JP3682160B2 - ガラスフレーク片含有樹脂硬化物、及びこれを用いた人工大理石 - Google Patents
ガラスフレーク片含有樹脂硬化物、及びこれを用いた人工大理石 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3682160B2 JP3682160B2 JP5854398A JP5854398A JP3682160B2 JP 3682160 B2 JP3682160 B2 JP 3682160B2 JP 5854398 A JP5854398 A JP 5854398A JP 5854398 A JP5854398 A JP 5854398A JP 3682160 B2 JP3682160 B2 JP 3682160B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- artificial marble
- glass flake
- cured product
- containing resin
- resin cured
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機充填材及びガラスフレーク片を含有した、人工大理石用模様材として有用な、透明性の良好なガラスフレーク片含有樹脂硬化物に関するものである。また、本発明は、該ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を含有した天然石調模様の人工大理石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
天然石は、その優雅さから壁材、床材、各種天板等として古くから使用されているが、重量が重くまた硬いことから施工・加工が難しく、また表面が多孔質であるので汚れを除去しにくい、長尺物の入手が難しい、継ぎ目ができる等の欠点を有する。
【0003】
これらの欠点を改良するために、従来から人工大理石等の天然石調の樹脂成形品が開発されており、優美な質感、優れた強度及び耐候性、施工・加工の容易性等から、サニタリー分野を中心に、その使用量は年々増加している。
【0004】
天然石調樹脂成形品としては、メラミン化粧板、表面のみ模様出しを施したゲルコート人工大理石、アクリル系人工大理石、ポリエステル系人工大理石等がある。これらは天然大理石に比べて軽量で無孔質であるが、前記のメラミン化粧板やゲルコート人工大理石は、表面のみの模様出しであるために加工・補修が困難であり、また衝撃に弱い等の欠点を有する。
【0005】
一方、アクリル系人工大理石及びポリエステル系人工大理石は、ソリッド材特有の優美な質感を有し、特にアクリル系人工大理石は、容易な加工性、優れた強度や耐衝撃性、耐候性を有する等の多くの長所を有している。
【0006】
天然石調模様のアクリル系、ポリエステル系人工大理石としては、例えば、石英、孔雀石、大理石、黒曜石等の砕石、あるいはABS樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の樹脂粉砕物からなる透明/半透明/不透明粒子を分散させた人工大理石が特公昭61−24357号公報等に提案されている。
【0007】
しかし、石英等の硬質物からなる粒子を使用した人工大理石は、加工性に劣る傾向にあり、特に、表面研削や切断がうまくいかないことが多く、時には加工機を破損することもある。
【0008】
また、エポキシ樹脂やメラミン樹脂からなる粒子は容易に帯電するため、製造工程において、この樹脂粒子が装置の壁面等に付着、凝集しやすく、これが生産上の問題の原因となることがある。
【0009】
そこで、このような問題点を解決するため、樹脂組成物(不飽和ポリエステル−スチレン共重合体やメタクリル酸ベンジル−エチレングリコールジメタクリレート共重合体)と水酸化アルミニウム等の軟質の無機充填物とからなる有機−無機複合透明粒子が特開平5−279575号公報等に提案されている。
【0010】
しかし、これらの透明粒子は透明性が不十分であり、該透明粒子を分散させた人工大理石の外観は、天然石に酷似した優美なものではなく、特にきらめき感が天然石とは異なる傾向にある。
【0011】
これに対して、天然石に似たきらめき感を再現する目的で、例えば、特開昭59−171612号公報、特開昭62−27363号公報、特開平6−172001号公報には、雲母を人工大理石の充填材や模様材として用いることが開示されている。また、特公平6−18999号公報や特開平3−139548号公報には、ガラスフレークを人工大理石の充填材や模様材として用いることが開示されている。
【0012】
しかし、これらに開示されている人工大理石は、重合体と無機充填材とからなるマトリックスにフレーク状の雲母やガラスフレークが直接配合されているため、外観が平面的で奥行き感に欠け、やはり天然石とは異なった質感となるという問題点を有している。
【0013】
このように、人工大理石が本来持っている特徴、すなわち均質で無孔質なソリッド材、硬質木材と同等の施工・加工性、メンテナンスの容易さ、耐候性、難燃性等を維持したまま、きらめき感を有し天然石に酷似した外観を持つ人工大理石は知られていなかった。
【0014】
このような問題を解決する手段として、本発明者らは先に、ビニル系重合体、無機充填剤、雲母片を含有し、ビニル系重合体の室温における屈折率と無機充填剤の室温における屈折率との差が±0.02以内であることを特徴とする雲母片含有樹脂硬化物、及び該雲母片含有樹脂硬化物の粉砕物を含有する人工大理石を提案した(特願平9−274802号)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような提案によって得られる人工大理石は、天然石に酷似した良好な外観及び従来の人工大理石と同等の良好な加工性を有するものの、耐汚染性や強度については、十分に満足できるものではなかった。
【0016】
この原因は定かではないが、雲母片の劈開面に汚染物が含浸されると、通常の洗浄では汚染物が除去されにくくなるために、耐汚染性が低下することがあり、また、雲母片の劈開性によって、強度が低下することがあるためと推定される。
【0017】
本発明は、これら従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、人工大理石本来の特徴、特に耐汚染性や強度を損なわずに、天然石に似たきらめき感を付与する人工大理石用模様材、及びこれを用いた人工大理石を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、重合体と無機充填材からなる特定の組成物に、ガラスフレーク片を分散させた樹脂からなる模様材が、人工大理石に天然石に酷似した外観を付与し、かつ耐汚染性や強度の低下を防ぐことを見いだし、本発明を完成させた。
【0019】
すなわち、本発明は、ビニル系重合体(A)、無機充填材(B)、ガラスフレーク片(C)を含有し、ビニル系重合体(A)の室温における屈折率と、無機充填材(B)の室温における屈折率との差が±0.02以内であることを特徴とするガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物からなる人工大理石用模様材に関するものであり、該人工大理石用模様材を含有することを特徴とする人工大理石に関するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
ビニル系重合体(A)は、その室温における屈折率と、無機充填材(B)の室温における屈折率との差が、±0.02以内である必要がある。これは、ビニル系重合体(A)と無機充填材(B)との屈折率の差が前記範囲を逸脱すると、得られるガラスフレーク片含有樹脂硬化物の透明性が著しく低下し、この粉砕物を人工大理石の模様材として使用した場合、得られる人工大理石の外観が天然石と異なったものになる傾向にあるためである。
【0021】
ビニル系重合体(A)の構成成分であるラジカル重合性ビニル化合物(a)としては、ビニル系重合体(A)の室温での屈折率が前記範囲内になる限りにおいて、特に限定されるものではない。具体例としては、炭素数1〜20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド誘導体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有単量体;酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン及びそれらの誘導体;(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等の窒素含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の分子中にエチレン性不飽和結合を有する芳香族ビニル化合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、1,1−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、アリール(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートや、ジビニルベンゼン、ブタジエン等の分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物;エチレン系不飽和ポリカルボン酸を含む少なくとも1種の多価カルボン酸と少なくとも1種のジオール類とから誘導された不飽和ポリエステルプレポリマー;エポキシ基の末端をアクリル変性することにより誘導されるビニルエステルプレポリマー等を挙げることができる。
【0022】
これらは、単独あるいは2種以上を併用して使用することができ、さらに、必要に応じて単量体の一部を予め部分的に重合させたものを使用することもでき、前記単量体から構成される他の重合体成分を使用することもできるが、中でも、芳香族ビニル化合物と多官能(メタ)アクリレートとの併用が好ましい。
【0023】
これは、室温での屈折率が前記範囲内であるビニル系重合体(A)を得やすい傾向にあり、また、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を人工大理石の模様材として使用する場合において、粉砕物が人工大理石用組成物中で溶解、膨潤して粉砕物の境界がぼやけることによって、人工大理石の外観が損なわれることを防ぐことができる傾向にあるためである。必要に応じて、その他のラジカル重合性ビニル化合物を併用することもできる。
【0024】
このように芳香族ビニル化合物と多官能(メタ)アクリレートとを併用する場合、多官能(メタ)アクリレートとしては、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンのような、硬化物の室温における屈折率が1.55以上のものを用いるのが特に好ましい。これは、無機充填材(B)として、水酸化アルミニウム等のような、室温における屈折率が1.55〜1.59の範囲のものを使用する場合に、重合体(A)の室温における屈折率を前記範囲内に保ちやすい傾向にあるためである。
【0025】
芳香族ビニル化合物と多官能(メタ)アクリレートとを併用する場合には、その比率は、通常、多官能(メタ)アクリレートが0.5〜99.5重量%、芳香族ビニル化合物が0.5〜99.5重量%の範囲であることが好ましい。
【0026】
本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物中におけるビニル系重合体(A)の含有量は、目的とする特性により適宜選定することができるが、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の総重量を基準にして10〜80重量%の範囲であることが好ましい。これは、ビニル系重合体(A)の含有量を10重量%以上とすることによって、得られるガラスフレーク片含有樹脂硬化物の成形性や強度に優れる傾向にあり、80重量%以下とすることによって、得られるガラスフレーク片含有樹脂硬化物の帯電防止性や硬度が良好となる傾向にあるためである。さらに好ましくは20〜75重量%の範囲である。
【0027】
無機充填材(B)としては、ラジカル重合性ビニル化合物(a)に不溶であり、かつ、その重合硬化を妨害しないものであれば特に制限されるものではない。例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ジルコニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ、石英、タルク、クレー、硅藻土、石膏、粉末ガラス、モンモリナイト、ベントナイト、ピロフィライト、カオリン、粉末チョーク、大理石、石灰岩、アスベスト、ムライト、硅酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、硅酸カルシウム、硬石膏、α−クリストバライト、アルミナホワイト(一般式[Al2SO4(OH)4・XH2O・2Al(OH)3]n)、エトリンジャイト、粘土と焼成後に色を呈し得る無機物との混合物を焼成して得られた焼成体を粉砕した微粉末等を挙げることができる。これらは、必要に応じて単独あるいは2種以上を併用して使用することができるが、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムを使用すると得られるガラスフレーク片含有樹脂硬化物に優れた難燃性や意匠性を付与することができる傾向にあり好ましい。中でも、水酸化アルミニウムが特に好ましい。
【0028】
無機充填材(B)の平均粒子径は、通常は0.001〜200μmの範囲であることが好ましい。これは、この範囲において、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の成形性が良好となる傾向にあるためである。好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜80μmの範囲である。
【0029】
本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物中における無機充填材(B)の含有量は、目的とする特性により適宜選定することができるが、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の総重量を基準にして10〜80重量%の範囲であることが好ましい。これは、無機充填材(B)の含有量を10重量%以上とすることによって、得られるガラスフレーク片含有樹脂硬化物の帯電防止性や硬度、耐熱性、難燃性等が良好となる傾向にあり、80重量%以下とすることによって、得られるガラスフレーク片含有樹脂硬化物の透明性や強度等が良好となる傾向にあるためである。
【0030】
好ましくは20〜70重量%、さらに好ましくは30〜70重量%の範囲である。
【0031】
また、必要に応じて、無機充填材(B)の表面をシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ステアリン酸系及びリン酸系表面処理剤等で処理して用いることもできる。これら処理剤は、単独あるいは2種以上を併用して使用することができる。
【0032】
ガラスフレーク片(C)としては、特に制限はなく、通常のガラスフレークが使用可能である。また、必要に応じて、各種の金属化合物で表面コーティングしたガラスフレークも使用することができる。金属化合物としては、酸化チタンや銀、ニッケル等が挙げられる。これらの金属化合物で表面コーティングしたガラスフレーク片を使用した場合、得られる人工大理石のきらめき感が強くなる。従って、これを含有する樹脂の粉砕物を人工大理石の模様材として使用した場合、少量の添加量で天然石に似たきらめき感を人工大理石に付与できる傾向にあり好ましい。
【0033】
ガラスフレーク片(C)の最大粒子径の平均は、0.1〜50mmの範囲であることが好ましい。これは、最大粒子径の平均を0.1mm以上とすることによって、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を人工大理石の模様材として使用した場合に、得られる人工大理石に天然石に似たきらめき感が発現される傾向にあり、50mm以下とすることによって、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の成形性が良好となり、さらに本発明の人工大理石の耐汚染性が良好となる傾向にあるためである。好ましくは0.1〜10mmの範囲であり、さらに好ましくは0.2〜7mmの範囲である。
【0034】
ガラスフレーク片(C)の含有量は、目的とする特性により適宜選定することができるが、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の総重量を基準にして0.05〜30重量%の範囲であることが好ましい。これは、含有量を0.05重量%以上とすることによって、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を人工大理石の模様材として使用した場合に、得られる人工大理石に天然石に似たきらめき感が発現される傾向にあり、30重量%以下とすることによって、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の成形性が良好となる傾向にあるためである。より好ましくは0.1〜20重量%の範囲である。
【0035】
さらに、無機充填材(B)とガラスフレーク片(C)との合計が、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の総重量を基準にして25〜75重量%の範囲であることが好ましく、無機充填材(B)/ガラスフレーク片(C)の重量比が1000以下であることが好ましい。無機充填材(B)/ガラスフレーク片(C)の重量比のより好ましい重量比は1〜700の範囲であり、さらに好ましくは5〜700の範囲である。
【0036】
また、必要に応じてガラスフレーク片(C)表面をシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ステアリン酸系及びリン酸系表面処理剤等で処理して用いることもできる。これら処理剤は、単独あるいは2種以上を併用して使用することができる。
【0037】
本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物は、前記のラジカル重合性ビニル化合物(a)、無機充填材(B)、及びガラスフレーク片(C)を含有する混合物を成形硬化することによって得られるものである。この場合、ラジカル重合性ビニル化合物(a)としては、前記の単量体成分と重合体成分から構成される重合性シラップであってもよい。
【0038】
重合体成分としては、必要に応じて適宜選定して使用することが可能であるが、例えば、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等の芳香族ビニル系(共)重合体を挙げることができる。これらは単独、または二種以上併用して用いることができるが、中でもポリスチレンやスチレン−(メタ)アクリレート共重合体が好ましい。
【0039】
重合性シラップとしては、前記単量体成分に重合体成分を混合したものでも良く、単量体成分の一部を部分的に重合させたものでも良い。
【0040】
このように、ラジカル重合性ビニル化合物(a)として重合性シラップ中に重合体成分を含有させると、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物を成形硬化する際の収縮が小さくなり、且つクラックの発生を防止することができる。
【0041】
重合性シラップを使用する場合には、単量体成分の比率が、多官能(メタ)アクリレート5〜80重量%、芳香族ビニル化合物が95〜20重量%の範囲であることが好ましい。これは、単量体成分中の多官能(メタ)アクリレート量が5重量%以上の場合において、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の加熱・加圧成形による生産性が良好となる傾向にあり、80重量%以下の場合において、ビニル系重合体(A)と無機充填材(B)との屈折率の差を前記範囲内に調整することが容易となる傾向にあるためである。
【0042】
また、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物を加圧下に加熱して成形硬化する場合には、構成成分の混合物の取り扱い性を良好なものとするために、適当な増粘剤を添加して増粘させることができる。例えば、酸化マグネシウムによるイオン架橋反応等の増粘方法が利用できるが、中でも、嵩密度が0.1〜0.9g/mlの範囲であり、且つアマニ油に対する吸油量が10〜200ml/100gの範囲である重合体粉末を増粘剤として用いると、混合物の取り扱い性が大幅に改善される傾向にある。
【0043】
さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、難燃剤、着色剤、強化材、紫外線吸収剤、熱安定剤、離型剤、顔料、沈降防止剤等の添加剤を、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物に配合することができる。
【0044】
本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物を構成する、前記のラジカル重合性ビニル化合物(a)、無機充填材(B)、及びガラスフレーク片(C)を含有する混合物を得る方法(添加順序、混練方法等)には特に制限はなく、各成分及び必要に応じてその他の成分を添加して、高速撹拌機や混練ロール、ニーダー等公知の混合・混練機器を用いて均一に混練することにより得ることができる。
【0045】
また、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の成形方法にも特に制限はなく、注型成形法、加圧成形法、押し出し成形法、トランスファー成形法等が適用でき、これらを用いて成形した後に重合硬化させることにより成形品を得ることができる。
【0046】
本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の重合硬化方法としては特に制限はなく、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下又は非存在下に加熱する方法、ラジカル重合開始剤と促進剤からなるいわゆるレドックス系による方法等の任意の方法で行うことができる。2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の有機過酸化物及びこれらのレドックス系の重合開始剤等はそのような開始剤の例であり、これらを単独、あるいは二種類以上を併用して使用することができる。重合開始剤が有機過酸化物の場合は、重合促進剤として第三級アミンを用いることもできる。また、例えばt−ブチルパーオキシマレイン酸等の飽和第三級アルキルパーオキシマレイン酸と塩基性金属化合物を反応させたマレイン酸のヘミパーエステル類に、重合促進剤として水、エチレングリコールジメルカプトアセテート等のメルカプタン化合物、硫黄のオキソ酸塩またはその遊酸塩である硫黄活性剤等を組み合わせた系も用いることができる。これらの重合開始剤系は、製造者が所望する重合硬化条件(温度、時間、コスト等)によって適宜選定することができる。
【0047】
本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の注型成形法を例示すると、まず前記の方法により注型用混合物を製造し、周辺をガスケットでシールし、対向させた二枚の無機ガラス板または金属板の間に、この混合物を注入して加熱する方法(セルキャスト法)や、同一方向に同一速度で進行する二枚の金属製エンドレスベルトとガスケットとでシールされた空間、あるいは一枚の金属製エンドレスベルトと一枚の樹脂フィルムとガスケットとでシールされた空間の上流から、連続的に注入して加熱する方法(連続キャスト法)等によって成形することができる。この際、成形物の離型性、意匠性等を考慮して、無機ガラス板や金属板の表面を、ポリビニルアルコールやポリエステル等の樹脂フィルムで覆って成形することもできる。
【0048】
また本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の加熱・加圧成形法を例示すると、まず前記の方法により加熱・加圧成形用混合物を製造し、これを成形型内に充填し、これを加熱・加圧硬化させる。加熱温度としては、通常60〜180℃、好ましくは80〜150℃の範囲が望ましい。また、加圧条件としては10〜500kg/cm2、好ましくは20〜250kg/cm2の範囲である。
【0049】
上記した方法により得られたガラスフレーク片含有樹脂硬化物は優れた透明性と天然石に似たきらめき感を有しており、特に該樹脂の粉砕物を人工大理石の模様材として使用した場合、該人工大理石外観を天然石に酷似した非常に優美なものとすることができる。
【0050】
上記した方法により得たガラスフレーク片含有樹脂硬化物は、機械的に粉砕して所望の大きさにする。粉砕物の大きさは、大きい程、より天然石に近い外観を人工大理石に与える傾向にある。しかし、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を分散させた人工大理石は、粉砕物の粒子径の半分の深さを表面研削した場合に、人工大理石表面に粉砕物が引き出て、より天然石に近い外観が得られるので、粉砕物の大きさが小さい程、表面研削は容易になる。このことからガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物の大きさは、粒子径0.2〜10mm程度が好ましい。
【0051】
ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕方法としてはボールミル、ロッドミル、塔式磨砕機、振動ミル、ブレーキクラッシャー、ハンマーミル、ジェットミル、流動粉砕等の粉砕方法が使用できる。粉砕された粒子は角張っており、人工大理石に自然に近い外観をもたらす。
【0052】
人工大理石中の粉砕物の含有量は、目的とする人工大理石の特性(特に表面外観)に応じて適宜選定することができるが、通常、人工大理石の総重量を基準にして、0.5〜80重量%、好ましくは2〜60重量%の範囲で使用される。粉砕物の含有量を0.5重量%以上とすることによって、天然石調模様の意匠性が良好になり、含有量を80重量%以下とすることによって、天然石調模様の意匠性が良好になり、また強度等の特性が良好になる傾向にある。
【0053】
また、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物は、優れた透明性を有することが必要であり、ASTM D1003に準じて厚さ0.3mmのシートで全光線透過率を測定したときの値が70%以上であることが好ましい。より好ましくは80%以上である。全光線透過率が70%以上の場合に、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の透明性が充分となり、天然石に酷似した外観を人工大理石に付与することができる傾向にある。
【0054】
さらに、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物としては、その静電気帯電量が小さいものが好ましく、JIS K6911に準じて表面抵抗値を測定したときの値が1.0×1015Ω以下であることが好ましい。これは、表面抵抗値を1.0×1015Ω以下とすることによって、樹脂の粉砕物の輸送や粉砕工程で静電気が発生しにくくなることに伴って、樹脂粒子が装置の壁面等に付着・凝集しにくくなる傾向にあるためである。
【0055】
本発明の人工大理石は、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を含有するものであり、これによって、人工大理石本来の特徴を損なわずに、天然石に似たきらめき感が付与されるものである。
【0056】
本発明の人工大理石は、単量体成分や重合体成分から構成される重合性シラップ、無機充填剤、及び本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物からなる混合物を成形硬化することによって製造されるものである。
【0057】
本発明の人工大理石で使用される重合性シラップとしては、例えば、前記の本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の構成成分から適宜選定して使用することができるが、単量体成分としては、メチルメタクリレート、または(メタ)アクリル系単量体混合物が好ましく、重合体成分としては、ポリメチルメタクリレート、またはアクリル系共重合体が好ましい。また、必要に応じて、前記の本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の構成成分として列挙しているような多官能(メタ)アクリレートを架橋剤として使用することができる。
【0058】
本発明の人工大理石で使用される無機充填剤としては、例えば、前記の本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の構成成分から適宜選定して使用することができるが、中でも、水酸化アルミニウムが好ましい。
【0059】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、難燃剤、着色剤、強化材、紫外線吸収剤、熱安定剤、離型剤、顔料、沈降防止剤等の添加剤を本発明の人工大理石に配合することもできる。
【0060】
本発明において、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を含有した人工大理石用混合物を得る方法(添加順序、混練方法等)に特に制限はなく、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物を製造する場合と同様に、各成分及び必要に応じてその他の成分を添加して、高速撹拌機や混練ロール、ニーダー等公知の混合・混練機器を用いて均一に混練することにより得ることができる。
【0061】
人工大理石用混合物の重合硬化方法としては特に制限はなく、例えば、前記の本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物を製造する方法と同様な方法を挙げることができる。
【0062】
また、人工大理石の成形方法も特に制限はなく、前記の本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物を製造する場合と同様に、注型成形法、加圧成形法、押し出し成形法、トランスファー成形法等の各種成形法が適用でき、これらを用いて成形した後、重合硬化させることにより目的とする人工大理石を得ることができる。
【0063】
なお、加圧成形法、射出成形法、及びトランスファー成形法を適用する場合には、成形される物品の金型形状、使用される人工大理石用組成物の物性により、成形温度は70〜180℃、好ましくは80〜150℃、成形圧力は20〜500kg/cm2、好ましくは20〜250kg/cm2、成形時間は1〜30分間、好ましくは2〜20分間の範囲で選択することができる。また重合に伴い体積収縮が起きやすいので、使用する金型には、体積収縮に伴ってキャビティーの体積を厚み方向に減少させ得る構造であることが好ましい。
【0064】
ガラスフレーク片含有組成物の粉砕物が分散した人工大理石は、表面を研削することにより表面に現れる粉砕物の大きさが大きくなり、より天然石に近い外観を与える。そのためには粉砕物のうち最大なものの粒子径の少なくとも半分以上の深さで、その表面を研削するのが好ましい。
【0065】
さらに好ましくは、人工大理石表面の光沢を上げることによって、粉砕物の存在感が高まり、より一層意匠性を高めることができる。
【0066】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。以下の実施例において「部」は特記のない限り「重量部」を意味する。なお評価方法は以下の通りである。
【0067】
・外観:目視により評価した。
◎:きらめき感が天然石に酷似した非常に優美な外観
○:天然石に類似したきらめき感を有する優美な外観
△:きらめき感が異なるため、天然石とは趣が異なる外観
×:きらめき感がなく、従来の人工大理石と相違のない外観
・全光線透過率:ヘーズメータ(スガ試験機(株)製、HGM−2DP)を使用して、ASTM D1003に準じて厚さ0.3mmのシートを用いて測定した。
【0068】
・表面抵抗値:ULTRA MEGOHMMETER(東亜電波工業(株)製、SM−10E)を使用し、JIS K6911に準じて測定した。
【0069】
・耐汚染性:3種類の汚染物(口紅、靴墨、髪染め)で表面を汚染後、23℃で24時間放置し、次いで以下の方法で順次洗浄し、汚染物が完全に除去できた際の洗浄方法の点数で評価した。
1)水洗 1点
2)中性洗剤による洗浄 2点
3)クレンザーによる洗浄 3点
4)サンドペーパーによる研磨 4点
・曲げ試験:JIS K7203に準拠して測定した。
【0070】
[参考例1]
スチレン70部、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン(新中村化学(株)製、商品名:BPE−80N)(以下、80Nと略す)30部の混合モノマー溶液を予め重合率20重量%にまで予備重合した混合シラップに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(以下、AVNと略す)3部を溶解させた。なお、この混合シラップの硬化物の室温での屈折率は1.58であった。
【0071】
次いで、該混合シラップ40部に対して、水酸化アルミニウム(以下、ATHと略す)(日本軽金属(株)製、商品名:BW103、屈折率:1.57)57部、ガラスフレーク片(日本板硝子(株)製、商品名:REF−600)(以下、G−Fと略す)3部を添加、撹拌機で混合して鋳込み原料を調製した。この鋳込み原料中には、ATHが57重量%、G−Fが3重量%配合されている。
【0072】
調製した鋳込み原料を減圧にして溶存空気を除去した後、これをガスケット及び2枚のステンレス製鋼板(ポリエステルフィルムで表面を覆ったもの)により形成され、あらかじめ厚さ3mmになるように設定されたセル中に注いだ。その後、80℃において4時間、120℃において2時間重合を行い、透明性良好できらめき感を有するガラスフレーク片含有樹脂硬化物を得た。
【0073】
この成形品の表面抵抗値は1.2×1012Ωであった。
【0074】
また、この成形品のG−Fを除いた部分の全光線透過率を測定するために、G−Fを入れずに、前述と同様の方法で0.3mm厚の成形品を作製して全光線透過率を測定すると90%であった。
【0075】
[参考例2]
スチレン75部、予め重合率20重量%にまで予備重合したポリスチレンシラップ(以下、ST−SPと略す)20部、エチレングリコールジメタクリレート(以下、EDMAと略す)5部の混合モノマー溶液にAVN3部を溶解させた。なお、この混合シラップの硬化物の室温での屈折率は1.59であった。
【0076】
次いで、該混合シラップ40部に対して、ATH57部、G−F3部、沈降防止剤として不定形シリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル300)0.5部を添加、撹拌機で混合して鋳込み原料を調製した。この鋳込み原料中には、ATHが57重量%、G−Fが3重量%配合されている。
【0077】
調製した鋳込み原料を、参考例1と同様にして成形・重合硬化して、透明性良好できらめき感を有するガラスフレーク片含有樹脂硬化物を得た。なお、この成形品の表面抵抗値は1.3×1012Ωであった。
【0078】
また、この成形品のG−Fを除いた部分の全光線透過率を測定するために、G−Fを入れずに、前述と同様の方法で0.3mm厚の成形品を作製して全光線透過率を測定すると87%であった。
【0079】
[参考例3]
G−Fの代わりに金属コーティングガラスフレーク片(日本板硝子(株)製、商品名:メタシャインRCFSX−5600TS、酸化チタンコーティング)(以下、MG−Fと略す)を用いたこと以外は参考例1と同様にして、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物を得た。
【0080】
なお、この混合シラップの硬化物の室温での屈折率は1.58であり、また成形品の表面抵抗値は1.0×1012Ωであった。
【0081】
また、この成形品のMG−Fを除いた部分の全光線透過率を測定するために、MG−Fを入れずに、前述と同様の方法で0.3mm厚の成形品を作製して全光線透過率を測定すると90%であった。
【0082】
[参考例4]
混合モノマー溶液として、メチルメタクリレート(以下、MMAと略す)97部、EDMA3部の混合モノマー溶液を用いたこと以外は、参考例1と同様にしてガラスフレーク片含有成形品を得た。
【0083】
なお、混合モノマー溶液の硬化物の室温での屈折率は1.49であり、また成形品の表面抵抗値は1.5×1012Ωであった。さらに、この成形品のG−Fを除いた部分の0.3mm厚での全光線透過率は32%であった。
【0084】
得られたガラスフレーク片含有成形品の透明性は低く、ガラスフレーク片によるきらめき感もはっきりとしないものであった。
【0085】
[参考例5]
スチレン70部、80N30部の混合モノマー溶液を予め重合率20重量%にまで予備重合した混合シラップにAVN3部を溶解させた。なお、この混合シラップの硬化物の室温での屈折率は1.58であった。
【0086】
次いで、該混合シラップ40部に対して、ATH60部を添加、撹拌機で混合して鋳込み原料を調製した。この鋳込み原料中には、ATHが60重量%配合されている。
【0087】
調製した鋳込み原料を、参考例1と同様にして成形、重合硬化を行い成形品を得た。
【0088】
なお、この成形品の表面抵抗値は1.2×1012Ωであり、またこの成形品の0.3mm厚での全光線透過率は88%であった。
【0089】
得られた成形品は透明性は高いものの、ガラスフレークを含有していないため、きらめき感のない均一な成形品であった。
【0090】
[参考例6]
G−Fの代わりに雲母片((株)山口雲母工業所製、商品名:C−113)(以下、MICAと略す)を用いたこと以外は、参考例1と同様にして雲母片含有成形品を得た。
【0091】
なお、混合モノマー溶液の硬化物の室温での屈折率は1.58であり、成形品の表面抵抗値は1.2×1012Ωであった。さらに、この成形品のMICAを除いた部分の0.3mm厚での全光線透過率は90%であった。
【0092】
[参考例7](人工大理石用黒色模様材の作製)
参考例4で用いたのと同じ混合シラップ40部に対して、ATH60部、アクリル樹脂用黒トナー(大日精化工業(株)製、商品名:AT−854)2部を添加すること以外は、参考例1と同様にして黒色成形品を得た。
【0093】
[参考例8](粉砕による、人工大理石用模様材の作製)
参考例1〜7で各々得た成形品を粉砕機で粉砕後、ふるいで分級することにより、粒径5〜0.2mmの人工大理石用模様材(X−1)〜(X−7)を得た。この際、各粒子は粉砕機やふるいの壁面に付着することはなく、各粒子に静電気が帯電している様子は見られなかった。
【0094】
各粒子の組成及び物性値を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
1)ST−SP:予め重合率20重量%にまで予備重合したポリスチレンシラップ
2)MMA:メチルメタクリレート
3)EDMA:エチレングリコールジメタクリレート
4)80N:2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン(新 中村化学(株)製、商品名:BPE−80N)
5)ATH:水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製、商品名:BW103)
6)G−F:ガラスフレーク片(日本板硝子(株)製、商品名:REF−600)
7)MG−F:金属コーティングガラスフレーク片(日本板硝子(株)製、商品名:R CFSX−5600TS、酸化チタンコーティング)
8)MICA:雲母片((株)山口雲母工業所製、商品名:C−113)
9)黒色トナー:アクリル樹脂用黒トナー(大日精化工業(株)製、商品名:AT−8 54)
10)シリカ微粒子:不定形シリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、商品名:アエロ ジル300)
[実施例4]
MMA17部に、予め重合率20重量%にまで予備重合したMMAシラップ15部、EDMA0.15部、AVN0.1部を溶解させた後、ATH(日本軽金属(株)製、商品名:BW53)47部、白色顔料(ハーウィックケミカルコーポレーション製、商品名:Stan−Tone White)0.9部、参考例1で得た成形品を粉砕した粒子(X−1)16部、参考例7で得た成形品を粉砕した黒色粒子(X−7)5部を添加、撹拌機で混合して鋳込み原料を調製した。
【0097】
調製した鋳込み原料を参考例1と同様にして成形、重合硬化して、各粒子がシート表面、深さ方向に均一に分散した人工大理石を得た。この人工大理石は、従来の人工大理石よりも天然石に近い外観を有し、意匠性の高いものであった。
【0098】
なお、この人工大理石のマトリックス部分の0.3mm厚での全光線透過率を測定するために、各粒子(X−1)、(X−7)を入れずに、前述と同様の方法で人工大理石を作製し、全光線透過率を測定すると42%であった。
【0099】
各粒子(X−1)、(X−7)が分散した人工大理石の表面を、木工用プレーナーで約0.5mmの深さに削った後、600番サンドペーパーで表面研磨した。
【0100】
表面研削・研磨する前は、人工大理石の表面に見える各粒子の大きさは実際の半分以下であり、且つぼやけて見えたが、表面研削・研磨後は、表面に見える各粒子の大きさは実際の粒子径と同程度であり、且つ鮮明に見え、天然石により近い外観を出すことができた。
【0101】
さらに、800番サンドペーパーで研磨した後、研磨用コンパウンドで鏡面まで磨くと、各粒子とマトリックスとのコントラストが大きくなり、より意匠性に優れた人工大理石に加工することができた。
【0102】
また、得られた人工大理石の耐汚染性及び曲げ強度は、表2に示すように非常に優れたものであった。
【0103】
[実施例5]
粒子(X−1)の代わりに参考例2で得た透明粒子(X−2)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして人工大理石を得た。この人工大理石は、従来の人工大理石よりも天然石に近い外観を有し、意匠性の高いものであった。
【0104】
さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨を施すことにより、各粒子とマトリックスとのコントラストがより大きくなり、より意匠性に優れた人工大理石に加工することができた。
【0105】
また、得られた人工大理石の耐汚染性及び曲げ強度は、表2に示すように非常に優れたものであった。
【0106】
[実施例6]
粒子(X−1)の代わりに参考例3で得た透明粒子(X−3)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして人工大理石を得た。この人工大理石は、従来の人工大理石よりも遙かに天然石に近い外観を有し、非常に意匠性の高いものであった。
【0107】
さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨を施すことにより、各粒子とマトリックスとのコントラストがより大きくなり、より意匠性に優れた人工大理石に加工することができた。
【0108】
また、得られた人工大理石の耐汚染性及び曲げ強度は、表2に示すように非常に優れたものであった。
【0109】
[比較例3]
粒子(X−1)の代わりに参考例4で得た成形品を粉砕した粒子(X−4)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして人工大理石を得た。しかしその外観はガラスフレーク片含有粒子(X−4)の透明感が低いため、ガラスフレーク片によるきらめき感が殆ど現出せず、天然石の外観とは異なるが、人工大理石としては新規な外観であった。
【0110】
さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨を施したが、天然石調の外観は得られなかった。
【0111】
[比較例4]
粒子(X−1)の代わりに参考例5で得た成形品を粉砕した粒子(X−5)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして人工大理石を得た。しかしその外観はきらめき感のない均一な透明粒子が分散しているのみで、従来の人工大理石と殆ど相違なく、天然石の外観とは異なるものであった。
【0112】
さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨を施したが、天然石調の外観は得られなかった。
【0113】
[比較例5]
粒子(X−1)の代わりに参考例6で得た成形品を粉砕した粒子(X−6)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして人工大理石を得た。その外観は従来の人工大理石よりも天然石に近い外観を有し、意匠性の高いものであった。
【0114】
さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨を施すことにより、各粒子とマトリックスとのコントラストがより大きくなり、より意匠性に優れた人工大理石に加工することができた。
【0115】
しかし、得られた人工大理石は、実施例の人工大理石と比較して、耐汚染性や曲げ強度に劣っていた。
【0116】
[比較例6]
鋳込み原料として、MMA28部に、予め重合率20重量%にまで予備重合したMMAシラップ15部、EDMA0.15部、AVN0.1部を溶解させた後、ATH(日本軽金属(株)製、商品名:BW53)47部、白色顔料(ハーウィックケミカルコーポレーション製、商品名:Stan−Tone White)0.9部、粒子(X−7)5部、G−F5部を用いたこと以外は、実施例4と同様にして人工大理石を得た。
【0117】
しかし、その外観はG−Fによりきらめき感はあるものの平面的で奥行き感に欠け、従来の石目調人工大理石の外観と殆ど相違ないものであった。
【0118】
さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨を施したが、従来の人工大理石と比較して新規な外観は得られなかった。
【0119】
【表2】
【0120】
11)MMA:メチルメタクリレート
12)MMAシラップ:予め重合率20重量%にまで予備重合したMMAシラップ
13)EDMA:エチレングリコールジメタクリレート
14)ATH:水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製、商品名:BW53)
15)白色顔料:ハーウィックケミカルコーポレーション製、商品名:Stan− Tone White
16)X−1:参考例1で得たガラスフレーク片含有成形品を粉砕した粒子
17)X−2:参考例2で得たガラスフレーク片含有成形品を粉砕した粒子
18)X−3:参考例3で得たガラスフレーク片含有成形品を粉砕した粒子
19)X−4:参考例4で得たガラスフレーク片含有成形品を粉砕した粒子
20)X−5:参考例5で得た成形品を粉砕した粒子
21)X−6:参考例6で得た雲母片含有成形品を粉砕した粒子
22)X−7:参考例7で得た黒色成形品を粉砕した粒子
23)G−F:ガラスフレーク片(日本板硝子(株)製、商品名:REF−600)
【0121】
【発明の効果】
本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物は、優れた透明性と意匠性の高いきらめき感を有するものであり、特に人工大理石の模様材として有用である。すなわち、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕粒子が分散した人工大理石の外観は、天然石に酷似したきらめき感を有し、非常に優美なものであるだけでなく、耐汚染性や高強度、施工・加工性、メンテナンスの容易さ等の人工大理石の本来の特徴を維持している。よって、本発明の人工大理石は、施工・加工性が特に要求されるカウンターやキッチン家具の天板や床板等に特に有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機充填材及びガラスフレーク片を含有した、人工大理石用模様材として有用な、透明性の良好なガラスフレーク片含有樹脂硬化物に関するものである。また、本発明は、該ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を含有した天然石調模様の人工大理石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
天然石は、その優雅さから壁材、床材、各種天板等として古くから使用されているが、重量が重くまた硬いことから施工・加工が難しく、また表面が多孔質であるので汚れを除去しにくい、長尺物の入手が難しい、継ぎ目ができる等の欠点を有する。
【0003】
これらの欠点を改良するために、従来から人工大理石等の天然石調の樹脂成形品が開発されており、優美な質感、優れた強度及び耐候性、施工・加工の容易性等から、サニタリー分野を中心に、その使用量は年々増加している。
【0004】
天然石調樹脂成形品としては、メラミン化粧板、表面のみ模様出しを施したゲルコート人工大理石、アクリル系人工大理石、ポリエステル系人工大理石等がある。これらは天然大理石に比べて軽量で無孔質であるが、前記のメラミン化粧板やゲルコート人工大理石は、表面のみの模様出しであるために加工・補修が困難であり、また衝撃に弱い等の欠点を有する。
【0005】
一方、アクリル系人工大理石及びポリエステル系人工大理石は、ソリッド材特有の優美な質感を有し、特にアクリル系人工大理石は、容易な加工性、優れた強度や耐衝撃性、耐候性を有する等の多くの長所を有している。
【0006】
天然石調模様のアクリル系、ポリエステル系人工大理石としては、例えば、石英、孔雀石、大理石、黒曜石等の砕石、あるいはABS樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の樹脂粉砕物からなる透明/半透明/不透明粒子を分散させた人工大理石が特公昭61−24357号公報等に提案されている。
【0007】
しかし、石英等の硬質物からなる粒子を使用した人工大理石は、加工性に劣る傾向にあり、特に、表面研削や切断がうまくいかないことが多く、時には加工機を破損することもある。
【0008】
また、エポキシ樹脂やメラミン樹脂からなる粒子は容易に帯電するため、製造工程において、この樹脂粒子が装置の壁面等に付着、凝集しやすく、これが生産上の問題の原因となることがある。
【0009】
そこで、このような問題点を解決するため、樹脂組成物(不飽和ポリエステル−スチレン共重合体やメタクリル酸ベンジル−エチレングリコールジメタクリレート共重合体)と水酸化アルミニウム等の軟質の無機充填物とからなる有機−無機複合透明粒子が特開平5−279575号公報等に提案されている。
【0010】
しかし、これらの透明粒子は透明性が不十分であり、該透明粒子を分散させた人工大理石の外観は、天然石に酷似した優美なものではなく、特にきらめき感が天然石とは異なる傾向にある。
【0011】
これに対して、天然石に似たきらめき感を再現する目的で、例えば、特開昭59−171612号公報、特開昭62−27363号公報、特開平6−172001号公報には、雲母を人工大理石の充填材や模様材として用いることが開示されている。また、特公平6−18999号公報や特開平3−139548号公報には、ガラスフレークを人工大理石の充填材や模様材として用いることが開示されている。
【0012】
しかし、これらに開示されている人工大理石は、重合体と無機充填材とからなるマトリックスにフレーク状の雲母やガラスフレークが直接配合されているため、外観が平面的で奥行き感に欠け、やはり天然石とは異なった質感となるという問題点を有している。
【0013】
このように、人工大理石が本来持っている特徴、すなわち均質で無孔質なソリッド材、硬質木材と同等の施工・加工性、メンテナンスの容易さ、耐候性、難燃性等を維持したまま、きらめき感を有し天然石に酷似した外観を持つ人工大理石は知られていなかった。
【0014】
このような問題を解決する手段として、本発明者らは先に、ビニル系重合体、無機充填剤、雲母片を含有し、ビニル系重合体の室温における屈折率と無機充填剤の室温における屈折率との差が±0.02以内であることを特徴とする雲母片含有樹脂硬化物、及び該雲母片含有樹脂硬化物の粉砕物を含有する人工大理石を提案した(特願平9−274802号)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような提案によって得られる人工大理石は、天然石に酷似した良好な外観及び従来の人工大理石と同等の良好な加工性を有するものの、耐汚染性や強度については、十分に満足できるものではなかった。
【0016】
この原因は定かではないが、雲母片の劈開面に汚染物が含浸されると、通常の洗浄では汚染物が除去されにくくなるために、耐汚染性が低下することがあり、また、雲母片の劈開性によって、強度が低下することがあるためと推定される。
【0017】
本発明は、これら従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、人工大理石本来の特徴、特に耐汚染性や強度を損なわずに、天然石に似たきらめき感を付与する人工大理石用模様材、及びこれを用いた人工大理石を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、重合体と無機充填材からなる特定の組成物に、ガラスフレーク片を分散させた樹脂からなる模様材が、人工大理石に天然石に酷似した外観を付与し、かつ耐汚染性や強度の低下を防ぐことを見いだし、本発明を完成させた。
【0019】
すなわち、本発明は、ビニル系重合体(A)、無機充填材(B)、ガラスフレーク片(C)を含有し、ビニル系重合体(A)の室温における屈折率と、無機充填材(B)の室温における屈折率との差が±0.02以内であることを特徴とするガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物からなる人工大理石用模様材に関するものであり、該人工大理石用模様材を含有することを特徴とする人工大理石に関するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
ビニル系重合体(A)は、その室温における屈折率と、無機充填材(B)の室温における屈折率との差が、±0.02以内である必要がある。これは、ビニル系重合体(A)と無機充填材(B)との屈折率の差が前記範囲を逸脱すると、得られるガラスフレーク片含有樹脂硬化物の透明性が著しく低下し、この粉砕物を人工大理石の模様材として使用した場合、得られる人工大理石の外観が天然石と異なったものになる傾向にあるためである。
【0021】
ビニル系重合体(A)の構成成分であるラジカル重合性ビニル化合物(a)としては、ビニル系重合体(A)の室温での屈折率が前記範囲内になる限りにおいて、特に限定されるものではない。具体例としては、炭素数1〜20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド誘導体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有単量体;酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン及びそれらの誘導体;(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等の窒素含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の分子中にエチレン性不飽和結合を有する芳香族ビニル化合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、1,1−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、アリール(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートや、ジビニルベンゼン、ブタジエン等の分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物;エチレン系不飽和ポリカルボン酸を含む少なくとも1種の多価カルボン酸と少なくとも1種のジオール類とから誘導された不飽和ポリエステルプレポリマー;エポキシ基の末端をアクリル変性することにより誘導されるビニルエステルプレポリマー等を挙げることができる。
【0022】
これらは、単独あるいは2種以上を併用して使用することができ、さらに、必要に応じて単量体の一部を予め部分的に重合させたものを使用することもでき、前記単量体から構成される他の重合体成分を使用することもできるが、中でも、芳香族ビニル化合物と多官能(メタ)アクリレートとの併用が好ましい。
【0023】
これは、室温での屈折率が前記範囲内であるビニル系重合体(A)を得やすい傾向にあり、また、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を人工大理石の模様材として使用する場合において、粉砕物が人工大理石用組成物中で溶解、膨潤して粉砕物の境界がぼやけることによって、人工大理石の外観が損なわれることを防ぐことができる傾向にあるためである。必要に応じて、その他のラジカル重合性ビニル化合物を併用することもできる。
【0024】
このように芳香族ビニル化合物と多官能(メタ)アクリレートとを併用する場合、多官能(メタ)アクリレートとしては、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンのような、硬化物の室温における屈折率が1.55以上のものを用いるのが特に好ましい。これは、無機充填材(B)として、水酸化アルミニウム等のような、室温における屈折率が1.55〜1.59の範囲のものを使用する場合に、重合体(A)の室温における屈折率を前記範囲内に保ちやすい傾向にあるためである。
【0025】
芳香族ビニル化合物と多官能(メタ)アクリレートとを併用する場合には、その比率は、通常、多官能(メタ)アクリレートが0.5〜99.5重量%、芳香族ビニル化合物が0.5〜99.5重量%の範囲であることが好ましい。
【0026】
本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物中におけるビニル系重合体(A)の含有量は、目的とする特性により適宜選定することができるが、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の総重量を基準にして10〜80重量%の範囲であることが好ましい。これは、ビニル系重合体(A)の含有量を10重量%以上とすることによって、得られるガラスフレーク片含有樹脂硬化物の成形性や強度に優れる傾向にあり、80重量%以下とすることによって、得られるガラスフレーク片含有樹脂硬化物の帯電防止性や硬度が良好となる傾向にあるためである。さらに好ましくは20〜75重量%の範囲である。
【0027】
無機充填材(B)としては、ラジカル重合性ビニル化合物(a)に不溶であり、かつ、その重合硬化を妨害しないものであれば特に制限されるものではない。例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ジルコニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ、石英、タルク、クレー、硅藻土、石膏、粉末ガラス、モンモリナイト、ベントナイト、ピロフィライト、カオリン、粉末チョーク、大理石、石灰岩、アスベスト、ムライト、硅酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、硅酸カルシウム、硬石膏、α−クリストバライト、アルミナホワイト(一般式[Al2SO4(OH)4・XH2O・2Al(OH)3]n)、エトリンジャイト、粘土と焼成後に色を呈し得る無機物との混合物を焼成して得られた焼成体を粉砕した微粉末等を挙げることができる。これらは、必要に応じて単独あるいは2種以上を併用して使用することができるが、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムを使用すると得られるガラスフレーク片含有樹脂硬化物に優れた難燃性や意匠性を付与することができる傾向にあり好ましい。中でも、水酸化アルミニウムが特に好ましい。
【0028】
無機充填材(B)の平均粒子径は、通常は0.001〜200μmの範囲であることが好ましい。これは、この範囲において、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の成形性が良好となる傾向にあるためである。好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜80μmの範囲である。
【0029】
本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物中における無機充填材(B)の含有量は、目的とする特性により適宜選定することができるが、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の総重量を基準にして10〜80重量%の範囲であることが好ましい。これは、無機充填材(B)の含有量を10重量%以上とすることによって、得られるガラスフレーク片含有樹脂硬化物の帯電防止性や硬度、耐熱性、難燃性等が良好となる傾向にあり、80重量%以下とすることによって、得られるガラスフレーク片含有樹脂硬化物の透明性や強度等が良好となる傾向にあるためである。
【0030】
好ましくは20〜70重量%、さらに好ましくは30〜70重量%の範囲である。
【0031】
また、必要に応じて、無機充填材(B)の表面をシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ステアリン酸系及びリン酸系表面処理剤等で処理して用いることもできる。これら処理剤は、単独あるいは2種以上を併用して使用することができる。
【0032】
ガラスフレーク片(C)としては、特に制限はなく、通常のガラスフレークが使用可能である。また、必要に応じて、各種の金属化合物で表面コーティングしたガラスフレークも使用することができる。金属化合物としては、酸化チタンや銀、ニッケル等が挙げられる。これらの金属化合物で表面コーティングしたガラスフレーク片を使用した場合、得られる人工大理石のきらめき感が強くなる。従って、これを含有する樹脂の粉砕物を人工大理石の模様材として使用した場合、少量の添加量で天然石に似たきらめき感を人工大理石に付与できる傾向にあり好ましい。
【0033】
ガラスフレーク片(C)の最大粒子径の平均は、0.1〜50mmの範囲であることが好ましい。これは、最大粒子径の平均を0.1mm以上とすることによって、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を人工大理石の模様材として使用した場合に、得られる人工大理石に天然石に似たきらめき感が発現される傾向にあり、50mm以下とすることによって、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の成形性が良好となり、さらに本発明の人工大理石の耐汚染性が良好となる傾向にあるためである。好ましくは0.1〜10mmの範囲であり、さらに好ましくは0.2〜7mmの範囲である。
【0034】
ガラスフレーク片(C)の含有量は、目的とする特性により適宜選定することができるが、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の総重量を基準にして0.05〜30重量%の範囲であることが好ましい。これは、含有量を0.05重量%以上とすることによって、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を人工大理石の模様材として使用した場合に、得られる人工大理石に天然石に似たきらめき感が発現される傾向にあり、30重量%以下とすることによって、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の成形性が良好となる傾向にあるためである。より好ましくは0.1〜20重量%の範囲である。
【0035】
さらに、無機充填材(B)とガラスフレーク片(C)との合計が、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の総重量を基準にして25〜75重量%の範囲であることが好ましく、無機充填材(B)/ガラスフレーク片(C)の重量比が1000以下であることが好ましい。無機充填材(B)/ガラスフレーク片(C)の重量比のより好ましい重量比は1〜700の範囲であり、さらに好ましくは5〜700の範囲である。
【0036】
また、必要に応じてガラスフレーク片(C)表面をシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ステアリン酸系及びリン酸系表面処理剤等で処理して用いることもできる。これら処理剤は、単独あるいは2種以上を併用して使用することができる。
【0037】
本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物は、前記のラジカル重合性ビニル化合物(a)、無機充填材(B)、及びガラスフレーク片(C)を含有する混合物を成形硬化することによって得られるものである。この場合、ラジカル重合性ビニル化合物(a)としては、前記の単量体成分と重合体成分から構成される重合性シラップであってもよい。
【0038】
重合体成分としては、必要に応じて適宜選定して使用することが可能であるが、例えば、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等の芳香族ビニル系(共)重合体を挙げることができる。これらは単独、または二種以上併用して用いることができるが、中でもポリスチレンやスチレン−(メタ)アクリレート共重合体が好ましい。
【0039】
重合性シラップとしては、前記単量体成分に重合体成分を混合したものでも良く、単量体成分の一部を部分的に重合させたものでも良い。
【0040】
このように、ラジカル重合性ビニル化合物(a)として重合性シラップ中に重合体成分を含有させると、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物を成形硬化する際の収縮が小さくなり、且つクラックの発生を防止することができる。
【0041】
重合性シラップを使用する場合には、単量体成分の比率が、多官能(メタ)アクリレート5〜80重量%、芳香族ビニル化合物が95〜20重量%の範囲であることが好ましい。これは、単量体成分中の多官能(メタ)アクリレート量が5重量%以上の場合において、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の加熱・加圧成形による生産性が良好となる傾向にあり、80重量%以下の場合において、ビニル系重合体(A)と無機充填材(B)との屈折率の差を前記範囲内に調整することが容易となる傾向にあるためである。
【0042】
また、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物を加圧下に加熱して成形硬化する場合には、構成成分の混合物の取り扱い性を良好なものとするために、適当な増粘剤を添加して増粘させることができる。例えば、酸化マグネシウムによるイオン架橋反応等の増粘方法が利用できるが、中でも、嵩密度が0.1〜0.9g/mlの範囲であり、且つアマニ油に対する吸油量が10〜200ml/100gの範囲である重合体粉末を増粘剤として用いると、混合物の取り扱い性が大幅に改善される傾向にある。
【0043】
さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、難燃剤、着色剤、強化材、紫外線吸収剤、熱安定剤、離型剤、顔料、沈降防止剤等の添加剤を、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物に配合することができる。
【0044】
本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物を構成する、前記のラジカル重合性ビニル化合物(a)、無機充填材(B)、及びガラスフレーク片(C)を含有する混合物を得る方法(添加順序、混練方法等)には特に制限はなく、各成分及び必要に応じてその他の成分を添加して、高速撹拌機や混練ロール、ニーダー等公知の混合・混練機器を用いて均一に混練することにより得ることができる。
【0045】
また、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の成形方法にも特に制限はなく、注型成形法、加圧成形法、押し出し成形法、トランスファー成形法等が適用でき、これらを用いて成形した後に重合硬化させることにより成形品を得ることができる。
【0046】
本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の重合硬化方法としては特に制限はなく、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下又は非存在下に加熱する方法、ラジカル重合開始剤と促進剤からなるいわゆるレドックス系による方法等の任意の方法で行うことができる。2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の有機過酸化物及びこれらのレドックス系の重合開始剤等はそのような開始剤の例であり、これらを単独、あるいは二種類以上を併用して使用することができる。重合開始剤が有機過酸化物の場合は、重合促進剤として第三級アミンを用いることもできる。また、例えばt−ブチルパーオキシマレイン酸等の飽和第三級アルキルパーオキシマレイン酸と塩基性金属化合物を反応させたマレイン酸のヘミパーエステル類に、重合促進剤として水、エチレングリコールジメルカプトアセテート等のメルカプタン化合物、硫黄のオキソ酸塩またはその遊酸塩である硫黄活性剤等を組み合わせた系も用いることができる。これらの重合開始剤系は、製造者が所望する重合硬化条件(温度、時間、コスト等)によって適宜選定することができる。
【0047】
本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の注型成形法を例示すると、まず前記の方法により注型用混合物を製造し、周辺をガスケットでシールし、対向させた二枚の無機ガラス板または金属板の間に、この混合物を注入して加熱する方法(セルキャスト法)や、同一方向に同一速度で進行する二枚の金属製エンドレスベルトとガスケットとでシールされた空間、あるいは一枚の金属製エンドレスベルトと一枚の樹脂フィルムとガスケットとでシールされた空間の上流から、連続的に注入して加熱する方法(連続キャスト法)等によって成形することができる。この際、成形物の離型性、意匠性等を考慮して、無機ガラス板や金属板の表面を、ポリビニルアルコールやポリエステル等の樹脂フィルムで覆って成形することもできる。
【0048】
また本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の加熱・加圧成形法を例示すると、まず前記の方法により加熱・加圧成形用混合物を製造し、これを成形型内に充填し、これを加熱・加圧硬化させる。加熱温度としては、通常60〜180℃、好ましくは80〜150℃の範囲が望ましい。また、加圧条件としては10〜500kg/cm2、好ましくは20〜250kg/cm2の範囲である。
【0049】
上記した方法により得られたガラスフレーク片含有樹脂硬化物は優れた透明性と天然石に似たきらめき感を有しており、特に該樹脂の粉砕物を人工大理石の模様材として使用した場合、該人工大理石外観を天然石に酷似した非常に優美なものとすることができる。
【0050】
上記した方法により得たガラスフレーク片含有樹脂硬化物は、機械的に粉砕して所望の大きさにする。粉砕物の大きさは、大きい程、より天然石に近い外観を人工大理石に与える傾向にある。しかし、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を分散させた人工大理石は、粉砕物の粒子径の半分の深さを表面研削した場合に、人工大理石表面に粉砕物が引き出て、より天然石に近い外観が得られるので、粉砕物の大きさが小さい程、表面研削は容易になる。このことからガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物の大きさは、粒子径0.2〜10mm程度が好ましい。
【0051】
ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕方法としてはボールミル、ロッドミル、塔式磨砕機、振動ミル、ブレーキクラッシャー、ハンマーミル、ジェットミル、流動粉砕等の粉砕方法が使用できる。粉砕された粒子は角張っており、人工大理石に自然に近い外観をもたらす。
【0052】
人工大理石中の粉砕物の含有量は、目的とする人工大理石の特性(特に表面外観)に応じて適宜選定することができるが、通常、人工大理石の総重量を基準にして、0.5〜80重量%、好ましくは2〜60重量%の範囲で使用される。粉砕物の含有量を0.5重量%以上とすることによって、天然石調模様の意匠性が良好になり、含有量を80重量%以下とすることによって、天然石調模様の意匠性が良好になり、また強度等の特性が良好になる傾向にある。
【0053】
また、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物は、優れた透明性を有することが必要であり、ASTM D1003に準じて厚さ0.3mmのシートで全光線透過率を測定したときの値が70%以上であることが好ましい。より好ましくは80%以上である。全光線透過率が70%以上の場合に、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の透明性が充分となり、天然石に酷似した外観を人工大理石に付与することができる傾向にある。
【0054】
さらに、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物としては、その静電気帯電量が小さいものが好ましく、JIS K6911に準じて表面抵抗値を測定したときの値が1.0×1015Ω以下であることが好ましい。これは、表面抵抗値を1.0×1015Ω以下とすることによって、樹脂の粉砕物の輸送や粉砕工程で静電気が発生しにくくなることに伴って、樹脂粒子が装置の壁面等に付着・凝集しにくくなる傾向にあるためである。
【0055】
本発明の人工大理石は、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を含有するものであり、これによって、人工大理石本来の特徴を損なわずに、天然石に似たきらめき感が付与されるものである。
【0056】
本発明の人工大理石は、単量体成分や重合体成分から構成される重合性シラップ、無機充填剤、及び本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物からなる混合物を成形硬化することによって製造されるものである。
【0057】
本発明の人工大理石で使用される重合性シラップとしては、例えば、前記の本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の構成成分から適宜選定して使用することができるが、単量体成分としては、メチルメタクリレート、または(メタ)アクリル系単量体混合物が好ましく、重合体成分としては、ポリメチルメタクリレート、またはアクリル系共重合体が好ましい。また、必要に応じて、前記の本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の構成成分として列挙しているような多官能(メタ)アクリレートを架橋剤として使用することができる。
【0058】
本発明の人工大理石で使用される無機充填剤としては、例えば、前記の本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の構成成分から適宜選定して使用することができるが、中でも、水酸化アルミニウムが好ましい。
【0059】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、難燃剤、着色剤、強化材、紫外線吸収剤、熱安定剤、離型剤、顔料、沈降防止剤等の添加剤を本発明の人工大理石に配合することもできる。
【0060】
本発明において、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物を含有した人工大理石用混合物を得る方法(添加順序、混練方法等)に特に制限はなく、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物を製造する場合と同様に、各成分及び必要に応じてその他の成分を添加して、高速撹拌機や混練ロール、ニーダー等公知の混合・混練機器を用いて均一に混練することにより得ることができる。
【0061】
人工大理石用混合物の重合硬化方法としては特に制限はなく、例えば、前記の本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物を製造する方法と同様な方法を挙げることができる。
【0062】
また、人工大理石の成形方法も特に制限はなく、前記の本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物を製造する場合と同様に、注型成形法、加圧成形法、押し出し成形法、トランスファー成形法等の各種成形法が適用でき、これらを用いて成形した後、重合硬化させることにより目的とする人工大理石を得ることができる。
【0063】
なお、加圧成形法、射出成形法、及びトランスファー成形法を適用する場合には、成形される物品の金型形状、使用される人工大理石用組成物の物性により、成形温度は70〜180℃、好ましくは80〜150℃、成形圧力は20〜500kg/cm2、好ましくは20〜250kg/cm2、成形時間は1〜30分間、好ましくは2〜20分間の範囲で選択することができる。また重合に伴い体積収縮が起きやすいので、使用する金型には、体積収縮に伴ってキャビティーの体積を厚み方向に減少させ得る構造であることが好ましい。
【0064】
ガラスフレーク片含有組成物の粉砕物が分散した人工大理石は、表面を研削することにより表面に現れる粉砕物の大きさが大きくなり、より天然石に近い外観を与える。そのためには粉砕物のうち最大なものの粒子径の少なくとも半分以上の深さで、その表面を研削するのが好ましい。
【0065】
さらに好ましくは、人工大理石表面の光沢を上げることによって、粉砕物の存在感が高まり、より一層意匠性を高めることができる。
【0066】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。以下の実施例において「部」は特記のない限り「重量部」を意味する。なお評価方法は以下の通りである。
【0067】
・外観:目視により評価した。
◎:きらめき感が天然石に酷似した非常に優美な外観
○:天然石に類似したきらめき感を有する優美な外観
△:きらめき感が異なるため、天然石とは趣が異なる外観
×:きらめき感がなく、従来の人工大理石と相違のない外観
・全光線透過率:ヘーズメータ(スガ試験機(株)製、HGM−2DP)を使用して、ASTM D1003に準じて厚さ0.3mmのシートを用いて測定した。
【0068】
・表面抵抗値:ULTRA MEGOHMMETER(東亜電波工業(株)製、SM−10E)を使用し、JIS K6911に準じて測定した。
【0069】
・耐汚染性:3種類の汚染物(口紅、靴墨、髪染め)で表面を汚染後、23℃で24時間放置し、次いで以下の方法で順次洗浄し、汚染物が完全に除去できた際の洗浄方法の点数で評価した。
1)水洗 1点
2)中性洗剤による洗浄 2点
3)クレンザーによる洗浄 3点
4)サンドペーパーによる研磨 4点
・曲げ試験:JIS K7203に準拠して測定した。
【0070】
[参考例1]
スチレン70部、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン(新中村化学(株)製、商品名:BPE−80N)(以下、80Nと略す)30部の混合モノマー溶液を予め重合率20重量%にまで予備重合した混合シラップに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(以下、AVNと略す)3部を溶解させた。なお、この混合シラップの硬化物の室温での屈折率は1.58であった。
【0071】
次いで、該混合シラップ40部に対して、水酸化アルミニウム(以下、ATHと略す)(日本軽金属(株)製、商品名:BW103、屈折率:1.57)57部、ガラスフレーク片(日本板硝子(株)製、商品名:REF−600)(以下、G−Fと略す)3部を添加、撹拌機で混合して鋳込み原料を調製した。この鋳込み原料中には、ATHが57重量%、G−Fが3重量%配合されている。
【0072】
調製した鋳込み原料を減圧にして溶存空気を除去した後、これをガスケット及び2枚のステンレス製鋼板(ポリエステルフィルムで表面を覆ったもの)により形成され、あらかじめ厚さ3mmになるように設定されたセル中に注いだ。その後、80℃において4時間、120℃において2時間重合を行い、透明性良好できらめき感を有するガラスフレーク片含有樹脂硬化物を得た。
【0073】
この成形品の表面抵抗値は1.2×1012Ωであった。
【0074】
また、この成形品のG−Fを除いた部分の全光線透過率を測定するために、G−Fを入れずに、前述と同様の方法で0.3mm厚の成形品を作製して全光線透過率を測定すると90%であった。
【0075】
[参考例2]
スチレン75部、予め重合率20重量%にまで予備重合したポリスチレンシラップ(以下、ST−SPと略す)20部、エチレングリコールジメタクリレート(以下、EDMAと略す)5部の混合モノマー溶液にAVN3部を溶解させた。なお、この混合シラップの硬化物の室温での屈折率は1.59であった。
【0076】
次いで、該混合シラップ40部に対して、ATH57部、G−F3部、沈降防止剤として不定形シリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル300)0.5部を添加、撹拌機で混合して鋳込み原料を調製した。この鋳込み原料中には、ATHが57重量%、G−Fが3重量%配合されている。
【0077】
調製した鋳込み原料を、参考例1と同様にして成形・重合硬化して、透明性良好できらめき感を有するガラスフレーク片含有樹脂硬化物を得た。なお、この成形品の表面抵抗値は1.3×1012Ωであった。
【0078】
また、この成形品のG−Fを除いた部分の全光線透過率を測定するために、G−Fを入れずに、前述と同様の方法で0.3mm厚の成形品を作製して全光線透過率を測定すると87%であった。
【0079】
[参考例3]
G−Fの代わりに金属コーティングガラスフレーク片(日本板硝子(株)製、商品名:メタシャインRCFSX−5600TS、酸化チタンコーティング)(以下、MG−Fと略す)を用いたこと以外は参考例1と同様にして、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物を得た。
【0080】
なお、この混合シラップの硬化物の室温での屈折率は1.58であり、また成形品の表面抵抗値は1.0×1012Ωであった。
【0081】
また、この成形品のMG−Fを除いた部分の全光線透過率を測定するために、MG−Fを入れずに、前述と同様の方法で0.3mm厚の成形品を作製して全光線透過率を測定すると90%であった。
【0082】
[参考例4]
混合モノマー溶液として、メチルメタクリレート(以下、MMAと略す)97部、EDMA3部の混合モノマー溶液を用いたこと以外は、参考例1と同様にしてガラスフレーク片含有成形品を得た。
【0083】
なお、混合モノマー溶液の硬化物の室温での屈折率は1.49であり、また成形品の表面抵抗値は1.5×1012Ωであった。さらに、この成形品のG−Fを除いた部分の0.3mm厚での全光線透過率は32%であった。
【0084】
得られたガラスフレーク片含有成形品の透明性は低く、ガラスフレーク片によるきらめき感もはっきりとしないものであった。
【0085】
[参考例5]
スチレン70部、80N30部の混合モノマー溶液を予め重合率20重量%にまで予備重合した混合シラップにAVN3部を溶解させた。なお、この混合シラップの硬化物の室温での屈折率は1.58であった。
【0086】
次いで、該混合シラップ40部に対して、ATH60部を添加、撹拌機で混合して鋳込み原料を調製した。この鋳込み原料中には、ATHが60重量%配合されている。
【0087】
調製した鋳込み原料を、参考例1と同様にして成形、重合硬化を行い成形品を得た。
【0088】
なお、この成形品の表面抵抗値は1.2×1012Ωであり、またこの成形品の0.3mm厚での全光線透過率は88%であった。
【0089】
得られた成形品は透明性は高いものの、ガラスフレークを含有していないため、きらめき感のない均一な成形品であった。
【0090】
[参考例6]
G−Fの代わりに雲母片((株)山口雲母工業所製、商品名:C−113)(以下、MICAと略す)を用いたこと以外は、参考例1と同様にして雲母片含有成形品を得た。
【0091】
なお、混合モノマー溶液の硬化物の室温での屈折率は1.58であり、成形品の表面抵抗値は1.2×1012Ωであった。さらに、この成形品のMICAを除いた部分の0.3mm厚での全光線透過率は90%であった。
【0092】
[参考例7](人工大理石用黒色模様材の作製)
参考例4で用いたのと同じ混合シラップ40部に対して、ATH60部、アクリル樹脂用黒トナー(大日精化工業(株)製、商品名:AT−854)2部を添加すること以外は、参考例1と同様にして黒色成形品を得た。
【0093】
[参考例8](粉砕による、人工大理石用模様材の作製)
参考例1〜7で各々得た成形品を粉砕機で粉砕後、ふるいで分級することにより、粒径5〜0.2mmの人工大理石用模様材(X−1)〜(X−7)を得た。この際、各粒子は粉砕機やふるいの壁面に付着することはなく、各粒子に静電気が帯電している様子は見られなかった。
【0094】
各粒子の組成及び物性値を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
1)ST−SP:予め重合率20重量%にまで予備重合したポリスチレンシラップ
2)MMA:メチルメタクリレート
3)EDMA:エチレングリコールジメタクリレート
4)80N:2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン(新 中村化学(株)製、商品名:BPE−80N)
5)ATH:水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製、商品名:BW103)
6)G−F:ガラスフレーク片(日本板硝子(株)製、商品名:REF−600)
7)MG−F:金属コーティングガラスフレーク片(日本板硝子(株)製、商品名:R CFSX−5600TS、酸化チタンコーティング)
8)MICA:雲母片((株)山口雲母工業所製、商品名:C−113)
9)黒色トナー:アクリル樹脂用黒トナー(大日精化工業(株)製、商品名:AT−8 54)
10)シリカ微粒子:不定形シリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、商品名:アエロ ジル300)
[実施例4]
MMA17部に、予め重合率20重量%にまで予備重合したMMAシラップ15部、EDMA0.15部、AVN0.1部を溶解させた後、ATH(日本軽金属(株)製、商品名:BW53)47部、白色顔料(ハーウィックケミカルコーポレーション製、商品名:Stan−Tone White)0.9部、参考例1で得た成形品を粉砕した粒子(X−1)16部、参考例7で得た成形品を粉砕した黒色粒子(X−7)5部を添加、撹拌機で混合して鋳込み原料を調製した。
【0097】
調製した鋳込み原料を参考例1と同様にして成形、重合硬化して、各粒子がシート表面、深さ方向に均一に分散した人工大理石を得た。この人工大理石は、従来の人工大理石よりも天然石に近い外観を有し、意匠性の高いものであった。
【0098】
なお、この人工大理石のマトリックス部分の0.3mm厚での全光線透過率を測定するために、各粒子(X−1)、(X−7)を入れずに、前述と同様の方法で人工大理石を作製し、全光線透過率を測定すると42%であった。
【0099】
各粒子(X−1)、(X−7)が分散した人工大理石の表面を、木工用プレーナーで約0.5mmの深さに削った後、600番サンドペーパーで表面研磨した。
【0100】
表面研削・研磨する前は、人工大理石の表面に見える各粒子の大きさは実際の半分以下であり、且つぼやけて見えたが、表面研削・研磨後は、表面に見える各粒子の大きさは実際の粒子径と同程度であり、且つ鮮明に見え、天然石により近い外観を出すことができた。
【0101】
さらに、800番サンドペーパーで研磨した後、研磨用コンパウンドで鏡面まで磨くと、各粒子とマトリックスとのコントラストが大きくなり、より意匠性に優れた人工大理石に加工することができた。
【0102】
また、得られた人工大理石の耐汚染性及び曲げ強度は、表2に示すように非常に優れたものであった。
【0103】
[実施例5]
粒子(X−1)の代わりに参考例2で得た透明粒子(X−2)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして人工大理石を得た。この人工大理石は、従来の人工大理石よりも天然石に近い外観を有し、意匠性の高いものであった。
【0104】
さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨を施すことにより、各粒子とマトリックスとのコントラストがより大きくなり、より意匠性に優れた人工大理石に加工することができた。
【0105】
また、得られた人工大理石の耐汚染性及び曲げ強度は、表2に示すように非常に優れたものであった。
【0106】
[実施例6]
粒子(X−1)の代わりに参考例3で得た透明粒子(X−3)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして人工大理石を得た。この人工大理石は、従来の人工大理石よりも遙かに天然石に近い外観を有し、非常に意匠性の高いものであった。
【0107】
さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨を施すことにより、各粒子とマトリックスとのコントラストがより大きくなり、より意匠性に優れた人工大理石に加工することができた。
【0108】
また、得られた人工大理石の耐汚染性及び曲げ強度は、表2に示すように非常に優れたものであった。
【0109】
[比較例3]
粒子(X−1)の代わりに参考例4で得た成形品を粉砕した粒子(X−4)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして人工大理石を得た。しかしその外観はガラスフレーク片含有粒子(X−4)の透明感が低いため、ガラスフレーク片によるきらめき感が殆ど現出せず、天然石の外観とは異なるが、人工大理石としては新規な外観であった。
【0110】
さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨を施したが、天然石調の外観は得られなかった。
【0111】
[比較例4]
粒子(X−1)の代わりに参考例5で得た成形品を粉砕した粒子(X−5)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして人工大理石を得た。しかしその外観はきらめき感のない均一な透明粒子が分散しているのみで、従来の人工大理石と殆ど相違なく、天然石の外観とは異なるものであった。
【0112】
さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨を施したが、天然石調の外観は得られなかった。
【0113】
[比較例5]
粒子(X−1)の代わりに参考例6で得た成形品を粉砕した粒子(X−6)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして人工大理石を得た。その外観は従来の人工大理石よりも天然石に近い外観を有し、意匠性の高いものであった。
【0114】
さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨を施すことにより、各粒子とマトリックスとのコントラストがより大きくなり、より意匠性に優れた人工大理石に加工することができた。
【0115】
しかし、得られた人工大理石は、実施例の人工大理石と比較して、耐汚染性や曲げ強度に劣っていた。
【0116】
[比較例6]
鋳込み原料として、MMA28部に、予め重合率20重量%にまで予備重合したMMAシラップ15部、EDMA0.15部、AVN0.1部を溶解させた後、ATH(日本軽金属(株)製、商品名:BW53)47部、白色顔料(ハーウィックケミカルコーポレーション製、商品名:Stan−Tone White)0.9部、粒子(X−7)5部、G−F5部を用いたこと以外は、実施例4と同様にして人工大理石を得た。
【0117】
しかし、その外観はG−Fによりきらめき感はあるものの平面的で奥行き感に欠け、従来の石目調人工大理石の外観と殆ど相違ないものであった。
【0118】
さらに、実施例4と同様に表面研削・研磨を施したが、従来の人工大理石と比較して新規な外観は得られなかった。
【0119】
【表2】
【0120】
11)MMA:メチルメタクリレート
12)MMAシラップ:予め重合率20重量%にまで予備重合したMMAシラップ
13)EDMA:エチレングリコールジメタクリレート
14)ATH:水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製、商品名:BW53)
15)白色顔料:ハーウィックケミカルコーポレーション製、商品名:Stan− Tone White
16)X−1:参考例1で得たガラスフレーク片含有成形品を粉砕した粒子
17)X−2:参考例2で得たガラスフレーク片含有成形品を粉砕した粒子
18)X−3:参考例3で得たガラスフレーク片含有成形品を粉砕した粒子
19)X−4:参考例4で得たガラスフレーク片含有成形品を粉砕した粒子
20)X−5:参考例5で得た成形品を粉砕した粒子
21)X−6:参考例6で得た雲母片含有成形品を粉砕した粒子
22)X−7:参考例7で得た黒色成形品を粉砕した粒子
23)G−F:ガラスフレーク片(日本板硝子(株)製、商品名:REF−600)
【0121】
【発明の効果】
本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物は、優れた透明性と意匠性の高いきらめき感を有するものであり、特に人工大理石の模様材として有用である。すなわち、本発明のガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕粒子が分散した人工大理石の外観は、天然石に酷似したきらめき感を有し、非常に優美なものであるだけでなく、耐汚染性や高強度、施工・加工性、メンテナンスの容易さ等の人工大理石の本来の特徴を維持している。よって、本発明の人工大理石は、施工・加工性が特に要求されるカウンターやキッチン家具の天板や床板等に特に有用である。
Claims (5)
- ビニル系重合体(A)、無機充填材(B)、ガラスフレーク片(C)を含有し、ビニル系重合体(A)の室温における屈折率と、無機充填材(B)の室温における屈折率との差が±0.02以内であるガラスフレーク片含有樹脂硬化物の粉砕物からなる人工大理石用模様材。
- 無機充填材(B)が水酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1記載の人工大理石用模様材。
- ビニル系重合体(A)と無機充填材(B)からなる部分の全光線透過率が70%以上であることを特徴とする請求項1記載の人工大理石用模様材。
- ビニル系重合体(A)が多官能(メタ)アクリレートと芳香族ビニル化合物との共重合体からなることを特徴とする請求項1記載の人工大理石用模様材。
- 請求項1記載の人工大理石用模様材を含有することを特徴とする人工大理石。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5854398A JP3682160B2 (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | ガラスフレーク片含有樹脂硬化物、及びこれを用いた人工大理石 |
US09/509,811 US6511750B1 (en) | 1997-10-07 | 1998-10-06 | Artificial marble, cured resin containing mica flake and/or glass flakes, and polymerizable composition containing mica flakes and/or glass flakes |
EP98945634A EP1029835A4 (en) | 1997-10-07 | 1998-10-06 | ARTIFICIAL MARBLE, HARDENED RESIN CONTAINING Mica and / or Glass Flakes, and Polymerisable Composition Containing Mica and / or Glass Flakes |
PCT/JP1998/004510 WO1999018046A1 (fr) | 1997-10-07 | 1998-10-06 | Marbre artificiel, resine durcie contenant des paillettes de mica et/ou des flocons de verre, et composition polymerisable contenant des paillettes de mica et/ou des flocons de verre |
KR10-2000-7003687A KR100369957B1 (ko) | 1997-10-07 | 1998-10-06 | 인공 대리석, 운모편 및(또는) 유리 플레이크 함유 수지경화물, 및 운모편 및(또는) 유리 플레이크 함유 중합성조성물 |
TW87116644A TW512136B (en) | 1997-10-07 | 1998-10-07 | Artificial marble, resin cured article containing mica and/or glass flakes, and polymerization composition containing mica and/or glass flakes |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5854398A JP3682160B2 (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | ガラスフレーク片含有樹脂硬化物、及びこれを用いた人工大理石 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11255548A JPH11255548A (ja) | 1999-09-21 |
JP3682160B2 true JP3682160B2 (ja) | 2005-08-10 |
Family
ID=13087371
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5854398A Expired - Fee Related JP3682160B2 (ja) | 1997-10-07 | 1998-03-10 | ガラスフレーク片含有樹脂硬化物、及びこれを用いた人工大理石 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3682160B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100796437B1 (ko) * | 2005-06-29 | 2008-01-21 | 주식회사 엘지화학 | 투명칩을 이용하여 석영효과를 구현한 인조대리석 및 이의제조방법 |
KR102590474B1 (ko) * | 2019-12-10 | 2023-10-17 | (주)엘엑스하우시스 | 인조 대리석 |
-
1998
- 1998-03-10 JP JP5854398A patent/JP3682160B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11255548A (ja) | 1999-09-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100369957B1 (ko) | 인공 대리석, 운모편 및(또는) 유리 플레이크 함유 수지경화물, 및 운모편 및(또는) 유리 플레이크 함유 중합성조성물 | |
EP0786440B1 (en) | Artificial marble and process for producing the same | |
KR100815472B1 (ko) | 항균성 및 샌딩성이 우수한 인조대리석용 조성물 | |
EP1141135B1 (en) | Solid surface materials derived from aqueous latex dispersions of thermoplastic polymers | |
JP3682160B2 (ja) | ガラスフレーク片含有樹脂硬化物、及びこれを用いた人工大理石 | |
JPH09188556A (ja) | 人工花崗岩用組成物及び人工花崗岩 | |
JP3657106B2 (ja) | 人工大理石 | |
JP3682155B2 (ja) | 雲母片含有樹脂の粉砕物からなる人工大理石用模様材、及びこれを用いた人工大理石 | |
KR100356931B1 (ko) | 목질상 성형물, 그것의 제조 방법 및 성형물용 조성물 | |
JP3634949B2 (ja) | 人工大理石 | |
JP3225180B2 (ja) | 石目調人工大理石 | |
JPH05279575A (ja) | 透明な粒子を分散させた人工大理石 | |
JP3590244B2 (ja) | 雲母片含有重合性組成物、雲母片含有樹脂、およびこれを用いた人工大理石 | |
JP2809022B2 (ja) | 斑状模様を有する人工石 | |
JP3690911B2 (ja) | ガラスフレーク片含有重合性組成物、ガラスフレーク片含有樹脂硬化物、およびこれを用いた人工大理石 | |
JP2550164B2 (ja) | 御影石調人造石の製法 | |
JP2001048623A (ja) | 塊状の樹脂組成物および人工大理石 | |
JP2000290052A (ja) | 塊状の樹脂組成物及び人工大理石 | |
JPH0368661A (ja) | 斑模様を有する大理石様プラスチックス成形品およびその製造方法 | |
JP2001146452A (ja) | 人工石板 | |
JP2882688B2 (ja) | 人工大理石及びその製法 | |
JP2005132864A (ja) | 石目調人工大理石 | |
JPH0354706B2 (ja) | ||
JPH10298389A (ja) | 人工大理石及びその製造法 | |
ES2965362T3 (es) | Superficie polimérica sólida muy duradera |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050125 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20050324 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050517 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Effective date: 20050520 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |