JP2635735B2 - メノウ調樹脂物品の製法 - Google Patents

メノウ調樹脂物品の製法

Info

Publication number
JP2635735B2
JP2635735B2 JP31017188A JP31017188A JP2635735B2 JP 2635735 B2 JP2635735 B2 JP 2635735B2 JP 31017188 A JP31017188 A JP 31017188A JP 31017188 A JP31017188 A JP 31017188A JP 2635735 B2 JP2635735 B2 JP 2635735B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
curable composition
agate
curing
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP31017188A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02157147A (ja
Inventor
輝国 橋本
伸彦 湯川
幸三 野木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP31017188A priority Critical patent/JP2635735B2/ja
Publication of JPH02157147A publication Critical patent/JPH02157147A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2635735B2 publication Critical patent/JP2635735B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は耐熱性や難燃性、特に耐熱水性に優れた住設
機器や建材として使用し得る意匠性の優れたメノウ調樹
脂物品の製法に関するものである。
(従来の技術) 従来より、メノウ調人造石を得る方法として、透明な
いし半透明の硬化性樹脂組成物からなる生地用材料中
に、色調ないしは透明度の異なった柄出し用樹脂材料を
予備混合又は型内への注入直前に混合して、これを型内
に注入又は載置して成形硬化せしめる方法や、型内に上
記二つの材料を任意の模様パターンに配置した後成形硬
化せしめる方法があった。
しかし、これらの方法で用いられる柄出し用樹脂材料
は、生地用樹脂組成物に充填剤や着色剤を添加して単に
色調や透明度を変えただけのものであって、生地用樹脂
組成物との相溶・拡散性が良すぎてメノウ調の筋状また
は雲状の柄がぼけて大理石調になったりした。また、両
者の比重の違いで柄だけが沈降してしまって、模様が片
寄って不均一になったりする欠点があり、このような従
来の方法では、安定したメノウ調樹脂製品が得られなか
った。
これらを改善する方法として、柄出し用樹脂材料中に
繊維状物を添加するなど種々の方法で増粘せしめて、生
地用樹脂組成物との相溶・拡散性を改善する方法が提案
されている。
これらの方法によると、明確なメノウ調模様を出しや
すくはなるが、生地自体に少量の柄出し用樹脂が溶解し
て、製品全体が不鮮明になったり、逆に柄出し用のブロ
ックが不自然に点在したりして、また意匠的に十分なも
のを安定して得ることはできなかった。しかも、型面と
柄出し用樹脂が直接接触して流動するため、型面に柄出
し用樹脂が付着して表面を覆ってしまい、立体感や深み
に乏しい平板的な意匠になってしまうという大きな欠点
も残っていた。
また、理想的に成形されたとしても、得られる模様は
単に生地とは異色で透明感の異なっただけのものであ
り、真に複雑微妙な天然石の味わいに欠けるものであっ
た。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記事情に鑑みて、真に立体的で微妙なメ
ノウ調柄模様を有し且つ耐熱・耐熱水・難燃性等の実用
物性にも優れた樹脂物品を生産安定性の改善された方法
で得ることを目的としてなされたものである。
(課題を解決するための手段および作用) 本発明者らは、特定の透明と特定の粒子径を有する樹
脂粒子を内部に保有する半硬化樹脂組成物を特定の充填
材含有硬化性組成物中に混合・分散せしめた後、型内に
注入又は載置して成形硬化せしめることにより、前記目
的が達成できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、生地用硬化性組成物中に柄出し
用材料を混合し型内に注入または載置して成形硬化を行
って筋状または雲状の柄を有するメノウ調樹脂物品を製
造するに際し、生地用硬化性組成物として、その硬化物
の0.3mm厚さのシートの全光線透過率が70%以上である
無機質充填材含有硬化性組成物(I)を用い、柄出し用
材料として、その硬化物の0.3mm厚さのシートの全光線
透過率が10〜60%の範囲である無機質充填剤含有硬化性
組成物(A)中に0.3mm厚さのシートとした時の全光線
透過率が70%以上で且つ粒子径が100〜800ミクロンの範
囲にある樹脂粒子(B)を混合分散せしめた後に硬化性
組成物(A)を硬化して得た30℃におけ粘度が20,000〜
80,000ポイズの範囲にある半硬化樹脂組成物(II)を用
いることを特徴とするメノウ調樹脂物品の製法に関する
ものである。
以下この発明を詳細に説明する。
本発明のメノウ調樹脂物品の製法は、 その硬化物の0.3mm厚さのシート状物の全光線透過
率が70%以上になるように硬化性化合物と無機質充填材
とを選択し、それらに必要により着色剤・界面活性剤・
紫外線吸収剤等の各種添加剤を添加したものに硬化剤と
必要により促進剤を添加混合して、生地用の硬化性組成
物(I)を得る工程と、 その硬化物の0.3mm厚さのシート状物の全光線透過
率が10〜60%になるように硬化性化合物と無機質充填材
とを選択し、それらに必要により着色剤・界面活性剤・
紫外線吸収剤等の各種添加剤を添加混合したものに、硬
化剤と必要により促進剤とを添加混合して、柄出し用の
硬化性組成物(A)を得る工程と、 0.3mm厚さのシート状物とした時の全光線透過率が7
0%以上で且つ粒子径が100〜800ミクロンの範囲にある
樹脂粒子(B)を工程で得られた柄出し用の硬化性組
成物(A)中に混合分散したのち、一定の温度に加熱す
ることにより硬化性組成物(A)の硬化を行い、30℃に
おける粘度が20,000〜80,000ポイズの範囲にある柄出し
用の半硬化樹脂組成物(II)を得る工程と、 で得られた生地用の硬化性組成物(I)中にで
得られた柄出し用の半硬化樹脂組成物(II)を適当な割
合で混合し、生地用硬化性組成物(I)中に柄出し用半
硬化樹脂組成物が適当な密度で適当な大きさに筋状もし
くは雲状に分散分布するよう攪拌機等で分散せしめる工
程と、 で得られたメノウ調模様の混合物を型内へ注入す
るか載置して、加熱もしくは加熱加圧成形硬化して、メ
ノウ調樹脂物品を得る工程 とよりなる。
成形硬化物は、脱型後そのまま製品となるか、表面を
サンディングされてメノウ調樹脂物品となる。
生地用の硬化性組成物(I)と柄出し用の硬化性組成
物(A)は、無機質充填材を混合分散せしめる方法によ
っては、高充填材含量でかつ低粘度の注型用混合物にも
なり、また、加圧時の流動性の優れた生パン状の混合物
にもなり得るものである。
本発明における硬化性組成物(I)や硬化性組成物
(A)に使用される硬化性化合物は、ラジカル重合開始
剤等の硬化剤によって加熱硬化しうるものであれば良い
が、硬化性、高充填−低粘度性、耐熱・耐候変色性、耐
熱水性、難燃性や硬化物の透明性を総合して考えると、
脂肪族多官能(メタ)アクリレートと芳香族ビニル化合
物とを必須成分とするラジカル重合性単量体が望まし
い。
本発明で好適に使用される脂肪族多官能(メタ)アク
リレートとは、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレートなどを含むものである。
芳香族ビニル化合物には例えばスチレン、α−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなど
がある。
脂肪族多官能(メタ)アクリレートと芳香族ビニル化
合物との割合は、芳香族ビニル化合物の量が多くなるほ
ど硬化物の透明度は増すが、前者が20〜80重量%後者が
80〜20重量%の範囲で調節するのが好ましい。
なお、本発明におけるラジカル重合性単量体は前記二
種の他に、脂肪族多官能(メタ)アクリレート以外の
(メタ)アクリレートとしてメチル(メタ)アクリレー
トやイソブチル(メタ)アクリレートなどの各種(メ
タ)アクリレートモノマーが使用でき、各種マクロモノ
マーや不飽和ポリエステルオリゴマー、フマル酸エステ
ル類、マレイミド類などの他の単量体やオリゴマーを使
用することもできる。
さらに成形硬化時の収縮を小さくし、製品のクラック
防止や表面平滑性を良くするために、熱可塑性ポリマー
を該単量体に配合してもよい。熱可塑性ポリマーとして
は、例えばポリメチルメタクリレート等の(メタ)アク
リル系ポリマー、(メタ)アクリル−スチレン共重合
体、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、スチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリ
エチレン、ポリカプロラクタム、飽和ポリエステル等の
従来公知の低収縮化用ポリマーを単独もしくは複数併用
して用いられる。低収縮化用の熱可塑性ポリマーは、多
量に配合すると、硬化性化合物の粘度上昇をまねいて高
充填材含量の注型用に好適な組成物が得難くなったり、
製品の透明性や耐熱性の点で劣ったものしか得られなく
なることがある。したがって、低収縮化用の熱可塑性ポ
リマーは、できるだけ少量用いるのが良く、単量体100
重量部に対して40重量部以下、より好ましくは5〜30重
量部の範囲で使用するのが望ましい。
上記硬化性化合物に混合して用いられる無機質充填剤
は粒子径が80ミクロン以下の肉眼で識別できない大きさ
のものであり、透明度や白色度が高くかつ難燃性のある
ものが望ましく、一般には金属酸化物の水和物が用いら
れる。金属酸化物の水和物には、例えば水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどがあ
る。中でも、平均粒子径が5ミクロン以下の金属酸化物
の水和物を用いると、特に表面状態の良い美麗な製品が
得られ、耐熱水性にも特に優れたものとなるため好まし
い。さらに、白度も90%以上のものは特に好ましい。
尚、この場合もシリカ、アルミナ、石英、ケイ酸カルシ
ウム、炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの無機質充
填材を得られる製品の難燃性などに悪影響が生じない範
囲で、該金属酸化物の水和物の一部に置き換えて使用す
ることができる。
柄出し用半硬化樹脂組成物(II)中に使用する樹脂粒
子(B)は、天然、合成のいずれでも良いが、得られる
物品の意匠外観上から樹脂粒子(B)周辺に位置する硬
化性組成物(A)の硬化物より透明感のあるものが良
く、また沈降を防止して模様を均一にするために、硬化
性組成物(I)や硬化性組成物(A)と同系統の硬化性
組成物を非着色又はうすく着色して硬化せしめたものを
破砕して得られる樹脂の破砕粒子が望ましい。樹脂粒子
(B)の粒子径は100〜800ミクロンの範囲で分布してい
るのが、外観上適度の透明感と表面反射があって望まし
い。100ミクロン未満の粒子が多いと、柄部が平板な変
化に乏しい意匠的に劣ったものになり、逆に800ミクロ
ンを越すとメノウ調という感じからはずれ、不自然な模
様になってやはり意匠的に劣ったものになる。
生地用の硬化性組成物(I)を硬化する際に使用され
る硬化剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、
シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトン
パーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシ
ル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート、t−ブチルパーオキシオクトエート等が
用いられる。また、硬化剤は単独かもしくは促進剤とし
て有機アミンや多価金属の塩類と共に用いることができ
る。
柄出し用の硬化性組成物(A)を半硬化させ、最終的
には生地用の硬化性組成物(I)と混合後完全硬化させ
るには、一種類の硬化剤でも出来ないことはないが、半
硬化状態で反応を休止させる条件が狭く困難である。し
たがって、安定的に半硬化状態を得るには、中・低温分
解硬化剤と高温分解硬化剤とを併用し、半硬化樹脂組成
物(II)を得る際の硬化反応を70℃以下の中・低温で行
い且つ硬化性組成物(I)に混合した後成形硬化する際
の硬化反応を70℃を越える高温で行うことが望ましい。
第一段の半硬化させる為に用いられる半硬化用硬化剤
としては、たとえばt−ブチルパーオキシピバレート、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等の50〜60℃
程度の中・低温で徐々に分解するものがよい。特に、硬
化性組成物(A)中の硬化性化合物に対して0.1〜0.2重
量%の使用量で所定の粘度範囲となるよう安定して該組
成物(A)を半硬化させることができる。
一方、硬化性組成物(I)と混合した後成形硬化する
ための完全硬化用硬化剤としては、たとえばベンゾイル
パーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート等の70℃以上の高温で分解する高温分解
硬化剤を用いるとよい。
柄出し用の半硬化樹脂組成物(II)は、ブルックフィ
ールド型回転粘度計で測定して、30℃における粘度が2
0,000〜80,00ポイズの範囲にあるものが用いられる。2
0,000ポイズ未満では、柄出し用組成物が生地用組成物
に溶解・分解しやすくなり、良好な筋状ないし雲状の模
様が出来ない。また、80,000ポイズを越えると、生地用
の硬化性組成物(I)中に容易に分散し難くなり、分散
した後も形状や周辺部の自然にぼやける微妙な変化がな
くなり、目的とするメノウ調樹脂物品は得られない。
本発明を具体的に実施するためには、生地用の硬化性
組成物(I)や樹脂粒子(B)製造用の硬化性組成物及
び柄出し用の硬化性組成物(A)として、共通に、例え
ば脂肪族多官能(メタ)アクリレート単独もしくは他の
(メタ)アクリレートとの混合液80〜20重量%、好まし
くは70〜30重量%、芳香族ビニル化合物20〜80重量%、
好ましくは30〜70重量%の単量体混液を調製し、この混
液100重量部に対し100〜800重量部の金属酸化物の水和
物を分散させたものが好適に用いられる。
この際、金属酸化物の水和物は予めシランカップリン
グ剤で処理されたものを用いたり、又は使用する金属酸
化物の水和物の重量を基準として0.1〜2.0%に相当する
シランカップリング剤を前記単量体混液に溶解ないし分
散させておいてから金属酸化物の水和物を用いることに
より、得られる製品の耐水性を向上させることができ
る。さらに必要に応じて各種の着色剤を添加して、色調
を変化せしめることができる。
なお、単量体混液中に加える金属酸化物の水和物以外
に、生地用の硬化性組成物(I)と樹脂粒子(B)製造
用の硬化組成物には、必要に応じてそれらの硬化物の透
明性を大きく阻害しない程度の少量の着色剤を添加し、
柄出し用の硬化性組成物(A)には、着色目的以外に透
明度を落すために着色剤を必要量添加するのが好まし
い。
生地用の硬化性組成物(I)中に柄出し用の半硬化樹
脂組成物(II)を分散する分散方法としては、注型用の
低粘度混合物を調製するには、プロペラ式の低速攪拌機
やいかり型の低速攪拌機などを用いれば良く、プレス成
形用の生パン状混合物を得るためには、ニーダー等の低
速の強力な混練機が適している。
このようにして得られた混合物は、型に注入、圧入又
は載置され、注型またはプレス成形されて製品となる。
製品が、より立体的に深みのあるメノウ調樹脂物品と
なるためには、樹脂粒子(BB)は、厚さ0.3mmのシート
とした時の全光線透過率が70%以上のものが望ましい。
また、生地用の硬化性組成物(I)は、その硬化物の
透明度が樹脂粒子(B)の透明度と同等程度の高いもの
が良く、0.3mm厚さのシートの全光線透過率が70%以上
あることが必要である。70%未満の半透明では、得られ
た製品は立体的深みに欠け、内部深部の柄が立体的に見
えず意匠的価値が低くなる。
一方、柄出し用の硬化性組成物(A)は、内部の樹脂
粒子(B)や周辺の生地用組成物(I)より不透明であ
ることが必要で、その硬化物の0.3mm厚さのシートの全
光線透過率が10〜60%、好ましくは30〜50%の範囲とな
るものが使用できる。
柄出し用の硬化性組成物(A)に樹脂粒子(B)を混
合分散させる際の両者の混合割合は、該組成物(A)10
0重量部に対し樹脂粒子(B)10〜100重量部の範囲が好
ましく、特にメノウ石に近い外観を得るには20〜50重量
部が最も適当である。
また、上記硬化性組成物(A)および樹脂粒子(B)
の混合物を半硬化させた半硬化樹脂組成物(II)と生地
用組成物(I)との混合割合は、該組成物(I)100重
量部に対し半硬化樹脂組成物(II)5〜50重量部の範囲
が好ましく、特にメノウに近い外観を得るには、10〜30
重量部が最も適当である。
(発明の効果) 本発明の方法で得られる樹脂成形品は難燃性であり、
沸騰水中に長時間浸漬しても白化や黄変などの外観変化
が無く、高い熱変形温度を有し、耐タバコテストやその
他の汚染テストにおいても優れた結果を与える意匠性に
優れたメノウ長樹脂物品であり、浴槽、キッチンカウン
ターなど従来耐熱・耐熱水性の不足のために使用され難
かった分野においても安心して使用することができるも
のである。
また、本発明の方法によれば、立体的で深みのあるメ
ノウ調柄模様を樹脂成形品に容易にしかも生産安定性よ
く現出させることができる。
(実 施 例) 以下、実施例について更に詳細に説明するが、これら
が本発明の全てを代表するものではない。
〔樹脂粒子(B)の製造〕
製造例 1 トリメチロールプロパントリメタクリレート25重量
部、スチレン75重量部およびシランカップリング剤〔KB
M−503、信越化学(株)製〕0.5重量部を混合し、単量
体混液とした。次に、この混液中に水酸化アルミニウム
〔ハイジライトH−320、平均粒径3.5ミクロン、昭和軽
金属(株)製〕200重量部を高速攪拌機を用いて混練
し、ついで、硬化剤のパーカドックスPX−16〔ビス(4
−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネー
ト、日本化薬(株)製、10時間半減期温度44℃〕0.8重
量部を加え、混合後減圧脱泡して樹脂粒子製造用混合物
を得た。
次に、この混合物を200×200×50mmの注型用型に注入
し、70℃にて硬化せしめたところ30分で硬化し、さらに
120℃にて2時間、後硬化せしめた。硬化物は、乳白色
の美麗に光を散乱する透明度の高いものであり、その厚
さ0.3mm板での全光線透過率は86%であった。
この樹脂をハンマーミルで粉砕し、26メッシュ標準篩
で粗粒を除去した後80メッシュ標準篩で微粒を除去し
て、180〜600ミクロンの粒子を採取し、樹脂粒子(1)
を得た。
製造例 2 硬化剤の添加前にアクリル樹脂用緑トーナー(AT−85
7、大日精化工業(株)製)0.1重量部を加える以外は製
造例1と同様にして、硬化物を得た。この硬化物は、う
す緑色に着色した透明度のある美麗なものであり、厚さ
0.3mmの全光線透過率は84%であった。
この硬化物を製造例1と同様にして粉砕分級して、18
0〜600ミクロンの樹脂粒子(2)を得た。
〔柄出し用の半硬化樹脂組成物(II)の製造〕
製造例 3 トリメチロールプロパントリメタクリレート30重量
部、スチレン70重量部およびシランカップリング剤〔KB
M−503、信越化学(株)製〕0.5重量部を混合し、単量
体混液とした。次に、この混液中に水酸化アルミニウム
〔ハイジライトH−320、平均粒径3.5ミクロン、昭和軽
金属(株)製〕300重量部および着色剤のアクリル樹脂
用白トーナー(AT−3、大日精化工業(株)製)2.0重
量部を高速攪拌機を用いて混練した。
ついで、硬化剤のt−ブチルパーオキシピバレート
(P−70、化薬ヌーリー(株)製、10時間半減期温度56
℃〕0.15重量部を加えた後、製造例1で得た樹脂粒子
(1)を120重量部加えて低速攪拌しながら、60℃に加
温し、約1時間保持した後冷却した。
得られた粘稠液は、30℃における粘度が15,00ポイズ
であり、内部に樹脂粒子(1)を担持した安定な半硬化
物であった。この半硬化物にさらに硬化剤のt−ブチル
パーオキシオクトエート〔パーブチルO、日本油脂
(株)製〕0.8重量部を添加混合し、60℃で20分間混練
を続け、30℃での粘度が32,000ポイズの柄出し用の半硬
化樹脂組成物(1)を得た。
なお、樹脂粒子(1)を添加せずに充分に硬化せしめ
た硬化物は、白色半透明で、厚さ0.3mm板の全光線透過
率は38%であった。
製造例 4 製造例3において、トリメチロールプロパントリメタ
クリレート25重量部、メチルメタクリレート30重量部お
びスチレン45重量部からなる単量体混液を用い、着色剤
に緑トーナー(AT−857、大日精化工業(株)製)0.3重
量部を白トーナーと併用したものを用い、樹脂粒子
(1)の代わりに製造例2で得た樹脂粒子(2)を用
い、t−ブチルパーオキシオクトエート添加後の混練時
間を40分間とする他は製造例3と同様にして、30℃にお
ける粘度が71,000ポイズの緑色系半硬化樹脂組成物
(2)を得た。
なお、樹脂粒子(2)を添加せずに充分に硬化せしめ
た硬化物は、緑色半透明で、厚さ0.3mm板の全光線透過
率は33%であった。
実施例 1 トリメチロールプロパントリメタクリレート30重量
部、スチレン70重量部およびシランカップリング剤〔KB
M−503、信越化学(株)製〕0.5重量部を混合し、単量
体混液とした。次に、この混液中に水酸化アルミニウム
〔ハイジライトH−320、平均粒径3.5ミクロン、昭和軽
金属(株)製〕300重量部を高速攪拌機を用いて混練
し、ついで、硬化剤のt−ブチルパーオキシオクトエー
ト〔パーブチルO、日本油脂(株)製〕0.8重量部を加
え、混合後減圧脱泡して生地用硬化性組成物(1)を得
た。この生地用硬化性組成物(1)の粘度は液温30℃で
10ポイズであった。
なお、この生地用硬化性組成物(1)を硬化して厚さ
0.3mmの板にしたところ、板の全光線透過率は82%であ
った。
次に、この生地用硬化性組成物(1)100重量部に製
造例3で得た柄出し用の半硬化樹脂組成物(1)20重量
部を添加してプロペラ式低速攪拌機で混合し、半硬化樹
脂組成物(1)を小さな雲状に生地用硬化性組成物
(1)中に分散したのを確認してから攪拌を停止し、注
型用混合物を得た。
この混合物を1000×2000×13mmの注型用型に注入し、
80℃にて硬化せしめたところ20分で硬化し、さらに120
℃にて2時間後硬化した。
得られた成形品は、乳白色の透明度の比較的高い生地
の中にや不透明な白色の不定形の雲状物が点在し、二重
三重に層を成して見え、かつ雲状物の中には透明度の高
い粒子が微妙に光を透過散乱させている意匠性に優れた
メノウ調樹脂物品であった。また、この成形品を厚さ6m
mとなるように切断したものにおいても、厚さ13mmのも
のと同様の優れたメノウ調柄模様が認められた。
実施例 2 トリメチロールプロパントリメタクリレート30重量
部、スチレン50重量部、ポリスチレン20重量部およびシ
ランカップリング剤〔KBM−503、信越化学(株)製〕0.
5重量部を混合溶解し、単量体混液とした。次に、この
混液中に水酸化アルミニウム〔ハイジライトH−320、
平均粒径3.5ミクロン、昭和軽金属(株)製〕250重量部
を高速攪拌機を用いて混練し、ついで、着色剤のアクリ
ル樹脂用黄色トーナー(AT−509、大日精化工業(株)
製)0.2重量部および硬化剤のt−ブチルパーオキシベ
ンゾエート〔パーブチルZ、日本油脂(株)製〕0.8重
量部を加え、ニーダーにて混練して、生パン状の生地用
硬化性組成物(2)を得た。
なお、この生地用硬化性組成物(2)を厚さ0.3mmの
板にプレス成形したところ、板の全光線透過率は75%で
あった。
次に、この生地用硬化性組成物(2)100重量部に製
造例4で得た柄出し用の半硬化樹脂組成物(2)25重量
部を添加してニーダーにて混練し、緑色の筋状物や雲状
物が分散したのを確認してから混合を停止し、プレス成
形用成形材料を得た。
この成形材料を120℃に加熱した平板成形用金型(キ
ャビィティ寸法:300×300×6mm)の中へ投入し、5分間
加圧加熱した後とり出した。
得られた成形品は、うす黄色の半透明の生地の中にや
や透明な緑色の筋状物や雲状物が分布し、かつ緑色柄状
物の中には微妙に光を透過散乱する透明度の高い粒子が
含まれている意匠性に優れたメノウ調樹脂物品であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/22 KFV C08K 3/22 KFV C08L 25/14 LEJ C08L 25/14 LEJ 101/00 LSY 101/00 LSY E04F 13/18 8913−2E E04F 13/18 C

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生地用硬化性組成物中に柄出し用材料を混
    合し型内に注入または載置して成形硬化を行って筋状ま
    たは雲状の柄を有するメノウ調樹脂物品を製造するに際
    し、生地用硬化性組成物として、その硬化物の0.3mm厚
    さのシートの全光線透過率が70%以上である無機質充填
    材含有硬化性組成物(I)を用い、柄出し用材料とし
    て、その硬化物の0.3mm厚さのシートの全光線透過率が1
    0〜60%の範囲である無機質充填剤含有硬化性組成物
    (A)中に0.3mm厚さのシートとした時の全光線透過率
    が70%以上で且つ粒子径が100〜800ミクロンの範囲にあ
    る樹脂粒子(B)を混合分散せしめた後の硬化性組成物
    (A)を硬化して得た30℃における粘度が20,000〜80,0
    00ポイズの範囲にある半硬化樹脂組成物(II)を用いる
    ことを特徴とするメノウ調樹脂物品の製法。
  2. 【請求項2】硬化性組成物(I)が、多官能(メタ)ア
    クリレートと芳香族ビニル化合物とを必須成分としてな
    るラジカル重合性単量体に平均粒子径5ミクロン以下の
    金属酸化物の水和物を混合分散したものである請求項1
    記載のメノウ調樹脂物品の製法。
  3. 【請求項3】半硬化樹脂組成物(II)中の樹脂が、多官
    能(メタ)アクリレートと芳香族ビニルモノマーとを必
    須成分としてなる単量体混液の架橋重合体である請求項
    1記載のメノウ調樹脂物品の製法。
  4. 【請求項4】硬化性組成物(A)を硬化させるための硬
    化剤として、中・低温分解硬化剤と高温分解硬化剤とを
    用い、半硬化樹脂組成物(II)を得る際の硬化反応を70
    ℃以上の中・低温で行い且つ半硬化樹脂組成物(II)を
    樹脂組成物(I)に混合した後成形硬化する際の硬化反
    応を70℃を越える高温で行う請求項1記載のメノウ調樹
    脂物品の製法。
  5. 【請求項5】硬化性組成物(I)および硬化性組成物
    (A)中に含有される無機質充填剤の粒子径が80ミクロ
    ン以下である請求項1記載のメノウ調樹脂物品の製法。
JP31017188A 1988-12-09 1988-12-09 メノウ調樹脂物品の製法 Expired - Lifetime JP2635735B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31017188A JP2635735B2 (ja) 1988-12-09 1988-12-09 メノウ調樹脂物品の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31017188A JP2635735B2 (ja) 1988-12-09 1988-12-09 メノウ調樹脂物品の製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02157147A JPH02157147A (ja) 1990-06-15
JP2635735B2 true JP2635735B2 (ja) 1997-07-30

Family

ID=18002026

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31017188A Expired - Lifetime JP2635735B2 (ja) 1988-12-09 1988-12-09 メノウ調樹脂物品の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2635735B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02157147A (ja) 1990-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR940001651B1 (ko) 화강암 조제 인공석
JP2550164B2 (ja) 御影石調人造石の製法
JP2635735B2 (ja) メノウ調樹脂物品の製法
JP2635734B2 (ja) 模様付き人工石の製法
JPH0741345A (ja) 強度の向上した天然石状物品及びその製法
CA1336109C (en) Polishable, flame retarded, synthetic mineral product and method
JP2813527B2 (ja) 強度の向上した大理石状物品及びその製法
JPH0717424B2 (ja) 人造石及びその製法
JP2572434B2 (ja) 御影石調人工石およびその製造方法
JP2675360B2 (ja) 切削加工性に優れた石目調物品の製法
JPH04280848A (ja) 人造石
JPS6227101B2 (ja)
KR910008607B1 (ko) 경화성 조성물
JPH01257153A (ja) 模造花こう岩およびその製造法
JPS6227363A (ja) 人造大理石
JP2570032B2 (ja) 加飾成形品
JPH0912823A (ja) 合成樹脂成形材料及び該合成樹脂成形材料による成形物の製造方法
JPS62199640A (ja) 耐熱・耐熱水性硬化性組成物
JPH04362057A (ja) 脈理模様を有する人工大理石の製造方法
KR950002387B1 (ko) 인조대리석 제조용 아크릴계 수지 조성물
JPH0699442A (ja) 天然石調斑模様を有する成形品の製法
JPH04201526A (ja) 人造大理石の製造方法
JPH0526741B2 (ja)
JP2002321956A (ja) 人工大理石の製造方法
JPS62197346A (ja) 斑状紋様を有する大理石状注型成形物およびその製法