JPH11255548A - ガラスフレーク片含有樹脂硬化物、及びこれを用いた人工大理石 - Google Patents

ガラスフレーク片含有樹脂硬化物、及びこれを用いた人工大理石

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JPH11255548A
JPH11255548A JP5854398A JP5854398A JPH11255548A JP H11255548 A JPH11255548 A JP H11255548A JP 5854398 A JP5854398 A JP 5854398A JP 5854398 A JP5854398 A JP 5854398A JP H11255548 A JPH11255548 A JP H11255548A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人工大理石本来の特徴を損なわずに、天然石
に似たきらめき感を付与する人工大理石用模様材、及び
これを用いた人工大理石の提供。 【解決手段】 ビニル系重合体(A)、無機充填材
(B)、ガラスフレーク片(C)を含有し、ビニル系重
合体(A)の室温における屈折率と、無機充填材(B)
の室温における屈折率との差が±0.02以内であるこ
とを特徴とするガラスフレーク片含有樹脂硬化物。該ガ
ラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を含有すること
を特徴とする人工大理石。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機充填材及びガ
ラスフレーク片を含有した、人工大理石用模様材として
有用な、透明性の良好なガラスフレーク片含有樹脂硬化
物に関するものである。また、本発明は、該ガラスフレ
ーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を含有した天然石調模様
の人工大理石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】天然石は、その優雅さから壁材、床材、
各種天板等として古くから使用されているが、重量が重
くまた硬いことから施工・加工が難しく、また表面が多
孔質であるので汚れを除去しにくい、長尺物の入手が難
しい、継ぎ目ができる等の欠点を有する。
【0003】これらの欠点を改良するために、従来から
人工大理石等の天然石調の樹脂成形品が開発されてお
り、優美な質感、優れた強度及び耐候性、施工・加工の
容易性等から、サニタリー分野を中心に、その使用量は
年々増加している。
【0004】天然石調樹脂成形品としては、メラミン化
粧板、表面のみ模様出しを施したゲルコート人工大理
石、アクリル系人工大理石、ポリエステル系人工大理石
等がある。これらは天然大理石に比べて軽量で無孔質で
あるが、前記のメラミン化粧板やゲルコート人工大理石
は、表面のみの模様出しであるために加工・補修が困難
であり、また衝撃に弱い等の欠点を有する。
【0005】一方、アクリル系人工大理石及びポリエス
テル系人工大理石は、ソリッド材特有の優美な質感を有
し、特にアクリル系人工大理石は、容易な加工性、優れ
た強度や耐衝撃性、耐候性を有する等の多くの長所を有
している。
【0006】天然石調模様のアクリル系、ポリエステル
系人工大理石としては、例えば、石英、孔雀石、大理
石、黒曜石等の砕石、あるいはABS樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の樹脂粉砕物から
なる透明/半透明/不透明粒子を分散させた人工大理石
が特公昭61−24357号公報等に提案されている。
【0007】しかし、石英等の硬質物からなる粒子を使
用した人工大理石は、加工性に劣る傾向にあり、特に、
表面研削や切断がうまくいかないことが多く、時には加
工機を破損することもある。
【0008】また、エポキシ樹脂やメラミン樹脂からな
る粒子は容易に帯電するため、製造工程において、この
樹脂粒子が装置の壁面等に付着、凝集しやすく、これが
生産上の問題の原因となることがある。
【0009】そこで、このような問題点を解決するた
め、樹脂組成物(不飽和ポリエステル−スチレン共重合
体やメタクリル酸ベンジル−エチレングリコールジメタ
クリレート共重合体)と水酸化アルミニウム等の軟質の
無機充填物とからなる有機−無機複合透明粒子が特開平
5−279575号公報等に提案されている。
【0010】しかし、これらの透明粒子は透明性が不十
分であり、該透明粒子を分散させた人工大理石の外観
は、天然石に酷似した優美なものではなく、特にきらめ
き感が天然石とは異なる傾向にある。
【0011】これに対して、天然石に似たきらめき感を
再現する目的で、例えば、特開昭59−171612号
公報、特開昭62−27363号公報、特開平6−17
2001号公報には、雲母を人工大理石の充填材や模様
材として用いることが開示されている。また、特公平6
−18999号公報や特開平3−139548号公報に
は、ガラスフレークを人工大理石の充填材や模様材とし
て用いることが開示されている。
【0012】しかし、これらに開示されている人工大理
石は、重合体と無機充填材とからなるマトリックスにフ
レーク状の雲母やガラスフレークが直接配合されている
ため、外観が平面的で奥行き感に欠け、やはり天然石と
は異なった質感となるという問題点を有している。
【0013】このように、人工大理石が本来持っている
特徴、すなわち均質で無孔質なソリッド材、硬質木材と
同等の施工・加工性、メンテナンスの容易さ、耐候性、
難燃性等を維持したまま、きらめき感を有し天然石に酷
似した外観を持つ人工大理石は知られていなかった。
【0014】このような問題を解決する手段として、本
発明者らは先に、ビニル系重合体、無機充填剤、雲母片
を含有し、ビニル系重合体の室温における屈折率と無機
充填剤の室温における屈折率との差が±0.02以内で
あることを特徴とする雲母片含有樹脂硬化物、及び該雲
母片含有樹脂硬化物の粉砕物を含有する人工大理石を提
案した(特願平9−274802号)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような提
案によって得られる人工大理石は、天然石に酷似した良
好な外観及び従来の人工大理石と同等の良好な加工性を
有するものの、耐汚染性や強度については、十分に満足
できるものではなかった。
【0016】この原因は定かではないが、雲母片の劈開
面に汚染物が含浸されると、通常の洗浄では汚染物が除
去されにくくなるために、耐汚染性が低下することがあ
り、また、雲母片の劈開性によって、強度が低下するこ
とがあるためと推定される。
【0017】本発明は、これら従来技術の問題点に鑑み
なされたものであり、その目的は、人工大理石本来の特
徴、特に耐汚染性や強度を損なわずに、天然石に似たき
らめき感を付与する人工大理石用模様材、及びこれを用
いた人工大理石を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討した結果、重合体と無機充填材からな
る特定の組成物に、ガラスフレーク片を分散させた樹脂
からなる模様材が、人工大理石に天然石に酷似した外観
を付与し、かつ耐汚染性や強度の低下を防ぐことを見い
だし、本発明を完成させた。
【0019】すなわち、本発明は、ビニル系重合体
(A)、無機充填材(B)、ガラスフレーク片(C)を
含有し、ビニル系重合体(A)の室温における屈折率
と、無機充填材(B)の室温における屈折率との差が±
0.02以内であることを特徴とするガラスフレーク片
含有樹脂硬化物に関するものであり、該ガラスフレーク
片含有樹脂硬化物の粉砕物を含有することを特徴とする
人工大理石に関するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】ビニル系重合体(A)は、その室
温における屈折率と、無機充填材(B)の室温における
屈折率との差が、±0.02以内である必要がある。こ
れは、ビニル系重合体(A)と無機充填材(B)との屈
折率の差が前記範囲を逸脱すると、得られるガラスフレ
ーク片含有樹脂硬化物の透明性が著しく低下し、この粉
砕物を人工大理石の模様材として使用した場合、得られ
る人工大理石の外観が天然石と異なったものになる傾向
にあるためである。
【0021】ビニル系重合体(A)の構成成分であるラ
ジカル重合性ビニル化合物(a)としては、ビニル系重
合体(A)の室温での屈折率が前記範囲内になる限りに
おいて、特に限定されるものではない。具体例として
は、炭素数1〜20のアルキル基を有する(メタ)アク
リル酸エステル;(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボ
ン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド等のマレイミド誘導体;2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート等のヒドロキシ基含有単量体;酢酸ビニル、
安息香酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニル、塩
化ビニリデン及びそれらの誘導体;(メタ)アクリルア
ミド、アクリロニトリル等の窒素含有単量体;グリシジ
ル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有単量体;ス
チレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の
分子中にエチレン性不飽和結合を有する芳香族ビニル化
合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−
ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−
ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロー
ルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1−ジメチロー
ルプロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチロ
ールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
エタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタ
ンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メ
タ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ア
リール(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリ
レートや、ジビニルベンゼン、ブタジエン等の分子中に
2個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物;エチ
レン系不飽和ポリカルボン酸を含む少なくとも1種の多
価カルボン酸と少なくとも1種のジオール類とから誘導
された不飽和ポリエステルプレポリマー;エポキシ基の
末端をアクリル変性することにより誘導されるビニルエ
ステルプレポリマー等を挙げることができる。
【0022】これらは、単独あるいは2種以上を併用し
て使用することができ、さらに、必要に応じて単量体の
一部を予め部分的に重合させたものを使用することもで
き、前記単量体から構成される他の重合体成分を使用す
ることもできるが、中でも、芳香族ビニル化合物と多官
能(メタ)アクリレートとの併用が好ましい。
【0023】これは、室温での屈折率が前記範囲内であ
るビニル系重合体(A)を得やすい傾向にあり、また、
本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を人
工大理石の模様材として使用する場合において、粉砕物
が人工大理石用組成物中で溶解、膨潤して粉砕物の境界
がぼやけることによって、人工大理石の外観が損なわれ
ることを防ぐことができる傾向にあるためである。必要
に応じて、その他のラジカル重合性ビニル化合物を併用
することもできる。
【0024】このように芳香族ビニル化合物と多官能
(メタ)アクリレートとを併用する場合、多官能(メ
タ)アクリレートとしては、2,2−ビス(4−(メ
タ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンのよ
うな、硬化物の室温における屈折率が1.55以上のも
のを用いるのが特に好ましい。これは、無機充填材
(B)として、水酸化アルミニウム等のような、室温に
おける屈折率が1.55〜1.59の範囲のものを使用
する場合に、重合体(A)の室温における屈折率を前記
範囲内に保ちやすい傾向にあるためである。
【0025】芳香族ビニル化合物と多官能(メタ)アク
リレートとを併用する場合には、その比率は、通常、多
官能(メタ)アクリレートが0.5〜99.5重量%、
芳香族ビニル化合物が0.5〜99.5重量%の範囲で
あることが好ましい。
【0026】本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物
中におけるビニル系重合体(A)の含有量は、目的とす
る特性により適宜選定することができるが、ガラスフレ
ーク片含有樹脂硬化物の総重量を基準にして10〜80
重量%の範囲であることが好ましい。これは、ビニル系
重合体(A)の含有量を10重量%以上とすることによ
って、得られるガラスフレーク片含有樹脂硬化物の成形
性や強度に優れる傾向にあり、80重量%以下とするこ
とによって、得られるガラスフレーク片含有樹脂硬化物
の帯電防止性や硬度が良好となる傾向にあるためであ
る。さらに好ましくは20〜75重量%の範囲である。
【0027】無機充填材(B)としては、ラジカル重合
性ビニル化合物(a)に不溶であり、かつ、その重合硬
化を妨害しないものであれば特に制限されるものではな
い。例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化ジルコニウム、アルミ
ナ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、
硫酸バリウム、シリカ、石英、タルク、クレー、硅藻
土、石膏、粉末ガラス、モンモリナイト、ベントナイ
ト、ピロフィライト、カオリン、粉末チョーク、大理
石、石灰岩、アスベスト、ムライト、硅酸アルミニウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、硅酸カルシウム、硬石
膏、α−クリストバライト、アルミナホワイト(一般式
[Al2SO4(OH)4・XH2O・2Al(O
H)3n)、エトリンジャイト、粘土と焼成後に色を呈
し得る無機物との混合物を焼成して得られた焼成体を粉
砕した微粉末等を挙げることができる。これらは、必要
に応じて単独あるいは2種以上を併用して使用すること
ができるが、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム
を使用すると得られるガラスフレーク片含有樹脂硬化物
に優れた難燃性や意匠性を付与することができる傾向に
あり好ましい。中でも、水酸化アルミニウムが特に好ま
しい。
【0028】無機充填材(B)の平均粒子径は、通常は
0.001〜200μmの範囲であることが好ましい。
これは、この範囲において、ガラスフレーク片含有樹脂
硬化物の成形性が良好となる傾向にあるためである。好
ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜80μm
の範囲である。
【0029】本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物
中における無機充填材(B)の含有量は、目的とする特
性により適宜選定することができるが、ガラスフレーク
片含有樹脂硬化物の総重量を基準にして10〜80重量
%の範囲であることが好ましい。これは、無機充填材
(B)の含有量を10重量%以上とすることによって、
得られるガラスフレーク片含有樹脂硬化物の帯電防止性
や硬度、耐熱性、難燃性等が良好となる傾向にあり、8
0重量%以下とすることによって、得られるガラスフレ
ーク片含有樹脂硬化物の透明性や強度等が良好となる傾
向にあるためである。
【0030】好ましくは20〜70重量%、さらに好ま
しくは30〜70重量%の範囲である。
【0031】また、必要に応じて、無機充填材(B)の
表面をシラン系カップリング剤、チタネート系カップリ
ング剤、アルミニウム系カップリング剤、ステアリン酸
系及びリン酸系表面処理剤等で処理して用いることもで
きる。これら処理剤は、単独あるいは2種以上を併用し
て使用することができる。
【0032】ガラスフレーク片(C)としては、特に制
限はなく、通常のガラスフレークが使用可能である。ま
た、必要に応じて、各種の金属化合物で表面コーティン
グしたガラスフレークも使用することができる。金属化
合物としては、酸化チタンや銀、ニッケル等が挙げられ
る。これらの金属化合物で表面コーティングしたガラス
フレーク片を使用した場合、得られる人工大理石のきら
めき感が強くなる。従って、これを含有する樹脂の粉砕
物を人工大理石の模様材として使用した場合、少量の添
加量で天然石に似たきらめき感を人工大理石に付与でき
る傾向にあり好ましい。
【0033】ガラスフレーク片(C)の最大粒子径の平
均は、0.1〜50mmの範囲であることが好ましい。
これは、最大粒子径の平均を0.1mm以上とすること
によって、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の
粉砕物を人工大理石の模様材として使用した場合に、得
られる人工大理石に天然石に似たきらめき感が発現され
る傾向にあり、50mm以下とすることによって、本発
明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の成形性が良好と
なり、さらに本発明の人工大理石の耐汚染性が良好とな
る傾向にあるためである。好ましくは0.1〜10mm
の範囲であり、さらに好ましくは0.2〜7mmの範囲
である。
【0034】ガラスフレーク片(C)の含有量は、目的
とする特性により適宜選定することができるが、ガラス
フレーク片含有樹脂硬化物の総重量を基準にして0.0
5〜30重量%の範囲であることが好ましい。これは、
含有量を0.05重量%以上とすることによって、本発
明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を人工大
理石の模様材として使用した場合に、得られる人工大理
石に天然石に似たきらめき感が発現される傾向にあり、
30重量%以下とすることによって、本発明のガラスフ
レーク片含有樹脂硬化物の成形性が良好となる傾向にあ
るためである。より好ましくは0.1〜20重量%の範
囲である。
【0035】さらに、無機充填材(B)とガラスフレー
ク片(C)との合計が、ガラスフレーク片含有樹脂硬化
物の総重量を基準にして25〜75重量%の範囲である
ことが好ましく、無機充填材(B)/ガラスフレーク片
(C)の重量比が1000以下であることが好ましい。
無機充填材(B)/ガラスフレーク片(C)の重量比の
より好ましい重量比は1〜700の範囲であり、さらに
好ましくは5〜700の範囲である。
【0036】また、必要に応じてガラスフレーク片
(C)表面をシラン系カップリング剤、チタネート系カ
ップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ステア
リン酸系及びリン酸系表面処理剤等で処理して用いるこ
ともできる。これら処理剤は、単独あるいは2種以上を
併用して使用することができる。
【0037】本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物
は、前記のラジカル重合性ビニル化合物(a)、無機充
填材(B)、及びガラスフレーク片(C)を含有する混
合物を成形硬化することによって得られるものである。
この場合、ラジカル重合性ビニル化合物(a)として
は、前記の単量体成分と重合体成分から構成される重合
性シラップであってもよい。
【0038】重合体成分としては、必要に応じて適宜選
定して使用することが可能であるが、例えば、ポリスチ
レン、スチレン−(メタ)アクリレート共重合体、スチ
レン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体等の芳香族ビニル系(共)重合体を挙げることがで
きる。これらは単独、または二種以上併用して用いるこ
とができるが、中でもポリスチレンやスチレン−(メ
タ)アクリレート共重合体が好ましい。
【0039】重合性シラップとしては、前記単量体成分
に重合体成分を混合したものでも良く、単量体成分の一
部を部分的に重合させたものでも良い。
【0040】このように、ラジカル重合性ビニル化合物
(a)として重合性シラップ中に重合体成分を含有させ
ると、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物を成形
硬化する際の収縮が小さくなり、且つクラックの発生を
防止することができる。
【0041】重合性シラップを使用する場合には、単量
体成分の比率が、多官能(メタ)アクリレート5〜80
重量%、芳香族ビニル化合物が95〜20重量%の範囲
であることが好ましい。これは、単量体成分中の多官能
(メタ)アクリレート量が5重量%以上の場合におい
て、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の加熱・
加圧成形による生産性が良好となる傾向にあり、80重
量%以下の場合において、ビニル系重合体(A)と無機
充填材(B)との屈折率の差を前記範囲内に調整するこ
とが容易となる傾向にあるためである。
【0042】また、本発明のガラスフレーク片含有樹脂
硬化物を加圧下に加熱して成形硬化する場合には、構成
成分の混合物の取り扱い性を良好なものとするために、
適当な増粘剤を添加して増粘させることができる。例え
ば、酸化マグネシウムによるイオン架橋反応等の増粘方
法が利用できるが、中でも、嵩密度が0.1〜0.9g
/mlの範囲であり、且つアマニ油に対する吸油量が1
0〜200ml/100gの範囲である重合体粉末を増
粘剤として用いると、混合物の取り扱い性が大幅に改善
される傾向にある。
【0043】さらに、本発明の効果を損なわない範囲
で、難燃剤、着色剤、強化材、紫外線吸収剤、熱安定
剤、離型剤、顔料、沈降防止剤等の添加剤を、本発明の
ガラスフレーク片含有樹脂硬化物に配合することができ
る。
【0044】本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物
を構成する、前記のラジカル重合性ビニル化合物
(a)、無機充填材(B)、及びガラスフレーク片
(C)を含有する混合物を得る方法(添加順序、混練方
法等)には特に制限はなく、各成分及び必要に応じてそ
の他の成分を添加して、高速撹拌機や混練ロール、ニー
ダー等公知の混合・混練機器を用いて均一に混練するこ
とにより得ることができる。
【0045】また、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の
成形方法にも特に制限はなく、注型成形法、加圧成形
法、押し出し成形法、トランスファー成形法等が適用で
き、これらを用いて成形した後に重合硬化させることに
より成形品を得ることができる。
【0046】本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物
の重合硬化方法としては特に制限はなく、例えば、ラジ
カル重合開始剤の存在下又は非存在下に加熱する方法、
ラジカル重合開始剤と促進剤からなるいわゆるレドック
ス系による方法等の任意の方法で行うことができる。
2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のア
ゾ化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の有
機過酸化物及びこれらのレドックス系の重合開始剤等は
そのような開始剤の例であり、これらを単独、あるいは
二種類以上を併用して使用することができる。重合開始
剤が有機過酸化物の場合は、重合促進剤として第三級ア
ミンを用いることもできる。また、例えばt−ブチルパ
ーオキシマレイン酸等の飽和第三級アルキルパーオキシ
マレイン酸と塩基性金属化合物を反応させたマレイン酸
のヘミパーエステル類に、重合促進剤として水、エチレ
ングリコールジメルカプトアセテート等のメルカプタン
化合物、硫黄のオキソ酸塩またはその遊酸塩である硫黄
活性剤等を組み合わせた系も用いることができる。これ
らの重合開始剤系は、製造者が所望する重合硬化条件
(温度、時間、コスト等)によって適宜選定することが
できる。
【0047】本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物
の注型成形法を例示すると、まず前記の方法により注型
用混合物を製造し、周辺をガスケットでシールし、対向
させた二枚の無機ガラス板または金属板の間に、この混
合物を注入して加熱する方法(セルキャスト法)や、同
一方向に同一速度で進行する二枚の金属製エンドレスベ
ルトとガスケットとでシールされた空間、あるいは一枚
の金属製エンドレスベルトと一枚の樹脂フィルムとガス
ケットとでシールされた空間の上流から、連続的に注入
して加熱する方法(連続キャスト法)等によって成形す
ることができる。この際、成形物の離型性、意匠性等を
考慮して、無機ガラス板や金属板の表面を、ポリビニル
アルコールやポリエステル等の樹脂フィルムで覆って成
形することもできる。
【0048】また本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬
化物の加熱・加圧成形法を例示すると、まず前記の方法
により加熱・加圧成形用混合物を製造し、これを成形型
内に充填し、これを加熱・加圧硬化させる。加熱温度と
しては、通常60〜180℃、好ましくは80〜150
℃の範囲が望ましい。また、加圧条件としては10〜5
00kg/cm2、好ましくは20〜250kg/cm2
の範囲である。
【0049】上記した方法により得られたガラスフレー
ク片含有樹脂硬化物は優れた透明性と天然石に似たきら
めき感を有しており、特に該樹脂の粉砕物を人工大理石
の模様材として使用した場合、該人工大理石外観を天然
石に酷似した非常に優美なものとすることができる。
【0050】上記した方法により得たガラスフレーク片
含有樹脂硬化物は、機械的に粉砕して所望の大きさにす
る。粉砕物の大きさは、大きい程、より天然石に近い外
観を人工大理石に与える傾向にある。しかし、ガラスフ
レーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を分散させた人工大理
石は、粉砕物の粒子径の半分の深さを表面研削した場合
に、人工大理石表面に粉砕物が引き出て、より天然石に
近い外観が得られるので、粉砕物の大きさが小さい程、
表面研削は容易になる。このことからガラスフレーク片
含有樹脂硬化物の粉砕物の大きさは、粒子径0.2〜1
0mm程度が好ましい。
【0051】ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕方
法としてはボールミル、ロッドミル、塔式磨砕機、振動
ミル、ブレーキクラッシャー、ハンマーミル、ジェット
ミル、流動粉砕等の粉砕方法が使用できる。粉砕された
粒子は角張っており、人工大理石に自然に近い外観をも
たらす。
【0052】人工大理石中の粉砕物の含有量は、目的と
する人工大理石の特性(特に表面外観)に応じて適宜選
定することができるが、通常、人工大理石の総重量を基
準にして、0.5〜80重量%、好ましくは2〜60重
量%の範囲で使用される。粉砕物の含有量を0.5重量
%以上とすることによって、天然石調模様の意匠性が良
好になり、含有量を80重量%以下とすることによっ
て、天然石調模様の意匠性が良好になり、また強度等の
特性が良好になる傾向にある。
【0053】また、本発明のガラスフレーク片含有樹脂
硬化物は、優れた透明性を有することが必要であり、A
STM D1003に準じて厚さ0.3mmのシートで
全光線透過率を測定したときの値が70%以上であるこ
とが好ましい。より好ましくは80%以上である。全光
線透過率が70%以上の場合に、ガラスフレーク片含有
樹脂硬化物の透明性が充分となり、天然石に酷似した外
観を人工大理石に付与することができる傾向にある。
【0054】さらに、本発明のガラスフレーク片含有樹
脂硬化物としては、その静電気帯電量が小さいものが好
ましく、JIS K6911に準じて表面抵抗値を測定
したときの値が1.0×1015Ω以下であることが好ま
しい。これは、表面抵抗値を1.0×1015Ω以下とす
ることによって、樹脂の粉砕物の輸送や粉砕工程で静電
気が発生しにくくなることに伴って、樹脂粒子が装置の
壁面等に付着・凝集しにくくなる傾向にあるためであ
る。
【0055】本発明の人工大理石は、本発明のガラスフ
レーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を含有するものであ
り、これによって、人工大理石本来の特徴を損なわず
に、天然石に似たきらめき感が付与されるものである。
【0056】本発明の人工大理石は、単量体成分や重合
体成分から構成される重合性シラップ、無機充填剤、及
び本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物からなる混
合物を成形硬化することによって製造されるものであ
る。
【0057】本発明の人工大理石で使用される重合性シ
ラップとしては、例えば、前記の本発明のガラスフレー
ク片含有樹脂硬化物の構成成分から適宜選定して使用す
ることができるが、単量体成分としては、メチルメタク
リレート、または(メタ)アクリル系単量体混合物が好
ましく、重合体成分としては、ポリメチルメタクリレー
ト、またはアクリル系共重合体が好ましい。また、必要
に応じて、前記の本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬
化物の構成成分として列挙しているような多官能(メ
タ)アクリレートを架橋剤として使用することができ
る。
【0058】本発明の人工大理石で使用される無機充填
剤としては、例えば、前記の本発明のガラスフレーク片
含有樹脂硬化物の構成成分から適宜選定して使用するこ
とができるが、中でも、水酸化アルミニウムが好まし
い。
【0059】また、本発明の効果を損なわない範囲で、
難燃剤、着色剤、強化材、紫外線吸収剤、熱安定剤、離
型剤、顔料、沈降防止剤等の添加剤を本発明の人工大理
石に配合することもできる。
【0060】本発明において、ガラスフレーク片含有樹
脂硬化物の粉砕物を含有した人工大理石用混合物を得る
方法(添加順序、混練方法等)に特に制限はなく、本発
明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物を製造する場合と
同様に、各成分及び必要に応じてその他の成分を添加し
て、高速撹拌機や混練ロール、ニーダー等公知の混合・
混練機器を用いて均一に混練することにより得ることが
できる。
【0061】人工大理石用混合物の重合硬化方法として
は特に制限はなく、例えば、前記の本発明のガラスフレ
ーク片含有樹脂硬化物を製造する方法と同様な方法を挙
げることができる。
【0062】また、人工大理石の成形方法も特に制限は
なく、前記の本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物
を製造する場合と同様に、注型成形法、加圧成形法、押
し出し成形法、トランスファー成形法等の各種成形法が
適用でき、これらを用いて成形した後、重合硬化させる
ことにより目的とする人工大理石を得ることができる。
【0063】なお、加圧成形法、射出成形法、及びトラ
ンスファー成形法を適用する場合には、成形される物品
の金型形状、使用される人工大理石用組成物の物性によ
り、成形温度は70〜180℃、好ましくは80〜15
0℃、成形圧力は20〜500kg/cm2、好ましく
は20〜250kg/cm2、成形時間は1〜30分
間、好ましくは2〜20分間の範囲で選択することがで
きる。また重合に伴い体積収縮が起きやすいので、使用
する金型には、体積収縮に伴ってキャビティーの体積を
厚み方向に減少させ得る構造であることが好ましい。
【0064】ガラスフレーク片含有組成物の粉砕物が分
散した人工大理石は、表面を研削することにより表面に
現れる粉砕物の大きさが大きくなり、より天然石に近い
外観を与える。そのためには粉砕物のうち最大なものの
粒子径の少なくとも半分以上の深さで、その表面を研削
するのが好ましい。
【0065】さらに好ましくは、人工大理石表面の光沢
を上げることによって、粉砕物の存在感が高まり、より
一層意匠性を高めることができる。
【0066】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるもの
ではない。以下の実施例において「部」は特記のない限
り「重量部」を意味する。なお評価方法は以下の通りで
ある。
【0067】・外観:目視により評価した。 ◎:きらめき感が天然石に酷似した非常に優美な外観 ○:天然石に類似したきらめき感を有する優美な外観 △:きらめき感が異なるため、天然石とは趣が異なる外
観 ×:きらめき感がなく、従来の人工大理石と相違のない
外観 ・全光線透過率:ヘーズメータ(スガ試験機(株)製、
HGM−2DP)を使用して、ASTM D1003に
準じて厚さ0.3mmのシートを用いて測定した。
【0068】・表面抵抗値:ULTRA MEGOHM
METER(東亜電波工業(株)製、SM−10E)を
使用し、JIS K6911に準じて測定した。
【0069】・耐汚染性:3種類の汚染物(口紅、靴
墨、髪染め)で表面を汚染後、23℃で24時間放置
し、次いで以下の方法で順次洗浄し、汚染物が完全に除
去できた際の洗浄方法の点数で評価した。 1)水洗 1点 2)中性洗剤による洗浄 2点 3)クレンザーによる洗浄 3点 4)サンドペーパーによる研磨 4点 ・曲げ試験:JIS K7203に準拠して測定した。
【0070】[実施例1]スチレン70部、2,2−ビ
ス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパ
ン(新中村化学(株)製、商品名:BPE−80N)
(以下、80Nと略す)30部の混合モノマー溶液を予
め重合率20重量%にまで予備重合した混合シラップに
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)(以下、AVNと略す)3部を溶解させた。なお、
この混合シラップの硬化物の室温での屈折率は1.58
であった。
【0071】次いで、該混合シラップ40部に対して、
水酸化アルミニウム(以下、ATHと略す)(日本軽金
属(株)製、商品名:BW103、屈折率:1.57)
57部、ガラスフレーク片(日本板硝子(株)製、商品
名:REF−600)(以下、G−Fと略す)3部を添
加、撹拌機で混合して鋳込み原料を調製した。この鋳込
み原料中には、ATHが57重量%、G−Fが3重量%
配合されている。
【0072】調製した鋳込み原料を減圧にして溶存空気
を除去した後、これをガスケット及び2枚のステンレス
製鋼板(ポリエステルフィルムで表面を覆ったもの)に
より形成され、あらかじめ厚さ3mmになるように設定
されたセル中に注いだ。その後、80℃において4時
間、120℃において2時間重合を行い、透明性良好で
きらめき感を有するガラスフレーク片含有樹脂硬化物を
得た。
【0073】この成形品の表面抵抗値は1.2×1012
Ωであった。
【0074】また、この成形品のG−Fを除いた部分の
全光線透過率を測定するために、G−Fを入れずに、前
述と同様の方法で0.3mm厚の成形品を作製して全光
線透過率を測定すると90%であった。
【0075】[実施例2]スチレン75部、予め重合率
20重量%にまで予備重合したポリスチレンシラップ
(以下、ST−SPと略す)20部、エチレングリコー
ルジメタクリレート(以下、EDMAと略す)5部の混
合モノマー溶液にAVN3部を溶解させた。なお、この
混合シラップの硬化物の室温での屈折率は1.59であ
った。
【0076】次いで、該混合シラップ40部に対して、
ATH57部、G−F3部、沈降防止剤として不定形シ
リカ微粒子(日本アエロジル(株)製、商品名:アエロ
ジル300)0.5部を添加、撹拌機で混合して鋳込み
原料を調製した。この鋳込み原料中には、ATHが57
重量%、G−Fが3重量%配合されている。
【0077】調製した鋳込み原料を、実施例1と同様に
して成形・重合硬化して、透明性良好できらめき感を有
するガラスフレーク片含有樹脂硬化物を得た。なお、こ
の成形品の表面抵抗値は1.3×1012Ωであった。
【0078】また、この成形品のG−Fを除いた部分の
全光線透過率を測定するために、G−Fを入れずに、前
述と同様の方法で0.3mm厚の成形品を作製して全光
線透過率を測定すると87%であった。
【0079】[実施例3]G−Fの代わりに金属コーテ
ィングガラスフレーク片(日本板硝子(株)製、商品
名:メタシャインRCFSX−5600TS、酸化チタ
ンコーティング)(以下、MG−Fと略す)を用いたこ
と以外は実施例1と同様にして、ガラスフレーク片含有
樹脂硬化物を得た。
【0080】なお、この混合シラップの硬化物の室温で
の屈折率は1.58であり、また成形品の表面抵抗値は
1.0×1012Ωであった。
【0081】また、この成形品のMG−Fを除いた部分
の全光線透過率を測定するために、MG−Fを入れず
に、前述と同様の方法で0.3mm厚の成形品を作製し
て全光線透過率を測定すると90%であった。
【0082】[比較例1]混合モノマー溶液として、メ
チルメタクリレート(以下、MMAと略す)97部、E
DMA3部の混合モノマー溶液を用いたこと以外は、実
施例1と同様にしてガラスフレーク片含有成形品を得
た。
【0083】なお、混合モノマー溶液の硬化物の室温で
の屈折率は1.49であり、また成形品の表面抵抗値は
1.5×1012Ωであった。さらに、この成形品のG−
Fを除いた部分の0.3mm厚での全光線透過率は32
%であった。
【0084】得られたガラスフレーク片含有成形品の透
明性は低く、ガラスフレーク片によるきらめき感もはっ
きりとしないものであった。
【0085】[比較例2]スチレン70部、80N30
部の混合モノマー溶液を予め重合率20重量%にまで予
備重合した混合シラップにAVN3部を溶解させた。な
お、この混合シラップの硬化物の室温での屈折率は1.
58であった。
【0086】次いで、該混合シラップ40部に対して、
ATH60部を添加、撹拌機で混合して鋳込み原料を調
製した。この鋳込み原料中には、ATHが60重量%配
合されている。
【0087】調製した鋳込み原料を、実施例1と同様に
して成形、重合硬化を行い成形品を得た。
【0088】なお、この成形品の表面抵抗値は1.2×
1012Ωであり、またこの成形品の0.3mm厚での全
光線透過率は88%であった。
【0089】得られた成形品は透明性は高いものの、ガ
ラスフレークを含有していないため、きらめき感のない
均一な成形品であった。
【0090】[参考例1]G−Fの代わりに雲母片
((株)山口雲母工業所製、商品名:C−113)(以
下、MICAと略す)を用いたこと以外は、実施例1と
同様にして雲母片含有成形品を得た。
【0091】なお、混合モノマー溶液の硬化物の室温で
の屈折率は1.58であり、成形品の表面抵抗値は1.
2×1012Ωであった。さらに、この成形品のMICA
を除いた部分の0.3mm厚での全光線透過率は90%
であった。
【0092】[参考例2](人工大理石用黒色模様材の
作製) 比較例1で用いたのと同じ混合シラップ40部に対し
て、ATH60部、アクリル樹脂用黒トナー(大日精化
工業(株)製、商品名:AT−854)2部を添加する
こと以外は、実施例1と同様にして黒色成形品を得た。
【0093】[参考例3](粉砕による、人工大理石用
模様材の作製) 実施例1〜3、比較例1〜2、参考例1〜2で各々得た
成形品を粉砕機で粉砕後、ふるいで分級することによ
り、粒径5〜0.2mmの人工大理石用模様材(X−
1)〜(X−7)を得た。この際、各粒子は粉砕機やふ
るいの壁面に付着することはなく、各粒子に静電気が帯
電している様子は見られなかった。
【0094】各粒子の組成及び物性値を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】1)ST−SP:予め重合率20重量%に
まで予備重合したポリスチレンシラップ 2)MMA:メチルメタクリレート 3)EDMA:エチレングリコールジメタクリレート 4)80N:2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエ
トキシフェニル)プロパン(新中村化学(株)製、商品
名:BPE−80N) 5)ATH:水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)
製、商品名:BW103) 6)G−F:ガラスフレーク片(日本板硝子(株)製、
商品名:REF−600) 7)MG−F:金属コーティングガラスフレーク片(日
本板硝子(株)製、商品名:RCFSX−5600T
S、酸化チタンコーティング) 8)MICA:雲母片((株)山口雲母工業所製、商品
名:C−113) 9)黒色トナー:アクリル樹脂用黒トナー(大日精化工
業(株)製、商品名:AT−854) 10)シリカ微粒子:不定形シリカ微粒子(日本アエロ
ジル(株)製、商品名:アエロジル300)[実施例
4]MMA17部に、予め重合率20重量%にまで予備
重合したMMAシラップ15部、EDMA0.15部、
AVN0.1部を溶解させた後、ATH(日本軽金属
(株)製、商品名:BW53)47部、白色顔料(ハー
ウィックケミカルコーポレーション製、商品名:Sta
n−Tone White)0.9部、実施例1で得た
成形品を粉砕した粒子(X−1)16部、参考例1で得
た成形品を粉砕した黒色粒子(X−7)5部を添加、撹
拌機で混合して鋳込み原料を調製した。
【0097】調製した鋳込み原料を実施例1と同様にし
て成形、重合硬化して、各粒子がシート表面、深さ方向
に均一に分散した人工大理石を得た。この人工大理石
は、従来の人工大理石よりも天然石に近い外観を有し、
意匠性の高いものであった。
【0098】なお、この人工大理石のマトリックス部分
の0.3mm厚での全光線透過率を測定するために、各
粒子(X−1)、(X−7)を入れずに、前述と同様の
方法で人工大理石を作製し、全光線透過率を測定すると
42%であった。
【0099】各粒子(X−1)、(X−7)が分散した
人工大理石の表面を、木工用プレーナーで約0.5mm
の深さに削った後、600番サンドペーパーで表面研磨
した。
【0100】表面研削・研磨する前は、人工大理石の表
面に見える各粒子の大きさは実際の半分以下であり、且
つぼやけて見えたが、表面研削・研磨後は、表面に見え
る各粒子の大きさは実際の粒子径と同程度であり、且つ
鮮明に見え、天然石により近い外観を出すことができ
た。
【0101】さらに、800番サンドペーパーで研磨し
た後、研磨用コンパウンドで鏡面まで磨くと、各粒子と
マトリックスとのコントラストが大きくなり、より意匠
性に優れた人工大理石に加工することができた。
【0102】また、得られた人工大理石の耐汚染性及び
曲げ強度は、表2に示すように非常に優れたものであっ
た。
【0103】[実施例5]粒子(X−1)の代わりに実
施例2で得た透明粒子(X−2)を用いたこと以外は、
実施例4と同様にして人工大理石を得た。この人工大理
石は、従来の人工大理石よりも天然石に近い外観を有
し、意匠性の高いものであった。
【0104】さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨
を施すことにより、各粒子とマトリックスとのコントラ
ストがより大きくなり、より意匠性に優れた人工大理石
に加工することができた。
【0105】また、得られた人工大理石の耐汚染性及び
曲げ強度は、表2に示すように非常に優れたものであっ
た。
【0106】[実施例6]粒子(X−1)の代わりに実
施例3で得た透明粒子(X−3)を用いたこと以外は、
実施例4と同様にして人工大理石を得た。この人工大理
石は、従来の人工大理石よりも遙かに天然石に近い外観
を有し、非常に意匠性の高いものであった。
【0107】さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨
を施すことにより、各粒子とマトリックスとのコントラ
ストがより大きくなり、より意匠性に優れた人工大理石
に加工することができた。
【0108】また、得られた人工大理石の耐汚染性及び
曲げ強度は、表2に示すように非常に優れたものであっ
た。
【0109】[比較例3]粒子(X−1)の代わりに比
較例1で得た成形品を粉砕した粒子(X−4)を用いた
こと以外は、実施例4と同様にして人工大理石を得た。
しかしその外観はガラスフレーク片含有粒子(X−4)
の透明感が低いため、ガラスフレーク片によるきらめき
感が殆ど現出せず、天然石の外観とは異なるが、人工大
理石としては新規な外観であった。
【0110】さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨
を施したが、天然石調の外観は得られなかった。
【0111】[比較例4]粒子(X−1)の代わりに比
較例2で得た成形品を粉砕した粒子(X−5)を用いた
こと以外は、実施例4と同様にして人工大理石を得た。
しかしその外観はきらめき感のない均一な透明粒子が分
散しているのみで、従来の人工大理石と殆ど相違なく、
天然石の外観とは異なるものであった。
【0112】さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨
を施したが、天然石調の外観は得られなかった。
【0113】[比較例5]粒子(X−1)の代わりに参
考例1で得た成形品を粉砕した粒子(X−6)を用いた
こと以外は、実施例4と同様にして人工大理石を得た。
その外観は従来の人工大理石よりも天然石に近い外観を
有し、意匠性の高いものであった。
【0114】さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨
を施すことにより、各粒子とマトリックスとのコントラ
ストがより大きくなり、より意匠性に優れた人工大理石
に加工することができた。
【0115】しかし、得られた人工大理石は、実施例の
人工大理石と比較して、耐汚染性や曲げ強度に劣ってい
た。
【0116】[比較例6]鋳込み原料として、MMA2
8部に、予め重合率20重量%にまで予備重合したMM
Aシラップ15部、EDMA0.15部、AVN0.1
部を溶解させた後、ATH(日本軽金属(株)製、商品
名:BW53)47部、白色顔料(ハーウィックケミカ
ルコーポレーション製、商品名:Stan−Tone
White)0.9部、粒子(X−7)5部、G−F5
部を用いたこと以外は、実施例4と同様にして人工大理
石を得た。
【0117】しかし、その外観はG−Fによりきらめき
感はあるものの平面的で奥行き感に欠け、従来の石目調
人工大理石の外観と殆ど相違ないものであった。
【0118】さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨
を施したが、従来の人工大理石と比較して新規な外観は
得られなかった。
【0119】
【表2】
【0120】11)MMA:メチルメタクリレート 12)MMAシラップ:予め重合率20重量%にまで予
備重合したMMAシラップ 13)EDMA:エチレングリコールジメタクリレート 14)ATH:水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)
製、商品名:BW53) 15)白色顔料:ハーウィックケミカルコーポレーショ
ン製、商品名:Stan−Tone White 16)X−1:実施例1で得たガラスフレーク片含有成
形品を粉砕した粒子 17)X−2:実施例2で得たガラスフレーク片含有成
形品を粉砕した粒子 18)X−3:実施例3で得たガラスフレーク片含有成
形品を粉砕した粒子 19)X−4:比較例1で得たガラスフレーク片含有成
形品を粉砕した粒子 20)X−5:比較例2で得た成形品を粉砕した粒子 21)X−6:参考例1で得た雲母片含有成形品を粉砕
した粒子 22)X−7:参考例2で得た黒色成形品を粉砕した粒
子 23)G−F:ガラスフレーク片(日本板硝子(株)
製、商品名:REF−600)
【0121】
【発明の効果】本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化
物は、優れた透明性と意匠性の高いきらめき感を有する
ものであり、特に人工大理石の模様材として有用であ
る。すなわち、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化
物の粉砕粒子が分散した人工大理石の外観は、天然石に
酷似したきらめき感を有し、非常に優美なものであるだ
けでなく、耐汚染性や高強度、施工・加工性、メンテナ
ンスの容易さ等の人工大理石の本来の特徴を維持してい
る。よって、本発明の人工大理石は、施工・加工性が特
に要求されるカウンターやキッチン家具の天板や床板等
に特に有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系重合体(A)、無機充填材
    (B)、ガラスフレーク片(C)を含有し、ビニル系重
    合体(A)の室温における屈折率と、無機充填材(B)
    の室温における屈折率との差が±0.02以内であるこ
    とを特徴とするガラスフレーク片含有樹脂硬化物。
  2. 【請求項2】 無機充填材(B)が水酸化アルミニウム
    であることを特徴とする請求項1記載のガラスフレーク
    片含有樹脂硬化物。
  3. 【請求項3】 ビニル系重合体(A)と無機充填材
    (B)からなる部分の全光線透過率が70%以上である
    ことを特徴とする請求項1記載のガラスフレーク片含有
    樹脂硬化物。
  4. 【請求項4】 ビニル系重合体(A)が多官能(メタ)
    アクリレートと芳香族ビニル化合物との共重合体からな
    ることを特徴とする請求項1記載のガラスフレーク片含
    有樹脂硬化物。
  5. 【請求項5】 表面抵抗値が1.0×1015Ω以下であ
    ることを特徴とする請求項1記載のガラスフレーク片含
    有樹脂硬化物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のガラスフレーク片含有樹
    脂硬化物の粉砕物を含有することを特徴とする人工大理
    石。
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