JP2018168055A - 大型セラミック板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐凍害性、強度および耐熱衝撃性を満足する大型セラミック板の提供。
【解決手段】JISA1509−3(2014)に規定される吸水率が1%以下であり、結晶相としてムライトを含み、さらに、クォーツを含まないか、含む場合は、当該クォーツの濃度が0質量%超過20質量%以下であり、CaO換算で0質量%超過1質量%以下のCa元素と、MgO換算で0質量%超過1質量%以下のMg元素とを含んでなり、長石由来結晶鉱物として、最大長が50μm以上の粒子を含み、かつ当該粒子が全長石由来結晶鉱物に対して3%以上の面積率を有することを特徴とする大型セラミック板。
【選択図】なし

Description

本発明は大型のセラミック板およびその製造方法に関し、具体的には、曲げ強度が高く、耐熱衝撃性に優れた大型のセラミック板およびその製造方法に関する。
セラミックタイルは不燃材料として認定されており、設計者の信頼性が高い材料である。近年、タイルのサイズを超えた大型セラミック板の普及が拡大しつつある。欧州から輸入される大型セラミック板は第1類素地である。これらは強度や耐凍害性その他諸性能に優れているが、脆性材料であるため、耐久力以上の衝撃を受けると破断しやすい。一方、日本で市販されている大型セラミック板はアノーサイトを含有する第3類素地が主流である(例えば、特開平10−236867号公報(特許文献1)参照)。
また、外装建材に適した大型セラミック板の製造を実現すべく、大型セラミック板の吸水性を低くするための様々な提案がなされており、例えば、特開2015−91744号公報(特許文献2)には、MgO換算で0.5質量%以上2質量%以下のMg元素と、CaO換算で2質量%以上15質量%以下のCa元素とを含んでなり、JIS A5209(2008)に規定される吸水率が1%以下である大型セラミック板が記載されている。
さらに、特開2007−39314号公報(特許文献3)には、アルカリ成分を含む長石類及び石英を除去した可塑性粘土と、石灰および苦土成分と、アルミナ成分との3成分からなり、かつ、各成分が全体重量に対して、それぞれ少なくとも10重量% 以上含有されてなるセラミック用素地が記載されている。
特開2015−199638号公報(特許文献4)には、CaO換算で2質量%以上20質量%以下のCa元素と、MgO換算で0.1質量%以上4質量%以下のMg元素と、Al換算で30質量%未満のAl元素と、Si元素とを含んでなり、CaO/MgOが質量比で5以上60以下である、大型セラミック板が記載されている。
特開平10−236867号公報 特開2015−91744号公報 特開2007−39314号公報 特開2015−199638号公報
特許文献1に記載された大型セラミック板は、原料に繊維鉱物の珪灰石を使用し、珪灰石が残存するように焼成しているため、耐久力以上の衝撃を受けても破断しにくい反面、強度を上げるため、さらに焼結度を高めると素地が溶融してしまい形状保持が難しくなる。これは、珪灰石に多量のカルシウム分が含まれるためである。そこで、特許文献2に開示される大型セラミック板は、上記の組成とすることにより、吸水性が低く、かつ高い生産性でもって得ることができる(乾燥割れ、焼成割れが防止でき、良好な形状安定性を有する)とされている。
内外装を含めた壁材に大型セラミック板を適用するためには、耐凍害性、強度および耐熱衝撃性について要求品質を満たさなければならない。今般、本発明者らは、大型セラミック板において、クォーツ量と長石由来成分の粒径およびその存在量と主に制御することで、上記3つの性能を満たし、またその形状保持においても望ましい性能が得られるとの知見を得た。本発明はこのような知見に基づきなされたものである。
したがって、本発明は、大型セラミック板に求められる諸性能、とりわけ耐凍害性、強度および耐熱衝撃性を満足する大型セラミック板を提供することを目的とする。
そして、本発明による大型セラミック板は、
JIS A1509−3(2014)に規定される吸水率が1%以下である大型セラミック板において、
結晶相としてムライトと、長石由来結晶鉱物とを含み、
さらに、クォーツを含まないか、または、含む場合は、当該クォーツの濃度が0質量%超過20質量%以下であり、
CaO換算で0質量%超過1質量%以下のCa元素と、MgO換算で0質量%超過1質量%以下のMg元素とを含んでなり、
前記長石由来結晶鉱物として、最大長が50μm以上の粒子を含み、かつ当該粒子が全長石由来結晶鉱物に対して3%以上の面積率を有することを特徴とする。
大型セラミック板
本発明による大型セラミック板は、JIS A1509−3(2014)に規定される吸水率が1%以下であり、結晶相としてムライトを含み、さらに、クォーツを含まないか、含む場合は、当該クォーツの濃度が0質量%超過20質量%以下であり、CaO換算で0質量%超過1質量%以下のCa元素と、MgO換算で0質量%超過1質量%以下のMg元素とを含んでなることを特徴とする。さらに、本発明の大型セラミック板は、長石由来結晶鉱物として、最大長が50μm以上の粒子を含み、かつ当該粒子が全長石由来結晶鉱物に対して3%以上の面積率を有するものである。以上の組成とすることにより、吸水率を1%以下とするために焼き締めても熔化することがない。さらに、特にクォーツ濃度を20質量%以下とすることで、熱変化に対して割れが生じにくくなる。従って、本発明によれば、耐凍害性、強度、耐熱衝撃性を満足する大型セラミック板を得ることができる。
(サイズ)
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板は、厚さが1mm以上10mm以下であることが好ましい。より好ましい厚さは1mm以上6mm以下である。また、本発明による大型セラミック板は、1辺の長さが400mm以上3000mm以下であることが好ましく、800mm以上3000mm以下であることがより好ましい。長さがこの範囲にあることにより、目地を少なくできるため、施工の簡略化や意匠の多様化を実現することが可能となる。
また、本発明による大型セラミック板は、短辺/厚さが80以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましい。これにより、外装用途に適用可能な薄型で大型のセラミック板を得ることが可能となる。
また、本発明による大型セラミック板は、その面積が0.25m以上であることが好ましい。また、その形状は特に限定されないが、平板であることが好ましい。
(結晶相)
本発明による大型セラミック板は結晶相としてムライトを含み、さらに、クォーツを含まないか、含む場合は、当該クォーツの濃度が0質量%超過20質量%以下であるものである。
さらに、本発明による大型セラミック板は、結晶相に長石由来の結晶鉱物を含む。ここで、長石由来の結晶鉱物とは、アルカリ長石および曹長石からなる群から選択される少なくとも一種であり、好ましくは、オルソクレイス、サニディン、マイクロクリン、アノーソクレース、アルバイトからなる群から選択される少なくとも一種である。
そして本発明にあっては、長石由来結晶鉱物は最大長が50μm以上の粒子を含み、かつこの粒子が全長石由来結晶鉱物に対して3%以上の面積率を有する。本発明において、粒子の最大長とは、大型セラミック板の断面を研磨し、電子顕微鏡にて元素分析を行なうことで得られる元素分布から観察される粒子の最大長さであって、粒子がほぼ球形である場合には直径を、粒子が異方性を有する場合は粒子の最大幅を意味する。本発明の好ましい態様によれば、長石由来結晶鉱物として、最大長が80μm以上の粒子を含んでなる。このような比較的大きな長石由来結晶鉱物を含むことで、製造工程での形状保持に優れる。そのため、耐凍害性、強度、耐熱性、形状安定性を満足する大型セラミック板を提供することができる。本発明の好ましい態様によれば、長石由来結晶鉱物の最大長が50μm以上の粒子が全長石由来結晶鉱物に対して10%以下、より好ましくは9%以下の面積率を有する。面積率の上限をこのようにすることで、強度に優れ、吸水率の小さい大型セラミック板を得ることができる。
このような長石由来結晶鉱物の粒子径の実現は、原料調合物の粒度調整により、含有される長石を比較的大粒子となるようにすることにより行うことが出来る。粒度調整の手段は適宜選択されてよいが、例えば、原料の粉砕条件(強度や時間等)を調整する、粒度が予め調整された長石を配合する、硬度の高い長石を原料として使用して、粉砕されにくくするなどの手法が挙げられる。
本発明において、「面積率」は次の通り定義され、また測定される。すなわち、大型セラミック板の中に存在する長石由来結晶鉱物の割合を二次元で測定した値を同鉱物の「面積率」と定義する。大型セラミック板の断面の元素分布像から長石由来鉱物の粒子を特定し、その元素分布像において、画像解析した範囲の面積に占める長石由来鉱物の粒子の面積の割合を算出する。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板は、アノーサイトを含まないことが好ましい。結晶相にアノーサイトが含まれる従来の大型セラミック板は、Caを比較的多く含む。そのため、焼成度合いを高めると熔化による変形が生じやすくなる。
本発明の好ましい他の態様によれば、本発明による大型セラミック板は、結晶相にムライトおよびアノーサイトを含み、ムライトはアノーサイトよりも多く含まれることが好ましい。結晶相をこのようにすることで、熔化による変形を抑え、製造時の形状安定性を高くすることができる。
本発明において、結晶相の同定はX線回折法(以下、XRDと称することがある)によって行なわれる。すなわち、乾燥させたセラミックの粉砕試料について、測定装置として例えば、PANalytical社製「X’Pert Pro MPD」を用い、銅ターゲットを用い、Cu−Kα1線を用いて、管電圧45kV、管電流40mA、測定範囲2θ=5〜80deg、サンプリング幅0.033deg、走査速度80s/stepの条件でX線回折測定を行う。結晶相の存在比は、XRDにて得られたスペクトルおけるピーク強度の大小で識別できる。具体的には、結晶形のライブラリを参照して同定される各結晶の3強線の内、識別可能なピークの高さ(例えば、ムライト:2θ=16.46deg、アノーサイト:2θ=21.98deg、クォーツ:2θ=20.9deg、オルソクレイス:2θ=27.58deg、アルバイト:2θ=27.9deg等に検出されるピークの高さ)を比較する。また、クォーツ、長石由来鉱物、および非結晶相の定量にはリートベルト解析を行うことで濃度が算出される。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板は、クォーツの濃度が10質量%以上20質量%以下であることが好ましい。本発明にあっては、大型セラミック板におけるクォーツの濃度は低いほど耐熱衝撃性が優れる点で好ましい。しかしながら、後述する原料調合物を構成する材料のうち、クォーツ濃度の低いものは天然材料および合成材料のいずれも高額である。クォーツの濃度を上記範囲となるように材料を選定することによって、本発明の効果として得られる諸特性と経済性と両立することが可能となる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板は、長石由来結晶鉱物の濃度の下限値が10質量%であることが好ましく、15質量%がより好ましく、20質量%がさらに好ましく、25質量%がさらに好ましく、30質量%がさらに好ましく、35質量%が一層好ましい。本発明による大型セラミック板は、長石由来結晶鉱物の濃度の上限値が50質量%であることが好ましく、45質量%がより好ましく、40質量%がさらに好ましく、35質量%がさらに好ましい。長石由来結晶鉱物の好適な濃度範囲は、これらの値を自由に組み合わせることができるが、より好ましくは20質量%以上40質量%以下である。
一般に、吸水率が1%以下、すなわち、磁器質のセラミックを製造する場合、原料調合物に配合される長石は媒熔剤として用いられる。通常の使用において、媒熔剤は、原料の熔融を助勢するためのものであって、熔融後、他の成分と化学反応を起こして、原料調合物とは異質の結晶相または非結晶相を形成させることを主たる目的として添加される。一方で、本発明による大型セラミック板は長石由来結晶鉱物を含有し、この長石由来結晶鉱物は、原料調合物に含まれるガラス質鉱物の一部が熔融せずに残存し、焼成後も原料調合物と同質の結晶相が保持されたものであると考えられる。そして、この残存したガラス質鉱物の粒子、すなわち長石由来結晶鉱物を核とし、その周囲に他の結晶相やガラス質相が結着することで、焼成時に形状が良好に保持されるものと考えられる。従って、ガラス質鉱物の一部を熔融および化学変化に寄与させ、一部はその結晶相を保持するよう製造条件を調整することによって、焼成時の形状が良好に保持される。さらに温度変化を比較的急に行うことも可能であるため、焼成時間を短縮できる、すなわち迅速な焼成が可能となる。特に、吸水率が1%以下の大型セラミック板の製造においては、迅速焼成化されることで、製品の歪みを軽減し、変形や割れを抑止する効果も奏すると考えられる。また、原料調合物に含有されるクォーツの濃度を20質量%以下とすることで、効果的にガラス質鉱物を核として利用することが可能となり、熱変化に対して割れが生じにくくなる。そのため、耐凍害性、強度、耐熱衝撃性をいずれも満足する大型セラミック板を得ることができる。
(組成)
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板は、SiO換算で60質量%以上70質量%以下のSi元素と、Al換算で15質量%以上25質量%以下のAl元素と、KO換算で0.5質量%以上10質量%以下のK元素と、NaO換算で0.5質量%以上10質量%以下のNa元素と、CaO換算で0質量%超過1質量%以下のCa元素と、MgO換算で0質量%超過1質量%以下のMg元素とを含んでなることが好ましい。本発明において、元素の検出および定量は常法により行われてよいが、好ましくは蛍光X線分析装置(例えば、Supermini200(株式会社リガク))を用いて行なう。本発明による組成とすることにより、上述した結晶相をもつ、良好な諸性能を備える大型セラミック板を得ることが可能となる。本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板は、SiO換算で64質量%以上67質量%以下のSi元素と、Al換算で19質量%以上22質量%以下のAl元素と、KO換算で1質量%以上4質量%以下のK元素と、NaO換算で4質量%以上7質量%以下のNa元素と、CaO換算で0.1質量%以上0.8質量%以下のCa元素と、MgO換算で0.1質量%以上0.8質量%以下のMg元素とを含んでなることが、より好ましい。
本発明による大型セラミック板が、ZrO換算で3質量%以上15質量%以下のZr元素をさらに含んでなる場合、その組成は、SiO換算で45質量%以上65質量%以下のSi元素と、Al換算で15質量%以上30質量%以下のAl元素と、ZrO換算で3質量%以上15質量%以下のZr元素と、KO換算で0.5質量%以上10質量%以下のK元素と、NaO換算で0.5質量%以上10質量%以下のNa元素と、CaO換算で0質量%超過1質量%以下のCa元素と、MgO換算で0質量%超過1質量%以下のMg元素とを含んでなることが好ましい。本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板は、SiO換算で55質量%以上60質量%以下のSi元素と、Al換算で20質量%以上25質量%以下のAl元素と、ZrO換算で5質量%以上10質量%以下のZr元素と、KO換算で1質量%以上4質量%以下のK元素と、NaO換算で4質量%以上7質量%以下のNa元素と、CaO換算で0.1質量%以上0.8質量%以下のCa元素と、MgO換算で0.1質量%以上0.8質量%以下のMg元素とを含んでなることが、より好ましい。
(吸水率)
本発明による大型セラミック板は、JIS A1509−3(2014)「セラミックタイル試験方法−第3部:吸水率、見掛け気孔率及びかさ密度の測定方法」に規定される、真空法により測定される吸水率が1%以下であり、0.01%以上0.5%以下であることが好ましい。吸水率をこの範囲とすることにより、大型セラミック板の強度を確保することができる。また、上述したように、ムライトを含むため、吸水率が当該範囲となる程度に焼締めても熔融による変形を防ぎ、耐熱衝撃性を得ることが可能となる。また、吸水率を1%以下とすることによって、大型セラミック板への水の浸透が抑制される。これにより、水の凍結に起因する損壊を防止できるので、外装材として好適に利用することができる。
本発明の大型セラミック板が釉薬層を備える場合には、大型セラミック板の平均膨張率を、釉薬層の平均膨張率よりも大きくすることが好ましい。それによって、セラミック板が大型であっても凹反りが発生することを防止できる。
用途
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板は、外装建材;内装建材;大型セラミック板単品;金属板やセッコウ板等の無機質板、ガラス繊維布又は合板などで裏打した複合材などに適用して用いることができる。とりわけ外装建材に適用して用いることが好ましい。
大型セラミック板の製造方法
本発明の別の態様によれば、本発明は、耐凍害性、強度および耐熱衝撃性をいずれも満足する大型セラミック板の製造方法の提供をその目的としている。
そして、本発明による大型セラミック板の製造方法は、
(1)粘土鉱物と、(2)ガラス質鉱物と、そして場合により(3)ジルコニウム含有鉱物を含んでなる原料調合物を用意する工程と、
前記原料調合物を成形して、成形体を得る工程と、
前記成形体を焼成して、大型セラミック板を得る工程とを少なくとも含んでなる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板の製造方法において、原料調合物は、クォーツを含まないか、含む場合は、当該クォーツの濃度が0質量%超過20質量%以下であり、CaO換算で0質量%超過1質量%以下のCa元素と、MgO換算で0質量%超過1質量%以下のMg元素とを含んでなることが好ましい。クォーツならびに2価の金属元素であるCaおよびMgが所定の濃度範囲となるように原料調合物を調製することによって、焼成工程では結晶相にムライトが、アノーサイトよりも優位に生成され、これにより、吸水率を1%以下とするために焼き締めても熔化することがなく、熱変化に対して割れが生じにくくなると考えられる。このように、本発明の大型セラミック板は、熱変化に対して形状安定性に優れるため、焼成時のヒートカーブを急峻なものとする、いわゆる迅速焼成も可能となり、これにより製造効率の向上が期待できる。
原料調合物の用意
本発明による大型セラミック板の製造方法にあっては、先ず(1)粘土鉱物と、(2)ガラス質鉱物と、そして場合により(3)ジルコニウム含有鉱物とを少なくとも含んでなる原料調合物を用意する。
原料調合物
本発明による大型セラミック板の製造方法において用いられる原料調合物が含有する各成分について以下に説明する。
(1)粘土鉱物として好適に用いることができる材料は、例えば、粘土、陶石、カオリン、セリサイト等セラミックの骨格を形成する物質の少なくとも一種である。より好ましい材料は粘土、陶石の双方またはいずれかである。粘土としては、天然粘土または合成粘土を用いることができる。天然粘土の具体例としては、粘土鉱物を主体とする可塑性の強い土壌、例えば本宮粘土、木節粘土、頁岩粘土、村上粘土,蛙目粘土などを挙げることができる。合成粘土としては、各種の鉱物質粉末及び有機結合剤を主成分として人工的に作製されたものを用いることができる。
粘土鉱物の含有量は原料調合物全量に対して10質量%以上70質量%以下であることが好ましく、15質量%以上60質量%以下であることが、より好ましい。なお、原料調合物全量とは、焼成体を構成する成分の原料の総量を意味し、湿式成形において添加される水や、界面活性剤または有機高分子などの、乾燥工程や焼成工程において消失する成分は含まれないものとする。
(2)ガラス質鉱物として好適に用いることができる材料は、例えば、長石および白雲母等である。より好ましい材料は長石であり、アルカリ長石および曹長石からなる群から選択される少なくとも一種であることが、さらに好ましい。ガラス質鉱物の含有量は原料調合物全量に対して30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、40質量%以上80質量%以下であることが、より好ましい。
本発明による大型セラミック板にあっては、長石由来結晶鉱物として、最大長が50μm以上の粒子として含む。さらにこの粒子が、製造された大型セラミック板において、全長石由来結晶鉱物に対して3%以上の面積率を有するものとする。上記したように、このような長石由来結晶鉱物の粒子径は、原料調合物の粒度調整により、含有される長石を比較的大粒子となるようにすることにより行うことが出来る。
任意の好ましい成分である(3)ジルコニウム含有鉱物として好適に用いることができる材料は、例えば、ジルコン、ジルコニア、炭酸ジルコニウムなどを挙げることができ、好適にはジルコンである。ジルコニウム含有鉱物の含有量は、原料調合物全量に対して3質量%以上25質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることが、より好ましい。
本発明による大型セラミック板の製造方法において用いられる原料調合物は、焼成体の結晶相をムライトが主生成物となるように、(4)灰長石、石灰石、珪灰石より選択されるCaを含有する化合物を含まないか、その含有量を低く抑えることが好ましい。これら化合物を含むことにより、セラミック中にアノーサイトが生成される。アノーサイトを多く含む焼成体は、焼締めると熔化して変形が顕著になるため、好ましくない。これらのCaを含有する化合物を配合する場合、Caを含有する化合物の含有量は原料調合物全量に対して0質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0質量%以上3質量%以下であることがより好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板の製造方法において用いられる原料調合物は(5)骨材をさらに含んでも良い。熔化する成分を減らした原料調合物は、元々の原料調合物よりも乾燥性が劣るため、骨材を添加することにより、成形体の乾燥に伴う割れの発生を抑えることが可能となる。
また、骨材の粒径は1.7mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましい。粒径が1.7mm以下の骨材を用いることにより、大型セラミック板の吸水率を低下させることができる。また、骨材の粒径は0.1mm以上であることが好ましい。これにより、湿式成形を行なう場合は、坏土の乾燥時の水抜けがよくなり乾燥時間を短縮することができる。骨材として好適に用いることができる材料は、例えば、シャモット、珪石等が挙げられるが、I類のタイル等の低吸水性セラミックを原料とするセルベンを用いることが、より好ましい。また、骨材の含有量は原料調合物全量に対して0質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板の製造方法において用いられる原料調合物は(6)色材をさらに含んでも良い。色材としては、公知の無機顔料を利用でき、着色素地を得るための顔料を好適に利用できる。顔料としては、FeまたはCrを含有する無機系顔料を好適に用いることができる。これらの色材の含有量は原料調合物全量に対して0質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、前記原料調合物が、前記(1)〜(5)を含んでなり、当該原料調合物全量に対して、前記(1)粘土鉱物を10質量%以上70質量%以下、前記(2)ガラス質鉱物を30質量%以上90質量%以下、前記(3)Caを含有する化合物を0質量%以上5質量%以下、前記(4)骨材を0質量%以上30質量%以下、前記(5)色材を0質量%以上30質量%以下含んでなるものであることが好ましい。このようにCaおよびクォーツを多く含まない、好適には、CaをCaO換算濃度で1質量%以下となるように、また、クォーツを、20質量%以下、より好適には10質量%以上20質量%以下となるように、原料を調合することにより、JIS A1509−3(2014)に規定される吸水率が1%以下であり、耐凍害性、強度、耐熱衝撃性を満足する大型セラミック板を得ることができる。
原料調合物の成形
本発明による大型セラミック板の製造方法にあっては、次いで原料調合物を成形して、成形体を得る。成形の方法は特に限定されず、湿式成形法および乾式成形法のいずれも用いることが可能である。
湿式成形法においては原料調合物に加水して坏土を作製し、成形を行う。乾式成形法は、原料調合物の顆粒を作製し、成形を行う。湿式成形法を用いる場合は、以下の利点を得ることができる点で、好ましい。すなわち、乾式成形法のように大型の金型およびプレス機を必要としないので、様々なサイズに対応でき、平板形状だけでなく、容易に中空体や異形(例えばR曲面)の形状を得ることが可能である。さらには、乾燥前の成形体に、表面に凹凸柄を形成したエンドレスローラーを用いて、多様な凹凸柄を付与することが可能である。つまり、立体的な面状をつけるために乾式プレスのような大掛かりな型替えが必要ない。
一方、乾式成形法を用いる場合は、成形後に乾燥工程を必要としないか、または乾燥条件を温和にできるため、製造時のエネルギー消費量を低減できる点で、好ましい。さらに、乾式成形法を用いる場合は、成形体に含まれる水分が少ないので、乾燥収縮が小さいので収縮による内部歪が小さい。よって反りや変形が小さい薄型大型セラミック板を得やすい点で好ましい。さらに、湿式成形法では、坏土を押出し成形後、圧延して板状の成形体を得る手法が用いられるが、この手法によれば成形体内部に原料の配向が生じる。乾式成形法は原料の配向が生じ難いため、大型セラミック板の形状安定性に優れる点で好ましい。
成形体の焼成
本発明による大型セラミック板の製造方法にあっては、次いで成形体を焼成して焼成体を得る。本発明の好ましい態様によれば、成形体を焼成する最高温度は、1100℃〜1200℃であることが好ましく、1100℃〜1180℃であることがより好ましく、1120℃〜1180℃であることが最も好ましい。この温度範囲で焼成することにより、切れや割れまたは歪みの無い、薄く大型のセラミック板を得ることができる。焼成により得られた焼成体は、定形加工等の後加工を経て、または後加工なく焼成体のまま、本発明の大型セラミック板となる。
成形体の乾燥
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板の製造方法は、成形体の焼成前に、成形体を乾燥(加熱を含む)させることができる。成形体を乾燥させる最高温度は、50℃〜200℃であることが好ましく、80℃〜150℃であることがより好ましい。この温度範囲で乾燥させることにより、乾燥切れや歪みの無いセラミック板を得ることができる。
成形体の仮焼
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板の製造方法は、成形体の焼成前に、成形体を仮焼することができる。成形体を仮焼する温度は、600℃以上1140℃以下であることが好ましく、800℃以上1100℃以下であることがより好ましい。この温度範囲で仮焼することにより、切れや割れまたは歪みの無いセラミック板を得ることができる。
施釉
成形体の焼成前または焼成後に、もしくは仮焼前か仮焼後に、釉薬を施釉してもよい。釉薬は、スラリーであっても粉体であってもよい。成形体の焼成後に釉薬を施釉した場合、再焼成を行うことが好ましい。釉薬を焼成することにより、釉薬層が形成される。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
原料調合物の用意
粘土鉱物としての粘土と、ガラス質鉱物としての長石とを混合して原料調合物を用意した。
原料調合物の成形
得られた原料調合物をトロンミルに入れ混合粉砕し、スプレードライヤーにより顆粒粉を作製した。作製した顆粒粉を用い、25000t乾式プレス成形機により35〜40MPaの成形圧力で1090mm×3270mm×5.5mmサイズにプレスして、成形体を得た。
成形体の乾燥
作製した各試験体を150℃で25分、加熱乾燥させて乾燥体を得た。
乾燥体の焼成
作製した乾燥体を、ローラーハースキルンを使用して、常温から30分で最高温度1170℃まで昇温し、最高温度を10分保持した後、20分で冷却し出炉して、焼成体を得ることで、実施例1の大型セラミック板を作製した。
実施例2
原料調合物に、ジルコニウム含有鉱物としてのジルコンとを混合した以外は実施例1と同様の方法により、実施例2の大型セラミック板を得た。
比較例1
実施例1の原料調合物をトロンミルに入れ混合粉砕する際の粉砕時間を実施例1の条件よりも長くして、原料の粒度を低くした以外は実施例1と同様の方法により、比較例1の大型セラミック板を得た。
比較例2
実施例2の原料調合物をトロンミルに入れ混合粉砕する際の粉砕時間を実施例1の条件よりも長くして、原料の粒度を低くした以外は実施例1と同様の方法により、比較例2の大型セラミック板を得た。
比較例3
粘土、長石、陶石および珪石を含有してなる磁器タイル用の原料調合物を使用した以外は実施例1と同様の方法により、比較例3の大型セラミック板を得た。
比較例4
粘土、カオリン、長石、陶石、およびドロマイトを混合し粉砕して得られた衛生陶器用の原料調合物を使用した以外は実施例1と同様の方法により、比較例4の大型セラミック板を得た。
比較例5
ザ・サイズ(The Size)社製の大型セラミック板(品名:Neolith 色:iron gray)を購入し、比較例5の大型セラミック板とした。
比較例6
実施例1の原料調合物をトロンミルに入れ混合粉砕する際の粉砕時間を実施例1の条件よりも短くして、原料の粒度を高くした以外は実施例1と同様の方法により、比較例6の大型セラミック板を得た。
評価
吸水率の測定
作製した各大型セラミック板から、幅100mm、長さ100mm、厚さ5mmの切片を切り出し、試料とした。各試料について、JIS A1509−3(2014)に規定される真空法による吸水率の測定方法に準拠して、吸水率を測定した。
結晶相の測定
以下の手順で試料を作製し、X線回折装置を用いて、以下の測定条件で検出されたスペクトルに対してリートベルト解析を行い、試料中の結晶相の存在比を算出した。なお、試料中の非結晶相は内部標準添加法にて算出した。
試料の作製
(a)各焼成体をプラスチックハンマーで破砕し、約50mm平方の破片を取り出した。
(b)得られた破片を乳鉢で粉砕し、100mesh以下のパウダーを作製した。
(c)プレス機金型に薬包紙を敷き、その上に外径38mm、内径31mm、厚み5mmの塩ビ製リングを置いた。
(d)上記(b)で作製したパウダーをリング内に山型になるように充填し、その上に薬包紙を置いた。
(e)5MPaの圧力になるまでプレスした(約5秒)。
(f)試料(ディスク状)周囲の粉体をハンドポンプで取り除き、測定試料を得た。
測定条件:粉末法
測定装置: X’Pert PRO MPD(パナリティカル社製)
X線源:Cu−Kα1
管電圧:45kV
管電流:40mA
測定範囲:2θ=5°〜80°
結晶形の同定:機器ライブラリより3強線を比較して行った。
長石由来結晶鉱物の粒子の大きさおよび面積率の測定
(1)試料の作製
各焼成体の破片を樹脂包埋し、以下の条件で自動研磨機にて研磨を行った。その後、サンプル表面をPtでコーティングした。
装置:回転機 エコメット研磨機4型(12インチ)(BUEHLER社製)、
加圧機 オートメット2 (BUEHLER社製)
研磨手順:耐水研磨紙#500および#1200にて順に粗削りをしたのち、研磨用バフ盤上でダイヤモンド砥粒9μm、3μm、1μm、および0.05μmを用いて順に研磨することで鏡面出しを行なった。
(2)電子顕微鏡における元素分析
上記で得られた試料を電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)にて、以下の条件で元素分析して、焼成体の元素マップデータを得た。
装置:電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)
機種:JXA−8230(日本電子製)
電子銃:Lab6
加速電圧:15kV
照射電流:1×10−7A
W.D.:11mm
X線分光:波長分散型(WDX)
分光結晶: LDE1H,TAP,TAPH,PETH,LIFH
スキャン方法:ステージスキャン
ピクセルサイズ:2μm×2μm
マッピングサイズ:740μm×520μm
測定時間:10msec/pixel
積算回数:1回
(3)元素マップデータの解析
上記の分析にて得られた元素マップデータを、上記装置に付属する解析プログラム「フェイズマップメーカー」(日本電子製)にて解析して、特定の組成相の分布を表示した相マップを得ることで長石由来結晶鉱物の粒子を可視化した。
解析手順:
a)EPMAソフトウェアで元素マップデータを読み込み、上記解析プログラムを起動させた。
b)長石由来結晶鉱物であるアルバイト(NaAlSi)のうち、含有元素であるNaおよびSiのデータを解析に用いた。
c)b)で選択した元素において、Na=3質量%以上4質量%以下かつSi=20質量%以上26質量%以下をソフト上で指定することで、元素マップデータのうち同鉱物の粒子の存在する箇所を抽出し、可視化させた。なお、長石由来結晶鉱物の純度や、焼成時の組成変化のため、質量比は組成式とは必ずしも合致するものではないため、上記の元素分析で得られたアルバイトの質量%の測定値を元に選択範囲を決定した。
(4)長石由来結晶鉱物の粒子の画像解析
上記のデータを解析して得られた長石由来結晶鉱物の粒子の可視化画像を、さらに画像解析ソフト「WinROOF」(三谷商事製)にて解析し、同粒子の大きさおよび面積率を抽出した。
解析手順:
a)元素マップデータの解析で得られた長石由来結晶鉱物の粒子を可視化させて得た画像を画像解析ソフトに読み込ませた。
b)現画像がカラー情報であるため、2値化処理を行なうためにソフト上にてモノクロ化処理(自動処理)を行なった。
c)解析範囲の選択として、長石由来結晶鉱物の粒子を可視化した元素マップデータ領域を指定した。
d)自動2値化処理(自動処理)を行ない、粒子を認識させた。
e)d)で認識させた粒子の大きさおよび面積率を抽出した。
強度の測定
作製した各大型セラミック板から、幅100mm、長さ100mm、厚さ5mmの切片を切り出し、試料とした。各試料について、JIS A1509−4(2014)に規定される曲げ強度の測定方法に準拠して、スパン290mmにおける曲げ強度を測定した。
耐熱衝撃性の測定
作製した各大型セラミック板から、幅100mm、長さ100mm、厚さ5mmの切片を切り出し、試料とした。各試料について、試料上方から試料表面の方向に炎が放射されるバーナーが取り付けられたローラーハース型焼付炉を用い、試料の表面が1分間で室温から750℃まで昇温させる条件で急激な加熱を行なった後、直ちに室温まで急冷した。このような条件による熱衝撃を付与した試料について、破損状況を目視観察した。
形状安定性の測定
成形体を100mm×100mmに切り取り、実施例1と同じ条件で乾燥および焼成した後の「ばち」を測定した。ばちが0.3mm未満の場合に形状安定性を有すると判定した。JIS A5209(2014)の表7によれば、プレス成形してなる第I類タイルの製作寸法が50mm超過105mm以下の場合、ばちの許容差は1.4mmであるとされている。他方、本発明のセラミック板のように、1辺が1mを超え、厚さが1cm未満であるような薄物で大型のセラミック板の場合、100mm角の試験片のばちの許容差を小さくして形状安定性を保つことによる歩留まり向上を念頭におき、0.3mm未満を合格:符号「○」、0.3mm以上を不合格:符号「×」とした。
組成分析
結晶相の測定で使用した試料について、蛍光X線分析装置 Supermini200(株式会社リガク社製)を用いて、以下の測定条件および濃度の求め方に従い、検出される全元素の酸化物換算濃度を定量した。
測定条件
・X線管電流:4.00mA
・X線管電圧:50kV
・恒温化温度:36.5℃
・PRガス量:7.0ml/min
・真空度 :10Pa以下
・試料形態 :粉末測定(ポリプロピレンフィルム被覆)
・分析方法 :EZスキャン
・測定径 :30mm
・測定時間 :「長い」を選択
濃度の求め方
検出される全元素の酸化物換算濃度を表示させた。
結果は表1に示されるとおりであった。表中、「−」はデータが無いことを意味する。
Figure 2018168055

Claims (13)

  1. JIS A1509−3(2014)に規定される吸水率が1%以下である大型セラミック板において、
    結晶相としてムライトと、長石由来結晶鉱物とを含み、
    さらに、クォーツを含まないか、または、含む場合は、当該クォーツの濃度が0質量%超過20質量%以下であり、
    CaO換算で0質量%超過1質量%以下のCa元素と、MgO換算で0質量%超過1質量%以下のMg元素とを含んでなり、
    前記長石由来結晶鉱物として、最大長が50μm以上の粒子を含み、かつ当該粒子が全長石由来結晶鉱物に対して3%以上の面積率を有することを特徴とする、大型セラミック板。
  2. ZrO換算で3質量%以上15質量%以下のZr元素をさらに含んでなる、請求項1に記載の大型セラミック板。
  3. 前記長石由来結晶鉱物は、アルカリ長石および曹長石からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項2に記載の大型セラミック板。
  4. 前記長石由来結晶鉱物の最大長50μm以上の粒子が、全長石由来結晶鉱物に対して10%以下の面積率を有するものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の大型セラミック板。
  5. 前記長石由来結晶鉱物として、最大長が80μm以上の粒子を含んでなる、1〜4のいずれか一項に記載の大型セラミック板。
  6. 前記クォーツ濃度が10質量%以上20質量%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の大型セラミック板。
  7. アノーサイトを含まない、請求項1〜6のいずれか一項に記載の大型セラミック板。
  8. 1辺の長さが400mm以上3000mm以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の大型セラミック板。
  9. 厚さが1mm以上10mm以下である、請求項8に記載の大型セラミック板。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載された大型セラミック板の製造方法であって、
    (1)粘土鉱物と、(2)ガラス質鉱物とを含んでなる原料調合物を用意する工程と、
    前記原料調合物を成形して、成形体を得る工程と、
    前記成形体を焼成して、大型セラミック板を得る工程と、を少なくとも含んでなる、製造方法。
  11. 前記原料調合物は、当該原料調合物全量に対して、
    前記(1)粘土鉱物を10質量%以上70質量%以下、前記(2)ガラス質鉱物を30質量%以上90質量%以下含んでなるものである、請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記(1)粘土鉱物が粘土であり、前記(2)ガラス質鉱物が長石である、請求項10または11に記載の製造方法。
  13. 前記成形体を焼成する最高温度が、1100℃〜1200℃である、請求項10〜12のいずれか一項に記載の製造方法。

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