JPH10168209A - ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法

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JPH10168209A
JPH10168209A JP32840896A JP32840896A JPH10168209A JP H10168209 A JPH10168209 A JP H10168209A JP 32840896 A JP32840896 A JP 32840896A JP 32840896 A JP32840896 A JP 32840896A JP H10168209 A JPH10168209 A JP H10168209A
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JP
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foam
polyolefin resin
polyolefin
foaming
crystallinity
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JP32840896A
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Yukinobu Matsumoto
行伸 松本
Koji Shiraishi
浩二 白石
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、持続性を有する優れた接着性を備
えたポリオレフィン系樹脂を得ることのできるポリオレ
フィン系樹脂発泡体の製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂及び発泡剤を含有
する発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を加熱して発泡
させた後、ポリオレフィン系樹脂の結晶化度が冷却によ
って20〜60%となった際、更にコロナ放電処理を施
すことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡性ポリオレフ
ィン系樹脂組成物を加熱して発泡させた後、冷却により
ポリオレフィン系樹脂を所定の結晶化度とした上で、更
にコロナ放電処理を施すポリオレフィン系樹脂発泡体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリオレフィン系樹脂発泡体は種
々の用途に用いられており、例えば、表示材を接着剤を
用いて貼り合わせて車両用内装材等に用いられている。
その際、ポリオレフィン系樹脂発泡体はそのままでは接
着性に劣るため、その表面にコロナ放電処理を施し、表
面のヌレ性を向上させて接着性を改善させた上で、接着
剤等を用いて表皮材を貼り合わせている。
【0003】ところが、上記コロナ放電処理は、発泡性
樹脂組成物を加熱発泡後一旦室温まで冷却して得られた
発泡体に施されており、確かにコロナ放電処理が施され
てから所定期間は接着性が向上しているものの、その後
は時間の経過に伴って接着性が低下するといった問題点
があり、例えば内装材に用いた場合、使用しているうち
に表皮材が剥離したり若しくは張り付け面から内装材自
身が剥離してしまったり、又はコロナ放電処理後長期間
にわたって保管された発泡体である場合には、発泡体表
面への表皮材の張り付けそのものに支障をきたす等の問
題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決し、長期間にわたって良好な接着性を保持し得る
ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のポリオレフィン
系樹脂樹脂発泡体の製造方法は、ポリオレフィン系樹脂
及び発泡剤を含有する発泡性ポリオレフィン系樹脂組成
物を加熱して発泡させた後、ポリオレフィン系樹脂の結
晶化度が冷却によって20〜60%となった際、更にコ
ロナ放電処理を施すことを特徴とする。
【0006】先ず、本発明で用いられる発泡性樹脂組成
物について説明する。該発泡性樹脂組成物は、ポリオレ
フィン系樹脂及び発泡剤を含有してなるものである。該
ポリオレフィン系樹脂は、従来から発泡体製造に用いら
れているものであれば、特に限定されず、特に限定され
ず、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
超低密度ポリエチレン等のポリエチレン、エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エ
チレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセ
ン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重
合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1
−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−スチ
レン共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共
重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体
等のポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン、プロピレン
−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−スチレン共重合
体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体、プロピレ
ン−スチレン−エチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビ
ニル−エチレン共重合体、プロピレン−(メタ)アクリ
ル酸共重合体、プロピレン−(メタ)アクリル酸メチル
共重合体、プロピレン−(メタ)アクリル酸エチル共重
合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等のポリ
プロピレン系樹脂等が挙げられ、得られる発泡体の耐熱
性及び柔軟性の点から、ポリエチレン系樹脂とポリプロ
ピレン系樹脂とが併用されるのが好ましい。
【0007】なお、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレ
ン系樹脂とが併用される際の混合比は、ポリエチレン系
樹脂が多いと得られる発泡体の耐熱性が低下することが
あり、又少ないと得られる発泡体の柔軟性が低下するこ
とがあるので、重量比にして、ポリエチレン系樹脂:ポ
リプロピレン系樹脂が、20〜80:80〜20となる
ように調整するのが好ましい。
【0008】上記ポリエチレン系樹脂の密度は、大きい
と得られる発泡体の柔軟性が低下することがあり、又小
さいと柔らかくなりすぎ発泡過程において破泡すること
があるので、0.910〜0.970g/ccが好まし
い。一方、ポリプロピレン系樹脂の密度も、ポリエチレ
ン系樹脂と同様の理由で、0.900〜1.200g/
ccが好ましい。
【0009】又、上記ポリエチレン系樹脂のメルトイン
デックスは、大きいと得られる発泡性樹脂組成物シート
を形成する際、ドローダウンが大きく均一な厚みを有す
るシートを得ることができず、又小さいと平滑な表面を
有する発泡体を得ることができないので、0.9〜7g
/10分が好ましい。一方、ポリプロピレン系樹脂のメ
ルトインデックスも、ポリエチレン系樹脂と同様の理由
で、0.8〜60g/ccが好ましい。
【0010】なお、本発明において、ポリエチレン系樹
脂のメルトインデックスとは、JIS K7210に基
づき、温度190℃、荷重2.16kgfの条件で測定
されたものをいい、ポリプロピレン系樹脂のメルトイン
デックスとは、JIS K7210に基づき、温度23
0℃、荷重2.16kgfの条件で測定されたものをい
う。
【0011】上記発泡剤としては、熱分解型発泡剤と物
理型発泡剤のいずれも用いることができ、採用する加熱
発泡方法に応じて適宜選択される。上記熱分解型発泡剤
としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ヒドラドジ
カルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム塩、ニトロ
ソグアニジン、p,p, −オキシビスベンゼンスルホニ
ルセミカルバジド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、
N,N, −ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トル
エンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベン
ゼンスルホニルヒドラジド)、アゾビスイソブチロニト
リル等が挙げられ、熱分解型発泡剤の分解を促進させる
ために、酸化亜鉛やステアリン酸亜鉛等の分解助剤が添
加されてもよい。
【0012】上記物理型発泡剤としては、例えば、メタ
ン、エタン、プロパン、ブタン、イソペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、1,1,2−トリメチルシクロプロパ
ン、メチルシクロプロパン、エチルシクロブタン、シク
ロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン等
の脂肪族炭化水素;トリクロロモノフルオロメタン、ジ
クロロフルオロメタン、モノクロロジフルオロメタン、
1,1,1−トリクロロトリフルオロエタン、1,1,
2−トリクロロトリフルオロエタン、1,2−ジクロロ
テトラフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオ
ロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン等の
ハロゲン化脂肪族炭化水素;ジメチルエーテル、2−エ
トキシエタノール、アセトン、メチルエチル ケトン、
アセチルアセトン等のエーテル、ケトン類;二酸化炭
素、窒素等の不活性ガス等が挙げられる。
【0013】該発泡剤の添加量は、所望の発泡倍率に応
じて適宜調整されるが、多いと破泡し、又少ないと発泡
しないので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
て1〜50重量部が好ましい。
【0014】なお、上記発泡性ポリオレフィン系樹脂組
成物は、加熱し発泡させる前に、発泡に適した剪断粘度
を得るために、後述する架橋処理が施されることがあ
り、該架橋処理を施す場合には、採用する架橋処理によ
って、架橋助剤又は過酸化物が添加されてもよい。
【0015】上記架橋助剤としては、発泡性ポリオレフ
ィン系樹脂組成物の架橋の際に用いられるものであれ
ば、特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、ジビ
ニルナフタレン、1,9−ノナンジオールジメタクリレ
ート、ジアリルフタレート等の二官能モノマー;トリメ
チロールプロパンメタクリレート、トリアリルトリメリ
テート等の三官能モノマー等が挙げられ、二官能モノマ
ーと三官能モノマーとを併用するのが好ましく、その混
合比は、二官能モノマー100重量部に対して、100
〜200重量部が好ましい。
【0016】又上記過酸化物としては、発泡性ポリオレ
フィン系樹脂組成物の架橋に用いられるものであれば、
特に限定されず、例えば、イソブチルパーオキサイド、
ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、1,3−ビ
ス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t
−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、シクロ
ヘキサンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−
ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ベルレ
ート、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキシネ
オデカネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾ
イルオパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリル
カーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,
2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、ジ−t−ブ
チルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシ
マレイン酸等が挙げられる。
【0017】上記架橋助剤及び過酸化物の添加量は、少
ないと、架橋密度が不足し発泡に必要な剪断粘度が得ら
れず、又多いと、架橋密度が高くなりすぎて発泡しない
ことがあるので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に
対して、0.1〜10重量部が好ましい。
【0018】なお、上記発泡性ポリオレフィン系樹脂組
成物には、物性を損なわない範囲内で、更に、抗酸化
剤、熱安定剤、金属害防止剤、無機充填剤、紫外線吸収
剤、顔料、石油樹脂等が添加されてもよい。
【0019】そして、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成
物は、上記ポリオレフィン系樹脂及び発泡剤、更に必要
に応じて添加される架橋助剤、過酸化物を押出機等の汎
用の溶融混練機に供給し、これらを溶融混練して得られ
る。
【0020】本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体の製
造方法は、先ず上記発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物
を加熱し発泡させるのであるが、その加熱発泡方法は汎
用の方法が用いられ、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成
物を成形しておき、必要に応じて後述の架橋処理を施し
た後、上記発泡剤の発泡温度以上に加熱し、発泡させる
所謂、「後発泡方法」の他、発泡性ポリオレフィン系樹
脂組成物を押出機で溶融混練すると共に、発泡剤の発泡
温度以上に加熱し、必要に応じてポリオレフィン系樹脂
を架橋させ、押し出しと同時に発泡させる、所謂「押し
出し発泡方法」等が挙げられる。なお、発泡温度とは、
発泡剤が分解又は気化し、ガスを発生させる温度をい
う。
【0021】又、後発泡方法において用いられる加熱方
法は、特に限定されず、例えば、熱風ヒーター、塩浴、
メタルバス等発泡剤の発泡温度以上に加熱できるもので
あればよい。
【0022】上記発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物
は、上述した通り必要に応じて適宜架橋処理が施される
が、架橋処理方法としては、汎用の処理方法が用いら
れ、例えば、電離性放射線照射、上記過酸化物による化
学架橋等による処理方法が挙げられる。
【0023】先ず、電離性放射線照射による架橋処理方
法について説明する。電離性放射線照射方法とは、予め
発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物シートを成形してお
き、これに電離性放射線を照射する方法をいい、上記後
発泡方法を採用する場合に用いられる方法である。
【0024】電離性放射線とは、例えば、電子線、X
線、α線、β線、γ線等が挙げられ、照射量は、少ない
と架橋せず、又多いと架橋がかかりすぎる場合があるの
で、1〜50Mradが好ましい。又、かかる処理方法
を用いる場合は、必要に応じて、上記架橋助剤が添加さ
れてもよい。
【0025】次に、過酸化物による化学架橋処理方法に
ついて説明する。化学架橋処理方法とは、発泡性樹脂組
成物に過酸化物を添加しておき、発泡させる前又は同時
に、過酸化物を分解させ、熱可塑性樹脂を架橋させる方
法をいい、後発泡又は押し出し発泡のいずれの方法にお
いても用いられる。
【0026】本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体の製
造方法では、発泡体表面に長期間にわたって持続しうる
良好な接着性を付与するために、発泡性ポリオレフィン
系樹脂組成物を加熱し発泡させた後、冷却によってポリ
オレフィン系樹脂の結晶化度を20〜60%とし、その
時点で更に発泡体表面にコロナ放電処理が施される。
【0027】即ち、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物
を発泡させて得られた発泡直後の発泡体を、冷却によっ
てポリオレフィン系樹脂の結晶化度を20〜60%の範
囲となるように調整し、該結晶化度が上記所定範囲内の
時に発泡体表面に更にコロナ放電処理を施すものであ
る。
【0028】上記発泡体の冷却手段は、特に限定され
ず、例えば、発泡直後の発泡体を冷却ロールに摺接する
方法、冷風を発泡体に吹きつける方法、空冷等が挙げら
れるが、冷却度の制御の容易性及び均一に冷却できる点
から上記冷却ロールを用いた冷却手段が好ましい。
【0029】上記コロナ放電処理は、ポリオレフィン系
樹脂の結晶化度が20〜60%の範囲内で施されるが、
これは、高いと、長期間にわたって持続しうる良好な接
着性を付与できず、又低いと、冷却が不十分であるた
め、コロナ放電処理を行うための発泡体の搬送時に発泡
体が伸長し、得られる発泡体の厚みが不均一となるため
である。
【0030】なお、本発明において、ポリオレフィン系
樹脂の結晶化度とは、X線解析、赤外吸収及び密度等を
測定することによって、ポリオレフィン系樹脂の結晶化
部分及び非結晶化部分の密度並びに試料の密度を算出
し、次式によって得られたものである。 〔結晶化度(%)〕=100×〔dC ×(d−da )〕
/〔d×(d−da )〕 但し、dC :ポリオレフィン系樹脂の結晶化部分の密度 da :ポリオレフィン系樹脂の非結晶化部分の密度 d :試料の密度
【0031】
【実施例】
(実施例1〜5、比較例1〜3)ポリプロピレン(メル
トインデックス:1.0g/10分、密度:1.1g/
cc)30重量部、直鎖状低密度ポリエチレン(メルト
インデックス:4.0g/10分、密度:0.920g
/cc)70重量部、アゾジカルボンアミド7重量部、
トリメチロールプロパンメタクリレート1.0重量部及
び1,9−ノナンジオールジメタクリレート1.5重量
部を二軸押出機に供給し溶融混練し、170℃で厚さ
1.5mmの発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物シート
を押出した。
【0032】ついで、このシートに6.0Mradの電
子線を照射してポリオレフィン系樹脂を架橋した後、熱
風縦型発泡炉を用いて発泡性ポリオレフィン系樹脂組成
物シートを270℃に加熱し、発泡させた。
【0033】続けて、得られた発泡直後の発泡体を30
℃の冷却ロールで冷却し、表1に示す所定時間経過後
に、電極数3極、一極の電力2.0Wの容量を有するコ
ロナ放電処理装置を用いて、コロナ放電処理速度15m
/min及びコロナ放電距離5mmの条件でコロナ放電
処理を施し、表面の接着性が改善されたポリオレフィン
系樹脂発泡体を得た。又コロナ放電処理を施した時点で
のポリオレフィン系樹脂の結晶化度を測定し、その結果
を表1に示した。
【0034】得られたポリオレフィン系樹脂発泡体の表
皮材接着性、成形接着性及びヌレ性の経時変化を下記の
方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0035】(表皮材接着性)ポリオレフィン系樹脂発
泡体のコロナ放電処理を施した面に、ウレタン系接着剤
(日立化成ポリマー株式会社製 商品名:ハイボン76
62)100重量部及びイソシアネート系架橋剤(日立
化成ポリマー株式会社製 商品名:ディスモジュール
R)5重量部からなる接着剤を、グラビアコーターを用
いて120g/m 2 で塗布し、100℃で2分間乾燥さ
せた後、ポリ塩化ビニルシートを該接着剤塗布面に積層
し、120℃の熱ピンチロールを用いて速度5m/mi
n、5kg/cm2 の条件で圧着し、ポリオレフィン系
樹脂発泡体の一面にポリ塩化ビニルシートを接着した
(以下「塩ビ積層ポリオレフィン系樹脂発泡体」とい
う)。24時間経過後に、該ポリ塩化ビニルシートを剥
離させ、その材破状態を目視観察し、接着全面積に対す
る発泡体が材破した面積の百分率を表皮材接着性とし
た。
【0036】(成形接着性)木質基材上に、ウレタン系
接着剤(日立化成ポリマー株式会社製 商品名:ハイボ
ン7662)100重量部及びイソシアネート系架橋剤
(日立化成ポリマー株式会社製 商品名:ディスモジュ
ールR)3重量部からなる接着剤をスプレーガンを用い
て200g/m2 で塗布し、100℃で5分間乾燥させ
た。
【0037】得られた接着剤が塗布された木質基材を、
接着剤が塗布された面を上にして、該木質基材の形状に
合致した金型空間を有する雌雄金型の雄型金型上に載置
し、更にその上に、塩ビ積層ポリオレフィン系樹脂発泡
体を表面温度150℃に加熱した状態で発泡体を木質基
材側にして載置した。
【0038】最後に、塩ビ積層ポリオレフィン系樹脂発
泡体上に雌型金型を載置し、木質基材及び塩ビ積層ポリ
オレフィン系樹脂発泡体とを雌雄金型で挟持した上で、
木質基材側から720mmHgの吸引圧力で吸引し、木
質基材と塩ビ積層ポリオレフィン系樹脂発泡体とを接着
させ複合表皮材を得た。得られた複合表皮材中、木質基
材と塩ビ積層ポリオレフィン系樹脂発泡体との界面を目
視観察し、接着不良が原因で生ずるフクレの有無を確認
した。
【0039】(ヌレ性)製造直後及び製造後60日経過
した発泡体表面のヌレ性を、JIS K6768に従っ
て測定した。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体の
製造方法は、上述の通り、発泡性ポリオレフィン系樹脂
組成物を加熱し発泡後、冷却によりポリオレフィン系樹
脂が所定結晶化度となった時点で、更に発泡体表面にコ
ロナ放電処理を施すものであるから、持続性を有する優
れた接着性を備えたポリオレフィン系樹脂発泡体を得る
ことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂及び発泡剤を含有
    する発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を加熱して発泡
    させた後、ポリオレフィン系樹脂の結晶化度が冷却によ
    って20〜60%となった際、更にコロナ放電処理を施
    すことを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体の製造
    方法。
JP32840896A 1996-12-09 1996-12-09 ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法 Withdrawn JPH10168209A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019176524A1 (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 東レ株式会社 積層体およびその製造方法
JP2020158607A (ja) * 2019-03-26 2020-10-01 積水化学工業株式会社 架橋ポリオレフィン樹脂発泡体シート及び成形体

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