JP3247303B2 - チタンシリサイドスパッタリングタ−ゲット及びその製造方法 - Google Patents

チタンシリサイドスパッタリングタ−ゲット及びその製造方法

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JP3247303B2
JP3247303B2 JP28159896A JP28159896A JP3247303B2 JP 3247303 B2 JP3247303 B2 JP 3247303B2 JP 28159896 A JP28159896 A JP 28159896A JP 28159896 A JP28159896 A JP 28159896A JP 3247303 B2 JP3247303 B2 JP 3247303B2
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
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    • C23C14/3407Cathode assembly for sputtering apparatus, e.g. Target
    • C23C14/3414Metallurgical or chemical aspects of target preparation, e.g. casting, powder metallurgy

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素を低減し、パ
ーティクルの発生数を減少させることのできるスパッタ
リングターゲット用チタンシリサイドターゲット及びそ
の製造方法に関するものである。本発明のチタンシリサ
イドターゲットを使用してスパッタリングプロセスによ
り形成される薄膜は、配線幅の非常に小さな高集積LS
Iの薄膜として非常に有用であり、新たな高集積(4M
ビット、16Mビット、64Mビット等)LSI、VL
SI等の半導体デバイスとして有効なものである。
【0002】
【従来技術および問題点】従来、LSI等半導体デバイ
スの電極あるいは配線としてポリシリコンが用いられて
きたが、LSI等半導体デバイスの高集積化に伴い、こ
れらに起因する抵抗が信号伝搬を遅延させることが問題
となってきている。一方、セルフアライン法による配線
等の形成を容易ならしめるため、電極として融点の高い
材料を使用したいという希望がある。こうした状況にお
いて、ポリシリコンより抵抗率が低く、シリコンゲート
プロセスとの互換性を有する金属シリサイド配線及び電
極が使用されるようになってきた。金属シリサイドの例
としては、タングステンシリサイド(WSix)、モリ
ブデンシリサイド(MoSix)、タンタルシリサイド
(TaSix)、チタンシリサイド(TiSix)、コバ
ルトシリサイド(CoSix)、クロムシリサイド(C
rSix)等の高融点金属シリサイドが挙げられる。金
属シリサイド膜は、スパッタリング用シリサイドターゲ
ットをスパッタすることにより形成される。スパッタリ
ング用シリサイドターゲットとしては、モル比xを2以
下とすると成膜した際に膜応力が高く、剥離しやすいと
いう理由のためにシリコン/金属のモル比が2を越える
スパッタリング用シリサイドターゲットが使用されるこ
とが多い。こうした金属シリサイドの内でも、チタンシ
リサイドが特に今後の高集積VLSI用途に有用な材料
の一つとして注目を浴びてきている。チタンシリサイド
ターゲットはこれまでシリコン粉末とチタン粉末とをシ
リコン/チタンのモル比が高め、すなわちシリコンが過
剰になるように混合し、そしてこれらを合成することに
より生成したシリサイド粉末を加圧・焼結し、所定の寸
法に機械加工することによりターゲットに製造されてい
た。
【0003】近時、LSI半導体デバイスの集積度が上
がり(4Mビット、16メガビット、64Mビット
等)、配線幅が1μm以下と微細化されつつあるが、こ
のような配線幅の微細化とともにターゲットからのパー
ティクルの発生が重大な問題として浮上してきた。パー
ティクルとは、スパッタに際してターゲットから飛散
し、またはスパッタ雰囲気に浮遊する粗大化した異常粒
子を言い、これらは基板上の皮膜に直接付着したり、あ
るいは周囲壁乃至部品に付着・堆積後再剥離して基板上
の皮膜に付着し、配線の断線、短絡等の重大な問題を引
き起こす原因となっている。そして、電子デバイスの回
路の高集積化・微細化が進むにつれ、パーティクルはま
すます重大な問題となってきた。
【0004】これまで、金属シリサイドターゲットのパ
ーティクルの発生には遊離シリコン相のうち粗大なもの
が大きく関与していることがわかった。このような認識
に基づいて、例えば、特開平4−191366号は、高
融点金属とシリコンとからなるシリサイドターゲットに
おいて、遊離しているシリコン粒子の平均粒径が30μ
m以下で、かつ表面及び断面において粒径40μm以上
の遊離シリコン粒が50個/mm2以下であることを特
徴とするシリサイドターゲット及びその製造方法を開示
している。本件出願人に係る特開平5−1370号は、
さらに規制を強めて、金属シリサイドターゲットのスパ
ッタ面に現れる10μm以上の粗大シリコン相の存在量
が10個/mm2以下であることを特徴とする金属シリ
サイドターゲット及びその製造方法を開示している。ま
た、さらにパーティクルを減少させるために、シリコン
/チタンのモル比を下げ、フリーなシリコン相をできる
だけ少なくし、またこのシリコン相が微細分散するよう
に試みてきた。(特開平6−272032号参照)。し
かし、粗大なシリコン相は、なかなか減少せず、このた
め原料粉そのものを微細にする検討もなされた。しか
し、このような微細粉化のための粉砕工程において酸素
が吸収され、得られたチタンシリサイドターゲットの酸
素含有量が大幅に増加するという結果をもたらした。こ
のような、スパッタリングターゲット中の酸素含有量の
増加は、スパッタした膜の酸素含有量を高めるため、膜
の電気抵抗を大きくするのに加え、膜応力を増加させ、
微細なLSI配線の欠陥の原因となるパーティクルを増
加させるという影響をもたらすものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、パー
ティクルの発生量が極めて少なく、かつ酸素含有量を大
幅に低下させることのできるチタンシリサイドターゲッ
トおよびその製造技術を確立することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、チタンシ
リサイドターゲットを対象としてパーティクル発生の問
題および酸素低減化の課題解決のために研究を続けた結
果、下記1〜9の技術を確立し、提供するものである。
【0007】すなわち、本願発明は、 1.チタンシリサイドスパッタリングターゲットにおい
て、シリコン/チタンのモル比が2.0〜3.0であ
り、スパッタリングターゲットのスパッタ面の断面にお
ける組織が、シリサイド粒子がネッキングを起こしてつ
ながったデンドライト状のTiSi2またはTiSiの
マトリックス相と該マトリックス相の間に不連続に存在
するSi相とからなり、該デンドライト状のTiSi2
またはTiSiのマトリックス相は、その領域の内部に
任意の直線を引いた場合に該直線の最大長さが50μm
以下であるような微細な組織であることを特徴とするチ
タンシリサイドスパッタリングターゲット。
【0008】
【0009】3.酸素含有量1000ppm以下であ
り、密度が理論密度の99.8%以上であることを特徴
とする上記1または2のそれぞれに記載のチタンシリサ
イドスパッタリングターゲット。
【0010】4.酸素含有量200ppm以下であり、
密度が理論密度の99.8%以上であることを特徴とす
る上記1または2のそれぞれに記載のチタンシリサイド
スパッタリングターゲット。
【0011】5.ターゲットがチタンシリサイドアトマ
イズ粉の焼結体であることを特徴とする上記1〜4のそ
れぞれに記載のチタンシリサイドスパッタリングターゲ
ット。
【0012】6.スパッタリングターゲットの原料とな
るチタンシリサイドを溶解した後、水アトマイズ法によ
って溶湯を急冷してアトマイズ粉末を得、このチタンシ
リサイドアトマイズ粉末を乾燥、酸洗、成型した後、焼
結することを特徴とするチタンシリサイドスパッタリン
グターゲットの製造方法。
【0013】7.原料の溶解および水アトマイズ法によ
る溶湯の急冷を真空中または不活性ガス中で行うことを
特徴とする上記6に記載のチタンシリサイドスパッタリ
ングターゲットの製造方法。
【0014】8.シリコン/チタンのモル比が2.0〜
3.0であり、スパッタリングターゲットのスパッタ面
の断面における組織が、シリサイド粒子がネッキングを
起こしてつながったデンドライト状のTiSi2または
TiSiのマトリックス相と該マトリックス相の間に不
連続に存在するSi相とからなり、該デンドライト状の
TiSi2またはTiSiのマトリックス相は、その領
域の内部に任意の直線を引いた場合に該直線の最大長さ
が50μm以下であるような微細な組織であることを特
徴とする上記6または7のそれぞれに記載のチタンシリ
サイドスパッタリングターゲットの製造方法。
【0015】9.チタンシリサイドアトマイズ粉末を乾
燥、酸洗した後、1000〜1200℃、250〜60
0kgf/cm2でホットプレスし、さらに1000〜
1200℃、1000〜2000kgf/cm2でHI
P処理を行うことを特徴とする上記6〜8のそれぞれに
記載のチタンシリサイドスパッタリングターゲットの製
造方法。を提供する。
【0016】従来のチタンシリサイドターゲットを用い
た場合、0.2μm以上のパーティクルの発生が700
0〜8000個/ウエハー、0.3μm以上のパーティ
クルが300〜400個/ウエハーであったのが、本発
明により実に0.2μm以上で20〜30個/ウエハー
までにも激減できることが見いだされた。このようなパ
ーティクル激減の様相はチタンシリサイドターゲットに
特有のもので、他の種類の高融点金属シリサイドには見
られないものである。
【0017】チタンおよびシリコンの原料としては、放
射性元素、アルカリ金属、遷移元素、重金属、酸素等の
含有量を極微量にまで低減したものを使用することが好
ましい。特に、5〜9N(99.999〜99.9999999wt%)の
シリコン純度を有するものが良い。原料チタンは、一般
にクロール法で製造されたチタンスポンジを、真空溶
解、鍛造工程を経て作られる。クロール法で製造したチ
タンは、放射性元素が少ないという利点をもつ。また、
反応容器からの鉄などの重金属の汚染を完全に防止する
ことはできないが、反応容器から十分な距離を保った位
置のスポンジを選択することにより、1〜5ppmレベ
ルの含有量にコントロールすることが可能である。より
一層高純度なチタンシリサイドを得るためには、クロー
ル法で得たチタンスポンジをヨード化物の熱分解法、溶
融塩電解法等を用いて高純度化したものを使用すること
が推奨される。
【0018】チタンおよびシリコンは、それぞれ塊状の
ものを溶解合成する。この溶解合成は酸素量を極力少な
くするためにArなどの不活性雰囲気で実施する。前記
チタンおよびシリコン原料は、一般の粉末状のものは酸
素含有量が高くなるので、塊状のものが好ましいが、特
に原料の形状に制限されるわけではない。溶解合成の際
にはシリコン/チタンのモル比を2.0〜3.0に調整
するが、この比率は最終的にターゲット材料の比率であ
り、溶解合成の際にこれと異なる比率であっても良い。
しかし、その場合は、作製された粉末を混合成型の際に
シリコン/チタンのモル比を2.0〜3.0に調整す
る。ターゲットのシリコン/チタンのモル比は、2.0
〜3.0の範囲とするが、これは形成された膜に要求さ
れる電気抵抗および膜の剥離性により選択される。モル
比を大きくすると電気抵抗は高くなる。モル比を小さく
すると電気抵抗は低くなるが、膜が剥離しやすくなる。
【0019】溶解合成されたチタンシリサイドの溶湯
は、図1に示すように溶解合成炉1から下端に噴出孔
(オリフィス)5を有する取鍋3に導入され、さらに溶
湯2がAr加圧雰囲気下4で加圧されることにより、あ
るいはAr大気圧雰囲気で自重により前記噴出孔5から
下方に噴出する。チタンシリサイドの溶湯は細流9とな
って流下するが、この流下する溶湯9に超純水6をか
け、急冷すると同時にアトマイズ化する。この雰囲気8
も上記溶解の時と同様に、Ar等の不活性雰囲気とする
のが望ましい。アトマイズ粉7は図1に示すように、容
器(水槽)10の下部に沈降する。この水アトマイズ粉
7の粒径は1mm以下である。粉の内部組織は、デンド
ライト状のTiSi2またはTiSiのマトリックス相
と該マトリックス相の間に不連続に存在するSi相とか
らなっている。また、このようにして得られたアトマイ
ズ粉の酸素含有量は1000ppm以下である。上述の
ようにArなどの不活性雰囲気で厳しくコントロールす
ることにより、酸素含有量を200ppm以下とするこ
ともできる。また、大気中での水アトマイズにおいて
も、酸素含有量の低い原料を用いさらに溶解の際にAr
などの不活性雰囲気で実施すれば、アトマイズ粉の酸素
含有量を1000ppm以下とすることも可能である。
【0020】次に、このようにして得られたアトマイズ
粉を容器から抜き出し、乾燥、酸洗および成型工程を経
て、1000〜1200℃、250〜600kgf/c
2でホットプレス(HP)処理する。1000〜12
00℃、250〜600kgf/cm2とするのは以下
の理由による。温度については、1200℃を越える温
度では粒成長が起こり組織が粗大化し、1000℃未満
では焼結体の密度が上がらずもろくなるからである。圧
力については、密度を上げるためにできる限り高圧で処
理するのが望ましいが、ダイケースの強度により上限が
定まり、それが600kg/cm2である。一方、25
0kg/cm2未満の低圧力では焼結体密度が上がらず
もろくなるため好ましくない。
【0021】このように予備成型とも言える上記HP処
理は比較的低圧力で実施できる。次に、得られたホット
プレス後のチタンシリサイドブロックを、さらに100
0〜1200℃、1000〜2000kgf/cm2
HIP処理を行う。この1000〜1200℃、250
〜600kgf/cm2とするのは以下の理由による。
温度については、1200℃を越える温度では粒成長が
起こり組織が粗大化し、1000℃未満では焼結体の密
度が上がらないからである。圧力については、1000
kgf/cm2未満の圧力では密度が上がらないが、1
000kgf/cm2以上とすることで密度99.8%
以上を達成できる。圧力は密度を上げるためにできる限
り高圧で処理するのが望ましいが、工業的に適用可能な
ものは2000kgf/cm2までである。
【0022】HIP処理後、プレス品は取出され、機械
加工により所定寸法のスパッタ用ターゲットに仕上げら
れる。その後、加工変質層を除去し併せて表面平滑化を
行う加工変質層除去工程を組み込むこともできる。加工
変質層除去工程はラッピング処理、ケミカルエッチング
処理、電解ポリッシング、プリスパッタ等の適宜の表面
処理により行われる。この後、超音波洗浄、真空乾燥を
行って製品とされ、最後に、得られたターゲットはバッ
キングプレートにボンディングされる。この表面処理に
より、表面粗さ(Ra)を1.0μm以下とすることが
できる。この加工変質層を除去したものは、初期パーテ
ィクルの発生の抑制に有効である。スパッタリングの初
期にパーティクルは多量に発生し、それらが例えば装置
内壁に付着した後、剥離して皮膜上に付着するが、初期
発生パーティクルを抑制することによりウエハー上に付
着するパーティクル総数を大幅に低減することができ
る。
【0023】上記により得られたチタンシリサイドスパ
ッタリングターゲットは、そのスパッタ面の断面組織
が、シリサイド粒子がネッキングを起こしてつながった
デンドライト状のTiSi2またはTiSiのマトリッ
クス相と該マトリックス相の間に不連続に存在するSi
相とからなり、該デンドライト状のTiSi2またはT
iSiのマトリックス相は、その領域の内部に任意の直
線を引いた場合に該直線の最大長さが50μm以下であ
るような微細な特有の組織をもつ。(図2参照)図2
は、スパッタリングターゲットのスパッタ面の断面に置
ける組織の顕微鏡写真であり、白っぽく見えるところは
デンドライト状のTiSi2またはTiSiのマトリッ
クス相、黒っぽく見えるところは前記マトリックス相中
に不連続に存在するSi相である。なお、図3に従来の
粉末法によって合成したチタンシリサイド粉から作成し
たターゲットのスパッタ面の断面組織写真を示す。連続
的につながったチタンシリサイド相中に不連続な遊離シ
リコン相が存在しているが、チタンシリサイド相の領域
の内部に任意の直線を引いた場合の該直線の最大長さは
かなり大きく150μm程度になっている。(図3参
照)
【0024】また、本発明のスパッタリングターゲット
のエロージョン面は、図4に示すように平均寸法1〜2
5μmの花弁状の表面外観を示し、密度は理論密度の9
9.8%以上を達成できる。(図4参照) 上記微細かつ平滑性の高い花弁状の表面はパーティクル
の発生を効果的に防止することができる。
【0025】また、本発明のスパッタリングターゲット
は酸素含有量が1000ppm以下、さらに200pp
m以下とすることが可能であるため、本発明のターゲッ
トを用いてスパッタリングを行うことにより、極めて低
抵抗のスパッタ膜を形成することができる。
【0026】
【実施例】
[実施例1]Ti:1703g、Si:2297g(S
i/Tiのモル比が2.30となるよう)の計4kgを
秤量し、図1に示す設備で溶解し、大気中で水アトマイ
ズして、粒径1mm以下のアトマイズ粉を得た。この粉
末を乾燥、酸洗した後、1150℃、300kgf/c
2でホットプレスし、さらに1150℃、1500k
gf/cm2でHIP処理した。HIP処理後、機械加
工により加工変質層を除去し表面粗さをRa=0.6μ
mとし、ボンディングしてターゲットとした。このター
ゲットの密度は理論密度の99.9%であり、酸素含有
量は600ppm、Si/Tiのモル比は2.30であ
った。ターゲットのスパッタ面の断面における組織は、
シリサイド粒子がネッキングを起こしてつながったデン
ドライト状のTiSi2またはTiSiのマトリックス
相と該マトリックス相の間に不連続に存在するSi相と
からなる微細な組織であった。デンドライト状のTiS
2またはTiSiのマトリックス相の領域の内部に任
意の直線を引いた場合の直線の最大長さは40μmであ
った。このターゲットを用いてスパッタを行ったとこ
ろ、6インチウエハー上での0.5μm以上のパーティ
クルは1ケ、0.3μm以上で26ケ、0.2μm以上
で50ケであった。また、ターゲットのエロージョン面
は、平均寸法20μmの花弁状の外観を呈していた。
【0027】[実施例2]実施例1と同量のTiおよび
Siを実施例1と同様の設備で溶解し、アルゴンガス中
で水アトマイズして、粒径1mm以下のアトマイズ粉を
得た。この粉末を乾燥、酸洗した後、1150℃、30
0kgf/cm2でホットプレスし、さらに1150
℃、1500kgf/cm2でHIP処理した。HIP
処理後、機械加工により加工変質層を除去し表面粗さを
Ra=0.6μmとし、ボンディングしてターゲットと
した。このターゲットの密度は理論密度の99.9%で
あり、酸素含有量は180ppm、Si/Tiのモル比
は2.30であった。ターゲットのスパッタ面の断面に
おける組織は、シリサイド粒子がネッキングを起こして
つながったデンドライト状のTiSi2またはTiSi
のマトリックス相と該マトリックス相の間に不連続に存
在するSi相とからなる微細な組織であった。デンドラ
イト状のTiSi2またはTiSiのマトリックス相の
領域の内部に任意の直線を引いた場合の直線の最大長さ
は40μmであった。このターゲットを用いてスパッタ
を行ったところ、6インチウエハー上での0.5μm以
上のパーティクルは1ケ、0.3μm以上で25ケ、
0.2μm以上で45ケであった。また、ターゲットの
エロージョン面は、平均寸法15μmの花弁状の外観を
呈していた。
【0028】[実施例3]実施例1と同量のTiおよび
Siを実施例1と同様の設備で溶解し、大気中で水アト
マイズして、粒径1mm以下のアトマイズ粉を得た。こ
の粉末を乾燥、酸洗した後、1200℃、300kgf
/cm2でホットプレスし、さらに1200℃、150
0kgf/cm2でHIP処理した。HIP処理後、機
械加工により加工変質層を除去し表面粗さをRa=0.
6μmとし、ボンディングしてターゲットとした。この
ターゲットの密度は理論密度の99.9%であり、酸素
含有量は600ppm、Si/Tiのモル比は2.30
であった。ターゲットのスパッタ面の断面における組織
は、シリサイド粒子がネッキングを起こしてつながった
デンドライト状のTiSi2またはTiSiのマトリッ
クス相と該マトリックス相の間に不連続に存在するSi
相とからなる微細な組織であった。デンドライト状のT
iSi2またはTiSiのマトリックス相の領域の内部
に任意の直線を引いた場合の直線の最大長さは50μm
であった。このターゲットを用いてスパッタを行ったと
ころ、6インチウエハー上での0.5μm以上のパーテ
ィクルは2ケ、0.3μm以上で35ケ、0.2μm以
上で80ケであった。また、ターゲットのエロージョン
面は、平均寸法25μmの花弁状の外観を呈していた。
【0029】[比較例]Si粉末及びTiH2粉末をS
i/Tiのモル比が2.30となるように混合し、従来
の粉末法(真空中での合成法)によりTiSi2粉末を
合成した。この粉末を1300℃でホットプレスするこ
とにより、焼結体を作製した後、機械加工により加工変
質層を除去し表面粗さをRa=0.6μmとし、ボンデ
ィングしてターゲットとした。このターゲットの密度は
理論密度の99.8%であり、酸素含有量は3000p
pm、Si/Tiのモル比は2.30であった。ターゲ
ットのスパッタ面の断面における組織は、連続的につな
がったチタンシリサイド相中に粗大な遊離シリコン相が
存在していた。チタンシリサイド相の領域の内部に任意
の直線を引いた場合の該直線の最大長さは150μmで
あった。このターゲットを用いてスパッタを行ったとこ
ろ、6インチウエハー上での0.5μm以上のパーティ
クルは40ケ、0.3μm以上で400ケ、0.2μm
以上で7000ケであった。
【0030】
【発明の効果】本発明により、パーティクルの発生量お
よび酸素含有量を従来より大幅に減少させたチタンシリ
サイドスパッタリングターゲットを得ることができる。
これにより配線幅の小さな高集積LSI成膜として期待
されるチタンシリサイドを高集積LSI、VLSI等の
半導体デバイスにおいて実用化することに貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 チタンシリサイドの溶解合成およびアトマイ
ズ粉製造の概略説明図。
【図2】 本発明のスパッタリングターゲットのスパッ
タ面の断面における組織の顕微鏡写真。
【図3】 従来の粉末法によって合成したチタンシリサ
イド粉から製造したスパッタリングターゲットのスパッ
タ面の断面における組織の顕微鏡写真。
【図4】 本発明のチタンシリサイドスパッタリングタ
ーゲットのエロージョン面における花弁状の外観を呈す
る組織の顕微鏡写真。
【符号の説明】
1 チタンシリサイド溶解合成炉 2 チタンシリサイドの溶湯 3 取鍋 4 Ar加圧雰囲気 5 噴出孔(オリフィス) 6 純水スプレー 7 沈降したアトマイズ粉 8 Ar雰囲気または大気 9 チタンシリサイドの溶湯の細流 10 容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 入間田 修一 茨城県北茨城市華川町臼場187番地4 株式会社ジャパンエナジ−磯原工場内 (56)参考文献 特開 昭63−227771(JP,A) 特開 平4−293770(JP,A) 特開 平2−159302(JP,A) 国際公開95/4167(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 C04B 35/00 - 35/22 JICSTファイル(JOIS) INSPEC(DIALOG)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタンシリサイドスパッタリングターゲ
    ットにおいて、シリコン/チタンのモル比が2.0〜
    3.0であり、スパッタリングターゲットのスパッタ面
    の断面における組織が、シリサイド粒子がネッキングを
    起こしてつながったデンドライト状のTiSiまたは
    TiSiのマトリックス相と該マトリックス相の間に不
    連続に存在するSi相とからなり、該デンドライト状の
    TiSiまたはTiSiのマトリックス相は、その領
    域の内部に任意の直線を引いた場合に該直線の最大長さ
    が50μm以下であるような微細な組織であることを特
    徴とするチタンシリサイドスパッタリングターゲット。
  2. 【請求項2】 酸素含有量1000ppm以下であり、
    密度が理論密度の99.8%以上であることを特徴とす
    る請求項1に記載のチタンシリサイドスパッタリングタ
    ーゲット。
  3. 【請求項3】 酸素含有量200ppm以下であり、密
    度が理論密度の99.8%以上であることを特徴とする
    請求項1に記載のチタンシリサイドスパッタリングター
    ゲット。
  4. 【請求項4】 ターゲットがチタンシリサイドアトマイ
    ズ粉の焼結体であることを特徴とする請求項1〜3のそ
    れぞれに記載のチタンシリサイドスパッタリングターゲ
    ット。
  5. 【請求項5】 スパッタリングターゲットの原料となる
    チタンシリサイドを溶解した後、水アトマイズ法によっ
    て溶湯を急冷してアトマイズ粉末を得、このチタンシリ
    サイドアトマイズ粉末を乾燥、酸洗、成型した後、焼結
    することによりシリサイド粒子がネッキングを起こして
    つながったデンドライト状のTiSiまたはTiSi
    のマトリックス相と該マトリックス相との間に不連続に
    存在するSi相をもつ組織を得ることを特徴とするチタ
    ンシリサイドスパッタリングターゲットの製造方法。
  6. 【請求項6】 原料の溶解および水アトマイズ法による
    溶湯の急冷を真空中または不活性ガス中で行うことを特
    徴とする請求項5に記載のチタンシリサイドスパッタリ
    ングターゲットの製造方法。
  7. 【請求項7】 シリコン/チタンのモル比が2.0〜
    3.0であり、スパッタリングターゲットのスパッタ面
    の断面における組織が、シリサイド粒子がネッキングを
    起こしてつながったデンドライト状のTiSiまたは
    TiSiのマトリックス相と該マトリックス相の間に不
    連続に存在するSi相とからなり、該デンドライト状の
    TiSiまたはTiSiのマトリックス相は、その領
    域の内部に任意の直線を引いた場合に該直線の最大長さ
    が50μm以下であるような微細な組織であることを特
    徴とする請求項5または6のそれぞれに記載のチタンシ
    リサイドスパッタリングターゲットの製造方法。
  8. 【請求項8】 チタンシリサイドアトマイズ粉末を乾
    燥、酸洗した後、1000〜1200°C、250〜6
    00kgf/cmでホットプレスし、さらに1000
    〜1200°C、1000〜2000kgf/cm
    HIP処理を行うことを特徴とする請求項5〜7のそれ
    ぞれに記載のチタンシリサイドスパッタリングターゲッ
    トの製造方法。
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