JPH0881259A - ムライト系セラミックスおよびその製造方法 - Google Patents

ムライト系セラミックスおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH0881259A
JPH0881259A JP6221278A JP22127894A JPH0881259A JP H0881259 A JPH0881259 A JP H0881259A JP 6221278 A JP6221278 A JP 6221278A JP 22127894 A JP22127894 A JP 22127894A JP H0881259 A JPH0881259 A JP H0881259A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mullite
powder
zircon
strength
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6221278A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Yamaguchi
新一 山口
Tetsuji Hayazaki
哲治 早崎
Hisashi Morimoto
久志 森元
Shinichiro Tomikawa
伸一郎 富川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK, Kyocera Corp filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP6221278A priority Critical patent/JPH0881259A/ja
Publication of JPH0881259A publication Critical patent/JPH0881259A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度を有し、耐熱衝撃性に優れたムライト
系セラミックスを安価に提供することを目的とする。 【構成】 5〜33.6重量%の単斜晶ジルコニアと、42.6
重量%以下のジルコンと残部がムライトおよび不可避不
純物からなるムライト系セラミックスとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性および耐熱衝撃
性に優れたムライト系セラミックスに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車排ガス浄化用担体、高温燃焼触媒
用担体、微粒子浄化用等の各種フィルターには、高耐熱
性と高耐熱衝撃性が要求されると共に、高気孔率の多孔
質セラミックスが要求されている。従来より、このよう
な多孔質セラミックスとしてコージライトやβ−スポジ
ュメンが用いられているが、より耐熱性に優れたムライ
ト系セラミックスも用いられている。
【0003】上記多孔質セラミックスを製造するには、
原料粒子の粒度を調整して成形体の気孔率を大きくし、
これを焼成して多孔体を得る方法や、原料粉末に粒子状
または繊維状の有機物質等の空孔形成剤を混合して成形
し、焼成してこの空孔形成剤を燃焼させて空孔を形成
し、多孔体とすることが行われている。また、ムライト
系セラミックスは、この他にも各種耐熱部材や電子部品
用基板等のさまざまな分野に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ム
ライト系多孔質セラミックスは、結晶粒子間の接触面積
が小さくなるため、結合強度が低くなり、実用的な強度
が得られないという問題点があった。特に、空孔形成剤
を添加して多孔体を得る場合は、混合工程中で分散性が
低下して不均一になりやすく、また乾式プレス等で成形
すると弾性回復が大きくなるため、ラミネーションやク
ラック等を生じやすく、結局低強度となってしまうとい
う不都合があった。さらに、市販の空孔形成剤は比較的
高価であるため、コストが高くなるという問題点もあっ
た。
【0005】これに対し、強度的な改良として、ムライ
ト系セラミックスに適切な焼結助剤を添加し、結晶粒子
間の結合強度を高める方法が採られている。例えば、特
開平1−208366号公報に示されるように、ムライト粉末
に安定化剤を含むジルコニア粉末を3〜40重量%添加し
て焼成温度を 150℃程低下させ、強度向上を図る方法が
提案されている。しかし、この場合もジルコニア粉末の
分散性が悪いことなどから満足な結果が得られず、また
ジルコニアは高価な材料であるため、コストが高くなる
という問題点があった。
【0006】そこで本発明は、高強度を有し、耐熱衝撃
性に優れたムライト系セラミックスを安価に提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、5〜33.6重量
%の単斜晶ジルコニアと、42.6重量%以下のジルコン
と、残部がムライトおよび不可避不純物からなるムライ
ト系セラミックスを特徴とする。また、このようなムラ
イト系セラミックスは、90〜50重量%のムライト粉末に
平均粒径5μm以下のジルコン粉末を10〜50重量%の割
合で添加し、分散剤、結合剤等を加えて、ボールミルま
たは振動ミルにて混合して得られたスラリーを造粒して
原料を得、さらに押出成形する場合は、上記粉末に結合
剤、可塑剤、滑り剤を加え、適量の水分を添加して攪拌
機等で混合して適当な坏土とし、所定形状に成形した
後、1550〜1700℃の温度で焼成することによって得るこ
とができる。
【0008】つまり、本発明はムライト系セラミックス
にジルコン(ZrSiO4) を添加し、その一部または全部を
分解して最終焼結体中にジルコニア(ZrO2)とシリカ(SiO
2)の形で存在させ、特に最終焼結体中に単斜晶ジルコニ
アを析出させるようにしたものである。この単斜晶ジル
コニア結晶はムライト、粒子間に存在して応力緩和を行
い、焼結体の強度を向上させることができることから、
気孔率30%以上の多孔質体であっても、3点曲げ強度 1
000kgf/cm2以上の高強度を得ることができる。
【0009】そして、本発明のムライト系セラミックス
において、焼結体中の単斜晶ジルコニア量を5〜33.6重
量%としたのは、5重量%より少ないと強度を向上させ
る効果に乏しく、一方、33.6重量%を越えると気孔率が
低くなりすぎ、触媒用媒体、フィルターなどとして性能
が劣るためである。また、焼結体中のジルコン量を42.6
重量%以下としたのは、42.6重量%を越えると十分な耐
熱性が得られなくなるためである。
【0010】そして、本発明のムライト系セラミックス
の製造方法において、ジルコン粉末の添加量を10〜50重
量%としたのは、添加量が10重量%より少ないと結晶粒
子間の結合強度が低く、機械的強度が低くなり好ましく
なく、曲げ強度が 1000kgf/cm2以上のものは得られな
い。一方ジルコン添加量が50重量%よりも多いと、緻密
化が進みすぎて低気孔率となり、多孔質体としては不適
当になるためである。
【0011】さらに、単斜晶ジルコニア結晶を析出させ
るためには、1550〜1700℃の温度で焼成を行うことが重
要であり、このような温度域で焼成することによって、
添加したジルコンが単斜晶ジルコニア結晶となり析出し
やすくなるとともに安定して析出し、最終焼結体中に5
〜33.6重量%の単斜晶ジルコニア結晶を存在させること
ができる。
【0012】また、ムライト粉末の平均粒径について
は、多孔質体とする場合には気孔率と強度との兼ね合い
から5〜30μmの範囲が好ましく、5μm未満ではある
程度の気孔率を維持すると強度が低下し、30μmを超え
ると曲げ強度の低下を引き起こし、共に好ましくなくな
る。一方ジルコン粉末の平均粒径は効果的な分散性を得
るために5μm以下が良い。
【0013】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。平均粒径8
μmのムライト粉末に、平均粒径1μmのジルコン粉末
を0〜60重量%の範囲で種々に変化させて添加し、作製
したスラリーを樹脂製ポット中でアルミナボールと共に
2時間振動ミル混合し、これにポリエチレングリコール
を5重量%加えてスプレードライで噴霧乾燥して顆粒を
得た後、一軸加圧プレスで1ton/cm2 の加圧力で各種テ
ストピースを成形し、脱脂後1600〜1700℃にて焼成した
ものに加工を施し、気孔率と曲げ強度を測定した。ここ
で使用した原料のムライト粉末およびジルコン粉末の純
度は表1に示す通りである。結果は表2中のNo.1〜No.
7に示す通りである。
【0014】
【表1】
【0015】また、平均粒径を1〜40μmの範囲内で種
々に変化させたムライト粉末に、平均粒径1μmのジル
コンを30重量%添加したものを上記と同様にして原料を
作製し、一軸加圧プレスでテストピースを作製し、脱脂
後1600〜1700℃にて焼成したものに加工を施し、気孔率
と曲げ強度を調べた。結果は表2のNo.8〜No.13に示す
通りである。
【0016】さらに、平均粒径5μmおよび20μmのム
ライト粉末に、平均粒径を0.3 〜10μmの範囲内で種々
に変化させたジルコンを添加して、上記と同様に気孔率
と曲げ強度を調べた。結果は、表2中のNo.14〜No.21に
示す通りである。また、比較例としてジルコンの代わり
にジルコニア粉末を添加したものについても同様の測定
を行った。結果は表2のNo.22、23に示す通りである。
【0017】なお、いずれも比較しやすくするために、
焼成条件を調整して気孔率30〜35%となるようにした。
この結果より明らかに、ジルコン添加量や各平均粒径の
いずれかが本発明の範囲外であるNo.1、7、8、13、1
7、21の試料は、曲げ強度が 1000kgf/cm2以下と低い
か、または気孔率を30%以上とできないものであった。
また、ジルコニア粉末を添加したNo.22、23は、分散性
が悪いことや単斜晶相が析出していないことなどから、
曲げ強度が低いものであった。
【0018】これに対し、本発明の要件を満たす試料
は、気孔率が30%以上で曲げ強度が1000kgf/cm2 以上と
優れた強度を示した。
【0019】
【表2】
【0020】上記の表2中試料No.4の焼成体の組成分
析値を表3に示す。この焼成温度は1650℃である。
【0021】
【表3】
【0022】次に表2中No.4の試料について、焼成温
度を変化させて、それぞれ単斜晶ジルコニアの析出の有
無をX線回折により調べた。その結果は図1に示すよう
に、焼成温度が1550℃以下では単斜晶ジルコニアは析出
せず、焼成温度を1550℃よりも高くすることにより単斜
晶ジルコニア (図中△印のピーク) が析出することがわ
かる。
【0023】さらに、本発明実施例として1650℃で焼成
し単斜晶ジルコニア結晶を15重量%含むムライト系セラ
ミックスと、比較例として1550℃で焼成し単斜晶ジルコ
ニア結晶を含まないムライト系セラミックスについて、
耐熱衝撃性試験を行った。なお、いずれもテストピース
形状とし、気孔率は40%とした。試験は、各テストピー
スを所定の温度に加熱し水中に投下した後、各温度差
(△T) 毎に3点曲げ強度を測定することにより行っ
た。結果は図2に示す通り、単斜晶ジルコニアの存在し
ない比較例では、初期の曲げ強度が低いため加熱し水中
投下した後の曲げ強度も低いことがわかった。これに対
し、単斜晶ジルコニア結晶が存在する本発明実施例では
曲げ強度、耐熱衝撃性が共に優れていることがわかる。
【0024】また、以上の実施例では、気孔率30%以上
の多孔質体としたもののみを示したが、本発明のムライ
ト系セラミックスは緻密質体にも適用できることは言う
までもない。そして、本発明のムライト系セラミックス
は、ハニカム形状として自動車排ガス浄化用担体、高温
燃焼触媒用担体等に使用したり、あるいは各種耐熱部材
や電子部品用基板などのさまざまな分野に用いることが
できる。
【0025】
【発明の効果】このように、本発明によれば、5〜33.6
重量%の単斜晶ジルコニアと、42.6重量%以下のジルコ
ンと、残部がムライトおよび不可避不純物からなるムラ
イト系セラミックスを構成したことによって、高強度で
耐熱衝撃性に優れたムライト系セラミックスを得ること
が可能となる。
【0026】また、本発明のムライト系セラミックス
は、ムライト質粉末に平均粒径5μm以下のジルコン粉
末を10〜50重量%の割合で添加し、所定形状に成形した
後、1550〜1700℃の温度で焼成することによって、安価
なジルコン粉末を用いれば良いため容易に低コストで製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のムライト系セラミックスの結晶相を示
すX線回折チャート図である。
【図2】本発明のムライト系セラミックスの耐熱衝撃性
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早崎 哲治 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ株 式会社鹿児島国分工場内 (72)発明者 森元 久志 長野県塩尻市大字宗賀1番地 昭和電工株 式会社塩尻工場内 (72)発明者 富川 伸一郎 長野県塩尻市大字宗賀1番地 昭和電工株 式会社塩尻工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5〜33.6重量%の単斜晶ジルコニアと、
    42.6重量%以下のジルコンと、残部がムライトおよび不
    可避不純物からなるムライト系セラミックス。
  2. 【請求項2】 90〜50重量%のムライト粉末に平均粒径
    5μm以下のジルコン粉末を10〜50重量%の割合で添加
    し、成形後、1550〜1700℃の温度で焼成して単斜晶ジル
    コニア結晶を析出させる工程からなるムライト系セラミ
    ックスの製造方法。
JP6221278A 1994-09-16 1994-09-16 ムライト系セラミックスおよびその製造方法 Pending JPH0881259A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6221278A JPH0881259A (ja) 1994-09-16 1994-09-16 ムライト系セラミックスおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6221278A JPH0881259A (ja) 1994-09-16 1994-09-16 ムライト系セラミックスおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0881259A true JPH0881259A (ja) 1996-03-26

Family

ID=16764280

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6221278A Pending JPH0881259A (ja) 1994-09-16 1994-09-16 ムライト系セラミックスおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0881259A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107352967A (zh) * 2016-05-10 2017-11-17 Toto株式会社 大型陶瓷板及其制造方法
JP2018168055A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 Toto株式会社 大型セラミック板およびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107352967A (zh) * 2016-05-10 2017-11-17 Toto株式会社 大型陶瓷板及其制造方法
JP2018035052A (ja) * 2016-05-10 2018-03-08 Toto株式会社 大型セラミック板およびその製造方法
JP2018168055A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 Toto株式会社 大型セラミック板およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1558545B1 (en) Aluminum titanate-based ceramic article
JP5230935B2 (ja) チタン酸アルミニウムマグネシウム結晶構造物及びその製造方法
EP0037868B2 (en) Method of producing low-expansion ceramic materials
EP1364930B1 (en) Honeycomb structure and method for preparation thereof
EP1911732B1 (en) Process for producing ceramic honeycomb structure
EP0630677B1 (en) Ceramic filter for a dust-containing gas and method for its production
JP4110244B2 (ja) 炭化ケイ素系耐熱多孔質構造材及びその製造方法
US6699429B2 (en) Method of making silicon nitride-bonded silicon carbide honeycomb filters
US20020180117A1 (en) Honeycomb structure and process for manufacture thereof
WO2008018957A2 (en) High porosity filters for 4-way exhaust gas treatment
WO2002040424A1 (fr) Structure en nid d'abeilles et procédé de fabrication
JP3185960B2 (ja) 多孔質チタン酸アルミニウム焼結体の製造方法
JPH0881259A (ja) ムライト系セラミックスおよびその製造方法
JP2000016872A (ja) 多孔質炭化珪素焼結体及びその製造方法
JP2549976B2 (ja) 耐熱性ムライト焼結体
JPH0368411A (ja) コーディエライト質ガス用フィルタとその製造方法
JP3928673B2 (ja) コーディエライト質セラミックス焼結体、そのための組成物および製造方法
JPH01258715A (ja) 炭化ケイ素質ハニカム状フィルター及びその製造方法
JPH0829977B2 (ja) 高強度・低熱膨張セラミック及びその製造方法
JP2823140B2 (ja) コーディエライト質多孔体の製造方法
JPH09268085A (ja) 炭化珪素質多孔体の製造方法
JP5120793B2 (ja) 炭化ケイ素多孔体の製造方法
JP3108362B2 (ja) 高強度無機質繊維成形体
KR910002579B1 (ko) 알루미나질다공체 및 그 제조방법
JPH07206538A (ja) 高強度多孔質部材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050308

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050524