JP2627081B2 - 架橋ポリオレフィン連続気泡体の製造方法 - Google Patents

架橋ポリオレフィン連続気泡体の製造方法

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JP2627081B2 JP1015044A JP1504489A JP2627081B2 JP 2627081 B2 JP2627081 B2 JP 2627081B2 JP 1015044 A JP1015044 A JP 1015044A JP 1504489 A JP1504489 A JP 1504489A JP 2627081 B2 JP2627081 B2 JP 2627081B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、架橋ポリオレフィン連続気泡体の製造方法
に関する。
〔従来の技術〕
従来、架橋ポリオレフィン連続気泡体の製造方法とし
ては、密閉金型中加圧下で発泡性架橋性ポリオレフィン
組成物中の発泡剤と架橋剤を部分的に分解させ、常圧下
で残存する発泡剤と架橋剤を分解させて独立気泡体を
得、次いで得られた独立気泡体を圧縮して独立気泡を破
壊する方法が提案されていた(特公昭59−23545号及び
特開昭56−146732号参照)。しかし、このような方法で
は、加圧された密閉金型中において加熱により発泡剤及
び架橋剤の分解が行なわれ、架橋反応は生じているが気
泡の形成は行なわれておらず、除圧時に初めて発泡する
ことになる。すなわち、まず架橋反応を生ぜしめ、しか
る後に発泡を行なわせる方法を採用しており、独立気泡
体の製造段階においていわゆる先架橋が行なわれている
ため、気泡膜が強靱なものとなり、従って、独立気泡の
連通化が困難であり、連続気泡率100%又は100%に近い
気泡体を得ることができなかった。
上記問題を解決するため、本出願人は、発泡性架橋性
ポリオレフィン組成物を所望の形状に加熱整形した後、
常圧下にて加熱して架橋剤及び発泡剤を同時進行的に分
解させて気泡体を生成させ、次いで機械的変形を加えて
気泡を連通化される方法を開発した(特公昭62−19294
号、特開昭56−121739号参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記した本出願人の方法によれば、100%又は100%に
近い連続気泡率を有する架橋ポリオレフィン連続気泡体
を得ることができる。
しかしながら、この方法は架橋していない整形物を常
圧下、すなわち気密でない金型中で加熱発泡させるもの
であるため、急激に発泡させると、発泡段階の組成物と
金型内面との摩擦によって、得られる気泡体に亀裂が生
じてしまう。従って、このような問題を解消するために
は、100分以上かけてマイルドに加熱発泡しなければな
らない。その結果、生産効率が悪く、また、長時間にわ
たる加熱によって無発泡の表皮層及び表皮付近の発泡の
不均一な部分が厚くなり、材料効率が悪いなどの欠点が
あった。
従って、本発明の目的は、前記したような従来の方法
の欠点を解消し、生産効率及び材料効率に優れた架橋ポ
リオレフィン連続気泡体の製造方法を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、前記目的を達成するため、ポリオレ
フィンに発泡剤及び架橋剤を添加した発泡性架橋性組成
物を気密でない金型中で加熱発泡させて気泡体を生成さ
せ、次いで機械的変形を加えて気泡を連通化させる架橋
ポリオレフィン連続気泡体の製造方法において、上記発
泡性架橋性組成物の少なくとも一部をプラスチックシー
トで被覆した状態で加熱発泡を行なうことを特徴とする
架橋ポリオレフィン連続気泡体の製造方法が提供され
る。
〔発明の作用及び態様〕
本発明の方法によれば、上記のように、発泡性架橋性
組成物の少なくとも一部をプラスチックシートで被覆し
た状態で加熱発泡を行ない、加熱によりプラスチックシ
ートが伸長する性質を利用して、気泡体に亀裂が生ずる
のを防止し、効率的に気泡体を生産しようとするもので
ある。すなわち、発泡性架橋性組成物をプラスチックシ
ートで被覆した状態で加熱発泡を行なうと、プラスチッ
クシートは軟化し、上記組成物の発泡に追従するように
して伸びる。この場合、プラスチックシートは予めシー
ト状に形成されているものであるため、上記組成物が気
密でない金型の内面に直接接触し発泡圧により押圧され
る場合に比べて、金型内面でのすべりがよい。従って、
比較的に急激な発泡でも気泡体に亀裂が生じにくく、ま
た、気泡体自体の無発泡の表皮層部分も薄くなり、比較
的短時間に生産効率よく、かつ材料効率よく発泡させる
ことが可能となり、さらに気泡体からのガス抜けを防止
することもできる。
本発明においては、プラスチックシートによる発泡性
架橋性組成物の被覆は、少なくとも該組成物の一部を被
覆せしめることが必要であるが、好ましくは該組成物の
上面及び下面を被覆せしめることが望ましく、これによ
り顕著な効果が得られる。
本発明においてプラスチックシートとは、上記作用説
明から明らかなように、ポリオレフィンを基材とする発
泡性架橋性組成物に被覆したときに、該組成物の発泡に
応じて亀裂することなく伸びるものであればよく、特に
特定のものに限定されるものではない。一般的には、基
材樹脂と同じ樹脂か又はその共重合体が使用される。そ
の中でも、ポリオレフィン、特にエチレン系樹脂は伸び
に優れており、発泡倍率20倍以上の架橋ポリオレフィン
連続気泡体の製造において特に好ましい。上記エチレン
系樹脂としては、エチレンを主成分とする単独重合体及
び共重合体であり、例えば高圧法ポリエチレン、低圧法
低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルエステル共
重合体、エチレン−アクリル酸アルキル共重合体、エチ
レン−プロピレン系共重合体、エチレン−α−オレフィ
ン系共重合体及びこれらの混合物等が挙げられる。
本発明に用いるプラスチックシートは、プラスチック
単体でもよいが、発泡倍率が15倍以上の架橋ポリオレフ
ィン連続気泡体を得る場合は、ガス抜けを防ぐために、
電離性放射線又は架橋剤によって予め架橋したプラスチ
ックシート、あるいは架橋剤が添加されているプラスチ
ックシートが好ましい。さらに、発泡倍率が25倍以上の
架橋ポリオレフィン連続気泡体を得る場合には、発泡性
架橋性組成物の膨張率が大きいため、プラスチックシー
トに発泡剤を添加してシートの伸びを大きくすることが
好ましい。発泡剤の添加は、架橋剤と共に添加してもよ
いし、あるいは発泡剤を添加したプラスチックシートを
電離性放射線によって架橋して使用してもよい。又は、
発泡剤及び架橋剤を添加したプラスチックシートを先架
橋させて使用してもよい。また、該プラスチックシート
には発泡助剤、架橋助剤、充填剤等を適宜添加すること
ができる。
プラスチックシートへの発泡剤の添加量は、架橋ポリ
オレフィン連続気泡体の発泡倍率によって適宜決められ
るが、一般には樹脂100重量部当り1〜25重量部程度で
ある。これで発泡倍率20〜70倍程度の架橋ポリオレフィ
ン連続気泡体に対応できる。プラスチックシートに発泡
剤を添加しても、発泡性架橋性組成物の発泡による発泡
圧に押されるので、プラスチックシートの厚さは増えな
い。
プラスチックシートへの架橋剤の添加量は、樹脂100
重量部当り0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部程
度が適当である。プラスチックシートを予め先架橋させ
ておかない場合には、分解温度の低い架橋剤を選択し、
実質的に先架橋となるようにしておくことが望ましい。
プラスチックシートを電離性放射線により架橋させる
場合は、高エネルギー線としてα線、β線、γ線、X
線、加速化された陽子線、電子線、中性子等があるが、
一般的には高エネルギー電子線照射機が使用される。例
えば、成形シートに1〜50Mradの線量を照射することに
より架橋させる。この場合、架橋効率を上げるために、
樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部の架橋助剤、例え
ばジビニルベンゼン、ジアリルベンゼン、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、ジエチレングリコールジ
メタクリレート等の多官能性モノマー等を添加してもよ
い。
プラスチックシートの成形は常法に従って行なえばよ
い。例えば、プラスチック樹脂又はプラスチック樹脂と
配合剤を常用の押出機、ミキシングロール等を使用して
シートに成形する。該シートを先架橋させる場合は、電
離性放射線を照射するか、又は架橋剤の添加されたプラ
スチックシートをプレス、オーブン、熱媒浴中で加熱し
て架橋剤の一部又は全部を分解させる。該シートの厚み
は、好ましくは0.1〜4mm、特に好ましくは0.5〜2mmであ
る。0.1mm未満であるとシートが裂け易く、一方、4mmを
越えると加熱時の熱伝達が悪くなり、かつ材料効率が悪
くなる。
本発明のプラスチックシートを用いて架橋ポリオレフ
ィン連続気泡体を得る方法としては、ポリオレフィンに
発泡剤及び架橋剤を添加した発泡性架橋性組成物を加熱
発泡させて気泡体を形成させ、次いで機械的変形を加え
て気泡を連通化させる方法であれば、従来公知の方法が
適用でき、特に限定されない。このような方法のうち、
特に特公昭62−19294号公報及び特開昭56−121739号公
報に記載されているように、発泡性架橋性組成物を所望
の形状に加熱整形した後、気密でない金型中で常圧下に
て加熱して架橋剤及び発泡剤を同時進行的に分解させて
気泡体を形成させ、次いで機械的変形を加えて気泡を連
通化させる方法において、本発明の効果は特に顕著であ
る。
以下、本発明に係る連続気泡体の製造方法についてそ
の好適な態様を具体的に説明する。
まず、ポリオレフィンに発泡剤、架橋剤、及び必要に
応じて発泡助剤、充填剤、顔料等を添加し、これを加熱
したミキシングロール等によって練和する。架橋剤とし
ては、例えばジクミルパーオキサイド、1,1−ジ−t−
ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘ
キサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキ
シヘキシン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)
ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシケト
ン、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどの有機過酸
化物が、また発泡剤としては各種の化学発泡剤、例えば
アゾ系化合物のアゾジカルボンアミド、バリウムアゾジ
カルボキシレート等;ニトロソ系化合物のジニトロソペ
ンタメチレンテトラミン、トリニトロソトリメチルトリ
アミン等;ヒドラジッド系化合物のp,p′−オキシビス
ベンゼンスルホニルヒドラジッド等;スルホニルセミカ
ルバジッド系化合物のp,p′−オキシビスベンゼンスル
ホニルセミカルバジッド,トルエンスルホニルセミカル
バジッド等、などが好適に使用できるが、これらに限定
されるものではない。さらに、必要に応じて添加する発
泡助剤としては、尿素を主成分とした化合物、塩基性炭
酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化鉛等の金属酸化物、サリチル
酸、ステアリン酸等を主成分とする化合物、即ち高級脂
肪酸あるいは高級脂肪酸の金属化合物などがある。さら
に、使用する組成物の物性の改良あるいは価格の低下を
目的として、架橋結合に著しい悪影響を与えない配合剤
(充填剤)、例えばカーボンブラック、酸化亜鉛、酸化
チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ
素等の金属酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム
等の炭酸塩、あるいはパルプ等の繊維物質、または各種
染料、顔料並びに螢光物質、その他常用のゴム配合剤等
を必要に応じて添加することができる。
次いで、前記した種々の方法によって得られたプラス
チックシートを、上記のように練和して得られた発泡性
架橋性組成物の少なくとも一部に、好ましくは上面及び
下面に配置して金型に仕込み、プレスにて加圧下で樹脂
及び架橋剤の種類に応じて115〜155℃、好ましくは120
〜140℃において加熱整形すると共に、上記組成物とプ
ラスチックシートを熱融着させ、プラスチックシートを
上記組成物の表面に被覆せしめる。なお、プラスチック
シートによる被覆は、この加熱整形後に行なってもよい
が、作業の簡素化の点から加熱整形時に行なうことが好
ましい。この加熱整形工程において、発泡性架橋性組成
物をゲル分率ゼロの状態に維持して整形することが、連
続気泡率100%又は100%に近い連続気泡体を得る条件で
ある。なお、この加熱整形工程において、非常に微量の
発泡剤が初期分解を生じ、整形品を金型から取り出した
場合に2倍程度まで膨張しうるが、これは発泡という概
念からは程遠く、本発明にとって何ら差し支えない。
上記のようにして整形された発泡性架橋性組成物は、
次いで、常圧下にて加熱することによって、架橋剤及び
発泡剤の分解を同時進行的に行なわしめられる。この発
泡・架橋工程は、例えば整形されたポリオレフィン組成
物を所望の断面形状、寸法を有する気密でない、即ち密
閉されていない金型中に入れ、該金型の金属板を外部か
ら加熱することによって上記組成物を間接的に加熱せし
める。間接的に加熱せしめる方法としては、例えば金属
板外表面にヒーターを密着させて加熱するか、あるいは
金属板に熱媒の流路を設け、ジャケット方式で蒸気、加
熱オイル等によって加熱する方法がある。あるいは、整
形されたポリオレフィン組成物を気密でない開閉式の金
型に入れ、ローゼ合金、ウッド合金等を用いるメタルバ
スやオイルバス中、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、亜
硝酸カリウム等の塩の1種又は2種以上の溶融塩を用い
る塩浴中、もしくは窒素気流中で、あるいは伸長(ない
し拡張)可能な鉄板等により覆われた状態で直接加熱せ
しめる。所定時間加熱した後、冷却して気泡体を得る。
加熱温度は、使用するポリオレフィンの種類に応じて
140〜210℃、好ましくは160〜190℃の範囲に設定する。
加熱時間は、好ましくは10〜90分、さらに好ましくは20
〜70分である。
このようにして、機械的変形を与えることによって容
易に破壊しうる気泡膜を有し、かつ従来の気泡体と同程
度の架橋度(ゲル分率95%程度まで)を有する気泡体が
得られる。
また、本発明では、上記発泡・架橋工程における加熱
を二段階に分けて行なうことができ、これにより発泡架
橋条件が緩慢となり、架橋剤及び発泡剤の分解を2段階
でより同時進行的に行なうことができる。すなわち、発
泡性架橋性組成物の均質加熱が行なわれ、上記組成物の
厚さ方向における加熱の不均質性がなくなり、これによ
って、部分的な発泡ムラの出現やガス抜け現象等を効果
的に防止できる。このように発泡・架橋工程における加
熱を二段階で行なう場合には、第二段階の加熱温度が第
一段階の加熱温度よりも高くなるように設定するのが効
果的であり、例えば第一段加熱を145〜180℃、第二段加
熱を170〜210℃の範囲で行なう。
以上のようにして得られた気泡体(いわゆる独立気泡
体)は、次いで例えば等速二本ロール等により圧縮変形
を加えることによって気泡膜は破壊され、気泡が連通化
されて連続気泡体が得られる。等速二本ロールの表面に
無数の小さい針を設けるか、又は等速二本ロールの前及
び/又は後に無数の小さい針を設けたロールを配置し
て、該気泡体の表面に無数の小孔を開けることによっ
て、気泡の連通化を促進させることができる。
この方法によって、Remington Pariser法(ASTM D1
940−62T)に基づいて測定した連続気泡率で100%又は1
00%に近い連続気泡体が得られる。
〔実 施 例〕
以下に実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に
説明するが、本発明は下記実施例により何ら限定される
ものではない。
実施例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名エバフレック
スP1403、酢酸ビニル含有率14重量%、三井ポリケミカ
ル(株)製)を65mmφの一軸押出機(シリンダー設定温
度110℃、ダイ設定温度110℃)で溶融し、押出して厚み
1mmのシートを得た。
次に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名エバフ
レックスP1403)100重量部、アゾジカルボンアミド(商
品名ビニホールAC#50S、永和化成工業(株)製)8重
量部、亜鉛華0.3重量部、ジクミルパーオキサイド0.6重
量部、重質炭酸カルシウム30重量部からなる組成物を85
℃のミキシングロールにて練和し、135℃に加熱された
プレス内の金型(460×230×38mm)に上記練和物の上面
及び下面に前記シート(480mm×250mm)を各々配置した
状態で充填し、上記温度で35分間加圧下で加熱し、前記
シートが被覆された発泡性架橋性シートを整形した。該
発泡性架橋性シートのゲル分率は0であった。
次いで、得られた発泡性架橋性シートを、既に170℃
に加熱されている気密でない開閉式の金型(1000×500
×100mm)に入れ、ジャケット式により170℃の蒸気で70
分間加熱し、冷却後取り出し、発泡体を得た。
得られた発泡体をロール間隔20mmに設定した等速二本
ロールの間を3回通過させて気泡膜を破壊させ、気泡の
連通化を行なった。得られた連通後の表皮付発泡体(前
記シートを除いた部分)の厚さは90〜95mmであり、表皮
層が薄く、表皮を除いた有効製品の厚みは85mm、見掛け
密度0.09g/cm3、連続気泡率100%であった。
比較例1 実施例1において、練和物の上下面にシートを配置す
ることなく、同じ発泡条件によって発泡させたところ、
発泡が速すぎ、発泡体の表面に割れが生じ、満足な発泡
体が得られなかった。
実施例2 高密度ポリエチレン(商品名ユカロン−HDJY20−8、
MFR5g/10分、密度0.953g/cm3、三菱油化(株)製)を65
mmφの一軸押出機(シリンダー設定温度130℃、ダイ設
定温度130℃)で溶融し、押出して厚み1mmのシートを得
た。
次に、上記シートを用いる以外は実施例1と同じ方
法、条件で発泡体を製造した。得られた連通後の表皮付
発泡体の厚さは90〜95mmであり、表皮層が薄く、表皮を
除いた有効製品の厚さは85mm、見掛け密度0.09g/cm3
連続気泡率100%であった。
実施例3 エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名ユカロンEVA
−41H、酢酸ビニル含有率16重量%、三菱油化(株)
製)100重量部に対しジクミルパーオキサイド0.6重量部
を加え、タンブラーで混合した後、実施例1と同じ押出
機、押出条件にて厚さ1mmのシートを得た。
次に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名ユカロ
ンEVA41H)100重量部、アゾジカルボンアミド(商品名
ビニホールAC#50S)11重量部、亜鉛華0.2重量部、α,
α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベ
ンゼン1.1重量部、重質炭酸カルシウム15重量部からな
る組成物を85℃のミキシングロールにて練和し、140℃
に加熱されたプレス内の金型(385×190×36mm)に上記
練和物の上面及び下面に前記シート(400×210mm)を各
々配置した状態で充填し、上記温度で40分間加圧下で加
熱し、前記シートによって被覆された発泡性架橋性シー
トを整形した。該発泡性架橋性シートのゲル分率は0で
あった。
次いで、得られた発泡性架橋性シートを、既に170℃
に加熱されている気密でない開閉式の金型(1000×500
×100mm)に入れ、ジャケット式により170℃の蒸気で60
分間加熱し、冷却後取り出し、発泡体を得た。
得られた発泡体をロール間隔20mmに設定した等速二本
ロールの間を3回通過させて気泡膜を破壊させ、気泡の
連通化を行なった。得られた連通後の表皮付発泡体の厚
さは90〜95mmであり、表皮を除いた有効製品の厚さは85
mm、見掛け密度0.05g/cm3、連続気泡率100%であった。
比較例2 実施例3において、練和物の上下面にシートを配置す
ることなく、同じ発泡条件によって発泡させたところ、
発泡が速すぎて発泡体表面に割れが生じ、満足な発泡体
が得られなかった。
実施例4 低密度ポリエチレン(商品名ユカロンYF−30、MFR1.0
g/10分、密度0.920g/cm3、三菱油化(株)製)100重量
部に対しジクミルパーオキサイド0.2重量部を加え、タ
ンブラーで混合した後、65mmφの一軸押出機(シリンダ
ー設定温度110℃、ダイ設定温度110℃)で溶融混練し、
押出して厚み1mmのシートを得、160℃に加熱されたプレ
スの熱盤間に挾んで30分間加熱し、架橋させた。
次に、上記のようにして得られた架橋シートを用いる
以外は実施例3と同じ方法及び条件で発泡体を製造し
た。得られた連通後の表皮付発泡体の厚さは90〜95mmで
あり、表皮を除いた有効製品の厚さは85mm、見掛け密度
0.05g/cm3、連続気泡率100%であった。
実施例5 高密度ポリエチレン(商品名ユカロンHDJY20−8)10
0重量部に対しジクミルパーオキサイド0.2重量部を加
え、タンブラーで混合した後、実施例2と同じ押出機及
び押出条件にて厚さ1mmのシートを得、160℃に加熱され
たプレスの熱盤間に挾んで30分間加熱し、架橋シートを
得た。
次に、上記架橋シートを用いる以外は実施例3と同じ
方法及び条件で発泡体を製造した。得られた連通後の表
皮付発泡体の厚さは90〜95mmであり、表皮を除いた有効
製品の厚さは85mm、見掛け密度0.05g/cm3、連続気泡率1
00%であった。
実施例6 エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名エバフレック
スP1403)100重量部に対しアゾジカルボンアミド(商品
名ビニホールAC#50S)18重量部、ジクミルパーオキサ
イド0.2重量部を加え、タンブラーで混合した後、実施
例1と同じ押出機、押出条件にて厚さ1mmのシートを
得、160℃に加熱されたプレスの熱盤間に挾んで30分間
加熱し、架橋シートを得た。
次に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名エバフ
レックスP1403)100重量部、アゾジカルボンアミド(商
品名ビニホールAC#50S)18重量部、亜鉛華0.2重量部、
ジクミルパーオキサイド0.5重量部、重質炭酸カルシウ
ム15重量部からなる組成物を85℃のミキシングロールに
て練和し、135℃に加熱されたプレス内の金型(340×17
0×29mm)に、上記練和物の上面及び下面に前記架橋シ
ート(360×190mm)を各々配置した状態で充填し、30分
間加圧下で加熱し、前記架橋シートによって被覆された
発泡性架橋性シートを整形した。該発泡性架橋性シート
のゲル分率は0であった。
次いで、得られた発泡性架橋性シートを170℃に加熱
されている気密でない開閉式の金型(1000×500×100m
m)に入れ、ジャケット式により、170℃の蒸気で60分間
加熱し、冷却後取り出し、発泡体を得た。
得られた発泡体を実施例1と同じ方法にて気泡の連通
化を行なった。得られた連通後の表皮付発泡体の厚さは
90〜95mmであり、発泡後の前記架橋被覆シートの厚さは
0.5〜1mmであった。表皮を除いた有効製品の厚さは85m
m、見掛け密度0.03g/cm3、連続気泡率100%であった。
比較例3 実施例6において、練和物の上下面に架橋シートを配
置することなく、同じ発泡条件によって発泡させたとこ
ろ、発泡が速すぎて発泡体表面に割れが生じ、満足な発
泡体が得られなかった。
比較例4 エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名エバフレック
スP1403)100重量部、アゾジカルボンアミド17重量部、
亜鉛華0.05重量部、ジクミルパーオキサイド0.7重量部
からなる組成物を85℃のミキシングロールにて練和し、
125℃に加熱されたプレス内の金型(340×170×29mm)
に上記練和物を充填し、30分間加圧下で加熱し、発泡性
架橋性シートを整形した。該発泡性架橋性シートのゲル
分率は0であった。
次いで、得られた発泡性架橋性シートを160℃に加熱
された気密でない開閉式の金型(1000×500×100mm)に
入れ、ジャケット式により、160℃の蒸気で130分間加熱
し、冷却後取り出し、発泡体を得た。
得られた発泡体を実施例1と同じ方法にて気泡の連通
化を行なった。得られた連通後の表皮付発泡体の厚さは
90〜95mmであったが、表皮付近の内部に発泡の不均一な
硬い部分があったため、製品として使える有効厚みは80
mmしかなかった。見掛け密度は0.03g/cm3、連続気泡率
は100%であった。
実施例7 エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名エバフレック
スP1403)100重量部に対しアゾジカルボンアミド(商品
名ビニホールAC#50S)18重量部、ジクミルパーオキサ
イド0.6重量部、亜鉛華0.1重量部を加え、タンブラーで
混合した後、実施例1と同じ押出機、押出条件にて厚さ
1mmのシートを得た。
次に、上記のようにして得られたシートにより被覆す
る以外は実施例6と同じ方法及び条件で発泡体を製造し
た。得られた連通後の表皮付発泡体の厚さは90〜95mmで
あり、表皮を除いた有効製品の厚さは85mm、見掛け密度
0.03g/cm3、連続気泡率100%であった。
実施例8 低密度ポリエチレン(商品名ユカロンYF−30)100重
量部に対しアゾジカルボンアミド(商品名ビニホールAC
#50S)18重量部、ジクミルパーオキサイド0.2重量部を
加え、タンブラーで混合した後、実施例1と同じ押出
機、押出条件にて厚さ1mmのシートを得、160℃に加熱さ
れたプレスの熱盤間に挾んで30分間加熱し、架橋シート
を得た。
次に、上記のようにして得られた架橋シートにより被
覆する以外は実施例6と同じ方法及び条件で発泡体を製
造した。得られた連通後の表皮付発泡体の厚さは90〜95
mmであり、表皮を除いた有効製品の厚さは85mm、見掛け
密度0.03g/cm3、連続気泡率100%であった。
実施例9 エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名エバフレック
スP1403)100重量部に対しアゾジカルボンアミド(商品
名ビニホールAC#50S)18重量部を加え、タンブラーで
混合した後、実施例1と同じ押出機、押出条件にて厚さ
1mmのシートを得た。得られたシートに7Mradの電子線を
照射して架橋させた。
このようにして得られた架橋シートにより被覆する以
外は実施例6と同じ方法及び条件で発泡体を製造したと
ころ、全く同じ連続気泡体が得られた。
上記各実施例及び各比較例の製造条件及び結果をまと
めて表−1に示す。
〔発明の効果〕 以上のように、本発明の方法によれば、ポリオレフィ
ン系発泡性架橋性組成物をプラスチックシートで被覆し
た状態で加熱発泡を行なうものであるため、金型内面で
のすべりがよく、比較的急激な発泡でも気泡体に亀裂が
生じにくく、また無発泡の表皮層部分も薄くなり、材料
効率よくかつ生産効率よく連続気泡体を製造できる。そ
の結果、小規模の発泡設備で高い生産量を得ることがで
きる。従って、架橋ポリオレフィン連続気泡体が安価に
得られ、クッション材、パッキン材、フィルター、保温
材、塗布材等の用途に好適に用いることができる。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィンに発泡剤及び架橋剤を添加
    した発泡性架橋性組成物を気密でない金型中で加熱発泡
    させて気泡体を生成させ、次いで機械的変形を加えて気
    泡を連通化させる架橋ポリオレフィン連続気泡体の製造
    方法において、上記発泡性架橋性組成物の少なくとも一
    部をプラスチックシートで被覆した状態で加熱発泡を行
    なうことを特徴とする架橋ポリオレフィン連続気泡体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】発泡性架橋性組成物の少なくとも一部をプ
    ラスチックシートで被覆した状態で加熱整形してプラス
    チックシートを整形された上記組成物に熱融着させ、次
    いでこの状態で加熱発泡を行なうことを特徴とする請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】発泡性架橋性組成物の上面及び下面をプラ
    スチックシートで被覆せしめることを特徴とする請求項
    1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】架橋剤が添加されているプラスチックシー
    トを用いる請求項1,2又は3記載の方法。
  5. 【請求項5】発泡剤及び架橋剤が添加されているプラス
    チックシートを用いる請求項1,2又は3記載の方法。
  6. 【請求項6】プラスチックシートが架橋シートである請
    求項1,2又は3記載の方法。
  7. 【請求項7】プラスチックシートが発泡剤を添加した架
    橋シートである請求項1,2又は3記載の方法。
  8. 【請求項8】プラスチックシートがポリオレフィンシー
    トである請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】プラスチックシートがエチレン系樹脂シー
    トである請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
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