JP2627426B2 - 可変容量ターボチャージャの制御方法 - Google Patents

可変容量ターボチャージャの制御方法

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JP2627426B2 JP63114102A JP11410288A JP2627426B2 JP 2627426 B2 JP2627426 B2 JP 2627426B2 JP 63114102 A JP63114102 A JP 63114102A JP 11410288 A JP11410288 A JP 11410288A JP 2627426 B2 JP2627426 B2 JP 2627426B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1)産業上の利用分野 本発明は、少なくとも機関回転数を含む機関の運転状
態に対応した基本過給圧制御量に基づいて可変容量ター
ボチャージャの容量を制御するとともに、機関の運転状
態がフィードバック制御領域となったときには実際の過
給圧と少なくとも機関回転数に応じて予め設定された目
標過給圧との偏差に応じて基本過給圧制御量を修正する
ようにした可変容量ターボチャージャの制御方法に関す
る。
(2)従来の技術 吸気過給圧を運転状態に対応した適正な値に制御する
ためには、目標過給圧と実際の過給圧との偏差に応じて
ターボチャージャの容量を変化するようにしたフィード
バック制御が一般的に用いられるが、実際の過給圧を目
標過給圧に一致させるのに或る程度のタイムラグが生じ
るのは避けられず、過度なオーバーシュートが生じた
り、ハンチングが生じるおそれがある。そこで特開昭61
−164042号公報で開示されているように、フィードバッ
ク制御と、そのフィードバック制御を安定化させるため
のオープンループ制御とを組合わせた制御が行なわれて
いる。
(3)発明が解決しようとする課題 ところが、上記従来のものでは、オープンループ制御
領域からフィードバック制御領域への移行時にオーバー
シュートやハンチングを生じたりする。そこで本出願人
は、オープンループ制御領域からフィードバック制御領
域への移行時に、実際の過給圧が設定値を超えたときに
は基本過給圧制御量を修正してオーバーシュートを防止
しながらフィードバック制御を開始し、設定値以下であ
る場合には過給圧を増加させてフィードバック制御領域
に速やかに入るようにした制御方法を既に提案してい
る。しかるにかかる方法では、オープンループ制御領域
からフィードバック制御領域への移行時に、過給圧の変
化率が大きい場合には、或る時点で実際の過給圧が設定
値よりも小さくても過給圧を増大することにより次の時
点では実際の過給圧が設定値を大幅に超えてオーバーシ
ュート状態となってしまうことがある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、
オープンループ制御領域からフィードバック制御領域へ
の移行時にオーバーシュートを生じることを確実に防止
するようにした可変容量ターボチャージャの制御方法を
提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1)課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明は、フィードバック
制御領域で用いる基本過給圧制御量とは別に、機関回転
数のみに対応した補助基本過給圧制御量と、機関回転数
および過給圧変化率に対応した補助減算過給圧制御量と
を設定し、更にフィードバック制御開始判別過給圧と、
そのフィードバック制御開始判別過給圧よりも低いフィ
ードバック制御準備判別過給圧とを設定し、フィードバ
ック制御領域に入る前に実際の過給圧と、前記フィード
バック制御準備判別過給圧及びフィードバック制御開始
判別過給圧とを各々比較し、実際の過給圧がフィードバ
ック制御準備判別過給圧以下であるときには、前記補助
基本過給圧制御量に基づいて過給圧を制御し、また実際
の過給圧がフィードバック制御準備判別過給圧を超え且
つフィードバック制御開始判別過給圧以下であるときに
は、前記補助減算過給圧制御量により補正した前記基本
過給圧制御量に基づいて過給圧を制御するようにしたこ
とを特徴とする。
(2)作用 オープンループ制御領域からフィードバック制御領域
へ移行する際に、判別過給圧がフィードバック制御準備
判別過給圧・フィードバック制御開始判別過給圧の二段
階に設定される。そして、実際の過給圧が比較的低いフ
ィードバック制御準備判別過給圧以下である場合には、
機関回転数にのみ対応した補助基本過給圧制御量に基づ
き過給圧制御がなされるため、移行時の過給圧変化率が
大きくてもオーバーシュートが回避され、その上、機関
の低回転時には迅速にフィードバック制御を開始し得る
ように大きな制御量を、高回転時にはオーバーシュート
を防止すべく小さな制御量をそれぞれ設定することが可
能であり、これにより、オーバーシュートを効果的に防
止しながら、フィードバック開始状態への速やかな移行
が図られる。
その後、実際の過給圧がフィードバック制御準備判別
過給圧を超えたら、フィードバック制御開始判別過給圧
を超えるまでの間は、機関回転数および過給圧変化率に
対応した補助減算過給圧制御量により補正した基本過給
圧制御量に基づき過給圧制御が行なわれるから、制御ハ
ンチングを防止しながらフィードバック制御の安定性が
より向上する。
(3)実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する
と、先ず内燃機関の吸気系および排気系の全体概略構成
を示す第1図において、多気筒内燃機関の機関本体Eに
おける各気筒の吸気ポートには吸気マニホールド1が接
続され、この吸気マニホールド1はさらに吸気管2、ス
ロットルボデイ3、インタクーラ4および可変容量ター
ボチャージャ5を介してエアクリーナ6に接続される。
また各気筒の排気ポートには排気マニホールド7が接続
され、この排気マニホールド7は可変容量ターボチャー
ジャ5を中間部に介設した排気管8を介して、三元触媒
を内蔵した触媒コンバータ9に接続される。また各気筒
の吸気ポートに向けて燃料をそれぞれ噴射するための燃
料噴射弁10が吸気マニホールド1の各吸気ポートに近接
した部分に取付けられる。
可変容量ターボチャージャ5には水ジャケット11が設
けられており、この水ジャケット11の入口とインタクー
ラ4の入口とは、吸入口をラジエータ12に接続した水ポ
ンプ13の吐出口に並列に接続され、水ポンプ13およびイ
ンタクーラ4の出口はラジエータ12に接続される。しか
もラジエータ12は、機関本体Eにおける冷却水用のラジ
エータとは別に設けられるものである。
次に第2図、第3図および第4図を参照しながら可変
容量ターボチャージャ5の構成について説明すると、こ
のターボチャージャ5は、コンプレッサケーシング14
と、該コンプレッサケーシング14の背面を閉塞する背板
15と、主軸16を支承する軸受ケーシング17と、タービン
ケーシング18とを備える。
コンプレッサケーシング14および背板15間にはスクロ
ール通路19が画成され、コンプレッサケーシング14の中
央部には軸方向に延びる入口通路20が形成される。しか
もスクロール通路19の中央部であって入口通路20の内端
に位置する部分における主軸16の一端部にはコンプレッ
サホイル21が取付けられる。
コンプレッサケーシング14と背板15とは複数のボルト
22により締着されており、この背板15の中央部に軸受ケ
ーシング17が接続される。軸受ケーシング17には、相互
に間隔をあけて一対の軸受孔23,24が同軸に穿設されて
おり、これらの軸受孔23,24に挿通される主軸16と軸受
孔23,24との間にはラジアル軸受メタル25,26がそれぞれ
介装され、これにより主軸16が回転自在にして軸受ケー
シング17に支承される。また主軸16のコンプレッサホイ
ル21側に臨む段部16aと、コンプレッサホイル21との間
には、段部16a側から順にカラー27、スラスト軸受メタ
ル28およびブッシング29が介装されており、コンプレッ
サホイル21の外端に当接するナット30を主軸16の一端部
に螺合して締付けることにより、主軸16のスラスト方向
支持およびコンプレッサホイル21の主軸16への取付けが
行なわれる。
軸受ケーシング17の上部には、図示しない潤滑油ポン
プに接続される潤滑油導入孔32が設けられ、軸受ケーシ
ング17内にはラジアル軸受メタル25,26およびスラスト
軸受メタル28に潤滑油導入孔32から供給される潤滑油を
導くための潤滑油通路33が穿設される。また軸受ケーシ
ング17の下部には各潤滑部から流出する潤滑油を下方に
排出するための潤滑油排出口34が設けられており、この
潤滑油排出口34から排出される潤滑油は図示しないオイ
ルサンプに回収される。
ブッシング29は、背板15の中央部に穿設された透孔35
を貫通して配置されており、スラスト軸受メタル28から
流出する潤滑油がコンプレッサホイル21側に流れること
を防止するためにブッシング29の外面および透孔35の内
面間にはシールリング36が介装される。また背板15とス
ラスト軸受メタル28との間にはブッシング29を貫通させ
るガイド板37が挟持される。したがってスラスト軸受メ
タル28から流出した潤滑油はブッシング29から半径方向
外方に飛散してガイド板37で受止められる。しかもガイ
ド板37の下部は受止めた潤滑油を潤滑油排出口34に円滑
に案内すべく彎曲成形される。
軸受ケーシング17には、主軸16の周囲に水ジャケット
11が設けられるとともに、該水ジャケット11に水ポンプ
13(第1図参照)からの水を導くための水供給口38なら
びに水ジャケット11からの水をラジエータ12(第1図参
照)に導くための水排出口39が穿設される。しかも水ジ
ャケット11は、タービンケーシング18寄りの部分では主
軸16を囲む円環状に形成されるとともに潤滑油排出口34
の上方に対応する部分では主軸16の上方で下方に開いた
略U字状の横断面形状を有するように形成され、水供給
口38は水ジャケット11の下部に連通すべく軸受ケーシン
グ17に穿設され、水排出口39は水ジャケット11の上部に
連通すべく軸受ケーシング17に穿設される。
タービンケーシング18内には、スクロール通路41と、
該スクロール通路41に連通して接線方向に延びる入口通
路42と、スクロール通路41に連通して軸線方向に延びる
出口通路43とが設けられる。
軸受ケーシング17とタービンケーシング18とは、それ
らの間に背板44を挟持するようにして相互に結合され
る。すなわちタービンケーシング18には複数のスタッド
ボルト45が螺着されており、軸受ケーシング17に係合す
るリング部材46をスタッドボルト45に螺合するナット47
によって締付けることにより軸受ケーシング17とタービ
ンケーシング18とが相互に結合され、背板44の外周部に
設けられるフランジ部44aが軸受ケーシング17およびタ
ービンケーシング18間に挟持される。
背板44には固定ベーン部材48が固着されており、この
固定ベーン部材48によりスクロール通路41内が外周路41
aと流入路41bとに区画される。該固定ベーン部材48は、
出口通路43に同軸に嵌合する円筒部48aと、該円筒部48a
の中間部外面から半径方向外方に張出す円板部48bと、
該円板部48bの外周端から背板44側に向けて延びる複数
たとえば4つの固定ベーン49とから成り、主軸16の他端
部に設けられるタービンホイル50が該固定ベーン部材48
内に収納される。前記円筒部48aは、その外面に嵌着さ
れたシールリング51を介して出口通路43に嵌合され、固
定ベーン49がボルト52により背板44に結合される。
固定ベーン49は、周方向に等間隔をあけた位置でター
ビン部材48の外周部に設けられるものであり、各固定ベ
ーン49はそれぞれ円弧状に形成される。また各固定ベー
ン49間には、主軸16の軸線と平行にして背板44に回動自
在に枢着された回動軸53に一端を固着された可動ベーン
54がそれぞれ配置され、これらの可動ベーン54により各
固定ベーン49間の空隙の流通面積が調整される。
各可動ベーン54は、固定ベーン49と同等の曲率の円弧
状に形成されており、第3図の実線で示す全閉位置と、
鎖線で示す全開位置との間で回動可能である。しかも各
回動軸53は、背板44および軸受ケーシング17間に配置さ
れるリンク機構55を介してアクチュエータ60に連結され
ており、そのアクチュエータ60の作動により各可動ベー
ン54が同期して開閉駆動される。
背板44および軸受ケーシング17間には、タービンホイ
ル50の背部に延びるシールド板56が挟持されており、こ
のシールド板56により流入路41bを流れる排ガスの熱が
軸受ケーシング17の内部に直接伝達されることが極力防
止される。また排ガスが軸受ケーシング17内に漏洩する
ことを防止するために、タービンケーシング18内に主軸
16を突出させるべく軸受ケーシング17に設けられた透孔
57に対応する部分で、主軸16にはラビリンス溝として機
能する複数の環状溝58が設けられる。
かかる可変容量ターボチャージャ5では、機関本体E
から排出される排ガスが、入口通路42から外周路41aに
流入し、可動ベーン54の回動量に応じた可動ベーン54お
よび固定ベーン49間の空隙の流通面積に応じた流速で排
ガスが流入路41b内に流入し、タービンホイル50を回転
駆動して出口通路43から排出される。この際、各可動ベ
ーン54および固定ベーン49間の空隙の流通面積が小さく
なるとタービンホイル50すなわち主軸16の回転速度が速
くなり、各可動ベーン54および固定ベーン49間の空隙の
流通面積が大きくなるとタービンホイル50すなわち主軸
16の回転速度が遅くなる。このタービンホイル50の回転
に応じてコンプレッサホイル21が回転し、エアクリーナ
6から入口通路20に導かれた空気が、コンプレッサホイ
ル21により圧縮されながらスクロール通路19を経てイン
タクーラ4に向けて供給されることになる。したがって
可動ベーン54をタービンケーシング18の半径方向最外方
に位置させて固定ベーン49との間の空隙流通面積を最小
としたときに過給圧が最大となり、可動ベーン54をター
ビンケーシング18の半径方向最内方に位置させて固定ベ
ーン49との間の空隙流通面積を最大としたときに過給圧
が最小となる。
この可変容量ターボチャージャ5における空気圧縮時
の温度上昇による軸受ケーシング17の温度上昇が水ジャ
ケット11への冷却水の供給により極力防止され、また吸
気温の上昇がインタクーラ4への冷却水の供給により防
止される。
再び第1図において、可変容量ターボチャージャ5の
可動ベーン54を駆動するためのアクチュエータ60は、ハ
ウジング61と、該ハウジング61内を第1圧力室62および
第2圧力室63に区画するダイヤフラム64と、第1圧力室
62を収縮する方向にダイヤフラム64を付勢すべくハウジ
ング61およびダイヤフラム64間に介装される戻しばね65
と、ダイヤフラム64の中央部に一端が連結されるととも
に第2圧力室62側でハウジング61を気密にかつ移動自在
に貫通してリンク機構55に他端が連結される駆動ロッド
66とを備える。しかも駆動ロッド66とリンク機構55と
は、ダイヤフラム64が第2圧力室63を収縮する方向に撓
んで駆動ロッド66が伸長作動したときに、各可動ベーン
54がタービンケーシング18の半径方向内方に回動して各
固定ベーン49との間の空隙流通面積を増大するように連
結される。
第1圧力室62には、可変容量ターボチャージャ5およ
びインタクーラ4間の吸気路が過給圧P2を供給すべくレ
ギュレータ67、絞り68および電磁制御弁69を介して接続
されるとともに、エアクリーナ6および可変容量ターボ
チャージャ5間の吸気路が絞り75を介して接続される。
この電磁制御弁69はデューテイ制御されるものであり、
そのソレノイド70のデューティ比が大となるのに応じて
第1圧力室62の圧力が増大、すなわち駆動ロッド66およ
びリンク機構55を介して可変ターボチャージャ5の可動
ベーン54が内方側に回動駆動される。また第2圧力室63
には、スロットルボデイ3よりも下流側の吸気路が吸気
圧PBを供給すべく逆止弁71および電磁開閉弁72を介して
接続される。この電磁開閉弁72は、そのソレノイド73の
励磁に応じて開弁するものであり、該電磁開閉弁72の開
弁に応じて第2圧力室63に吸気圧PBが供給されると、ア
クチュエータ60は可変容量ターボチャージャ5の可動ベ
ーン54を内方側に駆動する。
電磁制御弁69のソレノイド70および電磁開閉弁72のソ
レノイド73の励磁および消磁は制御手段Cにより制御さ
れるものであり、該制御手段Cには、機関本体E内に設
けられた水ジャケット(図示せず)の冷却水温TWを検出
する水温検出器SWと、インタクーラ4よりも下流側の吸
気温度TAを検出する吸気温センサSAと、エアクリーナ6
および可変容量ターボチャージャ5間の吸気圧PAを検出
する吸気圧センサSPAと、可変容量ターボチャージャ5
およびインタクーラ4間の吸気路の過給圧P2を検出する
過給圧センサSP2と、スロットルボデイ3よりも下流側
の吸気圧PBを検出する吸気圧センサSPBと、機関回転数N
Eを検出する回転数検出器SNと、スロットルボデイ3に
おけるスロットル弁74の開度θTHを検出するスロットル
開度検出器STHと、車速Vを検出する車速検出器SVと、
自動変速機におけるシフト位置を検出するためのシフト
位置検出器SSとが接続される。而して制御手段Cは、そ
れらの入力信号すなわち水温TW,吸気温度TA、吸気圧
PA、過給圧P2、吸気圧PB、機関回転数NE、スロットル開
度θTH、車速Vおよび自動変速機のシフト位置信号に基
づいて前記ソレノイド70,73の励磁および消磁を制御す
る。
次に制御手段Cにおける制御手順を説明するが、先ず
電磁制御弁69におけるソレノイド70のデューティ制御に
ついて第5A図および第5B図のメインルーチンを参照しな
がら説明する。ただしこのメインルーチンでデューティ
DOUTは、その値が大きくなるにつれてソレノイド70のデ
ューティ比が小さくなるものであり、DOUT=0はデュー
ティ比100%すなわち可動ベーン54が最大限内方側に駆
動される状態に対応し、DOUT=100はデューティ比0%
すなわち可動ベーン54が最大限外方側に駆動される状態
に対応する。
第1ステップS1では始動モードであるか否か、すなわ
ち機関がクランキング中であるか否かが判定され、始動
モードであるときには、第2ステップS2で機関の暖機状
態完了に対応して設定された時間tBTWC0(たとえば96
秒)をカウントするためのタイマtBTWCがリセットさ
れ、また次の第3ステップS3でフィードバック制御開始
を遅延させるためのタイマtFBDLYがリセットされた後、
第4ステップS4でデューティDOUTが0、すなわち電磁制
御弁69を全開にして可動ベーン54と固定ベーン49との間
の空隙流通面積が最大となるように設定される。これは
クランキング中には機関が不安定な状態にあり、かかる
不安定状態で燃焼室に過給圧を導入することは不安定を
助長するものであるので、可動ベーン54と固定ベーン49
との間の空隙流通面積を最大にして過給圧が燃焼室に導
入されることを回避するためである。またクランキング
中は運転者も給気の過給を要求することはなく、可動ベ
ーン54と固定ベーン49との間の空隙流通面積を小さくす
る必要はない。次の第5ステップS5ではデューティDOUT
が出力される。
前記タイマtFBDLYは第6図で示す手順に従って演算さ
れるものであり、過給圧P2の変化率ΔP2によって3つの
タイマtFBDLY1,tFBDLY2,tFBDLY3のうちの1つが選択
される。ここで前記変化率ΔP2は、今回の過給圧P
2nと、6回前の過給圧P2n-6との差(ΔP2=P2n
P2n-6)で求められる。すなわち第5A図および第5B図に
示すメインルーチンはTDC信号により更新されるが、TDC
信号1回だけでは過給圧P2の変化率が小さ過ぎるので、
過給圧挙動すなわち前記変化率ΔP2を正確に読込むため
に6回前の過給圧P2n-6との差を求めるようにしたもの
である。また設定低変化率ΔP2PTLおよび設定高変化率
ΔP2PTHは機関回転数NEに応じて予め定められているも
のであり、ΔP2≦ΔP2PTLのときにはtFBDLY1が設定さ
れ、ΔP2PTL<ΔP2≦ΔP2PTHのときにはtFBDLY2が設定
され、ΔP2PTH<ΔP2のときにはtFBDLY3が設定される。
しかもtFBDLY1<tFBDLY2<tFBDLY3であり、過給圧変化
率ΔP2が小さいときすなわち過給圧P2が緩やかに変化し
ているときには遅延時間が小さく設定され、過給圧変化
率ΔP2が大きいときすなわち過給圧P2が急激に変化して
いるときには遅延時間が大きく設定される。これにより
オープンループ制御からフィードバック制御への移行時
に過不足のない時間tFBDLYが設定され、その移行時にハ
ンチング現象が生じることを充分に回避することが可能
となる。
第1ステップS1で始動モードではないと判断されたと
きには、第6ステップS6で基本モードに入って第1回目
のTDC信号であるかどうかすなわち第1回目の処理サイ
クルであるかどうかが判定され、第1回目であるときに
は第7ステップS7に進み、第2回目以降のときには第11
ステップS11に進む。第7ステップS7では吸気温度TA
設定低吸気温度TALたとえば−8℃を超える(TA>TAL
かどうかが判断され、TA>TALのときには第8ステップS
8に、またTA≦TALのときには第10ステップS10に進む。
第8ステップS8では、冷却水温TWが設定低冷却水温TWL
たとえば60℃を超える(TW>TWL)かどうかが判断さ
れ、TW>TWLであるきには第9ステップS9に、またTW≦T
WLであるときには第10ステップS10に進む。
第9ステップS9では、機関の暖機が完了するまでの時
間をカウントするためのタイマtBTWCが暖機完了に対応
して設定される設定時間tBTWC0たとえば96秒よりも大き
な値FFに設定された後に第13ステップS13に進み、第10
ステップS10では前記タイマtBTWCがリセットされた後
に、第3ステップS3に進む。
ここまでの処理手順を纏めると次のようになる。すな
わち機関の始動時には1回のTDC信号毎に機関がクラン
キング中であるか否かが第1ステップS1で判断され、始
動モードであると判断されたときには第2ステップS2で
タイマtBTWCをリセットする。また基本モードに入って
最初のTDC信号に応じた処理時には、第7および第8ス
テップS7,S8を経過することによりTA>TALおよびTW>T
WLの両方が成立したときには機関が暖機を完了した後の
運転継続中であると判断してタイマtBTWCをtBTWCO以上
の時間FFに設定し、TA≦TAL、TW≦TWLの少なくとも一方
が成立したときにはタイマtBTWCをリセットして時間カ
ウントを開始する。したがって機関が暖機を完了したと
判断するための時間は、基本モードに入ってから開始さ
れることになる。
第11ステップS11では、吸気温度TAが設定低吸気温度T
AL未満(TA<TAL)かどうかが判断され、TA<TALのとき
には第2ステップS2に、またTA≧TALのときには第12ス
テップS12に進む。第12ステップS12では、冷却水温TW
設定低冷却水温TWL未満(TW<TWL)かどうかが判断さ
れ、TW<TWLであるきには第2ステップS2に、またTW≧T
WLであるときには第13ステップS13に進む。すなわち、
第6ステップS6で第2回目以降のサイクルであると判断
されたときには、第11および第12ステップS11,S12で吸
気温度TAおよび冷却水温TWが設定値と比較され、その判
定結果に応じて第2ステップS2あるいは第13ステップS1
3に進む。
ここでTW<TWLおよびTA<TALが成立する場合として考
えられる機関の運転状態は、たとえば機関の始動初期あ
るいは外気温が極低温状態であるとき等であり、機関の
始動初期にはその運転状態が不安定な状態が続き、また
外気温が極低温であるときには吸気密度が上がるので充
填効率が上昇して異常燃焼の原因となる。このようなと
きに、過給圧を燃焼室に導入することは機関の不安定状
態や異常燃焼を助長することになる。また極低温時には
電磁制御弁69自体の作動不良も考えられ、制御手段Cに
よる指示通りに電磁制御弁69が挙動しないおそれがあ
る。そこで、TW<TWLおよびTA<TALの少なくとも一方が
成立するときには、第2および第3ステップS2,S3を経
過して第4ステップS4でDOUT=0とするものである。
第13ステップS13では、機関回転数NEが設定回転数NDO
たとえば5000rpmを超える(NE>NDO)かどうかが判断さ
れる。この第13ステップS13で、NE>NDOであるときには
第14ステップS14に進み、NE≦NDOであるときには第14ス
テップS14を迂回して第15ステップS15に進む。第14ステ
ップS14では、タイマtBTWCが設定時間tBTWCOを超える
(tBTWC>tBTWCO)かどうか、すなわち機関が暖機を完
了したと判断し得る時間を経過したかどうかが判断され
る。この第14ステップS14において、tBTWC>tBTWCOであ
ると判断されたときには第15ステップS15に進み、tBTWC
≦tBTWCOであると判断されたときには第3ステップS3に
進む。
したがって機関の冷却水温TWが設定温度すなわち設定
低冷却水温TWL未満のときにはデューティDOUTを0とし
て過給圧P2を低下させるとともに、冷却水温TWが前記設
定水温TWLを超えても機関回転数NEが設定回転数NDOを超
えるときには、機関の暖機が完了したと判断し得る時間
として設定された時間tBTWCOが経過するまでは、DOUT
0としたままであるので、暖機途中で機関回転数NEが上
昇したときに過給圧P2が増大することはない。
第15ステップS15では吸気温度TAが設定高吸気温度TAH
たとえば100℃を超える(TA>TAH)かどうかが判断さ
れ、TA>TAHであるときには第3ステップS3に、またTA
≦TAHであるときには第16ステップS16に進む。次の第16
ステップS16では冷却水温TWが設定高冷却水温TWHたとえ
ば120℃を超える(TW>TWH)かどうかが判断され、TW
TWHであるときには第3ステップS3に、またTW≦TWHであ
るときには第17ステップS17に進む。ここでTA>TAHおよ
びTW>TWHが成立する場合として考えられるのは、たと
えば機関が高負荷運転を続行している場合、外気温が極
高温の場合および機関本体Eの冷却水系に異常が発生し
ている場合等である。これら全ての状態では吸気密度が
低下すなわち充填効率が下降し、これが未燃焼等の異常
燃焼の原因となる。このように機関が不安定で状態にあ
るときに過給圧を燃焼室に導入することは前記不安定状
態を助長することになるので、第4ステップS4でデュー
ティDOUT=0とするものである。また極高温時にはソレ
ノイド70のインダクタンス特性が変化し易く、通常状態
での設定挙動と異なる挙動をするおそれがあり、そのよ
うなことを回避する点からも第3ステップS3を経過して
第4ステップS4に進ませるものである。
第17ステップS17では、過給圧P2が第7図で示すよう
に予め設定されている高過給圧判定ガード値P2HGを超え
るかどうかが判定され、P2>P2HGであるときには第3ス
テップS3に進み、P2≦P2HGであるときには第18ステップ
S18に進む。ここで高過給圧判定ガード値P2HGは、機関
回転数NEに応じて変化するものであり、機関回転数NE
対応したノック限界値以下で最高出力が得られるように
設定されたものである。その限界低回転数域では低速変
速段で伝動部材にかかるトルクが正、限界高回転域では
機関本体Eの耐久性が正となり、それぞれ中回転数域よ
り低いP2HGが設定されている。この高過給圧判定ガード
値P2HGを超える過給圧P2が検出されたときには、第3ス
テップS3を経た第4ステップS4で制御弁69におけるソレ
ノイド70のデューティ比を100%として過給圧P2の低下
が図られるとともに、燃料噴射がカットされる。
第18ステップS18では基本過給圧制御量としての基本
デューティDMが検索される。この基本デューティDMは、
機関回転数NEとスロットル開度θTHとに応じて予め設定
されており、その設定テーブルから基本デューティDM
検索される。このように基本過給圧制御量としての基本
デューティDMを機関回転数NEとスロットル開度θTHとで
定まるマップにより検索することで、機関の各運転状態
を的確に判断することができる。これは機関回転数NE
独あるいはスロットル開度θTH単独では減速時や過渡運
転状態を的確には判断し得ないためである。なおスロッ
トル開度θTHを機関の負荷状態を示すパラメータの代表
として採用しているが、吸気圧PBや燃料噴射量に代替し
ても同等の効果が得られるものである。
次の第19ステップS19では、自動変速機のシフト位置
が第1速位置にあるかどうかが判定され、第1速位置に
あるときには第20ステップS20に進み、第1速位置以外
のシフト位置にあるときには第21ステップS21に進む。
第20ステップS20では、第8図で示すサブルーチンに
従って基本デューティDMの減算が行なわれる。すなわち
機関回転数NEおよび吸気圧PBで定まる運転状態に応じて
減量が必要である判別ゾーンが第9図の斜線で示すよう
に予め設定されており、この判別ゾーン内にあるか、判
別ゾーン外にあるかに応じて基本デューティDMの減算を
行なうかどうかが判定される。ところで第9図では機関
回転数NEおよび吸気圧PBにより機関のトルク変化を見て
おり、判別ゾーンの境界線は第1速位置でのギヤ軸の許
容トルク量を示すものである。すなわち第1速位置でギ
ヤ軸にかかる力が過負荷にならないように、第9図で示
すように各運転域での判別を機関回転数NEおよび吸気圧
PBで的確に判断している。判別ゾーン外にあるときには
基本デューティDMをそのままにして第22ステップS22に
進むが、判別ゾーン内にあるときには、フラグFが0で
あるかどうかすなわちフィードバック制御状態にあるか
どうかが判断された後、オープン制御状態にあるときに
はDM=DM−DFなる減算が行なわれ、フィードバック制御
状態にあるときにはP2REF=P2REF−ΔP2REFFなる減算が
行なわれる。ここで、DFは予め設定された減算値であ
る。またP2REFはフィードバック制御状態であるときに
用いる目標過給圧、ΔP2RFFは予め設定された減算値で
あるが、後述のフィードバック制御の個所で詳述する。
第21ステップS21では、第10図で示すサブルーチンに
従って基本デューティDMの減算が行なわれる。すなわち
スロットル開度θTHが設定スロットル開度θTHOSを超
え、機関回転数NEが設定回転数NEOSを超え、吸気圧PB
設定吸気圧PBOSを超え、前回の機関回転数NEの変化率Δ
NEが正、今回の機関回転数NEの変化率ΔNEが負であると
きには、オープン制御状態にあるときにDM=DM−DOS
る減算が行なわれ、フィードバック制御状態にあるとき
にP2REF=P2REF−ΔP2REFOSなる減算が行なわれ,それ
以外のときには基本デューティDMをそのままにして第22
ステップS22に進む。ここでDOS,ΔP2REFOSは予め設定
された減算値である。
第22ステップS22では、デューティ用補正係数
KMODij、デューティ用大気圧補正係数KPATC(0.8〜1.
0)およびデューティ用吸気温補正係数KTATC(0.8〜1.
3)をそれぞれ検索する。デューティ用補正係数KMODij
は、機関回転数NEと吸気温度TAとで定まるマップで検索
されるものであり、後述のように最適過給圧P2が所定偏
差内に収まったときに学習され、その学習により随時更
新される。ここで該補正係数KMODijの初期値は1であ
る。またデューティ用大気圧補正係数KPATCは吸気圧PA
に対応して決定され、さらにデューティ用吸気温補正係
数KTATCは吸気温度TAに対応して決定される。
第23ステップS23では、第11図で示すサブルーチンに
従って補正係数KDOWNが検索される。このサブルーチン
は第5A図および第5B図のメインルーチンにTDC信号1回
毎に割り込むものであり、デューティDOUTが0であると
きに、タイマtDOWNがリセットされ、デューティDOUT
0ではなくなってから最初のTDC信号に応じて補正係数K
DOWNを初期値たとえば0.5に設定し、前記タイマtDOWN
とえば5秒が経過してからはTDC信号1回毎に、加算値
ΔKDOWNたとえば0.1を加算して補正係数KDOWNを得ると
ともに、その補正係数KDOWNが1.0を超えてからは1.0に
定めるようにしている。
このように定められる補正係数KDOWNは、後述のデュ
ーティDOUTの補正式で用いられ、機関が特定運転域すな
わち吸気温度TAが異常に高温あるいは低温であったり、
冷却水温TWが異常に高温あるいは低温であったり、過給
圧P2が異常に高圧であったりする特定運転域でデューテ
ィDOUTを強制的に0とした状態が解除されたときに、デ
ューティDOUTの安定制御に寄与するものである。すなわ
ち、DOUT=0となっていた特定運転状態から通常の運転
状態に復帰したときに、デューティDOUTを直ちに通常の
値に復帰させると、特定運転域と通常運転域との境界線
上での不規則制御が生じるので、そのような不規則制御
を回避すべく、通常運転域に復帰してからたとえば5秒
経過した後にたとえば0.1ずつ補正係数KDOWNを増加する
ようにしてデューティDOUTを徐々に通常制御に復帰させ
るようにしている。
次の第24ステップS24では、スロットル開度θTHが予
め設定されているスロットル開度θTHFBを超えるかどう
かが判定される。この設定スロットル開度θTHFBはオー
プンループ制御からフィードバック制御に移行させるか
どうかを判断するために設定されたものである。このよ
うに判断パラメータとしてスロットル開度θTHを採用す
ることで、運転者が加速すなわち過給ゾーンを要求して
いるかどうかを的確に判別することができる。θTH≦θ
THFBであるときすなわちオープンループ制御を継続する
ときには、第25ステップS25で、第6図で示した遅延タ
イマtFBDLYをリセットし、さらに第26ステップS26に進
む。
第26ステップS26では設定減算デューティDTおよび設
定加算デューティDTRBが検索される。設定減算デューテ
ィDTは、過給圧P2の変化率ΔP2に応じるものであり、第
12図のサブルーチンに従って決定される。すなわちスロ
ットル開度θTHが設定スロットル開度θTHFBよりも大き
いときには第13図(a)、(b)、(c)で示すように
過給圧P2の変化率ΔP2および機関回転数NEによって設定
された設定減算デューティDTが選択され、θTH≦θTHFB
であるときにはDT=0とされる。而して設定減算デュー
ティDTは本発明の補助減算過給圧制御量に対応してい
る。
第13図(a)は機関回転数NEが予め設定されている第
1切換回転数NFB1(たとえば3000rpm)以下であるとき
の設定減算デューティDTを示し、第13図(b)は機関回
転数NEが第1切換回転数NFB1を超えて第2切換回転数N
FB2(たとえば4500rpm)以下であるときの設定減算デュ
ーティDTを示し、第13図(c)は機関回転数NEが第2切
換回転数NFB2を超えるときの設定減算デューティDTを示
すものである。ここで設定減算デューティDTは、後述の
第21図に示す通り目標過給圧P2REFよりも低い設定値P
2STを実際の過給圧P2が超えたときから処理されるもの
で、過給圧P2の立上がり時のオーバーシュートを防止す
るためのものである。しかもDTを、第13図および上述の
ように、機関回転数NEおよび過給圧変化率ΔP2に応じて
持替えているが、これは設定値P2STに到達する際の機関
回転数NEにより、また過給圧変化率ΔP2によりオーバー
シュート量に違いがあるため、上記持替えによって各運
転域におけるデューティ制御を最適にすることを目的と
するものである。ここではΔP2が大きい程、またNEが大
きい程、DTは大きく設定される。
さらに設定加算デューティDTRBは第14図で示すサブル
ーチンに従って決定される。すなわちオープンループ制
御であってしかも過給圧P2の変化率ΔP2が負の状態であ
るときには第15図(a)、(b)、(c)で示すように
−ΔP2および機関回転数NEによって設定されている設定
加算デューティDTRBが選択され、さらに設定減算デュー
ティDTが0とされる。またフィードバック制御状態であ
ってΔP2が正であるときには設定加算デューティDTRB
0とされる。この設定加算デューティDTRBも上述の設定
減算デューティDTと同様に、機関回転数NEおよび負の過
給圧変化率ΔP2に応じて第15図に示す通り持替えられる
ものであり、NEが大きい程、−ΔP2が大きい程DTRBが大
きくなるように設定され、これにより各運転域において
ハンチングの少ない安定した過給圧P2が得られるような
デューティ制御が可能となる。すなわち過給圧P2が設定
圧P2STを超えてからはオーバーシュート防止用の設定減
算デューティDTの反動として発生するハンチングを防止
すべく設定加算デューティDTRBを加算することにより各
運転域で安定した過給圧制御を可能とするものである。
このように補正係数KMODij,KPATC,KTATC、KDOWN
設定減算デューティDTおよび設定加算デューティDTRM
決定された後には第27ステップS27に進み、この第27ス
テップS27ではデューティDOUTが次式により補正され
る。
DOUT=KTATC×KPATC×KMODij×KDOWN ×(DM+DTRB−DT) したがって第5ステップS5から出力される出力デュー
ティDOUTは、上述の内容および外的要因を加味した機関
の運転状態を総合的に勘案した設定となっている。さら
に第28ステップS28では、オープンループ制御であるこ
とを示すべくフラグFを1とする。
次の第29ステップS29および第30ステップS30では、機
関の運転状態が第2速ホールドで走行可能な領域にある
かどうかが判断される。すなわち、第29ステップS29で
は機関回転数NEが第1設定回転数NSEC1たとえば4500rpm
以上で第2設定回転数NSEC2たとえば6000rpm以下(N
SEC1≦NE≦NSEC2)にあるかどうかが判断され、第30ス
テップS30では車速Vが第1設定車速VSEC1たとえば70km
/h以上であって第2設定車速VSEC2以下(VSEC1
VSEC2)にあるかどうかが判断される。これらの条件
は、機関の運転状態が第2速ホールドで走行可能な領域
にあるかどうかを判断するためのものであり、両条件を
満足するときには第31ステップS31でデューティDOUT
0として第32ステップS32に進む。これにより過給圧P2
を低下させて第2速位置でのギヤ軸にかかる力が過負荷
になることを防止する。
また第29および第30ステップS29,S30で、NE<NSEC1
NSEC2<NE、V<VSEC1、VSEC2<Vであったときには、
第32ステップS32に進む。
第32ステップS32では、自動変速機のシフト位置が第
1速位置にあるかどうかが判断され、第1速位置にある
ときには第33ステップS33に進み、第1速位置以外のシ
フト位置にあるときには、第37ステップS37でタイマt
KDFをリセットした後、第38ステップS38に進む。
第33ステップS33では、前回が第1速位置にあったか
どうかが判断され、第1速位置であったときには第34ス
テップS34に進む。この第34ステップS34ではタイマtKDF
が設定時間tKDFOたとえば5秒を経過しているかどうか
が判断され、tKDF>tKDFOのときには第38ステップS38に
進み、tKDF≦tKDFOのときには第36ステップS36に進む。
第33ステップS33で、前回が第1速位置以外のシフト
位置にあったと判断されたときには、第35ステップS35
でタイマtTFBDLYをリセットした後、第36ステップS36で
デューティDOUTを0として第38ステップS38に進む。
このような第32ステップS32〜第37ステップS37の処理
は、キックダウン対策のためのものであり、シフト位置
が第1速位置以外から第1速位置にキックダウンしたと
き、ならびにそのキックダウン時から所定時間たとえば
5秒が経過するまでは、デューティDOUTを0として第1
速ギヤ軸に過負荷がかかることを防止する。
次の第38ステップS38ではデューティDOUTがリミット
値を超えていないかどうかをチェックする。すなわち機
関回転数NEに応じてデューティDOUTのリミット値が予め
設定されており、そのリミット値から外れるかどうかを
チェックし、リミット値から外れていないときに、第5
ステップS5でデューティDOUTが出力される。
第24ステップS24でθTH>θTHFBであると判断された
ときには、第39ステップS39でに進む。この第39ステッ
プS39では、前回のフラグFが1であるかどうか、すな
わち前回がオープンループ制御状態であったかどうかが
判定され、F=1のときには第40ステップS40で過給圧P
2がオープンループにおけるデューティ制御開始判別過
給圧P2STを超えるかどうかが判定される。このデューテ
ィ制御開始判別過給圧P2STはP2ST=P2REF−ΔP2STによ
り得られるものであり、ΔP2STは第16図(a)、
(b)、(c)で示すように機関回転数NEに応じて設定
されている。ここでΔP2STは、上述のDT,DTRBと同様
に、最適なデューテイ制御をすべく機関回転数NEおよび
過給圧変化率ΔP2に応じて持替えられるものであり、機
関回転数NEが大きくなる程、また過給圧変化率ΔP2が大
きくなる程大きくなるように設定される。而してデュー
ティ制御開始判別過給圧P2STは、フィードバック制御開
始判別過給圧P2FBよりも低く設定される本発明のフィー
ドバック制御準備判別過給圧に対応している。
第40ステップS40でP2>P2STであるときには第41ステ
ップS41で過給圧P2がフィードバック制御開始判別過給
圧P2FBを超えるかどうかが判定される。このフィードバ
ック制御開始判別過給圧P2FBは、P2FB=P2REF−ΔP2FB
により得られるものであり、ΔP2FBは第17図(a)、
(b)、(c)で示すように機関回転数NEに応じて設定
されている。このフィードバック制御開始判別過給圧P
2FBも、前記ΔP2ST,DT,DTRBと同様に、最適なデュー
テイ制御をすべく機関回転数NEおよび過給圧変化率ΔP2
に応じて持替えられるものであり、機関回転数NEが大き
くなる程、また過給圧変化率ΔP2が大きくなる程大きく
なるように設定される。この第41ステップS41でP2>P
2FBであるときには第42ステップS42に進む。
第42ステップS42では遅延タイマtFBDLYが経過してい
るかどうかが判定され、経過しているときには第43ステ
ップS43に進む。また第39ステップS39でF=0であった
ときには第40〜42ステップS40〜S42を迂回して第43ステ
ップS43に進み、第41ステップS41でP2≦P2STであるとき
には第44ステップS44に、第41ステップS41でP2≦P2FB
あるときには第25ステップS25に、第42ステップS42で遅
延タイマtFBDLYが経過していないときには第26ステップ
S26にそれぞれ進む。
第44ステップS44では、第18図で示すように機関回転
数NEに応じて予め設定されている補助基本過給圧制御量
としての設定デューテイDSCRBが検索され、次の第45ス
テップS45では、次式に従ってデューテイDOUTが演算さ
れる。
DOUT=DSCRB×KTATC×KPATC さらに第46ステップS46ではタイマtFBDLYがリセット
され、その後、第38ステップS38に進む。
このような第44〜第46ステップS46は、過給圧P2がP
2REFに達する迄の運転域での安定した過給圧制御を得よ
うとするものであり、機関回転数NEに応じて予め設定し
ているデューテイDSCRBを基準にして出力デューテイD
OUTを定めることにより、過給圧P2の変化率ΔP2にかか
わらず、オーバーシュートが生じることを防止すること
ができる。
第43ステップS43では、過給圧変化率ΔP2の絶対値が
フィードバック制御判定過給差圧GdP2を超えるかどうか
が判断される。このフィードバック制御判定過給差圧G
dP2はたとえば30mmHgに設定されており、ΔP2の絶対値
がフィードバック制御判定過給差圧GdP2を超えるときに
は第26ステップS26に戻り、ΔP2の絶対値がフィードバ
ック制御判定過給差圧GdP2以下であるときには第47ステ
ップS47に進む。ここで|ΔP2|>GdP2であるときにフ
ィードバック制御を開始するとハンチングを生じる原因
となるので、第26ステップS26に戻ってオープンループ
制御を行なうのであるが、上述の通りオープンループ制
御においてDT,DTRBによる補正を行なってハンチングお
よびオーバーシュートを防止るようにしているので、第
47ステップS47はフェールセーフ機能を果たすことが主
眼となる。
第47ステップS47からはフィードバック制御が開始さ
れるものであり、先ず第47ステップS47で機関回転数NE
および吸気温度TAにより予め設定されている目標過給圧
P2REFが検索される。ここでフィードバック制御は、先
ず第24ステップS24においてθTH>θTHFBを満足するこ
とが前提となっており、この前提条件下で機関の運転状
態を的確に判断し得るパラメータとして機関回転数NE
よび吸気温度TAにより定まる目標過給圧P2REFが検索さ
れるものである。θTH>θTHFBつまり機関の中、高負荷
状態では 機関回転数NEおよびスロットル開度θTHはほ
ぼ同一の挙動を示すものであり、NEは機関の運転状態を
示す有効なパラメータとなるものである。また吸気温度
TAは、第1図に示した通りインタクーラ4の下流側の吸
気温度であり燃焼室に導入される吸気状態を的確に示す
パラメータとなる。したがって機関回転数NEおよび吸気
温度TAで定まるマップにより目標過給圧P2REFを決定す
ることで、機関の運転状態に即応した値を設定し得るこ
とになる。
次の第48ステップS48では自動変速機のシフト位置が
第1速位置であるか否かが判定される。第1速位置であ
るときには、第49ステップS49において前述の第8図で
示したサブルーチンに従って運転状態が判別ゾーン(第
9図の斜線部)にあるときにP2REF=P2REF−ΔP2REFF
る演算が行なわれ、第51ステップS51に進む。このΔP
2REFFは、シフト位置が第1速位置にあるときに対応し
て設定される減算値である。また第48ステップS48でシ
フト位置が第1速位置以外の位置にあると判定されたと
きには、第50ステップS32において前述の第10図で示し
たサブルーチンに従ってP2REF=P2REF−ΔP2REFOSなる
演算が行なわれ、第51ステップS51に進む。しかもΔP
2REFOSはシフト位置が第1速位置以外の状態にあるとき
に対応して設定される減算値である。
第51ステップS51では吸気圧PAに応じて予め設定され
ている過給圧用大気圧補正係数KPAP2が決定され、さら
に第52ステップS52で次の演算が行なわれる。
P2REF=P2REF×KPAP2×KREFTB 上記式でKREFTBは機関のノック状態に対応した補正係
数である。
第53ステップS53では、目標過給圧P2REFと今回の過給
圧P2との偏差の絶対値が設定値GP2以上であるかどうか
が判定される。該設定値GP2はフィードバック制御時の
不感帯定義圧であり、たとえば20mmHg程度に設定され
る。目標過給圧P2REFと実際の過給圧P2との偏差の絶対
値が前記設定値GP2以上であるときには、第54ステップS
54に進み、設定値GP2未満であるときには第61ステップS
61に進む。
第54ステップS54では、デューティの比例制御項DP
次式により演算される。
DP=KP×(P2REF−P2) 上記式においてKPは比例制御項に係るフィードバック
係数であり、第19図に示すサブルーチンに従って求めら
れる。この第19図において、機関回転数NEが第1切換回
転数NFB1以下であるときにはKP1が得られるとともに後
述の積分制御項に係るフィードバック係数K11が得ら
れ、機関回転数NEが第1切換回転数NFB1を超えて第2切
換回転数NFB2以下であるときには、KP2,K12が得られ、
さらに機関回転数NEが第2切換回転数NFB2を超えるとK
P3,K13が得られる。
第55ステップS55では機関回転数NEおよび吸気温度TA
に応じた補正係数KMODijが検索され、第56ステップS56
では、前回のフラグFが1であるかどうかすなわち初め
てのフィードバック制御状態であるかどうかが判定さ
れ、F=1であったときには第57ステップS57で前回の
積分制御項DI(n-1)が次式に従って演算される。DI(n-1)
=KTATC×KPATC×DM×(KMODij−1)この演算終了後に
は第58ステップS58に進むが、第56ステップS56でF=0
であったときには第57ステップS57を迂回して第58ステ
ップS58に進む。
第58ステップS58では、今回の積分制御項DInが次式に
従って演算される。
DIn=DI(n-1)+KI+(P2REF−P2) その後、第59ステップS59でデューテイDOUTが演算さ
れる。すなわち、 DOUT=KTATC×KPATC×KDOWN×DM +DP+DIn なる演算が行なわれ、第60ステップS60でフラグF=0
とした後に第38ステップS38に進む。
さらに第53ステップS53で目標過給圧P2REFと実際の過
給圧P2との偏差の絶対値が設定値GP2未満であるときに
は第61ステップS61でDP=0、DIn=DI(n-1)とされる。
次いで第62ステップS62ないし第66ステップS66では、大
気圧PAが設定圧PAMODたとえば650mmHgを超えるかどう
か、水温TWが或る一定範囲すなわちTWMODLを超えてT
WMODH未満にあるかどうか、リタード量TZRETが0かどう
かすなわちノック状態から外れているかどうか、シフト
位置が第1速位置以外であるかどうか、KREFTBが1.0以
下であるかどうかが判定され、それらの条件を全て満た
したときには第67ステップS67に進み、それらの条件か
ら1つでも外れたときには第59ステップS59に進む。
第67ステップS67では、デューティ用補正係数KMODij
の学習のための係数KRが次式に従って演算される。
KR=(KTATC×DM+DIn)÷(KTATC×DM) 次いで第68ステップS68では、補正係数KMODijの検索
および学習を行なうべく、 なる演算が行なわれ、さらに第69ステップS69では第68
ステップS68で得られたKMODijのリミットチェックが行
なわれた後、第70ステップS70で補正係数KMODijがバッ
クアップRAMに格納され、次いで第59ステップS59に進
む。
このような第64〜第70ステップS64〜S70は過給圧P2
不感帯域GP2で安定的にフィードバック制御されている
ときに学習制御した結果を補正係数KMODijとして格納す
る際に、特殊な運転状態のときには前記補正係数KMODij
の格納を禁止して、運転状態に悪影響が及ぶことを回避
するものである。
上述のような電磁制御弁69におけるソレノイド70のデ
ューティ制御によると、自動変速機のシフト位置が第1
速位置にあるときには、オープンループ制御状態であれ
ば、第20ステップS20において機関の運転状態が第9図
の判別ゾーンにあるときに基本デューティDMがDFだけ減
算され、フィードバック制御状態では第49ステップS49
において前記判別ゾーンにあるときに目標過給圧P2REF
がΔP2REFだけ減算される。したがってシフト位置が第
1速位置であるときの急発進、過負荷等による自動変速
機への過負荷を基本デューティDMの減少に伴う過給圧の
減少により防止することができる。また第1速位置のま
まオープンループ制御からフィードバック制御に移行し
ても、目標過給圧P2REFが減算されているので、移行時
にハンチングが生じることを防止することができる。
また第20図の下方に示すようなシフトチェンジを行っ
た場合を想定する。この場合、シフトチェンジ時には、
機関回転数NEが上昇するのに対して、制御手段Cによる
アクチュエータ60の作動にはタイムラグがある。そのた
め、過給圧P2が機関回転数NEに対応せず、オーバーシュ
ートが生じて過給圧P2が第20図の破線で示すように特に
中、高速域からの加速直後のシフトチェンジ時に限界値
を超えてしまうおそれがある。しかるに、第21ステップ
S21および第50ステップS50において、第10図で示すよう
なサブルーチンに従ってデューティDMおよび目標過給圧
P2REFの減算が行なわれる。すなわち、シフトチェンジ
時には、スロットル開度θTHが所定値θTHOSを超え、機
関回転数NEが所定値NEOSを超え、吸気圧PBが所定値NBOS
を超えたとき、すなわち中、高速域での過給圧P2の変化
率ΔP2に応じて、オープンループ制御では基本デューテ
ィDMがDOSだけ減算され、フィードバック制御では目標
過給圧P2REFがΔP2REFOSだけ減算される。これにより第
20図の実線で示すようにシフトチェンジ時のオーバーシ
ュートを大幅に減少し、ハンチング現象が生じるのを回
避することができ、安定的な過給圧制御が可能となる。
さらにオープンループ制御からフィードバック制御に
移行する際には、第21図で示すように過給圧P2の落ち込
みをカバーして、速やかにフィードバック制御に移行す
ることができる。すなわち運転開始時にはデューティD
OUTが100すなわちデューティ比が0%となっており、ス
ロットル開度θTHが設定スロットル開度θTHFB未満であ
るオープンループ制御時には、第26ステップS26におけ
る第14図のサブルーチンに従ってDT=0とされる。そし
てθTH>θTHTBとなったときにオープンループ制御から
フィードバック制御側に移行し始めるが、過給圧P2がP
2STを超えたときにθTH>θTHFBであるときにはDM=DM
−DTとしてオーバーシュートを防止する。また過給圧P2
がP2ST以下であるときには、補助基本過給圧制御量とし
ての設定デューティDSCRBに基づいて過給圧P2を制御す
るので、過給圧P2の変化率ΔP2が大きくても、或る時点
でP2ST以下である過給圧P2が次の時点でP2STを大幅に超
えてしまうような事態が生じるのが防止され、オーバー
シュートが生じるのを確実に防止できる。
ところで上述のようにDTだけ減算すると、その反動で
過給圧P2が第21図の破線で示すように落ち込むことがあ
る。しかるにΔP2≦0であればDT=0とし、DTRBだけ加
算するようにしたので、過給圧P2の落ち込みをカバーし
てフィードバック制御に速やかに移行することができ、
ハンチング現象のない過給圧制御の拡大が可能となる。
上述の電磁制御弁69におけるソレノイド70のデューテ
ィ制御は、電磁開閉弁72が閉弁している状態で行なわれ
るものであり、この電磁開閉弁72が開弁すると、アクチ
ュエータ60における第2圧力室63に吸気圧PBが供給され
て、アクチュエータ60は可変容量ターボチャージャ5に
おける可動ベーン54が固定ベーン49との間の空隙流通面
積を大とする方向に作動する。このように、第5A図およ
び第5B図のメインルーチンに基づいてアクチュエータ60
の第1圧力室62への過給圧P2導入用電磁制御弁69の作動
を制御する他に、アクチュエータ60の第2圧力室63に電
磁開閉弁72を介して吸気圧PBを導入すると、より精密な
制御が可能となる。これは過給圧P2を可変容量ターボチ
ャージャ5およびインタクーラ4間で検出しているので
スロットル弁74の微小な作動を感知し得ないのに対し、
吸気圧PBはスロットル弁74よりも下流側から導出される
のでスロットル弁74の微小な作動を検知可能であるから
である。すなわちターボチャージャ5の動きを確実に検
知する過給圧センサSP2と、スロットル弁74の動きを確
実に検知する吸気圧センサSPBとの両方にてターボチャ
ージャ5を含む吸気系全体の作動をより正確に反映する
ことが可能となる。
以上の実施例では、可動ベーン54を作動させて容量を
変化させるようにした可変容量ターボチャージャを取り
上げて説明したが、本発明は、ウェストゲート方式およ
び過給圧リリーフ方式の可変容量ターボチャージャにも
適用可能である。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、オープンループ制御領
域からフィードバック制御領域へ移行する際に、判別過
給圧を、フィードバック制御準備判別過給圧・フィード
バック制御開始判別過給圧の二段階に設定し、実際の過
給圧が比較的低いフィードバック制御準備判別過給圧以
下の場合には、機関回転数にのみ対応した補助基本過給
圧制御量に基づき過給圧を制御するようにしたので、移
行時の過給圧変化率が大きくてもオーバーシュートが回
避でき、しかも機関の低回転時には迅速にフィードバッ
ク制御を開始し得るように大きな制御量を、高回転時に
はオーバーシュートを防止すべく小さな制御量をそれぞ
れ設定することが可能であり、従ってオーバーシュート
を効果的に防止しながら、速やかにフィードバック開始
状態に移行することができる。その後、実際の過給圧が
フィードバック制御準備判別過給圧を超えたら、フィー
ドバック制御開始判別過給圧を超えるまでの間は、機関
回転数および過給圧変化率に対応した補助減算過給圧制
御量により補正した基本過給圧制御量に基づき過給圧制
御を行うようにしているから、制御ハンチングを防止し
ながらフィードバック制御の安定性がより向上する。
このようにフィードバック制御への移行の際に段階的
に規定される二つの判別過給圧によりタイミングをとり
ながら、その時々の運転状態に適した過給圧制御量の設
定を順次行うことで、安定したフィードバック制御への
迅速な移行を図りつつ、制御ハンチングが少なく、しか
もオーバーシュートも効果的に防止できる高精度の過給
圧制御を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図は内燃機
関の吸気系および排気系を示す全体概略図、第2図は可
変容量ターボチャージャの拡大縦断側面図、第3図は第
2図のIII−III線断面図、第4図は第2図のIV−IV線断
面図、第5A図および第5B図は電磁制御弁を制御するため
のメインルーチンを示すフローチャート、第6図はタイ
マ選択のためのサブルーチンを示すフローチャート、第
7図は高過給圧判定ガード値を示すグラフ、第8図は第
1速位置での基本デューティおよび目標過給圧の減算サ
ブルーチンを示すフローチャート、第9図は第8図のサ
ブルーチンで用いる判別ゾーンを示す図、第10図は第1
速位置以外での基本デューティおよび目標過給圧の減算
サブルーチンを示すフローチャート、第11図は機関の特
定運転状態解除に対応した補正係数を得るためのサブル
ーチンを示すフローチャート、第12図は設定減算デュー
ティ決定のためのサブルーチンを示すフローチャート、
第13図は設定減算デューティのマップを示す図、第14図
は設定加算デューティ決定のためのサブルーチンを示す
フローチャート、第15図、第16図および第17図はDTRB
ΔP2ST,ΔP2FBの設定マップをそれぞれ示す図、第18図
は機関回転数に対応して設定されるデューティのマップ
を示す図、第19図は比例制御項および積分制御項に係る
フィードバック係数を決定するサブルーチンを示すフロ
ーチャート、第20図はシフトチェンジ時の吸気圧の変化
を示す図、第21図はオープンループ制御からフィードバ
ック制御への移行時のデューティおよび過給圧の変化を
示す図である。 5…可変容量ターボチャージャ、DM…基本過給圧制御量
としての基本デューティ、DSCRB…補助基本過給圧制御
量としての設定デューティ、DT…補助減算過給圧制御量
としての設定減算デューティ、NE…機関回転数、P2…過
給圧、P2REF…目標過給圧、P2ST…フィードバック制御
準備判別過給圧としてのデューティ制御開始判別過給
圧、P2FB…フィードバック制御開始判別過給圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−212626(JP,A) 特開 昭62−225719(JP,A) 特開 昭61−244832(JP,A) 特開 昭60−212625(JP,A) 特開 昭62−153523(JP,A) 実開 平1−139033(JP,U) 実開 昭63−147528(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも機関回転数(NE)を含む機関の
    運転状態に対応した基本過給圧制御量(DM)に基づいて
    可変容量ターボチャージャ(5)の容量を制御するとと
    もに、機関の運転状態がフィードバック制御領域となっ
    たときには実際の過給圧(P2)と少なくとも機関回転数
    (NE)に応じて予め設定された目標過給圧(P2REF)と
    の偏差に応じて基本過給圧制御量(DM)を修正するよう
    にした可変容量ターボチャージャの制御方法において、 フィードバック制御領域で用いる基本過給圧制御量
    (DM)とは別に、機関回転数(NE)のみに対応した補助
    基本過給圧制御量(DSCRB)と、機関回転数(NE)およ
    び過給圧変化率(ΔP2)に対応した補助減算過給圧制御
    量(DT)とを設定し、 更にフィードバック制御開始判別過給圧(P2FB)と、そ
    のフィードバック制御開始判別過給圧(P2FB)よりも低
    いフィードバック制御準備判別過給圧(P2ST)とを設定
    し、 フィードバック制御領域に入る前に実際の過給圧(P2
    と、前記フィードバック制御準備判別過給圧(P2ST)及
    びフィードバック制御開始判別過給圧(P2FB)とを各々
    比較し、実際の過給圧(P2)がフィードバック制御準備
    判別過給圧(P2ST)以下であるときには、前記補助基本
    過給圧制御量(DSCRB)に基づいて過給圧(P2)を制御
    し、また実際の過給圧(P2)がフィードバック制御準備
    判別過給圧(P2ST)を超え且つフィードバック制御開始
    判別過給圧(P2FB)以下であるときには、前記補助減算
    過給圧制御量(DT)により補正した前記基本過給圧制御
    量(DM)に基づいて過給圧(P2)を制御するようにした
    ことを特徴とする、可変容量ターボチャージャの制御方
    法。
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