JP2635451B2 - 感光材料処理装置 - Google Patents

感光材料処理装置

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JP2635451B2
JP2635451B2 JP8845991A JP8845991A JP2635451B2 JP 2635451 B2 JP2635451 B2 JP 2635451B2 JP 8845991 A JP8845991 A JP 8845991A JP 8845991 A JP8845991 A JP 8845991A JP 2635451 B2 JP2635451 B2 JP 2635451B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長尺状の感光材料を搬
送ローラによって搬送しながら処理する感光材料処理装
置に関する。
【0002】
【従来技術】一般に、長尺状のグラフィックアーツ(G
/A)及び電算写植用感光材料等は、円筒状の軸回りに
ロール状に巻き取られた状態でマガジンに装填され、こ
のマガジンを処理装置本体の装填口に装填し、マガジン
に設けられた引出口から感光材料を順次引き出して、処
理装置本体内への案内搬送している。
【0003】処理装置本体内では、現像、定着、水洗等
の各処理が行われる。各処理槽には、感光材料の搬送方
向を案内する処理ラックが配設されている。すなわち、
感光材料は、各処理槽へ浸漬され、処理ラックに設けら
れた複数のローラに挟持或いは巻掛けられ、処理槽内の
略U字状に案内搬送される。各処理がなされた感光材料
は、乾燥部において乾燥処理された後に円筒状の巻取軸
へ再度巻き取るようになっている。なお、この円筒状の
巻取軸の軸線方向両端部には、フランジが取付けられ、
感光材料の巻取時に軸方向のずれが生じないように案内
している。
【0004】フランジの外周には、駆動ローラが接触し
ており、この駆動ローラの回転力がフランジへと伝達さ
れ、円筒状の軸を回転させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フラン
ジは一般には、円板状であるため、感光材料が巻き取ら
れる際、何らかの理由により感光材料の搬送が蛇行等し
た時にフランジと駆動ローラとの間に挟み込まれ、感光
材料を損傷し、ジャミングを生じることがある。
【0006】本発明は上記事実を考慮し、感光材料がフ
ランジと駆動ローラとに挟み込まれることなく、円滑か
つ確実に感光材料を巻取軸へ巻き取ることができる感光
材料処理装置を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、長尺状の感光材料を搬送ローラによって搬送しなが
ら処理する感光材料処理装置であって、処理槽本体で処
理が済んだ前記感光材料を巻き取る巻取軸と、この巻取
軸の軸方向両端部に取付けられ前記感光材料の巻取軸へ
の巻取時の巻き方向を案内するフランジと、前記巻取軸
を回転させる駆動手段と、を有し前記フランジはその内
側面に向けて段階的に順次径寸法が小さくなる部分を持
ち、前記感光材料が前記フランジの最小径部分間で巻取
軸に巻き取られることを特徴としている。
【0008】請求項2に記載の発明は、長尺状の感光材
料を搬送ローラによって搬送しながら処理する感光材料
処理装置であって、処理槽本体で処理が済んだ前記感光
材料を巻き取る巻取軸と、この巻取軸の軸方向両端部に
取付けられ内側面の外周部近傍に凸状部を備えたフラン
ジと、前記巻取軸を回転させる駆動手段と、を有し前記
感光材料が前記フランジの内側面間で巻取軸に巻き取ら
れることを特徴としている。
【0009】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、駆動ローラが
回転するとこの駆動ローラと接触しているフランジが回
転し、この結果巻取軸が回転して感光材料が巻き取られ
る。ここで、巻取軸に巻き取られる感光材料の幅方向端
部はフランジの内側面に案内されて巻き取られることに
なり、この感光材料が蛇行等した時に感光材料が駆動ロ
ーラとフランジとの間に挟み込まれる恐れがある。しか
し、フランジの外側から内側にかけて径寸法を段階的に
順次小さく形成したので、感光材料が巻き取られる際、
何らかの理由により感光材料の搬送が蛇行してフランジ
の外側から内側にかけて径寸法が段階的に小さくされた
部分の一部に引っ掛かったとしても感光材料端部はフラ
ンジの外側方向に移動することなく、フランジの内側に
移動し感光材料はフランジの最小径部分間で巻取軸に巻
き取られ、フランジの外周部と駆動ローラとの間に感光
材料が挟み込まれることが防止される。
【0010】請求項2に記載の発明によれば、フランジ
の内側面における外周部近傍に凸状部を備えたので、感
光材料が巻き取られる際、何らかの理由により感光材料
の搬送が蛇行してフランジ内側面からフランジ外周部方
向に感光材料端部が移動しようとしても凸状部によって
その移動が阻止され、フランジと駆動ローラとの間への
感光材料の挟み込みがない。
【0011】
【実施例】図1には、本発明が適用される電算写植用自
動現像機10の処理槽部分の概略構造図が示されてい
る。
【0012】自動現像機10には、そのケーシング12
の図1の左側面に感光材料14を挿入する挿入口16が
設けられている。感光材料14は、ロール状に巻き取ら
れた状態でマガジン18に収容されている。挿入口16
の外側には、このマガジン18を装填する装填部20が
配設されている。
【0013】図2乃至図6には、装填部20の詳細が示
されている。装填部20は、箱型の装填部ケーシング2
2と、この装填部ケーシング22内に収容されるマガジ
ン装填部24とで構成されている。
【0014】装填部ケーシング22の上方は開口され、
この開口に対応して蓋体26が配設されている。蓋体2
6は、蝶番28を介して装填部ケーシング22に連結さ
れており、この蝶番28の回転軸を中心に回動可能とさ
れている。これにより、装填部ケーシング22の開口を
開閉することができる。蓋体26の装填部ケーシング2
2の開口周縁部との当接部には、遮光のための弾性部材
30(例えば黒色のスポンジ)が貼付けられている。こ
のため、蓋体26の閉止状態では、装填部ケーシング2
2内への光の侵入が阻止される。
【0015】また、蓋体26の裏面側幅方向両端部に
は、略コ字型の一対のブラケット32が固着されてい
る。このブラケット32には、軸34を介してそれぞれ
ダンパー36のフランジ38が取付けられている。ダン
パー36には、伸縮するステー40(伸出し方向に付
勢)が収容されており、このステー40の先端部は、図
示しないブラケットを介して装填部ケーシング22の内
側縦壁部へ取付けられている。このため、蓋体26は、
ダンパー36の付勢力により、開放状態で保持されるこ
とになる。また、装填部ケーシング22の開口周縁の一
部には、マグネット(図示省略)が取付けられており、
蓋体26の閉止時には、磁力で蓋体26を閉止状態を保
持することができる。すなわち、蓋体26を開放するに
は、磁力に抗して蓋体26を押し開くことにより、ダン
パー36の付勢力で開放される構成である。
【0016】装填部ケーシング22の内側側壁には、互
いに平行な側板42が配設されている。図3に示される
如く、側板42の前記ケーシング12に設けられる挿入
口16側端部下方角部には、シャフト44が掛け渡され
ている。この側板42には、一対の長孔46が上下方向
に亘って形成されている。この長孔46は中間部で若干
屈曲されて略く字型とされ、屈曲部よりも下側が鉛直方
向となっている。図2に示される如く、長孔46には、
ローラ48の回転軸50がそれぞれ挿通されている。ロ
ーラ48の回転軸50の基部には、アームブラケット5
2の長手方向一端部に形成された長孔54に挿通されて
いる。長孔54の上方にはピン56が立設され、ねじり
コイルばね58が取付けられ、その一端部は、アームブ
ラケット52に形成された切欠部60に係止され、他端
部は回転軸50と当接されている。このため、回転軸5
0は、長孔54の下端部へ付勢されて保持されている。
【0017】アームブラケット52の他端部は、図示し
ない円孔が形成され、軸62を介して蓋体26に取付け
られた略L字型のブラケット64に連結されている。
【0018】これにより、蓋体26の開放状態では、ア
ームブラケット52によりローラ48が長孔46の上方
端位置とされ、蓋体26の閉止状態では、ローラ48が
長孔46の下方端位置とされる。
【0019】長孔46の下方端よりも下側には、前記ロ
ーラ48と対とされるローラ66が回転軸68を介して
側板42に軸支されている。
【0020】このローラ48、66は、前記ローラ48
が長孔46の下方端位置に至ったときに互いに接触する
ようになっている。また、この接触時に前記ねじりコイ
ルばね58の付勢力に抗してローラ48が長孔54の上
方へと移動し、所定の付勢力で接触状態が維持される。
【0021】図4に示される如く、下側のローラ66の
軸方向一端部には、ホイール70が取付けられ、無端の
ベルト72が巻掛けられている。この無端のベルト72
は、装填部ケーシング22に取付けられたブラケット7
4に軸支されるホイール76にも巻掛けられている。こ
のホイール76と同軸上にダイヤルツマミ78が取付け
られており、その外周の一部が装填部ケーシング22に
形成されたスリット孔80から突出されている。
【0022】ここで、ダイヤルツマミ78を回転させる
ことにより、ベルト72を介して下側のローラ66へ回
転力を伝達することができる。
【0023】図2に示される如く、側板42間には、マ
ガジン装填部24が掛け渡されている。マガジン装填部
24は、それぞれ側板42に沿って配設される互いに平
行なマガジン支持用側板82と、これらのマガジン支持
用側板82の前記挿入口16側端部間に掛け渡された基
板84とで構成され、平面視で略コ字型となっている。
【0024】図3に示される如く、マガジン支持用側板
82の前記挿入口16側端部上方角部には円孔86が形
成され、基板84の円孔88と同軸とされており、シャ
フト90が掛け渡されている。シャフト90は、その軸
方向両端部が円孔86、880を貫通し、ビス92によ
ってマガジン用側板82に取付けられたスペーサ94を
介して側板42と当接されている。この当接された側板
42の位置には、円孔96が形成され、外側からビス9
8が貫通され、シヤフト90の端面へ螺合されている。
これにより、マガジン装填部24は、シャフト90を中
心に回転可能とされている。
【0025】また、マガジン支持用側板82の挿入口1
6側端部下方角部には、円孔100が形成され、基板8
4の円孔102と同軸とされており、シャフト104が
掛け渡されている。シャフト104は、その軸方向両端
部が円孔100を貫通し、ビス106によってマガジン
支持用側板82に取付けられたスペーサ108を介して
側板42と当接されている。この当接された側板42の
位置には、円弧状の長孔110が形成され、外側から位
置決めビス112が貫通され、シヤフト104の端面へ
螺合されている。これにより、マガジン装填部24のシ
ャフト90を中心とした回転が阻止されるが、位置決め
ビス112を緩めることにより回転可能となる。ここ
で、所定の回転角度に設定した後に再度位置決めビス1
12を締め付けることにより、マガジン装填部24は、
側板42に対して所定の角度で固定させることができ
る。これにより、マガジン18の上下位置を微調整する
ことができる。
【0026】マガジン支持用側板82における挿入口1
6側とは反対側の端部下方角部には、円孔118が形成
され、シャフト120が掛け渡されている。シャフト1
20は、その軸方向両端部が円孔118を介して、ビス
121によって螺合されている。
【0027】また、マガジン支持用側板82における円
孔118の上方には、それぞれ上下方向が長手方向とさ
れる長孔122が形成されている。また、長孔122に
連続して、長孔122の上下端及び中間の2位置から挿
入口16側端部方向へ延設される長孔124(以下、必
要に応じて上から第1、第2、第3、第4の長孔124
A、124B、124C、124Dという。)。これら
の長孔124は先端部が若干下方となるように傾斜され
ている。
【0028】図2に示される如く、長孔122の外側か
らは、ビス126が挿通され、マガジン18を載置する
載置台128の側面に螺合されている。ビス126は、
長孔122及び長孔124間を自由に移動可能とされ、
第1、第2、第3及び第4の長孔124A、124B、
124C、124Dの何れかに案内されることにより、
載置台128の一端がビス126を介してマガジン支持
用側板82に支持されることになる。
【0029】また、基板84には、幅方向両端部近傍に
複数のピン130が立設されている。これらのピン13
0は、縦に4個ずつ並べられており、それぞれが前記長
孔124の高さ位置を対応され、載置台128の他端が
支持されることになる。
【0030】すなわち、本実施例では載置台128の高
さ位置が4段階に変更可能とされ、マガジン18の大き
さに対応可能とされる。
【0031】載置台128には、幅方向に沿って4個の
長孔132が形成されている。長孔132は2個ずつ対
とされ、それぞれにビス134を介して略L字型のブラ
ケット136が取付けられている。ブラケット136
は、マガジン18の幅方向寸法に対応して移動可能とさ
れ、マガジン18の横方向移動を阻止する役目を有して
いる。
【0032】マガジン18は、密閉された箱型で、一部
にスリット状の孔138が形成され、感光材料14の引
出し用とされている。ここで、載置台128にマガジン
18が装填されると、スリット状の孔138から引き出
された感光材料14が、下側のローラ66上に載置され
ることになる。この状態で蓋体26を閉止すると、感光
材料14は上側のローラ48と下側のローラ66とによ
り挟持され、ダイヤルツマミ78を回すことにより、感
光材料14をケーシング12の挿入口16へと搬送させ
ることができる。また、感光材料14を自動現像機10
によって処理しているときに感光材料14がマガジン1
8からスムーズに自動現像機10に送り込まれているか
同化をダイヤルツマミ78の回転状態を見ることによっ
て確認できる。
【0033】図1に示される如く、ケーシング12の挿
入口16の内方には一対のローラ140が設けられてお
り、図示しない駆動手段で回転するようになっている。
【0034】このため、挿入口16から挿入された感光
材料14は、この一対のローラ140に挟持されること
により、搬送力が付与される。ここで、挿入口16のケ
ーシング12の内側部分には、感光材料14の搬送経路
を挟んで、感光材料14の幅方向に沿って複数の感光材
料検出センサ142の投光部と受光部とが配設されてい
る。感光材料検出センサ142は、その信号線144が
制御装置146へ接続され、感光材料14の有無及び感
光材料14の幅寸法を検出して、制御装置146へ供給
するようになっている。
【0035】一対のローラ140の駆動力によって搬送
される感光材料14は、自動現像機10の内部に設置さ
れる処理部148へと案内される。
【0036】処理部148には、複数の処理槽が設けら
れ、それぞれ図1の左から現像槽150、定着槽152
及び水洗槽154とされている。
【0037】現像槽150、定着槽152、水洗槽15
4(以下、総称する場合は処理槽という)には、それぞ
れ現像液、定着液、水洗水が蓄えられている。
【0038】各処理槽150、152、154内には処
理ラック156が配置され、感光材料14を挟持して所
定の搬送経路に沿って搬送させる複数対のローラ158
が設けられている。これらのローラ158は、図7に示
される如く、歯車160の連結により、駆動ローラ16
2から駆動力を受けて等速度回転するようになってい
る。また、図7に示される如く、ローラ158は、それ
ぞれ対とされる一方が段付きとされており、感光材料1
4の挟持力を制限している。このため、感光材料14が
下流方向に引っ張られると、この引張力によりローラ1
58の回転による搬送速度よりも速く移動されるように
なっている。なお、ローラ158と歯車160との間に
ワンウェイクラッチ(図示省略)を介在させて、感光材
料14の送り方向に空回りすることができるようにして
もよい。この場合、対となっているローラ158の一方
を段付としてもよいし、段付でなくてもよい。
【0039】ところで、ローラ158は等速度回転する
が、現像槽150を基準として定着槽152及び水洗槽
154に配設される処理ラック156のローラ158の
外径寸法を1.008 倍、後述する乾燥部164に配設され
る処理ラック156のローラ158の外径寸法を1.019
倍としている。これにより、実際の感光材料14の搬送
速度は、下流にいくに従い除々に速くなるため、感光材
料14が弛むことなく、かつ段付のローラ158による
挟持力制限作用(或いは、ワンウェイクラッチの作用)
によって、所定以上緊張することなく、搬送されること
になる。
【0040】この場合、現像槽150、定着槽152、
水洗装置154及び乾燥部164に配設される処理ラッ
ク156のローラ158の外径寸法を同一とし、その代
わりに現像槽150内の処理ラック156のローラ15
8の回転速度を基準に定着槽152、水洗槽154、乾
燥部164内の処理ラック156のローラ158の回転
速度を駆動伝達ギヤの組み合わせによって増速して感光
材料14に弛みを与えることなく、搬送するようにして
もよい。
【0041】処理部148の図1の上方には、クロスオ
ーバラツク166が配置されている。このクロスオーバ
ラック166にも複数対のローラ158が設けられ、感
光材料14を隣り合う処理槽へと案内している。図7に
示される如く、それぞれのローラ158は、軸受168
を介して処理ラック156の側板170へ軸支され、円
滑に回転するようになっている。
【0042】ここで、複数対のローラ158は、それぞ
れ感光材料14を挟持しているが、その巻掛量(搬送方
向変更角度)が大きいものと単に直線的に搬送するもの
とがある(図1において、この巻掛量の大きいローラを
黒く塗り潰し、かつ符号の後に”A”を付した)。
【0043】このため、特に巻掛量の大きいローラ15
8Aでは、軸受168に負担がかかり、他の軸受168
に比べて摩耗量が多くなるため、本実施例では、この負
担の大きい軸受168の材質を耐摩耗性に優れたものを
適用している。適用可能な材質としては、フッ素樹脂又
は超高分子ポリエチレンが挙げられ、特に超高分子ポリ
エチレンは、直線的に搬送されるローラ158に適用さ
れる軸受168の材質である通常の超高分子ポリエチレ
ンの10倍から70倍の分子量(本発明に使用される超
高分子ポリエチレンの分子量は約550万である)を持
ち、最適である。
【0044】水洗槽154で水洗処理された感光材料1
4は、一対の搬送ローラ158によって処理部148に
並設された乾燥部164へと搬送されるようになってい
る。この乾燥部164では、水洗槽154で水洗いの終
了した感光材料14が複数のローラ158によって乾燥
部164内を水平方向に挟持搬送され、温風によって乾
燥され、排出口172からケーシング12外へ排出さ
れ、このケーシング12に隣接して設けられた、感光材
料巻取部174へと至るようになっている。
【0045】図8に示される如く、感光材料巻取部17
4は、感光材料14が巻掛けられる巻掛ローラ176と
感光材料14をロール状に巻き取るための軸となる円筒
部材178とを備えている。巻掛ローラ176は、その
両端部が感光材料巻取部174のケーシング12に設け
られた縦方向の長孔180に挿通されており、上下に移
動可能とされている。
【0046】一方、図9に示される如く、円筒部材17
8の軸方向両端部には、円板状のフランジ182が取付
けられ、このフランジ182の外周が駆動ローラ184
及びアイドルローラ186に支持された状態で載置され
ている。駆動ローラ184は、チェーン188を介して
モータ190の回転軸192と連結されている。このた
め、モータ190の回転軸192が回転すると、チェー
ン188を介して駆動力が駆動ローラ184へ伝達さ
れ、駆動ローラ184が回転するようになっている。駆
動ローラ184が回転すると、フランジ182の外周が
接触しているため、フランジ182と共に円筒部材17
8が回転して、感光材料14を巻き取る構成となってい
る。
【0047】図9に示される如く、フランジ182は、
肉厚寸法Mが10mmとされ、その外径寸法が内側面に行
くに従い段階的に小径とされている。フランジ182の
外側面との角部から内側面へ向けての肉厚寸法L(3m
m) 部分の外径寸法Rは、200mmとされている。ま
た、内側面との角部から外側面へ向けての肉厚寸法P
(2mm) 部分は、外径寸法Tが170mmとされている。
中間部分の肉厚寸法Q(5mm) 部分は、外径寸法Sが1
96mmとされている。
【0048】これにより、フランジ182と駆動ローラ
184又はアイドルローラ186との接触部は3mm分と
され、感光材料14が挟み込まれる確率が少なくなり、
また、フランジ182に巻き取られる感光材料14の端
部と、フランジ182の駆動ローラ184又はアイドル
ローラ186との接触部分との間にフランジ182の外
径寸法がR、S、Tと3段階に段階的に間隔が設けられ
たので、感光材料が円筒部材178へ巻き取られる時に
蛇行しても感光材料14がフランジ182と駆動ローラ
184又はアイドルローラ186との接触部に挟み込ま
れることがなくなり、円筒部材178への安定した巻取
作業を行うことができる。
【0049】なお、上記において、フランジ182の外
径寸法をR、S、Tと3段階としたが、これに限らず外
径寸法を複数段階にすることができる。ここで、感光材
料14の円筒部材178への最大巻取径は、フランジの
最小外径寸法Tより小とされている。
【0050】図8に示される如く、巻掛ローラ176
は、ブラケット194を介して無端のベルト196に取
付けられている。このベルト196は、一対のホイール
198にそれぞれ巻掛けられている。ベルト196の一
部には、重り200が取付けられている。この重り20
0の重量は、巻掛ローラ176の重量から設定され、巻
掛ローラ176に巻掛けられる感光材料14へ所定以上
の張力が加わることがないように設定される。
【0051】巻掛ローラ176が挿通される長孔180
の上下両端部近傍には、それぞれリミットスイッチ20
2、204が取付けられている。このリミットスイッチ
202、204の接触子206は、前記ブラケット19
4の一部を構成する移動ブロック208と対応されてい
る。移動ブロック208には、リミットスイッチ20
2、204と対応する面に斜面210、212が形成さ
れ、この斜面210、212に案内されてリミットスイ
ッチ202、204の接触子206が移動されて接点が
切り換わるようになっている。リミットスイッチ20
2、204の信号線214、216は制御装置146に
接続されている。また、前記モータ190も制御装置1
46にドライバ218を介して接続されている。ここ
で、制御部146では、下側のリミットスイッチ204
がオンとなった時点で、モータ190を駆動させるため
の信号をドライバ218へ出力し、上側のリミットスイ
ッチ202がオンとなった時点で、この駆動信号の出力
を終了するようにしている。
【0052】これにより、排出口172から順次排出さ
れる感光材料14によって、巻掛ローラ176が長孔1
80に沿って下降し、下側のリミットスイッチ204が
オンとなった時点から上側のリミットスイッチ202が
オンとなるまで円筒部材178が回転し、感光材料14
が巻き取られることになる。すなわち、感光材料14は
断続的に巻き取るため、感光材料14の排出口172か
らの排出速度を考慮する必要がない。
【0053】以下に本実施例の作用を説明する。蓋体2
6を磁力に抗して開放する方向へ蝶番28の軸を中心に
回転させると、磁力による装填部ケーシング12の開口
周縁と離反される。この離反により、ダンパー36の付
勢力により、蓋体26は蝶番28の軸を介して開放方向
へ回動し、全開状態となる。この状態では、上側のロー
ラ48がアームブラケット52により長孔46の上端位
置へと至るので、下側ローラ66との間に空間を生じさ
せることができる。
【0054】次に、載置台128をマガジン支持用側板
82の長孔122に沿って上下方向に移動させ、第1、
第2、第3及び第4の長孔124A、124B、124
C、124Dの何れかを選択して、ビス126を案内す
る。これは、装填されるマガジン18の大きさによって
予めセットしておくことが好ましい。ここで、長孔12
4の数を4個としたが長孔124の数は、これに限定さ
れるものではない。
【0055】この載置台128の高さ位置のセットが完
了すると、露光済の感光材料14がロール状に収容され
たマガジン18をマガジン装填部24へと搬送する。こ
のとき、載置台128のビス134を緩め、マガジン1
8の幅寸法に合わせてブラケット136を移動させて、
マガジン18の幅寸法に合わせる。これによりマガジン
18が載置台128にがたつくことなく載置される。
【0056】マガジン18が載置台128に載置される
と、スリット状の孔138から引き出された先端部が、
下側のローラ66上に載置される。この場合、上側のロ
ーラ48がアームブラケット52によって上方へ移動さ
れているので、容易に載置することができる。
【0057】ここで、第1、第2、第3及び第4の長孔
124A、124B、124C、124Dのいずれかを
選択して載置台128の位置を決めてもマガジン18の
位置が所望の位置にならないときは、位置決めビス11
2を緩める。これにより、マガジン装填部24は、側板
42に対してシャフト90を中心に回転可能となり、円
弧状の長孔110に沿って回転させることができる。こ
れにより、マガジン18の感光材料14を搬送するロー
ラ66に対する上下方向の位置を微調整してマガジン1
8から感光材料14をスムーズに引き出すことができる
位置にすることができる。
【0058】なお、本実施例では、マガジン装填部24
を処理装置本体側上方を支点にして揺動可能としたが、
ガジン装填部24を処理装置本体側下方を支点にして揺
動可能とする構造にしてもよい。このとき、マガジン1
8は本実施例とは逆にスリット状の孔138を処理装置
本体側で載置台128側にして載置台128上に載置さ
れ、感光材料14がスリット状の孔138に触れること
なく、引き出される感光材料14の搬送方向と処理装置
本体への搬入手段であるローラ48、66以降の搬送方
向とをほぼ一致させる構造となる。
【0059】上記各調整が終了した後、蓋体26をダン
パー36の付勢力に抗して閉止方向へ蝶番28の軸を中
心に回転させる。完全に閉止されると、磁力により蓋体
26は閉止状態で保持される。、また、開口部周縁と蓋
体26との間は、遮光性の弾性部材30が介在されるの
で、マガジン装填部24内は、確実に遮光される。
【0060】蓋体26を閉止した後は、上側のローラ4
8が長孔46の下端位置へと至り、下側のローラ66と
により感光材料14が挟持される。この場合、上側のロ
ーラ48は、アームブラケット52の長孔54の下端部
にねじりコイルばね58によって付勢されているので、
接触後は、このねじりコイルばね58の付勢力に抗して
上側のローラ48は、長孔54の上方へと移動され、所
定の挟持力で感光材料14を挟持することができる。
【0061】なお、本実施例では上側のローラ48をゴ
ム製ローラ下側のローラ66をフェノール樹脂製ローラ
として感光材料14を挟持搬送し易くしているが、ロー
ラ48、66を両方ともゴム製ローラにする等他の組合
わせであってもよい。
【0062】次に、装填部ケーシング12から突出され
たダイヤルツマミ78を回すと、下側のローラ66がベ
ルト72を介して回転する。これにより、上側のローラ
48とにより挟持されている感光材料14が徐々にケー
シング12の挿入口16へと搬送されていく。
【0063】感光材料14が挿入口16へ挿入される
と、搬送ローラ140によって挟持搬送されクロスオー
バラツク166のガイド面に案内され、現像槽150内
へ搬送される。現像槽150では、処理ラツク156に
設けられたローラ158によって挟持され、現像槽15
0内の現像液中を略U字状に搬送され、排出される。
【0064】現像槽150から排出された感光材料14
はローラ158によって搬送されながら、クロスオーバ
ラツク166のガイド面に案内されて定着槽152へと
搬送される。定着槽152内では、前記現像槽150内
での搬送経路と同様に略U字状に搬送される。定着槽1
52から排出された感光材料14は、ローラ158によ
って搬送されながら水洗槽154へと至り、上記現像槽
150、定着槽152と同様に水洗槽154内で略U字
状に搬送されて、水洗処理がなされる。
【0065】ところで、挿入口16から搬送される感光
材料14は水平状態とされ、現像槽150へ案内するた
めに略直角に屈曲される。また、現像槽150、定着槽
152及び水洗槽154の下方では感光材料14が略U
字状に搬送される。さらに、各槽への受け渡し時には、
略直角に2回屈曲される。この搬送方向の変更部内側に
配設されるローラ158Aは、通常の回転力だけでな
く、軸直角方向へ移動する力が加わる。この力は軸受1
68によって支持しているが、他の略直線状に搬送する
ローラ158に取付けられる軸受168に比べて負担が
大きい。この負担は、軸受168の摩耗増大に大きな影
響を及ぼすため、本実施例では、この巻掛量の大きいロ
ーラ158Aに取付けられる軸受168の材質を超高分
子ポリエチレンとした。この超高分子ポリエチレンは、
他の略直線状に搬送するローラ158に取付けられる軸
受168の材質である通常の超高分子ポリエチレンの分
子量の約10倍から70倍の分子量を持ち、耐摩耗性に
優れた材質である。このため、感光材料14の巻掛量の
大きいローラ158Aに適用することにより、著しい摩
耗を防止し他の軸受168と略同等の摩耗に抑えること
ができる。
【0066】水洗処理が終了した感光材料14は、搬送
ローラ158によって乾燥部164へと搬送される。感
光材料14は、搬送ローラ158によって略水平状態で
搬送されながら、温風が吹き付けられて乾燥処理がなさ
れ、排出口172からケーシング12外へ排出される。
【0067】以上がケーシング12内での感光材料14
の搬送であるが、本実施例では、それぞれ対とされるロ
ーラ158の一方を段付としている。このため、感光材
料14の挟持力が所定の力に制限され、この所定の力以
上で感光材料14が下流方向へ引っ張られると、ローラ
158の回転による搬送に関係なく、搬送される。さら
に、本実施例では、ローラ158の径寸法を現像槽15
0に配設される処理ラック156のローラ158を基準
として、定着槽152及び水洗槽154のローラ158
が1.008 倍、乾燥部164のローラ158が1.019 倍と
なっている。このため、下流にいくに従い感光材料14
の搬送速度が増加することになる。これによって、感光
材料14の弛みを防止すると共に前記段付のローラ15
8によって、所定以上の緊張分はローラ158上を滑る
ことにより吸収することができる。
【0068】ケーシング12から排出された感光材料1
4は、感光材料巻取部174の巻掛ローラ176に巻掛
けられ、円筒部材178に巻き取られる。ここで、円筒
部材178の軸方向両端部には、フランジ182が取付
けられており、このフランジ182の外周が駆動ローラ
184及びアイドルローラ186上に支持されている。
駆動ローラ184は、無端のチェーン188を介してモ
ータ190の回転軸192が連結されているので、モー
タ190の回転に応じて回転し、フランジ182を回転
させることができる。
【0069】モータ190の回転時期は、リミットスイ
ッチ202、204によってなされる。すなわち、巻掛
ローラ176は、重り200によって所定の重さで長孔
180の下方へと移動するようになっている。このた
め、排出口172から感光材料14が徐々に排出される
に従い、巻掛ローラ176が長孔180の下方へと移動
する。ここで、移動ブロック208の斜面212がリミ
ットスイッチ204の接触子206と当接すると、リミ
ットスイッチ204の接点が切り換わり、制御装置14
6からドライバ218へ駆動信号を出力する。これによ
り、ドライバ218では、モータ190を駆動させ、感
光材料14を円筒部材178へ巻き取ることができる。
ここで、この巻取に応じて巻掛ローラ176が感光材料
14に押圧されて、徐々に長孔180の上方へと移動す
る。長孔180の上端へ至ると、移動ブロック208の
斜面210が上側のリミットスイッチ202の接触子2
06と当接し、接点を切り換える。これにより、制御装
置146では、ドライバ218への駆動信号の出力が終
了し、モータ190の駆動は停止される。この間も感光
材料14は、排出口172から順次排出されているの
で、巻掛ローラ176は再度長孔180の下方へと移動
する。これを繰り返すことにより、感光材料14は、断
続的に円筒部材178へ巻き取られていくことになる。
従って、感光材料14の排出口172からの排出速度を
考慮することなく、感光材料14を確実に巻き取ること
ができる。
【0070】感光材料14が円筒部材178に巻き取ら
れる際、若干の弛み或いは巻きずれ等が生じることがあ
る。この弛みや巻きずれにより、従来では、感光材料1
4は、幅方向にずれフランジ182と駆動ローラ184
又はアイドルローラ186との間に挟み込まれることが
あった。しかし、本実施例では、フランジ182の肉厚
方向で段付としたので、実際にフランジ182が駆動ロ
ーラ184及びアイドルローラ186と接触する肉厚は
3mm程度とされるので、感光材料14が挟み込まれる確
率が減少し、安全に感光材料14を円筒部材178へ巻
き取ることができる。
【0071】なお、本実施例では、フランジ182をそ
の肉厚方向で段付としたが、図10に示される如く、フ
ランジ182の内面側の外周部近傍に凸状部、例えばリ
ブ222を設け、感光材料14を端部のフランジ182
の外周部と駆動ローラ184の接触部方向への移動を強
制的に阻止するようにしてもよい。
【0072】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る感光材料
処理装置は、感光材料がフランジと駆動ローラとに挟み
込まれることなく、円滑かつ確実に感光材料を巻取軸へ
巻き取ることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る自動現像機の概略構成図であ
る。
【図2】装填部の斜視図である。
【図3】マガジン装填部の分解斜視図である。
【図4】装填部における感光材料搬送操作部を示す斜視
図である。
【図5】装填部の側面図である。
【図6】マガジン装填部の正面図である。
【図7】ローラの側面図である。
【図8】感光材料巻取部の斜視図である。
【図9】感光材料を巻き取る円筒部材及びフランジの軸
方向断面図である。
【図10】フランジの変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
10 自動現像機 14 感光材料 18 マガジン 24 マガジン装填部 26 蓋体 48 ローラ 66 ローラ 78 ダイヤルツマミ 82 マガジン支持用側板 90 シャフト 110 長孔 112 位置決めビス 122 長孔 124A、124B、124C、124D 長孔 158 ローラ 174 感光材料巻取部 176 巻掛ローラ 178 円筒部材 180 長孔 184 駆動ローラ 190 モータ 202 リミットスイッチ 204 リミットスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−4554(JP,A) 実開 昭56−145050(JP,U) 実開 平3−24652(JP,U) 実開 昭48−63024(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺状の感光材料を搬送ローラによって
    搬送しながら処理する感光材料処理装置であって、処理
    槽本体で処理が済んだ前記感光材料を巻き取る巻取軸
    と、この巻取軸の軸方向両端部に取付けられ前記感光材
    料の巻取軸への巻取時の巻き方向を案内するフランジ
    と、前記巻取軸を回転させる駆動手段と、を有し前記フ
    ランジはその内側面に向けて段階的に順次径寸法が小さ
    くなる部分を持ち、前記感光材料が前記フランジの最小
    径部分間で巻取軸に巻き取られることを特徴とする感光
    材料処理装置。
  2. 【請求項2】 長尺状の感光材料を搬送ローラによって
    搬送しながら処理する感光材料処理装置であって、処理
    槽本体で処理が済んだ前記感光材料を巻き取る巻取軸
    と、この巻取軸の軸方向両端部に取付けられ内側面の外
    周部近傍に凸状部を備えたフランジと、前記巻取軸を回
    転させる駆動手段と、を有し前記感光材料が前記フラン
    ジの内側面間で巻取軸に巻き取られることを特徴とする
    感光材料処理装置。
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