JP2631793B2 - 窒化チタンスパッタリングタ−ゲット及びその製造方法 - Google Patents
窒化チタンスパッタリングタ−ゲット及びその製造方法Info
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- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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- C23C14/22—Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
- C23C14/34—Sputtering
- C23C14/3407—Cathode assembly for sputtering apparatus, e.g. Target
- C23C14/3414—Metallurgical or chemical aspects of target preparation, e.g. casting, powder metallurgy
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- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、実用スパッタリング
タ−ゲットとして十分に満足できる特性を有し、ICデ
バイスや半導体バリア−等としての窒化チタン皮膜形成
に好適な窒化チタンスパッタリングタ−ゲット、並びに
その製造方法に関するものである。
タ−ゲットとして十分に満足できる特性を有し、ICデ
バイスや半導体バリア−等としての窒化チタン皮膜形成
に好適な窒化チタンスパッタリングタ−ゲット、並びに
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】従来、IC用窒化チタン薄膜や
半導体バリア−用窒化チタン薄膜は、Tiタ−ゲットを窒
素ガス雰囲気下でスパッタする反応性スパッタリング技
術によって形成されるのが一般的であったが、この方法
では窒素分圧によって形成される膜の性質やスパッタ速
度が大きく変動し、そのため信頼性の高い薄膜を再現性
良く生産することが非常に困難であった。
半導体バリア−用窒化チタン薄膜は、Tiタ−ゲットを窒
素ガス雰囲気下でスパッタする反応性スパッタリング技
術によって形成されるのが一般的であったが、この方法
では窒素分圧によって形成される膜の性質やスパッタ速
度が大きく変動し、そのため信頼性の高い薄膜を再現性
良く生産することが非常に困難であった。
【0003】そのため、窒化チタンタ−ゲットを用いた
スパッタリングによって窒化チタン膜を形成しようとの
検討が進められてきたが、入手できる窒化チタンスパッ
タリングタ−ゲットの性能が十分でないため形成される
膜質に難があり、より特性の優れた窒化チタンスパッタ
リングタ−ゲットの開発が強く望まれていた。
スパッタリングによって窒化チタン膜を形成しようとの
検討が進められてきたが、入手できる窒化チタンスパッ
タリングタ−ゲットの性能が十分でないため形成される
膜質に難があり、より特性の優れた窒化チタンスパッタ
リングタ−ゲットの開発が強く望まれていた。
【0004】つまり、これまでの窒化チタンスパッタリ
ングタ−ゲットは、まず窒化チタン粉末(平均粒径が1
〜2μm程度)を準備し、この窒化チタン粉末をホット
プレス等により固化する手段によって製造されている。
窒化チタン粉末の製造は比較的短時間で行えるので、こ
の方法による窒化チタンスパッタリングタ−ゲットは短
い時間で製造できるという利点はあったが、本来、窒化
チタン粉は焼結性が悪いのでホットプレス後の窒化チタ
ン粒子間の結合が不十分となり、スパッタ時にパ−ティ
クルの発生が多くてVLSI(超大規模集積回路)製造
プロセスでの使用に耐え得ないという問題が指摘され
た。密度についても、コントロ−ルすることが特に難し
いため75〜95%とバラツキが大きかった。その上、
窒化と粉砕を繰り返して製造される窒化チタン粉は不純
物(Fe,O2等)による汚染が高く、この点もタ−ゲッ
ト性能の劣化につながっていた。
ングタ−ゲットは、まず窒化チタン粉末(平均粒径が1
〜2μm程度)を準備し、この窒化チタン粉末をホット
プレス等により固化する手段によって製造されている。
窒化チタン粉末の製造は比較的短時間で行えるので、こ
の方法による窒化チタンスパッタリングタ−ゲットは短
い時間で製造できるという利点はあったが、本来、窒化
チタン粉は焼結性が悪いのでホットプレス後の窒化チタ
ン粒子間の結合が不十分となり、スパッタ時にパ−ティ
クルの発生が多くてVLSI(超大規模集積回路)製造
プロセスでの使用に耐え得ないという問題が指摘され
た。密度についても、コントロ−ルすることが特に難し
いため75〜95%とバラツキが大きかった。その上、
窒化と粉砕を繰り返して製造される窒化チタン粉は不純
物(Fe,O2等)による汚染が高く、この点もタ−ゲッ
ト性能の劣化につながっていた。
【0005】もっとも、窒化チタン粒子間の強固な結合
を確保しようとの観点からすれば、ホットプレスに際し
て a) 微細粉末(例えばサブミクロン粉)を用いる, b) ホットプレス温度を上げる(例えば1800〜20
00℃), c) ホットプレス圧力を上げる(例えば300〜500k
g/cm2) 等の条件を採用することも考えられるが、実際には前記
a)の条件によっても粒子間結合力は不十分であり、また
前記b)の条件では窒化チタンの分解を引き起す懸念があ
り、更に前記c)の条件はダイス強度の点から望ましいと
は言えなかった。
を確保しようとの観点からすれば、ホットプレスに際し
て a) 微細粉末(例えばサブミクロン粉)を用いる, b) ホットプレス温度を上げる(例えば1800〜20
00℃), c) ホットプレス圧力を上げる(例えば300〜500k
g/cm2) 等の条件を採用することも考えられるが、実際には前記
a)の条件によっても粒子間結合力は不十分であり、また
前記b)の条件では窒化チタンの分解を引き起す懸念があ
り、更に前記c)の条件はダイス強度の点から望ましいと
は言えなかった。
【0006】このようなことから、本発明が目的とした
のは、上述した従来材の問題点を払拭し、不純物汚染が
少なく、かつスパッタ時におけるパ−ティクルの発生が
少なくて高品質窒化チタン膜を安定して生成できる窒化
チタンスパッタリングタ−ゲットを提供することであっ
た。
のは、上述した従来材の問題点を払拭し、不純物汚染が
少なく、かつスパッタ時におけるパ−ティクルの発生が
少なくて高品質窒化チタン膜を安定して生成できる窒化
チタンスパッタリングタ−ゲットを提供することであっ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は上
記目的を達成すべく様々な観点に立って鋭意研究を行っ
た結果、次のような知見を得ることができた。 (a) 従来の窒化チタンスパッタリングタ−ゲットをVL
SIの製造等に適用できなかった大きな理由は、窒化チ
タンが高融点材料で難焼結性の故にホットプレスによっ
ても窒化チタン粒子同士の強固な結合を得るのが困難で
あり、そのためスパッタ時のパ−ティクル発生が特に多
かったことにあるが、この点は、窒化チタンスパッタリ
ングタ−ゲットの原料として比較的焼結しやすいTi粉を
用い、そのTi粒とTi粒との強固な結合をまず造り出し、
次にこれを窒化することで結合しているTi粒を窒化チタ
ン粒に変えてやることによって解決できる。即ち、これ
によって“互いに強固に結合していたTi粒同士”が“互
いに強固に結合した窒化チタン粒同士”に変化し、窒化
チタン粒と窒化チタン粒とが強固に結合した窒化チタン
スパッタリングタ−ゲットが得られるためである。
記目的を達成すべく様々な観点に立って鋭意研究を行っ
た結果、次のような知見を得ることができた。 (a) 従来の窒化チタンスパッタリングタ−ゲットをVL
SIの製造等に適用できなかった大きな理由は、窒化チ
タンが高融点材料で難焼結性の故にホットプレスによっ
ても窒化チタン粒子同士の強固な結合を得るのが困難で
あり、そのためスパッタ時のパ−ティクル発生が特に多
かったことにあるが、この点は、窒化チタンスパッタリ
ングタ−ゲットの原料として比較的焼結しやすいTi粉を
用い、そのTi粒とTi粒との強固な結合をまず造り出し、
次にこれを窒化することで結合しているTi粒を窒化チタ
ン粒に変えてやることによって解決できる。即ち、これ
によって“互いに強固に結合していたTi粒同士”が“互
いに強固に結合した窒化チタン粒同士”に変化し、窒化
チタン粒と窒化チタン粒とが強固に結合した窒化チタン
スパッタリングタ−ゲットが得られるためである。
【0008】(b) なお、Ti焼結体をそのまま窒化して窒
化チタンスパッタリングタ−ゲットとする技術は画期的
なものであり類例を見ないものであるが、これは工夫な
くしてTi焼結体の窒化を試みても内部まで窒化された健
全な窒化チタンを得ることができないためである。その
理由を、「NのTiN中の拡散速度が遅いため」と説明で
きる。つまり、一旦Tiが窒化して窒化チタンが表面に生
成すると、この窒化チタン中をNが拡散するのに極めて
長時間かかるので窒化は表面だけに止まり、内部まで窒
化させることは不可能と考えられていたためである。し
かるに、Ti焼結体の密度をコントロ−ルし、貫通ポア
(Ti表面とつながっているポア)を残存させることによ
ってNの拡散距離を短くした上で焼結体全体の窒化処理
を行えば、内部まで窒化された健全な窒化チタン体を実
現することができる。
化チタンスパッタリングタ−ゲットとする技術は画期的
なものであり類例を見ないものであるが、これは工夫な
くしてTi焼結体の窒化を試みても内部まで窒化された健
全な窒化チタンを得ることができないためである。その
理由を、「NのTiN中の拡散速度が遅いため」と説明で
きる。つまり、一旦Tiが窒化して窒化チタンが表面に生
成すると、この窒化チタン中をNが拡散するのに極めて
長時間かかるので窒化は表面だけに止まり、内部まで窒
化させることは不可能と考えられていたためである。し
かるに、Ti焼結体の密度をコントロ−ルし、貫通ポア
(Ti表面とつながっているポア)を残存させることによ
ってNの拡散距離を短くした上で焼結体全体の窒化処理
を行えば、内部まで窒化された健全な窒化チタン体を実
現することができる。
【0009】(c) このようにして作られた強度の高い窒
化チタンスパッタリングタ−ゲットは、不純物汚染が少
ない上、スパッタ時に発生するパ−ティクル数も従来品
と比較して格段に少なく、VLSI製造プロセス等にも
使用可能である。
化チタンスパッタリングタ−ゲットは、不純物汚染が少
ない上、スパッタ時に発生するパ−ティクル数も従来品
と比較して格段に少なく、VLSI製造プロセス等にも
使用可能である。
【0010】本発明は、上記知見事項等を基に更なる検
討を重ねて完成されたものであり、 「 A) Ti粉を焼結して密度比80〜88%の焼結体を造
る, B) 平均粒径5〜200μmのTi粉を600〜1000
℃の加熱下で加圧して密度比80〜88%の焼結体を造
る, C) 平均粒径5〜200μmのTi粉をコ−ルドプレス後、
900〜1300℃で焼結して密度比80〜88%の
焼結体を造る, D) 平均粒径5〜200μmのTi粉をHIP(Hot Isost
atic Pressing)処理して密度比80〜88%の焼結体
を造る, の何れかの方法によってTi焼結体を造り、 次にこれを窒
素含有ガス雰囲気中で加熱して窒化することにより、 密
度比が80〜88%で、 かつ圧縮強度が10kgf/mm2 以
上であるところの、 成膜特性の優れた窒化チタンスパッ
タリングタ−ゲットを安定して提供できるようにした
点」に大きな特徴を有している。
討を重ねて完成されたものであり、 「 A) Ti粉を焼結して密度比80〜88%の焼結体を造
る, B) 平均粒径5〜200μmのTi粉を600〜1000
℃の加熱下で加圧して密度比80〜88%の焼結体を造
る, C) 平均粒径5〜200μmのTi粉をコ−ルドプレス後、
900〜1300℃で焼結して密度比80〜88%の
焼結体を造る, D) 平均粒径5〜200μmのTi粉をHIP(Hot Isost
atic Pressing)処理して密度比80〜88%の焼結体
を造る, の何れかの方法によってTi焼結体を造り、 次にこれを窒
素含有ガス雰囲気中で加熱して窒化することにより、 密
度比が80〜88%で、 かつ圧縮強度が10kgf/mm2 以
上であるところの、 成膜特性の優れた窒化チタンスパッ
タリングタ−ゲットを安定して提供できるようにした
点」に大きな特徴を有している。
【0011】なお、本発明において、窒化チタンスパッ
タリングタ−ゲットの密度比及び圧縮強度,中間材たる
Ti焼結体の密度比,原料たるTi粉の平均粒径,Ti粉を加
熱・加圧(ホットプレス)して焼結体とする際の加熱温
度,並びにコ−ルドプレス後のTi粉成形体の焼結温度を
それぞれ前記の如くに数値限定したのは次の理由によ
る。
タリングタ−ゲットの密度比及び圧縮強度,中間材たる
Ti焼結体の密度比,原料たるTi粉の平均粒径,Ti粉を加
熱・加圧(ホットプレス)して焼結体とする際の加熱温
度,並びにコ−ルドプレス後のTi粉成形体の焼結温度を
それぞれ前記の如くに数値限定したのは次の理由によ
る。
【0012】イ) 窒化チタンスパッタリングタ−ゲット
及びTi焼結体の密度比 密度比が80%を下回るようなポ−ラスなタ−ゲットで
は、所望強度が確保できない上に成膜時の消費も速いた
め、均質で品位の高い窒化チタン膜を作業性良く形成さ
せることができない。そして、密度比80%以上の窒化
チタンスパッタリングタ−ゲットを得るためには、中間
材たるTi焼結体の密度比も80%以上に調整する必要が
ある。一方、Ti焼結体の密度比(即ち窒化チタンスパッ
タリングタ−ゲットの密度比)が88%を上回ると、ポ
アの量が少なすぎて内部まで均一に窒化させることがで
きなくなり、均質で品位の高い窒化チタン膜が得られる
タ−ゲットを実現することができない。
及びTi焼結体の密度比 密度比が80%を下回るようなポ−ラスなタ−ゲットで
は、所望強度が確保できない上に成膜時の消費も速いた
め、均質で品位の高い窒化チタン膜を作業性良く形成さ
せることができない。そして、密度比80%以上の窒化
チタンスパッタリングタ−ゲットを得るためには、中間
材たるTi焼結体の密度比も80%以上に調整する必要が
ある。一方、Ti焼結体の密度比(即ち窒化チタンスパッ
タリングタ−ゲットの密度比)が88%を上回ると、ポ
アの量が少なすぎて内部まで均一に窒化させることがで
きなくなり、均質で品位の高い窒化チタン膜が得られる
タ−ゲットを実現することができない。
【0013】ロ) 窒化チタンスパッタリングタ−ゲット
の圧縮強度 窒化チタンスパッタリングタ−ゲットの圧縮強度が低い
ということは焼結Ti粒が窒化して生じた窒化チタン粒同
士の結合強度が弱いことを意味しており、窒化チタンス
パッタリングタ−ゲットの圧縮強度が10kgf/mm2 より
も低いとスパッタ時のパ−ティクル発生が多くなって品
位の高い窒化チタン膜が得られず、VLSI等の製造プ
ロセスに適用することができない。
の圧縮強度 窒化チタンスパッタリングタ−ゲットの圧縮強度が低い
ということは焼結Ti粒が窒化して生じた窒化チタン粒同
士の結合強度が弱いことを意味しており、窒化チタンス
パッタリングタ−ゲットの圧縮強度が10kgf/mm2 より
も低いとスパッタ時のパ−ティクル発生が多くなって品
位の高い窒化チタン膜が得られず、VLSI等の製造プ
ロセスに適用することができない。
【0014】ハ) 原料たるTi粉の平均粒径 平均粒径が5μm未満の細かいTi粉の場合には、焼結が
容易に進みすぎて前記所定の密度比を超えてしまう。一
方、Ti粉の平均粒径が200μmを超える粗い粒子では
焼結が不十分となって前記所定の密度比を達成すること
ができない。
容易に進みすぎて前記所定の密度比を超えてしまう。一
方、Ti粉の平均粒径が200μmを超える粗い粒子では
焼結が不十分となって前記所定の密度比を達成すること
ができない。
【0015】ニ) Ti粉をホットプレスして焼結体とする
際の加熱温度 Ti焼結体、ひいては窒化チタンスパッタリングタ−ゲッ
トの密度比を80〜88%に制御するためには、ホット
プレス時の加熱温度を600〜1000℃に調整する必
要があり、この温度域を外れると所望する密度比を達成
することができない。
際の加熱温度 Ti焼結体、ひいては窒化チタンスパッタリングタ−ゲッ
トの密度比を80〜88%に制御するためには、ホット
プレス時の加熱温度を600〜1000℃に調整する必
要があり、この温度域を外れると所望する密度比を達成
することができない。
【0016】ホ) Ti粉をコ−ルドプレスして得たTi粉成
形体の焼結温度 コ−ルドプレスしたTi粉成形体を焼結してTi焼結体とす
る場合に、得られるTi焼結体(つまりは窒化チタンスパ
ッタリングタ−ゲット)の密度比を80〜88%に制御
するためには、真空焼結温度を900〜1300℃に調
整する必要があり、この温度域を外れると所望する密度
比を達成することができない。なお、コ−ルドプレス時
の加圧は750〜2000kg/cm2の範囲とするのが良
い。
形体の焼結温度 コ−ルドプレスしたTi粉成形体を焼結してTi焼結体とす
る場合に、得られるTi焼結体(つまりは窒化チタンスパ
ッタリングタ−ゲット)の密度比を80〜88%に制御
するためには、真空焼結温度を900〜1300℃に調
整する必要があり、この温度域を外れると所望する密度
比を達成することができない。なお、コ−ルドプレス時
の加圧は750〜2000kg/cm2の範囲とするのが良
い。
【0017】また、HIP処理によって焼結体を造る場
合には、所定密度を確保する上で加熱温度を600〜1
000℃に調整するのが好ましい。
合には、所定密度を確保する上で加熱温度を600〜1
000℃に調整するのが好ましい。
【0018】ところで、Ti粉を処理して得られたTi焼結
体は、窒素含有ガス雰囲気中での加熱により窒化され、
常法に従って機械加工,ボンディングが施されて窒化チ
タンスパッタリングタ−ゲットとされる。
体は、窒素含有ガス雰囲気中での加熱により窒化され、
常法に従って機械加工,ボンディングが施されて窒化チ
タンスパッタリングタ−ゲットとされる。
【0019】Ti焼結体の窒化は窒素含有ガス(N2 ガ
ス,NH3 ガス,N2 +Arガス等)雰囲気中での加熱に
より行われるが、雰囲気中のN2 分圧は〔大気圧〜9kg
/cm2〕程度とするのが適当である。この際、窒化温度が
高いほど窒化速度が速くなり、最高2500℃程度の窒
化温度とすることも可能であるが、純Tiの融点(167
0℃)を超える温度では部分的に窒化していない部位の
溶融を招く恐れがあるため、通常は1670℃以下程度
の加熱に止めるのが良い。しかしながら、ある程度窒化
が進めば融点が上昇し、上述した2500℃までは溶融
の心配がなくなるので、N2 リッチにする場合は167
0℃を超えて2500℃まで温度を上げることができ
る。
ス,NH3 ガス,N2 +Arガス等)雰囲気中での加熱に
より行われるが、雰囲気中のN2 分圧は〔大気圧〜9kg
/cm2〕程度とするのが適当である。この際、窒化温度が
高いほど窒化速度が速くなり、最高2500℃程度の窒
化温度とすることも可能であるが、純Tiの融点(167
0℃)を超える温度では部分的に窒化していない部位の
溶融を招く恐れがあるため、通常は1670℃以下程度
の加熱に止めるのが良い。しかしながら、ある程度窒化
が進めば融点が上昇し、上述した2500℃までは溶融
の心配がなくなるので、N2 リッチにする場合は167
0℃を超えて2500℃まで温度を上げることができ
る。
【0020】次に例示するのは、本発明に係る窒化チタ
ンスパッタリングタ−ゲットを製造する工程の具体例で
ある。 (1) [Ti粉] →ホットプレス(600〜1000℃) → [Ti焼結
体] →窒化→機械加工・ボンディング→ [窒化チタンス
パッタリングタ−ゲット] 。 (2) [Ti粉] →コ−ルドプレス(750〜2000kg/cm2)→真
空焼結(900〜1300℃)→ [Ti焼結体] →窒化→機械加工
・ボンディング→ [窒化チタンスパッタリングタ−ゲッ
ト] 。 (3) [Ti粉] →HIP処理(600〜1000℃)→ [Ti焼結体]
→窒化→機械加工・ボンディング→ [窒化チタンスパ
ッタリングタ−ゲット] 。
ンスパッタリングタ−ゲットを製造する工程の具体例で
ある。 (1) [Ti粉] →ホットプレス(600〜1000℃) → [Ti焼結
体] →窒化→機械加工・ボンディング→ [窒化チタンス
パッタリングタ−ゲット] 。 (2) [Ti粉] →コ−ルドプレス(750〜2000kg/cm2)→真
空焼結(900〜1300℃)→ [Ti焼結体] →窒化→機械加工
・ボンディング→ [窒化チタンスパッタリングタ−ゲッ
ト] 。 (3) [Ti粉] →HIP処理(600〜1000℃)→ [Ti焼結体]
→窒化→機械加工・ボンディング→ [窒化チタンスパ
ッタリングタ−ゲット] 。
【0021】続いて、本発明を実施例によって更に具体
的に説明する。
的に説明する。
【実施例】実施例1 まず、−100メッシュのTi粉(平均粒径50μm)を
温度800℃,加圧力200kg/cm2の条件で真空ホット
プレスし、密度比85%のTi焼結体を得た。次に、この
Ti焼結体を、3kg/cm2加圧状態の窒素ガス中で最高16
50℃まで加熱することにより窒化し、TiNタ−ゲット
(N/Ti =0.99) を得た。このタ−ゲットには多数のポ
アが存在していたが、圧縮強度21kgf/mm2 を示した。
温度800℃,加圧力200kg/cm2の条件で真空ホット
プレスし、密度比85%のTi焼結体を得た。次に、この
Ti焼結体を、3kg/cm2加圧状態の窒素ガス中で最高16
50℃まで加熱することにより窒化し、TiNタ−ゲット
(N/Ti =0.99) を得た。このタ−ゲットには多数のポ
アが存在していたが、圧縮強度21kgf/mm2 を示した。
【0022】このタ−ゲットを用い、Ar100%雰囲気
(3mTorr)中にて出力2.5kWの条件でスパッタしたとこ
ろ、Siウエハ−上に600Å/minというデポレ−トでTi
N膜が得られた。また、このSiウエハ−上の膜を光学顕
微鏡で観察したところ、パ−ティクルは一切観察されな
かった。
(3mTorr)中にて出力2.5kWの条件でスパッタしたとこ
ろ、Siウエハ−上に600Å/minというデポレ−トでTi
N膜が得られた。また、このSiウエハ−上の膜を光学顕
微鏡で観察したところ、パ−ティクルは一切観察されな
かった。
【0023】実施例2 −100メッシュのTi粉(平均粒径50μm)を100
0kg/cm2でコ−ルドプレスした後、1200℃で真空焼
結し、密度比82%のTi焼結体を得た。このTi焼結体を
実施例1と同じ条件で窒化してTiNタ−ゲットを得た。
得られたTiNタ−ゲットには多数のポアが存在していた
が、圧縮強度18kgf/mm2 を示した。
0kg/cm2でコ−ルドプレスした後、1200℃で真空焼
結し、密度比82%のTi焼結体を得た。このTi焼結体を
実施例1と同じ条件で窒化してTiNタ−ゲットを得た。
得られたTiNタ−ゲットには多数のポアが存在していた
が、圧縮強度18kgf/mm2 を示した。
【0024】このタ−ゲットを用い、「N2 / (N2 +
Ar) =90%」なる割合のArとN2の混合ガス雰囲気(3
mTorr)中にて出力2.5kWの条件でスパッタリングした
ところ、Siウエハ−上に300Å/minというデポレ−ト
でTiN膜が得られた。このSiウエハ−上の膜を光学顕微
鏡で観察したところ、パ−ティクルは観察されなかっ
た。
Ar) =90%」なる割合のArとN2の混合ガス雰囲気(3
mTorr)中にて出力2.5kWの条件でスパッタリングした
ところ、Siウエハ−上に300Å/minというデポレ−ト
でTiN膜が得られた。このSiウエハ−上の膜を光学顕微
鏡で観察したところ、パ−ティクルは観察されなかっ
た。
【0025】実施例3 −200メッシュのTi粉(平均粒径30μm)をHIP
して密度比88%のTi焼結体を得た。このTi焼結体を実
施例1と同じ条件で窒化してTiNタ−ゲットを得た。得
られたTiNタ−ゲットには多数のポアが存在していた
が、圧縮強度29kgf/mm2 を示した。
して密度比88%のTi焼結体を得た。このTi焼結体を実
施例1と同じ条件で窒化してTiNタ−ゲットを得た。得
られたTiNタ−ゲットには多数のポアが存在していた
が、圧縮強度29kgf/mm2 を示した。
【0026】このタ−ゲットを用い、Ar100%雰囲気
(3mTorr)中にて出力1.5kWの条件でスパッタしたとこ
ろ、Siウエハ−上に400Å/minというデポレ−トでTi
N膜が得られた。このSiウエハ−上の膜を光学顕微鏡で
観察したところ、パ−ティクルは検出されなかった。
(3mTorr)中にて出力1.5kWの条件でスパッタしたとこ
ろ、Siウエハ−上に400Å/minというデポレ−トでTi
N膜が得られた。このSiウエハ−上の膜を光学顕微鏡で
観察したところ、パ−ティクルは検出されなかった。
【0027】比較例 −200メッシュのTi粉を窒素雰囲気中で窒化してTiN
粉末とした後、これを乾式ボ−ルミルによって不活性雰
囲気で粉砕し、平均粒径1μmのTiN粉末(N/Ti =0.
99) を得た。このTiN粉末を用い、N2 雰囲気中にて温
度1800℃,加圧力200kg/cm2の条件でホットプレ
スした。その結果、密度比90%のTiNタ−ゲットを得
ることができた。なお、得られたTiNタ−ゲットには多
数のポアが存在しており、圧縮強度は8kgf/mm2 を示し
た。
粉末とした後、これを乾式ボ−ルミルによって不活性雰
囲気で粉砕し、平均粒径1μmのTiN粉末(N/Ti =0.
99) を得た。このTiN粉末を用い、N2 雰囲気中にて温
度1800℃,加圧力200kg/cm2の条件でホットプレ
スした。その結果、密度比90%のTiNタ−ゲットを得
ることができた。なお、得られたTiNタ−ゲットには多
数のポアが存在しており、圧縮強度は8kgf/mm2 を示し
た。
【0028】このTiNタ−ゲットを用い、Ar100%雰
囲気(3mTorr)中にて出力2.5kWの条件でスパッタした
ところ、Siウエハ−上に600Å/minなるデポレ−トで
TiN膜が得られた。このSiウエハ−上の膜を観察したと
ころ、目視で分かるようなパ−ティクルが検出された。
囲気(3mTorr)中にて出力2.5kWの条件でスパッタした
ところ、Siウエハ−上に600Å/minなるデポレ−トで
TiN膜が得られた。このSiウエハ−上の膜を観察したと
ころ、目視で分かるようなパ−ティクルが検出された。
【0029】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、スパッタリング時のパ−ティクル発生が極めて少な
く、高品位のTiN膜を安定して得ることのできる窒化チ
タンスパッタリングタ−ゲットを提供することができ、
VLSI製造プロセスに適用してTiN膜を形成させた場
合でも満足できる結果が得られるなど、産業上有用な効
果がもたらされる。
ば、スパッタリング時のパ−ティクル発生が極めて少な
く、高品位のTiN膜を安定して得ることのできる窒化チ
タンスパッタリングタ−ゲットを提供することができ、
VLSI製造プロセスに適用してTiN膜を形成させた場
合でも満足できる結果が得られるなど、産業上有用な効
果がもたらされる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 叶野 治 茨城県北茨城市華川町臼場187番地 日 本鉱業株式会社磯原工場内 (56)参考文献 特開 平3−249175(JP,A) 特開 昭63−236759(JP,A) 特開 平4−116161(JP,A) 実開 昭50−56608(JP,U) 特公 昭54−11764(JP,B2) 東ソー研究報告,Vol.36,No. 2(1992)P.143〜152
Claims (5)
- 【請求項1】 密度比が80〜88%で、かつ圧縮強度
が10kgf/mm2以上である窒化チタンスパッタリングタ
−ゲット。 - 【請求項2】 Ti粉を焼結して密度比80〜88%の焼
結体を造り、次にこれを窒素含有ガス雰囲気中で加熱し
て窒化することを特徴とする、請求項1に記載の窒化チ
タンスパッタリングタ−ゲットの製造方法。 - 【請求項3】 平均粒径5〜200μmのTi粉を600
〜1000℃の加熱下で加圧して密度比80〜88%の
焼結体を造り、次にこれを窒素含有ガス雰囲気中で加熱
して窒化することを特徴とする、請求項1に記載の窒化
チタンスパッタリングタ−ゲットの製造方法。 - 【請求項4】 平均粒径5〜200μmのTi粉をコ−ル
ドプレス後、900〜1300℃で焼結して密度比80
〜88%の焼結体を造り、次にこれを窒素含有ガス雰囲
気中で加熱して窒化することを特徴とする、請求項1に
記載の窒化チタンスパッタリングタ−ゲットの製造方
法。 - 【請求項5】 平均粒径5〜200μmのTi粉をHIP
処理して密度比80〜88%の焼結体を造り、次にこれ
を窒素含有ガス雰囲気中で加熱して窒化することを特徴
とする、請求項1に記載の窒化チタンスパッタリングタ
−ゲットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4129669A JP2631793B2 (ja) | 1992-04-22 | 1992-04-22 | 窒化チタンスパッタリングタ−ゲット及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4129669A JP2631793B2 (ja) | 1992-04-22 | 1992-04-22 | 窒化チタンスパッタリングタ−ゲット及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05295534A JPH05295534A (ja) | 1993-11-09 |
JP2631793B2 true JP2631793B2 (ja) | 1997-07-16 |
Family
ID=15015226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4129669A Expired - Lifetime JP2631793B2 (ja) | 1992-04-22 | 1992-04-22 | 窒化チタンスパッタリングタ−ゲット及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2631793B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7442650B2 (en) | 2007-01-10 | 2008-10-28 | International Business Machines Corporation | Methods of manufacturing semiconductor structures using RIE process |
CN113897578A (zh) * | 2021-10-08 | 2022-01-07 | 中南大学湘雅医院 | 一种外科手术器械金属的表面改性方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5056608U (ja) * | 1973-09-26 | 1975-05-28 | ||
JPS5411764A (en) * | 1977-06-29 | 1979-01-29 | Fujitsu Ltd | Surface condition measuring method of disc substrates |
JPH0660056B2 (ja) * | 1987-03-24 | 1994-08-10 | 日本碍子株式会社 | 鋳ぐるみ用セラミック材料 |
JP2955319B2 (ja) * | 1990-02-28 | 1999-10-04 | 株式会社東芝 | サーマルヘッドの製造方法 |
JPH04116161A (ja) * | 1990-09-05 | 1992-04-16 | Hitachi Metals Ltd | チタンターゲット材およびその製造方法 |
-
1992
- 1992-04-22 JP JP4129669A patent/JP2631793B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
東ソー研究報告,Vol.36,No.2(1992)P.143〜152 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05295534A (ja) | 1993-11-09 |
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