JPH0639855A - 2段発泡成形方法及びその装置 - Google Patents
2段発泡成形方法及びその装置Info
- Publication number
- JPH0639855A JPH0639855A JP4199537A JP19953792A JPH0639855A JP H0639855 A JPH0639855 A JP H0639855A JP 4199537 A JP4199537 A JP 4199537A JP 19953792 A JP19953792 A JP 19953792A JP H0639855 A JPH0639855 A JP H0639855A
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- JP
- Japan
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- foam
- mold
- foaming
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- final
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- Pending
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- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、一次発泡金型と二次発泡金型の内
容積、寸法の関係を一定の範囲内に規制することによ
り、発泡体内部に残存する歪を無くする等とした2段発
泡成形方法及びその装置を提供することを目的とする。 【構成】 まず、第1段の工程では、発泡体材料に発泡
剤等を添加した後これを混練し、次いで、この混練物を
金型に充填し、これを所定の加圧下にて密閉し、所定温
度下で所定時間加熱し、発泡剤の一部及び架橋剤の一部
を分解させ、高温熱時に除圧して中間発泡体を該一次発
泡金型より取り出す。続く第2段の工程では、二次発泡
金型内を、所定の温度に上げた後に、高温状態の前記中
間発泡体を装填し、低密度で物性の均一な最終発泡体を
得る。ここで、一次発泡金型と二次発泡金型の寸法比、
換言すれば中間発泡体と最終発泡体との間の膨張比を、
発泡倍率の倍数Kの立方根又は該倍数Kの近傍の範囲と
する。
容積、寸法の関係を一定の範囲内に規制することによ
り、発泡体内部に残存する歪を無くする等とした2段発
泡成形方法及びその装置を提供することを目的とする。 【構成】 まず、第1段の工程では、発泡体材料に発泡
剤等を添加した後これを混練し、次いで、この混練物を
金型に充填し、これを所定の加圧下にて密閉し、所定温
度下で所定時間加熱し、発泡剤の一部及び架橋剤の一部
を分解させ、高温熱時に除圧して中間発泡体を該一次発
泡金型より取り出す。続く第2段の工程では、二次発泡
金型内を、所定の温度に上げた後に、高温状態の前記中
間発泡体を装填し、低密度で物性の均一な最終発泡体を
得る。ここで、一次発泡金型と二次発泡金型の寸法比、
換言すれば中間発泡体と最終発泡体との間の膨張比を、
発泡倍率の倍数Kの立方根又は該倍数Kの近傍の範囲と
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる2段発泡の手
法を用い、均一で微細な独立気泡構造を有しており、か
つ、均一な肉厚(例えば100mm)に成形された発泡
体製品を得るための発泡成形方法及びその装置に関する
ものである。
法を用い、均一で微細な独立気泡構造を有しており、か
つ、均一な肉厚(例えば100mm)に成形された発泡
体製品を得るための発泡成形方法及びその装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の架橋発泡の手法として
は、例えば特公平2ー42649号公報に記載されるよ
うなものが知られている。これによると、ポリオレフィ
ン系樹脂に発泡剤、架橋剤を配合して一次発泡金型内に
充填し、これを一定時間の間加圧加熱状態にし、40〜
85%の発泡剤が未分解のまま残存するようにし、その
後除圧して高温状態の中間発泡体を得る段階を第1段の
工程とし、該第1段の工程で得られた中間発泡体を、密
閉されてはいないが箱状の金属板から成る二次発泡金型
に挿入し、該二次発泡金型の金属板を外部から加熱する
ことにより低密度の発泡ポリエチレン樹脂を得る段階を
第2段の工程とする手法が開示されている。
は、例えば特公平2ー42649号公報に記載されるよ
うなものが知られている。これによると、ポリオレフィ
ン系樹脂に発泡剤、架橋剤を配合して一次発泡金型内に
充填し、これを一定時間の間加圧加熱状態にし、40〜
85%の発泡剤が未分解のまま残存するようにし、その
後除圧して高温状態の中間発泡体を得る段階を第1段の
工程とし、該第1段の工程で得られた中間発泡体を、密
閉されてはいないが箱状の金属板から成る二次発泡金型
に挿入し、該二次発泡金型の金属板を外部から加熱する
ことにより低密度の発泡ポリエチレン樹脂を得る段階を
第2段の工程とする手法が開示されている。
【0003】この場合、前記第1段の工程にて用いられ
る一次発泡金型と、前記第2段の工程にて用いられる二
次発泡金型との間には、その内容積や寸法についての関
係、あるいは中間発泡体と最終製品との間の膨張比、す
なわち厚み、幅、長さ方向に対する膨張比については何
等規制されていない。
る一次発泡金型と、前記第2段の工程にて用いられる二
次発泡金型との間には、その内容積や寸法についての関
係、あるいは中間発泡体と最終製品との間の膨張比、す
なわち厚み、幅、長さ方向に対する膨張比については何
等規制されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の手法では、一次発泡金型と二次発泡金型との間
には少なくとも形状上における特段の関係を有していな
いので、例えば二次発泡金型内における発泡過程におい
て、所定の方向では発泡時の圧力に対処することができ
ず、最終発泡体に歪や外傷を与えて不良品を発生させ
る。
来技術の手法では、一次発泡金型と二次発泡金型との間
には少なくとも形状上における特段の関係を有していな
いので、例えば二次発泡金型内における発泡過程におい
て、所定の方向では発泡時の圧力に対処することができ
ず、最終発泡体に歪や外傷を与えて不良品を発生させ
る。
【0005】すなわち、従来手法では、製品の経済性の
みが追及される余り、最終発泡体の品質、より具体的に
は発泡時における膨張の際に発生する発泡体内部の歪、
あるいは方向性等が無視されていた。
みが追及される余り、最終発泡体の品質、より具体的に
は発泡時における膨張の際に発生する発泡体内部の歪、
あるいは方向性等が無視されていた。
【0006】本発明は、上記従来技術の課題を解決する
べく、第1段の工程における一次発泡金型と第2段の工
程における二次発泡金型の内容積、寸法の関係を一定の
範囲内に規制することにより、発泡体の膨張比を一定の
範囲に納め、もって発泡体内部に残存する歪を無くし、
所望の寸法、形状で傷、変形のない最終発泡体を得るよ
うにした2段発泡成形方法及びその装置を提供すること
を目的とする。
べく、第1段の工程における一次発泡金型と第2段の工
程における二次発泡金型の内容積、寸法の関係を一定の
範囲内に規制することにより、発泡体の膨張比を一定の
範囲に納め、もって発泡体内部に残存する歪を無くし、
所望の寸法、形状で傷、変形のない最終発泡体を得るよ
うにした2段発泡成形方法及びその装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべ
く、請求項1の発明は、発泡体材料を一次発泡金型内に
充填し、該充填された発泡体材料のうちの発泡剤の一部
が未分解状態の中間発泡体を得る第1段の工程と、該中
間発泡体を二次発泡金型に移して前記未分解の発泡剤を
分解させることにより前記中間発泡体に比べて低密度の
最終発泡体を得る第2段の工程とから成る2段発泡成形
方法において、前記中間発泡体に対する前記最終発泡体
の各方向の膨張比を、前記最終発泡体の発泡倍率の倍数
Kの立方根と同一又は該立方根の近傍の範囲に納めるこ
とを特徴とする。
く、請求項1の発明は、発泡体材料を一次発泡金型内に
充填し、該充填された発泡体材料のうちの発泡剤の一部
が未分解状態の中間発泡体を得る第1段の工程と、該中
間発泡体を二次発泡金型に移して前記未分解の発泡剤を
分解させることにより前記中間発泡体に比べて低密度の
最終発泡体を得る第2段の工程とから成る2段発泡成形
方法において、前記中間発泡体に対する前記最終発泡体
の各方向の膨張比を、前記最終発泡体の発泡倍率の倍数
Kの立方根と同一又は該立方根の近傍の範囲に納めるこ
とを特徴とする。
【0008】請求項2の発明は、発泡体材料を充填して
中間発泡体を得る一次発泡金型と、該一次発泡金型から
取り出された中間発泡体を装填する二次発泡金型と、を
備えた2段発泡成形装置において、前記二次発泡金型か
ら得られる最終発泡体の発泡倍率の倍数をKとすると、
該二次発泡金型は、前記一次発泡金型に対する寸法比が
前記Kの立方根と同一又は該立方根の近傍の範囲に設定
されることを特徴とする。
中間発泡体を得る一次発泡金型と、該一次発泡金型から
取り出された中間発泡体を装填する二次発泡金型と、を
備えた2段発泡成形装置において、前記二次発泡金型か
ら得られる最終発泡体の発泡倍率の倍数をKとすると、
該二次発泡金型は、前記一次発泡金型に対する寸法比が
前記Kの立方根と同一又は該立方根の近傍の範囲に設定
されることを特徴とする。
【0009】
【作用】まず、第1段の工程では、発泡体材料、例えば
ポリオレフィン樹脂材料に発泡剤、発泡助剤、架橋剤、
さらには必要に応じて充填剤、顔料を添加した後これを
混練し、次いで、この混練物を金型に充填し、これを所
定の加圧下にて密閉し、所定温度下で所定時間加熱し、
発泡剤の一部及び架橋剤の一部を分解させ、高温熱時に
除圧して金型より取り出し、未分解の発泡剤の一部(4
0〜80%程度)を残存させた中間発泡体を得る。
ポリオレフィン樹脂材料に発泡剤、発泡助剤、架橋剤、
さらには必要に応じて充填剤、顔料を添加した後これを
混練し、次いで、この混練物を金型に充填し、これを所
定の加圧下にて密閉し、所定温度下で所定時間加熱し、
発泡剤の一部及び架橋剤の一部を分解させ、高温熱時に
除圧して金型より取り出し、未分解の発泡剤の一部(4
0〜80%程度)を残存させた中間発泡体を得る。
【0010】続く第2段の工程では、二次発泡金型内
を、所定の温度に上げた後に、高温状態の前記中間発泡
体を装填し、低密度で物性の均一な最終発泡体を得る。
この場合、一次発泡金型と二次発泡金型の寸法比を、発
泡倍率の倍数Kの立方根又は該立方根を基準としてその
近傍、具体的にはKの略±20%の範囲とする。従っ
て、二次発泡金型内で膨張した中間発泡体は必要以上に
変形されることなく、独立気泡の等方的膨張に対応し
て、等方的に膨張した状態の最終発泡体が得られる。
を、所定の温度に上げた後に、高温状態の前記中間発泡
体を装填し、低密度で物性の均一な最終発泡体を得る。
この場合、一次発泡金型と二次発泡金型の寸法比を、発
泡倍率の倍数Kの立方根又は該立方根を基準としてその
近傍、具体的にはKの略±20%の範囲とする。従っ
て、二次発泡金型内で膨張した中間発泡体は必要以上に
変形されることなく、独立気泡の等方的膨張に対応し
て、等方的に膨張した状態の最終発泡体が得られる。
【0011】
【実施例】以下、具体的な実施例を示して本発明をさら
に詳細に説明する。
に詳細に説明する。
【0012】まず、第1段の工程では、高圧法により製
造された発泡体材料たるポリエチレン樹脂材料、すなわ
ちスミカセンCV2054(MFR2.0、密度0.9
20、VAC含有3%)100重量部を用意し、これに
アゾジカルボンアミド16重量部、酸化亜鉛0.5重量
部、ジクミルパーオキサイド0.8重量部を配合したも
のを用意する。なお、発泡体材料全体の密度は約1.0
0である。
造された発泡体材料たるポリエチレン樹脂材料、すなわ
ちスミカセンCV2054(MFR2.0、密度0.9
20、VAC含有3%)100重量部を用意し、これに
アゾジカルボンアミド16重量部、酸化亜鉛0.5重量
部、ジクミルパーオキサイド0.8重量部を配合したも
のを用意する。なお、発泡体材料全体の密度は約1.0
0である。
【0013】続いて、前記配合した材料をジャケット温
度が95℃の混練機(ニーダー)で混練して配合物を均
一に分散した後、この混練物を圧縮成形機の一次発泡金
型(図示は省略されているが、例えば厚みが40mm、
幅が340mm、長さが670mmであるもの)に充填
し、50Kg/cm2 以上の外圧を付与して該金型を密
閉し、150℃にて40分間加熱し、高温加熱時に前記
外圧を除圧して中間発泡体を得る。該中間発泡体は、厚
さ、幅、長さがいずれも約2倍に膨張する。
度が95℃の混練機(ニーダー)で混練して配合物を均
一に分散した後、この混練物を圧縮成形機の一次発泡金
型(図示は省略されているが、例えば厚みが40mm、
幅が340mm、長さが670mmであるもの)に充填
し、50Kg/cm2 以上の外圧を付与して該金型を密
閉し、150℃にて40分間加熱し、高温加熱時に前記
外圧を除圧して中間発泡体を得る。該中間発泡体は、厚
さ、幅、長さがいずれも約2倍に膨張する。
【0014】第2段の工程では、高温状態の前記中間発
泡体は、上下側が開口され、かつ、予めグリセリンが散
布された二次発泡金型内に直ちに移される。該二次発泡
金型は、構造上特段の規制を必要としないが、発泡時の
発泡圧力に対する耐性を有していればよい。本実施例で
は、上下側が開口された単純フレーム構造の成形枠体か
ら成り、該上下側の開口は、夫々上側加熱板及び下側加
熱板により挟持されるように構成されたものを用い、両
加熱板は所定の駆動手段により駆動、より具体的には、
例えばプレス成形機の上側金型、下側金型を夫々構成す
るようになっている。
泡体は、上下側が開口され、かつ、予めグリセリンが散
布された二次発泡金型内に直ちに移される。該二次発泡
金型は、構造上特段の規制を必要としないが、発泡時の
発泡圧力に対する耐性を有していればよい。本実施例で
は、上下側が開口された単純フレーム構造の成形枠体か
ら成り、該上下側の開口は、夫々上側加熱板及び下側加
熱板により挟持されるように構成されたものを用い、両
加熱板は所定の駆動手段により駆動、より具体的には、
例えばプレス成形機の上側金型、下側金型を夫々構成す
るようになっている。
【0015】さらに、該二次発泡金型の加熱源として
は、塩浴法、ジャケット法、上下面加熱法等いずれの手
段を用いてもよいが、好ましくはジャケット法、上下面
加熱法を採用すべきであり、例えば加熱媒体の圧力、浮
力等の不可避的な要因の影響を受け易いものは除外され
るべきである。
は、塩浴法、ジャケット法、上下面加熱法等いずれの手
段を用いてもよいが、好ましくはジャケット法、上下面
加熱法を採用すべきであり、例えば加熱媒体の圧力、浮
力等の不可避的な要因の影響を受け易いものは除外され
るべきである。
【0016】また、前記一次発泡金型から中間発泡体を
二次発泡金型内に移す際、該二次発泡金型たる成形枠体
は、加熱板の加熱により予め170℃に昇温しておき、
30分間の加熱を行なう。
二次発泡金型内に移す際、該二次発泡金型たる成形枠体
は、加熱板の加熱により予め170℃に昇温しておき、
30分間の加熱を行なう。
【0017】本実施例では、前記成形枠体として下記表
1に示す三種の型種の寸法を有するものを用いた。な
お、本発明でいう金型の寸法とは、原則として一次及び
二次発泡金型のいずれも内側の寸法をいい、該金型のい
ずれかの枠構成部が傾斜して一義的に決めることができ
ないときは、長辺と短辺との平均値、又は短辺の値を用
いる。
1に示す三種の型種の寸法を有するものを用いた。な
お、本発明でいう金型の寸法とは、原則として一次及び
二次発泡金型のいずれも内側の寸法をいい、該金型のい
ずれかの枠構成部が傾斜して一義的に決めることができ
ないときは、長辺と短辺との平均値、又は短辺の値を用
いる。
【0018】
【表1】
【0019】前記成形枠体による加熱発泡が行われた
後、冷却後加熱板を離間させると、均一微細な独立気泡
の発泡体が得られる。ここで、発泡体の密度、外観は下
記表2の通りであった。
後、冷却後加熱板を離間させると、均一微細な独立気泡
の発泡体が得られる。ここで、発泡体の密度、外観は下
記表2の通りであった。
【0020】
【表2】
【0021】上記のようにして得られた最終発泡体につ
いては、その表皮をl0mm取り除き、さらに200×
200mmに切取り、内部の歪を調ベるため70℃のオ
ーブン中に入れ24時間の加熱を行った。表3はこの場
合における収縮率を測定した結果を示すものである。
いては、その表皮をl0mm取り除き、さらに200×
200mmに切取り、内部の歪を調ベるため70℃のオ
ーブン中に入れ24時間の加熱を行った。表3はこの場
合における収縮率を測定した結果を示すものである。
【0022】
【表3】
【0023】上記表3から得られる結論は、いずれの型
種においても、かつ、いずれの寸法方向にあっても収縮
率が極めて小さいということである。従って、本実施例
の構成により得られた最終発泡体はその内部歪みが抑制
されたものとなり、歪みの分布バランスも良い。
種においても、かつ、いずれの寸法方向にあっても収縮
率が極めて小さいということである。従って、本実施例
の構成により得られた最終発泡体はその内部歪みが抑制
されたものとなり、歪みの分布バランスも良い。
【0024】本実施例の場合、一次発泡金型と二次発泡
金型との寸法比は、下記表4のようになる。
金型との寸法比は、下記表4のようになる。
【0025】
【表4】
【0026】また、発泡体材料の密度を1.00と仮定
すると表2の内容から、発泡倍率の倍数Kは、前記A
型、B型、C型のそれぞれについて、(1.00/0.
034≒29.4)、(1.00/0.032≒31.
3)、(1.00/0.033≒30.3)となる。
すると表2の内容から、発泡倍率の倍数Kは、前記A
型、B型、C型のそれぞれについて、(1.00/0.
034≒29.4)、(1.00/0.032≒31.
3)、(1.00/0.033≒30.3)となる。
【0027】従って、発泡倍率の倍数をKとすると、第
一工程の一次発泡金型と第二工程の二次発泡金型との寸
法比(すなわち膨張比)と、Kの立方根との相関関係か
ら得られる寸法増減率[%]は下記の表5のようにな
る。ここで、該寸法増減率とは、具体的には{(寸法比
−K)/K}×100をいう。
一工程の一次発泡金型と第二工程の二次発泡金型との寸
法比(すなわち膨張比)と、Kの立方根との相関関係か
ら得られる寸法増減率[%]は下記の表5のようにな
る。ここで、該寸法増減率とは、具体的には{(寸法比
−K)/K}×100をいう。
【0028】
【表5】
【0029】なお、前記表2及び表5の結果から、各方
向の膨張比については理想的には、単位独立気泡を球体
と仮定したときに該気泡が等方的に膨張するように、す
なわち前記発泡倍率の倍数Kの立方根とし、あるいはそ
の裕度をみて該倍数Kの略±20%の範囲とする。ま
た、縦、横方向膨張比の差は略±8%の範囲内に設定す
る。これにより、第二工程の二次発泡金型内での中間発
泡体は必要以上に変形することなく膨張し、二次発泡金
型内に均一に充満する。
向の膨張比については理想的には、単位独立気泡を球体
と仮定したときに該気泡が等方的に膨張するように、す
なわち前記発泡倍率の倍数Kの立方根とし、あるいはそ
の裕度をみて該倍数Kの略±20%の範囲とする。ま
た、縦、横方向膨張比の差は略±8%の範囲内に設定す
る。これにより、第二工程の二次発泡金型内での中間発
泡体は必要以上に変形することなく膨張し、二次発泡金
型内に均一に充満する。
【0030】上記膨張比の範囲の±20%については、
好ましくはより小さいほうが良い。この膨張比が+20
%を越える場合は、縦、又は横方向のうち、先に第二工
程の金型内壁に当接した方が波打ち現象を生じさせる。
すなわち発泡体の膨張の等方性がくずれて、これが発泡
体製品の外観に目立って現れることになり、発泡体端部
で巻き込みの傷が発生したり、歪が残ってしまう。
好ましくはより小さいほうが良い。この膨張比が+20
%を越える場合は、縦、又は横方向のうち、先に第二工
程の金型内壁に当接した方が波打ち現象を生じさせる。
すなわち発泡体の膨張の等方性がくずれて、これが発泡
体製品の外観に目立って現れることになり、発泡体端部
で巻き込みの傷が発生したり、歪が残ってしまう。
【0031】また、前記膨張比が−20%を越える場合
は、中間発泡体が二次発泡金型内に装填された後、該装
填された中間発泡体の面が直ちに金型内壁に当接してし
まうので、該発泡体は大きな膨張圧力を受けながら面方
向に滑ることになったり、発泡体表面に傷、割れ、シワ
等が発生したり、滑りのムラにより発泡体各部での膨張
圧力のムラが発生し、発泡体内部に歪となって残ってし
まう。
は、中間発泡体が二次発泡金型内に装填された後、該装
填された中間発泡体の面が直ちに金型内壁に当接してし
まうので、該発泡体は大きな膨張圧力を受けながら面方
向に滑ることになったり、発泡体表面に傷、割れ、シワ
等が発生したり、滑りのムラにより発泡体各部での膨張
圧力のムラが発生し、発泡体内部に歪となって残ってし
まう。
【0032】つまり、発泡体全体としては、ほぼ同時に
第二工程の金型の内面に到達するか、わずかの差で到達
し、第二工程の金型内に膨張圧力持った状態で充満する
ことが好ましい。また、縦、横方向の膨張比の差は±8
%以下であることが好ましい。さらに好ましくは±5%
であり、理想的には縦、横方向の膨張比が同じであるこ
とである。
第二工程の金型の内面に到達するか、わずかの差で到達
し、第二工程の金型内に膨張圧力持った状態で充満する
ことが好ましい。また、縦、横方向の膨張比の差は±8
%以下であることが好ましい。さらに好ましくは±5%
であり、理想的には縦、横方向の膨張比が同じであるこ
とである。
【0033】なお、本明細書におけるポリオレフィンと
は、一般に市販されている高、中、低圧法により製造さ
れたポリエチレン、エチレンープロピレン共重合体、エ
チレンーブテン共重合体、エチレンと酢酸ビニル、又は
エチレンとメチル、エチル、プロピル、ブチルの各アク
リレートとの含有率45%までの共重合体、さらには、
これらの塩素化物、またはこれらの2種以上の混合物又
はこれらとアイソタクチック、又はアイソタクチツク構
造を有するポリプロピレンとの混合物をいう。
は、一般に市販されている高、中、低圧法により製造さ
れたポリエチレン、エチレンープロピレン共重合体、エ
チレンーブテン共重合体、エチレンと酢酸ビニル、又は
エチレンとメチル、エチル、プロピル、ブチルの各アク
リレートとの含有率45%までの共重合体、さらには、
これらの塩素化物、またはこれらの2種以上の混合物又
はこれらとアイソタクチック、又はアイソタクチツク構
造を有するポリプロピレンとの混合物をいう。
【0034】また、架橋剤とは、上記ポリオレフィン中
において少なくともポリオレフィンの流動開始温度以上
の分解温度を有するものであって、加熱により分解さ
れ、遊離ラジカルを発生してその分子間に架橋結合を生
成させるラジカル発生剤となる有機過酸化物、例えば、
αジクミルパーオキサイド、2,5ビスターシャリーブ
チルパーオキシー2,5ジメチルヘキサン、ジターシャ
リーブチルーパーテレフタレート、2,5ビスターシャ
リーブチルパーオキシー2,5ジメチルヘキシン、ジベ
ンゾイルーパーオキサイド、ジターシャリーブチルーパ
ーオキサイド等をいうが、使用されるポリオレフィンの
種類によつて最適な有機過酸化物が異なるので、それに
応じた最適なものを選定する必要がある。
において少なくともポリオレフィンの流動開始温度以上
の分解温度を有するものであって、加熱により分解さ
れ、遊離ラジカルを発生してその分子間に架橋結合を生
成させるラジカル発生剤となる有機過酸化物、例えば、
αジクミルパーオキサイド、2,5ビスターシャリーブ
チルパーオキシー2,5ジメチルヘキサン、ジターシャ
リーブチルーパーテレフタレート、2,5ビスターシャ
リーブチルパーオキシー2,5ジメチルヘキシン、ジベ
ンゾイルーパーオキサイド、ジターシャリーブチルーパ
ーオキサイド等をいうが、使用されるポリオレフィンの
種類によつて最適な有機過酸化物が異なるので、それに
応じた最適なものを選定する必要がある。
【0035】発泡剤とは、上記ポリオレフィンの溶融温
度以上の分解温度を有する化学発泡剤をいい、例えばア
ゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカーボキシレー
ト、P,P’オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド
等、P,P’オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバ
ジド、トルエンスルホニルカルバジド等がある。
度以上の分解温度を有する化学発泡剤をいい、例えばア
ゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカーボキシレー
ト、P,P’オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド
等、P,P’オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバ
ジド、トルエンスルホニルカルバジド等がある。
【0036】なお、発泡助剤は発泡剤の種類に応じて添
加する。発泡助剤としては尿素系化合物、酸化亜鉛、酸
化鉛等の金属酸化物、サリチル酸、ステアリン酸等を主
成分とする化合物、即ち高級脂肪酸あるいは高級脂肪酸
の金属化合物等がある。
加する。発泡助剤としては尿素系化合物、酸化亜鉛、酸
化鉛等の金属酸化物、サリチル酸、ステアリン酸等を主
成分とする化合物、即ち高級脂肪酸あるいは高級脂肪酸
の金属化合物等がある。
【0037】さらに、本発明においては、発泡体の物性
の改良、あるいは製造コストの低減を目的に、酸化チタ
ン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化珪素等の
金属化合物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭
酸塩、あるいはパルプ等の繊維物質、または各種染料、
顔料、蛍光物質、その他一般のゴム用配合剤等を必要に
応じて添加することができる。
の改良、あるいは製造コストの低減を目的に、酸化チタ
ン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化珪素等の
金属化合物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭
酸塩、あるいはパルプ等の繊維物質、または各種染料、
顔料、蛍光物質、その他一般のゴム用配合剤等を必要に
応じて添加することができる。
【0038】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
発泡体材料を一次発泡金型内に充填し、該充填された発
泡体材料のうちの発泡剤の一部が未分解状態の中間発泡
体を得る第1段の工程と、該中間発泡体を二次発泡金型
に移して前記未分解の発泡剤を分解させることにより前
記中間発泡体に比べて低密度の最終発泡体を得る第2段
の工程とから成る2段発泡成形方法において、前記中間
発泡体に対する前記最終発泡体の各方向の膨張比を、前
記最終発泡体の発泡倍率の倍数Kの立方根と同一又は該
立方根の近傍の範囲に納めることを特徴とするので、最
終発泡体は、外観上の欠陥を有しないものとなり、材料
の歩留を向上できる。また、内部歪が極めて小さく、歪
のバランスの良い最終発泡体を製造でき、従って、本発
明による最終発泡体は、精度を要求される用途に対応で
きる。さらには、一次発泡金型と二次発泡金型との間で
の膨張比を所定の値に設定することにより、発泡体内に
偏在する歪を分散するように設定できる。
発泡体材料を一次発泡金型内に充填し、該充填された発
泡体材料のうちの発泡剤の一部が未分解状態の中間発泡
体を得る第1段の工程と、該中間発泡体を二次発泡金型
に移して前記未分解の発泡剤を分解させることにより前
記中間発泡体に比べて低密度の最終発泡体を得る第2段
の工程とから成る2段発泡成形方法において、前記中間
発泡体に対する前記最終発泡体の各方向の膨張比を、前
記最終発泡体の発泡倍率の倍数Kの立方根と同一又は該
立方根の近傍の範囲に納めることを特徴とするので、最
終発泡体は、外観上の欠陥を有しないものとなり、材料
の歩留を向上できる。また、内部歪が極めて小さく、歪
のバランスの良い最終発泡体を製造でき、従って、本発
明による最終発泡体は、精度を要求される用途に対応で
きる。さらには、一次発泡金型と二次発泡金型との間で
の膨張比を所定の値に設定することにより、発泡体内に
偏在する歪を分散するように設定できる。
【0039】また、請求項2の発明によれば、発泡体材
料を充填して中間発泡体を得る一次発泡金型と、該一次
発泡金型から取り出された中間発泡体を装填する二次発
泡金型と、を備えた2段発泡成形装置において、前記二
次発泡金型から得られる最終発泡体の発泡倍率の倍数を
Kとすると、該二次発泡金型は、前記一次発泡金型に対
する寸法比が前記Kの立方根と同一又は該立方根の近傍
の範囲に設定されることを特徴とするので、請求項1の
発明を容易かつ具体的に実施することができる。
料を充填して中間発泡体を得る一次発泡金型と、該一次
発泡金型から取り出された中間発泡体を装填する二次発
泡金型と、を備えた2段発泡成形装置において、前記二
次発泡金型から得られる最終発泡体の発泡倍率の倍数を
Kとすると、該二次発泡金型は、前記一次発泡金型に対
する寸法比が前記Kの立方根と同一又は該立方根の近傍
の範囲に設定されることを特徴とするので、請求項1の
発明を容易かつ具体的に実施することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 発泡体材料を一次発泡金型内に充填し、
該充填された発泡体材料のうちの発泡剤の一部が未分解
状態の中間発泡体を得る第1段の工程と、該中間発泡体
を二次発泡金型に移して前記未分解の発泡剤を分解させ
ることにより前記中間発泡体に比べて低密度の最終発泡
体を得る第2段の工程とから成る2段発泡成形方法にお
いて、前記中間発泡体に対する前記最終発泡体の各方向
の膨張比を、前記最終発泡体の発泡倍率の倍数Kの立方
根と同一又は該立方根の近傍の範囲に納めることを特徴
とする2段発泡成形方法。 - 【請求項2】 発泡体材料を充填して中間発泡体を得る
一次発泡金型と、該一次発泡金型から取り出された中間
発泡体を装填する二次発泡金型と、を備えた2段発泡成
形装置において、前記二次発泡金型から得られる最終発
泡体の発泡倍率の倍数をKとすると、該二次発泡金型
は、前記一次発泡金型に対する寸法比が前記Kの立方根
と同一又は該立方根の近傍の範囲に設定されることを特
徴とする2段発泡成形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4199537A JPH0639855A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 2段発泡成形方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4199537A JPH0639855A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 2段発泡成形方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0639855A true JPH0639855A (ja) | 1994-02-15 |
Family
ID=16409487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4199537A Pending JPH0639855A (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | 2段発泡成形方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0639855A (ja) |
-
1992
- 1992-07-27 JP JP4199537A patent/JPH0639855A/ja active Pending
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