JP3225316B2 - 架橋性ポリオレフィン連続気泡体の製造方法 - Google Patents

架橋性ポリオレフィン連続気泡体の製造方法

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JP3225316B2
JP3225316B2 JP21934991A JP21934991A JP3225316B2 JP 3225316 B2 JP3225316 B2 JP 3225316B2 JP 21934991 A JP21934991 A JP 21934991A JP 21934991 A JP21934991 A JP 21934991A JP 3225316 B2 JP3225316 B2 JP 3225316B2
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foam
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ethylene
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋ポリオレフィン連
続気泡体、特にはエチレン−酢酸ビニルを含む架橋樹脂
連続気泡体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、架橋ポリオレフィン連続気泡体の
製造方法としては、密閉金型中加圧下で発泡性架橋性ポ
リオレフィン組成物中の発泡剤と架橋剤を部分的に分解
させ、常圧下で残存する発泡剤と架橋剤を分解させて独
立気泡体を得、次いで得られた独立気泡体を圧縮して独
立気泡を破壊する方法が提案されていた(特公昭59−
23545号及び特開昭56−146732号参照)。
しかし、このような方法では、加圧された密閉金型中に
おいて加熱により発泡剤及び架橋剤の分解が行なわれ、
架橋反応は生じているが気泡の形成は行なわれておら
ず、除圧時に初めて発泡することになる。すなわち、ま
ず架橋反応を生ぜしめ、しかる後に発泡を行なわせる方
法を採用しており、独立気泡体の製造段階においていわ
ゆる先架橋が行なわれているため、気泡膜が強靭なもの
となり、従って、独立気泡の連通化が困難であり、連続
気泡率100%又は100%に近い気泡体を得ることが
できなかった。
【0003】上記問題を解決するため、本出願人は、発
泡性架橋性ポリオレフィン組成物を所望の形状に加熱整
形した後、常圧下にて加熱して架橋剤及び発泡剤を同時
進行的に分解させて気泡体を生成させ、次いで機械的変
形を加えて気泡を連通化させる方法を開発した(特公昭
62−19294号、特公平1−44499号参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した本出願人の方
法によれば、100%又は100%に近い連続気泡率を
有する架橋ポリオレフィン連続気泡体を得ることができ
る。しかしながら、この方法は架橋していない整形物を
常圧下、すなわち気密でない金型中で加熱発泡させるも
のであるため、急激に発泡させると、発泡段階の組成物
と金型内面との摩擦によって、得られる気泡体に亀裂が
生じてしまう。従って、このような問題を解消するため
には、例えば厚物の連続気泡体の製造においては100
分以上かけてマイルドに加熱発泡しなければならない。
その結果、生産効率が悪く、また、長時間にわたる加熱
によって無発泡の表皮層及び表皮付近の発泡の不均一な
部分が厚くなり、この部分を削除する必要があるため、
材料効率が悪いなどの欠点があった。
【0005】従って、本発明の目的は、前記したような
従来の方法の欠点を解消し、生産効率及び材料効率に優
れた架橋ポリオレフィン連続気泡体の製造方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記目
的を達成するため、(A)基材がエチレン−酢酸ビニル
共重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体と他のオレ
フィン系樹脂との混合物であって、発泡剤、架橋剤を含
む発泡性架橋性樹脂組成物を加圧下で加熱整形する整形
工程、(B)上記発泡性架橋性樹脂組成物の表面を加熱
し、該組成物の表面部分をゲル分率0.5〜30%の状
態に部分的に架橋させる表面部分加熱工程、(C)上記
表面部分加熱工程で得られた発泡性架橋性樹脂組成物に
マイクロ波を照射して該組成物の内部から加熱し、架橋
剤及び発泡剤を部分的に分解せしめるマイクロ波加熱工
程、(D)上記マイクロ波加熱工程で得られた発泡性架
橋性樹脂組成物を常圧下で外部より加熱し、残りの架橋
剤及び発泡剤を分解させ、機械的変形を加えることによ
り容易に破壊し得る気泡膜を有する気泡体を得る常圧加
熱工程、及び(E)得られた気泡体に機械的変形を加え
て気泡を連通させる連通化工程からなることを特徴とす
るエチレン−酢酸ビニル共重合体を含む架橋樹脂連続気
泡体の製造方法が提供される。
【0007】また、本発明によれば、前記マイクロ波加
熱工程において、発泡性架橋性樹脂組成物を最大膨張方
向の線膨張率で1.0〜3.0倍まで発泡させることを
特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合体を含む架橋樹
脂連続気泡体の製造方法が提供される。
【0008】
【発明の作用及び効果】すなわち、本発明の方法は、発
泡性架橋性ポリオレフィン組成物にマイクロ波を照射
し、該組成物を内部から加熱して発泡剤及び架橋剤を励
起状態にし、発泡、架橋を部分的に同時進行的に進行さ
せた後、常圧下で外部から加熱することによって該発泡
性架橋性組成物の発泡剤、架橋剤の分解がスムーズに且
つ短時間に行えることを基本的特徴とする。
【0009】従来からマイクロ波による加熱をプラスチ
ックの発泡に利用することは知られており、例えば特開
昭63−35319号公報及び特開昭63−74629
号公報に記載されている。しかしながら、これらはいず
れもマイクロ波加熱によって発泡開始から終了に至るま
で加熱発泡を行なうものであり、またいずれも独立気泡
体に関する技術である。このように、マイクロ波を用い
る加熱方法だけで発泡性架橋性組成物を加熱すると、該
発泡性架橋性組成物の中心部の温度が上昇し、発泡、架
橋が速く進行する。しかし、逆に、外側部分の発泡、架
橋が遅れ、全体的に均一微細な気泡を有する発泡体は得
られない。また、外側付近の発泡剤、架橋剤を分解する
には長時間のマイクロ波の照射が必要である。
【0010】このため、本発明では、マイクロ波を用い
て発泡性架橋性組成物を内部から加熱するが、マイクロ
波による加熱は中心部分の架橋剤及び発泡剤を励起する
程度で止め、次いで常圧下で外部より加熱を行い、残り
の架橋剤、発泡剤を分解せしめる方法を用いる。すなわ
ち、発泡剤は分解する時の分解熱により連鎖反応的に分
解する傾向があり、マイクロ波加熱のみによって発泡を
行なった場合、前記したように発泡性架橋性組成物の中
心部と外側部分とで発泡、架橋の進行速度に相違が生ず
る。このため、本発明では、マイクロ波による加熱は架
橋剤及び発泡剤を励起する程度の部分的分解を生ずる範
囲に止め、その後外的加熱手段によって外部より加熱
し、発泡性架橋性組成物の外側部分の発泡、架橋速度を
早めると共に、全体的な発泡、架橋を促進するものであ
る。これによって、後工程の外部よりの加熱時間が大幅
に短縮されると共に、得られる気泡体も中心部分と外側
部分の気泡径が均一となり、物性も安定する。また、前
記マイクロ波加熱及び外部加熱の二段加熱によって架
橋、発泡を行なうものであるため、架橋剤及び発泡剤が
同時進行的に分解され、機械的変形を加えることによっ
て容易に連通化し得る気泡膜を有する気泡体が得られ
る。従って、均一な物性を有する厚物の架橋ポリオレフ
ィン連続気泡体を極めて生産性よく製造することができ
る。
【0011】より具体的には本発明では、前記マイクロ
波加熱に先だって発泡性架橋性ポリオレフィン組成物の
表面を加熱し、該組成物の表面部分をゲル分率0.5〜
30%の状態に部分的に架橋させる。すなわち、発泡性
架橋性組成物の表面を加熱し、該発泡性架橋性組成物の
表面の発泡剤、架橋剤を若干分解せしめ、次いでマイク
ロ波を照射し内部からの加熱を行い、最後に再び外部か
ら加熱を行うことを特徴とする。このように、マイクロ
波加熱に先だって表皮付近の架橋、発泡を行うことによ
り、後工程におけるガス抜けを防止できると共に、表皮
付近の発泡剤、架橋剤の未分解(分解残り)を防止する
ことができ、表皮(スキン)が薄、高発泡の良好な品
質の架橋ポリオレフィン連続気泡体を極めて高い歩留り
で製造することができる。
【0012】
【発明の態様】以下、特許請求の範囲を構成する本発明
に係る架橋ポリオレフィン連続気泡体の製造方法と、特
許請求の範囲を構成しない参考例に関わる方法としての
架橋ポリオレフィン連続気泡体の製造方法について具体
的に説明する。まず、ポリオレフィンに発泡剤、架橋
剤、及び必要に応じて発泡助剤、充填剤、顔料等を添加
し、これを加熱したミキシングロール等によって練和す
る。ポリオレフィンとしては、特にエチレン系樹脂は伸
びに優れており、発泡倍率20倍以上の架橋ポリオレフ
ィン連続気泡体の製造において特に好ましい。上記エチ
レン系樹脂としては、エチレンを主成分とする単独重合
体及び共重合体であり、例えば高圧法ポリエチレン、低
圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルエステ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸アルキル共重合体、
エチレン−プロピレン系共重合体、エチレン−α−オレ
フィン系共重合体及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はエ
チレン−酢酸ビニル共重合体と上記他のオレフィン系樹
脂との混合物が好適である。すなわち、樹脂の単体又は
混合物に酢酸ビニルが含有されていることが好ましく、
酢酸ビニルの含有量は好ましくは0.1〜50%、特に
好ましくは0.5〜30%である。
【0013】架橋剤としては、例えばジクミルパーオキ
サイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、2,5−
ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキシ
ン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプ
ロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシケトン、t−ブ
チルパーオキシベンゾエートなどの有機過酸化物が、ま
た発泡剤としては各種の化学発泡剤、例えばアゾ系化合
物のアゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシ
レート等;ニトロソ系化合物のジニトロソペンタメチレ
ンテトラミン、トリニトロソトリメチルトリアミン等;
ヒドラジッド系化合物のp,p′−オキシビスベンゼン
スルホニルヒドラジッド等;スルホニルセミカルバジッ
ド系化合物のp,p′−オキシビスベンゼンスルホニル
セミカルバジッド、トルエンスルホニルセミカルバジッ
ド等、などが好適に使用できるが、これらに限定される
ものではない。
【0014】さらに、必要に応じて添加する発泡助剤と
しては、尿素を主成分とした化合物、塩基性炭酸亜鉛、
酸化亜鉛、酸化鉛等の金属化合物、サリチル酸、ステア
リン酸等を主成分とする化合物、即ち高級脂肪酸あるい
は高級脂肪酸の金属化合物などがある。さらに、使用す
る組成物の物性の改良あるいは価格の低下を目的とし
て、架橋結合に著しい悪影響を与えない配合剤(充填
剤)、例えばカーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素等
の金属酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の
炭酸塩、あるいはパルプ等の繊維物質、または各種染
料、顔料並びに螢光物質、その他常用のゴム配合剤等を
必要に応じて添加することができる。
【0015】次いで、上記のように練和して得られた発
泡性架橋性ポリオレフィン組成物を金型に仕込み、プレ
スにて加圧下で樹脂及び架橋剤の種類に応じて115〜
155℃、好ましくは120〜140℃において加熱整
形する。この加熱整形工程において、発泡性架橋性組成
物をゲル分率ゼロの状態に維持して整形することが、連
続気泡率100%又は100%に近い連続気泡体を得る
条件である。なお、この加熱整形工程において、非常に
微量の発泡剤が初期分解を生じ、整形品を金型から取り
出した場合に2倍程度まで膨張しうるが、これは発泡と
いう概念からは程遠く、本発明にとって何ら差し支えな
い。
【0016】本発明の参考例に関わる方法では、上記の
ようにして整形された発泡性架橋性組成物を、次いで、
マイクロ波照射装置に入れ、マイクロ波を照射する。マ
イクロ波は2450MHz(波長12.3cm)が汎用
されているが特に限定されず、1〜50cmの範囲内の
波長のものを用いることができる。発泡性架橋性組成物
にマイクロ波を照射する度合いは、マイクロ波加熱直後
の発泡性架橋性組成物の最大膨張方向の線膨張率で、好
ましくは1.0〜3.0倍、特に好ましくは1.1〜
2.0倍である。ここで線膨張率とは、発泡性架橋性組
成物の寸法の変化率をいい、一般に厚み方向の膨張が最
も大きいので通常は厚み方向の線膨張率を上記範囲に規
制すればよい。マイクロ波による加熱時間は、好ましく
は1〜40分、特に好ましくは2〜30分である。マイ
クロ波による加熱で、発泡性架橋性組成物の最大膨張方
向の線膨張率が3倍を越えると発泡性架橋性組成物の中
心部での架橋、発泡が進行し過ぎ、逆に外側の発泡が遅
れて均一な気泡の気泡体が得られない。しかしながら、
マイクロ波による加熱が不足すると、発泡性架橋性組成
物を、常圧下で外部より加熱しても、中心部に熱が伝わ
るのに時間がかかり、長時間加熱により気泡がつぶされ
た無発泡部分の表皮層が厚くなる。
【0017】このように中心部分が適度に加熱された発
泡性架橋性組成物は、次いで、常圧下にて加熱すること
によって、架橋剤及び発泡剤の分解を同時進行的に行な
わしめられる。この発泡・架橋工程は、例えば整形され
たポリオレフィン組成物を所望の断面形状、寸法を有す
る気密でない、即ち密閉されていない金型中に入れ、該
金型の金属板を外部から加熱することによって上記組成
物を間接的に加熱せしめる。間接的に加熱せしめる方法
としては、例えば金属板外表面にヒーターを密着させて
加熱するか、あるいは金属板に熱媒の流路を設け、ジャ
ケット方式で蒸気、加熱オイル等によって加熱する方法
がある。あるいは、整形されたポリオレフィン組成物を
気密でない開閉式の金型に入れ、ローゼ合金、ウッド合
金等を用いるメタルバスやオイルバス中、硝酸ナトリウ
ム、硝酸カリウム、亜硝酸カリウム等の塩の1種又は2
種以上の溶融塩を用いる塩浴中、もしくは窒素気流中
で、あるいは伸長(ないし拡張)可能な鉄板等により覆
われた状態で直接加熱せしめる。所定時間加熱した後、
冷却して気泡体を得る。加熱温度は、使用するポリオレ
フィンの種類に応じて140〜210℃、好ましくは1
60〜190℃の範囲に設定する。加熱時間は、好まし
くは1〜60分、さらに好ましくは5〜20分である。
【0018】一方、本発明の方法においては、まず発泡
性架橋性組成物をプレスにて加圧下で整形せしめ、次い
で該発泡性架橋性組成物の表面を加熱する。加熱手段と
しては、加熱された金属面を該発泡性架橋性組成物に接
触させる方法、またはオーブン等の加温箱に入れて加熱
する方法等が挙げられる。加熱温度は、155〜200
℃、特に好ましくは170〜190℃で、加熱時間は3
〜30分、特に好ましくは5〜20分である。発泡性架
橋性組成物の表面を加熱する度合いは、ゲル分率で0.
5〜30%、特に好ましくは2〜20%である。ここで
ゲル分率の測定方法には、表面を加熱された発泡性架橋
性組成物の表面層約1mmの部分をサンプルとして用い
た。そして、ゲル分率とは200メッシュの金網の中に
サンプルを入れ、ソックスレー抽出器により溶媒トリク
ロルエチレン還流下で24時間抽出を行って測定した抽
出前サンプルと抽出後サンプルの重量の比である。この
ように表面が加熱された発泡性架橋性組成物は、次いで
参考例の方法と同様に、マイクロ波照射装置に入れてマ
イクロ波を照射し、次いで該発泡性架橋性組成物を常圧
下で外部から加熱した後、冷却して気泡体を得る。マイ
クロ波加熱及び常圧下加熱の条件は参考例の方法と同様
である。
【0019】このようにして、機械的変形を与えること
によって容易に破壊しうる気泡膜を有し、かつ従来の気
泡体と同程度の架橋度(ゲル分率95%程度まで)を有
する気泡体が得られる。以上のようにして得られた気泡
体(いわゆる独立気泡体)は、次いで例えば等速二本ロ
ール等により圧縮変形を加えることによって気泡膜は破
壊され、気泡が連通化されて連続気泡体が得られる。等
速二本ロールの前及び/又は後に無数の小さい針を設け
たロールを配置して、該気泡体の表面に無数の小孔を開
けることによって、気泡の連通化を促進させることがで
きる。この方法によって、Remington Par
iser法に基づいて測定した連続気泡率で100%又
は100%に近い連続気泡体が得られる。
【0020】
【実 施 例】以下に実施例及び参考例を挙げて本発明
についてさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施
例により何ら限定されるものではない。
【0021】参考例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名ユカロンEVA
−41H、酢酸ビニル含有率16重量%、三菱油化
(株)製)100重量部、アゾジカルボンアミド17重
量部、ジクミルパーオキサイド1.0重量部、亜鉛華
0.3重量部からなる組成物をミキシングロールにて練
和し、120℃に加熱されたプレス内の金型(180×
180×40mm)に上記練和物を充填し、30分間加
圧下(50kg/cm)で加熱、整形した。次いで電
子レンジ(シャープ株式会社製)に該整形物を入れ、マ
イクロ波(周波数2450MHz、出力700W)を5
分間照射して、内部より加熱し架橋剤、発泡剤を部分的
に分解した。該発泡性架橋性組成物の厚さ方向の線膨張
率は約1.3倍であった。さらに、該一次発泡体を既に
170℃に加熱されている気密でない開閉式の金型(5
00×500×100mm)(上下及び側壁の金属板の
外面にスチーム流路用のパイプを配設した金型)に入
れ、ジャケット式により170℃の蒸気で30分間加熱
し、冷却後取り出し、発泡体(500×500×100
mm)を得た。得られた発泡体をロール間隔8mmに設
定した等速ロールの間を3回通過させて気泡膜を破壊さ
せ、気泡の連通化を行った。得られた発泡体はサイズが
500×500×95mmで中心部分と表皮部分の気泡
が均一であり、また、見掛け密度0.03g/cm
連続気泡率100%であった。
【0022】比較例1参考 例1において、マイクロ波を照射しない以外は、同
一の組成物を用い、実施例1と同一条件で全く同様に行
ったが、得られた発泡体は、中心部まで熱が伝わってお
らず中心部の発泡剤は未分解であった。また、ジャケッ
ト式蒸気加熱のみで発泡剤及び架橋剤を完全に分解させ
るためには120分間を要した。
【0023】参考例2〜3 実施例1におけるマイクロ波の照射条件を表1に示すよ
うに変える以外は、全て参考例1と同一条件で、全く同
様にして連続気泡体を得た。いずれの場合も連続気泡率
100%の完全なる連続気泡体が得られた。なお、発泡
性架橋性組成物のマイクロ波による加熱での厚さ方向の
線膨張率は1.75倍(参考例2)、1.5倍(参考
3)であった。
【0024】参考例4 エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名ユカロンEVA
−41H、酢酸ビニル含有率16重量%、三菱油化
(株)製)5重量部と低密度ポリエチレン(商品名ユカ
ロンYF−30、MFR1.0g/10分、密度0.9
2g/cm、三菱油化(株)製)95重量部、アゾジ
カルボンアミド17重量部、ジクミルパーオキサイド
1.0重量部、亜鉛華0.3重量部からなる組成物をミ
キシングロールにて練和し、130℃に加熱されたプレ
ス内の金型(180×180×40mm)に上記練和物
を充填し、30分間加圧下で加熱、整形した。次いで電
子レンジ(シャープ株式会社製)に該整形物を入れ、マ
イクロ波(周波数2450MHz、出力700W)を1
0分間照射して、内部より加熱し架橋剤、発泡剤を部分
的に分解した。該発泡性架橋性組成物の厚さ方向の線膨
張率は約1.2倍であった。さらに、該一次発泡体を既
に170℃に加熱されている気密でない開閉式の実施例
1で用いたものと同じ金型(500×500×100m
m)に入れ、ジャケット式により170℃の蒸気で40
分間加熱し、冷却後取り出し、発泡体(500×500
×100mm)を得た。得られた発泡体をロール間隔8
mmに設定した等速ロールの間を3回通過させて気泡膜
を破壊させ、気泡の連通化を行った。得られた発泡体は
サイズが500×500×90mmで、気泡は中心部分
と表皮部分との差が見られず均一であり、見掛け密度
0.03g/cmであった。
【0025】実施例 エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名ユカロンEVA
−41H、酢酸ビニル含有率16重量%、三菱油化
(株)製)100重量部、アゾジカルボンアミド17重
量部、ジクミルパーオキサイド1.0重量部、亜鉛華
0.3重量部からなる組成物をミキシングロールにて練
和し、120℃に加熱されたプレス内の金型(180×
180×40mm)に上記練和物を充填し、30分間加
圧下で加熱、整形した。得られた整形物を180℃に予
熱されたオーブンに入れ10分間加熱した。得られた整
形物の表面のゲル分率は、4%であった。次いで電子レ
ンジ(シャープ株式会社製)に該整形物を入れ、マイク
ロ波(周波数2450MHz、出力700W)を3分間
照射して、内部より加熱し架橋剤、発泡剤を部分的に分
解した。該発泡性架橋性組成物の厚さ方向の線膨張率は
約1.2倍であった。さらに、該一次発泡体を既に17
0℃に加熱されている前記気密でない開閉式の金型(5
00×500×100mm)に入れ、ジャケット式によ
り170℃の蒸気で10分間加熱し、冷却後取り出し、
発泡体(500×500×100mm)を得た。得られ
た発泡体をロール間隔8mmに設定した等速ロールの間
を3回通過させて気泡膜を破壊させ、気泡の連通化を行
った。得られた発泡体はサイズが500×500×95
mmで、気泡は中心部分と表皮部分との差が見られず均
一であり、見掛け密度0.03g/cm、連続気泡率
100%であった。
【0026】前記参考例1〜4、実施例1及び比較例1
における製造条件及び得られた架橋ポリオレフィン連続
気泡体の性状を表1にまとめて示す。
【表1】 表1から明らかなように、参考例では、マイクロ波加熱
と通常の常圧加熱を併用することにより、常圧加熱の加
熱時間を大幅に短縮することができた。また、実施例
では、マイクロ波加熱に先だって発泡性架橋性組成物の
整形物の表面を予め加熱することにより、この表面加熱
(オーブン加熱)と常圧加熱の合計加熱時間でも参考
1〜4の常圧加熱時間よりも短縮でき、また表皮も極め
て薄い製品が得られた。
【0027】参考例5 低密度ポリエチレン(商品名ユカロンYF−30、MF
R1.0g/10分、密度0.92g/cm、三菱油
化(株)製)とエチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名
ユカロンEVA−41H、酢酸ビニル含有率16重量
%、三菱油化(株)製)とを表2に示す種々の割合で混
合したものに、アゾジカルボンアミド17重量部、ジク
ミルパーオキサイド1.0重量部及び亜鉛華0.3重量
部を配合してなる組成物をミキシングロールにて練和
し、130℃に加熱されたプレス内の金型(180×1
80×40mm)に上記練和物を充填し、30分間加圧
下で加熱、整形した。次いで電子レンジ(シャープ株式
会社製)に該整形物を入れ、マイクロ波(周波数245
0MHz、出力700W)を20分間照射した。該発泡
性架橋性組成物の厚さ方向の線膨張率は約1.0倍であ
った。さらに、該一次発泡体を既に170℃に加熱され
ている前記気密でない開閉式の金型(500×500×
100mm)に入れ、ジャケット式により170℃の蒸
気で30分間(ポリオレフィンとして低密度ポリエチレ
ンのみを用いた場合は80分間)加熱し、冷却後取り出
し、発泡体(500×500×100mm)を得た。得
られた発泡体をロール間隔8mmに設定した等速ロール
の間を3回通過させて気泡膜を破壊させ、気泡の連通化
を行った。得られた発泡体はサイズが500×500×
90mmで、見掛け密度0.03g/cm であった。
【0028】次いで、上記のようにして得られた各架橋
ポリオレフィン連続気泡体について圧縮永久歪を測定し
た。試験は、長さ50mm、幅50mm、厚さ25mm
の直方体に切断した試料を、その中央部の厚みを測定し
た後、2枚の平行な圧縮板の間にはさみ、初めの厚さの
50%圧縮し、その状態に固定して22時間放置し、そ
の後、試料を圧縮板から取り外し、24時間放置した
後、前と同じ箇所の厚さを測定した。次式により、圧縮
永久歪C(%)を算出した。 C=(t−t)/t×100 各試料について計3回の圧縮永久歪の測定結果の平均値
を表2に示す。
【表2】 上記表2に示す結果から、樹脂100重量%当たりの酢
酸ビニル含有量が3%以上になるようにエチレン−酢酸
ビニル共重合体を混合することにより連続気泡体の弾
性、風合等の物性の良好な製品が得られる。また、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体の配合比率が低いと、マイク
ロ波を照射しても自己発熱が生じにくく、内部からの加
熱が困難である為、常圧加熱の加熱時間を長くする必要
がある。加熱時間の点だけから見れば、エチレン−酢酸
ビニル共重合体の配合比率は5重量%以上であることが
望ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−37145(JP,A) 特公 昭62−19294(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 67/20 B29C 44/00 - 44/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)基材がエチレン−酢酸ビニル共重
    合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体と他のオレフィ
    ン系樹脂との混合物であって、発泡剤、架橋剤を含む発
    泡性架橋性樹脂組成物を加圧下で加熱整形する整形工
    程、(B)上記発泡性架橋性樹脂組成物の表面を加熱
    し、該組成物の表面部分をゲル分率0.5〜30%の状
    態に部分的に架橋させる表面部分加熱工程、(C)上記
    表面部分加熱工程で得られた発泡性架橋性樹脂組成物に
    マイクロ波を照射して該組成物の内部から加熱し、架橋
    剤及び発泡剤を部分的に分解せしめるマイクロ波加熱工
    程、(D)上記マイクロ波加熱工程で得られた発泡性架
    橋性樹脂組成物を常圧下で外部より加熱し、残りの架橋
    剤及び発泡剤を分解させ、機械的変形を加えることによ
    り容易に破壊し得る気泡膜を有する気泡体を得る常圧加
    熱工程、及び(E)得られた気泡体に機械的変形を加え
    て気泡を連通させる連通化工程からなることを特徴とす
    エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む架橋樹脂連続気
    泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記マイクロ波加熱工程において、発泡
    性架橋性樹脂組成物を最大膨張方向の線膨張率で1.0
    〜3.0倍まで発泡させることを特徴とする請求項1に
    記載の製造方法。
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