JPH0741345A - 強度の向上した天然石状物品及びその製法 - Google Patents

強度の向上した天然石状物品及びその製法

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JPH0741345A
JPH0741345A JP5190460A JP19046093A JPH0741345A JP H0741345 A JPH0741345 A JP H0741345A JP 5190460 A JP5190460 A JP 5190460A JP 19046093 A JP19046093 A JP 19046093A JP H0741345 A JPH0741345 A JP H0741345A
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JP
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particles
weight
methyl methacrylate
opaque
parts
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Application number
JP5190460A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Yamada
善博 山田
Shigenobu Fujita
繁信 藤田
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Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然石に酷似した色柄、重量感、質感ががあ
りながら、強度の著しく向上した廉価な天然石状物品を
提供する。 【構成】 メタクリル酸メチル系重合体と無機粉体を含
むマトリックスに、最大寸法が10mm以下であり且つ
メタクリル酸メチルに溶解性を有する不透明チップ粒子
等を不規則に分布された状態で含有させた天然石状物
品。 【効果】 天然石に酷似した色柄、重量感、質感等が得
られ、強度、耐久性、美観に優れた建材等となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強度の向上した天然石状
物品に関するもので、より詳細には、メタクリル酸メチ
ル系重合体−無機粉体のマトリックス中に分散された不
透明チップ粒子或いは該不透明チップ粒子と半透明乃至
透明チップ粒子との組み合わせから成り、天然石に酷似
した色柄、重量感、質感があり、しかも強度の向上した
物品に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル酸メチルを主体とする人工大
理石はその優れた耐候性と物性を生かし広く壁材やキッ
チンカウンター等として利用されている。
【0003】例えば、特公昭61−24357号公報
(特開昭52−952号公報)には、ポリメチルメタク
リレートのような重合体と水酸化アルミニウムのような
充填剤とから成るマトリックスと、200μm以上の不
透明、半透明及び/又は透明粒子とから成る模造花崗岩
物品が記載されている。
【0004】出願人の提案にかかる特開平3−2814
8号公報には、メタクリル酸メチル系樹脂と水酸化アル
ミニウムとから成る透明乃至半透明のマトリックスに、
不透明粒子として、微粒子及び粗粒子の組み合わせから
なり、しかも互いに色調を異にする複数種の組合せを配
合した人造石が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在流
通しているメタクリル酸メチルを主体とする人工大理石
は物性面に於ては天然石を上まわる性能を有し、取扱い
易い物品であるが、その色柄に於ては、未だ天然石に酷
似したものは得られていない。
【0006】また、一方では、天然石の破砕物を利用
し、固化、成形した物品が上市され、使用されている
が、メタクリル酸メチルを主体とする人工大理石では、
大粒の天然石破砕物等を混合すると、メタクリル酸メチ
ルと、天然石との分子間結合力が弱い為に、強度的に弱
いものになってしまったり、逆に強度的に強い物品を得
ようとすると、大掛りな成形機械等が必要になってしま
う等の欠点があった。
【0007】本発明者は、メタクリル酸メチルを主体と
する重合体に、無機粉末を加えたベースマトリックス
に、不透明チップ粒子或いは不透明チップ粒子と透明乃
至半透明チップ粒子の組み合わせを配合することで、天
然石に酷似した色柄、重量感、質感がある物品が得られ
ると共に、これらのチップ粒子として、メタクリル酸メ
チルに溶解性を有するものを使用することで、大粒の粒
子でありながら、強度の大きい天然石状物品が得られる
ことを見いだした。
【0008】即ち、本発明の目的は、天然石に酷似した
色柄、重量感、質感ががありながら、強度の著しく向上
した廉価な天然石状物品を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、メタク
リル酸メチルを主体とする重合体20〜80重量部及び
無機粉体80〜20重量部を含むマトリックスに、最大
寸法が10mm以下であり且つメタクリル酸メチルに溶
解性を有する不透明チップ粒子或いは不透明チップ粒子
と透明乃至半透明チップ粒子の組み合わせ0.1〜50
重量部を不規則に分布された状態で含むことを特徴とす
る大理石状物品が提供される。
【0010】本発明によればまた、メタクリル酸メチル
を主体とする重合体シラップ20〜80重量部及び無機
粉体80〜20重量部を含むマトリックス用組成物に、
最大寸法が10mm以下であり且つメタクリル酸メチル
に溶解性を有する不透明チップ粒子或いは不透明チップ
粒子と透明乃至半透明チップ粒子の組み合わせ0.1〜
50重量部を混合し、不規則に分布された状態で分散さ
せ、この混合物を型内でラジカル開始剤の存在下に重合
成形することを特徴とする大理石状物品の製法が提供さ
れる。
【0011】本発明で使用するチップ粒子は、この粒子
をメタクリル酸メチルに完全に浸漬した場合(23℃±
2℃、1日間)の寸法変化率が0.1〜20%以内、特
に0.4〜15%である粒子であることが好ましい。
【0012】
【作用】本発明では、メタクリル酸メチル系重合体と無
機粉体とから成るマトリックスに、最大寸法が10mm
以下であり且つメタクリル酸メチルに溶解性を有する不
透明チップ粒子或いは不透明チップ粒子と透明乃至半透
明チップ粒子の組み合わせを、不規則に分布された状態
で、含有させたことが顕著な特徴である。
【0013】従来、この種の成形体に使用されている不
透明、半透明及び/又は透明粒子は、何れも不溶性のも
のであるのに対して、本発明では、不透明チップ粒子或
いは不透明チップ粒子と透明乃至半透明チップ粒子の組
み合わせ(以下単に不透明チップ粒子等と呼ぶことがあ
る)として、メタクリル酸メチルに溶解性を有するもの
を使用する。本発明によれば、この特徴により、これら
のチップ粒子が大粒である場合にも、成形体の強度を顕
著に向上させることができる。
【0014】後述する実施例1と比較例1とを参照され
たい。チップ粒子が粗砕された鉱物や溶解性の大きいも
のは、成形体の強度は510のオーダーに過ぎないのに
対して、同じマトリックス中にメタクリル酸メチルに溶
解性を有する不透明チップ粒子を配合すると、成形体の
強度が530のオーダーにも向上するのであって、これ
は本発明による予想外の効果である。
【0015】この理由は、次のようなものである。即
ち、本発明による大理石状物品は、メタクリル酸メチル
系重合体シラップ及び無機粉体を含むマトリックス用組
成物に、不透明チップ粒子等を混合し、この混合物を型
内でラジカル開始剤の存在下に重合成形することにより
得られるが、不透明チップ粒子が重合体シラップ中に含
有されるメタクリル酸メチルに溶解性を示すので、不透
明チップ粒子等とマトリックスとの界面で、メタクリル
酸メチル重合体鎖と、不透明チップ粒子等の重合体鎖と
の間で分子的な絡み合いを生じ、界面での結合が大幅に
向上するものと認められる。
【0016】本発明において、成形体の強度を低下させ
ることなく、大粒のチップ粒子等を配合することが可能
となり、しかもこのチップ粒子は、不透明で比較的大粒
であり、不規則に分布されているため、天然石に酷似し
た色柄、重量感、質感が得られ、強度、耐久性、美観に
優れたものとなる。本発明の物品では、光線の散乱及び
吸収が大であり、一般に厚さ1.27mmとして、波長
800nmに対する透過率が0.1%よりも小さい光線
透過率(T=It/Ii×100、式中Iiは入射光強
度、Itは透過光強度、Tは光線透過率)を有する。
【0017】本発明において、不透明チップ粒子等は、
この粒子をメタクリル酸メチルに完全に浸漬した場合
(23℃±2℃、1日間)の寸法変化率が0.1〜20
%以内にあるのがよい。この寸法変化率は、不透明チッ
プ粒子等のメタクリル酸メチルへの溶解の程度或いは膨
潤の程度と密接な関係があり、0.1%よりも低いと、
強度の低下が大きくなる。一方20%を越えると、成形
体中での不透明チップ粒子等の輪郭が不明瞭となり、天
然石に酷似した色柄、重量感、質感等が失われることに
なる。
【0018】
【発明の好適態様】
[マトリックス] 本発明の物品におけるマトリックス
は、メタクリル酸メチルを主体とする重合体20〜80
重量部及び無機粉体80〜20重量部を含んで成る。
【0019】マトリックス中の重合体の含有量が上記範
囲を下回ると、物品の強靱性や耐衝撃性が上記範囲内に
ある場合に比して低下するようになり、一方上記範囲を
上回ると、物品の高度や寸法安定性、更には耐熱性が上
記範囲内にある場合に比して低下するようになる。
【0020】本発明に用いる樹脂はメタクリル酸メチル
(MMA)を主成分とする重合体であり、このものはメ
チルメタクリレート単独から成っていてもよいし、或い
は、メチルメタクリレートを主体とし、これと少量、例
えば0.1 乃至5重量部の他のエチレン性不飽和化合物、
例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、及
びメタクリル酸、メタクリル酸エチル、メタクリ酸ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラ
ウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸グリシジル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステ
ルを含むものであってもよい。
【0021】この重合体は、物品の製造に際して、シラ
ップの形で使用され、所謂部分重合シラップであって、
注型性と重合硬化性との適切な組合せを有するように、
300〜 2,000cp(センチポイズ)、特に500〜600c
p粘度を有するように予備重合されている。
【0022】マトリックスに用いる無機粉体は、この種
の成形物品に普通に使用されている無機質充填剤の何れ
であってもよい。その適当な例は、乾式法或いは湿式法
の非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、炭酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシ
ウム、クレー、タルク、カオリン、硫酸バリウム、硫酸
カルシウム等である。
【0023】これらの内でも、水酸化アルミニウムが好
適である。水酸化アルミニウムとしては、種々の水酸化
アルミニウムが使用されるが、特に好適にはアルミナ三
水和物、即ちギブサイトが使用される。メチルメタクリ
レート重合体の屈折率に近いため、マトリックスが優れ
た透明感乃至半透明感を有するようになると共に、水和
物の特性として、成形体への難燃性付与にも優れてい
る。
【0024】本発明で使用するマトリックスには、上記
必須成分に加えて、着色剤、単量体等の添加剤を配合す
ることができる。また、マトリックス形成用のシラップ
組成物には、有機過酸化物等の重合開始剤を配合するこ
とができる。
【0025】着色剤としては、染料、有機顔料、無機顔
料等があり、具体的には赤色(パラレッド、リソールレ
ッド、アリザリンレーキ、チオインジゴマルン、ベンガ
ラ、モリブデン赤);橙色(パーマレントオレンジ、ペ
ルシアオレンジ、インダスレンオレンジ6−R);黄色
(ハンザイエローG、キノリンイエローレーキ、黄鉛、
ジンクイエロー、チタンイエロー);緑色(ナフトール
グリーン、グリーンゴールド);青色(フタロシアニン
ブルー、ビクトリアブルーレーキ、群青、コバルトブル
ー);黒色(カーボンブラック、鉄黒);白色(亜鉛
華、鉛白、チタン白ルチル);紫色(ファーストバイオ
レットBL、メチルバイオレットレーキ);等が挙げられ
る。これらの着色料はメタクリル酸メチル系重合体10
0重量部当り0.1 乃至5重量部、特に0.3 乃至3重量部
となる量で含有させるのが望ましい。
【0026】重合体シラップに配合する単量体として
は、重合体シラップについて前に説明した単量体は全て
使用でき、そのほかに変性用単量体として、多官能性エ
チレン系不飽和単量体、例えば、ジメタクリル酸エチレ
ングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコ
ール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、他に
ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシ
アヌレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ート等も使用される。
【0027】重合体シラップを重合硬化させるためのラ
ジカル開始剤としては、ラウリルパーオキサイド、アセ
チルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−
ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネ
オデカノエート、t−ブチルパーオキシオクトエート、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等の有機過酸
化物やビスアゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物が単
独又は2種以上の組合せで使用され、その使用量は重合
体シラップ100重量部当り0.1 乃至5重量部、特に0.
3 乃至3重量部となる量である。
【0028】[チップ粒子] 本発明で使用する不透明
チップ粒子等は、最大寸法が10mm以下であり且つメ
タクリル酸メチルに溶解性を有する大粒のものである。
この不透明チップ粒子等を構成する樹脂としては、メタ
クリル酸メチル(MMA)系樹脂、ポリスチレン、ポリ
アクリル酸エチル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルクロラ
イド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エポキシ
レジン等の内、前記測定法による寸法変化率が、0.1
〜20%、好ましくは0.4〜15%のものが使用され
る。これらの樹脂は、上記寸法変化率の範囲にあるとい
う条件下で、前述した多官能性単量体で部分架橋されて
いてもよい。
【0029】本発明に用いる不透明チップ粒子は、厚さ
1.27mm(0.01インチ)のフィルムの状態で測
定した可視光線(波長4000〜8000オングストロ
ーム)の光学濃度 が2.0 以上、特に2.5 以上で実質上不透明である。
【0030】この不透明チップ粒子は、前述した無機質
充填剤の内、屈折率が1.50以上で不透明性のあるものを
含有するのがよく、これらの無機質充填剤は、前述した
バインダー樹脂100重量部当り50乃至200重量部
程度の量で用いるのが望ましい。また粒子を着色するた
めに、前述した着色料を、バインダー樹脂100重量部
当り0.1 乃至5重量部、特に0.3 乃至3重量部となる量
で含有させるのが望ましい。不透明チップ粒子は、色相
或いは彩度の異なる複数のチップ粒子の混合物であって
もよいことが了解されるべきである。
【0031】本発明に用いる不透明チップ粒子では、そ
の平均粒子径が一般に7mm以下、特に0.5〜5mm
の範囲にある。しかしながら、10mmを越える粗大粒
子の混入は避けるべきである。この不透明チップ粒子
は、上記粒度範囲にわたる広い粒度分布を有していても
よいし、また上記粒度範囲内で比較的シャープな粒度分
布を有していてもよい。マトリックス中に不規則的に分
布させるためには、前者の広い分布を有していることが
好ましい。
【0032】一方、上記不透明チップ粒子と組み合わせ
で使用する透明乃至半透明チップ粒子は、前述した可視
光線での光学濃度が、2.0以下、特に1.5以下であ
る。透明乃至半透明チップ粒子は、上記の透明性乃至半
透明性を示す範囲で、前述した無機粉末や着色料等を含
有していてもよい。透明乃至半透明チップ粒子も、色相
或いは彩度の異なる複数の樹脂粒子の混合物であっても
よいことが了解されるべきである。
【0033】本発明に用いる透明乃至半透明チップ粒子
は、大粒であり、その粒子径は一般に1〜10mmの範
囲にある。しかしながら、10mmを越える粗大粒子の
混入は避けるべきである。このチップ粒子は、上記粒度
範囲にわたる広い粒度分布を有していてもよいし、また
上記粒度範囲内で比較的シャープな粒度分布を有してい
てもよい。マトリックス中に不規則的に分布させるため
には、前者の広い分布を有していることが好ましい。
【0034】不透明チップ粒子等の粒子形状は、特に制
限されない。例えば、これらの粒子は、粉砕成形物を粉
砕することにより得られる不定形粒子であってもよい
し、また造粒法で製造された定形粒子、例えば、球状粒
子、采の目状粒子、角柱状、円柱状、タブレット状、板
状、フレーク状等の形状であってよい。
【0035】不透明チップ粒子等の製造には、任意の方
法を用い得る。例えば、予め形成された樹脂の場合、こ
れをプレス成形し或いはこれを押し出し成形し、必要に
よりこれを切断、裁断或いは粉砕することにより、所定
の粒状物とする。また、重合体シラップ、単量体を使用
し、有機過酸化物、熱、紫外線等のラジカル開始手段に
より、これを塊状重合、懸濁重合等に付した後、必要に
より、粗砕等を行って、所定の粒状物を得る。粒度の調
節は分級により行う。樹脂の粉砕効率を高めるために、
低温粉砕や樹脂中に無機物を含有させることが有効であ
る。
【0036】不透明チップ粒子等は、そのままの状態で
重合体シラップ中に配合して使用し得るが、所望によっ
ては、濡れ性を向上させるために、シランカップリング
剤等で表面処理して用いることもできる。この様なシラ
ンカップリング剤としては、アミノプロピルトリエトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン等が使用される。
カップリング剤の使用量は、不透明チップ粒子等当たり
処理量としては0.1〜2%の様な少量であってよい。
【0037】[組成物及び製造] 本発明によれば、メ
タクリル酸メチルを主体とする重合体シラップ及び無機
粉体を含むマトリックス用組成物に、上記不透明チップ
粒子等を混合し、不規則に分布された状態で分散させ、
この混合物を型内でラジカル開始剤の存在下に重合成形
する。
【0038】不透明チップ粒子等は、マトリックス基準
で0.1〜50重量部、特に5〜30重量部の量で用い
るのがよい。不透明チップ粒子等の配合量が上記範囲よ
り少ない場合にも、また多い場合にも、物品の風合い
や、外観特性、特に深みのある立体感は低下する。ま
た、不透明チップ粒子等の含有量が上記範囲よりも多く
なると、型への注型性が低下し、成形体の強度も低下す
る傾向がある。
【0039】不透明チップ粒子(A)と透明乃至半透明
チップ粒子(B)との組み合わせを使用する場合、色柄
に応じて自由な混合比で組み合わせ使用するのがよい。
【0040】マトリックス用組成物と、不透明チップ粒
子等との混合は、不透明チップ粒子等の表面がマトリッ
クス用組成物で一様に湿潤される範囲に止めておくのが
よく、過度の混合は、不透明チップ粒子等の不規則な分
布を妨げるので避けるべきである。不規則な分布状態を
形成するのには、混合物中に不透明チップ粒子等による
構造が形成されているのがよく、この構造形成には不透
明チップ粒子等の粒度分布が広いこと及び不透明チップ
粒子等が不定形であることが役立ち、過度の混合はこの
構造を破壊する。
【0041】この混合物を、成形型中にいれ、ラジカル
開始剤の存在下に重合成形する。重合条件は、特に制限
はないが、一般に60〜110℃の温度で1〜5時間の
範囲が適当である。
【0042】得られる成形品は、そのままで、或いは表
面を研摩した後、各種内装用及び外装用建材、バスタ
ブ、洗面用タブ、各種テーブル等の用途に供することが
できる。
【0043】
【実施例】本発明を次の例で更に説明する。 実施例1 アクリル樹脂シロップ(500cps)40重量部に、
ワラストナイト(平均粒径10μm)60重量部、ベン
ゾイルパーオキサイド1重量部、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート1重量部を加えて、70℃×2時
間、100℃×1時間の条件下で加熱硬化させ、白い硬
化物を得た。この硬化物を破砕後、アトマイザー(不二
パウダル社製、スクリーン径φ1)により微粉砕し、粒
径0.5〜1.5mmの白い不透明な粒子を得た。次に
平均分子量約200,000 のアクリル樹脂ペレット(粒径φ
2×3mm)を上記と同様の方法にて微粉砕し、透明な
粒子を得た。先に得られた不透明粒子10重量部、透明
粒子5重量部に、メタクリル酸メチルシロップ30重量
部、炭酸カルシウム(平均粒径1μm)55重量部、ベ
ンゾイルパーオキサイド0.3重量部、トリメチロール
プロパントリメタクリレート0.3重量部、カーボンブ
ラック2重量部を仕込み、混合後減圧脱泡して、300
×300×12mmの金型内に注入し、70℃×2時
間、100℃×1時間オーブン内で加熱硬化させた。得
られた硬化物は、透明粒子と不透明粒子がランダムに分
布し、黒御影調の天然石に酷似した物品であった。又、
第1表に示す通り強度的にも優れた物品であった。
【0044】実施例2 ポリエステル樹脂100重量部にベンゾイルパーオキサ
イド1重量部を添加し、実施例1と同様の方法にて透明
な粒子を得た。この透明な粒子7.5重量部に実施例1
で得た白い不透明な粒子8重量部を加え、アクリル樹脂
シロップ32重量部にタルク52.5重量部を加え、ベ
ンゾイルパーオキサイド0.32重量部、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート0.32重量部、ベンガ
ラ1.5重量部を加え、実施例1と同様な方法で硬化物
を得た。得られた硬化物は、透明粒子と不透明粒子のコ
ントラストにより、立体感に富んだ赤御影調の天然石に
酷似したものであった。第1表に示す通り強度的にも優
れた物品であった。
【0045】比較例1 実施例1で得た不透明粒子10重量部、透明粒子8重量
部に、アクリル樹脂シロップ30重量部に水酸化アルミ
52重量部を混合し、実施例1と同様の方法にて硬化物
を得た。得られた硬化物は、ベースが半透明である為
に、透明粒子が全体の中で目立たなくなってしまった。
【0046】比較例2 実施例2で得た透明粒子10重量部に、不透明粒子7重
量部にメタクリル酸メチル32重量部に、タルク51重
量部、カーボンブラック0.1重量部を加え、実施例1
と同様の方法で加熱硬化させ硬化物を得た。硬化物は全
体の透過率が高い為に粒子輪郭がぼやけてしまった。
【0047】比較例3 天然花崗岩を実施例1と同様の方法で粉砕し、半透明な
粒子を得た。この半透明な粒子10重量部に実施例1で
得た不透明な粒子10重量部、メタクリル酸メチル33
重量部、水酸化アルミ47重量部、カーボンブラック
1.5重量部を加え、実施例1と同様の方法にて加熱硬
化させ、高硬化物を得た。得られた硬化物は、黒御影調
の天然石に酷似した物品であったが、第2表に示すよう
に強度的に弱い物品であった。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、メタクリル酸メチル系
重合体と無機粉体とから成るマトリックスに、最大寸法
が10mm以下であり且つメタクリル酸メチルに溶解性
を有する不透明チップ粒子等を不規則に分布された状態
で含有させたことにより、不透明チップ粒子等とマトリ
ックスとの界面での結合が大幅に向上し、その結果とし
て、不透明チップ粒子等が比較的大粒である場合にも、
成形体の強度を顕著に向上させることができる。
【0051】本発明において、成形体の強度を低下させ
ることなく、不透明チップ粒子等を配合することが可能
となり、しかもこれらの不透明チップ粒子等は、比較的
大粒で、不規則に分布されているため、天然石に酷似し
た色柄、重量感、質感等が得られ、強度、耐久性、美観
に優れた建材等となる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸メチルを主体とする重合体
    20〜80重量部及び無機粉体80〜20重量部を含む
    マトリックスに、最大寸法が10mm以下であり且つメ
    タクリル酸メチルに溶解性を有する不透明チップ粒子或
    いは不透明チップ粒子と半透明乃至透明チップ粒子との
    組み合わせ0.1〜50重量部を不規則に分布された状
    態で含むことを特徴とする天然石状物品。
  2. 【請求項2】 前記チップ粒子が、この粒子をメタクリ
    ル酸メチルに完全に浸漬した場合(23℃±2℃、1日
    間)の寸法変化率が0.1〜20%以内である粒子であ
    る請求項1記載の物品。
  3. 【請求項3】 厚さ1.27mmとして、波長800n
    mに対する透過率が0.1%よりも小さい光線透過率を
    有する請求項1記載の物品。
  4. 【請求項4】 メタクリル酸メチルを主体とする重合体
    シラップ20〜80重量部及び無機粉体80〜20重量
    部を含むマトリックス用組成物に、最大寸法が10mm
    以下であり且つメタクリル酸メチルに溶解性を有する不
    透明チップ粒子或いは該不透明チップ粒子と半透明乃至
    透明チップ粒子との組み合わせ 0.1〜50重量部を
    混合し、不規則に分布された状態で分散させ、この混合
    物を型内でラジカル開始剤の存在下に重合成形すること
    を特徴とする天然石状物品の製法。
  5. 【請求項5】 前記粒子が、この粒子をメタクリル酸メ
    チルに完全に浸漬した場合(23℃±2℃、1日間)の
    寸法変化率が0.1〜20%以内である粒子である請求
    項4記載の製法。
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