JP2625392B2 - ジョセフソンラッチ回路 - Google Patents

ジョセフソンラッチ回路

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JP2625392B2 JP6320803A JP32080394A JP2625392B2 JP 2625392 B2 JP2625392 B2 JP 2625392B2 JP 6320803 A JP6320803 A JP 6320803A JP 32080394 A JP32080394 A JP 32080394A JP 2625392 B2 JP2625392 B2 JP 2625392B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジョセフソン接合を用
いたラッチ回路に関し、特に真信号、補信号を回路の中
で利用する論理回路において、前のクロックサイクルに
おける論理演算の結果を一時蓄え、その真信号、補信号
の二つの形で出力するラッチ回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ラッチング動作に基づいたジョセフソン
接合素子論理ゲートにおいては、1クロックサイクルご
とに電源電流を0に戻すことでラッチング動作をリセッ
トするAC電源方式が一般的にとられている。このよう
な方式で論理回路を組むためには、電源電流が0の間、
前のクロックサイクルの情報を維持するラッチ回路が本
質的に必要となる。また、ジョセフソン接合を用いた論
理回路では、インバーターを構成するためにはタイミン
グ信号が必要で、構成が半導体に比べて難しく、動作の
高速化にも障害となる。従って、入力された情報の真信
号と補信号が同時に出力されるラッチ回路は、ジョセフ
ソン素子を用いた論理回路の高性能化に必要不可欠のも
のといえる。
【0003】従来、いくつかのラッチ回路が提案され研
究されてきているが、ここでは図5に示す従来例を説明
する。この従来例のラッチ回路の動作については、特開
平2−244495号公報に詳しいので、ここでは簡単
に述べるにとどめる。図5は、従来例の等価回路を示し
ており、図5において、501は真信号入力線、502
は補信号入力線、503,508,519はジョセフソ
ン接合、504,505,506はインダクタンス、5
07はジョセフソン接合とインダクタンスからなるセン
ス回路(2接合SQUID)、509はゲート電流線、
510,511は出力抵抗、512は真信号出力線、5
13は補信号出力線、514はラッチイネーブル信号
線、515,516は積演算回路、517は真信号入力
線、518は補信号入力線であり、ジョセフソン接合5
03とインダクタンス504,505,506からデー
タ保持ループを構成する。
【0004】あるクロックサイクルにおける計算の結果
が1のときは、真信号入力線501に電流が流れ、0の
ときは、補信号入力線502に電流が流れる。真信号入
力線501を流れる電流は、磁気結合によりインダクタ
ンス504を通して磁束保持ループを流れる電流とな
り、ジョセフソン接合503が電圧状態にスイッチして
磁束量子を記憶する。この磁束量子分に相当する永久電
流が、保持ループには流れている。計算結果が0の場
合、補信号入力線502とインダクタンス505の磁気
結合を通して保持ループに誘起される電流は、真信号の
入力により誘起される電流の逆向きに、つまり永久電流
の向きに同じくなるように設計し、永久電流と重畳した
ときにジョセフソン接合503が電圧状態になり、重畳
しないときには電圧状態にならないように設計してお
く。そうすれば、保持ループに磁束が書き込まれている
ときに補信号入力は磁束ループ内の量子磁束を打ち消
し、書き込まれていない場合はそのままの状態を保つ。
このようにして、計算結果の情報は記録される。その情
報の読み出しには、保持ループ内のインダクタンス50
6とセンス回路507の磁気結合を通して誘起される磁
束を入力とするセンス回路により行われる。このセンス
回路の電圧状態に移行する電流値は、磁束保持ループに
磁束が書き込まれているか否かで違ってくる。その電流
値の関係を、ジョセフソン接合508との大小関係にお
いて、(磁束がある時の電圧状態移行電流)<(ジョセ
フソン接合508の電圧状態移行電流)<(磁束がない
ときの電圧状態移行電流)、と設計しておけば、前記保
持ループに磁束が書き込まれているときのみセンス回路
507がスイッチし、磁束が書き込まれていない場合
は、センス回路507よりジョセフソン接合508が先
にスイッチするようになる。センス回路507がスイッ
チしたときには、ゲート電流線509より供給されたゲ
ート電流は、抵抗511を通し、真信号出力線512へ
流れ(抵抗510も分岐するが、分岐された電流はジョ
セフソン接合519を通し、接地へ流れ、補信号出力線
513へは流れない)、ジョセフソン接合508がスイ
ッチしたときには、ゲート電流は抵抗510を通し、ジ
ョセフソン接合519へ流れ、ジョセフソン接合519
をスイッチし、補信号出力線513へと流れる。すなわ
ち、前記保持ループへの保持磁束の有無に対応して(デ
ータ“1”,“0”に対応して)真信号、補信号が出力
されることになる。このようにして、ジョセフソンラッ
チ回路が実現できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たラッチ回路には次のような問題がある。第一に、デー
タの書き込みには必ず真信号と補信号の二つが必要にな
ることである。これは、論理回路を組むときデュアルレ
ール方式を採用しなければならないことを意味する。デ
ュアルレール方式は、ジョセフソン接合を用いた回路で
一般的に使われる方式であるが、補信号が必要ないとこ
ろでも補信号を維持するためのゲートを用意しなければ
ならず、特にジョセフソン論理ゲートを組み合わせて複
雑な論理システムを実現しようとしたときに、意味無く
全ゲート数を増やす可能性がある。また、チップの入出
力部分のピン数も同様で、例えば64ビットの乗算器の
場合をあげると、入力に128ピン、出力に64ピン必
要で、これをデュアルレール方式を用いて実現しようと
すると、384ピンの入出力ピンが必要となる。このよ
うなチップを、液体ヘリウムにより冷却しなければなら
ないジョセフソンチップで実現するのは望ましくない。
【0006】第二に、信号線の結合に磁気結合を用いて
いることである。磁気結合は、通常配線層を重ねて実現
するが、磁気結合は、直接結合する場合に比べ、制御し
にくい。そのため、結合の度合いが弱く、またプロセス
への依存度も高いため、設計をより困難にする。上述の
回路を実現しようとすると、インダクタンス504,5
05は、真、補信号の独立した磁気結合入力用インダク
タンスであるために、それぞれの相互インダクタンス値
を稼ぐためにどちらも大きな値とならなければならなく
なるし、そこに誘起させるために、信号線501,50
2に流さねばならなくなる電流も増やさなければならな
くなる。また、インダクタンス506、センス回路50
7のインダクタンス部分のインダクタンス値についても
同様で、結局回路の配線面積を大きくし、回路全体の小
型化を阻む。さらに、センス回路507のLI積と、イ
ンダクタンス506とセンス回路507のインダクタン
スとの間で誘起される書き込み磁束の関係は、このラッ
チ回路の動作マージンを決める大事な関係であるが、磁
気結合方式をとる限り、この関係を最適なものにするこ
とは非常に困難である。その理由は、センス回路507
のインダクタンスを適当なものにしてLI積を最適化し
ても、そのインダクタンス値に対応する相互インダクタ
ンスが稼げないために、センス回路507への書き込み
磁束が小さくなることによるものである。このことは、
ラッチ回路の動作マージンが小さくなることを意味す
る。このようなラッチ回路は、LSIを構成するべきラ
ッチ回路としては望ましくない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のジョセフソンラ
ッチ回路は、単一もしくは複数のジョセフソン接合と超
伝導インダクタンスよりなるデータ保持ループと、この
データ保持ループに直接結合した分離回路と、この分離
回路に直接結合した信号入力線と、前記データ保持ルー
プに直接結合したセンス回路と、このセンス回路により
前記データ保持ループに保持された情報を読み取り真信
号出力と補信号出力とを発生する出力回路と、この出力
回路の真信号出力を分岐し前記データ保持ループの一部
に磁気的に結合したリセットパルス回路とを備えること
を特徴としている。
【0008】
【作用】本発明のデータ保持ループへの磁束の書き込み
は、計算結果の真信号のみの入力を分離回路を通したの
ち直接入力する方法で行われる。書き込み磁束は、保持
ループと直接結合したSQUIDにより読み出される。
直接結合方式を採ったため、SQUIDの回路パラメー
タは最適な感度に調整可能である。書き込み磁束のリセ
ットは、その磁束が真信号が出力されるときにしかない
ことを利用し、その真信号出力の一部をリセットパルス
回路を通し、保持ループの永久電流を打ち消すことで行
う。パルスは、きわめて短時間のものであるため、次の
クロックサイクルにおける入力に影響を与えない。パル
ス発生によるダイナミックな効果による誤動作は、分離
回路を用いることで防止する。
【0009】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0010】図1は、本発明に係るジョセフソンラッチ
回路の一実施例の等価回路を示す図である。分離回路2
5は、信号入力線1より抵抗4とインダクタンス6と抵
抗5が順に直列に接続され、インダクタンス6と抵抗5
の間がジョセフソン接合3を介して接地されている。ジ
ョセフソン接合7とインダクタンス10とインダクタン
ス9とインダクタンス8は、順にループ状に接続され、
ジョセフソン接合7とインダクタンス10の間は、分離
回路に接続され、インダクタンス9とインダクタンス8
の間は、接地されている。ジョセフソン接合11とジョ
セフソン接合12とインダクタンス9およびインダクタ
ンス8は、ループ状に接続され、ジョセフソン接合11
とジョセフソン接合12との間が出力となっている。こ
の出力は、抵抗17を介して真信号出力線22に接続さ
れている。また、この出力は、ジョセフソン接合13と
抵抗15と抵抗16を順に介して補信号出力線23に接
続され、ジョセフソン接合13と抵抗15との間は、ゲ
ート電流線26に接続され、抵抗15と抵抗16の間
は、ジョセフソン接合14を介して接地されている。リ
セットパルス回路は、真信号出力線22が抵抗20と抵
抗21を介して接地され、抵抗20と抵抗21の間がジ
ョセフソン接合18とインダクタンス19を介して接地
され、インダクタンス19がインダクタンス10と磁気
的に結合されている。
【0011】ジョセフソン接合7のオーダーパラメータ
の位相差をθとすると、分離回路の出力抵抗5より入力
される電流Ieとの特性は、図2に示すようになる。図
2において、201から206まではそれぞれ動作点を
示す。この特性は、ジョセフソン接合7の臨界電流値と
インダクタンス8,9,10の値を決めることで設計す
ることができる。
【0012】図3は、ジョセフソン論理回路のゲート電
流波形の一例で、単極性AC駆動の場合を模式的に示し
たものである。301は動作領域、302はデータ書き
込み領域、303はデータ保持領域、304はマシンサ
イクル、305はデータ読み出し領域を示す。図3に示
す動作領域301において計算された結果は、信号入力
線1から積演算回路24へ入力される。計算結果が1の
場合、ラッチイネーブル信号が入力されると、積演算回
路24を経て信号が分離回路25に伝達される。分離回
路25中のジョセフソン接合3の臨界電流値は、積算回
路からの入力電流値より小さく設計されていて、入力電
流は、結局、ジョセフソン接合7とインダクタンス8,
9,10より構成される磁束保持ループに流れる。分離
回路の役割は後述する。磁束保持ループに流れた電流
は、ジョセフソン接合7を電圧状態に移行させ、磁束保
持ループの中に1磁束量子を記録する。すなわち、図2
において、動作点は201を通って202へ移る。ゲー
ト電流波形が立ち下がると動作点は203に移り、デー
タ保持領域303の間データが保持される。このときジ
ョセフソン接合は超伝導状態に戻り、磁束保持ループに
は永久周回電流が流れている。計算結果が0の場合に
は、積演算回路24がスイッチせず、分離回路に電流は
流れない。すなわち、磁束保持ループの状態は変化しな
い。
【0013】読み出しは、ゲート電流の立ち上がりの時
に行われる。データ保持ループに周回電流が流れている
場合には、読み出しSQUIDを構成しているインダク
タンス8,9、ジョセフソン接合11,12の臨界電流
値がジョセフソン接合13の臨界電流値よりも小さくな
るように、保持ループに周回電流が流れていないとき
は、SQUIDの臨界電流値がジョセフソン接合13よ
りも大きくなるように設計しておく。周回電流が流れて
いる場合、ゲート電流が増えるに従い、まずSQUID
がスイッチし、電流は抵抗17に流れ、真信号出力線2
2に出力が現れる。同時に抵抗15へも電流は分流する
が、その電流は、ジョセフソン接合14を通って接地へ
流れ込む。周回電流が流れていない場合は、ゲート電流
が増えると、先にジョセフソン接合13が電圧状態にス
イッチし、電流は抵抗15に流れ、まず、そのままジョ
セフソン接合14に流れるが、ジョセフソン接合13,
14は同じ臨界電流値に設定するので、ジョセフソン1
4もすぐスイッチし、結局、電流は抵抗16を通り、補
信号出力線23に現れる。真信号出力線には電流は流れ
ない。
【0014】上述したような方法で、ラッチ回路の読み
出し、書き込み動作が行われる。しかし、記録される磁
束保持ループは、各クロックごとにリセットされていな
ければならない。従来例においては、補信号入力が磁束
保持ループの磁束リセットに寄与するように設計されて
いるが、本発明では、その作業はリセット回路を用いて
行われる。本発明では、入力が1、すなわち真信号が1
の時にのみ磁束が書き込まれる。従って、リセットは、
次の出力が真信号線に出るときのみ行えばよい。本発明
では、真信号出力線22からの出力線の一部を用いてリ
セットを行う。リセットは、次の動作領域でのデータ保
持ループの信号書き込み動作を妨げてはならない。その
ため、パルス信号を用いてリセット動作を行う。すなわ
ち、真信号出力線の一部を抵抗20、ジョセフソン接合
18を通して保持ループのインダクタンス10と磁気的
に結合させたインダクタンス19に送る。ジョセフソン
接合18の臨界電流値は、リセットのために流れる電流
より小さく設計しておく。そうすればジョセフソン接合
18は、リセット電流が流れた直後スイッチし、インダ
クタンス19にはパルス電流が流れ、残りは抵抗21に
流れ込む。このようにして、データ保持ループへの信号
入力にタイミングの点で影響を与えずに、リセット動作
を完了することができる。
【0015】リセット動作はパルス電流で行うので、従
来例などで行われている定常的なリセット電流に比べて
大きな量の電流パルスを流さねばならない。従って、こ
の非常に短時間で大きな電流を流すことによるダイナミ
ックな効果が無視できなくなり、動作マージンの低下に
つながる。LSIを構成する場合、最も顕著に起こり得
る誤動作は、このダイナミックな効果により、信号入力
線1の前段に位置することになるLSIを構成する論理
ゲートの計算結果が0のときでも、つまり入力がないと
きでも、そのゲート電流だけでスイッチしてしまい、信
号入力線1に電流が流れてしまうことである。このため
分離回路25を設ける。実施例には、その一例が示して
ある。抵抗4,5、インダクタンス6を時間的に急峻な
電流変化を押さえるような回路パラメータに、ジョセフ
ソン接合3をリセットパルスにより誘起された保持ルー
プからの漏れ電流や、その他の誤動作により前段のゲー
トがゲート電流だけでスイッチしてしまった場合その入
力電流を吸収できる程度に設定し、磁束リセットの際の
ダイナミックな効果による誤動作を前段の回路から分離
する働きをする。
【0016】以上のようにして本発明のラッチ回路は動
作するが、入力信号線、SQUIDを用いた読み取り回
路の部分を、従来例のような磁気結合型とせずに直接結
合型とした理由を、一例として読み取り感度の基本設計
と関連づけ、以下に述べる。図4は、磁束保持ループと
読み出しSQUIDの部分を非常に簡略化して描いたも
のである。図4において、401,406,407はジ
ョセフソン接合、402,403,404は自己インダ
クタンス、405は402と404の間の相互インダク
タンスを表す。インダクタンス403は、本実施例にお
けるリセット回路磁気結合用のインダクタンス10と等
価なものである。ここで、それぞれの回路パラメータ量
を、インダクタンス402はL1、インダクタンス40
3はL3、インダクタンス404はLr、相互インダク
タンス405はM、ジョセフソン接合406,407は
0 であるとする。ジョセフソン接合を用いた論理回路
においては、異なる配線層を重ねることで磁気結合を得
る。このため、これらのパラメータの間には、次のよう
な関係があるとすることができる。
【0017】M=α×Lr (1) Lr=β×L1 (2) α,βは定数であり、後述するが磁気結合型と直接結合
型とで違う値を持つ。また、読み取り用SQUIDの最
適感度を得るために、そのLI積と書き込み磁束につい
て、磁束が保持ループに書き込まれているときの循環電
流をIcirとすれば、高感度が得られる典型的な設定
として、 Lr×I0 =Φ0 /4 (3) Icir=Φ0 /(L1+L3) (4) M×Icir=Φ0 /2 (5) があげられる。式(1)から式(5)より、 L3=(2×α×β−1)×Φ0 /(4×β×I0 ) (6) 式(6)に典型的な値を代入し、L3を求める。磁気結
合の場合、α=0.7、β=0.5、I0 =0.1(m
A)でL3=−3.105(pH)<0である。一方、
直接結合をとると、α=1、β=1、I0 =0.1(m
A)でL3=5.175(pH)である。磁気結合の場
合、明らかに式(3)から式(5)の関係を満たす設計
が不可能であることが分かる。さらに、実際にループを
レイアウトすると、通常1(pH)程度の余分なインダ
クタンスが発生してしまう。このため磁束結合型で回路
を組むのは著しく感度を落とすパラメータセットをとら
ざるを得なくなる。一方の直線結合を用いて回路を構成
すれば、高感度動作が可能となる動作点にもっていくこ
とができる。また、この場合、最も大きなインダクタン
スはL3となるが、本発明で唯一磁気結合をとっている
リセットパルスの部分、すなわちインダクタンス19と
10の部分が最も大きな面積を要求するわけで、それが
同じ場所であるということは、回路の面積の小型化にも
寄与する。
【0018】以上のように本回路を用いてジョセフソン
ラッチ回路を実現することができる。本回路は、入力に
真信号のみで動作を行うことのできる単極性AC駆動方
式用のラッチ回路である。出力としては真信号と補信号
を発生する。
【0019】
【発明の効果】本発明のラッチ回路は、単極性AC駆動
方式の時に用いることができるその動作のために、いか
なるタイミングシーケンスも必要としない。本ラッチ回
路を動作させるのに必要な入力信号は真信号一つである
ため、I/Oピンの削減に寄与することができる。ま
た、データ保持のためのループは単一のジョセフソン接
合を用い、入力やループの情報を読みとるために直接ル
ープと結合させる方式を採っているため、読みとり感度
の向上と、回路の占有面積の小型化に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の等価回路を示す図である。
【図2】保持ループにおけるジョセフソン接合のオーダ
ーパラメータの位相差と保持ループへの入力電流との電
流−位相特性を示す図である。
【図3】ジョセフソン論理回路のゲート電流波形の一例
を示す図である。
【図4】磁束保持ループと読み出しSQUIDの部分を
簡略化して描いた図である。
【図5】従来例の等価回路を示す図である。
【符号の説明】
1 信号入力線 2,514 ラッチイネーブル信号線 3,7,11,12,13,14,18,401,40
6,407,503,508 ジョセフソン接合 4,5,15,16,17,20,21,510,51
1 抵抗 6,8,9,10,19,402,403,404,5
04,505,506インダクタンス 22,512 真信号出力線 23,513 補信号出力線 24,515,516 積演算回路 25 分離回路 26,509 ゲート電流線 201,202,203,204,205,206 動
作点 301 動作領域 302 データ書き込み領域 303 データ保持領域 304 マシンサイクル 305 データ読み出し領域 405 相互インダクタンス 501,517 真信号入力線 502,518 補信号入力線 507 センス回路(SQUID)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 平2−26886(JP,B2) 特公 平4−3037(JP,B2) 特公 平4−3038(JP,B2) 特公 平4−3039(JP,B2) 特公 昭64−7440(JP,B2) 特公 平4−12557(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単一もしくは複数のジョセフソン接合と超
    伝導インダクタンスよりなるデータ保持ループと、 このデータ保持ループに直接結合し、誤動作による入力
    線への漏れ電流を吸収する分離回路と、 この分離回路に直接結合した信号入力線と、 前記データ保持ループに直接結合したセンス回路と、 このセンス回路により前記データ保持ループに保持され
    た情報を読み取り真信号出力と補信号出力とを発生する
    出力回路と、 この出力回路の真信号出力を分岐し前記データ保持ルー
    プの一部に磁気的に結合した磁束保持ループの磁束をパ
    ルス信号によりリセットするリセットパルス回路とを備
    えることを特徴とするジョセフソンラッチ回路。
  2. 【請求項2】信号入力線より第1の抵抗と第1のインダ
    クタンスと第2の抵抗が順に直列に接続され、第1のイ
    ンダクタンスと第2の抵抗の間が第1のジョセフソン接
    合を介して接地された分離回路と、 第2のジョセフソン接合と第2のインダクタンスと第3
    のインダクタンスと第4のインダクタンスが順にループ
    状に接続され、第2のジョセフソン接合と第2のインダ
    クタンスの間が前記分離回路に接続され、第3のインダ
    クタンスと第4のインダクタンスの間が接地されたデー
    タ保持ループと、 第3のジョセフソン接合と第4のジョセフソン接合と前
    記第3のインダクタンスおよび第4のインダクタンスが
    ループ状に接続され、第3のジョセフソン接合と第4の
    ジョセフソン接合との間が出力とされたセンス回路と、 このセンス回路の出力が第5のジョセフソン接合と第3
    の抵抗と第4の抵抗を順に介して補信号出力線に接続さ
    れ、第5のジョセフソン接合と第3の抵抗の間がゲート
    電流線に接続され、第3の抵抗と第4の抵抗の間が第6
    のジョセフソン接合を介して接地され、さらに前記セン
    ス回路の出力が第5の抵抗を介して真信号出力線に接続
    された出力回路と、 前記真信号出力線が第6の抵抗と第7の抵抗を介して接
    地され、第6の抵抗と第7の抵抗の間が第7のジョセフ
    ソン接合と第5のインダクタンスを介して接地され、第
    5のインダクタンスが前記第2のインダクタンスと磁気
    的に結合されたリセットパルス回路とを備えることを特
    徴とするジョセフソンラッチ回路。
  3. 【請求項3】請求項2記載のジョセフソンラッチ回路に
    おいて、前記第1のジョセフソン接合の臨界電流値が信
    号入力線からの電流値より小さくなるように設定し、前
    記データ保持ループに周回電流が流れている場合に第3
    および第4のジョセフソン接合の臨界電流値が第5およ
    び第6ののジョセフソン接合の臨界電流値よりも小さく
    なるように、かつ周回電流が流れていない場合に第3お
    よび第4のジョセフソン接合の臨界電流値が第5のおよ
    び第6のジョセフソン接合の臨界電流値よりも大きくな
    るように設定したことを特徴とするジョセフソンラッチ
    回路。
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