JP2628993B2 - ブタジエンの塊状重合法 - Google Patents

ブタジエンの塊状重合法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 合成ポリマーの製造には多くのタイプの重合法が用い
られる。例えば、モノマーのポリマーへの重合は懸濁重
合系、乳化重合系、溶液重合系及び塊状重合系を含めて
多数の異なるタイプの反応系で行うことができる。これ
ら反応系にはそれぞれ長所と欠点がある。
懸濁重合系では、開始剤(触媒)をモノマーに溶解
し、モノマーを水に分散させ、生成懸濁液を安定化する
ために分散剤を配合する。懸濁重合法は全てポリマーの
凝集及びアグロメーシヨンを回避するためにある種のタ
イプの界面活性剤を使用して反応中に分散されたモノマ
ーを液滴をその状態に保持するようにしている。この懸
濁安定剤は粒子の大きさ及び形状に影響を及ぼすばかり
ではなく、生成ポリマーの明澄性,透明性及びフイルム
形成性にも影響を及ぼす。重合させるべきモノマーに応
じて、水不溶性微粉無機物質及び同有機物質を含めて各
種の分散剤が用いられてきた。例えば、タルク,バリウ
ム,カルシウム及びマグネシウム,カーボネート,シリ
ケート,ホスフエート及びサルフエート並びにポリ(ビ
ニルアルコール),スチレン−無水マレイン酸共重合体
の塩,酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体,殿粉,ゼ
ラチン,ペクチン,アルギネート,メチルセルロース,
カルボキシメチルセルロース,ベントナイト,石灰石及
びアルミナが懸濁剤として用いられてきた。懸濁重合の
主たる利点は、ポリマー生成物が容易に過,洗浄及び
乾燥される小さいビーズとして得られることである。コ
スト上及び非反応性の理由から、水がほとんどの有機溶
剤よりはるかに望ましい稀釈剤及び熱伝達媒体である。
しかし、ある種の重合法は、例えばニツケル触媒系を
用いつつ非常に高シス含量の1,4−ポリブタジエンを製
造する重合法では水分の存在は極めて望ましくないもの
である。かくして、水媒体中での懸濁重合はニツケル触
媒系を用いる非常に高シス含量の1,4−ポリブタジエン
の合成法としては有効な方法ではない。
乳化重合法はモノマーの大きな液滴、溶解した開始剤
を含有する水性相及びモノマーで膨潤したポリマーのコ
ロイド粒子より成る三相反応系であると考えられる。乳
化重合法にはエマルジヨンベースとして水を使用できる
という経済的利点があるが、全ての乳化重合法で水の存
在が許容される訳けではない。ニツケル触媒系を用いて
ブタジエンを非常に高シス含量の1,4−ポリブタジエン
に重合する場合がそのようなケースである。乳化重合で
合成される乾燥ポリマーを回収するためには、もちろん
ラテツクスからゴムを凝固させる必要がある。凝固は塩
と酸の組み合せをラテツクスに添加することによつて一
般に達成される。この結果、環境問題が発生する可能性
のある廃水が形成される。
溶液重合では、モノマー,ポリマー及び重合触媒すな
わち開始剤を溶解し得る有機溶剤が使用される。ポリマ
ーは使用される有機溶剤に可溶性であるので、ポリマー
の分子量が増大するにつれて溶液粒度の高くなる傾向が
ある。これがある時間にわたつて続くと、溶液は固形分
含量が低レベルに制限されていない限り通常の重合反応
系で取り扱うには粘稠し過ぎるようになつてしまう。工
業的重合法では、固体ポリマー濃度が高く、同時に取扱
いが容易で、使用反応容器の壁に凝集しない物質から成
る重合物を得ることが望ましい。溶剤及び未反応モノマ
ーを除去するためにポリマー溶液は一般に水蒸気ストリ
ツピングにかけられる。水を除去するためにゴム小片
(crumb rubber)の水性スラリーは通常スキミングタ
ンク(skimmingtank)、水駆除機及び押出乾燥機にポン
プ給送される。水蒸気ストリツピング操作及び乾燥操作
は高価なエネルギーを大量に消費する。
非水性分散重合では、製造されているポリマーに対し
て非常に貧溶媒である有機媒体が用いられる。有機媒体
中では分散剤が生成されているポリマーを媒体全体に分
散させるために用いられる。斯る非水性分散重合で用い
られる分散剤(分散安定剤)は一般にブロツクコポリマ
ー,ランダムコポリマー又はホモポリマーであることが
できる高分子物質である。非水性分散重合は米国特許第
4,098,980号及び同第4,452,960号に詳細に記載されてい
る。非水性分散重合法は、改良された熱伝達性、一層高
いポリマーの反応媒体濃度、高い製造能及びエネルギー
の節約を含めて、溶液重合や乳化重合を越える幾つかの
はつきりした利点を与える。
塊状重合は液状モノマーをポリマーに直接転化するも
のである。斯る塊状重合は1種の又は2種以上のモノマ
ーを含有する単純な均一系に開始剤を添加することによ
つて一般に行われる。このような塊状重合で生成したポ
リマーは実際には反応媒体として用いられるそれら自信
のモノマーに可溶性であることができるが、必ずしもそ
うである必要はない。例えば、ポリイソプレンはイソプ
レンにかなり溶解することができ、またポリペンタジエ
ンは1,3−ペンタジエンに相当する可溶性であるが、高
シス−1,4−ポリブタジエンは1,3−ブタジエンモノマー
には余り可溶性でない。スチレンモノマーに対する遊離
ラジカル開始剤の添加によるポリスチレンの合成は極く
一般的な塊状重合の良好な例である。塊状重合法の主た
る利点は溶剤が用いられないと言うことである。かくし
て、溶剤の回収及び再使用のコストがかからなくなる。
塊状重合反応の1つの欠点は重合中に反応温度をコント
ロールするのが困難なことである。事実、多くのタイプ
のモノマーを塊状重合する試みは全く制御不能の反応を
もたらした。この困難のため塊状重合は合成ゴムの工業
的製造には広く用いられるに至つてはいない。
合成ゴムを塊状重合で製造するという着想は新しいも
のではない。ジエンモノマーを溶剤の不存在下で重合し
て合成ゴムを形成することができることはずつと以前か
ら知られている。事実、ドイツとソ連では第二次大戦中
にバツチ法でアルカリ金属触媒を用いてポリブタジエン
とポリジメチルブタジエンが塊状で合成された。ポリブ
タジエンはまたブタジエンモノマーが入つている小さい
重合びんに触媒を添加することによつても製造されてい
る。このような塊状重合の高い発熱性に基因して、これ
ら小規模塊状重合で用いられている重合びんが破裂する
ことはそうめずらしいことではない。斯る塊状重合は本
質的に制御不能であるので、ポリマーの均質性が極めて
乏しく、ゲル形成がしばしば問題となり、また分子量の
コントロールが非常に困難である。これらの理由から、
1,3−ブタジエンモノマーのポリブタジエンへの塊状重
合は工業的に実行可能であることは広く認められていな
い。
それにも係わらず合成ゴムを塊状重合で製造する可能
性が魅力的な可能性のまゝ残つている。これはゴムから
分離され、再循環され、そうでなければ捨てなければな
らない溶剤を用いる必要をなくするからである。溶剤の
回収,再循環のコストは製造されているゴムのコストを
著しく押し上げ、しかもある種の環境問題を引き起こし
得る。溶剤からのゴムの回収,分離はまた余分の処理と
装置を必要とし、それらの全てはまたゴムのコストを更
に上げる。再循環されている溶剤の精製はまた非常にコ
ストがかかり、かつその溶剤は依然として重合触媒に有
毒な不純物を保持しているかもしれないという危険が常
に存在する。例えば、ベンゼンとトルエンは触媒と重合
速度を抑制し、しかも低分子量を有するポリマーを形成
させ得るアレーン錯体を形成し得る。
反応ゾーンから液状反応体の一部を制御蒸発させ、除
去して反応ゾーンを冷却する装置を用いることによつて
塊状重合をコントロールすることが提案された。この方
法は時には自動冷却と称されている。塊状重合に自動冷
却を用いるという記載は米国特許第3,458,490号に見ら
れる。この米国特許に開示される方法において、螺旋撹
拌されている溶液重合タイプの反応器でポリブタジエン
のブタジエンモノマー溶液が調製された。しかし、仕込
みブタジエンモノマーの35%しかポリマーに転化されな
かつた。形成されたポリブタジエン生成物から未反応モ
ノマーを除去するのに水蒸気ストリツピングが用いられ
た。
自動冷却を利用して起泡をコントロールするもう1つ
の塊状重合法が米国特許第3,770,710号に記載されてい
る。この米国特許に開示されている技術においては、実
質的に約50℃を越えない重合温度においてまずたつた20
〜40%の固形分含量を有するポリマー/モノマーを溶液
に調製し、次いで次の反応器で50〜150℃の範囲の温度
においてそのポリマー/モノマー溶液の重合を続けるこ
とから成る方法が用いられた。この米国特許に記載の方
法ではリチウム含有触媒が用いられるが、得られるポリ
マーのムーニー粘度は重合時間と共に高くなる。
発明の概要 予想できなかつたことであるが、1,3−ブタジエンモ
ノマーを大規模基準で高重合率まで連続的に塊状重合し
て均一な分子量を有する高シス−1,4,−ポリブタジエン
を形成する方法においてニツケル触媒系を用いることが
できることが見い出された。高シス−1,4−ポリブタジ
エンにおいてポリマー中のブタジエンの繰返単位の少な
くとも85%がシス−1,4−異性体構造を有する。この方
法で製造された高シス−1,4−ポリブタジエンはまたニ
ツケル触媒系を用いて溶液重合で製造された高シス−1,
4−ポリブタジエンと同じ微細構造を有することが確認
された。1,3−ブタジエンを連続法で高シス−1,4−ポリ
ブタジエンに塊状重合するこの方法は (i) 反応ゾーンに1,3−ブタジエン、及び(イ)有
機アルミニウム化合物、(ロ)可溶性のニツケル含有化
合物及び(ハ)弗素含有化合物から成る触媒系を仕込
み; (ii) 10〜130℃の範囲内の温度に維持するのに十分
な蒸発冷却が反応ゾーンに確立されるような条件を用い
つつ1,3−ブタジエンを少なくとも約60%の重合率まで
重合させて高シス−1,4−ポリブタジエンを形成し;そ
して (iii) 高シス−1,4−ポリブタジエンを反応ゾーンか
ら連続的に取り出す ことから成る。
本発明はまた、液状1,3−ブタジエンモノマーを未反
応の1,3−ブタジエンモノマーと(イ)有機アルミニウ
ム化合物、(ロ)ニツケル含有化合物及び(ハ)弗素含
有化合物から成る触媒系とから成る実質的に溶媒を含ま
ない反応媒体に、その反応媒体を10〜130℃の範囲内の
温度に維持するのに十分な蒸発冷却を与えつつ1,3−ブ
タジエンが少なくとも約60%の重合率まで重合して高シ
ス−1,4−ポリブタジエンを形成するのに十分な速度
で、かつ十分な撹拌を与えつつ仕込むことから成る1,3
−ブタジエンを高シス−1,4−ポリブタジエンに重合す
る方法を明らかにする。合成されている高シス−1,4−
ポリブタジエンの分子量を下げるために、斯る塊状重合
は普通α−オレフィン,シス−2−ブテン,トランス−
2−ブテン,アレン,1,4−ペンタジエン,1,5−ヘキサジ
エン,1,6,−ヘプタジエン,4−ビニル−1−シクロヘキ
セン,1,2,4−トリビニルシクロヘキセン,1−トランス−
4−ヘキサジエン及び水素から成る群から選ばれる少な
くとも1種の分子量調節剤の存在下で行われる。
本発明の塊状重合法を用いることによつて多数の明確
な極めて有利な長所が実現される。例えば、本発明の方
法を実施することによつて非常に速い重合速度が達成さ
れる。更に明確に述べると、5〜10分程度の短時間で60
〜100%の転化率、すなわち重合率を達成することがで
きる。これは従来の重合法を用いてそのような高重合率
を達成するために通常必要とされると思われる1.5〜30
時間の反応時間とははつきり違うところである。かくし
て、本発明の塊状重合法を用いることによつて85〜100
%の高重合率を妥当な時間内に達成することができる。
本発明の方法を実施することによつて分子量が比較的
均一又は一定のポリマーを容易にかつ実質的に製造する
ことができる。これは、ブタジエンを塊状で重合するこ
とができるが、分子量が重合率,滞留時間等に依存性で
あるポリマーを生成させるリビング触媒,例えばブチル
リチウム、又は“擬似リビング”触媒、例えば稀土類金
属を用いて行われる塊状重合とはつきり違う点である。
上記のようなリビング触媒の使用はまた生成高分子量ポ
リマーが塊状重合反応器を閉塞させてしまうといつた処
理の困難性をも引き起こすので望ましくない方法であ
る。これらの問題の全てが本発明の技術を用いることに
よつて克服される、と言うのは100%までの高重合率を
実現しつつ任意、所望の分子量を持つポリブタジエンを
製造し得るからである。このようにして、本発明の方法
を単に修正することによつて重合率に制限を加えること
なしにはつきり異なる分子量を必要とする特定の用途の
ためのポリマーを製造することが可能となる。
本発明の方法はまた最少量のブタジエンモノマーを反
応ゾーンに存在させる必要しかないという明確な利点を
与える。使用反応器はそれらが自己清浄性の設計のもの
であるので最少量の保善しか必要としない。これらに加
えて、製造されているゴム中の有機物質を除去するのに
脱蔵機(devolatilizer)−押出機を用いることができ
るので、生成ポリブタジエンから揮発性の有機物質を除
去するのに水蒸気ストリツピングは必要とされない。し
かし、超高重合率が達成され得るという事実にてらせ
ば、いかなる場合も生成ゴム中に存在する揮発性の有機
化合物、例えばモノマーの量は最少である。これは勿
論、使用反応媒体が実質的に溶剤を含まず、高シス−1,
4−ポリブタジエンの溶剤である有機化合物を反応媒体
の総重量に基づいて10%以下しか含有しないからであ
る。ほとんどの場合、反応媒体が含有する高シス−1,4
−ポリブタジエンの溶剤は4重量%未満、すなわち実際
上溶剤は全く存在しない。
発明の詳しい記述 ブタジエンモノマーは3成分ニツケル触媒系を用いる
連続塊状重合法で非常に高シス含量(95%以上のシス−
1,4−異性体ブタジエン単位)の1,4−ポリブタジエンに
重合させることができる。この3成分ニツケル触媒系は
有機アルミニウム化合物、可溶性のニツケル含有化合物
及び弗素含有化合物を含む。
使用可能の有機アルミニウム化合物は構造式 を有する。ただし、R1はアルキル基(シクロアルキルを
含む),アリール基,アルカリール基,アリールアルキ
ル基,アルコキシ基,水素及び弗素より成る群から選ば
れ、一方R2及びR3はアルキル基(シクロアルキルを含
む),アリール基,アルカリール基及びアリールアルキ
ル基より成る群から選ばれる。使用可能の有機アルミニ
ウム化合物の若干の代表例を挙げると、ジエチルアルミ
ニウムハイドライド,ジ−n−プロピルアルミニウムハ
イドライド,ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライ
ド,ジイソブチルアルミニウムハイドライド,ジフエニ
ルアルミニウムハイドライド,ジ−p−トリルアルミニ
ウムハイドライド,ジベンジルアルミニウムハイドライ
ド,フエニルエチルアルミニウムハイドライド,フエニ
ル−n−プロピルアルミニウムハイドライド,p−トリル
エチルアルミニウムハイドライド,p−トリルn−プロピ
ルアルミニウムハイドライド,p−トリルイソプロピルア
ルミニウムハイドライド,ベンジルエチルアルミニウム
ハイドライド,ベンジルn−プロピルアルミニウムハイ
ドライド及びベンジルイソプロピルアルミニウムハイド
ライド,ジエチルアルミニウムエトキシド,ジイソブチ
ルアルミニウムエトキシド,ジブロピルアルミニウムメ
トキシド,トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミ
ニウム,トリ−n−プロピルアルミニウム,トリイソプ
ロピルアルミニウム,トリ−n−ブチルアルミニウム,
トリイソブチルアルミニウム,トリペンチルアルミニウ
ム,トリヘキシルアルミニウム,トリシクロヘキシルア
ルミニウム,トリオクチルアルミニウム,トリフエニル
アルミニウム,トリ−p−トリルアルミニウム,トリベ
ンジルアルミニウム,エチルジフエニルアルミニウム,
エチルジ−p−トリルアルミニウム,エチルジベンジル
アルミニウム,ジエチルフエニルアルミニウム,ジエチ
ルp−トリルアルミニウム,ジエチルベンジルアルミニ
ウム及び他のトリオルガノアルミニウム化合物がある。
好ましい有機アルミニウム化合物にはトリエチルアルミ
ニウム(TEAL),トリ−n−プロピルアルミニウム,ト
リイソブチルアルミニウム(TIBAL),トリヘキシルア
ルミニウム,ジイソブチルアルミニウムハイドライド
(DIBA−H)及びジエチルアルミニウムフルオライドが
ある。
ニツケルを含有する触媒の成分はいかなる可溶性有機
ニツケル化合物であつてもよい。これらの可溶性ニツケ
ル化合物は通常炭素原子数が20個までの一座配位子又は
二座配位子を有するニツケルの化合物である。配位子は
金属原子又はイオンに結合した、及び結合したと考えら
れるイオン又は分子である。一座とは金属と共有結合又
は配位結合を形成することができる1つの位置を有する
ことを意味する。二座とは金属と共有結合又は配位結合
を形成することができる2つの位置を有することを意味
する。用語“可溶性”とはブタジエンモノマー及び不活
性な溶剤における溶解性を指す。
一般的に言えば、可溶性ニツケル含有化合物として任
意のカルボン酸のニッケル塩又はニッケルの有機錯体化
合物を用いることができる。更には、ニッケルテトラカ
ルボニルま用いることができる。炭素原子を1〜20個有
するニッケル含有有機酸が好ましい。可溶性ニツケル含
有化合物の若干の代表例を挙げると、安息香酸ニツケ
ル,酢酸ニツケル,ナフテン酸ニツケル,オクタン酸ニ
ツケル,ネオデカン酸ニツケル,ビス(α−フリルジオ
キシム)ニツケル,パルミチン酸ニツケル,ステアリン
酸ニツケル,ニツケルアセチルアセテート,ニツケルサ
リチルアルデヒド,ビス(シクロペンタジエン)ニツケ
ル,ビス(サリチルアルデヒド)エチレンジイミンニツ
ケル,シクロペンタジエニル−ニツケルニトロシル,ビ
ス(π−アリルニツケル),ビス(π−シクロオクタ−
1,5−ジエンニツケル),ビス(π−アリルニツケルト
リフルオロアセテート)及びニツケルテトラカルボニル
がある。ナフテン酸ニツケル,オクタン酸ニツケル及び
ネオデカン酸ニツケルが極めて好ましい可溶性ニツケル
含有化合物である。オクタン酸ニツケル(NiOct)と一
般に称される2−エチルヘキサン酸ニツケルが経済的要
因から最も一般的に使用される可溶性ニツケル含有化合
物である。
この触媒系で用いられる弗素含有化合物は、一般的に
言えば、弗素水素又は三弗化硼素である。弗化水素を用
いる場合、それはガス状又は液状であることができる。
勿論、無水で、かつできるだけ純粋であるべきである。
弗化水素は不活性溶剤に溶解させることができ、かくし
て液状溶液として取り扱い、反応ゾーンに仕込むことが
できる。所望によつては、溶剤としてブタジエンモノマ
ーを用いることができる。不活性溶剤にはアルキル−,
アルカリール−,アリールアルキル−及びアリール−炭
化水素がある。例えば、ベンゼン及びトルエンが都合の
よい溶剤である。
触媒の三弗化硼素成分はガス状の三弗化硼素であるこ
とができる。これもまた無水で、かつできるだけ純粋で
あるべきである。
この弗素含有化合物として、弗化水素及び/又は三弗
化硼素はまたその触媒系においてコンプレツクスとして
用いることができる。弗化水素コンプレツクス及び三弗
化硼素コンプレツクスは弗化水素又は三弗化硼素に電子
を与え、又はそれら弗化物と電子を共有することができ
る原子又はラジカルを含有する化合物により容易に合成
することができる。このような電子付与又は共有可能な
化合物はエーテル,アルコール,ケトン,エステル,ニ
トリル及び水である。
ケトンの群は式 で定義することができる。ただし、R′及びRはアルキ
ル基,シクロアルキル基,アリール基,アルカリール基
及びアリールアルキル基で、それぞれ1〜約30個の炭素
原子を含有するものより成る群から選ばれる。R′及び
Rは同一でもよいし、異なつていてもよい。これらのケ
トンは二重結合で酸素に結合された炭素原子を有する一
群の化合物を表わすものである。本発明のケトン−弗化
水素コンプレツクス又は三弗化硼素コンプレツクスの合
成において有用なケトンの若干の代表例を示すと、ジメ
チルケトン,メチルエチルケトン,ジブチルケトン,メ
チルイソブチルケトン,エチルオクチルケトン,2,4−ペ
ンタンジオン,ブチルシクロヘプタノン,アセトフエノ
ン,アミルフエニルケトン,ブチルフエニルケトン,ベ
ンゾフエノン,フエニルトリルケトン,キノン等があ
る。本発明のケトン−弗化水素化合物及びケトン−三弗
化硼素化合物を形成するのに用いることができる好まし
いケトンはジアルキルケトンで、それらのうちではアセ
トンが最も好ましい。
ニトリルの群は式RCNで表わすことができる。ただ
し、Rはアルキル基,シクロアルキル基,アリール基,
アルカリール基又はアリールアルキル基である。これら
の基は約30個までの炭素原子を有する。ニトリルは三重
結合で窒素原子に結合された炭素原子を含有する。ニト
リル群の化合物の全てではないが代表的な化合物はアセ
トニトリル,ブチロニトリル,アクリロニトリル,ベン
ゾニトリル,トルニトリル,フエニルアセトニトリル等
である。好ましい弗化水素−ニトリルコンプレツクス又
は三弗化硼素−ニトリルコプレツクスは弗化水素ベンゾ
ニトリルコンプレツクス又は三弗化硼素ベンゾニトリル
コンプレツクスである。
アルコールの群は式ROHで定義することができる。た
だし、Rはアルキル基,シクロアルキル基,アリール
基,アルカリール基又はアリールアルキル基で、いずれ
も約1〜約30個の炭素原子を含有する。これらのアルコ
ールは炭素原子を単結晶で酸素に結合して有し、その酸
素原子は単結晶で水素に結合している一群の化合物を表
わす。弗化水素コンプレツクス及び三弗化硼素コンプレ
ツクスの合成に有用な全てではないが代表的なアルコー
ルはメタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプ
ロパノール,フエノール,ベンジルアルコール,シクロ
ヘキサノール,ブタノール,ヘキサノール及びペンタノ
ールである。好ましい弗化水素−アルコールコンプレツ
クス又は三弗化硼素−アルコールコンプレツクスは弗化
水素フエノレートコンプレツクス又は三弗化硼素フエノ
レートコンプレツクスである。
エーテルの群は式R′ORで定義することができる。た
だし、R及びR′はアルキル基,シクロアルキル基,ア
リール基,アルカリール基及びアリールアルキル基で、
いずれも約1〜約30個の炭素原子を含有する。R及び
R′は同一でもよいし、あるいは異つていてもよい。R
はまた環状エーテルを形成するよう共通の炭素原子を介
して結合していてもよい。エーテル酸素はテトラヒドロ
フラン,フラン又はジオキサンのような環状構造の一体
部分となつている。これらのエーテルは2個の炭素原子
を単結合で1個の酸素原子に結合して有する一群の化合
物を表わす。本発明の弗化水素コンプレツクス又は三弗
化硼素コンプレツクスの合成に有用な全てではないが代
表的なエーテルはジメチルエーテル,ジエチルエーテ
ル,ジブチルエーテル,ジアミンエーテル,ジイソプロ
ピルエーテル,テトラヒドロフラン,アニソール,ジフ
エニルエーテル,エチルメチルエーテル,ジベンジルエ
ーテル等である。好ましい弗化水素−エーテルコンプレ
ツクス又は三弗化硼素−エーテルコンプレツクスは弗化
水素ジエチルエーテレート,弗化水素ジブチルエーテレ
ート,三弗化硼素ジエチルエーテレート,三弗化硼素ジ
ブチルエーテレート各コンプレツクスである。
エステルの群は式 で定義することができる。ただし、R及びR′はアルキ
ル基,シクロアルキル基,アリール基,アルカリール基
及びアリールアルキル基で、1〜約20個の炭素原子を含
有する。エステルは式に示される通り炭素原子を二重結
合で酸素原子に結合して含有する。斯るエステルの全て
ではないが、代表的な化合物は安息香酸エチル,安息香
酸アミル,酢酸フエニル,安息香酸フエニル及び上記式
に一致する他のエステルである。好ましい弗化水素−エ
ステルコンプレツクスは弗化水素−安息香酸エチルコン
プレツクスである。好ましい三弗化硼素−エステルコン
プレツクスは三弗化硼素安息香酸エチルコンプレツクス
である。
本発明のコンプレツクスはガス状の三弗化硼素又は弗
化水素を適当な量の錯生成剤、例えばケトン,エーテ
ル,エステル,アルコール又はニトリルに単に吹き込
み、泡立てることによつて通常合成される。この反応は
水分の不存在下で行うべきであり、また温度を約37.7℃
(100゜F)より高くしないように対策を取るべきであ
る。ほとんどの場合、三弗化硼素コンプレツクス及び弗
化水素コンプレツクスは温度を室温に保つて合成され
る。もう1つの可能な方法は弗化水素又は錯生成剤を適
当な溶剤に溶解し、続いて他の成分を添加する方法であ
る。更に他の混合方法は錯生成剤を溶剤に溶解し、ガス
状弗化水素又は三弗化硼素を系に錯生成剤の全てが弗化
水素又は三弗化硼素と反応するまで単に吹き込み、泡立
てる方法である。濃度は重量増加又は化学滴定で定量す
ることができる。
使用される三成分触媒系は予め形成しておくことがで
きる。触媒系を予備形成するならば、それは長期間にわ
たつて活性を高水準に維持する。斯る予備形成触媒系の
使用はまた均一なポリマー生成物を形成させる。このよ
うな予備形成触媒系はモノオレフイン,非共役ジオレフ
イン,共役ジオレフイン,環式非共役マルチオレフイ
ン,アセチレン系炭化水素,トリオレフイン,ビニルエ
ーテル及び芳香族ニトリルより成る群から選ばれる1種
又は2種以上の予備形成剤(preforming agent)の存
在下で調製される。
安定化された触媒の調製において予備形成剤として使
用することができるオレフインの若干の代表的例はトラ
ンス−2−ブテン,混合シス−及びトランス−2−ペン
テン及びシス−2−ペンテンである。予備形成剤として
使用することができる若干の非共役ジオレフインの例は
シス−1,4−ヘキサジエン,1,5−ヘプタジエン,1,7−オ
クタジエン等である。使用可能の環式非共役マルチオレ
フインの代表的例は1,5−シクロオクタジエン,1,5,9−
シクロドデカトリエン及び4−ビニルシクロヘキセン−
1である。プレフオーミング剤、すなわち予備形成剤と
して使用することができるアセチレン系炭化水素の若干
の代表例はメチルアセチレン,エチルアセチレン,2−ブ
チン,1−ペンチン,2−ペンチン,1−オクチン及びフエニ
ルアセチレンである。プレフオーミング剤として使用す
ることができるトリオレフインの例としては1,3,5−ヘ
キサトリエン,1,3,5−ヘプタトリエン,1,3,6−オクタト
リエン,5−メチル−1,3,6−ペプタトリエン等がある。
使用することができる置換共役ジオレフインの若干の代
表例には1,4−ジフエニルブタジエン,ミルセン(7−
メチル−3−メチレン−1,6−オクタジエン)等があ
る。エチルビニルエーテルとイソブチルビニルエーテル
が予備形成剤として使用することができるアルキルビニ
ルエーテルの代表的な例である。使用することができる
芳香族ニトリルの代表例はベンゾニトリルである。使用
することができる共役ジオレフインの若干の代表例には
1,3−ブタジエン,イソプレン及び1,3−ペンタジエンが
ある。好ましい予備形成剤は1,3−ブタジエンである。
高活性で化学的に比較的安定な予備形成触媒の調整法
は有機アルミニウム化合物と予備形成剤を溶剤媒体に加
え、その後にそれらをニツケル化合物と接触させる方法
である。ニツケル化合物を次に溶液に加え、次いでこの
溶液に弗化物化合物を加える。別法として、予備形成剤
とニツケル化合物を混合し、続いて有機アルミニウム化
合物を、次いで弗化物化合物を添加することができる。
他の添加順序も用いることができるが、それら方法は一
般に満足さが上記より低い結果を与える。
触媒を予備形成するのに用いられる予備形成剤の量の
重合されるべきモノマーの総量に対して約0.001〜3%
の範囲であることができる。予備形成剤のニツケル化合
物に対するモル比として表わすと、予備形成工程中に存
在する予備形成剤の量はニツケル濃度の約1〜3000倍の
範囲であることができる。予備形成剤対ニツケルの好ま
しいモル比は約3:1〜500:1である。
これらの好ましい触媒は調整直後から触媒活性を有す
る。しかし、中温、例えば50℃において、例えば15〜30
分の短時間の熟成が予備成形触媒の活性を著しく高める
ことが観察された。
触媒を適正に安定化するためには、予備形成剤は有機
アルミニウム化合物がニツケル化合物か又は弗化物化合
物のいずれかと反応する機会を持つようになる前に存在
しなければならない。もし、触媒系が少なくとも少量の
予備形成剤の存在もなしで予備形成されるならば、有機
アルミニウム化合物のニツケル化合物又は弗化物化合物
に対する化学的効果は、触媒活性が著しく低いものにな
るか、短時間後に不活性になる、そのようなものとな
る。少なくとも少量の予備形成剤の存在下では、触媒の
触媒寿命又は貯蔵寿命が予備形成剤が存在しない系より
著しく改良される。
本発明において使用される3成分ニツケル触媒はまた
予備混合させることもできる。斯る予備混合触媒系は1
種又は2種以上の高分子触媒安定剤の存在下で調製され
る。この高分子触媒安定剤は液状ポリマー,ポリマーセ
メント又はポリマー溶液の形態であることができる。高
分子触媒安定剤は一般に共役ジエンのホモポリマー又は
共役ジエンとスチレン及びメチル置換スチレンとのコポ
リマーである。高分子触媒安定剤の製造で用いられるジ
エンモノマーは通常4〜約12個の炭素原子を有する。こ
のような高分子触媒安定剤を製造する際に用いることが
できる共役ジエンモノマーの若干の代表例を挙げると、
イソプレン,1,3−ブタジエン,ピペリレン,1,3−ヘキサ
ジエン,1,3−ヘプタジエン,1,3−オクタジエン,2,4−ヘ
キサジエン,2,4−ヘプタジエン,2,4−オクタジエン及び
1,3−ノナジエンがある。また、2,3−ジメチルブタジエ
ン,2,3−ジメチル−1,3−ヘキサジエン,2,3−ジメチル
−1,3−ヘプタジエン,2,3−ジメチル−1,3−オクタジエ
ン,2,3−ジメチル−1,3−ノナジエン及びそれらの混合
物もある。
高分子触媒安定剤の若干の代表例にはポリイソプレ
ン,ポリブタジエン,ポリピペリレン,ブタジエンとス
チレンとのコポリマー,ブタジエンとα−メチルスチレ
ンとのコポリマー,イソプレンとスチレンとのコポリマ
ー,イソプレンとα−メチルスチレンとのコポリマー,
ピペリレンとスチレンとのコポリマー,ピペリレンとα
−メチルスチレンとのコポリマー,2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエンとスチレンとのコポリマー,2,3−ジメチル
ブタジエンとα−メチルスチレンとのコポリマー,ブタ
ジエンとビニルトルエンとのコポリマー,2,3−ジメチル
−1,3−ブタジエンとビニルトルエンとのコポリマー,
ブタジエンとβ−メチルスチレンとのコポリマー及びピ
ペリレンとβ−メチルスチレンとのコポリマーがある。
この予備混合技術によつて触媒系を適正に安定化する
ためには、高分子触媒安定剤は有機アルミニウム化合物
がニツケル化合物か、又は弗素含有化合物のいずれかと
反応する機会を持つ前に存在しなければならない。も
し、触媒系が少なくとも少量の高分子触媒安定剤の存在
もなしに予備混合されるならば、有機アルミニウム化合
物のニツケル化合物又は弗化物化合物に対する化学的効
果は触媒活性が著しく低くなるか、短時間後に不活性に
なつてしまう、そのようなものとなる。少なくとも少量
の高分子触媒安定剤の存在下では、触媒系の触媒寿命又
は貯蔵寿命が高分子触媒安定剤が存在しない同じ系より
著しく改良される。
この予備混合触媒系をそれが高度に活性で、かつ化学的
に比較的安定となるように製造する1つの方法は有機ア
ルミニウム化合物をポリマーセメント溶液に加え、そし
て有機アルミニウム化合物がニツケル含有化合物と接触
するようになる前に完全に混合する方法である。別法と
して、ニツケル化合物をまずポリマーセメントと混合
し、続いて有機アルミニウム化合物を添加することもで
きる。弗素含有化合物はポリマーセメント溶液に添加さ
れる。これは他の触媒添加順序又は添加方法を排除する
ものではなくて、ポリマー安定剤は有機アルミニウム化
合物がニツケル含有化合物か又は弗素含有化合物のいず
れかとん反応する機会を持つようになる前に存在しなけ
ればならないことを強調するものである。
触媒系を予備混合するのに用いられる高分子触媒安定
剤の量は重合されるべきモノマーと総量の約0.01〜3重
量%の範囲内にあることができる。高分子触媒安定剤の
テツケルに対する重量比として述べると、予備混合工程
中に存在する高分子触媒安定剤の量はニツケル濃度の約
2〜2000倍の範囲であることができる。高分子触媒安定
剤対ニツケルの好ましい重量比は約4:1〜約300:1であ
る。このような予備混合触媒系は予備混合の直後から触
媒活性を示すとしても、中温、例えば50℃の温度におい
て、例えば15〜30分の短時間の熟成が予備混合触媒系の
活性を高めることが観察された。
3成分ニツケル触媒系を製造する際に“現場変性”法
も用いることができる。事実、斯る“現場変性”法によ
つて製造された触媒の使用は重合及びポリマー生成物の
コントロールを一層均一に行えるようにする。斯る“現
場変性”においては、有機アルミニウム化合物が純1,3
−ブタジエンモノマーに添加され、ニツケル含有化合物
は後で添加される。有機アルミニウム化合物とニツケル
含有化合物を含有するブタジエンモノマーを次に、重合
に用いられている反応ゾーンに仕込み、そして弗素含有
化合物は別個に反応ゾーンに仕込まれる。普通は、有機
アルミニウム化合物とニツケル含有化合物はブタジエン
モノマーに混入された後間もなく反応ゾーンに仕込む。
ほとんどの場合、有機アルミニウム化合物とニツケル含
有化合物はブタジエンモノマーに混合してから60秒以内
に反応ゾーンに仕込まれる。一般的に言えば、安定な溶
剤に溶解した有機アルミニウム化合物及びニツケル含有
化合物を用いるのが望ましい。
本発明の実施の際に用いられる3成分ニツケル触媒系
は広範囲の触媒濃度及び触媒成分比にわたつて活性があ
る。これら3種の触媒成分は活性な触媒系を生成させる
ように相互作用する。その結果、任意の1成分について
の最適濃度は他の2つの触媒成分のそれぞれの濃度に非
常に依存性である。
更に、重合は広範囲の触媒濃度及び比率にわたつて起
こるが、合成されているポリマーの最も望ましい性質は
比較的狭い範囲で得られる。塊状重合は約0.3:1〜約30
0:1の範囲内の有機アルミニウム化合物対ニツケル含有
化合物のモル比、約0.5:1〜約200:1の範囲の弗素含有化
合物対有機ニツケル含有化合物のモル比及び約0.4:1〜
約10:1の範囲の弗素含有化合物対有機アルミニウム化合
物のモル比を用いて行うことができる。有機アルミニウ
ム化合物対ニツケル含有化合物の好ましい比は約2:1〜
約80:1の範囲であり、弗素化合物対ニツケル含有化合物
の好ましいモル比は約3:1〜約100:1の範囲であり、そし
て弗素含有化合物対有機アルミニウム化合物の好ましい
モル比は約0.7:1〜約7:1の範囲である。反応ゾーンにお
いて用いられる触媒系の濃度は、例えば純度、所望とさ
れる反応速度、使用重合温度、反応器の設計及び他の因
子のような因子に応じて変わる。
3成分ニツケル触媒系は塊状重合を行う際に用いられ
る反応ゾーンに所望とされる触媒濃度を保持するのに十
分な速度で連続的に仕込まれる。3成分触媒成分は反応
ゾーンに“現場”で、又はすでに述べたように予備形成
した、又は予備混合した触媒系として仕込むことができ
る。触媒成分を反応ゾーンに“現場”で仕込むのを容易
にするために、それらを少量の不活性有機溶剤又はブタ
ジエンモノマーに溶解することができる。予備形成又は
予備混合触媒系は勿論すでに溶剤に溶解されている。油
増量ゴム(oil extended rubber)を製造する用途では
プロセス油又は鉱油が溶剤として用いることができる。
このような用途においては、プロセス油又は鉱油は2つ
の目的を果す、と言うのはそれら油は初めに触媒成分の
溶剤として作用し、後ではエクステンダー油として作用
するからである。
1種又は2種以上の分子量調節剤もまた反応ゾーンに
連続供給することができる。使用可能の分子量調節剤に
はニツケル触媒系を用いる1,3−ブタジエンモノマーの
溶液重合で有用であることが知られているもの、例えば
米国特許第4,383,097号及び南ア特許第83/2555号、同第
83/2557号及び同第83/2558号に開示されるものがある。
これら特許文献を本明細書で引用,参照するものとす
る。これらの分子調節剤はα−オレフイン,シス−2−
ブテン,トランス−2−ブテン,アレーン,1,4−ペンタ
ジエン,1,5−ヘキサジエン,1,6−ヘプタジエン,1,2,4−
トリビニルシクロヘキセン,1−トランス−4−ヘキサジ
エン及び4−ビニル−1−シクロヘキセンより成る群か
ら選ばれる。使用することができるα−オレフインは一
般に2〜約10個の炭素原子を含有する。この目的に使用
することができるα−オレフインの若干の代表例を示す
と、エチレン,プロピレン,1−ブテン,1−ペンテン及び
1−ヘキセンがある。1−ブテンが好ましい分子量調節
剤である。これは、1−ブテンが1,3−ブタジエンの沸
点(−4.5℃)に非常に近い沸点、−6.3℃を有するから
であり、また1−ブテンが分子量調節剤として低濃度で
有効で、しかもたとえその濃度が著しくなつても重合触
媒に対して毒にならないからである。
分子調節剤の必要量は使用される分子量調節剤のタイ
プによつて、触媒系によつて、重合温度によつて、及び
合成されているポリマーの所望とされる分子量によつて
変わる。例えば、高分子量が望まれる場合は、比較的少
量の分子量調節剤が必要とされる。他方、分子量を実質
的に下げるためには、比較的多量の分子量調節剤が用い
られる。一般的に言つて、使用されている触媒系が弗化
水素を含有するか、又は三弗化硼素を含有する熟成触媒
である場合にはより多量の分子量調節剤が必要とされ
る。極めて有効な分子量調節剤、例えばアレーンはより
低濃度で使用することができるが、それにもかかわらず
より典型的な分子量調節剤がより高濃度で奏すると同じ
程度に分子量を下げる。更に明確に述べると、アレーン
は0.005phm(モノマー100部当りの部数)もの低濃度で
用いられるとき、塊状重合で合成されている分子量を押
える。一般的に言えば、分子量調節剤は約0.005〜20phm
の範囲の濃度で用いられる。分子量調節剤は0.1〜15phm
の濃度で用いるのが通常好ましく、そして1〜10phmが
最も好ましい濃度である。
分子量調節剤は反応ゾーンに所望とされる分子量調節
剤濃度を維持するのに十分な速度で反応ゾーンに連続的
に仕込まれる。分子量調節剤はたとえ重合反応で消費さ
れなくても、その損失を補償するためにある量の分子量
調節剤は連続的に添加する必要がある。反応ゾーンに単
位時間当りに仕込まれる1,3−ブタジエンモノマー、触
媒系及び分子量調節剤の総量は反応ゾーンからその単位
時間内に引き出される量高シス−1,4−ポリブタジエン
と本質的に同じである。
反応ゾーンはその内容物に一定の撹拌を与えるように
構成される。また、反応ゾーンはその内部温度を約10〜
約130℃に保つのに十分な蒸発冷却を行う手段を与える
ように構成される。最後に、高シス−1,4−ポリブタジ
エンを反応ゾーンからの輸送手段が反応ゾーンの設計に
含められる。
還流凝縮手段が設けられている反応器/押出機を良好
な反応ゾーンを与えるように設計することができる。押
出反応器内のスクリユー及び/又はパドル(paddles:
櫂)が重合で用いられる1,3−ブタジエンモノマー,;触
媒系及び分子量調節剤に撹拌を与える。スクリユーも生
成ポリブタジエンを反応ゾーンから輸送する手段とな
る。パドルは生成されているポリブタジエンを反応ゾー
ンから押し進めるように設計することができる。反応ゾ
ーンの周囲の冷却ジヤケツトは熱コントロールには不十
分であることが確認されているので、蒸発冷却手段が必
要とされる。蒸発冷却手段は単に1本又は2本以上の還
流カラムであることができる。蒸発冷却を与える方法で
形成される凝縮物は反応ゾーンに単に戻してもよいし、
あるいは精製及び再循環のために除去してもよい。しか
し、通常は、凝縮物を精製する必要はない。このように
して、凝縮物の少なくとも過半部分が一般に反応ゾーン
に還流,戻される。
蒸発冷却は温度の非常に効果的な手段である。と言う
のは液状ブタジエンを気化させるのに要するエネルギー
は非常に大きい(99.8cal/g)からである。温度がより
高くなるにつれて蒸発が多くなり、従つて冷却も一層進
むから、蒸発冷却は自己調節温度コントロール系でもあ
る。このことが、蒸発冷却がときに自動冷却(autorefr
igeration)と称される理由である。反応ゾーン内の圧
力をコントロールするのに不活性ガス又は窒素を用いる
ことができ、順次に蒸発冷却量をコントロールする。反
応ゾーン内の圧力は勿論反応ゾーン内の1,3−ブタジエ
ンを液体状態及び蒸気として同時に存在させる範囲内に
コントロールされる。
反応ゾーンは自己清浄性を与えるように設計されるこ
とが重要である。このような設計は一般に自己ぬぐい取
り作用を用いて反応器,パドル及び押出機のスクリユー
の側面を清浄する。複数の回転シヤフト(スクリユー及
び/又はパデル)を備える反応器/押出機は自己清浄性
となるように設計することができる。かみ合い、同時回
転(corotating)二軸スクリユーを備える反応器/押出
機はそのような自己清浄作用を与え、そして約90%以上
の自己清浄効果を持つように設計することができる。こ
の理由から、それらは本発明の塊状重合における使用に
対して優れた選択でかある。二軸スクリューを備えるそ
のような反応器/押出機はまた反応体に対し十分な撹拌
を与え、かつまた生成ポリブタジエンを反応ゾーンから
輸送する優れた手段ともなる。
反応ゾーンはまた適当な滞留時間を与えるように設計
される。勿論、押出量を最大にするために滞留時間を最
短にするのが有利であろう。しかし、滞留時間をモノマ
ーのポリマーへの転化率の低下を引き起こすような程度
まで短くするのは通常望ましくない。最適滞留時間は使
用されている触媒のタイプにより変わる。例えば、触媒
系がその弗素含有化合物として弗化水素を用いる場合は
“より遅い”触媒が用いられる場合より短い反応ゾーン
中滞留時間を保つことが可能である。反応ゾーン内の滞
留時間は生成されているポリブタジエンを反応ゾーンか
ら輸送する速度をコントロールすることによつて調整す
ることが通常可能である。20分未満の非常に短い滞留時
間がうまく保持することができ、そして反応ゾーン中の
遊離のブタジエンモノマーの量は非常に低水準に保つこ
とができることが確認された。例えば、反応ゾーンで用
いられる滞留時間は一般に約15秒〜約15分で、ほとんど
の場合約30秒〜約10分の滞留時間が用いられる。反応ゾ
ーン内の滞留時間は1〜5分の範囲内とするのが一般に
好ましい。
塊状重合反応は反応器の外側の圧力より大きい圧力下
で行われるから、反応ゾーンを出るポリブタジエンが未
重合ブタジエンモノマーが逃げないように出口を塞ぐそ
のように反応ゾーンを設計するのが通常望ましい。別法
として、レストリクターバブルのような機械的装置が、
反応体(ブタジエンモノマー及び分子量調節剤)が反応
ゾーンから逃げないようにするのに用いることができ
る。このような機械的装置はまた塊状重合工程の開始中
に有益であり得る。開始中、斯る押出反応器の出口をポ
リブタジエン又は他の適当なエラストマー物質で塞ぎ、
十分に塊状重合したポリブタジエンが生成してこの目的
を達成するまで反応体を背後に保持しておくことも可能
である。
生成されているポリブタジエンは本質的に固体の物質
であるから、それを標準的な遠心ポンプで反応ゾーンか
ら輸送することは通常可能ではない。極く単純化して言
うと、生成ポリブタジエンを反応ゾーンから押し出す手
段が通常は必要とされる。これはポリマーの溶液又は懸
濁液を反応ゾーンから輸送する、引き出しタイプ又はポ
ンプ式の作用に基づく手段とははつきり異なるところで
ある。反応器/押出機は明らかに生成ポリブタジエンを
反応ゾーンから輸送するために必要なそのような種類の
押出し作用を与える。
本発明の実施において用いられる連続塊状重合反応器
は普通少なくとも3つの別個のゾーンを含む。これらの
ゾーンは供給ゾーン,反応ゾーン及び輸送ゾーンであ
る。使用されている1,3−ブタジエンモノマー及びニツ
ケル触媒系は一般に供給ゾーンに仕込まれる。供給ゾー
ンは通常モノマー及び触媒を反応ゾーンに速やかに押し
出す2個又は3個以上の同時回転スクリユーを含む。か
くして、供給ゾーンでは最低量の重合しか起こらない。
重合は実質的に反応ゾーンで完結する。反応ゾーンには
重合用物質を混合し、蒸発冷却にさらすスクリユー,パ
ドル又は他のタイプの撹拌器がある。レンズ形状の断面
設計を有する同時回転撹拌器がこの目的に良好であるこ
とが見い出された。反応ゾーンは中間ポンプ領域となる
ように、あるいは合成されているポリブタジエンを反応
ゾーンから輸送ゾーンに押し出すポンプ作用を最低量し
か与えないように通常設計される。輸送領域は生成ポリ
マーを反応ゾーンから引き出すように設計される。この
目的には同時回転多軸スクリユーが非常に効果的であ
る。
使用される連続式塊状重合反応器は所望によつて排出
ゾーン含むことができる。排出ゾーンは生成されている
ポリブタジエンを輸送領域から取り出すように設計され
る。それはまた取り出されたポリブタジエンが輸送領域
に戻され、混合されないように設計される。一軸スクリ
ユーがこの排出ゾーンで十分によく働く。排出ゾーンへ
の後送,混合がないので、このゾーンはポリマーに重合
停止剤を添加する有利な点である。排出ゾーン内のポリ
ブタジエンには他のゴム用薬品、例えば酸化防止剤も勿
論添加することができる。
すでに指摘したように、反応ゾーン内の温度は蒸発冷
却で約10〜約130℃の範囲内に調節される。通常は、し
かしながら、20〜100℃の範囲内の温度を用いるのが好
ましい。塊状重合反応を行うための最も好ましい温度は
35〜85℃である。
反応ゾーンへの流入速度及び流出速度は少なくとも約
60%のモノマー転化率が達成されるように調整される。
通常、少なくとも80%の転化率を達成するのが好まし
く、90%以上の転化率が最も好ましい。
ポリブタジエンが反応ゾーンを出て行きつつあると
き、排出ゾーン中のポリブタジエンには重合停止剤,抗
崩壊剤(antidegradants)及び/又は他の常用ゴム用薬
品を加えるのが望ましい。このようなゴム用薬品のポリ
ブタジエンの混入は、油増量ポリブタジエンが製造され
ている場合は、それら薬品をまずプロセス油又は鉱油に
溶解することによつて助長される。ロジン酸及びタル油
(アビエチン酸)がプロセス油又は鉱油に一般に可溶性
であつて、かつ重合停止剤(shortstops)として機能す
る。トレツド用ゴムを製造している場合は、塊状重合ポ
リブタジエンに約1〜約10重量%のプロセス油を混入す
ることができる。製造されているゴムがタイヤの白色側
壁(tire white sidewalls)に用いられるような場合
は、約1〜3%の鉱油が一般に加えられる。いずれにし
ても、所望とされるゴム用薬品をポリブタジエン全体に
分布させる工程を促進するのに適当、十分な量のエクス
テンデイング油(extending oil)を加えることができ
る。多量のプロセス油又は鉱油が添加されている場合、
十分な撹拌を保証するために多軸同時回転スクリユーを
用いるのが通常有利である。しかし、油が反応ゾーンに
戻され、混合されるのを防ぐ対策を取つておくべきであ
る。
塊状重合したポリマーが反応ゾーンを出た後、これを
脱蔵(devolatilize)する必要があるだろう。これは普
通そのポリブタジエンを昇温及び減圧に繰り返しかける
ことによつて達成することができる。この脱蔵工程はポ
リブタジエン中の揮発性物質を許容できるレベルまで低
下させるのに必要とされるだけ多数サイクル続けること
ができる。しかし、脱蔵は許容できない程の高レベルの
残留ブタジエンや他の揮発性物質がポリブタジエン中に
存在しない場合は必要とされないものである。かくし
て、モノマー転化率が100%に近い場合、及び存在する
揮発性有機化合物が100ppm(100万部当りの部数)未満
である場合、脱蔵は必要とされないだろう。しかし、通
常は揮発性有機化合物の存在量を10ppmまで下げるのが
望ましい。脱蔵に加えて、あるいは脱蔵に代えて、存在
する揮発性化合物のレベルを下げる化学的手段を用いる
ことも勿論可能である。
本発明は次の実施例で例証する。これらの実施例は単
なる例証のためであつて、本発明の範囲や本発明を実施
することができる方法を限定するものと見なすべきでは
ない。特に明記されなければ、部及び百分率は重量で与
えられる。
ポリマーの分子量は稀薄溶液粘度(DSV),固有粘
度,ムーニー粘度,数平均分子量(Mn)及び重量平均分
子量(Mw)で示すことができる。次の実施例において、
稀薄溶液粘度は0.1〜0.5重量%トルエン溶液で30℃にお
いて求めた。ムーニー粘度はラージローター、1分の加
温時間及び100℃における4分の走行時間を用いて求め
た。実施例に示した数平均分子量及び重量平均分子量は
ウオータースTM(WatersTM)GPCモデルNo.150Cゲル透過
クラマトグラス装置を用い、ポリマーをクロロホルムに
溶解して求めた。
実施例 1〜5 予備された熟成触媒のアリクオートを用いてリスト反
応器(List reactcr)で純1,3−ブタジエンを重合する
一連の実験を行つた。これらの実験において、47.5gの
乾燥液状1−ブテンを分子量調節剤として2.5の水平
のシリンダー状スチール反応器に仕込んだ。次に、900g
の乾燥ブタジエンモノマーを加え、そのブタジエン/1−
ブテン溶液を加熱して50℃及び3.8×105Pa(70psig)の
圧力にした。後に、93mlの前記触媒を金属シリンダーに
注入し、次いで前記反応器にボンビンク(bombing)し
た。この反応器は実験室用混練反応器であつた。撹拌は
ラジアルジスク形状素子(radial disk shaped elemen
t)で与えた。この素子は水平の回転シヤフトに取り付
けられ、かつ混合バー及び混練バーを備えている。混合
バー及び混練バーでぬぐい取られない区域内のシリンダ
ー内壁には2列の2枚式固定カウンターパドル(counte
r−paddles)が取り付けられている。カウンターパドル
は撹拌シヤフト及びそのジスク形状素子をこすり、きれ
いにするようにセツトされている。回転ジスク及び混合
バーとカウンターパドルとの相互作用で粘稠なポリマー
と接触とに、そして後にはポリマーとポリマー安定剤と
に良好な混練及び混合が、そして同時に金属表面の自己
清浄が与えられる。
水平シリンダーの一端はフランジ付きフラツトプレー
トでシールされ、そのフラツトプレートの中央を通して
高トルクの駆動機構が撹拌シヤフトに取り付けられてい
る。シリンダーの他端はガラスプレート又はサイトガラ
ス(site glass)でカバーされている。最大作動圧は1.
3×106Pa(13バール)又はそれ以下に制限され、また最
高の進奨温度は200℃である。塊状重合を開始させる前
にシリンダーを加温するようにシリンダーの周囲には電
気加熱ジヤケツトが配されている。
反応器のシリンダー頂部に冷却コイルが入つているシ
リンダー状チユーブを垂直に取り付けた。ブタジエン及
び他のモノマー類又は所望の炭化水素類は、それらをバ
ルブ、及びこのカラムの底部に通し、反応器の頂部に入
つている管路を通してボンビングすることによつて反応
器に加えた。続いて、この同じ管路を通して触媒を仕込
んだ。冷却剤はトルエンで、ドライアイス−アセトン浴
中で冷却し、次いで冷却コイルを通して循環させた。モ
ノマー及び他の炭化水素の蒸気を凝縮し、冷却カラムか
ら反応容器に流動,戻した。反応器の圧力(同時に反応
器温度)は冷却剤の流れの給送速度を手動調整すること
によつて所望圧力の±1.4×104Pa(2psig)の範囲内に
制御した。この一連の実験において、圧力は還流冷却コ
イルを通して冷却剤の流れを手動制御することによつて
3.8×105Pa(70psig)に保持した。
第二の管路も前記凝縮(還流)カラムの底部近くに、
そして反応器の頂部に通じ、入つている。重合を停止さ
せることが望まれるときは、ポリマー安定剤(重合停止
剤及び酸化防止剤)を反応器にボンビングする。
反応器の底部にはバルブを持つ排出部を設け、反応器
を洗い落すフラシユとして用いられる掃去剤及び/又は
ブタジエンとして加えられる全ての溶剤,触媒溶液を排
液及び仕込むことができるようにしてある。
予備形成3成分ニツケル触媒系を調製し、反応器に5
重量%の1−ブテン及び前記1,3−ブタジエンと共に仕
込んだ。予備形成触媒はヘキサン25.468g,1,3−ブタジ
エンの16%ヘキサン溶液244g,トリエチルアルミニウム
の15%ヘキサン溶液915g,オクタン酸ニツケルの10%ヘ
キサン溶液35.3g及び三弗化硼素ジブチルエーテレート3
33.4gを窒素でフラシユした秤量タンクに仕込むことに
よつて調製した。かくして、形成された溶液は1,3−ブ
タジエンを0.72モル、トリエチルアルミニウムを1.20モ
ル、オクタン酸ニツケルを0.06モル及び三弗化硼素を1.
68モル含有していた。この触媒懸濁液約800mlをゴムラ
イナー及び孔あき金属キヤツプでシールした、窒素でフ
ラツシユされた狭口びんに移した。この予備形成触媒を
使用に先き立つて室温(24℃)で5日間放置した。この
熟成期間で予備形成したばかりの触媒を使用するときよ
りも高分子量のポリマーが生成する。この一連の実験で
は、重合時間を6分と20分の間で変えた。5回の実験の
それぞれで用いた重合時間を第I表に示す。モノマー転
化率(すなわち、重合率:収率)、生成ポリブタジエン
の稀薄溶液点度、ポリブタジエンのムーニー粘度及びブ
タジエンの分子量を測定した。これらも第I表に示す。
第I表から確認できるように、ムーニー粘度は約30%
以上の転化率においては相対的に一定であつた。稀薄溶
液粘度は低及び比較的高転化率の両者において分子量が
そうであるように相対的に一定であつた。これらの結果
は、ニツケル触媒系と分子量調節剤としての1−ブテン
との併用は約30%より高い転化率において相対的に一定
の分子量(ムーニー粘度102±4)を持つ高シス−1,4−
ポリブタジエンを生成させることを示している。
実施例 6〜15 この実験群は重合されている1,3−ブタジエンに対す
る1−ブテンの添加量を上げて行くときの効果を調べる
ために行つた。生成ポリマーのムーニー粘度とDSVを測
定した。これらの実験系列においては分子量調節剤の使
用量を、そして重合時間を変えた点を除いて実施例1〜
5に記載の反応器と一般的操作を用いた。つまり、実施
例6〜10では分子量調節剤を使用しなかつた。実施例7
〜15では分子量調節剤として1−ブテンを第II表に示す
量で反応器に仕込んだ。
この実験群においては、各実験について約940gの1,3
−ブタジエンをリスト反応器にボンビングした。各実験
の前に小さな磁気撹拌棒が入つている乾燥、空気不含の
118mlのガラスびん中で、これにヘキサン24.3ml(16.0
g)、1,3−ブタジエン1.5ml(0.95g)、トリエチルアル
ミニウム(TEAL)の0.5Mヘキサン溶液4.7ml、オクタン
酸ニツケル(NiOct)の0.1Mペンタン溶液1.75ml及び三
弗化硼素ジブチルエーテレート(BF3・Bu2O)の0.5M溶
液9.5mlを加えることによつて新しく予備形成したばか
りの触媒を調製した。これらの触媒成分は磁気撹拌棒で
撹拌し、そしてそれらのびんを氷水のビーカーに数分間
入れて温度を約20〜30℃に保ち、その間にNiOct及びBF3
・Bu2O溶液を両端にボールバルブを備えた窒素でフラツ
シユされた金属シリンダーに注入した。この予備形成触
媒懸濁液をブタジエンが入つている、加熱されてすでに
50℃及び3.8×105Pa(70psig)の圧力になつている反応
器にボンビングした。
重合は固体ポリブタジエン(実際は若干のブタジエン
モノマーで膨潤されたポリマー)しか観察されなくなる
まで続けた。これらの重合は6.75gのレジン酸及び6.75g
のジブチル−p−クレゾールにボンビングすることによ
つて停止させた。混合を10分間続け、次いでポリマーを
脱蔵した。結果を第II表に示す。この第II表は1−ブテ
ンの仕込み量が多くなるにつれてムーニー粘度とDSVが
低下することを示している。
上記表から容易に分かるように、実施例7〜15で用い
られた分子量調節剤はその存在下で生成するポリブタジ
エンの分子量を効果的に下げた。事実、この実験系列
は、分子量は1−ブテンの存在により転化率を制限する
ことなしに調節することができることを明確に示してい
る。
実施例 16〜22 この実験群は実施例1〜5に記載の反応器で行つた。
この実験系列で行われた重合はニツケル触媒系を用いつ
つ色々な転化率においてポリマーを製造するために短か
い色々な時間の後に停止させた。この実験群の目的はニ
ツケル触媒は広範囲のモノマー転化率にわたつて比較的
均一な分子量を持つポリマーを生成させることを例証す
ることであつた。
これら実験のそれぞれにおいて、900gの乾燥液状1,3
−ブタジエンモノマーを反応器に仕込んだ。反応器内温
度を50℃に上げ、圧力を3.8×10-5Pa(70psig)に保
た。予備形成したばかりの触媒を調製し、各実験のため
のブタジエンモノマーに加えた。触媒は磁気撹拌棒が入
つている、乾燥窒素でフラツシユしたキヤツプ付きの11
8ml(4オンス)のびんの中で、これに次の成分を数字
の順序で注入することによつて調製した:(1)ヘキサ
ン12ml(9.3g)、(2)ブタジエンの20.5%ヘキサン溶
液12ml、(3)トリエチルアルミニウムの0.5モル濃度
ヘキサン溶液10.1ml、(4)オクタン酸ニツケルの0.1
モル濃度ペンタン溶液3.4ml及び(5)三弗化硼素ジブ
チルエーテレートの0.5モル濃度ヘキサン溶液16.9ml。
調製の際、オクタン酸ニツケル成分と三弗化硼素トリブ
チルエーテレート成分を加えながら、予備形成触媒が入
つており、磁気撹拌棒を含む、氷水中に入つているキヤ
ツプ付きんびんを磁気撹拌器上に置いて触媒成分を撹拌
し、かつその温度を20〜30℃に制御した。45mlの予備形
成触媒を注射器で金属ボンベに注入した。この新しい予
備形成触媒を調製後5〜15分以内に窒素圧を用いて反応
器にボンビングした。
意図した触媒の仕込み組成はブタジエンモノマー2.62
mm hgm(モノマー100g当りのミリモル数)、トリエチル
アルミニウム0.45mm hgm、オクタン酸ニツケル0.03mm h
gm及び三弗化硼素ジブチルエーテレート0.75mm hgmであ
つた。これは0.115phm(モノマー100部当りの部数)のT
EAL,NiCct及びBF3であつた。
重合は触媒を反応器に添加したほとんど直後に開始し
た。反応器内圧力は3.8×105±1.4×104Pa(70±2psi
g)にコントロールした。これは、冷却コイルを通つて
流れている冷却剤の流速を手動制御することによつて温
度を50±2℃にコントロールした。これで蒸発したブタ
ジエンモノマーは凝縮され、これを反応ゾーンに再循環
させた。
6.75gのウツドレジン酸(wood resin acid)及び6.75
gのジブチル−p−クレゾールを200gの液状ブタジエン
に溶解して含む溶液を反応器にボンビングし、これをポ
リブタジエンと10分間混合することによつて重合を停止
させた。この実験群の結果を第III表に示す。
ポリマーの分子量は転化率13%が達成されるまでは急
激に、一方約40%の転化率が達成されるまでは多分ゆつ
くり増加した。結果から分るように、約40〜90%の転化
率では分子量はほとんど均一であり、ムーニー粘度は12
0±5であつた。これらの結果はニツケル触媒系はその
連鎖移動機構により約40%の転化率レベル以上で比較的
一定、均一な分子量を持つポリブタジエンを生成させる
ことを例証している。ポリマーの分子量は、“リビン
グ”触媒系又は“擬似リビング”触媒系を用いるときに
起こるような、転化率が増加するか、又は重合時間が長
くなることによつて増加しない。これらの実験で製造さ
れたポリブタジエンの微細構造はまた非常に均一であつ
た。例えば、実施例17及び22で製造されたポリブタジエ
ンのそれぞれについてニツコレツト(Nicolet)20SXス
ペクトロフオートメーターを用いて行つたFTIR〔フーリ
エ変換赤外(Fourier Transform Infrared)〕分析によ
れば、シス−1,4−ポリブタジエン98%、トランス−1,4
−ポリブタジエン1%及び1,2−ポリブタジエン1%で
あつた。
実施例 23〜27 本実験系列では予備形成ニツケル触媒系を使用して実
施例1〜5に記載の反応器で製造するポリブタジエンの
ムーニー粘度に対する、分子量調節剤としての1−ブテ
ンを増量,添加することの影響を調べた。使用した重合
操作は実施例6〜15に記載のものと非常によく似たもの
であつた。この実験系列において用いた操作では、第IV
表、第2欄に示すように、反応器に900gの1,3−ブタジ
エンと6%,8%又は約10%のいずれかの1−ブテンとを
仕込み、次いで加熱して温度を50℃に、そして圧力を3.
8×105Pa(70psig)にした。
この実験系列で用いる予備形成触媒はそれらの調製約
30分後にリスト反応器に仕込んだ。これらの予備形成触
媒は磁気撹拌棒で撹拌を与えながら118mlのキヤツプ付
きびんで調製した。次の触媒成分を注射器で数字の順序
で注入した:(1)1,3−ブタジエンのヘキサン溶液、
(2)トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の25重量
%(0.87モル)ヘキサン溶液(3)オクタン酸ニツケル
の0.05モル又は0.1モルヘキサンの溶液及び(4)HF・B
u2Oの0.50モル濃度ヘキサン溶液。この触媒系約0.16phm
を用いて重合を開始した。調製した触媒系は約0.60mm h
gmのTIBAL、約0.025mm hgmのNiOct、及び約1.5mm hgmの
HF・Bu2Oを用いるものであつた。
この実験例の結果を第IV表に示す。これより容易に分
かるように、1−ブテンの存在量が増すと、生成重合体
のムーニー粘度はより低くなつた。
実施例28〜33 この実験群は実施例1〜5に記載の反応器を用いて行
つた。この実験群においては、900gの乾燥1,3−ブタジ
エンに6%の1−ブテンを加え、各実験で重合させた。
ニツケル触媒は各実験毎に別個に調製した。これらの予
備形成触媒は118ml(4オンス)のキヤツプ付きびんに
次の成分を添加,混合することによつて調製した:
(1)ヘキサン18.7ml、(2)1,3−ブタジエンの20.5
重量%ヘキサン溶液13.3ml、(3)トリイソブチルアル
ミニウムの0.87モル濃度ヘキサン溶液9.2ml、(4)オ
クタン酸ニツケルの0.05モル濃度ヘキサン溶液4.0ml及
び(5)弗化水素ジブチルエーテレートの0.48モル濃度
ヘキサン溶液41.7ml。これらの触媒を24℃で約18時間放
置,熟成し、次にその78mlを抜き出し、前記の1,3−ブ
タジエン及び1−ブテンが入つている反応器に50℃にお
いてボンビングした。仕込み触媒レベルはTIBAL0.48mm
hgm、NiOct0.012mm hgm及びHF・Bu2O1.2mm hgmであつ
た。かくして、触媒(TIBAL,NiOct及びHF)の使用量は
約0.123phmであつた。
この実験群の主変数は転化率(すなわち、ポリブタジ
エンの収率、第V表第4欄に示す)であつた。この実験
系列の各重合はレジン酸及びジブチル−p−クレゾール
の液状ブタジエン中安定剤溶液にボンビングすることに
よつて意図的に停止させた。この実験系列の結果を第V
表に示す。この結果は使用ニツケル触媒系は1−ブテン
の存在下において、広範囲の転化率にわたつて102±5
という比較的均一な、又は一定のムーニー粘度を持つポ
リブタジエンを生成させることを例証している。
比較例 1〜3 この実験群はネオジムに基づく触媒系を用いるときに
遭遇する困難を例証するために比較例として行つたもの
である。この実験例で使用したネオジム系は磁気撹拌棒
が入つている、乾燥窒素でフラツシユしたキヤツプ付き
の230ml(8オンス)の狭口びん中で、これに注射器に
より次の成分を数字の順序で注入することによつて調製
した:(1)ブタジエンの18.8重%ヘキサン溶液52ml、
(2)ジイソブチルアルミニウムハイドライドの25重量
%ヘキサン溶液120ml、(3)オクタン酸ネオジムの10.
7重量%ヘキサン溶液11.2ml及び(4)二塩化エチルア
ルミニウムの25重量%ヘキサン溶液5ml。調製の際、オ
クタン酸ネオジム及び二塩化エチルアルミニウムをゆつ
くり加えながらびんの中の触媒成分を磁気撹拌機の助け
をかりて連続的に撹拌した。オクタン酸ネオジムを加え
ている間に生成溶液は加温されてくるので、オクタン酸
ネオジム及び二塩化エチルアルミニウムを添加している
間にその温度を約20〜30℃にコントロールするためにび
んを磁気撹拌機上に置いた氷水のビーカーに入れた。調
製された予備形成溶液を室温で2週間(384時間)以上
放置して“熟成”させた。
1,3−ブタジエンを反応器中で実施例1〜5に記載の
操作と非常によく似た操作を用いて重合させた。すなわ
ち、反応器を加温して50℃及び約3.8×105Pa(70psig)
にした。次いで、このリスト反応器に熟成予備形成ネオ
ジム触媒系31mlを仕込んだ。比較例1及び2では分子量
調節剤は用いなかつた。しかし、比較例3では、存在す
る不飽和炭化水素の全量に基づいて11.2重量%の1−ブ
テンを分子量調節剤として用いた。この実験群の各実験
における触媒の仕込み量はジイソブチルアルミニウムハ
イドライド約2.6mm hgm、オクタン酸ネオジム0.135mm h
gm及び二塩化エチルアルミニウム0.135mm hgmと計算さ
れた。
この実験群において、蒸発しているブタジエン蒸気を
凝縮させ、それを反応器に再循環させる冷却コイルを通
つて流れている冷却剤の速度をコントロールすることに
よつて温度を50℃2℃に手動制御した。この実験群の結
果を第VI表に示す。
1−ブテンの存在下で行つた比較例3において観察さ
れた重合速度は比較例1及び2で得られた重合速度より
若干低いことが認められた。この理由から、比較例3の
重合はトータル18分間続け、その後重合を停止させた。
この実験系列の重合は200gの液状ブタジエンと5mlのイ
ソプロパノールに溶解した7mlの2,4,6−トリス−(ジメ
チルアミノメチル)フエノール及び6.75gのジブチル−
p−クレゾールを加えることによつて特定の重合時間後
に意図的に停止させた。
この実験群は、ネオジム触媒系を用いて達成されたポ
リマーの分子量(ムーニー粘度)は転化度及び/又は重
合時間の関数であることを例証している。これは勿論本
発明のニツケル触媒系を用いる塊状重合とはつきり違う
点である。本発明の触媒系を使用すると、比較的均一な
分子量を有するポリマーが得られ、その分子量は使用重
合時間には依存しないのである。比較例3はネオジム触
媒系を用いる塊状重合で製造されるポリブタジエンは1
−ブテンの添加によつても低下又は調節することができ
ないという事実を例証している。かくして、純1,3−ブ
タジエンの連続重合においてネオジム(又は他の稀土
類)触媒系を用いても色々な転化率レベルにおいて同じ
分子量及び分子量分布を有するポリマーを製造すること
はできない。ポリマーをそれらが均一又は一定の加工性
と物性を持つように製造できる能力を有することが非常
に重要なことである。これは本発明のニツケル触媒系を
用いることによつて達成することができる独特の利点で
ある、というのは本発明のニツケル触媒系を用いると高
転化率を達成することができ、同時に1−ブテンのよう
な分子量調節剤を用いることによつて分子量を調節する
ことができるからである。
実施例 34〜36 この実験群は実施例1〜5に記載の反応器を用いて行
つた。これら実験の重合温度は60℃であつた。使用した
予備形成触媒は、この実験群では触媒をより高レベルで
仕込んだ点を除いて実施例28〜33に記載される方法と同
様に調製した。この実験群で用いた触媒レベルはTIBAL
0.80mm hgm,NiOct0.02mm hgm及びHF・Bu2O2.0mm hgmで
あつた。
この実験の組で用いた条件の主たる、そして最も重要
な違いは実施例36で用いた1,3−ブタジエンモノマーは
それを反応器に仕込む前に蒸留したばかりの新しいもの
ではなかつたことである。このブタジエンの試料の気相
クロマトグラフ分析は、試料が約3500ppmの4−ビニル
−1−シクロヘキセン(ブタジエン二量体)を含有して
いることを明らかにした。実施例34及び35は、ブタジエ
ンが蒸留したばかりのもので、ブタジエン二量体を実際
上含有していなかつた点を除いて実施例36で用いたもの
と同様の条件を用いて行つた。
この実験群の結果を第VII表に示す。実施例36におい
て存在する1−ブテンと4−ビニル−1−シクロヘキセ
ンの組み合せは連鎖移動剤として1−ブテンだけの存在
下で製造したポリマーについて得られたムーニー粘度98
に対してムーニー粘度65まで分子量をかなり低下させ
た。多分、4−ビニル−1−シクロヘキセンは分子量調
節剤として1−ブテンに対して相乗効果がある。
実施例 37〜42 ブタジエンモノマーを蒸気として硫酸カルシウムのカ
ラムに通すことによつて乾燥した。100gのブタジエン
を、6本の乾燥した、窒素でフラツシユした、磁気撹拌
棒が入つている、クオート(約960ml)の狭口びんのそ
れぞれに仕込んだ。これらのびんをゴムガスケツトと孔
あき金属王冠でシールした。ゴムガスケツトを通して液
状1−ブテンを活栓付き注射器を用いてブタジエンモノ
マーに注入した。各びんへの1−ブテンの仕込み量を第
VIII表の第2欄に示す。
3成分触媒成分を次の通り“現場”法でゴムライナー
を通して注入した:(1)トリエチルアルミニウムの0.
5モル濃度ヘキサン溶液0.5ml、(2)オクタン酸ニツケ
ル又はナフテン酸ニツケルの0.05モル濃度ヘキサン溶液
0.3ml、及び(3)三弗化硼素ジブチルエーテレートの
0.5モル濃度ペンタン溶液0.6ml。これらびんの内容物を
振盪し、次いで磁気スターラー上の45℃の水浴に入れ
た。約15分後に高粘度のため撹拌が止つた。初期にモノ
マー中にポリマーの小さい不溶性固体粒子の存在が認め
られたが(2相)、粘度がかなり速く増加し、単一相が
存在するだけとなるだろう。ブタジエンは明らかにポリ
マーを通つて急速に触媒に拡散した。重合1時間後には
未反応モノマーで若干膨潤された固体ポリマ塊が存在す
るようになつた。固体ポリマーの上面のところには数ml
(3〜10ml)の液体が存在した。重合を停止させるため
に、実施例39,40及び42で製造したポリマーには1時間
後に、他の3種のポリマー(実施例37,38及び41)には
2時間後に5重量/容量%のレジン酸及び2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾールを含有するヘキサン20mlを注
入した。ポリマーを空気中で減圧乾燥して未重合ブタジ
エン,1−ブタン,ヘキサン及びペンタンを除去した。ポ
リマー収率及びポリマーの分子量の指標(ムーニー粘度
及びDSV)を第VIII表に示す。
1時間の重合で得られた収率は74〜80%で、これに対
し2時間後に得られたそれは89〜95%であつた。この転
化率範囲でムーニー粘度又は稀薄溶液粘度には影響がな
く(実施例38と39の結果の比較及び実施例41と42の結果
の比較)、かつポリマーは本質的にゲルを含まなかつ
た。他方、粘度に関する両尺度は1−ブテンの仕込み量
の増加と共に低下した。
実施例 43 本実験では、2本の平行な撹拌器シヤフトを上下式で
配置して有する反応器/押出機を用いた。両撹拌器は直
径10.2cm(4オンス)で、一対のテーパー付きスラスト
軸受で軸支され、油圧オイルシールを介して反応器に入
つていた。長さ81cm(32インチ)及び122cm(48イン
チ)のシヤフトは4つの領域からできていた。第一領域
は各撹拌器の背後において材料を下流にオイルシール面
から反応ゾーンの方に効率的に搬送する、密な深い羽根
を有する長さ20cm(8インチ)の輸送領域であつた。第
二領域は長さ53cm(21インチ)の反応ゾーンで、輸送を
止めるように考慮されている。この区域はシヤフトにキ
ー止めされた幅2.54cm(1インチ)のパドル21枚から成
り、各パドルは前のパドルに対して15゜の偏りで配向さ
れていた。この設計は各撹拌器に53.3cm(21インチ)の
反応ゾーンの全長に沿つて徐々に偏奇する360゜単一螺
旋をもたらす。輸送ゾーンとして作用する第三領域には
長さ7.6cm(3インチ)の短い、深い溝付き羽根が含ま
れる。この羽根で生成されているポリマーが反応ゾーン
から輸送された。第四ゾーンは排出ゾーンとして作用す
るもので、深さ0.23cm(0.09インチ)の浅い単一羽根を
持つ長さ40.6cm(16インチ)、直径5.1cm(2インチ)
の単一排出スクリユーから構成されるものであつた。こ
の単一スクリユーは撹拌器シヤフトの下方部に直接取り
付けられていた。上の撹拌器シヤフトは輸送領域、反応
ゾーン及び輸送ゾーンを貫いて延在していたが、排出ゾ
ーンには延びていなかつた。
この反応器/押出機は撹拌器がポリマーを反応器壁及
び他方の撹拌器から掃去するように設計されていた。2
画室ジヤケツトが反応器自体を収容し、そして第三のジ
ヤケツトが単一排出スクリユーを包囲している。その2
つの反応器ジヤケツトのセグメントは連結され、かつ温
度を−4℃(25゜F)〜121℃(250゜F)にコントロール
する冷媒冷却剤/水蒸気熱交換器に接続されていた。こ
の能力は開始中の加熱と運転中の冷却のために使われる
だけであつた。単一スクリユー用ジヤケツトは冷媒供給
装置に直接つながれ、冷却能しかないものであつた。運
転中には、排出ゾーン内の単一排出スクリユーにより生
れる機械的仕事の結果発生する熱を除去するために若干
の冷却が必要であつたのである。反応ゾーンは容量6
で、そのうち約4が実働容量として役立ち、2は反
応器内の蒸気空間となるものであつた。この装置を10馬
力のモーターで動力が供給される変速ベルト伝導装置で
駆動した。引き出された動力はインライン電力計でモニ
ターした。伝導装置は29〜230rpmを伝えることができる
が、排出スクリユーの設計は70rpm以上の速度になつて
も押出能には向上が実現されないようなものであつた。
内部温度は反応器に沿つて4点の位置で反応器内壁に取
り付けた熱電対によりモニターした。ダイフランジに嵌
合したゲージで押出機の圧力をモニターできるようにし
た。排出ゾーン端にはその出口オリフイスを絞り、又は
完全に閉めることができるように機械的玉弁を設けた。
この実験で用いられた反応器/押出機の基本要素はそ
の還流冷却能で、それは生成ポリブタジエンのポンド当
りの発生熱量622BTU(18.7キロカロリー/モル)を除き
得るものであつた。この冷却能は反応ゾーンの上に直接
取り付けられた垂直のコンデンサーから成る還流系で与
えられた。この設計で、蒸気を凝縮させ、それらの生成
速度と同等の速度で反応ゾーンに戻すことができるよう
にされた。
この実験で使用した触媒は114(300ガロン)の撹拌
タンクで予備形成した。触媒成分のそれぞれを秤量し、
金属シリンダー内のそのタンクに輸送した。タンクには
予め約27.2kg(60ポンド)の乾燥トルエンを満してお
き、そのタンクに触媒成分のそれぞれを次の順序で仕込
んだ:1,3−ブタジエン(予備形成剤として)、トリエチ
ルアルミニウム、オクタン酸ニツケル及び三弗化硼素。
触媒成分を全部加えた後、トルエン中の活性触媒成分の
最終濃度を2重量%にするためにトルエンを更に加え
た。ブタジエン/TEAL/NiOct/BF3・Et2Oのモル比は25/9.
6/1.0/8.3であつた。触媒の調製中、熟成期間中及び触
媒が用いられている期間中に触媒溶液が入つているタン
クの撹拌は続けた。触媒はその使用前24時間以上にわた
つて熟成させた。
上記反応器/押出機を高シス−1,4−ポリブタジエン
の連続製造方による製造に用いた。反応器/押出機に1
−ブテンを1.5%含有する純1,3−ブタジエンを平均5.9k
g(13ポンド)/時間で25時間連続的に仕込んだ。調製
した触媒懸濁液は上記反応器/押出機の供給ゾーンに、
総触媒仕込量0.246phmについてTEAL1.15mm hgm、NiOct
0.12mm hgm及びBF3・Et2O1.0mm hgmの意図した触媒仕込
みレベルが得られるように0.73kg(1.6ポンド)/時間
の平均速度で仕込んだ。反応ゾーン内に維持された重合
温度は69±2℃であつた。
ポリマーの生成速度は一定であつたが、約5.4kg(12l
ds)/時間に機械的に制限した。反応器/押出機内の滞
留時間は11〜14分と見積られた。反応時間がこのように
非常に短つたにもかかわらず、押し出された生成物の固
形分含量は71〜79%の範囲であつた。これはモノマー転
化率87〜97%に相当するものであつた。典型的な押出物
のヘツドスペースについての分析は触媒担体であるトル
エンは試料中に炭化水素を58%含み、重合停止剤と酸化
防止剤とのキヤリアーであるヘキサンの含有量は32%で
あり、ブタジエンは8%しか含まれていないことを明ら
かにした。水蒸気ストリツピング、従つてポリマーの脱
水及び乾燥、並びに未反応モノマーの乾燥は不要であつ
た。ポリマー中の少量の残留炭化水素はポリマーを押出
機/脱蔵機を通過させることによつて除去した。
一定量のポリブタジエンが定常速度で製造された。第
IX表はムーニー粘度56のポリマーが製造され、粘度の標
準偏差は3.9に過ぎないことを説明している。同様に、1
1.54ポンド/時間の生成速度が0.45ポンド/時間の標準
偏差で維持された。ポリマーの稀薄溶液粘度は若干低か
つたが、きわめて一定で、平均2.85、標準偏差0.12であ
つた。
25時間の運転中、いかなる水蒸気の消費もなしに265
ポンドの高シス−1,4−ポリブタジエンが製造された。
生成ポリマーの物性は同一触媒を用いて溶液中で製造し
たポリブタジエンの物性と同等であつた。機械的には、
反応器/押出機の動力消費は生成物の粘度及び生成速度
の両者に直接関係した。所定固形分レベルにおいてムー
ニー粘度56.5を有するポリマーについて生成速度5.2kg
(11.54lb)/時間においては、反応器/押出機の使用
動力は平均3.5キロワツトであつた。この率はポリマー
のポンド当りおよそ0.30キロワツト/時間の仕事入力に
相当し、これは10馬力のモーターについてピーク引出量
のたつた30%に過ぎない。
以上、本発明を例証するためにある代表的な態様、細
部を示したが、本発明にはその範囲を逸脱しないかぎり
色々な変更,改善を加え得ることは当業者には明白でろ
う。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クリストファー・リー・ウィルソン アメリカ合衆国オハイオ州44614,カナ ル・ファルトン,ヘリテージ・アベニュ ー 384 (56)参考文献 特開 昭61−268705(JP,A) 特開 昭61−268706(JP,A) 特開 昭51−136772(JP,A) 特開 昭58−196212(JP,A)

Claims (35)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)反応ゾーンに、 1,3−ブタジエン、 (イ)構造式: (式中、R1はアルキル基、アリール基、アルカリール
    基、アリールアルキル基、アルコキシ基、水素及び弗素
    より成る群から選ばれ、そしてR2及びR3は同一又は異な
    る基であって、アルキル基、アリール基、アルカリール
    基及びアリールアルキル基より成る群から選ばれる。) を有する有機アルミニウム化合物、(ロ)カルボン酸の
    ニッケル塩、ニッケルの有機錯体化合物及びニッケルテ
    トラカルボニルより成る群から選ばれる可溶性のニッケ
    ル含有有機化合物、並びに(ハ)弗化水素、三弗化硼
    素、及び弗化水素又は三弗化硼素とエーテル、アルコー
    ル、ケトン、エステル、ニトリル又は水とのコンプレッ
    クスより成る群から選ばれる弗素含有化合物から成る触
    媒系、及びα−オレフィン、シス−2−ブテン、トラン
    ス−2−ブテン、アレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘ
    キサジエン、1,6−ヘプタジエン、4−ビニル−1−シ
    クロヘキセン、1,2,4−トリビニルシクロヘキセン、1
    −トランス−4−ヘキサジエン、4−ビニルシクロヘキ
    セン及び水素より成る群から選ばれる少なくとも1種の
    分子量調節剤 を仕込み; (ii)10〜130℃の範囲内の温度に維持するのに十分な
    蒸発冷却が該反応ゾーンに確立されるような条件を用い
    つつ該1,3−ブタジエンを少なくとも約60%の重合率ま
    で重合させて高シス−1,4−ポリブタジエンを形成し;
    そして (iii)該高シス−1,4−ポリブタジエンを該反応ゾーン
    から連続的に取り出す ことを特徴とする、連続法で1,3−ブタジエンを高シス
    −1,4−ポリブタジエンに塊状重合する方法。
  2. 【請求項2】反応ゾーンが反応器/押出機の中にある、
    特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】可溶性ニッケル含有有機化合物が1〜20個
    の炭素原子を有するニッケル含有有機酸より成る群から
    選ばれる、特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】反応器/押出機が少なくとも約90%の自己
    清浄効果を持つ自己清浄性反応器/押出機である、特許
    請求の範囲第2項に記載の方法。
  5. 【請求項5】分子量調節剤がα−オレフィンである、特
    許請求の範囲第3項に記載の方法。
  6. 【請求項6】分子量調節剤が1−ブテンである、特許請
    求の範囲第3項に記載の方法。
  7. 【請求項7】温度が20〜100℃の範囲内にある、特許請
    求の範囲第6項に記載の方法。
  8. 【請求項8】反応ゾーン中の滞留時間が約15秒乃至約15
    分である、特許請求の範囲第4項に記載の方法。
  9. 【請求項9】1,3−ブタジエンを少なくとも80%の重合
    率まで高シス−1,4−ポリブタジエンに重合させる、特
    許請求の範囲第8項に記載の方法。
  10. 【請求項10】高シス−1,4−ポリブタジエンを反応ゾ
    ーンから取り出した後、該高シス−1,4−ポリブタジエ
    ンにゴム薬品を加えるステップを更に含む、特許請求の
    範囲第9項に記載の方法。
  11. 【請求項11】高シス−1,4−ポリブタジエンが反応ゾ
    ーンを出た後、該高シス−1,4−ポリブタジエンを脱蔵
    するステップを更に含む、特許請求の範囲第9項に記載
    の方法。
  12. 【請求項12】ゴム薬品をプロセス油又は鉱油に溶解す
    る、特許請求の範囲第10項に記載の方法。
  13. 【請求項13】ゴム薬品が抗崩壊剤である、特許請求の
    範囲第12項に記載の方法。
  14. 【請求項14】ゴム薬品が重合禁止剤である、特許請求
    の範囲第12項に記載の方法。
  15. 【請求項15】高シス−1,4−ポリブタジエンにその重
    量に基づいて約1〜約10重量%のプロセス油又は鉱油を
    混入せしめる、特許請求の範囲第12項に記載の方法。
  16. 【請求項16】分子量調節剤が2〜10個の炭素原子を有
    するα−オレフィンである、特許請求の範囲第13項に記
    載の方法。
  17. 【請求項17】重合禁止剤がロジン酸及びタル油より成
    る群から選ばれる、特許請求の範囲第14項に記載の方
    法。
  18. 【請求項18】α−オレフィンが反応ゾーンに0.1〜15p
    hmの濃度で存在する、特許請求の範囲第16項に記載の方
    法。
  19. 【請求項19】反応ゾーンの温度を20〜100℃の範囲内
    に維持する、特許請求の範囲第18項に記載の方法。
  20. 【請求項20】1,3−ブタジエンを90%を越える重合率
    まで高シス−1,4−ポリブタジエンに重合させる、特許
    請求の範囲第19項に記載の方法。
  21. 【請求項21】有機アルミニウム化合物がトリアルキル
    アルミニウムであり、そして可溶性ニッケル含有有機化
    合物が1〜20個の炭素原子を有するニッケル含有有機酸
    より成る群から選ばれたものである、特許請求の範囲第
    20項に記載の方法。
  22. 【請求項22】有機アルミニウム化合物対可溶性ニッケ
    ル含有有機化合物のモル比が約0.3:1〜約300:1の範囲内
    であり、弗素含有化合物対可溶性ニッケル含有有機化合
    物のモル比が約0.5:1〜約200:1の範囲内であり、そして
    弗素含有化合物対有機アルミニウム化合物のモル比が約
    0.4:1〜約10:1の範囲内である、特許請求の範囲第21項
    に記載の方法。
  23. 【請求項23】有機アルミニウム化合物がトリエチルア
    ルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイ
    ソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、ジ
    イソブチルアルミニウムハイドライド及びジエチルアル
    ミニウムフルオライドより成る群から選ばれる、特許請
    求の範囲第22項に記載の方法。
  24. 【請求項24】可溶性ニッケル含有化合物がオクタン酸
    ニッケルである、特許請求の範囲第23項に記載の方法。
  25. 【請求項25】有機アルミニウム化合物対可溶性ニッケ
    ル含有有機化合物のモル比が約2:1〜約80:1の範囲内で
    あり、弗素含有化合物対可溶性ニッケル含有有機化合物
    のモル比が約3:1〜約100:1の範囲内であり、そして弗素
    含有化合物対有機アルミニウム化合物のモル比が約0.7:
    1〜約7:1の範囲内である、特許請求の範囲第24項に記載
    の方法。
  26. 【請求項26】反応ゾーンが35〜85℃の範囲内の温度に
    維持され、そして該反応ゾーン中の滞留時間が約30秒乃
    至約10分である、特許請求の範囲第24項に記載の方法。
  27. 【請求項27】液状の1,3−ブタジエンモノマーを、 未反応の液状1,3−ブタジエンモノマーと (イ)構造式: (式中、R1はアルキル基、アリール基、アルカリール
    基、アリールアルキル基、アルコキシ基、水素及び弗素
    より成る群から選ばれ、そしてR2及びR3は同一又は異な
    る基であって、アルキル基、アリール基、アルカリール
    基及びアリールアルキル基より成る群から選ばれる。) を有する有機アルミニウム化合物、(ロ)カルボン酸の
    ニッケル塩、ニッケルの有機錯体化合物及びニッケルテ
    トラカルボニルより成る群から選ばれる可溶性のニッケ
    ル含有有機化合物、並びに(ハ)弗化水素、三弗化硼
    素、及び弗化水素又は三弗化硼素とエーテル、アルコー
    ル、ケトン、エステル、ニトリル又は水とのコンプレッ
    クスより成る群から選ばれる弗素含有化合物から成る触
    媒系 とから成る実質的に溶媒を含まない反応媒体に、該反応
    媒体を10〜130℃の範囲内の温度に維持するのに十分な
    蒸発冷却を与えつつ該1,3−ブタジエンが少なくとも約6
    0%の重合率まで重合して高シス−1,4−ポリブタジエン
    を形成するのに十分な速度で、かつ十分な撹拌を与えつ
    つ仕込むことを特徴とする1,3−ブタジエンモノマーを
    高シス−1,4−ポリブタジエンに重合する方法。
  28. 【請求項28】有機アルミニウム化合物対可溶性ニッケ
    ル含有有機化合物のモル比が約0.3:1〜約300:1の範囲内
    であり、弗素含有化合物対可溶性ニッケル含有有機化合
    物のモル比が約0.5:1〜約200:1の範囲内であり、弗素含
    有化合物対有機アルミニウム化合物のモル比が約0.4:1
    〜約10:1の範囲内であり、温度が20〜100℃の範囲内に
    維持され、そして1,3−ブタジエンが少なくとも約80%
    の重合率まで高シス−1,4−ポリブタジエンに重合され
    る、特許請求の範囲第27項に記載の方法。
  29. 【請求項29】重合を反応器/押出機で行う、特許請求
    の範囲第27項に記載の方法。
  30. 【請求項30】有機アルミニウム化合物対可溶性ニッケ
    ル含有有機化合物のモル比が約2:1〜約80:1の範囲内で
    あり、弗素含有化合物対可溶性ニッケル含有有機化合物
    のモル比が約3:1〜約100:1の範囲内であり、弗素含有化
    合物対有機アルミニウム化合物のモル比が約0.7:1〜約
    7:1の範囲内であり、有機アルミニウム化合物がトリエ
    チルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、
    トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウ
    ム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド及びジエチ
    ルアルミニウムフルオライドより成る群から選ばれ、可
    溶性ニッケル含有有機化合物がナフテン酸ニッケル、オ
    クタン酸ニッケル及びネオデカン酸ニッケルより成る群
    から選ばれ、そして1,3−ブタジエンが少なくとも約90
    %の重合率まで高シス−1,4−ポリブタジエンに重合さ
    れる、特許請求の範囲第28項に記載の方法。
  31. 【請求項31】反応媒体に少なくとも1種の分子量調節
    剤を仕込むステップを更に含む、特許請求の範囲第29項
    に記載の方法。
  32. 【請求項32】分子量調節剤がα−オレフィンであり、
    反応媒体が20〜100℃の範囲内の温度に維持され、そし
    て1,3−ブタジエンが少なくとも80%の重合率まで高シ
    ス−1,4−ポリブタジエンに重合される、特許請求の範
    囲第31項に記載の方法。
  33. 【請求項33】高シス−1,4−ポリブタジエンが少なく
    とも95%のブタジエン繰返単位をシス−1,4−異性体構
    造として有する非常に高いシス含量の1,4−ポリブタジ
    エンである、特許請求の範囲第32項に記載の方法。
  34. 【請求項34】反応媒体が非常に高いシス含量の1,4−
    ポリブタジエンの溶剤を含有している、特許請求の範囲
    第33項に記載の方法。
  35. 【請求項35】反応器/押出機が少なくとも約90%の自
    己清浄効果を有する自己清浄性反応器/押出機であり、
    α−オレフィンが反応媒体中に0.1〜15phmの濃度で存在
    し、1,3−ブタジエンが90%を越える重合率まで高シス
    −1,4−ポリブタジエンに重合され、反応媒体が35〜85
    ℃の範囲内の温度に維持され、有機アルミニウム化合物
    がトリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミ
    ニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルア
    ルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド及
    びジエチルアルミニウムフルオライドより成る群から選
    ばれ、そして可溶性ニッケル含有化合物がナフテン酸ニ
    ッケル、オクタン酸ニッケル及びネオデカン酸ニッケル
    より成る群から選ばれる、特許請求の範囲第34項に記載
    の方法。
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