JP2885394B2 - アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents
アルミニウム焼結体の製造方法Info
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Description
と記載する)焼結体の製造方法に関する。
成形体を融点以下の温度で加熱して焼結する粉末冶金法
が広く知られている。斯かる粉末冶金法は、切削加工等
を行わずに粉末から製品を得ることができ、また複雑な
形状のものでも製造が可能という利点を有する。
面、どのような金属粉にも適用できるというわけではな
く、特にAl粉末やAl合金粉末を焼結する場合には、こ
れらの粉末粒子の表面は強固な酸化膜(Al2O3)で覆
われているので、焼結によってAl金属原子同士を強固
に結合させることができない。
33164号公報及び特開平6−57363号公報に先
行技術が開示されている。特開平6−33164号公報
に開示される内容は、Al粉末を窒素雰囲気で加熱する
ことで、Al粉末表面に窒化物(AlN)を形成し、この
後熱間加工して窒化物(AlN)を破壊してAl合金中に
分散させるようにしている。特開平6−57363号公
報に開示される内容は、Mgを含有するAl合金粉末を急
冷凝固法にて作製し、この微細なAl合金粉末の表面に
窒素雰囲気で加熱することで、Al粉末表面に窒化物
(AlN)を形成し、この後焼結を行うようにしてい
る。
ずれもAl粉末表面に窒化物(AlN)を形成すること
で、結合強度を高めるようにしているが、表面にAl2O
3が存在する場合に比べれば結合強度は改善されるもの
の十分とは言えない。
発明は、Al混合粉末またはAl合金粉末としてMgを例
えば0.3wt%以上含有するものを選定し、この粉末か
らなる圧粉成形体を炉内にセットし、この炉内を希ガス
雰囲気で、更に好ましくは減圧下で加熱することで圧粉
成形体に含有されるマグネシウムを昇華させ、次いで、
炉内に窒素ガスを導入して昇華したマグネシウムと反応
させて窒化マグネシウム(Mg3N2)を生成し、この窒
化マグネシウムを粉末表面の酸化アルミニウム(Al2O
3)と接触させて還元することでアルミニウム金属原子
を露出せしめて焼結するようにした。
g3N2が接触すると、Al2O3を構成する酸素がMgと結
合し、Al金属原子が粉末粒子表面に露出する。
説明する。ここで、図1は本発明に係るアルミニウム焼
結体の製造方法を実施する焼結炉の断面図であり、焼結
炉は炉体1の周囲にヒータ2を配設するとともに、炉体
1の一側面には雰囲気ガスの供給口3及び雰囲気ガスの
排出口4を設け、切換弁5を介して供給口3から炉体1
内にArガスまたはN2ガスを選択的に供給可能とし、ま
たポンプ6を駆動することで、炉体1内を減圧するよう
にしている。尚、ポンプ6は炉体1内の圧力を検出する
センサ7及び手動スイッチ8によってオン・オフされ
る。
9上に圧粉成形体Wをセットしている。この圧粉成形体
WはMg又はMg合金を混合したAl粉末またはMgを含有
するAl合金粉末からなる。
は、先ず図2の処理パターンのグラフにも示すように焼
結炉内をAr等の希ガス雰囲気とするとともに400℃
で90分間加熱(1atm)する。この加熱処理によって
圧粉成形体W中の潤滑剤(ワックス)が除去される。
尚、図3は圧粉成形体Wの粒子構造を示す模式図であ
り、この段階ではAl合金粉末粒子の表面にはAl原子と
O原子とが強固に結合したAl2O3が形成されている。
また、雰囲気を希ガス雰囲気とするのは後述するMgが
昇華するときでもよい。
くは0.1Torr程度まで減圧するとともに希ガス雰囲気
のまま500℃で5分間加熱する。この処理によって図
4にも示すようにAl合金粉末粒子中に含有されるMgが
昇華し、この昇華(ガス化)したMgはArと反応するこ
となく圧粉成形体W表面及び圧粉成形体W内部に均一に
拡散する。尚、希ガスとしてはArの他にHe(ヘリウ
ム)、Ne(ネオン)、Kr(クリプトン)、Xe(キセ
ノン)、Rn(ラドン)がある。
するとともに温度を540℃(Alの融点以下)まで高
める。N2ガスを導入することによって昇華しているMg
ガスとN2とが反応して図5に示すように窒化マグネシ
ウム(Mg3N2)を生成する。
末粒子表面の酸化アルミニウム(Al2O3)と接触し、
還元作用をなす。即ち図6に示すようにAl2O3のO原
子とMgとが結合してMgOを生成し、Al2O3からO原
子が離脱してAl金属原子が粒子表面に露出する。
であり、反応は右に進むため、Mg3N2の存在下でAl2
O3からO原子が離脱する。
した焼結製品と他の方法によって製造した製品の特性を
比較したものである。尚、各方法の条件は以下の通りで
ある。 (焼結:本発明)材料としては2種類用意し、その1つ
はMgを0.3wt%以上含有するAl合金粉末(Al-10Si
-4Cu-2Mg)であり、他の1つは純Alに他の合金粉末
を加えた混合粉末(Al-10Si-4Cu-1Mg)であり、こ
の成分系を得るための具体的な素粉末の混合法とそれら
の量としては、Al-30%Siを33.3wt%、Al-20%Cuを20w
t%、Al-50%Mgを2wt%、ワックス分を1wt%、残りを純Al
とする。上記の材料粉末(100メッシュ以下)をV型
混合機で30分間混合した後、圧粉成形する。圧粉成形
の際の圧力はAl合金粉末の場合は5〜7ton/cm2とし、
混合粉末の場合には4〜6ton/cm2とし、成形体密度が
60〜85%に収まるようにする。加熱条件は、Ar雰
囲気での第1段目の加熱を400℃×90分とし、N2
雰囲気での第2段目の加熱を540℃×60分とした。 (鍛造)鍛造については、金型温度を400℃、ビレッ
ト温度を450℃、圧加率を40%の条件で行った。 (熱処理)熱処理は容体化処理を490℃、時効処理を
190℃×3時間とした。
造した製品は、高い耐力及び強度を発揮するとともに大
きな伸び率を有することが分る。また、図7はMgの添
加量(%)と耐力(MPa)及び強度(MPa)との関係を示すグ
ラフであり、このグラフから、Mgの添加量0.3%を
境として耐力(MPa)及び強度(MPa)が急激に向上すること
が分る。したがってMgの添加量は0.3%以上とする
ことが好ましい。
実験、つまりアルゴン等の希ガス雰囲気でMgの昇華を
行わずに初めからN2ガス雰囲気とした場合には、昇華
したMgが直ちにN2と反応し、圧粉成形体内にMg3N2
の分布の偏りが発生した。その結果、Al2O3の還元が
不十分であった。
Al粉末またはAl合金粉末としてMgを例えば0.3wt%
以上含有するものを選定し、この粉末からなる圧粉成形
体を炉内にセットし、この炉内をAr等の希ガス雰囲
気、減圧下で加熱することで圧粉成形体に含有されるマ
グネシウムを昇華させ、この後炉内に窒素ガスを導入し
て昇華したマグネシウムと反応させて窒化マグネシウム
(Mg3N2)を生成し、この窒化マグネシウムを粉末表
面の酸化アルミニウム(Al2O3)と接触させて還元す
ることでアルミニウム金属原子を露出せしめた後に、焼
結するようにしたので、焼結の利点を活かしつつAl粒
子またはAl合金粒子の結合強度を高めることができ
る。
実施する焼結炉の断面図
式図
模式図
図
式図
との関係を示すグラフ
雰囲気ガスの排出口、5…切換弁、9…台、W…圧粉成
形体。
Claims (3)
- 【請求項1】 マグネシウムを混合したアルミニウム粉
末またはマグネシウムを含有するアルミニウム合金粉末
からなる圧粉成形体を炉内にセットし、この炉内を希ガ
ス雰囲気として加熱することで圧粉成形体に含有される
マグネシウムを昇華させ、次いで溶融温度以下の温度で
焼結するにあたり、炉内に窒素ガスを導入して昇華した
マグネシウムと反応させて窒化マグネシウム(Mg
3N2)を生成し、この窒化マグネシウムを粉末表面の酸
化アルミニウム(Al2O3)と接触させて還元すること
でアルミニウム金属原子を露出せしめて焼結させるよう
にしたことを特徴とするアルミニウム焼結体の製造方
法。 - 【請求項2】 請求項1に記載のアルミニウム焼結体の
製造方法において、前記マグネシウムの昇華は、希ガス
雰囲気下且つ減圧下で行うことを特徴とするアルミニウ
ム焼結体の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のアルミ
ニウム焼結体の製造方法において、前記マグネシウムの
含有割合は0.3wt%以上であることを特徴とするアル
ミニウム焼結体の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16847994A JP2885394B2 (ja) | 1994-07-20 | 1994-07-20 | アルミニウム焼結体の製造方法 |
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DE19526558A DE19526558C2 (de) | 1994-07-20 | 1995-07-20 | Verfahren zur Herstellung eines Aluminium-Sinters |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16847994A JP2885394B2 (ja) | 1994-07-20 | 1994-07-20 | アルミニウム焼結体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0835025A JPH0835025A (ja) | 1996-02-06 |
JP2885394B2 true JP2885394B2 (ja) | 1999-04-19 |
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KR102539671B1 (ko) * | 2021-08-02 | 2023-06-02 | 한국재료연구원 | 실리콘 분말의 제조방법 및 이에 의하여 제조되는 실리콘 분말 |
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- 1994-07-20 JP JP16847994A patent/JP2885394B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0835025A (ja) | 1996-02-06 |
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