JP2813527B2 - 強度の向上した大理石状物品及びその製法 - Google Patents

強度の向上した大理石状物品及びその製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強度の向上した大理石状
物品及びその製法に関するもので、より詳細には、メタ
クリル酸メチル系重合体−無機粉体のマトリックス中に
分散された大粒の透明チップ粒子から成り、立体感に富
み、深みのある透明な質感があり、しかも強度の向上し
た大理石様の物品並びにその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル酸メチルを主体とする人工大
理石はその優れた耐候性と物性を生かし広く壁材やキッ
チンカウンター等として利用されている。
【0003】例えば、特公昭61−24357号公報
(特開昭52−952号公報)には、ポリメチルメタク
リレートのような重合体と水酸化アルミニウムのような
充填剤とから成るマトリックスと、200μm以上の不
透明、半透明及び/又は透明粒子とから成る模造花崗岩
物品が記載されている。
【0004】出願人の提案にかかる特開平3−2814
8号公報には、メタクリル酸メチル系樹脂と水酸化アル
ミニウムとから成る透明乃至半透明のマトリックスに、
不透明粒子として、微粒子及び粗粒子の組み合わせから
なり、しかも互いに色調を異にする複数種の組合せを配
合した人造石が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在流
通しているメタクリル酸メチルを主体とする人工大理石
は物性面に於ては天然石を上まわる性能を有し、取扱い
易い物品であるが、その色柄に於ては、未だ天然石に酷
似したものは得られていない。
【0006】また、一方では、天然石の破砕物を利用
し、固化、成形した物品が上市され、使用されている
が、メタクリル酸メチルを主体とする人工大理石では、
大粒の天然石破砕物等を混合すると、メタクリル酸メチ
ルと、天然石との分子間結合力が弱い為に、強度的に弱
いものになってしまったり、逆に強度的に強い物品を得
ようとすると、大掛りな成形機械等が必要になってしま
う等の欠点があった。
【0007】本発明者は、メタクリル酸メチルを主体と
する重合体に、無機粉末を加えたベースマトリックス
に、大粒の透明チップ粒子を配合することで、立体感に
富み且つ深みのある透明感がある人工大理石が得られる
と共に、この透明チップ粒子として、メタクリル酸メチ
ルに溶解性を有するものを使用することで、大粒の粒子
でありながら、強度の大きい大理石状物品が得られるこ
とを見いだした。
【0008】即ち、本発明の目的は、立体感に富み且つ
深みのある透明な質感がありながら、強度の著しく向上
した廉価な大理石状物品を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、メタク
リル酸メチルを主体とする重合体20〜80重量部及び
無機粉体80〜20重量部を含むマトリックスに、透明
チップ粒子0.1〜50重量部を分散させた組成物から
形成された大理石状物品において、 前記透明チップ粒子
が、最大寸法が1〜10mmであり、メタクリル酸メチ
ルに溶解性を有し、且つメタクリル酸メチルに完全に浸
漬した場合(23℃±2℃、1日間)の寸法変化率が
0.1〜20%以内である大粒の透明チップ粒子であ
り、且つ透明チップ粒子がマトリックス中に不規則に分
布された状態で含まれることを特徴とする大理石状物品
が提供される。
【0010】本発明によればまた、メタクリル酸メチル
を主体とする重合体シラップ20〜80重量部及び無機
粉体80〜20重量部を含むマトリックス用組成物に、
透明チップ粒子0.1〜50重量部を混合し、この混合
物を型内でラジカル開始剤の存在下に重合成形すること
からなる大理石状物品の製法において、 前記透明チップ
粒子が、最大寸法が1〜10mmであり、メタクリル酸
メチルに溶解性を有し、且つメタクリル酸メチルに完全
に浸漬した場合(23℃±2℃、1日間)の寸法変化率
が0.1〜20%以内である大粒の透明チップ粒子であ
り、且つ透明チップ粒子がマトリックス中に不規則に分
布された状態で含まれることを特徴とする大理石状物品
の製法が提供される。
【0011】本発明で使用する透明チップ粒子は、この
粒子をメタクリル酸メチルに完全に浸漬した場合(23
℃±2℃、1日間)の寸法変化率が0.1〜20%以
内、特に0.4〜15%である粒子であることが好まし
い。
【0012】
【作用】本発明では、メタクリル酸メチル系重合体と無
機粉体とから成るマトリックスに、最大寸法が10mm
以下であり且つメタクリル酸メチルに溶解性を有する大
粒の透明チップ粒子を不規則に分布された状態で含有さ
せたことが顕著な特徴である。
【0013】従来、この種の成形体に使用されている不
透明、半透明及び/又は透明粒子は、何れも不溶性のも
のであるのに対して、本発明では、透明チップ粒子とし
てメタクリル酸メチルに溶解性を有するものを使用す
る。本発明によれば、この特徴により、透明チップ粒子
が大粒である場合にも、成形体の強度を顕著に向上させ
ることができる。
【0014】後述する実施例1と比較例1とを参照され
たい。チップ粒子が粗砕された鉱物や溶解性の大きいも
のは、成形体の曲げ強度が320〜410kgf/cm
2 のオーダーに過ぎないのに対して、同じマトリックス
中にメタクリル酸メチルに溶解性を有する透明チップ粒
子を配合すると、成形体の強度が550〜570kgf
/cm2 のオーダーにも向上するのであって、これは本
発明による予想外の効果である。
【0015】この理由は、次のようなものである。即
ち、本発明による大理石状物品は、メタクリル酸メチル
系重合体シラップ及び無機粉体を含むマトリックス用組
成物に、透明チップ粒子を混合し、この混合物を型内で
ラジカル開始剤の存在下に重合成形することにより得ら
れるが、透明チップ粒子が重合体シラップ中に含有され
るメタクリル酸メチルに溶解性を示すので、透明チップ
粒子とマトリックスとの界面で、メタクリル酸メチル重
合体鎖と、透明チップ粒子の重合体鎖との間で分子的な
絡み合いを生じ、界面での結合が大幅に向上するものと
認められる。
【0016】本発明において、成形体の強度を低下させ
ることなく、チップ粒子を配合することが可能となり、
しかもこのチップ粒子は、透明であり、大粒で、不規則
に分布されているため、優れた立体感と深みのある透明
な質感とを付与でき、大理石に極めて近い外観となる。
【0017】本発明において、透明チップ粒子は、この
粒子をメタクリル酸メチルに完全に浸漬した場合(23
℃±2℃、1日間)の寸法変化率が0.1〜20%以内
にあるのがよい。この寸法変化率は、透明チップ粒子の
メタクリル酸メチルへの溶解の程度或いは膨潤の程度と
密接な関係があり、0.1%よりも低いと、強度の低下
が大きくなる。一方20%を越えると、透明チップ粒子
の配合による立体感や透明感が損なわれたり、作業効率
が低下したりする傾向がある。
【0018】
【発明の好適態様】
[マトリックス]本発明の物品におけるマトリックス
は、メタクリル酸メチルを主体とする重合体20〜80
重量部及び無機粉体80〜20重量部を含んで成る。
【0019】マトリックス中の重合体の含有量が上記範
囲を下回ると、物品の強靱性や耐衝撃性が上記範囲内に
ある場合に比して低下するようになり、一方上記範囲を
上回ると、物品の硬度や寸法安定性、更には耐熱性が上
記範囲内にある場合に比して低下するようになる。
【0020】本発明に用いる樹脂はメタクリル酸メチル
(MMA)を主成分とする重合体であり、このものはメ
チルメタクリレート単独から成っていてもよいし、或い
は、メチルメタクリレートを主体とし、これと少量、例
えば0.1 乃至5重量部の他のエチレン性不飽和化合物、
例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、及
びメタクリル酸、メタクリル酸エチル、メタクリ酸ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラ
ウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸グリシジル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステ
ルを含むものであってもよい。
【0021】この重合体は、物品の製造に際して、シラ
ップの形で使用され、所謂部分重合シラップであって、
注型性と重合硬化性との適切な組合せを有するように、
300〜 2,000cp(センチポイズ)、特に500〜600c
p粘度を有するように予備重合されている。
【0022】マトリックスに用いる無機粉体は、この種
の成形物品に普通に使用されている無機質充填剤の何れ
であってもよい。その適当な例は、乾式法或いは湿式法
の非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、炭酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシ
ウム、クレー、タルク、カオリン、硫酸バリウム、硫酸
カルシウム等である。
【0023】これらの内でも、水酸化アルミニウムが好
適である。水酸化アルミニウムとしては、種々の水酸化
アルミニウムが使用されるが、特に好適にはアルミナ三
水和物、即ちギブサイトが使用される。メチルメタクリ
レート重合体の屈折率に近いため、優れた透明感乃至半
透明感が得られると共に、水和物の特性として、成形体
への難燃性付与にも優れている。
【0024】本発明で使用するマトリックスには、上記
必須成分に加えて、着色剤、単量体等の添加剤を配合す
ることができる。また、マトリックス形成用のシラップ
組成物には、有機過酸化物等の重合開始剤を配合するこ
とができる。
【0025】着色剤としては、染料、有機顔料、無機顔
料等があり、具体的には赤色(パラレッド、リソールレ
ッド、アリザリンレーキ、チオインジゴマルン、ベンガ
ラ、モリブデン赤);橙色(パーマネントオレンジ、ペ
ルシアオレンジ、インダスレンオレンジ6−R);黄色
(ハンザイエローG、キノリンイエローレーキ、黄鉛、
ジンクイエロー、チタンイエロー);緑色(ナフトール
グリーン、グリーンゴールド);青色(フタロシアニン
ブルー、ビクトリアブルーレーキ、群青、コバルトブル
ー);黒色(カーボンブラック、鉄黒);白色(亜鉛
華、鉛白、チタン白ルチル);紫色(ファーストバイオ
レットBL、メチルバイオレットレーキ);等が挙げられ
る。これらの着色料はメタクリル酸メチル系重合体10
0重量部当り0.1 乃至5重量部、特に0.3 乃至3重量部
となる量で含有させるのが望ましい。
【0026】重合体シラップに配合する単量体として
は、重合体シラップについて前に説明した単量体は全て
使用でき、そのほかに変性用単量体として、多官能性エ
チレン系不飽和単量体、例えば、ジメタクリル酸エチレ
ングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコ
ール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、他に
ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシ
アヌレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ート等も使用される。
【0027】重合体シラップを重合硬化させるためのラ
ジカル開始剤としては、ラウリルパーオキサイド、アセ
チルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−
ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネ
オデカノエート、t−ブチルパーオキシオクトエート、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等の有機過酸
化物やビスアゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物が単
独又は2種以上の組合せで使用され、その使用量は重合
体シラップ100重量部当り0.1 乃至5重量部、特に0.
3 乃至3重量部となる量である。
【0028】[透明チップ粒子]本発明で使用する透明
チップ粒子は、最大寸法が10mm以下であり且つメタ
クリル酸メチルに溶解性を有する大粒のものである。こ
の透明チップ粒子を構成する樹脂としては、メタクリル
酸メチル(MMA)系樹脂、ポリスチレン、ポリアクリ
ル酸エチル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルクロライド、
ポリエステル、ポリビニルアルコール、エポキシレジン
等の内、前記測定法による寸法変化率が、0.1〜20
%、好ましくは0.4〜15%のものが使用される。こ
れらの樹脂は、上記寸法変化率の範囲にあるという条件
下で、多官能性単量体で部分架橋されていてもよい。
【0029】この透明チップ粒子は、厚み1.25mm
のフィルム状で測定して、1.0%以上、特に1.5%
以上の可視光線透過率T(T=It/Ii×100、式
中Iiは入射光強度、Itは透過光強度)を示すものが
よい。透明性樹脂チップは、上記の透明性を示す範囲
で、前述した無機粉末や着色料等を含有していてもよ
い。例えば、透明チップ粒子は、色相或いは彩度の異な
る複数の樹脂粒子の混合物であってもよいことが了解さ
れるべきである。
【0030】本発明に用いる透明チップ粒子は、大粒で
あり、その粒子径は一般に1〜10mmの範囲にある。
しかしながら、10mmを越える粗大粒子の混入は避け
るべきである。このチップ粒子は、上記粒度範囲にわた
る広い粒度分布を有していてもよいし、また上記粒度範
囲内で比較的シャープな粒度分布を有していてもよい。
マトリックス中に不規則的に分布させるためには、前者
の広い分布を有していることが好ましい。
【0031】チップ粒子の粒子形状は、特に制限されな
い。例えば、この粒子は成形物を粉砕することにより得
られる不定形粒子であってもよいし、また造粒法で製造
された定形粒子、例えば、球状粒子、采の目状粒子、角
柱状、円柱状、タブレット状、板状、フレーク状等の形
状であってよい。
【0032】透明チップ粒子の製造には、任意の方法を
用い得る。例えば、予め形成された樹脂の場合、これを
プレス成形し或いはこれを押し出し成形し、必要により
これを切断、裁断或いは粉砕することにより、所定の粒
状物とする。また、重合体シラップ、単量体を使用し、
有機過酸化物、熱、紫外線等のラジカル開始手段によ
り、これを塊状重合、懸濁重合等に付した後、必要によ
り、粗砕等を行って、所定の粒状物を得る。粒度の調節
は分級により行う。樹脂の粉砕効率を高めるために、低
温粉砕や樹脂中に無機物を含有させることが有効であ
る。
【0033】透明チップ粒子は、そのままの状態で重合
体シラップ中に配合して使用し得るが、所望によって
は、濡れ性を向上させるために、シランカップリング剤
等で表面処理して用いることもできる。この様なシラン
カップリング剤としては、アミノプロピルトリエトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン等が使用される。カ
ップリング剤の処理量としては0.1〜2%の様な少量
であってよい。
【0034】[組成物及び製造]本発明によれば、メタ
クリル酸メチルを主体とする重合体シラップ及び無機粉
体を含むマトリックス用組成物に、上記透明チップ粒子
を混合し、不規則に分布された状態で分散させ、この混
合物を型内でラジカル開始剤の存在下に重合成形する。
【0035】透明チップ粒子は、マトリックス基準で
0.1〜50重量部、特に5〜30重量部の量で用いる
のがよい。透明チップ粒子の配合量が上記範囲より少な
い場合にも、また多い場合にも、物品の風合いや、外観
特性、特に深みのある立体感は低下する。また、透明チ
ップ粒子の含有量が上記範囲よりも多くなると、型への
注型性が低下し、成形体の強度も低下する傾向がある。
【0036】マトリックス用組成物と、透明チップ粒子
との混合は、透明チップ粒子の表面がマトリックス用組
成物で一様に湿潤される範囲に止めておくのがよく、過
度の混合は、透明チップ粒子の不規則な分布を妨げるの
で避けるべきである。不規則な分布状態を形成するのに
は、混合物中に透明チップ粒子による構造が形成されて
いるのがよく、この構造形成には透明チップ粒子の粒度
分布が広いこと及び透明チップ粒子が不定形であること
が役立ち、過度の混合はこの構造を破壊する。
【0037】この混合物を、成形型中にいれ、ラジカル
開始剤の存在下に重合成形する。重合条件は、特に制限
はないが、一般に60〜110℃の温度で1〜5時間の
範囲が適当である。
【0038】得られる成形品は、そのままで、或いは表
面を研摩した後、各種内装用及び外装用建材、バスタ
ブ、洗面用タブ、各種テーブル等の用途に供することが
できる。
【0039】
【実施例】本発明を次の例で更に説明する。 実施例1 平均分子量約200,000 のアクリル樹脂ペレット(粒径φ
2×3mm)をアトマイザー(不二パウダル社製、スク
リーン径φ1)により微粉砕し、粒径0.5〜1.5m
mの透明な粒子を得た。次にこの透明な粒子10重量部
に、メタクリル酸メチルシロップ30重量部、水酸化ア
ルミ(平均粒径15μm)60重量部、ベンゾイルパー
オキサイド0.3重量部、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート0.3重量部を仕込み、混合後減圧脱泡
して、300×300×12mmの金型内に注入し、7
0℃×2時間、100℃×1時間オーブン内で加熱硬化
させた。得られた硬化物は、透明粒子がランダムに分布
した、天然石に似た物品であった。表1に示すとおり、
透明チップはメタクリル酸メチルに溶解性を示し、機械
的強度も優れた物品であった。
【0040】実施例2 ポリエステル樹脂100重量部にベンゾイルパーオキサ
イド1重量部を混合し、実施例1と同様の方法にて硬化
物を得た。この硬化物は表1に示すように、全体の質感
および強度的にも優れた物品であった。
【0041】比較例1 平均分子量60,000のアクリル樹脂ペレットを実施例1と
同様の方法にて硬化物を得た。この硬化物作成にあたっ
ては、表1に示す通り、成形過程において粘度上昇が大
きく、はなはだしく不便であり、しかも強度的にも劣る
ものであった。
【0042】比較例2 天然花崗岩を実施例1と同様の方法にて硬化物を得た。
この硬化物は、表1に示すように、外観上は、天然の大
理石に酷似したものであったが、強度的には劣るもので
あった。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、メタクリル酸メチル系
重合体と無機粉体とから成るマトリックスに、最大寸法
が10mm以下であり且つメタクリル酸メチルに溶解性
を有する大粒の透明チップ粒子を不規則に分布された状
態で含有させたことにより、透明チップ粒子とマトリッ
クスとの界面での結合が大幅に向上し、その結果とし
て、透明チップ粒子が大粒である場合にも、成形体の強
度を顕著に向上させることができる。
【0045】本発明において、成形体の強度を低下させ
ることなく、チップ粒子を配合することが可能となり、
しかもこのチップ粒子は、透明であり、大粒で、不規則
に分布されているため、優れた立体感と深みのある透明
な質感とを付与でき、大理石に極めて近い外観となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 14:02 16:04) 111:54 (56)参考文献 特開 平5−32720(JP,A) 特開 昭59−31134(JP,A) 特開 平2−102155(JP,A) 特開 平3−28148(JP,A) 特公 昭61−24357(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 26/06 C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸メチルを主体とする重合体
    20〜80重量部及び無機粉体80〜20重量部を含む
    マトリックスに、透明チップ粒子0.1〜50重量部を
    分散させた組成物から形成された大理石状物品におい
    て、 前記透明チップ粒子が、最大寸法が1〜10mmであ
    り、メタクリル酸メチルに溶解性を有し、且つメタクリ
    ル酸メチルに完全に浸漬した場合(23℃±2℃、1日
    間)の寸法変化率が0.1〜20%以内である大粒の透
    明チップ粒子であり、且つ透明チップ粒子がマトリック
    ス中に不規則に分布された状態で含まれる ことを特徴と
    する大理石状物品。
  2. 【請求項2】 メタクリル酸メチルを主体とする重合体
    シラップ20〜80重量部及び無機粉体80〜20重量
    部を含むマトリックス用組成物に、透明チップ粒子0.
    1〜50重量部を混合し、この混合物を型内でラジカル
    開始剤の存在下に重合成形することからなる大理石状物
    品の製法において、 前記透明チップ粒子が、最大寸法が1〜10mmであ
    り、メタクリル酸メチルに溶解性を有し、且つメタクリ
    ル酸メチルに完全に浸漬した場合(23℃±2℃、1日
    間)の寸法変化率が0.1〜20%以内である大粒の透
    明チップ粒子であり、且つ透明チップ粒子がマトリック
    ス中に不規則に分布された状態で含まれる ことを特徴と
    する大理石状物品の製法。
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