JP6287710B2 - 大型セラミック板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は大型のセラミック板およびその製造方法に関し、具体的には、吸水性が低く、薄型で大型のセラミック板およびその製造方法に関する。
目地を少なくでき、施工の簡略化や意匠の多様化を実現可能な大型のセラミック板が実用化され、広く利用されている。また、外装建材に適した大型セラミック板の製造を実現すべく、大型セラミック板の吸水性を低くするための様々な提案がなされている。
例えば、特許文献1(特開平10−236867号公報)には、β−ワラストナイト(珪灰石)を30〜70重量%、粘土及び滑石を70〜30重量%含有する坏土を成形し、これを1000〜1250℃で焼成してなる大型平板状焼結体が記載されている。この文献に開示される焼結体は、吸水率(自然吸水:JIS A5209(1994))が10%を超過する(12.5%)ものであり、所謂「陶器質」(吸水率:5%超22%未満)に属する。
また、特許文献2(特開2003−089570号公報)には、滑石を5〜30重量%、長石及び陶石を10〜40重量%、粒子径を調整したβ−ワラストナイトを10〜40重量%、粘土を20〜50重量%の割合で配合してなる坏土を成形し、これを焼成してなる大型薄板状焼結体が記載されている。この文献に開示される焼結体は、吸水率(自然吸水:JIS A5209(1994))が3%以下のものであり、所謂「せっ器質」(吸水率:1%超5%未満)に区分される焼結体を含む。また、この文献に開示される焼結体は、その低吸水率化を実現するために、β−ワラストナイトの針状結晶が転移する温度(凡そ1120〜1130℃)以下で焼成される。
また、特許文献3(特開2012−188331号公報)には、β−ワラストナイトを3〜20重量部、長石等のガラス質鉱物を5〜20重量部、滑石を5〜20重量部、珪石やシャモット等の骨材を10〜40重量部、陶石等の粘土鉱物を20〜30重量%、粘土を20〜40重量%の割合で配合してなる坏土を成形し、焼成してなる板厚6mm以上の陶磁器板が記載されている。この文献に開示される焼結体は、吸水率(自然吸水:JIS A5209(1994))が2.5%未満のものであり、所謂「せっ器質」に区分される焼結体を含む。また、この文献に開示される焼結体は1160℃未満の温度で焼成することにより得られる。
なお、JIS A5209(1994)により「せっ器質」に区分される焼結体は、JIS A5209(2008)によれば、吸水率(強制吸水)が3%を超え10%未満である所謂「II類」に属する。
特開平10−236867号公報 特開2003−089570号公報 特開2012−188331号公報
セラミック板の吸水性を低くするため、原料にガラス化成分、共融化成分、アルカリ金属やCa、Mgなどの熔融化成分を配合し、これを高温焼成することが試みられている。磁器化にはこれら成分の配合は必須であるが、一方でその熔融により割れや変形が生じ易くなることは避けられない。とりわけ薄型で大型のセラミック板を製造する場合は、成形後や焼成時に割れや変形が生じ易く、吸水性の低い大型セラミック板の実現は困難であった。
焼成時の変形や割れの発生を抑えるために、特許文献2では、針状結晶鉱物である珪灰石の結晶形状を焼成後も保持するべく、原料の配合と焼成温度を工夫している。また、特許文献3では、珪灰石と骨材とを併用することで、成形後の乾燥性を高め、焼成時に骨材が形状を保つことにより割れを抑えることが提案されている。
しかしながら、これらの技術をもってしても、JIS A5209(2008)による吸水率(強制吸水)が1%以下である所謂「I類」に属するセラミック板を高い生産性で得るには至っていない。
本発明者らは、今般、針状鉱物である珪灰石を含ませることにより成形後や焼成時の割れや変形(特に、成形体の乾燥割れ、焼成時の変形)を防ぎ、さらに、滑石を含ませないか或いは微量しか含ませないことでMg成分を減らすことにより、つまり珪灰石に含まれるCaに熔融剤の役割を持たせることにより、焼成に伴う化学変化を制御できることを見出した。その結果、吸水性が低く、かつ生産性の高い(乾燥割れ、焼成割れが防止でき、良好な形状安定性を有する)、薄型で大型の焼成体を得ることができるとの知見を得た。本発明は斯かる知見に基づくものである。
従って、本発明は、吸水性が低く、生産性の高い、薄型で大型のセラミック板およびその製造方法の提供をその目的としている。
そして、本発明による大型セラミック板は、MgO換算で0.5質量%以上2質量%以下のMg元素と、CaO換算で2質量%以上15質量%以下のCa元素とを含んでなり、JIS A5209(2008)に規定される吸水率が1%以下であることを特徴とする。
また、本発明による大型セラミック板の製造方法は、
(1)粘土鉱物と、(2)粘土と、(3)ガラス質鉱物と、(4)Caを含有する化合物と、場合により(5)滑石とを少なくとも含んでなる原料調合物を用意する工程と、
前記原料調合物を成形して、成形体を得る工程と、
前記成形体を焼成して、セラミック板を得る工程とを少なくとも含んでなり、
前記(5)滑石の含有量が、原料調合物全量に対して0質量%以上5質量%未満であることを特徴とする。
大型セラミック板
本発明による大型セラミック板は、MgO換算で0.5質量%以上2質量%以下のMg元素と、CaO換算で2質量%以上15質量%以下のCa元素とを含んでなり、JIS A5209(2008)に規定される吸水率が1%以下であるものである。セラミック板のMg量を減らし、Caに熔融剤の役割を持たせることにより、薄く大型でありながら、吸水性が低く、かつ生産性の高い(乾燥割れ、焼成割れが防止でき、良好な形状安定性を有する)セラミック板を得ることができる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板は、厚さが1mm以上10mm以下であることが好ましい。より好ましい厚さは1mm以上6mm以下である。また、本発明による大型セラミック板は、1辺の長さが400mm以上3000mm以下であることが好ましい。長さがこの範囲にあることにより、目地を少なくできるため、施工の簡略化や意匠の多様化を実現することが可能となる。
また、本発明による大型セラミック板は、短辺/厚さが80以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましい。これにより、外装用途に適用可能な薄型で大型のセラミック板を得ることが可能となる。
また、本発明による大型セラミック板は、その面積が0.25m以上であることが好ましい。また、その形状は特に限定されないが、平物であることが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板はアノーサイトを含んでなることが好ましい。Caを多く含む原材料(例えば、灰長石、石灰石、珪灰石等)を用いることにより、焼成後にアノーサイトを形成させることができる。その結果、形状安定性に優れたセラミック板を得ることが可能となる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板は、MgO/CaOが質量比で0.4未満であることが好ましい。セラミック板のMgの割合を小さくすることにより、焼成による割れや変形をより抑えることが可能となる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板は、骨材をさらに含んでなることが好ましい。骨材についての詳細は後に説明する。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板は、SiO換算で60質量%以上70質量%以下のSi元素と、Al換算で15質量%以上25質量%以下のAl元素と、KO換算で2質量%以上4質量%以下のK元素と、NaO換算で0.5質量%以上1質量%以下のNa元素とをさらに含んでなることが好ましい。なお、元素の検出および定量は、蛍光X線分析装置(例えば、Supermini200(株式会社リガク))を用いて、後述する実施例に記載の測定条件および濃度の求め方に従って行なう。このような組成とすることにより、大型セラミック板が薄型であるにもかかわらず、焼成による割れや変形が抑えられ、生産性を格段に向上させることが可能となる。
用途
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板は、外装建材;内装建材;大型セラミック板単品;金属板やセッコウ等の無機質板、ガラス繊維布又は合板などで裏打した複合材などに適用して用いることができる。とりわけ外装建材に適用して用いることが好ましい。
大型セラミック板の製造方法
本発明の別の態様によれば、本発明は、吸水性が低く、生産性の高い、薄型で大型のセラミック板の製造方法の提供をその目的としている。
そして、本発明による大型セラミック板の製造方法は、
(1)粘土鉱物と、(2)粘土と、(3)ガラス質鉱物と、(4)Caを含有する化合物と、場合により(5)滑石とを少なくとも含んでなる原料調合物を用意する工程と、
前記原料調合物を成形して、成形体を得る工程と、
前記成形体を焼成して、セラミック板を得る工程とを少なくとも含んでなり、
前記(5)滑石の含有量が、原料調合物全量に対して0質量%以上5質量%未満であることを特徴とする。
本発明による大型セラミック板の製造方法によれば、JIS A 5209(2008)に規定される吸水率が1%以下であり、割れや変形が発生しない薄型で大型のセラミック板を得ることができる。
原料調合物の用意
本発明による大型セラミック板の製造方法にあっては、先ず(1)粘土鉱物と、(2)粘土と、(3)ガラス質鉱物と、(4)Caを含有する化合物と、場合により(5)滑石とを少なくとも含んでなる原料調合物を用意する。
原料調合物
本発明による大型セラミック板の製造方法において用いられる原料調合物が含有する各成分について以下に説明する。
(1)粘土鉱物として好適に用いることができる材料は、例えば、陶石、カオリン、セリサイト等セラミックの骨格を形成する物質である。より好ましい材料は陶石である。粘土鉱物の含有量は原料調合物全量に対して20質量%以上60質量%以下であることが好ましい。なお、原料調合物全量とは、焼成体を構成する成分の原料の総量を意味し、湿式成形において添加される水や、界面活性剤または有機高分子などの、乾燥工程や焼成工程において消失する成分は含まれないものとする。
(2)粘土としては、天然粘土または合成粘土を用いることができる。天然粘土の具体例としては、粘土鉱物を主体とする可塑性の強い土壌、例えば本宮粘土、木節粘土、頁岩粘土、村上粘土,蛙目粘土などを挙げることができる。合成粘土としては、各種の鉱物質粉末及び有機結合剤を主成分として人工的に作製されたものを用いることができる。粘土の含有量は原料調合物全量に対して20質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
(3)ガラス質鉱物として好適に用いることができる材料は、例えば、長石および白雲母等である。より好ましい材料は長石である。ガラス質鉱物の含有量は原料調合物全量に対して5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
(4)Caを含有する化合物として好適に用いることができる材料は、例えば、灰長石、石灰石、珪灰石等である。これら化合物を用いることにより、セラミック中にアノーサイトを生成させることができる。これらの中でも、珪灰石をより好ましく用いることができる。針状鉱物である珪灰石を用いることにより、成形後や焼成時の割れや変形(特に、成形体の乾燥割れ、焼成時の変形)を防ぐことが可能となる。Caを含有する化合物の含有量は原料調合物全量に対して3質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
本発明による大型セラミック板の製造方法において用いられる原料調合物は、場合により(5)滑石を含み、その含有量が原料調合物全量に対して0質量%以上5質量%未満であることが好ましい。原料調合物が滑石を含んでいないか或いは微量に含んでいるようにすることにより、滑石由来のMg成分を減らし、珪灰石等のCaに熔融剤の役割を持たせるようにする。これにより、焼成に伴う化学変化の制御が可能となり、吸水性が低く、かつ生産性の高い焼成体を得ることが可能となる。大型セラミック板の原料として必須と考えられていた滑石はMgOを約3割含むため、原料調合物は滑石を含まないことが好ましい。
本発明による大型セラミック板の製造方法において用いられる原料調合物が含有する珪灰石の50%径(粒子径)が20μm以上であることが好ましい。珪灰石の粒子径が20μm以上であることにより、成形方法として押出成形法を用いる場合において、押し出し方向の収縮を緩和する作用が大きくなり、焼成後の焼成体の縦と横の収縮率差を小さくすることができる。その結果、焼成による収縮ひずみを抑え、焼成割れを防ぐことができる。
本発明の好ましい態様によれば、前記珪灰石の50%径が50μm以下であることが好ましい。本発明にあっては、珪灰石を他の原料と共融させるために、粒子径の小さい粒子を適度に含む珪灰石を用いることが好ましい。長繊維の珪灰石は比較的純度が低く、大型セラミック板の表面に外観不良(黒点など)を多く発生させるおそれがある。粒子径が比較的小さい珪灰石を用いることにより、セラミック板の表面に上記外観不良が発生しないようにすることが可能となる。大型セラミック板では表面に欠点が1つでもあればその損失が大きくなってしまうが、本発明によれば、外観損失が無く、商品価値の高い大型セラミックを得ることができる。また、本発明にあっては、粒子径が比較的小さい珪灰石を用いるので、珪灰石の形状を焼成後も維持することを目的として、特別に繊維長の大きな珪灰石を用いることを行なう必要がない。
本発明の好ましい態様によれば、このような粒子径の小さい珪灰石を用いることで、上記組成、とりわけSi、Al、Ca、Mg、K、およびNaの元素を、その酸化物に換算した量含んでなる上記組成となるように原料調合物を配合することと相まって、焼成時に原料の熔化が促進されるにもかかわらず、変形を抑えることが可能となっているものと考えられる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板の製造方法において用いられる原料調合物は(6)骨材をさらに含んでなることが好ましい。アルカリ成分を減らした原料調合物は、元々の原料調合物よりも乾燥性が劣るため、骨材を添加することにより、成形体の乾燥に伴う割れの発生を抑えることが可能となる。
また、骨材の粒径は1.7mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましい。粒径が1.7mm以下の骨材を用いることにより、大型セラミック板の吸水率を低下させることができる。また、骨材の粒径は0.1mm以上であることが好ましい。これにより、湿式成形を行なう場合は、坏土の乾燥時の水抜けがよくなり乾燥時間を短縮することができる。骨材として好適に用いることができる材料は、例えば、シャモット、珪石等が挙げられるが、I類のタイル等の低吸水性セラミックを原料とするセルベンを用いることがより好ましい。また、骨材の含有量は原料調合物全量に対して5質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、前記原料調合物が、前記(1)〜(6)を含んでなり、当該原料調合物全量に対して、前記(1)粘土鉱物を20質量%以上60質量%以下、前記(2)粘土を20質量%以上50質量%以下、前記(3)ガラス質鉱物を5質量%以上20質量%以下、前記(4)珪灰石を3質量%以上20質量%以下、前記(5)滑石を0質量%以上5質量%未満、および前記(6)骨材を5質量%以上30質量%以下含んでなるものであることが好ましい。このようにMgを多く含まないように原料を調合することにより、JIS A 5209(2008)に規定される吸水率が1%以下であり、割れや変形が発生しない大型セラミック板を得ることができる。
原料調合物の成形
本発明による大型セラミック板の製造方法にあっては、次いで原料調合物を成形して、成形体を得る。成形の方法は特に限定されず、湿式成形法および乾式成形法のいずれも用いることが可能である。湿式成形法を用いる場合は、以下の利点を得ることができる点で、好ましい。すなわち、乾式成形法のように大型の金型およびプレス機を必要としないので、様々なサイズに対応でき、平板形状だけでなく、容易に中空体や異形(例えばR曲面)の形状を得ることが可能である。さらには、乾燥前の成形体に、表面に凹凸柄を形成したエンドレスローラーを用いて、多様な凹凸柄を付与することが可能である。つまり、立体的な面状をつけるために乾式プレスのような大掛かりな型替えが必要ない。一方、乾式成形法を用いる場合は、成形後に乾燥工程を必要とせず、すなわち、製造工程の短縮化が図れる点で、好ましい。
湿式成形の方法は特に限定されないが、具体的には、押出成形法、湿式プレス成形法等の方法を好ましく用いることができる。これらの中でも押出成形法をより好ましく用いることができる。これにより、大規模なプレス成形装置を必要とすることなく、利用者のニーズに合わせて多種多様なサイズやデザインを有する大型セラミック板を作製することが可能となる。
押出成形法を利用する場合、上記原料調合物に必要に応じて可塑剤を添加し、水分量を適宜調整した坏土を作製し、これを成形することが好ましい。これにより、可塑性と保形性のバランスを好適に保持することができる。坏土における好ましい水分量は、5質量%以上40質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上25質量%以下である。この坏土を押出成形後に平板状に広げて圧延ローラーによってローラー圧延して、板状の生成形体を得ることができる。なお、本明細書においては、「坏土」が「原料調合物」の意味に含められる場合がある。
成形体の焼成
本発明による大型セラミック板の製造方法にあっては、次いで成形体を焼成する。本発明の好ましい態様によれば、成形体を焼成する最高温度は、1100℃〜1200℃であることが好ましく、1100℃〜1180℃であることがより好ましく、1120℃〜1180℃であることが最も好ましい。この温度範囲で焼成することにより、切れや割れまたは歪みの無い、薄く大型のセラミック板を得ることができる。
成形体の乾燥
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板の製造方法は、成形体の焼成前に、成形体を乾燥(加熱を含む)させることができる。成形体を乾燥させる最高温度は、50℃〜200℃であることが好ましく、80℃〜150℃であることがより好ましい。この温度範囲で乾燥させることにより、乾燥切れや歪みの無いセラミック板を得ることができる。
成形体の仮焼
本発明の好ましい態様によれば、本発明による大型セラミック板の製造方法は、成形体の焼成前に、成形体を仮焼することができる。成形体を仮焼する温度は、600℃以上1140℃以下であることが好ましく、800℃以上1100℃以下であることがより好ましい。この温度範囲で仮焼することにより、切れや割れまたは歪みの無いセラミック板を得ることができる。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜13、比較例1〜4
原料調合物の用意
粘土鉱物としての陶石と、粘土と、ガラス質鉱物としての長石と、骨材と、珪灰石と、場合により滑石とを、表1に記載の含有量で配合し、混合して原料調合物を用意した。ここで、実施例1〜13および比較例1〜3の各原料調合物には滑石を添加せず、比較例4の原料調合物には滑石を5質量%添加した。その後、各原料調合物に水を添加し、水分量が10質量%以上25質量%以下に調整された可塑性の坏土を得た。なお、表1において、原料調合物の合計値(100質量%)と、原料調合物を構成する各成分の含有量の合算値が一致しない例が存在するが、これは各成分の含有量の値の小数点下1桁を四捨五入して整数となるように調整したことに基づく。
骨材の粒子径および珪灰石の粒子径の測定は以下のように行った。
骨材の粒子径測定
JIS Z 8801-1(2006)「試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい」で規定された平織りの金網ふるい(目開き250μm、1.0mm、1.7mm、枠の径200mm、深さ45mm)を用いて、JIS Z 8815(1994)「ふるい分け試験方法通則」に記載された「乾式ふるい分け」の内の「手動ふるい分け」に準じて求めた。
珪灰石の粒子径測定
レーザー解析粒度分布計「MICROTRAC」158139−SVR(LEEDS&NORTHRUP COMPANY社製)を用い、レーザー回折法により粒子径を測定した。具体的な方法の手順は以下に示すとおりである。
(i)メタリン酸ナトリウム1wt%水溶液100mlに1gの試料を入れ、超音波洗浄機にて撹拌しながら5分間掛けて液中に分散させる。
(ii)250mlのメタリン酸ナトリウム1w%水溶液を測定器に入れ撹拌する。
(iii)上記(i)の懸濁液をスポイトで滴下して、測定に適した濃度に調整し、測定を行う。
(iv)測定は30秒スキャンを2回行い、粒子径はその平均値で算出する。
原料調合物の成形
(実施例1〜4、比較例1)
得られた坏土を、押出成形機(特開2010−234802号公報に記載の押出成形機)を用いて円筒状に成形し、それを押出し方向に沿って切開し、ローラーで圧延して、幅(押出し方向)100mm、長さ200mm、厚さ4mmの試験体を作製した。また、これら試験体とは別に、実施例1〜4、比較例1の坏土を押出成形機(特開2010−234802号公報に記載の押出成形機)を用いて円筒状に成形し、それを押出し方向に沿って切開し、ローラーで圧延して、幅700mm、長さ(押出し方向)1050mm、厚さ4mmの生地平板を作製した。
作製した各試験体を用い、これらを後述する条件で乾燥、焼成して、後述する評価1の各種評価(割れの発生、収縮率の測定、焼成体の吸水率の測定、組成分析、およびアノーサイトの同定)を行った。また、作製した各生地平板を用い、これらを後述する条件で乾燥、焼成して、後述する評価2の評価(割れの発生と変形の有無の観察)を行なった。
(実施例5〜13、比較例2〜4)
得られた坏土を、押出成形機(特開2010−234802号公報に記載の押出成形機)を用いて円筒状に成形し、それを押出し方向に沿って切開し、ローラーで圧延して、幅700mm、長さ(押出し方向)1050mm、厚さ4mmの生地平板を作製した。
作製した生地平板それぞれから、短辺が押出し方向と平行になるように、幅(押出し方向)100mm、長さ200mm、厚さ4mmの切片を切り出した。得られた各切片を試験体として用い、これらを後述する条件で乾燥、焼成して、後述する評価1の各種評価を行った。また、切片を切り出さなかった実施例5〜13、比較例2〜4の各生地平板を用い、これらを後述する条件で乾燥、焼成して、後述する評価2の評価を行なった。
試験体の乾燥・焼成
試験体の乾燥
(実施例1〜13、比較例1〜4)
作製した各試験体を150℃で30分、加熱乾燥させて乾燥体を得た。
乾燥体の焼成
(実施例1〜4、比較例1)
作製した各乾燥体を、ローラーハースキルンを使用して、常温から10分で最高温度1140℃まで昇温し、最高温度を10分保持した後、10分で冷却し出炉して、焼成体を得た。
(実施例5〜13、比較例2〜4)
作製した各乾燥体を、ローラーハースキルンを使用して、常温から20分で最高温度1140℃まで昇温し、最高温度を7分保持した後、13分で冷却し出炉して、焼成体を得た。
生地平板の乾燥・焼成
生地平板の乾燥
(実施例1〜13、比較例1〜4)
作製した各生地平板を150℃で30分、加熱乾燥させて乾燥体を得た。
乾燥体の焼成
(実施例1〜13、比較例1〜4)
作製した各乾燥体を、ローラーハースキルンを使用して、常温から20分で最高温度1140℃まで昇温し、最高温度を7分保持した後、13分で冷却し出炉して、焼成体を得た。
評価1
割れの発生
各実施例および比較例について、表1に記載の数の乾燥体および焼成体を被検試料として用意し、これら各々について割れの発生の有無を目視で確認した。結果は、表1に示されるとおりであった。
収縮率の測定
定規を用いて、焼成体の短辺および長辺の長さ(mm)を測定した。得られた測定値と、試験体の短辺(100mm)および長辺(200mm)とを対比し、短辺および長辺それぞれの収縮率(A、B;(%))を算出した。結果は表1に示されるとおりであった。なお、表1には、短辺の収縮率(A)と長辺の収縮率(B)の差分(絶対値)も示した。
吸水率の測定
作製した各焼成体から、幅(押出し方向)100mm、長さ100mm、厚さ4mmの切片を切り出し、試料とした。各試料について、JIS A 1509-3(2008)に規定される真空法による吸水率の測定方法に準拠して、吸水率を測定した。
組成分析
以下の手順で試料を作製し、蛍光X線分析装置 Supermini200(株式会社リガク)を用いて、以下の測定条件および濃度の求め方に従い、検出される全元素の酸化物換算濃度を定量した。結果は表1に示されるとおりであった。
試料の作製
(a)各焼成体をプラスチックハンマーで破砕し、約50mm平方の破片を取り出す。
(b)得られた破片を乳鉢で粉砕し、100mesh以下のパウダーを作製する。
(c)プレス機金型に薬包紙を敷き、その上に外径38mm、内径31mm、厚み5mmの塩ビ製リングを置く。
(d)上記(b)で作製したパウダーをリング内に山型になるように充填し、その上に薬包紙を置く。
(e)5MPaの圧力になるまでプレスする(約5秒)。
(f)試料(ディスク状)周囲の粉体をハンドポンプで取り除き、測定試料を作製する。
測定条件
・X線管電流:4.00mA
・X線管電圧:50kV
・恒温化温度:36.5℃
・PRガス量:7.0ml/min
・真空度 :10Pa以下
・試料形態 :粉末測定(ポリプロピレンフィルム被覆)
・分析方法 :EZスキャン
・測定径 :30mm
・測定時間 :「長い」を選択
濃度の求め方
検出される全元素の酸化物換算濃度を表示させた。
アノーサイトの同定
上記評価(組成分析)において用いた試料を用いて、X線回折(XRD)により焼成体におけるアノーサイトの存在を確認した。測定条件およびアノーサイトの同定方法は以下のとおりとした。結果は、表1に示されるとおりであった。
・測定条件:粉末法、回折角2θ=2〜70°
・アノーサイトの同定:機器ライブラリより3強線を比較して行った。
評価2
割れの発生と変形の有無
実施例1〜13の生地平板を乾燥、焼成させた焼成体について、割れの発生の有無および変形の有無を目視で確認した。結果は、いずれの焼成体も、割れ、反り、およびひずみのない、大型セラミック板として得ることができた。
比較例5〜7
市販の大型タイル(大型タイル1〜3)を用意し、各大型タイルについて、吸水率の測定、組成分析、およびアノーサイトの同定を上記と同様の方法で評価した。結果は表1に示されるとおりであった。
参考例1
原料調合物の用意
粘土鉱物としての陶石と、粘土と、ガラス質鉱物としての長石と、珪灰石とを、実施例4の原料調合物と同量で配合し、混合して粉状の原料調合物を用意した。
原料調合物の成形
得られた原料調合物を、100t油圧プレス成形機((有)後藤鉄工所)を用いて、面圧84MPaにてプレスして、幅100mm、長さ100mm、厚さ4mmの成形体を作製し、試験体とした。
成形体の焼成
作製した試験体を、ローラーハースキルンを使用して、常温から10分で最高温度1140℃まで昇温し、最高温度を10分保持した後、10分で冷却し出炉して、焼成体を得た。
作製した試験体または焼成体について、上記の評価1と同様の各種評価(割れの発生、収縮率の測定、焼成体の吸水率測定、組成分析、アノーサイトの同定)を行った。結果は表1に示されるとおりであった。
Figure 0006287710

Claims (6)

  1. MgO換算で0.5質量%以上2質量%以下のMg元素と、CaO換算で2質量%以上15質量%以下のCa元素とを含んでなり、JIS A 5209(2008)に規定される吸水率が1%以下である、大型セラミック板の製造方法であって、
    (1)粘土鉱物と、(2)粘土と、(3)ガラス質鉱物と、(4)珪灰石と、場合により(5)滑石とを含んでなる原料調合物を用意する工程と、
    前記原料調合物を押出成形して、成形体を得る工程と、
    前記成形体を焼成して、セラミック板を得る工程と、を少なくとも含んでなり、
    前記(5)滑石の含有量が、原料調合物全量に対して0質量%以上5質量%未満であり、
    前記(4)珪灰石の50%径が20μm以上50μm以下である、製造方法。
  2. 前記(4)珪灰石の含有量が、原料調合物全量に対して3質量%以上20質量%以下である、請求項に記載の製造方法。
  3. 前記原料調合物が(6)骨材をさらに含んでなり、当該骨材の粒子径が1.7mm以下である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記原料調合物が、前記(1)〜(6)を含んでなり、当該原料調合物全量に対して、前記(1)粘土鉱物を20質量%以上60質量%以下、前記(2)粘土を20質量%以上50質量%以下、前記(3)ガラス質鉱物を5質量%以上20質量%以下、前記(4)珪灰石を3質量%以上20質量%以下、前記(5)滑石を0質量%以上5質量%未満、および前記(6)骨材を5質量%以上30質量%以下含んでなるものである、請求項に記載の製造方法。
  5. 前記(1)粘土鉱物が陶石であり、前記(3)ガラス質鉱物が長石である、請求項のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記成形体を焼成する最高温度が、1100℃〜1200℃である、請求項のいずれか一項に記載の製造方法。
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