JP3376643B2 - 田植機のフロート - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は、センターフロートの後
端部幅方向中央部分を切り欠いてここに苗植付け位置を
設け、センターフロートの底面の前端から後端にかけて
泥水が抜ける凹溝を形成した田植機のフロートに関す
る。 【０００２】 【従来の技術】従来、センターフロートと、その左右両
側に設けられるサイドフロートとを備え、両フロートに
より整地された圃場面に苗を植付けるようにし、センタ
ーフロートでは、その後端部幅方向中央部分を切り欠い
てここに苗植付け位置を設けた奇数条植えの田植機が周
知である。そして、上記センターフロートの底面の前端
から後端にかけて、苗植付け位置に向け泥水が抜けるよ
うにした凹溝を形成した５条植えの乗用型田植機が、例
えば実開昭５９−９５８２６号公報に開示されている。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】上記先行技術の田植機
においては、センターフロートの底面の前端から後端に
かけて形成された凹溝が、直接苗植付け位置に向いてい
るので、フロートによる泥押し現象が緩和され、苗植付
け体により苗を挟持してフロートにより整地された田面
に苗を植付ける際、凹溝を通過した泥水が苗植付け体及
び苗に当たることにより、苗の苗植付け体に対する分離
が良好となり、苗植付け体による苗の持ち帰りが防止さ
れる利点がある。しかし反面、苗を植付ける田面が軟ら
かい場合には、植付けられた苗を倒してしまう恐れがあ
った。本発明は、上記の問題点を解決することを目的に
なされたものである。 【０００４】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、センターフロートと、その左右両側に設
けられるサイドフロートとを備え、両フロートにより整
地された圃場面に苗を植付けるようにし、センターフロ
ートでは、その後端部幅方向中央部分を切り欠いてここ
に苗植付け位置を設けた田植機において、上記センター
フロートの切欠き部の左右中央位置に１条分の苗植付け
位置を設け、該センターフロートの底面に、その前端か
ら切欠き部にかけて、切欠き部で該切欠き部の左右中央
位置に対して左右に変位した位置に臨ませて凹溝を形成
したことを特徴とする。 【０００５】 【作用】上記の構成によって本発明の田植機のフロート
は、センターフロートの底面の前端から後端にかけて、
その後端または後端の延長線部分が苗植付け位置と直接
重ならないようにして凹溝を形成しているので、凹溝を
通過した泥水は苗植付け位置の苗植付け体及び苗に直接
当たることなく側方を流れることになり、植付けられた
苗を倒さない。また、凹溝を通過した泥水が苗植付け位
置の苗植付け体及び苗の側方を流れるので、苗の苗植付
け体に対する分離が良好となり、苗植付け体が苗を持ち
帰らない。 【０００６】 【実施例】以下、本発明の実施例を添付の図面を参照し
て具体的に説明する。図４ないし図６において、乗用型
田植機１は、前輪３及び後輪４を装備し、この前，後輪
３，４を駆動して走行する４輪駆動形式の乗用車体２の
後部に、油圧シリンダ５により作動する昇降リンク６を
介して苗植付け部７を昇降可能に装着している。 【０００７】乗用車体２と苗植付け部７との間の乗用車
体２の後部位置に、施肥装置８が配設されている。この
施肥装置８には、肥料ホッパ９の下側の繰出し部１０か
ら繰り出された肥料を施肥管１１に向け送り出す送風管
１２が設けられ、この送風管１２にモータＭにより駆動
されるブロア１３が接続されている。そして、乗用車体
２から苗植付け部７及び施肥装置８に動力が伝達され
て、苗植付け部７では所定の間隔で多条（５条）の苗が
圃場に植え付けられ、この植え付けられた苗の条間に、
施肥装置８により繰り出された肥料が施肥管１１の終端
から、開溝器２５により開溝された施肥溝に施肥される
ようになっている。 【０００８】乗用車体２の運転座席１４の下側にはエン
ジン１５が搭載され、運転座席１４の前側の車体前部に
設けたステアリングハンドル１６及びハンドルポスト１
７の下側には、トランスミッション１８が設けられてい
る。エンジン１５とトランスミッション１８との間に
は、油圧無段変速機（ＨＳＴ）２６が設けられ、副変速
レバー２７により無段変速されるようになっている。上
記ハンドルポスト１７の左右両側に位置して、上下各３
段の予備苗載せ台１９が左右回動可能に設けられ、乗用
車体２の前端部には、中央位置にセンターマーカ２０
が、左右両側にサイドマーカ２１が、それぞれ設けられ
ている。トランスミッション１８内で変速された動力は
前輪３を駆動すると共に、ＰＴＯ軸として取り出されて
後輪４に伝達され、また、苗植付け部７及び施肥装置８
に伝達されるようになっている。 【０００９】上記予備苗載せ台１９は、左右の前輪３の
フロントアクスルケース２２上から立ち上げられた支柱
２３に、支持アーム２４を介して支持されている。この
支持アーム２４は、予備苗載せ台１９が図面の位置から
運転座席１４の側方位置まで回動可能であり、それぞれ
の回動位置に固定する手段として、足踏みペダルが用意
されている。 【００１０】上記苗植付け部７は、従来のものと同様
に、センサフロートを兼ねるセンターフロート２８、前
・後輪３，４の後方に配設されるサイドフロート２９，
２９、苗載せ台３０、苗受け板３１、ロータリ式苗植付
け体３２，３２，…等を具備している。ロータリ式苗植
付け体３２は、回転伝動ケースに取り付けられて所定の
軌跡を描いて回動し、苗載せ台３０上の苗を苗受け板３
１に形成した苗取出し口３３から１株ずつ取り出して圃
場に植え付けるようにしている。苗載せ台３０の上端部
には、補助苗載せ台３４が出し入れ可能に設けられてい
る。乗用車体２の左右両側の前端部から後端部にかけて
作業者が移動できるステップ３５，３５が設けられ、ま
た、このステップ３５，３５の側部には、作業者がステ
ップ３５，３５に乗り降りする際に足を掛ける足掛けス
テップ３６，３６を設けている。 【００１１】上記センターフロート２８の第１実施例の
ものは、図１ないし図３に示すように、上面部２８ａと
底面部２８ｂとからなり、後端部幅方向中央部分に切欠
き部３７を形成し、この切欠き部３７内に、上記ロータ
リ式苗植付け体３２により苗を植付ける苗植付け位置Ｐ
を設けると共に、上記開溝器２５を取付けている。上面
部２８ａ側には支持部材を取付けるための支持部材取付
け部３８、３９，３９が設けられ、上記苗植付け部７の
下部に上下動可能に支持されるようになっている。底面
部２８ｂには、その前端から後端にかけて、後端または
後端の延長線部分が苗植付け位置Ｐと直接重ならないよ
うにした凹溝４２を形成している。ここで、苗植付け位
置Ｐは切欠き部３７の幅方向中央位置にあり、その両側
に開溝器２５と凹溝４２の延長線部分が配置されている
ことになる。 【００１２】センターフロート２８は合成樹脂の型成形
により形成され、上面部２８ａと底面部２８ｂとの間
に、浮力を発生させるための空間部４０を形成し、外周
を接合縁部４１で一体的に接合させている。そして、セ
ンターフロート２８は、サイドフロート２９，２９と共
に苗植付け部７を田面に支持すると共に、機体走行によ
る整地機能と上下動によるセンサ機能とを具有してい
る。また、凹溝４２においては、センターフロート２８
が田面に接地して滑走しながら田面を整地するとき、フ
ロート前部による泥押し現象を緩和するため、底面部２
８ｂにおいて泥水の一部をフロート前端から後端まで通
過させて後方に送り出す働きをする。 【００１３】このような構成の乗用型田植機１において
は、水田圃場に導入されて、乗用車体２の走行と共に、
昇降リンク６により苗植付け部７を下降させてフロート
２８、２９，２９を田面に接した状態で苗植付け部７を
滑走させ、田植えと同時に施肥作業を行う。乗用車体２
から苗植付け部７及び施肥装置８に動力が伝達されて駆
動し、苗植付け部７ではロータリ式苗植付け体３２，３
２…により、フロート２８、２９，２９によって整地さ
れた跡に所定の間隔で５条の苗が田面に植付けられ、こ
の植付けられた苗の条間に、施肥装置８の繰出し部１０
から繰り出された肥料が、ブロア１３から送風管１２に
送られた圧力風により施肥管１１に向け送り出され、開
溝器２５により開口された施肥溝に施肥される。 【００１４】その乗用型田植機１による田植え及び施肥
作業時に、センターフロート２８においては、凹溝４２
を泥水が通過することによりフロートによる泥押し現象
が緩和され、底面部２８ｂにより整地された跡の苗植付
け位置Ｐにロータリ式苗植付け体３２により苗が植付け
られ、苗の側方に施肥される。そして、苗植付け位置Ｐ
に植付けられた苗には、センターフロート２８の凹溝４
２を通過してきた泥水が直接当たることなく側方を流れ
るので、苗を倒すことがない。また、苗植付け位置Ｐに
苗を差し込んだ状態の苗植付け体３２に対して、センタ
ーフロート２８の凹溝４２を通過してきた泥水が側方を
流れることになるので、その流れの一部が苗植付け体３
２及び苗に当り、苗の苗植付け体３２に対する分離が良
好となり、苗植付け体３２が苗取出し位置に戻るときに
苗を持ち帰るようなことがない。 【００１５】図７及び図８にセンターフロート２８の第
２実施例を示す。この第２実施例のセンターフロート２
８は、凹溝４２の先端部を、底面部２８ｂの前端部の幅
方向中央位置に開口し、そのままセンターフロート２８
の長さ方向半分近くまで直線状に延設し、そこから左右
方向一側に屈曲させて、終端を上記図１及び図２の第１
実施例のものとほぼ同じ位置に開口させている。 【００１６】このセンターフロート２８の第２実施例の
ものにおいても、上記第１実施例のものと同様に、凹溝
４２を泥水が通過することによってフロートによる泥押
し現象が緩和され、底面部２８ｂにより整地された跡の
苗植付け位置Ｐにロータリ式苗植付け体３２により苗が
植付けられる。このときの苗植付け位置Ｐに対する整地
性能は第１実施例のものより優れている。そして、苗植
付け位置Ｐに植付けられた苗にはセンターフロート２８
の凹溝４２を通過してきた泥水が直接当たらないので、
苗を倒すことがない。また、苗植付け位置Ｐに苗を差し
込んだ状態の苗植付け体３２には、センターフロート２
８の凹溝４２を通過してきた泥水が側方を流れ、その流
れの一部が苗植付け体３２及び苗に当り、苗の苗植付け
体３２に対する分離が良好となり、苗植付け体３２が苗
取出し位置に戻るときに苗を持ち帰るようなことはな
い。 【００１７】図９ないし図１０にセンターフロート２８
の第３実施例を示す。この第３実施例のセンターフロー
ト２８は、直線状の凹溝４２を、センターフロート２８
の左右幅方向の中心線を挟んで左右両側に対称に設けた
ものである。即ち、苗植付け位置Ｐを挟んで左右両側に
凹溝４２，４２を左右対称に配設したものである。 【００１８】この第３実施例のセンターフロート２８に
おいては、底面部２８ｂの幅方向中央部分に整地部が全
長にわたって設けられ、その左右両側に凹溝４２，４２
が対称に形成されているので、凹溝４２，４２を泥水が
通過することによってフロートによる泥押し現象が緩和
され、苗植付け位置Ｐに対する整地性能はきわめて良好
である。また、植付けられた苗にはセンターフロート２
８の凹溝４２，４２を通過してきた泥水が直接当たらな
いので、苗を倒すことがない。さらに苗植付け位置Ｐの
両側に凹溝４２，４２を通過した泥水が流れているの
で、その流れの一部が苗植付け中の苗植付け体３２に当
り、苗の苗植付け体３２に対する分離が良好となって、
苗植付け体３２が苗取出し位置に戻るときに苗を持ち帰
るようなことがなくなる。また、開溝器２５により開口
された施肥溝に施肥された跡を、凹溝４２を通過してき
た泥水により埋め戻していく。 【００１９】センターフロート２８の第４実施例を図１
１及び図１２に示す。この第４実施例のセンターフロー
ト２８は、上記第３実施例における凹溝４２，４２のう
ちの開溝器２５側のものを、開溝器２５を迂回するよう
に屈曲させて、終端を開溝器２５の後側において開口さ
せたものである。 【００２０】この第４実施例のセンターフロート２８に
おいては、上記第３実施例のセンターフロート２８と同
様に、凹溝４２，４２を泥水が通過することによってフ
ロートによる泥押し現象が緩和され、苗植付け位置Ｐに
対する整地性能はきわめて良好である。また、植付けら
れた苗にはセンターフロート２８の凹溝４２，４２を通
過してきた泥水が直接当たらないので、植付けられた苗
を倒すことがない。さらに、苗植付け位置Ｐの側方を一
方の凹溝４２を通過してきた泥水が流れるので、その流
れの一部が苗植付け中の苗植付け体３２に当り、苗の苗
植付け体３２に対する分離が良好となり、苗植付け体３
２が苗取出し位置に戻るときに苗を持ち帰るようなこと
がない。また、開溝器２５により開口された施肥溝に施
肥された跡に凹溝４２を通過してきた泥水が直接当たる
ので、施肥跡を覆土することになり、覆土装置を別に設
ける必要がない。 【００２１】本発明によるサイドフロート２９の第１実
施例を図１３及び図１４に示す。この第１実施例のサイ
ドフロート２９は、上面部２９ａと底面部２９ｂとから
なり、上面部２９ａ側の幅方向中央部に図示しない支持
部材を取付けて、上記苗植付け部７の下部にセンターフ
ロート２８と共に上下動可能に支持される。そしてその
平面形状は、前半部が幅広で後半部が幅狭の形状であ
り、幅狭部の前部両側に開溝器２５を取付け、また、幅
狭部の中間部両側に苗植付け位置Ｐを設けている。幅広
部の一側には、ゴム板のような弾性板体からなり、基端
側が厚く先端側がテーパ上に順次薄くなる横延長部４６
を接着剤等により基部側を接着して設け、整地範囲を広
げるようにしている。横延長部４６の上面側に、横延長
部４６の弾性強度を調節する線状の弾性強度調節部材４
５が設けられている。 【００２２】上記弾性強度調節部材４５には、横延長部
４６の弾性強度を調節する左右移動調節部４５ａが設け
られている。また、サイドフロート２９の上面部２９ａ
には２個の係止突起４７が設けられ、横延長部４６に設
けた２個の係合孔４８を、横延長部４６を弯曲させなが
ら係止突起４７に係合させることによって、横延長部４
６を非使用状態にするようにしている。 【００２３】上記サイドフロート２９は、センターフロ
ート２８と同様に合成樹脂の型成形により形成され、上
面部２９ａと底面部２９ｂとの間に浮力を発生させるた
めの空間部４３を形成し、外周を接合縁部４４で一体的
に接合させている。そして、サイドフロート２９は、セ
ンターフロート２８と共に苗植付け部７を田面に支持す
ると共に、機体走行により底面部２９ｂで前・後輪３，
４の車輪跡を含めて幅広に整地し、その整地跡に苗植付
けと施肥を行うようにしている。この実施例において
は、底面部２９ｂはフラットであるが、この底面部２９
ｂの幅方向中央部分に上記センターフロート２８の凹溝
４２と同様の凹溝を形成してもよいものである。 【００２４】このような構成の第１実施例のサイドフロ
ート２９においは、乗用型田植機１が田植え及び施肥作
業を行うとき、田面に接した状態で機体が走行すること
によりその底面部２９ｂによって前・後輪３，４の車輪
跡を含め幅広に田面を整地し、その整地された跡の苗植
付け位置Ｐにロータリ式苗植付け体３２により苗が植付
けられると共に、植付けられた苗の側方に位置して、開
溝器２５により開口された施肥溝に施肥される。そし
て、苗植付け圃場の状態により後輪４の外側に補助車輪
を装着（図１９参照）して作業を行うような場合には、
その車輪跡を横延長部４６により整地する。横延長部４
６の弾性強度の調節は、左右移動調節部４５ａにより行
う。また、横延長部４６により泥押し現象が生じるよう
なときは、横延長部４６をサイドフロート２９側に弯曲
させて係合孔４８を係止突起４７に係合させて横延長部
４６を非使用状態にすればよい。 【００２５】サイドフロート２９の第２実施例を図１５
及び図１６に示す。この第２実施例のサイドフロート２
９は、上記第１実施例のサイドフロート２９から弾性強
度調節部材４５を除去したもので、その他の構成は上記
第１実施例のサイドフロート２９と同様のものである。 【００２６】この第２実施例のサイドフロート２９にお
いては、上記第１実施例のサイドフロート２９と同様の
作用を行うが、第１実施例のサイドフロート２９から弾
性強度調節部材４５を除去しているので、横延長部４６
の弾性強度の調節を行うことはできないが、後輪４の外
側に補助車輪を装着して作業を行うような場合に、その
車輪跡を横延長部４６により整地する。また、横延長部
４６により泥押し現象が生じるような場合には、横延長
部４６を弯曲させて係合孔４８を係止突起４７に係合さ
せて横延長部４６を非使用状態にする。 【００２７】サイドフロート２９の第３実施例を図１７
に示す。この第３実施例のサイドフロート２９は、上記
第１実施例のサイドフロート２９と同様の構成のサイド
フロート２９の後端部に、主として開溝器２５により開
口された施肥溝に施肥された跡を覆土する，ゴム板のよ
うな弾性板材からなる覆土・整地板４９を取付けたもの
である。 【００２８】この第３実施例のサイドフロート２９にお
いては、上記第１実施例のサイドフロート２９と同様の
作用を行うが、フロートの後端部に覆土・整地板４９を
取付けているので、開溝器２５により開口された施肥溝
に施肥された跡を覆土し、均平する。従って、施肥溝に
施肥された跡を覆土する覆土装置を別に設ける必要がな
い。 【００２９】サイドフロート２９の第４実施例を図１８
に示す。この第４実施例のサイドフロート２９は、上記
第３実施例のサイドフロート２９から、横延長部４６、
弾性強度調節部材４５、係止突起４７等を取り除いたも
ので、サイドフロート２９の後端部に、第３実施例のサ
イドフロート２９と同様に覆土・整地板４９を取付けて
いる。 【００３０】この第４実施例のサイドフロート２９にお
いては、上記第３実施例のサイドフロート２９と同様に
フロートの後端部に覆土・整地板４９を取付けているの
で、開溝器２５により開口された施肥溝に施肥された跡
を覆土し、均平する。従って、施肥溝に施肥された跡を
覆土する覆土装置を別に設ける必要がないものである。
ただし、横延長部４６を具備していないので、後輪４の
外側に補助車輪を装着して作業を行うような場合に、そ
の車輪跡を整地することはできない。 【００３１】図１９に示す本発明の他の実施例のもの
は、後輪４，４の外側にそれぞれ補助車輪５０を取付
け、後輪４，４及び補助車輪５０，５０の後方に、上記
横延長部４６を設けたサイドフロート２９，２９を配置
している。また、サイドフロート２９の後端部に覆土・
整地板４９を取付けると共に、センターフロート２８の
後端部にも覆土・整地板５１を取付けている。 【００３２】このような構成の他の実施例のものにおい
ては、センターフロート２８及びサイドフロート２９，
２９は、それぞれ上記実施例のものと同様の作用を行
い、ロータリ式苗植付け体３２，３２…により、フロー
ト２８、２９，２９によって整地された跡に所定の間隔
でＰＬ１…ＰＬ５の５条の苗列が田面に植付けられ、こ
の植付けられた苗の条列ＰＬ１…ＰＬ５間に、開溝器２
５により開口された施肥溝に対し施肥される。この実施
例ではセンターフロート２８の後端部にも覆土・整地板
５１を取付けているので、開溝器２５により開口された
施肥溝に施肥された跡を覆土し、覆土装置を別に設ける
必要がない。 【００３３】 【発明の効果】以上説明したように本発明の田植機のフ
ロートによれば、センターフロートの切欠き部の左右中
央位置に１条分の苗植付け位置を設け、該センターフロ
ートの底面に、その前端から切欠き部にかけて、切欠き
部で該切欠き部の左右中央位置に対して左右に変位した
位置に臨ませて凹溝を形成したので、田植作業時にセン
ターフロートが圃場面を整地する際に凹溝を通過した泥
水は、苗植付け位置の苗植付け体及び苗に直接当たるこ
となく側方を流れることになり、苗植付け位置に植付け
られた苗を倒すことがない。 【００３４】また、センターフロートの凹溝を通過した
泥水は、苗植付け位置に苗を保持した状態で植付ける苗
植付け体の側方を流れるので、苗の苗植付け体に対する
分離が良好となり、苗植付け体が苗を持ち帰るようなこ
とはなくなる。さらに、センターフロートの凹溝の前後
長が短くなり、凹溝を通過する泥水の抵抗をセンターフ
ロートが受けにくくなり、泥水をセンターフロートの後
方へ円滑に抜くことができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明によるセンターフロートの第１実施例の
平面図である。 【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。 【図３】本発明によるセンターフロートの平面図であ
る。 【図４】本発明を適用した乗用型田植機全体の側面図で
ある。 【図５】同平面図である。 【図６】乗用車体の部分平面図である。 【図７】本発明によるセンターフロートの第２実施例の
平面図である。 【図８】図７のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。 【図９】本発明によるセンターフロートの第３実施例の
平面図である。 【図１０】図９のＣ−Ｃ線に沿う断面図である。 【図１１】本発明によるセンターフロートの第４実施例
の平面図である。 【図１２】図１１のＤ−Ｄ線に沿う断面図である。 【図１３】本発明によるサイドフロートの第１実施例の
平面図である。 【図１４】図１３のＥ−Ｅ線に沿う断面図である。 【図１５】本発明によるサイドフロートの第２実施例の
平面図である。 【図１６】図１５のＦ−Ｆ線に沿う断面図である。 【図１７】本発明によるサイドフロートの第３実施例の
平面図である。 【図１８】本発明によるサイドフロートの第４実施例の
斜視図である。 【図１９】本発明によるセンターフロート及びサイドフ
ロートの他の実施例の平面図である。 【符号の説明】 １ 乗用型田植機 ２ 乗用車体 ３ 前輪 ４ 後輪 ５ 油圧シリンダ ６ 昇降リンク ７ 苗植付け部 ８ 施肥装置 ９ 肥料ホッパ １０ 繰出し部 １１ 施肥管 １２ 送風管 １３ ブロワ １４ 運転座席 １５ エンジン １６ ステアリングハンドル １７ ハンドルポスト １８ トランスミッション １９ 予備苗載せ台 ２０ センターマーカ ２１ サイドマーカ ２２ フロントアクスルケース ２３ 支柱 ２４ 支持アーム ２５ 開溝器 ２６ 油圧無段変速機（ＨＳＴ） ２７ 副変速レバー ２８ センターフロート ２８ａ 状面部 ２８ｂ 底
面部 ２９ サイドフロート ２９ａ 状面部 ２９ｂ 底面
部 ３０ 苗載せ台 ３１ 苗受け板 ３２ ロータリ式苗植付け体 ３３ 苗取り出し口 ３４ 補助苗載せ台 ３５ ステップ ３６ 足掛けステップ ３７ 切欠き部 ３８，３９ 支持部材取付け部 ４０，４３ 空間部 ４１，４４ 接合縁部 ４２ 凹溝 ４５ 弾性強度調節部材 ４５ａ 左右移動調節部 ４６ 横延長部 ４７ 係止突起 ４８ 係合孔 ４９，５１ 覆土・均平板 ５０ 補助車輪 Ｐ 苗植付け位置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新山 裕之 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農 機株式会社技術部内 (72)発明者 山崎 仁史 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農 機株式会社技術部内 (72)発明者 清家 理伯 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農 機株式会社技術部内 (72)発明者 野村 勝 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農 機株式会社技術部内 (72)発明者 神谷 寿 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農 機株式会社技術部内 (72)発明者 草本 英之 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農 機株式会社技術部内 (72)発明者 大内 建之 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農 機株式会社技術部内 (56)参考文献 特開 平５−137428（ＪＰ，Ａ) 実開 昭59−95826（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A01C 11/02

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 センターフロートと、その左右両側に設
   けられるサイドフロートとを備え、両フロートにより整
   地された圃場面に苗を植付けるようにし、センターフロ
   ートでは、その後端部幅方向中央部分を切り欠いてここ
   に苗植付け位置を設けた田植機において、 上記センターフロートの切欠き部の左右中央位置に１条
   分の苗植付け位置を設け、該センターフロートの底面
   に、その前端から切欠き部にかけて、切欠き部で該切欠
   き部の左右中央位置に対して左右に変位した位置に臨ま
   せて凹溝を形成したことを特徴とする田植機のフロー
   ト。