JP2625401B2 - 板状加工物を打ち抜く機械の廃棄物剥取りステーション - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、紙又は厚紙等の板状加
工物を打ち抜く機械の廃棄物剥取りステーションに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】これらの機械は、例えば、折り畳まれ且
つ接着されると箱になる１枚又は多数のブランク平版紙
を打ち抜くのに使用される。一般に、全てのブランクは
箱の６つの面を有し、幾つかの縁部は、舌片を接着又は
閉じることにより完成される。幾つかの刻み目により互
いに連結された完成ブランクのみを出口堆積物として残
すには、廃棄小片、すなわち舌片間又はブランク間の平
版紙の非使用領域は、打抜き作業後に直ちに剥取り（ス
トリッピング）するのが有効である。通常、このような
機械は先ず第１に送込みステーションを有し、該送込み
ステーションでは、予め配置された堆積物の頂部から平
版紙が１枚ずつ掴まれ、平版紙は次に供給テーブル上に
運ばれる。全ての平版紙は、このテーブル上で、横方向
バー（該バーの端部は、次の加工ステーションで該バー
従って平版紙を駆動する横方向チェーン列に取り付けら
れている）に沿って取り付けられた一連のグリッパによ
りその前縁部が掴まれる前に、切断ブレードが設けられ
たプラテンプレスを備えた打抜きステーションにおい
て、次に廃棄物剥取りステーションにおいて、フロント
レイ（front lays）及びサイドマーク上に整合される。
望むならば、打抜きステーションの前に印刷ステーショ
ンを設けることができる。これらの加工ステーションの
後に分配ステーションが続き、該分配ステーションでは
全ての打抜き平版紙がグリッパから解放され、出口堆積
物の頂部上に整合した状態で落下する。

【０００３】廃棄物剥取りステーションでは、平版紙
は、剥ぎ取るべき廃棄小片の周囲に従って穿孔された水
平ボード上で平らに支持される。剥取りピンすなわちエ
ジェクタ及び／又はプレッサを支持するクロスバーが設
けられたフレームの形状を有する水平な上方剥取り工具
が垂直方向に移動できる。穿孔ボードの下には第２水平
剥取り工具が配置され、該剥取り工具も、上方エジェク
タに対応して配置された垂直テレスコピック（入れ子
式）ピンを支持するフレームの形状を有している。テレ
スコピックピンの端部は、ボードの孔内で上方平面より
僅か上の位置に到達する。これにより、上方工具が、位
置決めされた打抜き平版紙上に下降されると、それぞれ
のエジェクタ／テレスコピックピンの組合せが、廃棄小
片を摘んで下方に移動し、ここで廃棄小片は容器内に落
下される。剛性を目的として、全グリッパ又は異形バー
で作られたグリッパを支持するバーは、最小１０ｍｍ
（通常、１０〜３０ｍｍの定格を有する）の厚さを有す
る。従って、グリッパが「高」にある場合すなわちグリ
ッパが平版紙をバーの上面のレベルに保持する場合に
は、一方では、グリッパバーを通すためボード及び下方
工具を垂直下降運動するように、他方では、平版紙をそ
の移動平面内で支持するため上昇運動するように付加的
に交互駆動する必要がある。

【０００４】しかしながら、水平フレームのボードの垂
直方向の正確な反復直線運動は、ボードの４つのコーナ
で同時に作動することによってのみ確保される。従っ
て、現在の剥取りステーションは直線的に駆動される３
組の個々の工具を有し、この事実は、必然的に機構を特
別重く且つ高慣性にし、これは多量のエネルギを消費す
る。また、工具の垂直運動により、このステーション内
に重要なスリップ流が引き起こされ、該スリップ流は、
打抜き作業により破れ易くなった平版紙の正確な位置決
めに致命的な影響を及ぼす。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、板状
加工物を打ち抜く機械の廃棄物剥取りステーションであ
って、特に運動制御のための装置の個数を減少すること
により、シネマチックを改善できるように構成部品が配
置されたいわゆる「高」グリッパバーを備えた廃棄物剥
取りステーションを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は、上記形式の
廃棄物剥取りステーションであって、穿孔ボードを有
し、該穿孔ボードは板状加工物を支持するため第１制御
装置により上昇され、前記穿孔ボードから、廃棄小片が
上方剥取り工具及び下方剥取り工具により摘まれ且つ下
方に運ばれ、前記上方剥取り工具及び下方剥取り工具は
それぞれ上方テレスコピックピン及び下方テレスコピッ
クピンを備えており、上方剥取り工具及び下方剥取り工
具が第２制御装置及び第３制御装置の作用の下で垂直方
向に移動でき、穿孔ボードは、その上流側縁部の回りで
枢動できるようにするため、その下流側縁部においての
み上昇されることを特徴とする廃棄物剥取りステーショ
ンにより達成される。本明細書の記載をより良く理解で
きるようにするため、「上流側」及び「下流側」なる用
語は平版紙の移動方向に関する用語であると考えるべき
であり、「上流側」とはステーションの入口に近い部分
をいい、「下流側」とはステーションの出口に近い部分
をいう。好ましい実施例では、ボードの下流側縁部の上
昇は僅かにグリッパバーの厚さに等しい高さで達成され
る。すなわち、その上流側縁部の回りの１〜６°好まし
くは２〜４°の範囲内の角回転により行われる。

【０００７】これにより、多くの作業場での確認試験の
後、平版紙が静止し且つボードの下流側縁部が上昇する
間に、平版紙の上流側自由縁部が、迅速に且つ困難な
く、対応する穿孔ボードの殆ど静止不動状態に維持され
る上流側縁部上に着地する。この降下は、最小に小形化
されたボードの運動により首尾よく行われ、スリップ流
も減少される。この平版紙は、次に、僅かに傾斜してい
ても前と同様に支持され、剥取り工具は、妨げられるこ
となく廃棄小片を排除できる。この解決方法によれば、
ボードの運動を制御する装置が簡単化され、且つボード
の運動を制御する装置を構成する部品数を約２０％減少
できる。運動のより良い調和が得られるようにするた
め、剥取り工具を、上昇位置において穿孔ボードに対し
て傾斜させ且つ傾斜ガイドに沿って直角に摺動するよう
に構成できる。穿孔ボードが、上流側支持パッキングス
トリップ及び下流側支持パッキングストリップ上での横
方向直線運動時に挿入されるとき、上昇装置は下流側パ
ッキングストリップのみに直接作用し、該下流側ストリ
ップは、所望時には、殆ど水平で且つその上流側端部の
回りで枢動するガイドアームに連結される。

【０００８】

【実施例】本発明は、図示の非制限的な実施例に関する
以下の詳細な説明を読むことにより一層良く把握できる
であろう。図１には廃棄物剥取りステーション１が示さ
れており、ここで、紙又は厚紙の平版紙のような板状加
工物５は、２列の横方向チェーン（図示せず）により駆
動されるバーに取り付けられたグリッパ６により穿孔ボ
ード１０の上面上に支持される。平版紙５がこのボード
１０上に静止しているとき、上方剥取り工具２０及び下
方剥取り工具３０に属する、それぞれ対応する対をなす
上方固定ピン２２及び下方テレスコピックピン３２が、
それぞれ上方及び下方から廃棄小片領域を掴み、該廃棄
小片を下方への直線移動により平版紙５から離れる方向
に運んで、下方の容器（図示せず）内に落下させる。平
版紙５がひとたび整えられたならば、平版紙は再びグリ
ッパ６により掴まれ、図面で見て左側に位置するステー
ションの出口に向かって運ばれる。図１に示すように、
この廃棄物剥取りステーション１は２つの横方向窓２を
有し、該窓２は、工具を或るサイズから他のサイズに変
更するときに、交換すべき工具にアクセスできるように
する。両工具２０、３０は、立面図で見て異形輪郭をも
つアルミニウム片で作られたフレームの形状を有する。

【０００９】このフレームでは、固定ピンの形状をもつ
対応する上方エジェクタ２２並びにテレスコピックピン
の形状をもつ下方エジェクタ３２内に取り付けられるよ
うにするため、複数の長手方向ブラム（brams)及びクロ
スバーが配置されている。上方工具２０は、平版紙５を
ボード１０上に置くための複数のプレッサを支持するこ
ともできる。工具２０、３０のフレームは、少なくとも
これらの上流側及び下流側に水平溝を有し、該水平溝は
フレームを吊り下げて、廃棄物剥取りステーション１の
上方の支持パッキングストリップ２４及び下方の支持パ
ッキングストリップ３４上で窓２を通る横方向の直線運
動ができるようにする。ボード１０は、所与のサイズに
特定された廃棄小片の領域に従って穿孔されている。こ
のボードは水平な上流側溝及び下流側溝を備えたフレー
ム内に挿入され、これらの溝は、上流側パッキングスト
リップ１１及び下流側パッキングストリップ１８内でフ
レームと係合できるようにする。図１に示すように、移
送グリッパ６はこれらの上面上に掴まれた平版紙５を有
する。このためには、ボード１０を規則的に下降させる
必要があり、これにより、次の平版紙を支持するグリッ
パバーの通路を残し且つ次にこのボードを上昇させて廃
棄物剥取り作業中に前記平版紙が正しく支持されるよう
にする。

【００１０】特に本発明によれば、ボード１０の上方の
上流側縁部を平版紙５の到達平面Ｘ−Ｘのレベルに移動
させるのに、上流側パッキングストリップ１１のみが上
昇される。図１の別の例では、ボード１０のフレームの
下流側側面が、固定された下流側パッキングストリップ
１８の上面上で、例えばあり溝内に挿入され、下流側パ
ッキングストリップ１１の上昇により引き起こされるボ
ード１０の上昇運動の枢着点９を形成する。別の解決方
法として図２に示すように、固定された下方パッキング
ストリップ１８は慣用的に水平であり、上流側パッキン
グストリップ１１は、上流側端部が枢着点８に枢着され
た２本の横方向アーム１７に連結されており、これらの
別々の枢着点の回りでの回転に従って横方向アーム１７
を上昇できるようになっている。図１に良く示すよう
に、グリッパの厚さに等しくするためのパッキングスト
リップ１１の上昇は、枢着点９（又は８）の回りでの１
〜６°好ましくは２〜４°の間の角度αの回転を伴う。
この小さな回転角のため、単に穿孔ボード１０の縁部を
フレームの側面の対応する溝内に係合させることによ
り、穿孔ボード１０のフレームをパッキングストリップ
に固定することができる。

【００１１】図２から良く分かるように、パッキングス
トリップ１１は更に、垂直ガイド１３により平版紙の移
動方向に案内され、且つステーション１の壁に関して平
行であり且つオフセットしているガイド１３″により交
差方向に案内される。本発明によれば図１に良く示すよ
うに、剥取り工具２０、３０は、このステーションで
は、押圧された状態すなわち上昇位置における穿孔ボー
ド１０に対して平行に配置される。このため、上方工具
２０のパッキングストリップ２４を保持するブロック２
６は、チューブすなわちガイドリブ２７に沿って摺動す
る。ガイドリブ２７自体は垂線に関して、ボード１０の
回転角に等しい角度αで押圧される。対称的な態様で、
下方剥取り工具３０のパッキングストリップ３４に連結
されたブロック３６は、ガイド２７に対して押圧され且
つ平行なチューブすなわちガイドリブ３７に沿って摺動
する。この図面から理解されるように、工具２０、３０
のこの傾斜設定は、垂直運動を制御する装置の作動を全
く妨げるものではない。実際、上方剥取り工具２０の制
御装置は、第１に、打抜き機の主モータ軸に連結された
カム４０を有し、該カムの位置は、スキャニングレバー
４１の第１分枝に設けられたローラにより読み取られ、
他方の分枝は回転移動できるように制御バー４２に連結
されている。バー４２の他端部は３枝レバー４３に枢着
され、該３枝レバーの第２分枝はステーション１の横壁
に沿って配向された同期化バー４４に枢着され、且つ第
３分枝は工具２０の上流側ブロック２６上で作用する第
１上流側プルハンドルに枢着されている。同期化バー４
４の他端部は単一レバー４５に枢着され、該レバーの他
方の分枝は更に、工具２０の下流側ブロック２６に作用
する下流側プルハンドル４６に枢着されている。

【００１２】図１から容易に理解されるように、スキャ
ニングレバー４１がカム４０により上昇されると、制御
バー４２が下方に引っ張られる。これにより、プルハン
ドル４７が同時に上昇され、従ってブロック２６、パッ
キングストリップ２４及び上方工具２０も同時に上昇さ
れる。この作用はばね２８の作用に抗して行われる。工
具のこの上昇は新しい平版紙５の移送中に行われる。対
称的な態様で、下方剥取り工具３０の運動の設定を制御
する装置は、第１にカム５０を有し、該カムの位置は、
３枝レバー５３に連結された制御バー５２に作用するス
キャニングレバー５１により走査される。この３枝レバ
ーの第２分枝は下流側プッシャ５６に連結され、一方第
３分枝は同期化バー５４を介して第２レバー５５に連結
されており、該第２レバーは上流側プッシャ５７に直接
作用する。これにより、スキャニングレバー５１がカム
５０により上昇されると、制御バー５２が右方に向かっ
て引っ張られる。これにより、プッシャ５６が同時に上
昇され、ブロック３６、パッキングストリップ３４及び
上方工具３０も同時に上昇される。この作用は、平版紙
５がひとたびボード１０上に置かれ、廃棄小片を剥ぎ取
る間に行われる。

【００１３】運動制御を行う上記装置を構成する機構の
全ての連結は回転連結であり、工具２０、３０が、垂線
に対して僅かに押圧された状態で直線運動する事実を妨
げることはない。図１の左上方及び図２に良く示すよう
に、ボード１０の下流側パッキングストリップ１１の運
動を制御する装置はロッド１５を有し、該ロッドは、そ
の一端がパッキングストリップ１１の摺動ブロック１２
に対して回転可能に連結され、その他端がレバー１６の
下端部に連結されており、レバー１６はその上流側端部
で枢動する。このレバーは、カム１９を備えたレバー４
５が反時計回り方向に回転する間に、該カム１９により
上昇される。レバー４５と前方又は後方に幾分くさび作
用するカム１９との間のこの剛性連結により、パッキン
グストリップ１１の予備上昇とボード１０の回転と、ボ
ード上への平版紙５の上流側縁部の着地を行うための可
能作用時間と、工具３０の上昇位置への設定と同時の工
具２０の位置への下降との間の完全同期化が確実にな
る。テレスコピックピン３２上への工具２０の下降の継
続は、正確に円形の上流側部分によりカム１９のレベル
で顕著である。本明細書を読むことにより理解されるよ
うに、本発明による廃棄物剥取りステーション１は、穿
孔ボード１０の上流側部分がもはや運動を行うように設
定されていない場合でも確実且つ効率的に作動でき、こ
のため、運動制御装置を構成する部品数を大幅に減少で
きる。

【００１４】本発明の廃棄物剥取りステーションには、
特許請求の範囲内で種々の改良を加えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による廃棄物剥取りステーションの概略
縦断面図である。

【図２】穿孔ボードの運動を制御する装置の概略斜視図
である。

【符号の説明】

１ 廃棄物剥取りステーション ２ 横方向窓 ５ 板状加工物（平版紙） ６ グリッパ ８ 枢着点 ９ 枢着点 １０ 穿孔ボード １１ 上流側パッキングストリップ １３ 垂直ガイド １３″ ガイド １５ ロッド １６ レバー １７ 横方向アーム １８ 下流側パッキングストリップ １９ カム ２０ 上方剥取り工具 ２２ 固定された上方ピン（上方エジェクタ） ２４ パッキングストリップ ２６ ブロック ２７ ガイド ３０ 下方剥取り工具 ３２ 下方のテレスコピックピン（下方エジェクタ） ３４ パッキングストリップ ３６ ブロック ３７ ガイドリブ ４０ カム ４１ スキャニングレバー ４２ 制御バー ４３ ３枝レバー ４４ 同期化バー ４５ レバー ４６ 下流側プルハンドル ４７ プルハンドル ５０ カム ５１ スキャニングレバー ５２ 制御バー ５３ ３枝レバー ５６ 下流側プッシャ

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 穿孔ボード（１０）を有し、該穿孔ボー
   ド（１０）はグリッパにより掴まれた板状加工物（５）
   を支持するため第１制御装置（１２〜１６）により上昇
   され、前記穿孔ボード（１０）から、廃棄小片が、上方
   剥取り工具（２０）及び下方剥取り工具（３０）にそれ
   ぞれ設けられた上方テレスコピックピン（２２）及び下
   方テレスコピックピン（２３）により摘まれ且つ下方に
   運ばれ、上方剥取り工具及び下方剥取り工具が第２制御
   装置（４０〜４７）及び第３制御装置（５０〜５７）の
   作用の下で垂直方向に移動できる、板状加工物を打ち抜
   く機械の廃棄物剥取りステーションにおいて、前記穿孔
   ボード（１０）は、その上流側縁部の回りで枢動できる
   ようにするため、その下流側縁部においてのみ上昇され
   ることを特徴とする廃棄物剥取りステーション。
2. 【請求項２】 前記穿孔ボード（１０）の下流側縁部の
   上昇は、その上流側縁部の回りの１〜６°好ましくは２
   〜４°の範囲内の角回転により行われることを特徴とす
   る請求項１に記載の廃棄物剥取りステーション。
3. 【請求項３】 前記剥取り工具（２０、３０）は、上昇
   位置において穿孔ボード（１０）に対して傾斜し且つ傾
   斜ガイド（２７、３７）に沿って直角に摺動することを
   特徴とする請求項１に記載の廃棄物剥取りステーショ
   ン。
4. 【請求項４】 前記穿孔ボード（１０）は、上流側支持
   パッキングストリップ（１１）及び下流側支持パッキン
   グストリップ（１８）上での横方向直線運動時に挿入さ
   れ、上昇制御装置（１２〜１６）が下流側ストリップ
   （１１）のみに作用し、該下流側ストリップ（１１）
   は、所望時には、殆ど水平で且つその上流側端部の回り
   で枢動するガイドアーム（１７）に連結されることを特
   徴とする請求項１に記載の廃棄物剥取りステーション。