加工を記号列の並び方向と同じ方向において各記号毎
に一方の側の加工と他方の側の加工とに分割するととも
に、この両方の側の加工が同数の、または同数で奇数回
の加工処理ラインで実施し得るように行ない、該記号間
の加工を前記一方の側の加工と他方の側の加工との結合
により連続的に行ない、また記号と記号との間にブラン
ク部がある場合には、該記号間の加工を前記ブランク部
の長さ分ずらしながら前記一方の側の加工と他方の側の
加工との結合により連続的に行なっている。
(実施例) 以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の浮き上がりパターンの形成方法の一
実施例に係る装置の回路ブロック図である。同図に示す
浮き上がりパターン形成装置は、例えばCPUからなる演
算部1、該演算部1にデータバスおよびアドレスバスを
介して接続され、浮き上がりパターン形成用制御プログ
ラムおよび浮き上がりパターンの形成に必要な各種固定
データ等を記憶しているROM等からなる第1のメモリ
3、切削加工しようとする浮き上がりパターンに関する
切削加工用の位置情報、制御情報、または後述するキー
ボード等から入力される一時情報等を記憶するRAM等か
らなる第2のメモリ5、および演算部1にI/Oインタフ
ェース7を介して接続され、演算部1の制御により浮き
上がりパターンの切削加工を行なう切削装置9を有し、
演算部1は第1のメモリ3に記憶されている浮き上がり
パターン形成用制御プログラムおよび第2のメモリ5に
記憶されている位置情報、制御情報等に従って切削装置
9を制御し、これにより複数の連続した文字列からなる
浮き上がりパターンを効率的かつ連続的に切削加工によ
り形成する。
また、第1図の装置は、I/Oインタフェース11を介し
て演算部1に接続され、切削加工しようとする浮き上が
りパターンに関する情報や切削加工の制御動作に関する
制御情報、その他の各種情報を入力するキーボード等か
らなる入力装置13、I/Oインタフェース15を介して演算
部1に接続され、浮き上がりパターンおよびパターンの
切削制御に関する情報を表示するCRTディスプレイ等か
らなる表示装置17、およびI/Oインタフェース19を介し
て演算部1に接続され、浮き上がりパターンおよびパタ
ーンの切削制御に関する情報を表示するプリンタ21を有
する。
更に、切削装置9は、切削位置制御部90および切削部
91を有し、切削位置制御部90は演算部1からI/Oインタ
フェース7を介して供給される浮き上がりパターンの切
削加工用の位置情報および制御情報に基づいて切削部91
を制御し、これにより浮き上がりパターン用の基材を切
削加工して浮き上がりパターンを形成する。
第2図(a)、(b)は、それぞれ切削装置9の構造
を示す正面図および側面図である。同図に示す切削装置
9は、切削加工しようとする例えばICカード等のカード
基材を載置するテーブル25、およびこのテーブル25の上
方に切削用のドリル37を有する。ドリル37はスピンドル
31の先端に固定され、スピンドル31は回転中継器33を介
してモータ35によって回転駆動される。スピンドル31お
よび回転中継器33は移動台30に取り付けられているが、
この移動台30は垂直なZ軸方向、すなわちテーブル25に
対してドリル37が垂直に接離する方向に移動可能に切削
装置9の本体27に取り付けられ、移動台30が下方に移動
すれば、ドリル37がテーブル25上のカード基材等に当接
して該カード基材等を切削加工することができ、また移
動台30が上方に移動すれば、ドリル37はテーブル25上の
カード基材等から離れるようになっている。
また、テーブル25は、図示しないモータにより装置本
体27に対して水平なX軸方向に移動可能に取り付けられ
るとともに、更にX軸方向に対して直角で水平なY軸方
向に移動可能な移動台29上に取り付けられ、これにより
テーブル25は水平なX軸およびY軸方向に移動できるよ
うになっている。そして、この場合、モータ35によって
回転しつつあるドリル37がカード基材等に当接した状態
でテーブル25がX軸およびY軸に移動することにより所
定の浮き上がりパターンをカード基材等の上に形成する
ことができるのである。
第2図に示す切削装置9は、テーブル25とほぼ同じ高
さの所に前記切削位置制御部90、入力装置13および表示
装置17が取り付けられ、これにより操作性を向上してい
る。
第3図は切削装置9のテーブル25に載置されたカード
基材10をドリル37によって切削加工して浮き上がり文字
12を形成している様子を示している。同図では浮き上が
り文字12として「011」が形成されている。また、浮き
上がり文字12はカード基材10の表面に、例えばフォトポ
リマ等を硬化させて形成された浮き上がり文字形成用台
座10aを形成し、この浮き上がり文字形成用台座10aをド
リル37が切削して浮き上がり文字12を形成している。ま
た、ICカード等のカードは通常カード番号、カードの有
効期限、カードの所有者のアルファベットで記載された
氏名からなる3行の浮き上がり文字列が記載されている
が、同図に示すカード基材10も同様に3行の浮き上がり
文字列が形成されるようになっている。
次に、第4図および第5図を参照して、浮き上がり文
字を切削加工する場合において、数字やアルファベット
等の各文字に対する切削加工の基本的な経路、すなわち
各文字における切削開始点、切削経路、切削終了点等に
ついて説明する。
まず、第4図(a)は7Bフォントである数字「8」の
左側を左上から切削加工する「7B8LU」方法について図
示している。なお、「7B8LU」におけるLUは左上から切
削加工を開始することを示している。
この第4図(a)に示す文字「8」は、左上に文字原
点Oを有しているが、この文字原点Oは切削装置9の機
械原点、すなわちホームポジションと異なる位置にあ
る。そして、切削装置9による切削加工は、切削装置9
の機械原点でなく、この文字原点Oを基準とした相対座
標に基づいてすべて行なわれ、これにより複数の文字が
連なっている文字列の切削加工も該文字原点Oを基準と
した相対座標に基づいて円滑かつ連続的に行なわれるよ
うになっている。
第4図(a)の7B8LUの加工方法は、文字原点Oに近
接した文字8の左上の点を7B8LUの加工始点Sluとし、こ
の始点Sluから矢印付太線51で示すように文字8の左側
をドリル37で上から下へ切削加工し、文字8の下側中央
の終点Eluで終了するようになっている。
第4図(b)は7Bフォントである数字「8」の左側を
左下から上方に向かって切削加工する「7B8LD」方法に
ついて図示している。この7B8LDの加工方法は、文字8
の左下の点を始点Sldとし、この始点Sldから矢印付太線
52で示すように文字8の左側を上方に切削加工し、文字
8の上側中央の終点Eldで終了するようになっている。
第4図(c)は7Bフォントである数字「8」の右側を
上中から下方に向かって切削加工する「7B8RU」方法に
ついて図示している。この7B8RUの加工方法は、文字8
の上中の点を始点Sruとし、この始点Sruから矢印付太線
53で示すように文字8の右側を下方に切削加工し、文字
8の下右の終点Eruで終了するようになっている。
第4図(d)は7Bフォントである数字「8」の右側を
下中から上方に向かって切削加工する「7B8RD」方法に
ついて図示している。この7B8RDの加工方法は、文字8
の下中の点を始点Srdとし、この始点Srdから矢印付太線
54で示すように文字8の右側を下方に切削加工し、文字
8の上右の終点Erdで終了するようになっている。
第4図(e)は7Bフォントである数字「8」の輪郭を
切削加工する「7B8P」方法について図示している。この
7B8Pの加工方法は、文字8の上右の点を始点Spとし、こ
の始点Spから矢印付太線55で示すように文字8の輪郭を
切削加工し、文字8の上左の終点Epで終了するようにな
っている。
第4図(f)は7Bフォントである数字「8」の孤立し
た中抜き部を切削加工する「7B8C」方法について図示し
ている。この7B8Cの加工方法は、文字原点Oを始点Scと
し、この始点Scから太点線56で示すように文字8の孤立
した中抜き部にドリル37を飛ばしてから矢印付太線57で
示すように文字8の中抜き部を切削加工し、文字8の下
方の中抜き部の右寄りの終点Ecで終了するようになって
いる。
上述したように、文字8の切削加工は、7B8LU、7B8L
D、7B8RU、7B8RD、7B8P、7B8Cの8種類の方法によって
行なわれるとともに、すべて一筆書きのように連続的に
行なわれる。
第5図はアルファベット文字「A」を切削加工する方
法を示し、まず第5図(a)は文字「A」の上側を左上
から切削加工する「NCAU」方法について図示している。
なお、「NCAU」におけるUは上側を切削加工することを
示している。
第5図(a)はNCAUの加工方法は、文字Aの左上の点
をNCAUの加工始点Suとし、この始点Suから矢印付太線61
a、61b、61c、……、61m、61n、61oで示す順で文字Aの
上側をドリル37で切削加工し、文字Aの上右の終点Euで
終了するようになっている。
第5図(b)は文字Aの下側を下右から切削加工する
「NCAD」方法について図示している。このNCADの加工方
法は、文字Aの下右の点を始点Sdとし、この始点Sdから
矢印付太線62で示すように文字Aの下側を切削加工し、
文字8の下左の終点Edで終了するようになっている。
第5図(c)は文字Aの孤立した中抜き部を切削加工
する「NCAC」方法について図示している。このNCACの加
工方法は、文字原点Oを始点Sacとし、この始点Sacから
太点線63で示すように文字Aの孤立した中抜き部にドリ
ル37を上昇させながら飛ばしてから矢印付太線64で示す
ように文字Aの中抜き部を切削加工し、文字Aの中抜き
部の下中央の終点Eacで終了するようになっている。以
上のように、文字Aの切削加工も一筆書きのように連続
して行なわれるようになっている。
次に、第6図のメインフローチャート、第7図乃至第
15図の詳細フローチャートおよび第16図、第17図の文字
列切削説明図を参照して作用を説明する。
最初、第6図(a)を参照して説明する。浮き上がり
文字の切削加工に先立っては、第2図に示す切削装置9
のテーブル25上に切削加工しようとする第3図に示すよ
うなカード基材10が載置される。次に、第1図に示す浮
き上がりパターンの形成装置に電源が投入され、切削装
置9が作動すると、該切削装置9の機械原点上において
主軸であるスピンドル31および該スピンドル31の先端に
取り付けられているドリル37が回転開始する(ステップ
110)。
それから、切削位置制御部90を介した演算部1からの
制御によって切削装置9を駆動して、切削加工しようと
する浮き上がり文字列の文字原点O、例えば第16図
(a)に示す「01」からなる文字列の左上の文字原点O
の上方に切削装置9のドリル37が位置するようにテーブ
ル25を移動すべく制御する(ステップ120)。なお、こ
の移動は前述したように移動台29等を介してテーブル25
を水平なX軸およびY軸方向に移動させることによって
達成される。
切削しようとする浮き上がり文字列「01」の文字原点
Oの上方にドリル37が位置すると、移動台30を介してス
ピンドル31を下降させ、これによりドリル37の先端を切
削しようとする浮き上がり文字列が形成されるカード基
材10上の浮き上がり文字形成用台座10a等の表面上に当
接または圧接させる(ステップ130)。
次に、第1ライン(LINE1)、すなわちカード基材10
上に形成される3行の浮き上がり文字列の中の第1ライ
ン(LINE1)の加工が例えば第16図(a)に示すように
行なわれる(ステップ140)。なお、この第1ライン(L
INE1)の加工については第7図を参照して詳細に後述す
る。
第1ライン(LINE1)の加工が終了すると、次に文字
列の輪郭の切削加工を行なうために、テーブル25をX軸
およびY軸方向に移動制御し、輪郭始点の上方にドリル
37を移動させる(ステップ150)。
輪郭始点の上方にドリル37が移動すると、第1ライン
(LINE1)の輪郭の切削加工が例えば第16図(f)に示
すように行なわれる(ステップ160)。なお、この第1
ライン(LINE1)の輪郭加工については第8図を参照し
て詳細に後述する。
第1ライン(LINE1)の加工および第1ライン(LINE
1)の輪郭の加工が終了すると、次は中抜きの加工とな
るため、まずドリル37をZ軸方向に垂直に上げるととも
に、原点に移動させる(ステップ170)。それから、中
抜き文字があるか否かをチェックする(ステップ18
0)。中抜き文字がない場合には、第6図(b)のフロ
ーのステップ210に進むが、中抜き文字がある場合に
は、ステップ190に進み、中抜き文字の加工始点にドリ
ル37が位置するようにテーブル25を移動し、1文字の中
抜き加工を行なう(ステップ200)。そして、ステップ1
80に戻って、すべての中抜き文字が加工されるまでステ
ップ180〜200を繰返す。この中抜き加工の繰返し動作が
第16図(h)に示されているが、文字列「0123456」等
の場合には、文字0の加工終点から文字6の加工始点に
ジャンプするように移動して行なわれる。
中抜き文字がない場合、および中抜き文字の中抜き加
工がすべて終了した場合には、第6図(b)のステップ
210に進み、第2ライン(LINE2)、すなわちカード基材
10に形成される3行の文字列の中の第2ライン(LINE
2)の切削加工を行なうべく、第2ライン(LINE2)の文
字原点Oに移動する。それから、移動台30を介してスピ
ンドル31を下降させ、これによりドリル37の先端を切削
しようする浮き上がり文字列の第2ライン(LINE2)の
文字原点O上に降す(ステップ220)。
次に、第2ライン(LINE2)の上部加工、右スペース
加工、下部加工が順次行なわれる(ステップ230、240、
250)。なお、この第2ライン(LINE2)の上部加工、右
スペース加工、下部加工については第9図乃至第11図を
参照して後述する。
第2ライン(LINE2)の加工が終了すると、ドリル37
がZ軸方向に垂直に上昇させるとともに、機械原点に移
動させる(ステップ260)。それから、中抜き文字があ
るか否かをチェックする(ステップ270)。中抜き文字
がない場合には、第6図(c)のフローのステップ300
に進むが、中抜き文字がある場合には、ステップ280に
進み、中抜き文字の始点にドリル37が位置するようにテ
ーブル25を移動し、1文字の中抜き加工を行なう(ステ
ップ290)。そして、ステップ270に戻って、すべての中
抜き文字が加工されるまでステップ270〜290を繰返す。
中抜き文字がない場合、および中抜き文字の中抜き加
工がすべて終了した場合には、第6図(c)のステップ
300に進み、第3ライン(LINE3)、すなわちカード基材
10に形成される3行の文字列の中の第3ライン(LINE
3)の切削加工を行なうべく、第3ライン(LINE3)の文
字原点Oに移動する。それから、移動台30を介してスピ
ンドル31を下降させ、これによりドリル37の先端を切削
しようとする浮き上がり文字列の第3ライン(LINE3)
の文字原点O上に降す(ステップ310)。
次に、第3ライン(LINE3)の上部加工、右部スペー
ス加工、下部加工が順次行なわれる(ステップ320、33
0、340)。なお、この第3ライン(LINE3)の上部加
工、右スペース加工、下部加工については第12図乃至第
14図を参照して詳細に後述する。
第3ライン(LINE3)の加工が終了すると、ドリル37
をZ軸方向に垂直に上昇させるとともに、原点に移動さ
せる(ステップ350)。それから、中抜き文字があるか
否かをチェックする(ステップ360)。中抜き文字がな
い場合には、第6図(d)のフローのステップ390に進
んで、機械原点に移動し、機械停止信号Mを送出して加
工処理を終了する(ステップ400)が、中抜き文字があ
る場合には、ステップ370に進み、中抜き文字の始点に
ドリル37が位置するようにテーブル25を移動し、1文字
の中抜き加工を行なう(ステップ380)。そして、ステ
ップ360に戻って、すべての中抜き文字が加工されるま
でステップ360〜380を繰返す。
以上は浮き上がりパターンの切削加工のメインフロー
であるが、次に第7図乃至第15図を参照して各処理の詳
細フローについて説明する。
まず、第7図を参照して第1ライン(LINE1)の加工
処理を説明する。この第1ライン(LINE1)の切削加工
処理は第16図(a)乃至第16図(h)に示す文字列「0
1」を加工する場合について説明する。
この第1ライン(LINE1)の加工処理では、まず最
初、文字原点Oから加工始点Sluに移動し(ステップ70
5)、この加工始点Sluから第16図(a)に示すように矢
印付太線71に従って1文字目「0」の左部分を切削加工
すべく7B*LU情報(本例の場合には、7B0LU情報)が切
削装置9に転送される(ステップ710)。この結果、1
文字目「0」の左部分が第16図(a)のように始点Slu
から終点Eluに向かって加工される。
それから、次の文字がないか否かがチェックされる
(ステップ715)。次の文字がない場合は、今ステップ7
10で加工した1文字目が最後の文字であるので、ステッ
プ720に進んで、例えば第4図(d)に示すようにステ
ップ710で加工した1文字目の右部分を加工すべく7B*R
D(7B0RD)情報を転送し、今加工した1文字目「0」の
右部分の加工終点Eluと同じ位置である始点Srdから終点
Erdに向かって加工される。すなわち、本発明において
は、1工程前の加工終点と次の工程の加工始点とが同じ
位置にあり、これにより連続的に加工が行なわれるよう
にしているのである。
ステップ715のチェックの結果、次に文字がある場合
には、ステップ725に進み、次の文字がブランクが否か
がチェックされる。次の文字がブランクの場合には、ス
テップ730に進み、第16図(g)に示すように、1文字
目と次の文字との間の1ピッチ分の間隔を考慮して、1
文字目の右部分、1ピッチ分間隔および次の文字の左部
分の合計「7B*RD+1ピッチ分+7B*LD」を演算し、こ
の合計した加工情報を転送し、これにより1文字目の右
部分、1ピッチあけた次文字目の左部分および両者間の
ブランク部分を第16図(g)の矢印付太線72で示すよう
に加工する。
ステップ725のチェックで、次の文字がブランクでな
い場合には、1文字目の右部分と次の文字の左部分とを
加工すべく「7B*RD+7R*LD」なる加工情報を転送し、
この部分を第16図(b)および第16図(c)の矢印付太
線73、74で示すように加工する(ステップ735)。それ
から、ステップ740に進む。
ステップ740では、次に文字がないか否かがチェック
される。次に、文字がない場合には、ステップ745に進
んで、N文字目の右部分を加工すべく第4図(d)また
は(c)に示したような7B*RDまたは7B*RU情報を転送
し、この部分を加工する。
次に文字がある場合には、次の文字がブランクである
か否かがチェックされる(ステップ750)。次の文字が
ブランクの場合には、前記ステップ730と同様にN文字
目の右部分と1ピッチ分あけた次の左部分の加工情報を
転送し、この部分を加工する(ステップ755)。
次の文字がブランクでない場合には、前記ステップ73
5と同様にN文字目の右部分と次の文字の左部分の加工
情報「7B*RD+7B*LD」または「7B*RU+7B*LU」を転
送し、この部分を第16図(e)のように加工する(ステ
ップ760)。
以下、文字例「01……」の最後まで同様な加工処理を
繰返し、第1ライン(LINE1)の浮き上がり文字列を切
削加工する。
次に、第8図を参照して第1ライン(LINE1)の輪郭
加工処理を説明する。この第1ライン(LINE1)の輪郭
切削加工処理は第16図(f)に示す文字列「01」を加工
する場合について説明する。
この第1ライン(LINE1)の輪郭加工処理の開始前に
は、第7図に示した第1ライン(LINE1)の加工処理の
結果、切削装置9のドリル37は第16図(f)に示すよう
に文字列「01」の右端文字「1」の右上に位置している
ので、この右上の点が輪郭加工の始点Spとなり、この始
点Spから矢印付太線75で示すように該右端文字「1」の
輪郭加工を行なうための加工情報7B*Pが転送され、文
字「1」の輪郭が加工され、文字「1」の上中央の終点
Epで終了する(ステップ810)。
次に、ステップ830で、輪郭加工がすべて終了したか
否かがチェックされ、終了していない場合には、次の文
字「0」の輪郭始点Spに向って第16図(f)の太点線76
で示すようにドリル37を上昇させて浮かせながら移動し
(ステップ840)、それから輪郭加工情報7B*Pを転送
して同様に文字「0」の輪郭を加工する(ステップ85
0)。この輪郭加工を必要なすべての文字に対して繰返
し行なう。
第9図乃至第11図はそれぞれ第2ライン(LINE2)の
上部、右部スペースおよび下部の加工処理のフローチャ
ートであるが、これらの処理フローはすべて第12図乃至
第14図にそれぞれ示す第3ライン(LINE3)の上部、右
部スペースおよび下部の加工処理のフローとすべて同じ
であるので、以下に説明する第12図乃至第14図の処理フ
ローを参照されたい。
まず、第12図を参照した第3ライン(LINE3)、例え
ば氏名の浮き上がり文字列等の上部の加工処理を説明す
る。この第3ライン(LINE3)の切削加工処理は第17図
(a)乃至第17図(j)に示す文字列「ABCD□□」を加
工する場合について説明する。なお、□はブランクであ
る。
この第3ライン(LINE3)の上部加工処理では、まず
最初、文字原点Oから加工始点Suに移動し(ステップ12
10)、この加工始点Suから第17図(a)乃至第17図
(c)に示すように矢印付太線81a〜81cに従って1文字
目「A」に上部分を切削加工すべく第5図(a)に示し
たようなNC*U情報(本例の場合には、NCAU情報)が切
削装置9に転送される(ステップ1220)。この結果、1
文字目「A」の上部分が第17図の(a)〜(c)のよう
に始点Suから終点Euに向かって加工される。この加工の
終点Euは第17図(c)に示すように文字「A」の右上で
ある。
それから、次に文字加工がすべて終了したか否かがチ
ェックされる(ステップ1230)。終了していない場合
は、第17図(c)に示すように、今加工した文字「A」
の終点Euから次に加工しようとする文字「B」の始点Su
にドリル37を上昇させて浮かしながら移動する(ステッ
プ1240)。そして、文字「B」の上部の加工情報NC*U
(NCBU)を転送し、該文字の上部を加工する(ステップ
1250)。以下、同様にして、文字「C」、「D」の上部
分をすべて加工し終るまで繰返す。
次に、第13図を参照して第3ライン(LINE3)の右部
スペースの加工処理について説明する。
まず、右部分にスペースがあるか否かがチェックされ
る(ステップ1310)。右部分にスペースがある場合、右
部分のスペースの個数を演算し、この個数分のスペース
加工情報を転送し、例えば第17図(d)の矢印付太線82
に示すように右部分のスペースの加工処理を行なう(ス
テップ1320)。この矢印付太線82で示す横方向の切削加
工処理の繰返回数は奇数回であって、この奇数回の横方
向の切削加工処理の最終点が次に下部加工が行なわる文
字「D」の加工始点Sdに達するようになっている(ステ
ップ1330)。
また、ステップ1310におけるチェックの結果、右部分
にスペースがない場合には、次に行なわれる文字下部の
加工始点Sdに直接移動する(ステップ1340)。
第14図を参照して第3ライン(LINE3)の下部加工処
理について説明する。第13図に示す右部スペースの加工
処理の最後で第17図(d)に示すように文字「D」の右
下の点、すなわち下部加工の始点Sdで終了したが、この
下部加工の始点Sdから第17図(e)の矢印付太線83に示
すように1文字目「D」の下部を加工する情報NC*D
(NCDD)を転送し、この情報に従って文字「D」の下部
が加工され、文字「D」の左下の終点Edに至る(ステッ
プ1410)。
それから、次に文字加工がすべて終了したか否かがチ
ェックされる(ステップ1420)。終了していない場合
は、第17図(e)に示すように、今加工した文字「D」
の終点Edから次に加工しようとする文字「C」の加工始
点Sdにドリル37を上昇させて浮かしながら移動する(ス
テップ1430)。そして、文字「C」の下部の加工情報NC
*D(NCCD)を転送し、該文字の下部を加工する(ステ
ップ1440)。以下、同様にして、文字「B」、「A」の
下部分をすべて加工し終るまで繰返す。なお、第17図
(f)は文字「A」の下部加工が矢印付太線84のように
行なわれることを示している。
このようにして、文字「A」の下部の加工が終了する
と、文字「A」の下左の終点Ed上にあるドリル37は上昇
されて浮かされながら第17図(g)に示すように文字原
点Oまで移動させられ(第6図(c)のステップ35
0)、それから中抜き加工が第6図(c)のステップ360
〜380に示したように行なわれる。なお、この場合の中
抜きデータの転送処理および中抜き加工処理が第15図に
ステップ1510として示されている。また、第17図(i)
には文字「A」の中抜き加工終点Eacから次の文字
「B」の中抜き始点Saoまでのドリル37のジャンプ移動
経路が太点線で示され、第17図(j)には文字「B」の
上方の中抜き加工終点Eacから下方の中抜き加工始点Sac
への経路および文字「B」から文字「D」の中抜き加工
始点Sacへの経路が太点線でそれぞれ示されている。
なお、上記実施例はICカード等のカードに浮き上がり
文字列等を形成する場合について説明しているが、本発
明の浮き上がりパターンの形成方法はカードへの適用に
限定されるものでない。
また、上記実施例は横方向に並んでいる文字列の場合
について説明しているが、これに限定されるものでな
く、縦方向に並んでいる文字列についても同様に適用で
きるものである。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、各記号の加工
を記号列の並び方向と同じ方向において各記号毎に一方
の側の加工と他方の側の加工とに分割するとともに、こ
の両方の側の加工が同数の、または同数で奇数回の加工
処理ラインで実施し得るように行ない、該記号間の加工
を前記一方の側の加工と他方の側の加工との結合により
連続的に行ない、また記号と記号との間にブランク部が
ある場合には、該記号間の加工を前記ブランク部の長さ
分ずらしながら前記一方の側の加工と他方の側の加工と
の結合により連続的に行なっているので、各記号間を円
滑に連続して効率的に加工することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の浮き上がりパターンの形成方法の一実
施例に係る装置の回路ブロック図、第2図(a)、
(b)はそれぞれ第1図の装置に使用される切削装置の
正面図および側面図、第3図は第2図の切削装置でカー
ド基材の表面に浮き上がり文字を形成する場合の説明
図、第4図(a)〜(f)はそれぞれ7Bフォントである
数字「8」で切削加工する場合の基本的切削手順を示す
図、第5図(a)〜(c)はそれぞれ文字「A」を切削
加工する場合の基本的切削手順を示す図、第6図(a)
〜(d)は第1図の装置による浮き上がりパターンの形
成方法の主作用を示すメインフローチャート、第7図乃
至第15図は第6図のメインフローにおける各処理の更に
詳細な作用を示すフローチャート、第16図(a)〜
(h)はそれぞれ浮き上がり文字列「01」を形成する場
合の説明図、第17図(a)〜(j)はそれぞれ浮き上が
り文字例「ABCD□□」を形成する場合の説明図である。 1……演算部 9……切削装置 10……カード基材 12……浮き上がり文字 25……テーブル 37……ドリル 90……切削位置制御部 91……切削部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】切削加工により浮き上がりパターンを形成
    する方法であって、前記浮き上がりパターンを構成する
    記号列の各記号に対する加工を前記記号列の並び方向と
    同じ方向において各記号毎に分けられる一方の側の加工
    と他方の側の加工とに分割するとともに、この分割を両
    方の側の加工が同数の加工処理ラインで実施し得るよう
    に行ない、各記号間の加工を前記一方の側の加工と他方
    の側の加工との結合により連続的に行なうことを特徴と
    する浮き上がりパターンの形成方法。
  2. 【請求項2】切削加工により浮き上がりパターンを形成
    する方法であって、前記浮き上がりパターンを構成する
    記号列の各記号に対する加工を前記記号列の並び方向と
    同じ方向において各記号毎に分けられる一方の側の加工
    と他方の側の加工とに分割するとともに、この分割を両
    方の側の加工が同数の奇数回の加工処理ラインで実施し
    得るように行ない、記号と記号とが連続している場合に
    は、該記号間の加工を前記一方の側の加工と他方の側の
    加工との結合により連続的に行ない、また記号と記号と
    の間にブランク部がある場合には、該記号間の加工を前
    記ブランク部の長さ分ずらしながら前記一方の側の加工
    と他方の側の加工との結合により連続的に行なうことを
    特徴とする浮き上がりパターンの形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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