JP2632981B2 - 乗用田植機用深浅２段施肥機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は、田植機に付設して、植付爪により植え付け
後の植付苗の近傍に側条施肥と深層施肥の２段に施肥を
行う深浅２段施肥機に関するものである。

（ロ）従来技術 従来から、田植機に付設し、植付けと同時に施肥を行
う施肥装置において、各植付苗の側方に沿って浅い位置
に作溝体により構成した溝に施肥する側条施肥装置と、
１条置きに条間の中央に設けた深い施肥位置の作溝体に
より構成した溝に施肥する深層施肥装置を配置した田植
機の施肥装置が公知とされている。

例えば、実開昭63−33738号公報に記載の技術の如く
である。

また、フロート後部に、上面をフロート下面に接合し
た側条施肥用の作溝器を装設した田植機における施肥装
置が公知とされている。

例えば、実開昭57−161318号公報に記載の技術の如く
である。

（ハ）発明が解決しようとする問題点 本発明は、左右の深層作溝体4s,4sと左右の深層肥料
落下口8s,8sを、乗用田植機の左右の後輪33L,33Rの真後
ろの位置に配置することにより、左右の後輪33L,33Rに
より掘り起こした後を左右の深層作溝体4s,4sが通過さ
せ、土壌からの掘削抵抗を最低にするものである。

また、中央の深層作溝体4cと深層肥料落下口8cの前部
に、乗用田植機の昇降リンク12から下方に突出した作溝
ディスク９を土壌中に突出配置して、事前に土壌を切断
し、中央の深層作溝体4cに掛かる走行掘削抵抗も最適に
抑えるものである。

また、これにより、深層施肥機を装着した為に発生す
る乗用田植機のエンジンの負荷を出来るだけ低く抑うえ
るものである。

（ニ）問題を解決するための手段 本発明の目的は以上の如くであり、次に該目的を達成
する為の構成を説明する。

植付苗の近傍に側条施肥と深層施肥の２段の施肥を行
うべく、側条施肥装置と深層施肥装置を併置した構成に
おいて、左右の深層作溝体4s,4sと左右の深層肥料落下
口8s,8sを、乗用田植機の左右の後輪33L,33Rの真後ろの
位置に配置し、中央の深層作溝体4cと深層肥料落下口8c
の前部に、乗用田植機の昇降リンク12から下方の突出し
た作溝ディスク９を土壌中に突出配置したものである。

（ホ）実施例 本発明の目的・構成は以上の如くであり、次に添付の
図面に示した実施例の構成を説明する。

第１図は乗用田植機に本発明の２段施肥機を付設した
状態の側面図、第２図は田植機の植付部と深浅２段施肥
機の拡大側面図、第３図はセンターフロート13cと深層
作溝体4cの関係位置を示す図面、第４図は第３図の平面
図、第５図は側条肥料落下口７と深層肥料落下口８と後
輪33の位置関係を示す平面図、第６図は側条作溝体３も
深層作溝体４も植付ミッションケースＭから支持した実
施例を示す平面図である。

第１図、第２図において、深浅２施肥機の基本的な構
成について説明する。

乗用形の田植機は４輪走行装置の後部に、植付ミッシ
ョンケースＭとフロート13と苗載台10と植付爪６により
構成された植付部を上下昇降可能に装着している。33は
後輪である。

本発明の深浅２段施肥機は、該植付部に後付け可能に
構成されているのである。

そして、側条施肥タンク１と側条施肥繰出装置Ａとガ
イドパイプ20よりなる側条施肥部は、支持杆５により支
持されており、該支持杆を植付ミッションケースＭの後
部に固着可能としている。

そして、側条ガイドパイプ20が連設される側条肥料落
下口７は側条作溝体３に固設され、該側条作溝体３がフ
ロート13の脇部に、第５図において図示される如く２組
が配置されている。

また、深層施肥タンク２と深層施肥繰出装置Ｂとガイ
ドパイプ21により構成された深層施肥部は、支持杆19に
より植付ミッションケースＭに固設されている。

そして、深層ガイドパイプ21の下端は深層肥料落下口
８に固設され、該深層肥料落下口８は深層作溝体４に固
設され、該深層作溝体４がフロート13の中央後端部に１
組固設されている。

しかし、第５図において示す如く、６条植えの場合に
は、中央のセンターフロート13cの後部に装着される深
層作溝体4cと深層肥料落下口8cは、センターフロート13
cが、植付深さ自動調節の為に上下動自由とされる必要
があるので、別に離して独立状態に支持しているのであ
る。

また、深層作溝体４により作溝するのであるが、該深
層作溝体４のみでは十分に深くまで作溝することが出来
ないので、乗用田植機の左右の後輪33L,33Rの真後の左
右の深層作溝体4s,4sが位置すべく配置しているのであ
る。

また、中央の作深層作溝体4cの前部には後輪33が位置
しないので、昇降リンク12から下方に突出して作溝ディ
スク９を突出し、該作溝ディスク９により作溝している
のである。

これにより、エンジンや深層作溝体４にかかる負荷を
軽くすることが出来るのである。

また、植付ミッションケースＭの後部より突出された
クランクアーム18に側条クランクリンク15と深層クラン
クリンク17が連結されており、側条施肥繰出装置Ａの側
条繰出軸アーム23と、深層施肥繰出装置Ｂの深層繰出軸
アーム24を駆動している。

側条繰出軸アーム23と深層繰出軸アーム24は、調量調
節が出来るように多数の調量孔を開口している。

植付爪６はロータリー植付爪に構成されており、回転
ケース11の両端に開閉可能に構成されている。

次に、第３図、第４図において説明する。

該図面において、センターフロート13cに付設する中
央の深層肥料落下口8cの構成を図示している。この場合
においてはセンターフロート13cが植付深さセンサーを
兼用しているので、その後端に深層作溝体4cや凍層肥料
落下口8cを付設するとセンターフロート13cの上下動が
制限されて、センサーの役目を十分に発揮出来ないの
で、該深層作溝体4cは植付ミッションケースＭに直接に
固定支持しているのである。

そして、該深層作溝体4cに深層肥料落下口8cを付設し
ているのである。

また、植付ミッションケースＭの側方にはロータリケ
ース11が回転すべく設けられており、該ロータリケース
11の先端に開閉可能とした植付爪6,6が支持されている
のである。

このように植付爪をロータリ式とした場合には、高速
植付が可能であるので、特に植付爪６による泥土の跳ね
上げや側方への押しやりが激しいので、側条作溝体３や
深層作溝体４を、従来の如く、フロート13の外側に配置
することが出来ないのである。

故に、該第３図の構成においても、側条作溝体３はセ
ンターフロート13cの脇部に固設しており、側条肥料落
下口７は該側条作溝体３に付設しているのである。

次に、第６図について説明する。

該実施例においては、センターフロート13cやサイド
フロートに関わらず、全ての深層作溝体４と側条作溝体
３を植付ミッションケースＭから支持しているのであ
る。

この場合には、下方にフロート13が位置するので該部
分を切欠く必要があり、柄条作溝体３の為の切欠凹部13
dと、深層作溝体４の為の切欠凹部13eを各フロート13に
構成している。

このように植付ミッショケースＭより側条作溝体３と
深層作溝体４を支持すれば、フロート13は側条ガイドパ
イプ20や深層ガイドパイプ21の撓みによる影響を受けな
くなるので、自由に上下動することが可能となるのであ
る。

次に、第５図において説明する。

フロート13の脇部に側条肥料落下口７が配置されてお
り、該側条肥料落下口７の部分に側条施肥肥料ｂが散布
される。そしてフロート13の後部に付設された深層肥料
落下口８の部分に深層施肥肥料ｃが散布されるのであ
る。

ロータリケース11の外端で回転する植付爪６により植
付苗ａが植付られ、側条施肥肥料ｂはその近くであり、
少し離れた位置に深層施肥肥料ｃが散布されることにな
るのである。

（ヘ）発明の効果 本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を
奏するものである。

第１に、左右の深層作溝体4s,4sと左右の深層肥料落
下口8s,8sを、乗用田植機の左右の後輪33L,33Rの真後ろ
の位置に配置したので、深層を潜った状態で深層作溝体
４が進行する為に、土壌からの摩擦抵抗が多く、乗用田
植機のエンジンに大負荷が掛かる可能性があるが、左右
の後輪33L,33Rにより掘り起こした後を左右の深層作溝
体4s,4sが通過するので、土壌からの掘削抵抗を最低に
することが出来るのである。

第２に、中央の深層作溝体4cと深層肥料落下口8cの前
部に、乗用田植機の昇降リンク12から下方に突出した作
溝ディスク９を土壌中に突出配置したので、左右の後輪
33L,33Rが無い位置の深層作溝体4cに、大きな掘削抵抗
が掛かる可能性があるが、作溝ディスク９を別に設け
て、事前に土壌を切断しているので、この深層作溝体4c
に掛かる走行掘削抵抗も最適に抑えることができるので
ある。

これにより、深層施肥機を装着した為に発生する乗用
田植機のエンジンの負荷を出来るだけ低く抑えることが
出来たのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は乗用田植機に本発明の深浅２段施肥機を付設し
た状態の側面図、第２図は田植機の植付部と深浅２段施
肥機の拡大側面図、第３図はセンターフロート13cと深
層作溝体4cの関係位置を示す図面、第４図は第３図の平
面図、第５図は側条肥料落下口７と深層肥料落下口８と
後輪33の位置関係を示す平面図、第６図は側条作溝体３
も深層作溝体４も植付ミッションケースＭから支持した
実施例を示す平面図である。 Ａ……側条施肥繰出装置 Ｂ……深層施肥繰出装置 Ｍ……植付ミッションケース １……側条施肥タンク ２……深層施肥タンク ａ……植付苗 ｂ……側条施肥肥料 ｃ……深層施肥肥料 ３……側条作溝体 ４……深層作溝体 ７……側条肥料落下口 ８……深層肥料落下口 13c……センターフロート

フロントページの続き (72)発明者 松岡 昭雄 兵庫県養父郡八鹿町朝倉200 八鹿鉄工 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−209（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−33738（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−161318（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−34507（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】植付苗の近傍に側条施肥と深層施肥の２段
   の施肥を行うべく、側条施肥装置と深層施肥装置を併置
   した構成において、左右の深層作溝体4s,4sと左右の深
   層肥料落下口8s,8sを、乗用田植機の左右の後輪33L,33R
   の真後ろの位置に配置し、中央の深層作溝体4cと深層肥
   料落下口8cの前部に、乗用田植機の昇降リンク12から下
   方に突出した作溝ディスク９を土壌中に突出配置したこ
   とを特徴とする乗用田植機用深浅２段施肥機。