JP2625544B2 - N―(r)―(1―(4―クロロ―フェニル)―エチル)―2,2―ジクロロ―1―エチル―3―メチルシクロプロパンカルボキサミドの立体異性体 - Google Patents

N―(r)―(1―(4―クロロ―フェニル)―エチル)―2,2―ジクロロ―1―エチル―3―メチルシクロプロパンカルボキサミドの立体異性体

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規なN−(R)−(1−(4−クロロ−
フエニル)−エチル)−2,2−ジクロロ−1−エチル−
3−メチルシクロプロパンカルボキサミドの立体異性
体、それらの製造方法、並びに有害生物類(pests)、
特に菌・カビ類(fungi)、を防除するためのそれらの
使用に関するものである。
ある種のシクロプロパンカルボキサミド類、例えばN
−(1−(4−クロロ−フェニル)−エチル)−2,2−
ジクロロ−1−エチル−3−メチルシクロプロパンカル
ボキサミド、の異性体混合物が殺菌、殺カビ剤(fungic
idal)の性質を示すことはすでに開示されている(ヨー
ロッパ特許出願170,842/米国特許4,710,518参照)。し
かしながら、公知の化合物の活性は全ての面で満足のい
くものではなかった。
置換されたシクロプロパンカルボキサミド類のある種
の光学的活性形もすでに開示されている(ヨーロッパ特
許出願257,448参照)。
新規な式(I a)および(I b) [式中、 R1はエチルを示し、 R2はメチルを示し、そして Xは塩素を示す] のN−(R)−(1−(4−クロロ−フエニル)−エチ
ル)−2,2−ジクロロ−1−エチル−3−メチルシクロ
プロパンカルボキサミドの立体異性体を今見いだした。
本発明は、式(I a)および(I b)の個々の立体異性
体並びにそれらの混合物に関するものである。
式(I a)および(I b)の新規な化合物は、−−第一
段階ではそれらの混合物を製造するために−−式(II
a)および(II b) [式中、 R1およびR2は上記の意味を有する] の(1R)−および(1S)−2,2−ジクロロ−1−エチル
−3−メチルシクロプロパンカルボニルクロライドの混
合物を、適宜酸受容体の存在下でそして適宜の希釈剤の
存在下で、式(III) [式中、 Xは上記の意味を有する] の(R)−(1)−(4−クロロ−フエニル)−エチル
アミンと反応させる時に、そして適宜、−−式(I a)
および(I b)の個々の立体異性体を製造するためには
−−生成した式(I a)および(I b)の化合物を第二段
階でなる物理的性質に基づいて一般的な方法により分離
する時に、得られる。
式(I a)および(I b)の新規なN−(R)−(1−
(4−クロロ−フエニル)−エチル)−2,2−ジクロロ
−1−エチル−3−メチルシクロプロパンカルボキサミ
ドの立体異性体並びにそれらの混合物は、有害生物類、
主として菌・カビ類、に対する強力な活性により特徴づ
けられている。
驚くべきことに、式(I a)および(I b)の新規な立
体異性体、特に式(I a)のもの並びに式(I a)および
(I b)の化合物の混合物、は公知のN−(1−(4−
クロロ−フェニル)−エチル)−2,2−ジクロロ−1−
エチル−3−メチルシクロプロパンカルボキサミドの異
性体の混合物より相当強力な殺菌・殺カビ剤活性を示
す。
本発明は好適には、 R1がエチルを示し、 R2がメチルを示し、そして Xが塩素を示す 式(I a)の立体異性体、並びに少なくとも50%の式
(I a)の立体異性体を含有している式(I a)および
(I b)の立体異性体の混合物に関するものである。
(1R)−および(1S)−2,2−ジクロロ−1−エチル
−3t−メチル−1r−シクロプロパンカルボニルクロライ
ド(ベイルスタイン命名法)並びに(R)−1−フェニ
ル−エチルアミンを出発物質として使用する場合には、
本発明に従う方法の第一段階の反応工程は下記の反応式
により表わすことができる: 式(II a)および(II b)は、式(I a)および(I
b)の化合物を製造するための本発明に従う方法で出発
物質として使用される1−アルキル−2,2−ジクロロ−
シクロプロパンカルボニルクロライド類の一般的な定義
を与えるものである。
式(II a)および(II b)の出発物質の例として挙げ
られるものは、(1R)−および(1S)−2,2−ジクロロ
−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカルボ
ニルクロライド、である。
式(II a)および(II b)の出発物質はこれまでに文
献から知られていない。式(II a)および(II b)の化
合物の1:1混合物は、対応する式(III a)および(III
b) [式中、 R1およびR2は上記の意味を有する] の(1R)−および(1S)−1−アルキル−2,2−ジクロ
ロ−シクロプロパンカルボン酸の混合物を、適宜例えば
ジメチルホルムアミドの如き触媒の存在下で、そして適
宜例えば塩化メチレンの如き希釈剤の存在下で、10℃〜
50℃の間の温度において、例えば塩化チオニルの如き塩
素化剤と反応させる時に、得られる。
式(III a)および(III b)は、出発物質として必要
な1−アルキル−2,2−ジクロロ−シクロプロパンカル
ボン酸類の一般的な定義を与えるものである。式(III
a)および(III b)において、R1およびR2は好適には本
発明に従う式(I a)および(I b)の化合物の記載に関
してR1およびR2に対して好適であるとすでに記されてい
る意味を有する。
式(III a)および(III b)の出発物質の例として挙
げられるものは、(1R)−および(1S)−2,2−ジクロ
ロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカル
ボン酸である。
式(III a)および(III b)の出発物質はこれまでに
文献から知られていない。式(III a)および(III b)
の化合物の1:1混合物は、対応する式(IV a)および(I
V b) [式中、 R1およびR2は上記の意味を有し、そしてR3はアルキル、
好適にはメチルまたはエチル、を示す] の(1R)−および(1S)−1−アルキル−2,2−ジクロ
ロ−シクロプロパンカルボキシレート類の混合物を、適
宜例えばメタノールまたはエタノールの如き有機溶媒の
存在下で、20℃〜100℃の間の温度において、例えば水
酸化ナトリウムの如きアルカリ金属水酸化物水溶液と反
応させ、そして次に混合物を例えば塩酸の如き強酸を使
用して酸性化する時に、得られる。
式(IV a)および(IV b)は、出発物質として必要な
1−アルキル−2,2−ジクロロ−シクロプロパンカルボ
キシレート類の一般的な定義を与えるものである。式
(IV a)および(IV b)において、R3は好適にはメチル
またはエチルを示す。
式(IV a)および(IV b)の出発物質の例として挙げ
られるものは、メチル(1R)−および(1S)−2,2−ジ
クロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパン
カルボキシレート並びにエチル(1R)−および(1S)−
2,2−ジクロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロ
プロパンカルボキシレート、である。
式(IV a)および(IV b)の出発物質はこれまでに文
献から知られていない。式(IV a)および(IV b)の化
合物の1:1混合物は、対応する式(V) [式中、 R1、R2およびR3は上記の意味を有する] のアルカンカルボキシレート類を、適宜例えばクロロホ
ルムおよび水の如き希釈剤の存在下で、そして適宜例え
ばテトラブチルアンモニウムブロマイドの如き触媒の存
在下で、10℃〜60℃の間の温度において、適宜その場で
例えばクロロホルムおよび例えば水酸化ナトリウムもし
くは水酸化カリウムの如き強塩基から製造されてもよい
ジクロロカルベンと反応させる時に、得られる。
式(V)の出発物質はすでに公知である(ザ・ジャー
ナル・オブ・オルガノメタリック・ケミストリイ(J.Or
ganomet.Chem.)、96(1975)、163−168参照)。
式(III)は、本発明に従う式(I a)および(I b)
の化合物の製造方法で出発物質として使用される(R)
−1−アリール−エチルアミン類の一般的な定義を与え
るものである。
式(III)において、Xは好適には本発明に従う式(I
a)および(I b)の化合物の記載に関してXに対して
好適であるとすでに記されている意味を有する。
式(III)の出発物質として挙げられるものは、
(R)−(1−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミ
ンである。
式(III)の出発物質はすでに公知である(ザ・ジャ
ーナル・オブ・インディアン・ケミカル・ソサイエティ
(Indian J.Chem.)、13(1975)、631参照)。
式(I)の新規な立体異性体の製造用の本発明に従う
方法の第一段階は好適には希釈剤を使用して実施され
る。これらには好適には、脂肪族および芳香族の、任意
にハロゲン化されていてもよい炭化水素類、例えばペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エー
テル、ベンジン、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、塩化メチレン、塩化エチレン、クロロホルム、
四塩化炭素、クロロベンゼンおよびo−ジクロロベンゼ
ン、エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジブチル−
エーテル、グリコールジメチルエーテル、ジグリコール
ジメチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサ
ン、ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソプロピルケトンおよびメチルイソブチルケト
ン、エステル類、例えば酢酸メチルおよびエチル、ニト
リル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、ベ
ンゾニトリルおよびグルタル酸ジニトリル、アミド類、
例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドお
よびN−メチルピロリドン、並びにジメチルスルホキシ
ド、テトラメチレンスルホンおよびヘキサメチル燐酸ト
リアミド、が含まれる。
本発明に従う方法の第一段階で使用できる酸受容体
は、この型の反応用に一般的に使用できる全ての酸−結
合剤である。アルカリ金属水酸化物類、例えば水酸化ナ
トリウムおよび水酸化カリウム、アルカリ土類金属水酸
化物類、例えば水酸化カルシウム、アルカリ金属炭酸塩
類およびアルカリ金属アルコキシド類、例えば炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、ナトリウムターシャリー−ブト
キシドおよびカリウムターシャリー−ブトキシド、並び
に脂肪族、芳香族または複素環式アミン類、例えばトリ
エチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアニリン、
ジメチルベンジルアミン、ピリジン、1,5−ジアザービ
シクロー[4,3,0]−ノネ−5−ン(DBN)、1,8−ジア
ザービシクロー[5,4,0]−ウンデセ−7−ン(DBU)お
よび1,4−ジアザービシクロー[2,2,2]−オクタン(DA
BCO)が好適である。
本発明に従う方法の第一段階では、反応温度は比較的
広い範囲内で変えることができる。一般に該方法は−20
℃〜+80℃の間の温度、好適には0℃〜50℃の間の温
度、において実施される。
第一段階では、本発明に従う方法は一般的には大気圧
において実施される。
本発明に従う方法の第一段階を実施するには、各場合
に必要な出発物質類は一般的にほぼ等モル量で使用され
る。しかしながら、各場合とも二種の成分類で一方を比
較的大過剰量で使用することもできる。反応は一般的に
は適当な希釈剤中で酸受容体の存在下で実施され、そし
て反応混合物を要求される特定温度において5−6時間
にわたり撹拌する。本発明に従う方法の第一段階後の処
理は一般的な方法により行われる。
一般的には、反応混合物を、適宜濃縮後に、水および
例えば塩化メチレンの如き事実上水不混和性である有機
溶媒と共に振り、有機相を例えば塩酸の如き水性鉱酸で
洗浄し、乾燥し、濾過し、濾液を蒸発させ、残渣を例え
ばシクロヘキサンの如き適当な溶媒を用いる粉砕により
結晶化させ、そして結晶の吸引濾別する工程が行われ
る。
第二段階では、ジアステレオマー(I a)および(I
b)をそのような目的用に適している方法、すなわち例
えば分別結晶化またはクロマトグラフィー方法、を用い
て分離することができる。
カラム−クロマトグラフィー分離方法、例えばヘキサ
ン、シクロヘキサン、メチルターシャリー−ブチルエー
テル、ヘプタン、四塩化炭素および/またはプロピオニ
トリルの溶離混合物を用いるシリカゲル上の高圧濾過、
が特に好適に使用される。
本発明に従う活性化合物は強い生物学的活性を有して
おり、そして望ましくない有害生物を防除するために実
際に使用することができる。該活性化合物は植物保護剤
として、特に殺菌・殺カビ剤として、使用するのに適し
ている。
植物保護において、該殺菌・殺カビ剤はプラスモジオ
フォロミセテス(Plasmodiophoromycetes)、卵菌類(O
omycetes)、キトリジオミセテス(Chytridiomycete
s)、接合菌類(Zygomycetes)、嚢子菌類(Ascomycete
s)、担子菌類(Basidomycetes)、および不完全菌類
(Deuteromycetes)を防除する際に用いられる。
上記の属名にはいる菌・カビ性の病気を引き起こす数
種の微生物類を例として挙げるが、それらに限定しよう
とするものではない:ピチウム(Pythium)種、例えば
ピチウム・ウルチマム(Pythium ultimum);フィトフ
トラ(Phytophthora)種、例えばフィトフトラ・インフ
ェスタンス(Phytophtora infestans);シュードペロ
ノスポラ(Pseudoperonospora)種、例えばシュードペ
ロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)ま
たはシュードペロノスポラ・クベンス(Pseudoperonosp
ora cubense);プラスモパラ(Plasmopara)種、例え
ばプラスモパラ・ヴィチコラ(Plasmopara viticol
a);ペロノスポラ(Peronospora)種、例えばペロノス
ポラ・ピシ(Peronospora posi)またはP・ブラシカ
(P・brassicae);エリシフェ(Erysiphe)種、例え
ばエリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis);ス
フェロテカ(Sphaerotheca)種、例えばスフェロテカ・
フリギネア(Sphaerotheca fuliginea);ポドスフェ
ラ(Podosphaera)種、例えばポドスフェラ・ロイコト
リチャ(Podosphaera leucotricha);ヴェンチュリア
(Venturia)種、例えばヴェンチュリア・インエクアリ
ス(Venturia inaequalis);ピレノフォラ(Pyrenoph
ora)種、例えばピレノフォラ・テレス(Pyrenophora
teres)またはP.グラミネ(P.gramine);(コニディア
(Conidia)型:ドレチュスレラ(Drechslera),syn:ヘ
ルミントスポリウム(Helminthosporium));コクリオ
ボルス(Cochliobolus)種、例えばコクリオボルス・サ
チブス(Cochliobolus sativus)(コニディア(Conid
ia)型:ドレチュスレラ(Drechslera),syn:ヘルミン
トスポリウム(Helminthosporium));ウロミセス(Ur
omyces)種、ウロミセス・アペンディクラツス(Uromyc
es appendiculatus);プクシニア(Puccinia)種、例
えばプクシニア・レコンディタ(Puccinia recondit
a);チレチア(Tilletia)種、例えばチレチア・カリ
エス(Tilletia caries);ウスチラゴ(Ustilago)
種、例えばウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)または
ウスチラゴ・アヴェナエ(Ustilago avenae);ペリク
ラリア(Pellicularia)種、例えばペリクラリア・ササ
キイ(Pellicularia sasakii);ピリクラリア(Pyric
ularia)種、例えばピリクラリア・オリザエ(Pyricula
ria oryzae);フサリウム(Fusarium)種、例えばフ
サリウム・クルモルム(Fusarium culmorum);ハイイ
ロカビ(Botrytis)種、例えばボツリティス・シネレア
(Botrytis cinerea);セプトリア(Septoria)種、
例えばセプトリア・ノドルム(Septorianodorum);レ
プトスフェリア(Leptosphaeria)種、例えばレプトス
フェリア・ノドルム(Leptosphaeria nodorum);セル
コスポラ(Cercospora)種、例えばセルコスポラ・カネ
ッセンス(Cercospora canescens);アルテルナリア
(Alternaria)種、例えばアルテルナリア・ブラシカ
(Alternaria brassicae);およびシュードセルコス
ポレラ(Pseudocercosporella)種、例えばシュードセ
ルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercospore
lla herpotrichoides)。
植物の病気を防除する際に必要な濃度で、本活性化合
物の植物による良好な許容性があるために、植物の地上
部分、生長増殖茎および種子、並びに土壌の処理が可能
である。
本発明に従う活性化合物はイネのピリクラリア・オリ
ザエ(Pyricularia oryzae)の防除用に特に適してい
る。
特定の物理的および/または化学的性質によって、活
性化合物類を普通の調合物、例えば溶液、乳濁液、懸濁
液、粉末、泡剤、塗布剤、粒剤、エーロゾル、重合体物
質中および種用のコーティング組成物中に非常に微細な
カプセル剤、並びにULV冷ミストおよび温ミスト調合
物、に変えることができる。
これらの調合物は公知の方法により、例えば該物質類
を伸展剤、すなわち任意に界面活性剤、すなわち乳化剤
および/または分散剤および/または発泡剤を使用して
いてもよい液体溶媒類および/または固体担体類、と混
合することにより、製造できる。伸展剤として水を使用
する場合、例えば有機溶媒を補助溶媒として使用でき
る。液体の溶媒としては、主として次のものが適当であ
る:芳香族類、例えばキシレン、トルエンもしくはアル
キルナフタレン、塩素化芳香族もしくは塩素化脂肪族の
炭化水素類、例えばクロロベンゼン類、クロロエチレン
類もしくは塩化メチレン、脂肪族炭化水素類、例えばシ
クロヘキサン、またはパラフィン類、例えば鉱油溜分、
アルコール類、例えばブタノールもしくはグリコール、
並びにそれらのエーテル類およびエステル類、ケトン
類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンもしくはシクロヘキサノン、または強い極
性の溶媒類、例えばジメチルホルムアミドおよびジメチ
ルスルホキシド、並びに水。液化した気体の伸展剤また
は担体とは常温および常圧では気体である液体、例えば
ハロゲン化された炭化水素類並びにブタン、プロパン、
窒素および二酸化炭素の如きエーロゾル抛射剤、を意味
する。固体の担体としては、例えば粉砕した天然鉱物
類、例えばカオリン類、粘土類、滑石、チョーク、石
英、アダパルジャイト、モントモリロナイトまたは珪藻
土、および粉砕した合成鉱物、例えば高度に分散した珪
酸、アルミナおよび珪酸塩が適している。粒剤用の固体
担体としては、例えば破砕および分別された天然の岩
石、例えば方解石、大理石、軽石、海泡石およびドロマ
イト、並びに無機および有機の粉末の合成の粒体、およ
び有機物質の粒体、例えばのこ屑、やし殻、とうもろこ
し穂軸およびたばこの茎が適している。乳化剤および/
または発泡剤としては、非イオン性および陰イオン性の
乳化剤類、例えばポリオキシエチレン−脂肪酸エステル
類、ポリエチレン脂肪族アルコールエーテル類、例えば
アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキル
スルホネート類、アルキルサルフェート類、アリールス
ルホネート類、並びにアルブミン加水分解生成物類が適
している。分散剤としては、例えばリグニン−硫酸塩廃
液およびメチルセルロースが適している。
接着剤類、例えばカルボキシメチルセルロースおよび
粉末、粒体およびラテックスの形の天然および合成の重
合体類、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコールお
よびポリ酢酸ビニル、並びに天然燐脂質類、例えばセフ
ァリン類およびレシチン類、並びに合成燐脂質類、を調
合物中で使用できる。鉱油類および植物油類も他の添加
物である。
着色剤類、例えば無機顔料類、例えば酸化鉄、酸化チ
タンおよびプルシアンブルー、並びに有機染料類、例え
ばアリザリン染料類、アゾ染料類および金属フタロシア
ニン染料類、および微量栄養素類、例えば鉄、マンガ
ン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩
類を使用できる。
調合物は一般に0.1−95重量%、好適には0.5−90重量
%、の活性化合物を含有できる。
本発明に従う活性化合物は調合物中で他の公知の活性
化合物、例えば殺菌・殺カビ剤、殺昆虫剤、殺ダニ剤
(acaricides)および除草剤(herbicides)との混合物
として、並びに肥料および成長調節剤との混合物とし
て、存在することもできる。
活性化合物類はそのまま、或いはそれらの調合物の形
態または該調合物からさらに希釈することにより調製し
た施用形態、例えば調製済み液剤、懸濁液、水和剤、塗
布剤、可溶性粉剤、粉剤、および粒剤の形態で使用でき
る。それらは普通の方法で、例えば液剤散布、液剤噴
霧、噴霧、粒剤散布、粉剤散布、泡剤施用、ハケ塗りな
どによって使用される。活性化合物を超−低容量方法に
より適用することまたは活性化合物調合物もしくは活性
化合物自身を土壌中に注入することもできる。植物の種
子も処理できる。
植物部分の処理においては、使用形態の活性化合物濃
度は広い範囲内で変えることができる。それらは一般
に、1−0.0001重量%、好適には0.5−0.001重量%の
間、である。
種子の処理においては1kgの種子当たり0.001−50g
の、好適には0.01−10gの、量の活性化合物が一般に必
要である。
土壌の処理用には、作用場所で0.00001−0.1重量%
の、好適には0.0001−0.02重量%の、活性化合物濃度が
必要である。
製造実施例 実施例1 9.5g(44ミリモル)の(1R)−および(1S)−1−2,
2−ジクロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプ
ロパンカルボニルクロライドの1:1混合物を、6.2g(40
ミリモル)の(R)−1−(4−クロロ−フェニル)−
エチルアミン、4.8g(48ミリモル)のトリエチルアミン
および40mlの塩化メチレンの撹拌されている混合物に、
氷冷しながら加えた。反応混合物を次に20℃で4時間撹
拌し、水および塩化メチレンで希釈し、そして振った。
有機相を分離し、2N塩酸で洗浄し、硫酸マグネシウムを
使用して乾燥し、そして濾過した。溶媒を水流ポンプ真
空下で濾液から蒸留除去し、残渣中に残っている生物を
シクロヘキサンを用いる粉砕により結晶化させ、そして
吸引濾別により単離した。
13.8g(理論値の98%)の、融点が144℃−146℃のN
−(R)−(1−(4−クロロ−フェニル)−エチル)
−2,2−ジクロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シク
ロプロパンカルボキサミドのジアステレオマー類(1a/1
b)の混合物が得られた。
▲[α]25 D▼:+40.92(CHCl3、c=5.1)。
10g(30ミリモル)の該ジアステレオマー類の混合物
を、HPLC(高性能液体クロマトグラフィー)を使用し
て、シリカゲルカラム(メルク、5−20μ粒子寸法)上
で、ヘキサン/メチルターシャリー−ブチルエーテルの
溶離剤混合物(85:15)を用いて、分離した。
4.1gの、融点が158℃のN−(R)−(1−(4−ク
ロロ−フェニル)−エチル)−(1R)−2,2−ジクロロ
−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカルボ
キサミド(1b)が第一留分として溶離された。
▲[α]25 D▼:+20.05(CHCl3、c=2.00)。
4.4gの、融点が154℃のN−(R)−(1−(4−ク
ロロ−フェニル)−エチル)−(1S)−2,2−ジクロロ
−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカルボ
キサミド(1a)が第二留分として得られた。
▲[α]25 D▼:+61.01(CHCl3、c=2.03)。
下記の化合物類が実施例1と同様にして得られた。
式(II a)ろよび(II b)の出発物質 29g(0.158モル)の(1R)−および(1S)−2,2−ジ
クロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパン
カルボン酸(III a/III b)の1:1混合物を30mlの塩化メ
チレン中に溶解させた。次に2適のジメチルホルムアミ
ドを加え、その後、28.6g(0.24モル)の塩化チオニル
を撹拌されている混合物に滴々添加し、そして混合物を
さらに30分間にわたり還流させた。次に、水流ポンプ真
空下の蒸留により処理を行った。
25g(理論値の78%)の、沸点が80℃−85℃(15トル/
2kPa)の(1R)−および(1S)−2,2−ジクロロ−1−
エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカルボニルク
ロライド(II a/II b)の1:1混合物が得られた。
式(III a)および(III b)の出発物質 67g(1.675モル)の水酸化ナトリウムの80mlの水中溶
液を,185g(0.82モル)のエチル(1R)−および(1S)
−2,2−ジクロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シク
ロプロパンカルボキシレートの1:1混合物の400mlのエタ
ノール中溶液に加え、そして反応混合物を80℃において
3時間にわたり撹拌した。ほとんどのエタノールを次に
水流ポンプ真空下で蒸留除去し、残渣を水で希釈し、そ
して10%強度塩酸を用いて酸性化した。混合物を次に塩
化メチレンを用いて抽出し、有機相を濃縮し、残渣を石
油エーテルを用いる粉砕により結晶化させ、そして生成
物を吸引濾別により単離した。
108g(理論値の67%)の融点が77℃−79℃の(1R)−
および(1S)−2,2−ジクロロ−1−エチル−3t−メチ
ル−1r−シクロプロパンカルボン酸の1:1混合物が得ら
れた。
式(IV a)および(IV b)の出発物質 405g(6.4モル)の88%強度水酸化カリウム溶液の307
mlの水中溶液および8.3g(0.026モル)のテトラブチル
アンモニウムブロマイドを、181g(1.28モル)のエチル
E−2−エチル−2−ブタノエートの550mlのクロロホ
ルム中溶液に加え、そして反応混合物を40℃において20
時間にわたり激しく撹拌した。次に有機相を分離し、1N
塩酸で洗浄し、そして水流ポンプ真空下で蒸留した。
185g(理論値の64%)の、沸点が95℃−102℃(15ト
ル/2kPa)のエチル(1R)−および(1S)−2,2−ジクロ
ロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカル
ボキシレートの1:1混合物が得られた。
命名法(E/Z)は、ザ・ジャーナル・オブ・ザ・ア
メリカン・ケミカル・ソサイエテイ(J.Am.Chem.So
c.)、90(1968)、509−510を参照のこと。
式(II)の出発物質 約60℃−70℃に加熱されている91g(0.587モル)のラ
セミ体p−クロロフェネチルアミンの300mlのエタノー
ル中溶液および122gの(S)−(−)−O−(N−フェ
ニルカルバモイル)乳酸の800mlのエタノール中溶液を
一緒にし、そして一夜放置した。結晶性スラリーを吸引
濾別し(93g)、そして200mlの10%強度水酸化ナトリウ
ム溶液/300mlの塩化メチレンで処理した。有機相を水で
演奏し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして回転蒸発
器上で蒸発させた。
44.5gの、光学純度が89.4%e.e.(エナンチオマー過
剰)の(+)−エナンチオマーが得られた。
44g(0.28モル)のこのアミンを60℃に加熱されてい
る150mlのエタノール中に溶解させ、そして同様に60℃
に暖められている59g(0.28モル)の(S)−(−)−
O−(N−フェニルカルバモイル)乳酸の400mlのエタ
ノール中溶液と一緒にした。ゆっくりと結晶化した塩を
一夜放置した後に吸引濾別し(74g)、そして300mlの塩
化メチレン/10%強度水酸化ナトリウム溶液を使用して
上記の如くして分割した。
洗浄、乾燥および有機相の濃縮後に、40.4g(理論値
の88.8%)の、光学純度が97.4%e.e.(エナンチオマー
過剰)の(+)−エナンチオマーが得られた。
使用実施例 ピリクラリア(Pyricularia)試験(イネ)/保護 溶媒:12.5重量部のアセトン 乳化剤:0.3重量部のアルキルアリールポリグリコールエ
ーテル 活性化合物の適当な調合物を製造するために、1重量
部の活性化合物を上記量の溶媒および乳化剤と混合し、
そして濃厚物を水で希釈して希望する濃度にした。
保護活性を試験するために、若い植物に活性化合物の
調合物をしずくで濡れるまで噴霧した。噴霧コーティン
グが乾燥した後に、植物にピリクラリア・オリザエ(Py
ricularia oryzae)の水性胞子懸濁液を接種した。植物
を次に100%の相対的大気湿度および25℃の温室中にい
れた。
接種後4日に、病気感染の評価を行った。
この試験では、本発明に従う式(I a)の化合物は先
行技術に比べて明らかに優れた活性を示した。
本発明の主なる特徴および態様は以下のとおりであ
る。
1.式(I a)および(I b) [式中、 R1は任意に分枝鎖状であってもよい炭素数が2〜4のア
ルキルを示し、 R2は水素、メチルまたはエチルを示し、そして Xは水素またはハロゲンを示す] のN−(R)−(1−アリール−エチル)−1−アルキ
ル−2,2−ジクロロ−シクロプロパンカルボキサミド類
の立体異性体、並びにそれらの混合物。
2.式(I a)および(I b)において、 R1がエチル、プロピルまたはイソプロピルを示し、 R2が水素またはメチルを示し、そして Xが水素、弗素、塩素または臭素を示す 上記1に従うN−(R)−(1−アリール−エチル)
−1−アルキル−2,2−ジクロロ−シクロプロパンカル
ボキサミド類の立体異性体、並びにそれらの混合物。
3.少なくとも50%の式(I a)の立体異性体を含有して
いる、上記1に従うN−(R)−(1−アリール−エチ
ル)−1−アルキル−2,2−ジクロロ−シクロプロパン
カルボキサミド類の立体異性体の混合物。
4.式(I a)および(I b) [式中、 R1は任意に分枝鎖状であってもよい炭素数が2〜4のア
ルキルを示し、 R2は水素、メチルまたはエチルを示し、そして Xは水素またはハロゲンを示す] のN−(R)−(1−アリール−エチル)−1−アルキ
ル−2,2−ジクロロ−シクロプロパンカルボキサミド類
の混合物並びに純粋な異性体の製造方法において、式
(II a)および(II b) [式中、 R1およびR2は上記の意味を有する] の(1R)−および(1S)−1−アルキル−2,2−ジクロ
ロ−シクロプロパンカルボニルクロライド類の混合物
を、適宜酸受容体の存在下でそして適宜希釈剤の存在下
で、式(III) [式中、 Xは上記の意味を有する] の(R)−1−アリール−エチルアミン類と反応させ、
そして適宜、式(I a)および(I b)の個々の立体異性
体を製造するために、生成した式(I a)および(I b)
の化合物を第二段階で異なる物理的性質に基づいて一般
的な方法により分離しすることを特徴とする方法。
5.少なくとも1種の上記1および4に従う式(I a)お
よび(I b)の立体異性体またはそれらの混合物を含有
することを特徴とする、有害生物防除剤。
6.有害生物類を防除するための、上記1および4に従う
式(I a)および(I b)の立体異性体またはそれらの混
合物の使用。
7.上記1および4に従う式(I a)および(I b)の立体
異性体またはそれらの混合物を有害生物類および/また
はそれらの環境に作用させることを特徴とする、有害生
物類の防除方法。
8.上記1および4に従う式(I a)および(I b)の立体
異性体またはそれらの混合物を伸展剤および/または表
面活性剤と混合することを特徴とする、有害生物防除剤
の製造方法。
9.式(II a)および(II b) [式中、 R1は任意に分枝鎖状であってもよい炭素数が2〜4のア
ルキルを示し、 R2は水素、メチルまたはエチルを示す] の(1R)−および(1S)の−1−アルキル−2,2−ジク
ロロ−シクロプロパンカルボニルクロライド類、並びに
それらの混合物。
10.式(III a)および(III b) [式中、 R1は任意に分枝鎖状であってもよい炭素数が2〜4のア
ルキルを示し、 R2は水素、メチルまたはエチルを示す] の(1R)−および(1S)−1−アルキル−2,2−ジクロ
ロ−シクロプロパン−カルボン酸類、並びにそれらの混
合物。
11.式(IV a)および(IV b) [式中、 R1は任意に分枝鎖状であってもよい炭素数が2〜4のア
ルキルを示し、 R2は水素、メチルまたはエチルを示し、そして R3はメチルまたはエチルを示す] の(1R)−および(1S)−1−アルキル−2,2−ジクロ
ロ−シクロプロパン−カルボキシレート類、並びにそれ
らの混合物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−54350(JP,A) 特開 昭62−161704(JP,A) 特開 昭62−161705(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I a)および(I b) のN−(R)−(1−(4−クロロ−フエニル)−エチ
    ル)−2,2−ジクロロ−1−エチル−3−メチルシクロ
    プロパンカルボキサミドの立体異性体、並びにそれらの
    混合物。
  2. 【請求項2】式(I a)および(I b) のN−(R)−(1−(4−クロロ−フエニル)−エチ
    ル)−2,2−ジクロロ−1−エチル−3−メチルシクロ
    プロパンカルボキサミドの混合物並びに純粋な異性体の
    製造方法において、式(II a)および(II b) の(1R)−および(1S)−2,2−ジクロロ−1−エチル
    −3−メチルシクロプロパンカルボニルクロライドの混
    合物を、適宜酸受容体の存在下でそして適宜希釈剤の存
    在下で、式(III) の(R)−1−(4−クロロ−フエニル)−エチルアミ
    ンと反応させ、そして適宜、式(I a)および(I b)の
    個々の立体異性体を製造するためには、生成した式(I
    a)および(I b)の化合物を第二段階で異なる物理的性
    質に基づいて一般的方法により分離することを特徴とす
    る方法。
  3. 【請求項3】少なくとも1種の特許請求の範囲第1およ
    び2項に記載の式(I a)および(I b)の立体異性体ま
    たはそれらの混合物を含有していることを特徴とする、
    殺菌、殺カビ剤。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1および2項に記載の式
    (I a)および(I b)の立体異性体またはそれらの混合
    物を菌・カビ類および/またはそれらの環境に作用させ
    ることを特徴とする、菌・カビ類の防除方法。
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