JP2636402B2 - 金属溶湯用濾材 - Google Patents

金属溶湯用濾材

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JP2636402B2
JP2636402B2 JP5594789A JP5594789A JP2636402B2 JP 2636402 B2 JP2636402 B2 JP 2636402B2 JP 5594789 A JP5594789 A JP 5594789A JP 5594789 A JP5594789 A JP 5594789A JP 2636402 B2 JP2636402 B2 JP 2636402B2
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隆之 杉山
辰司 鈴木
治 山川
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は金属溶湯中から固形不純物を濾過するための
金属溶湯用濾材に関する。
(従来の技術) 金属の薄板や箔は金属溶湯をインゴットに鋳造し、こ
れを圧延して製造される。ところが、金属溶湯に含まれ
る金属酸化物や耐火物の微小破片等の固形不純物がその
ままインゴット中に混入すると、これを圧延して薄板や
箔等を製造する過程でピンホールや表面欠陥が発生する
ことがある。これを防ぐには、溶湯中から固形不純物を
除去する必要があり、そのために、従来、ガラスクロ
ス、アルミナボール或はセラミックフォーム等を溶湯濾
過用のフィルターとして使用していた。
ところが、ガラスクロスは早期に目詰まりし易く、ま
たアルミナボールは一旦捕獲した不純物が再流出し易い
ため濾過精度に劣り、更にセラミックフォームは気孔径
が大きいため微細な不純物を十分に濾過できないという
欠点がある。
そこで、近年、例えば特開昭48−6912号公報或は特公
昭52−22327号公報に記載されるように、アルミナ等の
骨材粒子を無機質結合材により結合させて骨材粒子間に
無数の微細連続気孔を形成した構成の濾材が使用されつ
つある。これによれば目詰まりを長期間にわたり防止で
き、また捕獲した固形不純物の再流出がなく、しかも気
孔径を適切になし得て精密な濾過が可能になるという利
点がある。
(発明が解決しようとする問題点) ところが、この種の分野でも近年著しく高純度化が要
望されつつある。例えば、コンデンサの電極箔、磁気デ
ィスク基板或いは半導体材料に使用されるアルミニウム
は、99.99%以上、ときには99.999%以上という高純度
が要望され、極微量の不純物も確実に除去しなくてはな
らない。
しかしながら、上記した従来の濾材は無機質結合材中
に比較的多量のSiO2やCa分を含むため、その濾材を使用
して金属溶湯から固形不純物を十分に除去したとして
も、無機質結合材中のシリコンやカルシウム等が金属溶
湯中に溶出して溶湯の純度を低下させるという問題があ
った。即ち、無機質結合材中のSiO2やCa分は、アルミニ
ウム溶湯に晒されると、SiO2については金属アルミニウ
ムとの反応により遊離シリコンを生成して溶湯内に溶出
し、Ca分については金属溶湯との反応性はないものの容
易に溶湯内に混入してしまうのである。
そこで、本発明の目的は、固形不純物の除去を確実に
なし得ることは勿論のこと、無機質結合材の構成成分に
より金属溶湯が汚染されることも極力防止でき、もって
高純度濾過を可能にできる金属溶湯溶濾材を提供するこ
とにある。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明の金属溶湯用濾材は、電融アルミナ及び焼結ア
ルミナのうちの1種又は2種以上の骨材粒子を無機質結
合材により結合させた構成であって、その無機質結合材
を、リンを含有する化合物とアルミナ微粒子とから構成
されるようにし、その無機質結合材の重量比を骨材粒子
100重量部に対して5〜20重量部となるようにしたとこ
ろに特徴を有する。
(作用) 上記手段の金属溶湯用濾材によれば、無機質結合材は
リンを含有する化合物及びアルミナからなり、SiO2を含
まないので、遊離シリコンに起因する溶湯汚染は確実に
防止することができる。また、無機質結合材中にCa分が
含まれた場合でも、リンの存在によりCa分の金属溶湯へ
の流出が素子される。しかも、この無機質結合材は十分
な結合強度を有し、後述する実施例にて例証されるよう
に濾材として十分に足る強度を与える。
ここで、骨材粒子として電極アルミナまたは焼結アル
ミナが必要であるが、アルミナの純度の点で焼結アルミ
ナがより望ましい。また、骨材粒子100重量部に対し無
機質結合材を5〜20重量部とするのは、それが5重量部
未満では骨材粒子間の結合力が不足して骨材粒子の欠落
が生じ、20重量部を越えると骨材粒子間の空隙を無機質
結合材が埋めてしまって濾過効率が低下するからであ
る。尚、無機質結合材の最適な含有量は上述の範囲内で
骨材粒径に応じて異なる。
なお、リンを含有する化合物を含むように無機質結合
材を構成するためには、リン酸アルミニウム、リン酸リ
チウム、リン酸マグネシウム、リン酸マンガン、リン酸
カリウム、リン酸カルシウム、リン酸ストロンチウム、
リン酸セリウム、リン酸タリウム、リン酸鉄、リン酸
鉛、リン酸バリウム等のリン酸の金属化合物或いはリン
酸、リン酸アンモニウム、リン酸化合物等のリン化合物
を出発原料として焼成すれば良い。無機質結合材のう
ち、リンを含有する化合物とアルミナ微粒子との構成比
は、広範囲に許容されるが、それらの化合物中に含まれ
るリンを例えばP2O5に換算した部分が無機質結合材全体
に対して5〜60重量%であることが好ましい。5重量%
以下では濾材の強度が低下する傾向を呈し、60重量%以
上ではリンの溶出量が多くなる傾向を呈するからであ
る。また、アルミナ微粒子は細かいほど好結果が得られ
るが、中でも平均粒子径が1μ以下であることがより好
ましい。反応性が高くなるためと考えられる。
(実施例) 以下本発明のいくつかの実施例につき述べる。
(1)実施例群A ここでは、骨材粒子と無機質結合材との適切な重量比
が明らかにされる。
実施例1〜4及び比較例1,2において骨材粒子として
は14〜28メッシュの焼結アルミナを使用している。無機
質結合材の組成は、P2O5換算重量が20%、その他の大部
分が平均粒子径0.6μのアルミナ微粒子である。骨材粒
子の100重量部に対し、無機質結合材が次表の通りにな
るように原料を調整して成形・乾燥後、1300℃にて焼成
した。焼成後、骨材粒子の結合状態を観察し、曲げ強
度、アルミニウム溶湯への溶出成分を測定し、総合評価
を与えた。
上表から明らかなように、各実施例1〜4とも実用上
十分な曲げ強度を有するものであった。また、試験結果
は掲げていないが、Ca,Na,K,Si,Fe,B,Pの溶出量は全て1
PPM以下で、アルミニウム溶湯の汚染はほとんどないと
いえた。無機質結合材中のPの存在によりそれらの不純
元素の溶出が抑制されていると考えられる。
これらの実施例からは、無機質結合材の重量比は、骨
材粒子100重量部に対して5〜20重量部であることが望
ましいことが明らかにされた。尚、第1表中、比較例2
は大きな強度を有するが、これは無機質結合材の割合い
が過剰であるため、骨材粒子間の隙間が無機質結合材に
より埋められて目詰まり状態を呈しており、濾過性能の
点から実用に供し得なかった。逆に、比較例1では、無
機質結合材の割合いが不足して結合力が小さいため、強
度の点から実用的ではなかった。
(2)実施例群B ここでは、リンを含有する化合物の無機質結合材中に
おけるより望ましい構成比が明らかにされる。
実施例5〜11において骨材粒子としては14〜28メッシ
ュの焼結アルミナを使用している。骨材粒子100重量部
に対し、無機質結合材は12重量部であり、その組成はリ
ンを含有した化合物と平均粒子径0.6μのアルミナ微粒
子とからなる。無機質結合材100重量部に対するリン含
有化合物の重量比(P2O5への換算重量に基づく)が夫々
第2表の通りになるように原料を調整して成形・乾燥
後、1300℃にて焼成した。焼成後、骨材粒子の結合状態
を観察し、曲げ強度、アルミニウム溶湯への溶出成分を
測定し、総合評価を与えた。尚、溶出成分の測定方法
は、純度99.9%のアルミニウム溶湯10重量部に対し濾材
材料の1重量部を750℃で48時間浸漬して溶湯中の各成
分を分析した。溶出量は、浸漬前後の各成分の分析値の
差をとり、1時間当りとして算出している。
第2表から明らかなように、各実施例5〜11とも実用
上十分な曲げ強度を有するばかりか、不純元素の溶出量
は低く抑えることができた。無機質結合材中のPの存在
によりそれらの不純元素の溶出が抑制されていると考え
られる。また、一般的には、無機質結合材100重量部に
対するリン含有化合物のP2O5換算量は、5〜60重量部の
範囲にあることが好ましいと考えられている。5重量部
に満たないときには曲げ強度が不足傾向を呈し、60重量
部以上のときにはリンの溶出量が1PPMを越えてしまうこ
とがあるためである。但し、金属溶湯の要求される純度
によっては、その範囲を外れても使用可能であろう。
(3)実施例群C ここでは、無機質結合材の出発原料として第1リン酸
アルミニウム(Al2O3・3P2O5・6H2O)と微粒子アルミナ
との組み合わせが好適すること、及び、その場合におい
て無機質結合材中のP2O5に換算したリン含有化合物のよ
り望ましい構成比が明らかにされる。
実施例12〜18において骨材粒子としては14〜28メッシ
ュの焼結アルミナを使用している。骨材粒子100重量部
に対し、無機質結合材は15重量部であり、その出発原料
は第1リン酸アルミニウムと平均粒子径0.9μの易焼結
アルミナである。無機質結合材100重量部に対するリン
含有化合物のP2O5換算量が夫々第3表の通りになるよう
に原料を調整して成形・乾燥後、1350℃にて焼成した。
焼成後、骨材粒子の結合状態を観察し、曲げ強度、アル
ミニウム溶湯への溶出成分を測定し、総合評価を与え
た。尚、溶出成分の測定方法は、実施例群Bと同一であ
る。
第3表から明らかなように、各実施例12〜18とも実用
上十分な曲げ強度を有するばかりか、不純元素の溶出量
は低く抑えることができた。無機質結合材中のPの存在
によりそれらの不純元素の溶出が抑制されていると考え
られる。従って、無機質結合材の出発原料として、リン
酸、リン酸アンモニウム或いはリン酸化物等のリン酸以
外の金属元素を含まないリン含有化合物を単独で使用し
なくても、第1リン酸アルミニウムのようなリン以外の
金属を含有するリン化合物も同様に採用できることが明
らかである。また、この場合には、無機質結合材100重
量部に対するリン含有化合物P2O5換算量は5〜80重量部
の範囲にあることが好ましいと考えられる。5重量部に
満たないときには曲げ強度が不足傾向を呈し、80重量部
以上のときにはリンの溶出量が1PPMを越えてしまうから
である。金属溶湯の要求される純度によっては、その範
囲を外れても使用可能であろうことは勿論である。
(4)実施例群D ここでは、無機質結合材の出発原料として第1リン酸
アンモニウムとリン酸マグネシウム・アンモニウムとの
混合物が好適なこと、及びそれらを出発原料とした場合
における無機質結合材中のより望ましい構成比が明らか
にされる。
実施例19〜24において骨材粒子としては24メッシュの
電融アルミナを使用している。骨材粒子100重量部に対
し、無機質結合材は18重量部であり、その出発原料は等
モル比の第1リン酸アンモニウム及びリン酸マグネシム
・アンモニウム、並びに平均粒子径0.6μの易焼結アル
ミナである。無機質結合材100重量部に対するリン含有
化合物のP2O5換算量が夫々第4表の通りになるように原
料を調整して成形・乾燥後、1350℃にて焼成した。焼成
後、骨材粒子の結合状態を観察し、舞げ強度、アルミニ
ウム溶湯への溶出成分を測定し、総合評価を与えた。
尚、溶出成分の測定方法は、実施例群Bと同一である。
第4表から明らかなように、各実施例19〜24とも実用
上十分な曲げ強度を有し、不純元素の溶出量は低く抑え
ることができた。無機質結合材中のPの存在によりそれ
らの不純元素の溶出が抑制されていると考えられる。従
って、無機質結合材の出発原料として、リン以外の金属
元素を含まないリン含有化合物(この場合、第1リン酸
アンモニウム)と、リン酸マグネシウム・アンモニウム
のようなリン以外の金属を含有するリン含有化合物との
混合物を同様に採用できることが明らかである。更に、
この場合、無機質結合材100重量部に対するP2O5換算量
は、5〜60重量部の範囲にあることが好ましいと考えら
れる。5重量部に満たないときには曲げ強度が不足傾向
を呈し、60重量部以上のときにはリンの溶出量が1PPMを
越えてしまうからである。金属溶湯の要求される純度に
よっては、その範囲を外れても使用可能であろうことは
勿論である。
[発明の効果] 本発明は以上述べたように、無機質結合材中にSiO2
含まず、また他の不純元素も無機質結合材中のPの存在
により溶出が抑えられるから、その構成成分により金属
溶湯が汚染されることを防止でき、しかも十分な強度を
確保できるという優れた効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−147159(JP,A) 特開 平1−218750(JP,A) 特開 昭61−259870(JP,A) 特開 平1−127168(JP,A) 特開 昭58−181833(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電融アルミナ及び焼結アルミナのうちの1
    種又は2種以上の骨材粒子を無機質結合材により結合さ
    せたものにおいて、前記無機質結合材を、リンを含有す
    る化合物とアルミナ微粒子とから構成されるようにし、
    その無機質結合材の重量比を前記骨材粒子100重量部に
    対して5〜20重量部となるようにしたことを特徴とする
    金属溶湯用濾材。
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