JP2723172B2 - 超伝導連想メモリセル及びこれを用いた超伝導連想メモリ - Google Patents
超伝導連想メモリセル及びこれを用いた超伝導連想メモリInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連想メモリセル及びこ
れを用いた連想メモリに関し、特に、それらを超伝導能
動回路要素を用いて構成する場合の改良に関する。
れを用いた連想メモリに関し、特に、それらを超伝導能
動回路要素を用いて構成する場合の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】x,yをそれぞれ2以上の整数とする
と、yビット長のワードをx個格納し得ると共に、ある
特定のyビット長の比較ワード(通常、キーワードと呼
ばれる)を外部から入力することにより、これに一致
(マッチング)するワードが記憶されているか否か、ま
た記憶されている場合にはそれがx個のワードの中のど
れであるかを出力できるメモリは、一般に連想メモリ(C
ontent Addressable Memory)と呼ばれて周知である。図
7には、そのような連想メモリの概略構成ないし概念図
が示されている。
と、yビット長のワードをx個格納し得ると共に、ある
特定のyビット長の比較ワード(通常、キーワードと呼
ばれる)を外部から入力することにより、これに一致
(マッチング)するワードが記憶されているか否か、ま
た記憶されている場合にはそれがx個のワードの中のど
れであるかを出力できるメモリは、一般に連想メモリ(C
ontent Addressable Memory)と呼ばれて周知である。図
7には、そのような連想メモリの概略構成ないし概念図
が示されている。
【0003】説明すると、互いに直交する二次元XY方
向に関し、まずはY方向にy個の連想メモリセル90が並
んでyビット長1ワード分のメモリを構成しており、こ
れがさらにX方向にx行並設されて、x個のワードを記
憶可能な二次元連想メモリプレーンが構成されている。
ここで、Y方向及びX方向のそれぞれのビット位置を表
すためにサフィックスi(1≦i≦y)、j(1≦i≦
x)を用いると、各連想メモリセル90ijは、それぞれy
ビット長ワードの各1ビット分の論理値を記憶する。図
示の場合、簡単のために1ワード長は6ビットとしてお
り、従って各行当たりの連想メモリセル90ijの個数は六
個である。また、符号X1〜X4で示すように、行数xも4
行しか示していない。実際にはワード長はもっと長く、
行数x、すなわち記憶できるワード数も遥かに多い。
向に関し、まずはY方向にy個の連想メモリセル90が並
んでyビット長1ワード分のメモリを構成しており、こ
れがさらにX方向にx行並設されて、x個のワードを記
憶可能な二次元連想メモリプレーンが構成されている。
ここで、Y方向及びX方向のそれぞれのビット位置を表
すためにサフィックスi(1≦i≦y)、j(1≦i≦
x)を用いると、各連想メモリセル90ijは、それぞれy
ビット長ワードの各1ビット分の論理値を記憶する。図
示の場合、簡単のために1ワード長は6ビットとしてお
り、従って各行当たりの連想メモリセル90ijの個数は六
個である。また、符号X1〜X4で示すように、行数xも4
行しか示していない。実際にはワード長はもっと長く、
行数x、すなわち記憶できるワード数も遥かに多い。
【0004】各連想メモリセル90ijには、通常のメモリ
(ランダムアクセスメモリ)におけると同様に、予め所
定の論理値を記憶させておくことができ、また読み出す
ことも可能である。例えばここで、図示のように、上か
ら一番目の行X1のy個の連想メモリセル90ij(j=1) に
は、図中最左端のビット側から順に「100100」なるワー
ドが記憶され、第二行X2のy個の連想メモリセル90i2に
は「101001」なるワードが、第三行X3のy個の連想メモ
リセル90i3には「101101」なるワードが、そして第四行
X4のy個の連想メモリセル90i4には「010111」なるワー
ドが記憶されているものとする。
(ランダムアクセスメモリ)におけると同様に、予め所
定の論理値を記憶させておくことができ、また読み出す
ことも可能である。例えばここで、図示のように、上か
ら一番目の行X1のy個の連想メモリセル90ij(j=1) に
は、図中最左端のビット側から順に「100100」なるワー
ドが記憶され、第二行X2のy個の連想メモリセル90i2に
は「101001」なるワードが、第三行X3のy個の連想メモ
リセル90i3には「101101」なるワードが、そして第四行
X4のy個の連想メモリセル90i4には「010111」なるワー
ドが記憶されているものとする。
【0005】しかるに、一般にキーワードと呼ばれる比
較データ(比較ワード)として、例えば図中符号Dc-Aで
示すように、最左端のビット側(最上位ビットまたは最
下位ビット側)から「101101」なる内容のワードを図示
連想メモリに入力すると、この比較データDc-Aと同じ内
容のワードは図示の場合、上から三番目の行X3のワード
メモリに格納されている。従って、この行X3からのみ、
一致信号(マッチング信号)M3が出力され、他の行から
は出力されない。
較データ(比較ワード)として、例えば図中符号Dc-Aで
示すように、最左端のビット側(最上位ビットまたは最
下位ビット側)から「101101」なる内容のワードを図示
連想メモリに入力すると、この比較データDc-Aと同じ内
容のワードは図示の場合、上から三番目の行X3のワード
メモリに格納されている。従って、この行X3からのみ、
一致信号(マッチング信号)M3が出力され、他の行から
は出力されない。
【0006】このように、連想メモリでは、与えられた
キーワード(比較データDc-A)と内容の一致するワード
を記憶しているX行の行アドレスXjを一致出力として出
力できるので、例えばこの一致出力をさらに他のメモリ
のアドレスとして用いると、当該他のメモリからキーワ
ードに関連した情報を取り出すことができる。これが故
に連想メモリと呼ばれているのであるが、さらにこのよ
うな連想メモリでは、一般にキーワード中の全部でy個
のビットの中、特定の一つまたは幾つかのビットを任意
ビット、すなわちその論理値が「1」でも「0」でも良
いいわゆるドントケアビット(don't care bit)として入
力できるように構成されることも多い。図示されている
もう一つの比較データDc-B中に認められるように、記号
「*」で示されているビットがそうであるが、例えば比
較データDc-Bとして「101**1」なるキーワードを入力し
た場合、先に例示した比較データDc-Aとは異なり、最左
端ビット側から数えて四番目と五番目のビット値は何で
も良いことになるので、当該比較データDc-Bに一致する
ワードは上から三番目の行X3にのみならず、二番目の行
X2にも存在することになる。従って出力される一致信号
は、三番目の行X3から得られる一致信号M3と二番目の行
X2から得られる一致信号M2の二つになる。このような部
分一致に基づく一致信号の出力機能も、連想メモリセル
を効果的に応用する上で必要な機能の一つである。
キーワード(比較データDc-A)と内容の一致するワード
を記憶しているX行の行アドレスXjを一致出力として出
力できるので、例えばこの一致出力をさらに他のメモリ
のアドレスとして用いると、当該他のメモリからキーワ
ードに関連した情報を取り出すことができる。これが故
に連想メモリと呼ばれているのであるが、さらにこのよ
うな連想メモリでは、一般にキーワード中の全部でy個
のビットの中、特定の一つまたは幾つかのビットを任意
ビット、すなわちその論理値が「1」でも「0」でも良
いいわゆるドントケアビット(don't care bit)として入
力できるように構成されることも多い。図示されている
もう一つの比較データDc-B中に認められるように、記号
「*」で示されているビットがそうであるが、例えば比
較データDc-Bとして「101**1」なるキーワードを入力し
た場合、先に例示した比較データDc-Aとは異なり、最左
端ビット側から数えて四番目と五番目のビット値は何で
も良いことになるので、当該比較データDc-Bに一致する
ワードは上から三番目の行X3にのみならず、二番目の行
X2にも存在することになる。従って出力される一致信号
は、三番目の行X3から得られる一致信号M3と二番目の行
X2から得られる一致信号M2の二つになる。このような部
分一致に基づく一致信号の出力機能も、連想メモリセル
を効果的に応用する上で必要な機能の一つである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、メモリ
番地ijを指定してその番地ijに位置する1ビット記憶セ
ルのそれぞれに特定の論理値を書き込み、あるいはまた
読み出すことのできる普通のメモリの持つ機能に加え、
外部より提示された比較データないしキーワードと同じ
内容のワードを持つXラインを参照できる連想メモリ
は、その応用が将来的にも広く期待されており、それが
ために半導体回路では、その具体的な回路構築手法につ
き、すでに種々の提案がある。ところが、半導体回路に
頼る限り、如何に合理的な回路構成を模索、採用して
も、それが半導体回路である以上、動作速度には原理的
な制約があり、将来の超高速動作時代には対処し得なく
なることが考えられる。
番地ijを指定してその番地ijに位置する1ビット記憶セ
ルのそれぞれに特定の論理値を書き込み、あるいはまた
読み出すことのできる普通のメモリの持つ機能に加え、
外部より提示された比較データないしキーワードと同じ
内容のワードを持つXラインを参照できる連想メモリ
は、その応用が将来的にも広く期待されており、それが
ために半導体回路では、その具体的な回路構築手法につ
き、すでに種々の提案がある。ところが、半導体回路に
頼る限り、如何に合理的な回路構成を模索、採用して
も、それが半導体回路である以上、動作速度には原理的
な制約があり、将来の超高速動作時代には対処し得なく
なることが考えられる。
【0008】これに対し、極低温下で動作するいわゆる
ジョセフソン効果を利用した超伝導能動回路要素を用い
れば、原理的には遥かに高速な動作を見込めることが期
待できる。しかし、例えば各連想メモリセルを構成する
複数の能動回路要素の全てをそうしたジョセフソン能動
回路要素(論理ゲートやスイッチングゲート)で構成し
ても、それらの個数が多くなり、読み出し/書き込み線
とか書き込み論理値入力線、比較データの各ビット当た
りの比較論理値入力線等々、一つ一つの連想メモリセル
に関与する複数のXY各方向の各作用線がそれぞれ多く
の、また互いに異なる数の能動要素や論理ゲートを通過
せねばならないようでは、結局は最も遅い作用線の伝搬
速度に律速され、ジョセフソン能動回路要素が本質的に
持っている超高速性能は大いに損なわれてしまう。
ジョセフソン効果を利用した超伝導能動回路要素を用い
れば、原理的には遥かに高速な動作を見込めることが期
待できる。しかし、例えば各連想メモリセルを構成する
複数の能動回路要素の全てをそうしたジョセフソン能動
回路要素(論理ゲートやスイッチングゲート)で構成し
ても、それらの個数が多くなり、読み出し/書き込み線
とか書き込み論理値入力線、比較データの各ビット当た
りの比較論理値入力線等々、一つ一つの連想メモリセル
に関与する複数のXY各方向の各作用線がそれぞれ多く
の、また互いに異なる数の能動要素や論理ゲートを通過
せねばならないようでは、結局は最も遅い作用線の伝搬
速度に律速され、ジョセフソン能動回路要素が本質的に
持っている超高速性能は大いに損なわれてしまう。
【0009】本発明はこのような観点からなされたもの
で、超伝導能動回路要素を用い、かつ合理的な回路構成
により、簡単で超高速動作が可能な超伝導連想メモリセ
ルとこれを用いた超伝導連想メモリを提供せんとするも
のである。
で、超伝導能動回路要素を用い、かつ合理的な回路構成
により、簡単で超高速動作が可能な超伝導連想メモリセ
ルとこれを用いた超伝導連想メモリを提供せんとするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、下記の構成を有する超伝導連想メモリセルを
提案する。 (a) yビット長のワードを構成する各ビットの論理値を
書き込み/読み出し可能に記憶する記憶回路には、超伝
導閉ループ中に永久電流を選択的に発生、保持させるス
キッド(SQUID: Superconducting Quantum Interference
Device)型の超伝導回路要素ではなく、超伝導閉ループ
が零電圧状態を保っているか電圧状態に遷移しているか
で記憶論理値の「0」,「1」を弁別的に表す電流注入
型の超伝導肯定ラッチ回路と、同じく電流注入型の超伝
導否定ラッチ回路とを用いる。 (b) 二つの超伝導オアゲートと、これら二つの超伝導オ
アゲートの両出力論理値のアンド論理を取る一つの超伝
導アンドゲートとから成る和積論理ユニットを少なくと
も第一から第三までの三つ用いる。 (c) 第一の和積論理ユニットの一方のオアゲートでは上
記ワードの1ビット分の論理値を上記記憶回路へ書き込
むために印加される書き込み信号と上記肯定ラッチ回路
の出力論理値とのオア論理を取るように、また他方のオ
アゲートでは書き込み信号の相補信号と書き込むべき論
理値とのオア論理を取るように配線すると共に、当該第
一の和積論理ユニットのアンドゲート出力論理値を電源
位相に関する位相整合用ラッチ回路を介して上記の肯定
ラッチ回路と否定ラッチ回路のそれぞれの入力に与え
る。 (d) 第二の和積論理ユニットの一方のオアゲートには上
記肯定ラッチ回路の肯定ラッチ出力論理値を入力させ、
他方のオアゲートには記憶回路に記憶されている記憶論
理値を読み出すために印加される読み出し信号を入力す
るように配線し、当該第二の和積論理ユニットのアンド
ゲート出力論理値を記憶回路(肯定ラッチ回路)が記憶
している記憶論理値の読み出し論理値とする。 (e) 第三の和積論理ユニットの一方のオアゲートでは、
上記肯定ラッチ回路の肯定ラッチ出力と外部から与えら
れる比較データの所定の1ビット分の論理値の相補論理
値とのオア論理を取るように、また他方のオアゲートで
は上記否定ラッチ回路の否定ラッチ出力論理値と比較論
理値とのオア論理を取るように配線し、この第三和積論
理ユニットのアンドゲート出力をこの連想メモリセルに
おいて選択的に発せられる一致信号の出力とする。
するため、下記の構成を有する超伝導連想メモリセルを
提案する。 (a) yビット長のワードを構成する各ビットの論理値を
書き込み/読み出し可能に記憶する記憶回路には、超伝
導閉ループ中に永久電流を選択的に発生、保持させるス
キッド(SQUID: Superconducting Quantum Interference
Device)型の超伝導回路要素ではなく、超伝導閉ループ
が零電圧状態を保っているか電圧状態に遷移しているか
で記憶論理値の「0」,「1」を弁別的に表す電流注入
型の超伝導肯定ラッチ回路と、同じく電流注入型の超伝
導否定ラッチ回路とを用いる。 (b) 二つの超伝導オアゲートと、これら二つの超伝導オ
アゲートの両出力論理値のアンド論理を取る一つの超伝
導アンドゲートとから成る和積論理ユニットを少なくと
も第一から第三までの三つ用いる。 (c) 第一の和積論理ユニットの一方のオアゲートでは上
記ワードの1ビット分の論理値を上記記憶回路へ書き込
むために印加される書き込み信号と上記肯定ラッチ回路
の出力論理値とのオア論理を取るように、また他方のオ
アゲートでは書き込み信号の相補信号と書き込むべき論
理値とのオア論理を取るように配線すると共に、当該第
一の和積論理ユニットのアンドゲート出力論理値を電源
位相に関する位相整合用ラッチ回路を介して上記の肯定
ラッチ回路と否定ラッチ回路のそれぞれの入力に与え
る。 (d) 第二の和積論理ユニットの一方のオアゲートには上
記肯定ラッチ回路の肯定ラッチ出力論理値を入力させ、
他方のオアゲートには記憶回路に記憶されている記憶論
理値を読み出すために印加される読み出し信号を入力す
るように配線し、当該第二の和積論理ユニットのアンド
ゲート出力論理値を記憶回路(肯定ラッチ回路)が記憶
している記憶論理値の読み出し論理値とする。 (e) 第三の和積論理ユニットの一方のオアゲートでは、
上記肯定ラッチ回路の肯定ラッチ出力と外部から与えら
れる比較データの所定の1ビット分の論理値の相補論理
値とのオア論理を取るように、また他方のオアゲートで
は上記否定ラッチ回路の否定ラッチ出力論理値と比較論
理値とのオア論理を取るように配線し、この第三和積論
理ユニットのアンドゲート出力をこの連想メモリセルに
おいて選択的に発せられる一致信号の出力とする。
【0011】さらに、上記の基本構成要件(a) 〜(e) を
満たした連想メモリセルを複数個用いて二次元連想メモ
リプレーンを構成する場合には、各ワードメモリを構成
する複数の連想メモリセルを通じ、与えられた比較ワー
ドとワードメモリが記憶しているワードとのワード一致
信号出力が必要になるので、 (f) 各連想メモリセルには上記の和積論理ユニットと同
じ構成の第四の和積論理ユニットをさらに設け、上記第
三和積論理ユニットのアンドゲート出力に表れる一致信
号出力をこの第四和積論理ユニットの一方のオアゲート
に入力させ、他方のオアゲートには前段の連想メモリセ
ルからの一致出力を入力させることで、当該第四和積論
理ユニットのアンドゲート出力を次段の連想メモリセル
の一致信号入力とする。
満たした連想メモリセルを複数個用いて二次元連想メモ
リプレーンを構成する場合には、各ワードメモリを構成
する複数の連想メモリセルを通じ、与えられた比較ワー
ドとワードメモリが記憶しているワードとのワード一致
信号出力が必要になるので、 (f) 各連想メモリセルには上記の和積論理ユニットと同
じ構成の第四の和積論理ユニットをさらに設け、上記第
三和積論理ユニットのアンドゲート出力に表れる一致信
号出力をこの第四和積論理ユニットの一方のオアゲート
に入力させ、他方のオアゲートには前段の連想メモリセ
ルからの一致出力を入力させることで、当該第四和積論
理ユニットのアンドゲート出力を次段の連想メモリセル
の一致信号入力とする。
【0012】しかるにまた、以上のように構成された本
発明の連想メモリセルにおいて、各和積論理ユニットの
各オアゲートには、スキッド型のオアゲートを用いるこ
とが望ましい。このようにすると、各オアゲートの入力
信号は、当該オアゲートの入力部に存在する比較的小さ
い値のインダクタンスを介した後、出力して行くことが
できるので、そもそも高速動作が得られるのみならず、
上記した肯定ラッチ回路のラッチ出力信号は、第二の和
積論理ユニットの上記一方のオアゲートの入力から第三
の和積論理ユニットの上記一方のオアゲートの入力を介
し、第一の和積論理ユニットの上記一方のオアゲートの
入力に通ずるような直列配線中を損失少なく流すことが
でき、極めて簡単な構成になる。その他の作用線も、そ
れらは全て、一つのオア入力を介して流れれば良いだけ
なので、高速性が保証され、電流値としての損失ないし
減衰が抑えられる。これに対し、各和積論理ユニット中
のアンドゲートは、両オアゲートの両出力によってのみ
駆動されれば良いので、電流注入型の超伝導アンドゲー
トで良い。
発明の連想メモリセルにおいて、各和積論理ユニットの
各オアゲートには、スキッド型のオアゲートを用いるこ
とが望ましい。このようにすると、各オアゲートの入力
信号は、当該オアゲートの入力部に存在する比較的小さ
い値のインダクタンスを介した後、出力して行くことが
できるので、そもそも高速動作が得られるのみならず、
上記した肯定ラッチ回路のラッチ出力信号は、第二の和
積論理ユニットの上記一方のオアゲートの入力から第三
の和積論理ユニットの上記一方のオアゲートの入力を介
し、第一の和積論理ユニットの上記一方のオアゲートの
入力に通ずるような直列配線中を損失少なく流すことが
でき、極めて簡単な構成になる。その他の作用線も、そ
れらは全て、一つのオア入力を介して流れれば良いだけ
なので、高速性が保証され、電流値としての損失ないし
減衰が抑えられる。これに対し、各和積論理ユニット中
のアンドゲートは、両オアゲートの両出力によってのみ
駆動されれば良いので、電流注入型の超伝導アンドゲー
トで良い。
【0013】また、上記のように、第二の和積論理ユニ
ットのアンドゲート出力に記憶論理値の読み出し出力が
得られるが、この読み出し論理値信号は、電流増幅機能
を有する超伝導スイッチングゲートを介して電流増幅し
て取り出すことができる。このための超伝導スイッチン
グゲートは、電流注入型の単段スイッチングゲートであ
って良く、そのようなスイッチングゲートは、スキッド
型または電流注入型のオアゲートを単一入力にするよう
に配線したもの、あるいはまた上記した和積論理ユニッ
トと同一の回路構成を有し、二つのオアゲートのそれぞ
れの入力に当該第二の和積論理ユニットの出力論理値を
共に入力するように配線したもので構成することができ
る。後者の場合には、換言すれば第五の和積論理ユニッ
トがさらに用いられていることになり、その結果とし
て、連想メモリセル内の超伝導能動論理回路は全て、肯
定、否定の各ラッチ回路を除き、上記した和積論理ユニ
ットにより構成されることになり、回路の画一化、簡単
化が図れる。
ットのアンドゲート出力に記憶論理値の読み出し出力が
得られるが、この読み出し論理値信号は、電流増幅機能
を有する超伝導スイッチングゲートを介して電流増幅し
て取り出すことができる。このための超伝導スイッチン
グゲートは、電流注入型の単段スイッチングゲートであ
って良く、そのようなスイッチングゲートは、スキッド
型または電流注入型のオアゲートを単一入力にするよう
に配線したもの、あるいはまた上記した和積論理ユニッ
トと同一の回路構成を有し、二つのオアゲートのそれぞ
れの入力に当該第二の和積論理ユニットの出力論理値を
共に入力するように配線したもので構成することができ
る。後者の場合には、換言すれば第五の和積論理ユニッ
トがさらに用いられていることになり、その結果とし
て、連想メモリセル内の超伝導能動論理回路は全て、肯
定、否定の各ラッチ回路を除き、上記した和積論理ユニ
ットにより構成されることになり、回路の画一化、簡単
化が図れる。
【0014】本発明ではまた、(A) 上記のように構成さ
れる連想メモリセルを二次元空間の一方向に沿って複数
y個並設して1ワード分のワード長yのワードメモリを
構成し、(B) これらy個のワードメモリを上記一方向に
直交する方向に沿ってx行分並設した上で、(C) 上記し
た各連想メモリセルの第一の和積論理ユニットの両オア
ゲートにそれぞれ入力する書き込み信号の伝送線路とそ
の相補信号の伝送線路とを各行当たりに共通の線路とし
てこれをワード書き込み信号線対とし、(D) 上記第二の
和積論理ユニットの一方のオアゲートに入力する読み出
し信号の伝送線路も各行当たりに共通の線路としてこれ
をワード読み出し信号線とすると共に、(E) 上記第一の
和積論理ユニットの他方のオアゲートに入力する書き込
むべき論理値の伝送線路は、上記x行の各々でそれぞれ
同じビット位置に位置する各連想メモリセルに共通の線
路とし、(F) 上記比較論理値とその相補論理値の伝送線
路も、上記x行の各々でそれぞれ同じビット位置に位置
する各連想メモリセルに共通の線路としたこと、を特徴
とする超伝導連想メモリも提案する。
れる連想メモリセルを二次元空間の一方向に沿って複数
y個並設して1ワード分のワード長yのワードメモリを
構成し、(B) これらy個のワードメモリを上記一方向に
直交する方向に沿ってx行分並設した上で、(C) 上記し
た各連想メモリセルの第一の和積論理ユニットの両オア
ゲートにそれぞれ入力する書き込み信号の伝送線路とそ
の相補信号の伝送線路とを各行当たりに共通の線路とし
てこれをワード書き込み信号線対とし、(D) 上記第二の
和積論理ユニットの一方のオアゲートに入力する読み出
し信号の伝送線路も各行当たりに共通の線路としてこれ
をワード読み出し信号線とすると共に、(E) 上記第一の
和積論理ユニットの他方のオアゲートに入力する書き込
むべき論理値の伝送線路は、上記x行の各々でそれぞれ
同じビット位置に位置する各連想メモリセルに共通の線
路とし、(F) 上記比較論理値とその相補論理値の伝送線
路も、上記x行の各々でそれぞれ同じビット位置に位置
する各連想メモリセルに共通の線路としたこと、を特徴
とする超伝導連想メモリも提案する。
【0015】
【実施例】図1には本発明により構成された一実施例と
しての連想メモリセル10の回路構成が、また図2には当
該図1に示された本発明連想メモリセル10を複数個用い
て構成された連想メモリプレーン20が、そして図3には
図2の連想メモリプレーン20において用いるに適当なY
ラインドライバ回路21とXラインドライバ回路22の一構
成例が示されている。しかし、ここではまず、本発明の
連想メモリセル10や連想メモリプレーン20、各ドライバ
回路21,22において用いることができる超伝導能動回路
要素のそれぞれについて説明を始める。ただし、いずれ
の超伝導能動回路要素も、それら自体は周知のものであ
る。
しての連想メモリセル10の回路構成が、また図2には当
該図1に示された本発明連想メモリセル10を複数個用い
て構成された連想メモリプレーン20が、そして図3には
図2の連想メモリプレーン20において用いるに適当なY
ラインドライバ回路21とXラインドライバ回路22の一構
成例が示されている。しかし、ここではまず、本発明の
連想メモリセル10や連想メモリプレーン20、各ドライバ
回路21,22において用いることができる超伝導能動回路
要素のそれぞれについて説明を始める。ただし、いずれ
の超伝導能動回路要素も、それら自体は周知のものであ
る。
【0016】まず図4には、本発明に利用し得る超伝導
オアゲート50の回路例が二つ示されている。以下では簡
単のため、各ゲート等に関し「超伝導」という形容詞は
全て省略するが、図4(A) に示されているオアゲート50
は、先に述べたスキッド型のオアゲートであり、入力数
は2、つまり入力論理値Sa,Sbのオア論理Sa+Sbを取る
ものである。ここにおける演算子「+」を始め、以下の
演算子は全てブール代数演算におけるものである。ま
た、本書では各論理値を表す電流の流れに関して正論理
を採用し、信号電流ないし論理値電流が流れている場合
が論理「1」、そうでない場合が論理「0」である。
オアゲート50の回路例が二つ示されている。以下では簡
単のため、各ゲート等に関し「超伝導」という形容詞は
全て省略するが、図4(A) に示されているオアゲート50
は、先に述べたスキッド型のオアゲートであり、入力数
は2、つまり入力論理値Sa,Sbのオア論理Sa+Sbを取る
ものである。ここにおける演算子「+」を始め、以下の
演算子は全てブール代数演算におけるものである。ま
た、本書では各論理値を表す電流の流れに関して正論理
を採用し、信号電流ないし論理値電流が流れている場合
が論理「1」、そうでない場合が論理「0」である。
【0017】図4(A) に示されているスキッド型オアゲ
ート50の場合、二つの入力論理Sa,Sbの中、いずれか一
方でも論理「1」となると、当該入力信号電流線路と磁
気結合部52,52により磁気結合している超伝導閉ループ
54中に対応する電流が流れ、この電流分と電源Pgから予
め供給されている電源電流(回路電流ないしゲート電流
と呼ばれる)との相乗効果により、当該閉ループ54中に
直列に設けられている一般に複数個のジョセフソン接合
素子51,51がそれまでの零電圧状態から電圧状態にスイ
ッチングする。その結果、電源電流Pgは出力電流として
ゲート外へ転流し、従ってこの出力電流は所期の出力論
理Sa+Sbを表す。なお、磁気結合部52,52に並列に入っ
ている抵抗53,53はダンピング抵抗と呼ばれ、ゲート動
作の安定化を保証するものである。このようなスキッド
型オアゲート50の良い所は、 ・構成が極めて簡単な割に動作の信頼性が高いこと, ・入力信号電流は原則として磁気結合部52におけるイン
ダクタしか通過せず、殆ど減衰することなくそのまま出
力できるので(図示の場合、左側から入力して磁気結合
部52,52を介した後、右方向に抜けている)、必要のな
い場合には出力端をそのまま接地すれば良いが、必要が
あれば出力端を他のゲートの入力に接続でき、当該他の
ゲートに対し、減衰の少ない信号電流を供給できること
(換言すれば、複数のゲートの継続接続される入力部間
に電流増幅回路を設けなくても良い場合が多いこと), ・信号電流線中には上記のように直列にインダクタンス
が介在し、その結果時定数を持つが、一般にこの値はか
なり小さくできるので、ジョセフソン素子の持つ超高速
動作性を大きく損なう程の動作遅れは生じないこと,等
にある。
ート50の場合、二つの入力論理Sa,Sbの中、いずれか一
方でも論理「1」となると、当該入力信号電流線路と磁
気結合部52,52により磁気結合している超伝導閉ループ
54中に対応する電流が流れ、この電流分と電源Pgから予
め供給されている電源電流(回路電流ないしゲート電流
と呼ばれる)との相乗効果により、当該閉ループ54中に
直列に設けられている一般に複数個のジョセフソン接合
素子51,51がそれまでの零電圧状態から電圧状態にスイ
ッチングする。その結果、電源電流Pgは出力電流として
ゲート外へ転流し、従ってこの出力電流は所期の出力論
理Sa+Sbを表す。なお、磁気結合部52,52に並列に入っ
ている抵抗53,53はダンピング抵抗と呼ばれ、ゲート動
作の安定化を保証するものである。このようなスキッド
型オアゲート50の良い所は、 ・構成が極めて簡単な割に動作の信頼性が高いこと, ・入力信号電流は原則として磁気結合部52におけるイン
ダクタしか通過せず、殆ど減衰することなくそのまま出
力できるので(図示の場合、左側から入力して磁気結合
部52,52を介した後、右方向に抜けている)、必要のな
い場合には出力端をそのまま接地すれば良いが、必要が
あれば出力端を他のゲートの入力に接続でき、当該他の
ゲートに対し、減衰の少ない信号電流を供給できること
(換言すれば、複数のゲートの継続接続される入力部間
に電流増幅回路を設けなくても良い場合が多いこと), ・信号電流線中には上記のように直列にインダクタンス
が介在し、その結果時定数を持つが、一般にこの値はか
なり小さくできるので、ジョセフソン素子の持つ超高速
動作性を大きく損なう程の動作遅れは生じないこと,等
にある。
【0018】こうしたスキッド型オアゲート50は、後に
説明するように、本発明の望ましい実施例中で用いられ
る和積論理ユニットGU中のオアゲート50を構成するが、
回路図表記を簡単化するため、このスキッド型オアゲー
ト50の回路図表記は図4(A)中の右手にあって矢印で指
示された表記とし、本書添付の図1、図5でもこれに従
う。
説明するように、本発明の望ましい実施例中で用いられ
る和積論理ユニットGU中のオアゲート50を構成するが、
回路図表記を簡単化するため、このスキッド型オアゲー
ト50の回路図表記は図4(A)中の右手にあって矢印で指
示された表記とし、本書添付の図1、図5でもこれに従
う。
【0019】一方、図4(B) に示されるオアゲート50
は、もともと本出願人が開発し、昨今では単に4JLゲ
ートと呼ばれるゲート構成を用いた電流注入型のオアゲ
ートであって、入力論理Sa,Sbのいずれか一方でも論理
「1」になると、これに伴う信号電流が四つのジョセフ
ソン接合素子55〜58を含む閉ループ59中に流れ込み、ま
ず図中で左下に示されているジョセフソン接合素子55
が、この信号電流と電源Pgから供給されているゲート電
流との重畳によって電圧状態にスイッチングする。図中
で右側に二つ示されているジョセフソン接合素子56,57
はその臨界電流値が他の二つのジョセフソン接合素子5
5,58のそれより大きく設定されているので、これらは
同時にはスイッチングしないし、上記のように最初に電
圧状態にスイッチングするジョセフソン接合素子55と同
じ臨界電流値のジョセフソン接合素子58に関しては、信
号電流の向きとゲート電流の向きが反対なので、これも
やはり同時にはスイッチングしない。
は、もともと本出願人が開発し、昨今では単に4JLゲ
ートと呼ばれるゲート構成を用いた電流注入型のオアゲ
ートであって、入力論理Sa,Sbのいずれか一方でも論理
「1」になると、これに伴う信号電流が四つのジョセフ
ソン接合素子55〜58を含む閉ループ59中に流れ込み、ま
ず図中で左下に示されているジョセフソン接合素子55
が、この信号電流と電源Pgから供給されているゲート電
流との重畳によって電圧状態にスイッチングする。図中
で右側に二つ示されているジョセフソン接合素子56,57
はその臨界電流値が他の二つのジョセフソン接合素子5
5,58のそれより大きく設定されているので、これらは
同時にはスイッチングしないし、上記のように最初に電
圧状態にスイッチングするジョセフソン接合素子55と同
じ臨界電流値のジョセフソン接合素子58に関しては、信
号電流の向きとゲート電流の向きが反対なので、これも
やはり同時にはスイッチングしない。
【0020】しかし、ジョセフソン接合素子55が電圧状
態にスイッチングした後、信号電流はジョセフソン接合
素子58を介して右側の二つのジョセフソン接合素子56,
57の方に転流するので、この信号電流と電源Pgからのゲ
ート電流とによる同方向に流れる電流相互の重畳効果に
よりこれら二つのジョセフソン素子56,57が電圧状態に
スイッチングし、その結果、ゲート電流は最後に残って
いるジョセフソン素子58を介し入出力分離抵抗61a,b の
方に転流し、このジョセフソン素子58を電圧状態にスイ
ッチングさせる。
態にスイッチングした後、信号電流はジョセフソン接合
素子58を介して右側の二つのジョセフソン接合素子56,
57の方に転流するので、この信号電流と電源Pgからのゲ
ート電流とによる同方向に流れる電流相互の重畳効果に
よりこれら二つのジョセフソン素子56,57が電圧状態に
スイッチングし、その結果、ゲート電流は最後に残って
いるジョセフソン素子58を介し入出力分離抵抗61a,b の
方に転流し、このジョセフソン素子58を電圧状態にスイ
ッチングさせる。
【0021】こうして閉ループ59中の全てのジョセフソ
ン素子55〜58が順次所定の順番で全て電圧状態にスイッ
チングすると、電源Pgからのゲート電流は出力論理Sa+
Sbを表す信号電流としてゲート外部に転流し、一方で入
力信号電流Sa,Sbは入出力分離抵抗61a,b の方に転流し
て入出力電流の相互の分離が図られ、動作の安定性が保
証される。
ン素子55〜58が順次所定の順番で全て電圧状態にスイッ
チングすると、電源Pgからのゲート電流は出力論理Sa+
Sbを表す信号電流としてゲート外部に転流し、一方で入
力信号電流Sa,Sbは入出力分離抵抗61a,b の方に転流し
て入出力電流の相互の分離が図られ、動作の安定性が保
証される。
【0022】こうした電流注入型のオアゲート50も、そ
の動作安定性は高く、信頼性も高くて、要すれば入出力
分離抵抗61a,b を図示のように共に接地するのではな
く、一方または双方を他のゲートへ入力信号を伝送する
線路として当該他のゲートの入力部に接続することもで
きる。しかし、単純に比較の問題で言えば、本発明のよ
うな用途には、図4(A) に即して説明したスキッド型オ
アゲート50の方が、インダクタンスの大きさの設計を含
め、現実的な設計上は動作速度が速く取れる点、入力信
号電流に対して大きな損失ないし減衰を及ぼさない点で
優れている。電流注入型オアゲート50の場合には、その
動作原理上から、どうしても入出力分離抵抗61a,b によ
る信号電流の損失ないし減衰を見込まねばならない。
の動作安定性は高く、信頼性も高くて、要すれば入出力
分離抵抗61a,b を図示のように共に接地するのではな
く、一方または双方を他のゲートへ入力信号を伝送する
線路として当該他のゲートの入力部に接続することもで
きる。しかし、単純に比較の問題で言えば、本発明のよ
うな用途には、図4(A) に即して説明したスキッド型オ
アゲート50の方が、インダクタンスの大きさの設計を含
め、現実的な設計上は動作速度が速く取れる点、入力信
号電流に対して大きな損失ないし減衰を及ぼさない点で
優れている。電流注入型オアゲート50の場合には、その
動作原理上から、どうしても入出力分離抵抗61a,b によ
る信号電流の損失ないし減衰を見込まねばならない。
【0023】ただし、上記の説明からして明らかなよう
に、図4(A),(B) に示されているいずれのオアゲート50
でも、その入力数はもっと多くに展開でき、逆に、後述
の本発明実施例中にも認められるように、入力数を一つ
にするか、あるいは二つあってもこれらを並列に接続す
れば、単一入力に関する電流増幅機能付きのスイッチン
グゲートとして使うことができる。すなわち、一つの入
力論理SaまたはSbを表す制御電流の流入により電圧状態
にスイッチングした結果として得られる出力信号電流
は、電源Pgから供給されているものなので、結果として
入力論理値を表す入力信号電流を電流増幅したものとな
る。そして、このように単一入力となるように配線した
構成は、実質的に先に述べた公知の4JLゲートの基本
構成に等価となり、この実例は、本発明実施例中でも、
後に図6に即して説明する肯定ラッチ回路の二段目のゲ
ートに見られる。
に、図4(A),(B) に示されているいずれのオアゲート50
でも、その入力数はもっと多くに展開でき、逆に、後述
の本発明実施例中にも認められるように、入力数を一つ
にするか、あるいは二つあってもこれらを並列に接続す
れば、単一入力に関する電流増幅機能付きのスイッチン
グゲートとして使うことができる。すなわち、一つの入
力論理SaまたはSbを表す制御電流の流入により電圧状態
にスイッチングした結果として得られる出力信号電流
は、電源Pgから供給されているものなので、結果として
入力論理値を表す入力信号電流を電流増幅したものとな
る。そして、このように単一入力となるように配線した
構成は、実質的に先に述べた公知の4JLゲートの基本
構成に等価となり、この実例は、本発明実施例中でも、
後に図6に即して説明する肯定ラッチ回路の二段目のゲ
ートに見られる。
【0024】図5には上述したオアゲート50、特に図示
の場合には図4(A) に示したスキッド型オアゲート50を
二つ用い、かつ、それら二つのオアゲート50,50の両出
力論理値のアンド論理を取るアンドゲート70を一つ設け
て成る和積論理ユニットGUが示されている。本発明では
この和積論理ユニットGUを、図1に示す連想メモリセル
を構築する上での一つの重要な回路要素として利用す
る。
の場合には図4(A) に示したスキッド型オアゲート50を
二つ用い、かつ、それら二つのオアゲート50,50の両出
力論理値のアンド論理を取るアンドゲート70を一つ設け
て成る和積論理ユニットGUが示されている。本発明では
この和積論理ユニットGUを、図1に示す連想メモリセル
を構築する上での一つの重要な回路要素として利用す
る。
【0025】説明するに、入力部には二つのスキッド型
オアゲート50,50があり、一方のオアゲート50には二つ
の入力論理Sa,Sbが与えられ、他方のオアゲート50には
二つの入力論理Sc,Sdが与えられる。すでに説明したよ
うに、入力論理Sa,Sbの中、いずれか一方または双方が
論理値「1」であれば、当該一方のオアゲート50は論理
値「1」を意味する出力電流を発し、負荷抵抗RL1 を介
してアンドゲート70の一入力にこの出力電流を流し込む
ことができる。同様に他方のオアゲート50においても、
二つの入力論理Sc,Sdの中、いずれか一方または双方が
論理値「1」であれば、当該他方のオアゲート50も論理
値「1」を意味する出力電流を発し、負荷抵抗RL2 を介
してアンドゲート70のもう一つの入力にこの出力電流を
流し込むことができる。
オアゲート50,50があり、一方のオアゲート50には二つ
の入力論理Sa,Sbが与えられ、他方のオアゲート50には
二つの入力論理Sc,Sdが与えられる。すでに説明したよ
うに、入力論理Sa,Sbの中、いずれか一方または双方が
論理値「1」であれば、当該一方のオアゲート50は論理
値「1」を意味する出力電流を発し、負荷抵抗RL1 を介
してアンドゲート70の一入力にこの出力電流を流し込む
ことができる。同様に他方のオアゲート50においても、
二つの入力論理Sc,Sdの中、いずれか一方または双方が
論理値「1」であれば、当該他方のオアゲート50も論理
値「1」を意味する出力電流を発し、負荷抵抗RL2 を介
してアンドゲート70のもう一つの入力にこの出力電流を
流し込むことができる。
【0026】アンドゲート70は、この場合電流注入型で
構成されているが、これ自体はやはり、本出願人により
開発された公知のものである。しかるに、前段オアゲー
ト50から負荷抵抗RL1 を介して流れ込んで来る論理値
「1」を表す入力電流は、当該入力に直列に設けてある
ジョセフソン素子71を経て閉ループ73に流れ込み、同様
に他方のオアゲート50から負荷抵抗RL2 を介して流れ込
んで来る論理値「1」を表す入力電流も、入力に直列に
設けてあるジョセフソン素子72を経て閉ループ73に流れ
込む。しかし、これら両入力電流の中、一方の電流だけ
では、閉ループ73中の特に左側に二つ設けられているジ
ョセフソン素子74,77に有意の作用を生ずる前に当該直
列ジョセフソン素子71または72が電圧状態に遷移するよ
うな臨界電流値関係に設定されているので、入力電流は
抵抗78または79を介して線路80の方に転流し、当該線路
80から閉ループ73に流れ込み、閉ループ73中を左右に分
流しながら接地に流れ出して行く。つまり、二つのオア
ゲート50,50の一つのみから論理値「1」の入力信号電
流が供給されても閉ループ73が電圧状態に遷移すること
はない。
構成されているが、これ自体はやはり、本出願人により
開発された公知のものである。しかるに、前段オアゲー
ト50から負荷抵抗RL1 を介して流れ込んで来る論理値
「1」を表す入力電流は、当該入力に直列に設けてある
ジョセフソン素子71を経て閉ループ73に流れ込み、同様
に他方のオアゲート50から負荷抵抗RL2 を介して流れ込
んで来る論理値「1」を表す入力電流も、入力に直列に
設けてあるジョセフソン素子72を経て閉ループ73に流れ
込む。しかし、これら両入力電流の中、一方の電流だけ
では、閉ループ73中の特に左側に二つ設けられているジ
ョセフソン素子74,77に有意の作用を生ずる前に当該直
列ジョセフソン素子71または72が電圧状態に遷移するよ
うな臨界電流値関係に設定されているので、入力電流は
抵抗78または79を介して線路80の方に転流し、当該線路
80から閉ループ73に流れ込み、閉ループ73中を左右に分
流しながら接地に流れ出して行く。つまり、二つのオア
ゲート50,50の一つのみから論理値「1」の入力信号電
流が供給されても閉ループ73が電圧状態に遷移すること
はない。
【0027】ところが、両オアゲート50,50からそれら
の出力論理値「1」に相当する出力電流が、このアンド
ゲート70の両入力に対し、ほぼ同時に供給されると、入
力のジョセフソン素子71,72が電圧状態に遷移する前
に、それら両電流の重畳により閉ループ73内の左側ジョ
セフソン素子74,77が電圧状態に遷移するような臨界電
流値関係になり、これらジョセフソン素子74,77が電圧
状態に遷移すると、入力電流は抵抗78,79を介して線路
80の方に転流し、加算された値となって閉ループ73中に
流入するため、残っている二つのジョセフソン素子75,
76が共に電圧状態に遷移する。両入力信号に若干の時間
差がある場合にも、最初に流入した入力電流が既述のよ
うにその入力電流の方の入力ジョセフソン素子71または
72を電圧状態に遷移させた後に閉ループ73内に予め流れ
込んでいるので、後から入力して来る入力電流に対し高
い感度を示し、結局は全てのジョセフソン素子74〜77を
電圧状態に遷移させる。
の出力論理値「1」に相当する出力電流が、このアンド
ゲート70の両入力に対し、ほぼ同時に供給されると、入
力のジョセフソン素子71,72が電圧状態に遷移する前
に、それら両電流の重畳により閉ループ73内の左側ジョ
セフソン素子74,77が電圧状態に遷移するような臨界電
流値関係になり、これらジョセフソン素子74,77が電圧
状態に遷移すると、入力電流は抵抗78,79を介して線路
80の方に転流し、加算された値となって閉ループ73中に
流入するため、残っている二つのジョセフソン素子75,
76が共に電圧状態に遷移する。両入力信号に若干の時間
差がある場合にも、最初に流入した入力電流が既述のよ
うにその入力電流の方の入力ジョセフソン素子71または
72を電圧状態に遷移させた後に閉ループ73内に予め流れ
込んでいるので、後から入力して来る入力電流に対し高
い感度を示し、結局は全てのジョセフソン素子74〜77を
電圧状態に遷移させる。
【0028】このようにして、アンドゲート70の出力に
は、負荷抵抗RLo を介し、和積論理ユニットGUの入力に
与えられる四つの入力論理Sa,Sb,Sc,Sdに関し、出力
論理(Sa+Sb)・(Sc+Sd) を表す電流が選択的に得られる。
もちろん、このような回路構成の和積論理ユニットGUの
各入力オアゲート部50,50においても、それぞれの入力
数は二つに限らず、単一入力とすることもできる。例え
ば一方のオアゲート50への入力論理Sa,Sbの中、論理Sa
しか用いない場合には、論理Sbは常に「0」に固定され
ているようにすることもできる。これは実際には、当該
入力論理Sbのために設けられている入力信号線を使用し
ないか、接地することで実現できる。逆に、論理Sbも論
理Saと同じ論理値になるように、当該入力論理Sbのため
に設けられている入力信号線を入力論理Saのために設け
られている入力信号線と並列に接続しても良い。いずれ
にしても、このような二つのオアゲート50,50と一つの
アンドゲート70とから構成される和積論理ユニットGU
は、後述するように、本発明では同一構成のものを複数
個使用するので、回路表記上の利便性を考慮し、当該和
積論理ユニットGUの回路表記は図5中に下向き矢印で指
示したようなものとする。また、複数個用いた和積論理
ユニットGUのそれぞれを弁別するためには、符号GUの後
ろにさらに数字のサフィックス1,2,3,4 を付す。
は、負荷抵抗RLo を介し、和積論理ユニットGUの入力に
与えられる四つの入力論理Sa,Sb,Sc,Sdに関し、出力
論理(Sa+Sb)・(Sc+Sd) を表す電流が選択的に得られる。
もちろん、このような回路構成の和積論理ユニットGUの
各入力オアゲート部50,50においても、それぞれの入力
数は二つに限らず、単一入力とすることもできる。例え
ば一方のオアゲート50への入力論理Sa,Sbの中、論理Sa
しか用いない場合には、論理Sbは常に「0」に固定され
ているようにすることもできる。これは実際には、当該
入力論理Sbのために設けられている入力信号線を使用し
ないか、接地することで実現できる。逆に、論理Sbも論
理Saと同じ論理値になるように、当該入力論理Sbのため
に設けられている入力信号線を入力論理Saのために設け
られている入力信号線と並列に接続しても良い。いずれ
にしても、このような二つのオアゲート50,50と一つの
アンドゲート70とから構成される和積論理ユニットGU
は、後述するように、本発明では同一構成のものを複数
個使用するので、回路表記上の利便性を考慮し、当該和
積論理ユニットGUの回路表記は図5中に下向き矢印で指
示したようなものとする。また、複数個用いた和積論理
ユニットGUのそれぞれを弁別するためには、符号GUの後
ろにさらに数字のサフィックス1,2,3,4 を付す。
【0029】次に、図6には、本発明の連想メモリセル
10において論理値の記憶回路中に設ける超伝導ラッチ回
路の構成例が示されており、特に図6(A) は否定ラッチ
回路30、図6(B) は肯定ラッチ回路40を示している。肯
定ラッチ回路は、本連想メモリセル10をいわゆる多相脈
流電源、一般に二相脈流電源で駆動した場合、信号伝搬
を電源位相に同期させるために必要な位相整合用ラッチ
回路40’(図1)としても使用される。これらもまた、
回路単体としては本出願人がすでに開発したものである
のでその動作共々公知であり、否定ラッチ回路30の詳細
に関しては特公昭63-47286号公報を、また肯定ラッチ回
路40の詳細に関しては特公平 1-36199号公報を参考にす
ることができる。
10において論理値の記憶回路中に設ける超伝導ラッチ回
路の構成例が示されており、特に図6(A) は否定ラッチ
回路30、図6(B) は肯定ラッチ回路40を示している。肯
定ラッチ回路は、本連想メモリセル10をいわゆる多相脈
流電源、一般に二相脈流電源で駆動した場合、信号伝搬
を電源位相に同期させるために必要な位相整合用ラッチ
回路40’(図1)としても使用される。これらもまた、
回路単体としては本出願人がすでに開発したものである
のでその動作共々公知であり、否定ラッチ回路30の詳細
に関しては特公昭63-47286号公報を、また肯定ラッチ回
路40の詳細に関しては特公平 1-36199号公報を参考にす
ることができる。
【0030】本発明はそれら自体の改良ではないので本
発明に必要な範囲で説明すると、まず図6(A) に示され
る否定ラッチ回路30では、入力論理Qが与えられるとこ
の入力電流線路に直列に入っているジョセフソン素子31
が電圧状態に遷移する。このとき、抵抗38の値に対し、
抵抗37及び抵抗39の値の方が十分に大きければ、ジョセ
フソン素子31が電圧状態に遷移した後の入力電流Qは専
ら抵抗38を介して接地に流れ出る。この状態でタイミン
グ電流ITが入力すると、抵抗37,39により分流されるタ
イミング電流成分の中、抵抗37に流れる電流成分は、す
でに電圧状態に遷移しているジョセフソン素子31により
閉ループ32への流入が阻止され、他方、抵抗39を介して
閉ループ32に流れ込む電流成分も、それだけでは当該閉
ループ32中の四つのジョセフソン素子33〜36のいずれを
も電圧状態には遷移させ得ないようにそれら各ジョセフ
ソン素子33〜36の臨界電流値が設定されているので、単
に閉ループ32を介して接地に流れ出し、従って負荷抵抗
RLa を介しての出力電流は表れない。
発明に必要な範囲で説明すると、まず図6(A) に示され
る否定ラッチ回路30では、入力論理Qが与えられるとこ
の入力電流線路に直列に入っているジョセフソン素子31
が電圧状態に遷移する。このとき、抵抗38の値に対し、
抵抗37及び抵抗39の値の方が十分に大きければ、ジョセ
フソン素子31が電圧状態に遷移した後の入力電流Qは専
ら抵抗38を介して接地に流れ出る。この状態でタイミン
グ電流ITが入力すると、抵抗37,39により分流されるタ
イミング電流成分の中、抵抗37に流れる電流成分は、す
でに電圧状態に遷移しているジョセフソン素子31により
閉ループ32への流入が阻止され、他方、抵抗39を介して
閉ループ32に流れ込む電流成分も、それだけでは当該閉
ループ32中の四つのジョセフソン素子33〜36のいずれを
も電圧状態には遷移させ得ないようにそれら各ジョセフ
ソン素子33〜36の臨界電流値が設定されているので、単
に閉ループ32を介して接地に流れ出し、従って負荷抵抗
RLa を介しての出力電流は表れない。
【0031】これに対し、入力論理Qが「0」の場合、
つまりは入力電流が流れ込んでいない場合にタイミング
電流ITが流入すると、抵抗39を介してのタイミング電流
成分がゲート電流として閉ループ32中に流入し、同時に
抵抗37からジョセフソン31を介する電流成分が制御電流
として閉ループ32中に流入するので、ゲート電流が流れ
ている状態で制御電流が流れ込むと電圧状態に遷移する
という4JLゲートに固有の閾値特性により、当該閉ル
ープ32が電圧状態に遷移し、負荷抵抗RLa を介する出力
電流Q_が得られる。なお、記号“_”は相補論理ない
し反転論理(否定論理)を示す。
つまりは入力電流が流れ込んでいない場合にタイミング
電流ITが流入すると、抵抗39を介してのタイミング電流
成分がゲート電流として閉ループ32中に流入し、同時に
抵抗37からジョセフソン31を介する電流成分が制御電流
として閉ループ32中に流入するので、ゲート電流が流れ
ている状態で制御電流が流れ込むと電圧状態に遷移する
という4JLゲートに固有の閾値特性により、当該閉ル
ープ32が電圧状態に遷移し、負荷抵抗RLa を介する出力
電流Q_が得られる。なお、記号“_”は相補論理ない
し反転論理(否定論理)を示す。
【0032】このように、図6(A) に示されている否定
ラッチ回路30は、入力論理Qをタイミング信号ITの立ち
上がりの瞬間で読み取り、その後の入力信号の変化に影
響を受けることなく、タイミング信号ITが立ち下がらな
い限り、入力論理の否定論理Q_を保持し、出力するこ
とができる。また、公知故に本書ではその理由を詳しく
は述べないが、いわゆる動作マージンも大きく、広い動
作領域を有する有効な記憶回路である。また、タイミン
グ電流ITは、一般に二相脈流電源の一方の位相の電源電
流として供給され、従って、このタイミング電流ITを転
流した結果となる否定ラッチ回路30の出力電流値も十分
な大きさとなるので、この出力を電流増幅する必要は一
般にはない。
ラッチ回路30は、入力論理Qをタイミング信号ITの立ち
上がりの瞬間で読み取り、その後の入力信号の変化に影
響を受けることなく、タイミング信号ITが立ち下がらな
い限り、入力論理の否定論理Q_を保持し、出力するこ
とができる。また、公知故に本書ではその理由を詳しく
は述べないが、いわゆる動作マージンも大きく、広い動
作領域を有する有効な記憶回路である。また、タイミン
グ電流ITは、一般に二相脈流電源の一方の位相の電源電
流として供給され、従って、このタイミング電流ITを転
流した結果となる否定ラッチ回路30の出力電流値も十分
な大きさとなるので、この出力を電流増幅する必要は一
般にはない。
【0033】次に、図6(B) に示す電流注入型肯定ラッ
チ回路40につき説明する。この回路では二つのスイッチ
ングゲートが直列に接続しているが、実質的な肯定ラッ
チ回路部は前段のゲート部であり、後段は先に説明した
4JLゲート構成(もしくは図4(B) に示したオアゲー
ト50の一入力構成)による電流増幅ゲートである。前段
のゲート、すなわち閉ループ41a を持つ実質的肯定ラッ
チゲートのゲート電流は入力論理Qが「1」であるとき
の当該入力電流によって賄われ、閉ループ41bを持つ電
流増幅用スイッチングゲートのゲート電流は電源Pgから
供給される。しかるに、入力論理Qが論理「1」である
と、タイミング信号電流ITが供給されることにより、当
該タイミング信号電流が制御電流となって閉ループ41a
内に流入し、閉ループ41a 内のジョセフソン素子42a が
当該タイミング信号電流とゲート電流としての入力信号
電流との重畳により電圧状態に遷移した後、ジョセフソ
ン素子43a,44a が電圧状態に遷移し、最後にジョセフソ
ン素子45a が電圧状態になることで当該スイッチングゲ
ートが電圧状態に遷移し、入力信号電流は負荷抵抗RLaa
を介して次段のスイッチングゲートの閉ループ41b 中に
制御電流として転流する。その結果、四つのジョセフソ
ン素子42b 〜45b を持つ電流増幅用スイッチングゲート
の閉ループ41b も、これに予めゲート電流が電源Pgから
の電流として供給されているので電圧状態に遷移し、負
荷抵抗RLabを介し、電流値として増幅された肯定出力Q
を表す電流を出力できる。逆に、入力電流Qがない場
合、つまり入力論理Qが「0」であるならば、上記の電
圧状態への遷移動作は生起せず、やはり肯定出力Qが得
られる。
チ回路40につき説明する。この回路では二つのスイッチ
ングゲートが直列に接続しているが、実質的な肯定ラッ
チ回路部は前段のゲート部であり、後段は先に説明した
4JLゲート構成(もしくは図4(B) に示したオアゲー
ト50の一入力構成)による電流増幅ゲートである。前段
のゲート、すなわち閉ループ41a を持つ実質的肯定ラッ
チゲートのゲート電流は入力論理Qが「1」であるとき
の当該入力電流によって賄われ、閉ループ41bを持つ電
流増幅用スイッチングゲートのゲート電流は電源Pgから
供給される。しかるに、入力論理Qが論理「1」である
と、タイミング信号電流ITが供給されることにより、当
該タイミング信号電流が制御電流となって閉ループ41a
内に流入し、閉ループ41a 内のジョセフソン素子42a が
当該タイミング信号電流とゲート電流としての入力信号
電流との重畳により電圧状態に遷移した後、ジョセフソ
ン素子43a,44a が電圧状態に遷移し、最後にジョセフソ
ン素子45a が電圧状態になることで当該スイッチングゲ
ートが電圧状態に遷移し、入力信号電流は負荷抵抗RLaa
を介して次段のスイッチングゲートの閉ループ41b 中に
制御電流として転流する。その結果、四つのジョセフソ
ン素子42b 〜45b を持つ電流増幅用スイッチングゲート
の閉ループ41b も、これに予めゲート電流が電源Pgから
の電流として供給されているので電圧状態に遷移し、負
荷抵抗RLabを介し、電流値として増幅された肯定出力Q
を表す電流を出力できる。逆に、入力電流Qがない場
合、つまり入力論理Qが「0」であるならば、上記の電
圧状態への遷移動作は生起せず、やはり肯定出力Qが得
られる。
【0034】このような構成の肯定ラッチ回路40もその
動作が本来的に安定であるが、各段の入出力分離抵抗46
a,b は、すでに図4(B) に即して述べたように、各閉ル
ープ41a,b が電圧状態に遷移した後に、入力電流(制御
電流)であるタイミング電流ITや前段から転流された入
力信号電流Qを出力電流と分離することで動作をより安
定化するために用いられる。また、図6(B) 中で仮想線
の円で囲い、一部を拡大して示すように、タイミング電
流ITの入力線路に直列に適当なる臨界電流値のジョセフ
ソン素子47を挿入し、これが最初に電圧状態に遷移する
ようにすると、タイミング電流ITが先に加わった場合に
他の回路への回り込みを防ぐことができて、誤動作を防
ぎ、動作マージンを拡大することができる。この点も上
記公告公報中に詳しいが、本発明では直接にこれを改良
するものではないので、詳細については省略する。な
お、肯定ラッチ回路40では、多相脈流電源の特定の位相
の電源電流として供給されるタイミング電流ITとは異な
り、入力信号電流Qが出力電流となって負荷抵抗RLaaに
転流するので、一般には図示の回路構成例のように、後
段に電流増幅ゲートを必要とする。しかし、場合により
これが必要ない場合には、図6(B) 中、前段のゲートの
みを用いることもできる。また、この肯定ラッチ回路40
は、以下に述べる本発明実施例中、位相整合用ラッチ回
路40’としても使用される。
動作が本来的に安定であるが、各段の入出力分離抵抗46
a,b は、すでに図4(B) に即して述べたように、各閉ル
ープ41a,b が電圧状態に遷移した後に、入力電流(制御
電流)であるタイミング電流ITや前段から転流された入
力信号電流Qを出力電流と分離することで動作をより安
定化するために用いられる。また、図6(B) 中で仮想線
の円で囲い、一部を拡大して示すように、タイミング電
流ITの入力線路に直列に適当なる臨界電流値のジョセフ
ソン素子47を挿入し、これが最初に電圧状態に遷移する
ようにすると、タイミング電流ITが先に加わった場合に
他の回路への回り込みを防ぐことができて、誤動作を防
ぎ、動作マージンを拡大することができる。この点も上
記公告公報中に詳しいが、本発明では直接にこれを改良
するものではないので、詳細については省略する。な
お、肯定ラッチ回路40では、多相脈流電源の特定の位相
の電源電流として供給されるタイミング電流ITとは異な
り、入力信号電流Qが出力電流となって負荷抵抗RLaaに
転流するので、一般には図示の回路構成例のように、後
段に電流増幅ゲートを必要とする。しかし、場合により
これが必要ない場合には、図6(B) 中、前段のゲートの
みを用いることもできる。また、この肯定ラッチ回路40
は、以下に述べる本発明実施例中、位相整合用ラッチ回
路40’としても使用される。
【0035】以上、本発明で使用する各超伝導能動回路
要素30,40,40’,50,70や特定の組み合せ構成の和積
論理ユニットGUにつき説明を終えた所で、図1に示され
ている本発明一実施例としての連想メモリセル10につき
説明する。まず、図示の連想メモリセル10は、1ワード
を構成する複数yビットの中の所定の1ビット分を記憶
するものであるが、このビットi(1≦i≦y)の論理
値の記憶回路中には、閉ループ中に選択的に永久電流を
発生、保持させるスキッド型の能動回路要素ではなく、
図6に即して説明した電流注入型の肯定ラッチ回路40と
否定ラッチ回路30とが用いられている。そのため、比較
的簡単な回路構成と安定した出力が得られる。
要素30,40,40’,50,70や特定の組み合せ構成の和積
論理ユニットGUにつき説明を終えた所で、図1に示され
ている本発明一実施例としての連想メモリセル10につき
説明する。まず、図示の連想メモリセル10は、1ワード
を構成する複数yビットの中の所定の1ビット分を記憶
するものであるが、このビットi(1≦i≦y)の論理
値の記憶回路中には、閉ループ中に選択的に永久電流を
発生、保持させるスキッド型の能動回路要素ではなく、
図6に即して説明した電流注入型の肯定ラッチ回路40と
否定ラッチ回路30とが用いられている。そのため、比較
的簡単な回路構成と安定した出力が得られる。
【0036】そして、図5に即して説明した和積論理ユ
ニットGUが図示の場合、第一から第四までの四つ用いら
れており、第一の和積論理ユニットGU1 の入力にある一
対のオアゲート50,50の中、一方のオアゲート50では、
書き込み信号Waと肯定ラッチ回路40の出力論理値Qmとの
オア論理を取っている。ただし、肯定ラッチ回路40の出
力論理値Qmは、この場合、第二和積論理ユニットGU2 の
一方のオアゲート50の入力からさらに第三和積論理ユニ
ットGU3 の一方のオアゲート50の一入力を介した後、当
該和積論理ユニットGU1 の一方のオアゲート50の一入力
に帰還される直列伝送線路中を伝搬するようになってい
る。このように、複数ゲートの入力部間の直列継続接続
構成が単なる一本の配線で可能なのは、すでに図4(A),
(B) に即し各オアゲート50につき説明した中で明らかに
した通りであり、特にスキッド型オアゲートの場合、入
力信号電流は殆ど減衰されることなく一つのオアゲート
の入力部をそのまま通過し、次の他のオアゲートの入力
部に流れて行くことができて望ましい。スイッチング速
度も十分高速である。
ニットGUが図示の場合、第一から第四までの四つ用いら
れており、第一の和積論理ユニットGU1 の入力にある一
対のオアゲート50,50の中、一方のオアゲート50では、
書き込み信号Waと肯定ラッチ回路40の出力論理値Qmとの
オア論理を取っている。ただし、肯定ラッチ回路40の出
力論理値Qmは、この場合、第二和積論理ユニットGU2 の
一方のオアゲート50の入力からさらに第三和積論理ユニ
ットGU3 の一方のオアゲート50の一入力を介した後、当
該和積論理ユニットGU1 の一方のオアゲート50の一入力
に帰還される直列伝送線路中を伝搬するようになってい
る。このように、複数ゲートの入力部間の直列継続接続
構成が単なる一本の配線で可能なのは、すでに図4(A),
(B) に即し各オアゲート50につき説明した中で明らかに
した通りであり、特にスキッド型オアゲートの場合、入
力信号電流は殆ど減衰されることなく一つのオアゲート
の入力部をそのまま通過し、次の他のオアゲートの入力
部に流れて行くことができて望ましい。スイッチング速
度も十分高速である。
【0037】第一和積論理ユニットGU1 の他方のオアゲ
ート50では、書き込み信号の相補信号Wa_と書き込むべ
き論理値Dwとのオア論理が取られ、このオアゲート50と
上述のもう一つのオアゲート50とのアンド論理を取るア
ンドゲート70の出力は、本連想メモリセル10が多相脈流
電源(一般に二相脈流電源)により駆動されるときに信
号伝搬を電源位相に関して同期、整合させながら行なう
ために、図6(B) に示した肯定ラッチ回路40の回路構成
によって構築できる位相整合用ラッチ回路40’を介した
後、記憶回路のそれぞれ一構成要素となる肯定ラッチ回
路40と否定ラッチ回路30の双方に対し、入力論理Qsとし
て与えられる。従って、肯定ラッチ回路40は入力論理Qs
と同じ論理値の肯定ラッチ出力Qmを発し、否定ラッチ回
路30ではその反転論理値Qm_を出力する。
ート50では、書き込み信号の相補信号Wa_と書き込むべ
き論理値Dwとのオア論理が取られ、このオアゲート50と
上述のもう一つのオアゲート50とのアンド論理を取るア
ンドゲート70の出力は、本連想メモリセル10が多相脈流
電源(一般に二相脈流電源)により駆動されるときに信
号伝搬を電源位相に関して同期、整合させながら行なう
ために、図6(B) に示した肯定ラッチ回路40の回路構成
によって構築できる位相整合用ラッチ回路40’を介した
後、記憶回路のそれぞれ一構成要素となる肯定ラッチ回
路40と否定ラッチ回路30の双方に対し、入力論理Qsとし
て与えられる。従って、肯定ラッチ回路40は入力論理Qs
と同じ論理値の肯定ラッチ出力Qmを発し、否定ラッチ回
路30ではその反転論理値Qm_を出力する。
【0038】第二の和積論理ユニットGU2 の一方のオア
ゲート50には、すでに述べたように肯定ラッチ回路40の
肯定ラッチ出力Qmが入力しており、他方のオアゲート50
には読み出し信号Raが入力している。これら一対のオア
ゲート50,50は図中、一方の入力線を仮想線で示すよう
に、先に述べた単入力構成とされており、これらのアン
ド論理を取るアンドゲート70の出力は記憶論理値読み出
し出力を構成し、図示実施例では特に、このアンドゲー
ト出力はさらに電流増幅機能を有するスイッチングゲー
トGSに入力している。アンドゲートはすでに説明したよ
うに電流増幅機能を有さないので、これの出力する記憶
論理値読み出し出力を電流増幅することは信号処理の確
実化の上で、また信号対雑音比を高める上で望ましい。
ゲート50には、すでに述べたように肯定ラッチ回路40の
肯定ラッチ出力Qmが入力しており、他方のオアゲート50
には読み出し信号Raが入力している。これら一対のオア
ゲート50,50は図中、一方の入力線を仮想線で示すよう
に、先に述べた単入力構成とされており、これらのアン
ド論理を取るアンドゲート70の出力は記憶論理値読み出
し出力を構成し、図示実施例では特に、このアンドゲー
ト出力はさらに電流増幅機能を有するスイッチングゲー
トGSに入力している。アンドゲートはすでに説明したよ
うに電流増幅機能を有さないので、これの出力する記憶
論理値読み出し出力を電流増幅することは信号処理の確
実化の上で、また信号対雑音比を高める上で望ましい。
【0039】こうしたスイッチングゲートGSとしては、
これもすでに説明したように、図4(A),(B) に示したス
キッド型または電流注入型のオアゲート50において入力
を単入力とするか、ないし二つの入力を並列に接続配線
したものか、または図5に即して説明した和積論理ユニ
ットGUにおいて二つの入力オアゲート50,50の各入力を
並列接続することにより実質的に一入力オアゲート構成
にしたものを用いることができる。後者の場合、図示さ
れている四つの和積論理ユニットGU1 〜GU4 に加え、第
五の和積論理ユニットGUが電流増幅ゲートGSとしてさら
に用いられていることになり、その結果、連想メモリセ
ル10内の超伝導能動回路は全て、肯定、否定の各電流注
入型ラッチ回路40,30,40’を除き、上記した和積論理
ユニットGUにより構成し得ることになり、回路の画一
化、簡単化が図れる。
これもすでに説明したように、図4(A),(B) に示したス
キッド型または電流注入型のオアゲート50において入力
を単入力とするか、ないし二つの入力を並列に接続配線
したものか、または図5に即して説明した和積論理ユニ
ットGUにおいて二つの入力オアゲート50,50の各入力を
並列接続することにより実質的に一入力オアゲート構成
にしたものを用いることができる。後者の場合、図示さ
れている四つの和積論理ユニットGU1 〜GU4 に加え、第
五の和積論理ユニットGUが電流増幅ゲートGSとしてさら
に用いられていることになり、その結果、連想メモリセ
ル10内の超伝導能動回路は全て、肯定、否定の各電流注
入型ラッチ回路40,30,40’を除き、上記した和積論理
ユニットGUにより構成し得ることになり、回路の画一
化、簡単化が図れる。
【0040】次に、第三和積論理ユニットGU3 の一方の
オアゲート50では、肯定ラッチ回路40の肯定ラッチ出力
論理値Qmと外部から与えられる比較データの所定の1ビ
ット分の比較論理値Dcの相補論理値Dc_とのオア論理を
取るように、また他方のオアゲート50では、否定ラッチ
回路の否定ラッチ出力論理値Qm_と当該比較論理値Dcと
のオア論理を取るように配線されており、その結果、こ
の第三和積論理ユニットGU3 のアンドゲート70の出力論
理値が、与えられた比較論理値Dcと本連想メモリセル10
の記憶している記憶論理値との一致を選択的に表す一致
信号Msの出力となる。
オアゲート50では、肯定ラッチ回路40の肯定ラッチ出力
論理値Qmと外部から与えられる比較データの所定の1ビ
ット分の比較論理値Dcの相補論理値Dc_とのオア論理を
取るように、また他方のオアゲート50では、否定ラッチ
回路の否定ラッチ出力論理値Qm_と当該比較論理値Dcと
のオア論理を取るように配線されており、その結果、こ
の第三和積論理ユニットGU3 のアンドゲート70の出力論
理値が、与えられた比較論理値Dcと本連想メモリセル10
の記憶している記憶論理値との一致を選択的に表す一致
信号Msの出力となる。
【0041】連想メモリセル10としての最も基本的な構
成からすれば、上記のように一致出力Msの得られる第三
和積論理ユニットGU3 まであれば良く、例えばこの連想
メモリセル10をワードメモリの最上位ビット記憶用とし
て用いる場合には、当該第三和積論理ユニットGU3 の出
力Msを次段の連想メモリセルの一致信号入力Mi-1として
も良い。しかし、一般的に下位のiビット位置のビット
記憶用の連想メモリセルとして考えるか、最上位ビット
記憶用であっても後述のように前段入力を論理「1」に
固定して使用すれば(例えば電源にプルアップしてお
く)、全ての連想メモリセル10を同一構成とすることが
でき、連想メモリプレーン20(図2)を構築する上では
回路設計上、要素配置上の画一化が図れ、その方が望ま
しい場合が多い。
成からすれば、上記のように一致出力Msの得られる第三
和積論理ユニットGU3 まであれば良く、例えばこの連想
メモリセル10をワードメモリの最上位ビット記憶用とし
て用いる場合には、当該第三和積論理ユニットGU3 の出
力Msを次段の連想メモリセルの一致信号入力Mi-1として
も良い。しかし、一般的に下位のiビット位置のビット
記憶用の連想メモリセルとして考えるか、最上位ビット
記憶用であっても後述のように前段入力を論理「1」に
固定して使用すれば(例えば電源にプルアップしてお
く)、全ての連想メモリセル10を同一構成とすることが
でき、連想メモリプレーン20(図2)を構築する上では
回路設計上、要素配置上の画一化が図れ、その方が望ま
しい場合が多い。
【0042】そこで、図示実施例では第四和積論理ユニ
ットGU4 も設けられており、この一方のオアゲート50に
上記第三和積論理ユニットGU3 の出力Msが与えられ、他
方のオアゲート50には、前段に設けられている図1図示
と同じ構成の連想メモリセル10からの一致出力Mi-1が入
力として与えられる。その結果、この第四和積論理ユニ
ットGU4 のアンドゲート70の出力Miは、外部から与えら
れた上記の比較論理値Dcと肯定ラッチ回路40に記憶され
ている(すなわち本連想メモリセル10が記憶している)
記憶論理値Qmとの一致を表し得るのみならず、前段の各
連想メモリセルにおいても一致が取れたことを表す一致
信号Miとなり、これが次段の連想メモリセルの一致信号
入力としてさらに順送りされる。
ットGU4 も設けられており、この一方のオアゲート50に
上記第三和積論理ユニットGU3 の出力Msが与えられ、他
方のオアゲート50には、前段に設けられている図1図示
と同じ構成の連想メモリセル10からの一致出力Mi-1が入
力として与えられる。その結果、この第四和積論理ユニ
ットGU4 のアンドゲート70の出力Miは、外部から与えら
れた上記の比較論理値Dcと肯定ラッチ回路40に記憶され
ている(すなわち本連想メモリセル10が記憶している)
記憶論理値Qmとの一致を表し得るのみならず、前段の各
連想メモリセルにおいても一致が取れたことを表す一致
信号Miとなり、これが次段の連想メモリセルの一致信号
入力としてさらに順送りされる。
【0043】一つ一つは上述のような回路構成の連想メ
モリセル10は、書き込み信号Waとその相補信号Wa_とを
伝送する一対の書き込み信号線対、読み出し信号Raを伝
送する線路、そして一致信号Miを伝送する線路を順に直
列に接続しながら複数y個でyビット長の1ワードメモ
リを構成する。その上で、この1ワードメモリを複数行
x個、並設し、各行において対応するビット位置にある
連想メモリセル10同志は、記憶回路(肯定ラッチ回路4
0)に書き込むべき論理値Dwを伝送する線路と肯定ラッ
チ回路40に記憶されている記憶論理値の読み出し論理値
ROの伝送線路、そして外部から与えられる比較データの
所定の1ビット分の比較論理値Dcとその相補論理値Dc_
の伝送線路が、それぞれ共通の線路となるようにする。
モリセル10は、書き込み信号Waとその相補信号Wa_とを
伝送する一対の書き込み信号線対、読み出し信号Raを伝
送する線路、そして一致信号Miを伝送する線路を順に直
列に接続しながら複数y個でyビット長の1ワードメモ
リを構成する。その上で、この1ワードメモリを複数行
x個、並設し、各行において対応するビット位置にある
連想メモリセル10同志は、記憶回路(肯定ラッチ回路4
0)に書き込むべき論理値Dwを伝送する線路と肯定ラッ
チ回路40に記憶されている記憶論理値の読み出し論理値
ROの伝送線路、そして外部から与えられる比較データの
所定の1ビット分の比較論理値Dcとその相補論理値Dc_
の伝送線路が、それぞれ共通の線路となるようにする。
【0044】このようにして構成された連想メモリプレ
ーン20が図2に示されている。ただし本図の場合、1ワ
ード分の全てではなく、簡単のため、複数yビット長の
始めの3ビット分のみの連想メモリセル10ijが4行分に
亙ってのみ、示されている。各連想メモリセル10ijにお
いて前段からの一致信号を受ける入力Mi-1は、当該前段
の一致信号出力Miに接続しているが、図中、左端のビッ
ト位置にある連想メモリセル1011,1012,・・・・ には、そ
の前段にセルがないので、既述したように、電源Pgに接
続ないしプルアップされ、それらセルのMi-1入力は常に
論理値「1」となっている。これに代えて、この左端ビ
ット記憶用の連想メモリセル101jにおいては、第三和積
論理ユニットGU3 の出力Msを次段への一致信号入力Mi-1
とすることもできる。
ーン20が図2に示されている。ただし本図の場合、1ワ
ード分の全てではなく、簡単のため、複数yビット長の
始めの3ビット分のみの連想メモリセル10ijが4行分に
亙ってのみ、示されている。各連想メモリセル10ijにお
いて前段からの一致信号を受ける入力Mi-1は、当該前段
の一致信号出力Miに接続しているが、図中、左端のビッ
ト位置にある連想メモリセル1011,1012,・・・・ には、そ
の前段にセルがないので、既述したように、電源Pgに接
続ないしプルアップされ、それらセルのMi-1入力は常に
論理値「1」となっている。これに代えて、この左端ビ
ット記憶用の連想メモリセル101jにおいては、第三和積
論理ユニットGU3 の出力Msを次段への一致信号入力Mi-1
とすることもできる。
【0045】このような本連想メモリプレーン20にて特
徴的なことは、上記のように複数の連想メモリセル間を
直列に亙るX,Y各方向の各作用線(各信号Wa,Wa_,
Ra,Mi,RO,Dc,Dc_の各伝送線路:以下、場合により
それら各信号の符号は当該各信号を伝送する各伝送線路
の符号としても用いることがある)は、各連想メモリセ
ル10内でそれぞれ一つのゲートしか通過していないこと
である。従ってそれぞれ最小の遅延時間で動作し、か
つ、相互の関係においても、原則として全て同じゲート
遅延時間を見込むことができる。換言すれば、原理的に
これ以上高速の動作を期待し得る信号配線関係は考えら
れない。仮にどれかの信号伝送線がゲートを素通りする
ように構成することができたとしても、代わりに他の信
号伝送線が複数のゲートを通過せねばならないようなこ
とになる筈で、その場合には信号の伝搬に最も時間の掛
かる伝送線路ないしその信号によって動作するゲートの
遅延時間でセル全体の動作速度が律速され、如何にそれ
以上高速に信号を伝送し得る線路が他に存在していても
意味がなくなる。
徴的なことは、上記のように複数の連想メモリセル間を
直列に亙るX,Y各方向の各作用線(各信号Wa,Wa_,
Ra,Mi,RO,Dc,Dc_の各伝送線路:以下、場合により
それら各信号の符号は当該各信号を伝送する各伝送線路
の符号としても用いることがある)は、各連想メモリセ
ル10内でそれぞれ一つのゲートしか通過していないこと
である。従ってそれぞれ最小の遅延時間で動作し、か
つ、相互の関係においても、原則として全て同じゲート
遅延時間を見込むことができる。換言すれば、原理的に
これ以上高速の動作を期待し得る信号配線関係は考えら
れない。仮にどれかの信号伝送線がゲートを素通りする
ように構成することができたとしても、代わりに他の信
号伝送線が複数のゲートを通過せねばならないようなこ
とになる筈で、その場合には信号の伝搬に最も時間の掛
かる伝送線路ないしその信号によって動作するゲートの
遅延時間でセル全体の動作速度が律速され、如何にそれ
以上高速に信号を伝送し得る線路が他に存在していても
意味がなくなる。
【0046】しかるに、図1に示した各連想メモリセル
10に必要な各信号を作り出すY,X各ラインの各ドライ
バ回路21,22には、例えば図3(A),(B) に示すような回
路構成のものを採用することができる。図2に示される
連想メモリプレーン20中の各ワードメモリに格納すべき
書き込みデータ(ワード)の各ビットiごとの書き込み
論理値Dw(i) は、Yラインドライバ回路21中で図6(B)
に示した構成による肯定ラッチ回路40にてラッチし、対
応する各連想メモリセル10への書き込み論理値Dw(i) と
して与えられる。サフィックス(i) は、図1に示される
構成の個々の連想メモリセル10への信号としては省略し
てある。
10に必要な各信号を作り出すY,X各ラインの各ドライ
バ回路21,22には、例えば図3(A),(B) に示すような回
路構成のものを採用することができる。図2に示される
連想メモリプレーン20中の各ワードメモリに格納すべき
書き込みデータ(ワード)の各ビットiごとの書き込み
論理値Dw(i) は、Yラインドライバ回路21中で図6(B)
に示した構成による肯定ラッチ回路40にてラッチし、対
応する各連想メモリセル10への書き込み論理値Dw(i) と
して与えられる。サフィックス(i) は、図1に示される
構成の個々の連想メモリセル10への信号としては省略し
てある。
【0047】外部から与えられる比較データ(キーワー
ドないし比較ワード)の各ビットごとの比較論理値Dc
(i) は、Yラインドライバ回路21中にあって図6(B) の
構成に従う肯定ラッチ回路40と図6(A) の構成に従う否
定ラッチ回路30とに入力され、これにより一対の相補論
理値Dc(i), Dc(i)_が作られて、図1に示される個々の
連想メモリセル10に与えられる。ただしこの実施例で
は、必要に応じて比較データの特定のビットiを任意論
理値で良いビット、すなわち先に述べたドントケアビッ
トとすることもできるように、Yラインドライバ回路21
中の肯定ラッチ回路40から出力される比較論理値Dc(i)
も否定ラッチ回路30から出力される相補論理値 Dc(i)_
も、それぞれドントケア信号Dc* とのオア論理がオアゲ
ート50,50で取られた後に、対応する連想メモリセル10
に入力される。すなわち、ドントケア信号Dc* が有意論
理値「1」であると、各連想メモリセル10に印加される
相補信号対Dc(i), Dc(i)_はいずれも論理値「1」とな
る。ここに用いられているオアゲート50,50は、図4
(B) に即して説明した電流注入型のオアゲートが良い。
ドないし比較ワード)の各ビットごとの比較論理値Dc
(i) は、Yラインドライバ回路21中にあって図6(B) の
構成に従う肯定ラッチ回路40と図6(A) の構成に従う否
定ラッチ回路30とに入力され、これにより一対の相補論
理値Dc(i), Dc(i)_が作られて、図1に示される個々の
連想メモリセル10に与えられる。ただしこの実施例で
は、必要に応じて比較データの特定のビットiを任意論
理値で良いビット、すなわち先に述べたドントケアビッ
トとすることもできるように、Yラインドライバ回路21
中の肯定ラッチ回路40から出力される比較論理値Dc(i)
も否定ラッチ回路30から出力される相補論理値 Dc(i)_
も、それぞれドントケア信号Dc* とのオア論理がオアゲ
ート50,50で取られた後に、対応する連想メモリセル10
に入力される。すなわち、ドントケア信号Dc* が有意論
理値「1」であると、各連想メモリセル10に印加される
相補信号対Dc(i), Dc(i)_はいずれも論理値「1」とな
る。ここに用いられているオアゲート50,50は、図4
(B) に即して説明した電流注入型のオアゲートが良い。
【0048】各連想メモリセル10の読み出し論理値出力
は、この実施例の場合、先に述べた4JLゲートないし
図4に示されるオアゲート50、あるいは図5に示される
和積論理ユニットGUの構成原理に従って構成された、電
流増幅機能を有するスイッチングゲートGSを介して取り
出すので、当該読み出し論理値の出力線路は実質的には
当該スイッチングゲートGSへの電源電流線路Pg(i) とな
る。すなわち、当該スイッチングゲートGSが電圧状態に
遷移すると、電源Pg(i) からの電源電流が読み出しデー
タの1ビット分の論理値RO(i) を表す電流としてゲート
外部に転流される。
は、この実施例の場合、先に述べた4JLゲートないし
図4に示されるオアゲート50、あるいは図5に示される
和積論理ユニットGUの構成原理に従って構成された、電
流増幅機能を有するスイッチングゲートGSを介して取り
出すので、当該読み出し論理値の出力線路は実質的には
当該スイッチングゲートGSへの電源電流線路Pg(i) とな
る。すなわち、当該スイッチングゲートGSが電圧状態に
遷移すると、電源Pg(i) からの電源電流が読み出しデー
タの1ビット分の論理値RO(i) を表す電流としてゲート
外部に転流される。
【0049】次に、図3(B) に示されているXラインド
ライバ回路22の構成例を見るに、読み出し/書き込み信
号R/W は、それが論理値「1」であるとき読み出し指令
を表し、論理値「0」であるとき書き込み指令を表す。
一方、アドレス信号A(j)は論理値「1」のとき、j行目
のワードメモリ(j行中のy個の連想メモリセル10)を
アドレスするが、これの反転論理値A(j)_が、図4に示
される構成に従うオアゲート50、望ましくは図4(B) に
示される構成の電流注入型のオアゲート50により、読み
出し/書き込み信号R/W とオア論理が取られた後、それ
ぞれ図6(A) に示された構成に従う否定ラッチ回路30と
図6(B) に示された構成に従う肯定ラッチ回路40にてラ
ッチされ、相補論理値対Wa(j), Wa(j)_となって各連想
メモリセル10に印加される。アドレス信号の反転論理値
A(j)_はまた、図6(A) に示される構成に従う否定ラッ
チ回路30を経た後、j行目のワードの読み出し指令を表
す論理値「1」で有意の読み出し信号Ra(j) となって対
応するj行目の各連想メモリセル10に与えられる。ただ
し、サフィックス(j) に関しても、図1に示される構成
の個々の連想メモリセル10への信号としては省略してあ
る。
ライバ回路22の構成例を見るに、読み出し/書き込み信
号R/W は、それが論理値「1」であるとき読み出し指令
を表し、論理値「0」であるとき書き込み指令を表す。
一方、アドレス信号A(j)は論理値「1」のとき、j行目
のワードメモリ(j行中のy個の連想メモリセル10)を
アドレスするが、これの反転論理値A(j)_が、図4に示
される構成に従うオアゲート50、望ましくは図4(B) に
示される構成の電流注入型のオアゲート50により、読み
出し/書き込み信号R/W とオア論理が取られた後、それ
ぞれ図6(A) に示された構成に従う否定ラッチ回路30と
図6(B) に示された構成に従う肯定ラッチ回路40にてラ
ッチされ、相補論理値対Wa(j), Wa(j)_となって各連想
メモリセル10に印加される。アドレス信号の反転論理値
A(j)_はまた、図6(A) に示される構成に従う否定ラッ
チ回路30を経た後、j行目のワードの読み出し指令を表
す論理値「1」で有意の読み出し信号Ra(j) となって対
応するj行目の各連想メモリセル10に与えられる。ただ
し、サフィックス(j) に関しても、図1に示される構成
の個々の連想メモリセル10への信号としては省略してあ
る。
【0050】以上のような信号論理値関係を式で表す
と、次にようになっている。 Wa(j)=INV(A(j)_+R/W) , Wa(j)_=A(j)_+R/W , Ra(j)=INV(A(j)_) この論理式は、結局、各ドライバ回路21,22中において
も、電流増幅機能のないアンドゲートの使用を避け、望
ましくは電流注入型で高い電流増幅機能のあるオアゲー
トを用いたいがためである。従って原理的には、アンド
ゲートを用いることにより、 Wa(j)=A(j)・R/W_ , Wa(j)_=INV(A(j)・R/W_) , Ra(j)=A(j) になるように回路を組んで良い。
と、次にようになっている。 Wa(j)=INV(A(j)_+R/W) , Wa(j)_=A(j)_+R/W , Ra(j)=INV(A(j)_) この論理式は、結局、各ドライバ回路21,22中において
も、電流増幅機能のないアンドゲートの使用を避け、望
ましくは電流注入型で高い電流増幅機能のあるオアゲー
トを用いたいがためである。従って原理的には、アンド
ゲートを用いることにより、 Wa(j)=A(j)・R/W_ , Wa(j)_=INV(A(j)・R/W_) , Ra(j)=A(j) になるように回路を組んで良い。
【0051】さて、図1,2に示される各連想メモリセ
ル10に対する論理値の書き込みや読み出し、そして比較
論理値との比較動作に関し説明するに、まず、特定の行
jを指定し、その行j中のy個の連想メモリセル10に対
し、それぞれ所定の論理値を書き込む場合には、j行目
を指定するアドレス信号A(j)を論理「1」とし、読み出
し/書き込み信号R/W を書き込み指令を表す論理「0」
とした上で、各連想メモリセル10に対し書き込むべき記
憶論理値Dw(i) を与える。
ル10に対する論理値の書き込みや読み出し、そして比較
論理値との比較動作に関し説明するに、まず、特定の行
jを指定し、その行j中のy個の連想メモリセル10に対
し、それぞれ所定の論理値を書き込む場合には、j行目
を指定するアドレス信号A(j)を論理「1」とし、読み出
し/書き込み信号R/W を書き込み指令を表す論理「0」
とした上で、各連想メモリセル10に対し書き込むべき記
憶論理値Dw(i) を与える。
【0052】今、図1に示される特定の連想メモリセル
10において当該書き込むべき論理値Dwが「1」であった
とすると、書き込み信号Waが論理「1」、当該書き込む
べき論理値Dwが「1」であるために、第一和積論理ユニ
ットGU1 の入力にある二つのオアゲート50,50の出力論
理は共に論理値「1」となり、従ってこのユニットのア
ンドゲート70の出力は論理値「1」となり、これが位相
整合用ラッチ回路40’を介し肯定ラッチ回路40の入力Qs
に与えられ、当該記憶すべき論理値「1」が記憶され
る。第一和積論理ユニットGU1 のアンドゲート70の出力
は位相整合用ラッチ回路40’を介し否定ラッチ回路30に
も印加されているので、こちらの方では記憶すべき論理
値の否定論理値「0」を記憶する。これに対し、図1に
示される特定の連想メモリセル10において書き込むべき
論理値Dwが「0」である場合には、第一和積論理ユニッ
トGU1 の図示下側のオアゲートではオア論理が取れず、
従ってこの第一和積論理ユニットGU1 のアンドゲート70
の出力論理も論理値「0」となり、これが位相整合用ラ
ッチ回路40’を介して肯定、否定の各ラッチ回路40,30
にてラッチされ、所期通り肯定ラッチ回路40には論理値
「0」が、干てラッチ回路30には論理値「0」が、それ
ぞれ記憶される。そして一旦、肯定ラッチ回路40に所定
の記憶論理値Qmが記憶(ラッチ)されると、記憶論理値
が論理値「1」の場合、これを表す出力Qmは第二和積論
理ユニットGU2 の一方のオアゲート50から第三和積論理
ユニットGU3 の一方のオアゲート50の各入力を直列に介
する信号伝送線路を通じ、第一和積論理ユニットGU1 の
図示上側のオアゲート50に帰還されているので、先に述
べた多相脈流(一般には二相脈流)電源による駆動が考
慮される場合、書き込み信号Waが立ち下がってもこれに
代わって帰還信号電流が書き込み信号Waの機能を代行す
るので、すでに論理値「1」に反転している書き込み信
号の相補信号Wa_とにより、第一和積論理ユニットGU1
の二つのオアゲート50,50ではそれぞれオア論理が取
れ、従って当該第一和積論理ユニットGU1 のアンドゲー
ト70からの論理値「1」の出力を保証し得る。
10において当該書き込むべき論理値Dwが「1」であった
とすると、書き込み信号Waが論理「1」、当該書き込む
べき論理値Dwが「1」であるために、第一和積論理ユニ
ットGU1 の入力にある二つのオアゲート50,50の出力論
理は共に論理値「1」となり、従ってこのユニットのア
ンドゲート70の出力は論理値「1」となり、これが位相
整合用ラッチ回路40’を介し肯定ラッチ回路40の入力Qs
に与えられ、当該記憶すべき論理値「1」が記憶され
る。第一和積論理ユニットGU1 のアンドゲート70の出力
は位相整合用ラッチ回路40’を介し否定ラッチ回路30に
も印加されているので、こちらの方では記憶すべき論理
値の否定論理値「0」を記憶する。これに対し、図1に
示される特定の連想メモリセル10において書き込むべき
論理値Dwが「0」である場合には、第一和積論理ユニッ
トGU1 の図示下側のオアゲートではオア論理が取れず、
従ってこの第一和積論理ユニットGU1 のアンドゲート70
の出力論理も論理値「0」となり、これが位相整合用ラ
ッチ回路40’を介して肯定、否定の各ラッチ回路40,30
にてラッチされ、所期通り肯定ラッチ回路40には論理値
「0」が、干てラッチ回路30には論理値「0」が、それ
ぞれ記憶される。そして一旦、肯定ラッチ回路40に所定
の記憶論理値Qmが記憶(ラッチ)されると、記憶論理値
が論理値「1」の場合、これを表す出力Qmは第二和積論
理ユニットGU2 の一方のオアゲート50から第三和積論理
ユニットGU3 の一方のオアゲート50の各入力を直列に介
する信号伝送線路を通じ、第一和積論理ユニットGU1 の
図示上側のオアゲート50に帰還されているので、先に述
べた多相脈流(一般には二相脈流)電源による駆動が考
慮される場合、書き込み信号Waが立ち下がってもこれに
代わって帰還信号電流が書き込み信号Waの機能を代行す
るので、すでに論理値「1」に反転している書き込み信
号の相補信号Wa_とにより、第一和積論理ユニットGU1
の二つのオアゲート50,50ではそれぞれオア論理が取
れ、従って当該第一和積論理ユニットGU1 のアンドゲー
ト70からの論理値「1」の出力を保証し得る。
【0053】つまり、第一の電源位相で第一の和積論理
ユニットGU1 が稼働し、出力論理Qsを表すと、これは第
一電源位相と若干の重なりを持つ第二の電源位相の立ち
上がりで次段の位相整合用ラッチ回路40’にて肯定ラッ
チされ、次の第一電源位相の再度の立ち上がりにより位
相整合用ラッチ回路40’の出力論理Qsは記憶回路構成用
の肯定ラッチ回路40によりラッチされ、この出力論理値
Qmが第二、第三和積論理ユニットGU2, GU3を介し、同じ
く第一電源位相で動作する第一和積論理ユニットGU1 の
一方のオアゲート50に帰還されるので、次の第二電源位
相の立ち上がり以降、次段の位相整合用ラッチ回路40’
による肯定ラッチ動作から始まる同様の動作が繰返し生
起し、その結果、記憶論理値Qmが消失することなく連想
メモリセル内に保持される。位相整合用ラッチ回路40’
がないと、電源位相に関する上記の信号伝搬の整合性は
保証されない。
ユニットGU1 が稼働し、出力論理Qsを表すと、これは第
一電源位相と若干の重なりを持つ第二の電源位相の立ち
上がりで次段の位相整合用ラッチ回路40’にて肯定ラッ
チされ、次の第一電源位相の再度の立ち上がりにより位
相整合用ラッチ回路40’の出力論理Qsは記憶回路構成用
の肯定ラッチ回路40によりラッチされ、この出力論理値
Qmが第二、第三和積論理ユニットGU2, GU3を介し、同じ
く第一電源位相で動作する第一和積論理ユニットGU1 の
一方のオアゲート50に帰還されるので、次の第二電源位
相の立ち上がり以降、次段の位相整合用ラッチ回路40’
による肯定ラッチ動作から始まる同様の動作が繰返し生
起し、その結果、記憶論理値Qmが消失することなく連想
メモリセル内に保持される。位相整合用ラッチ回路40’
がないと、電源位相に関する上記の信号伝搬の整合性は
保証されない。
【0054】行j中のy個の連想メモリセル10中の肯定
ラッチ回路40に記憶されている記憶論理値Qmの読み出し
は、当該j行目を指定するアドレス信号A(j)を論理
「1」とし、読み出し/書き込み信号R/W を読み出し指
令を表す論理「1」とする。すると、これらj行中のy
個の連想メモリセル10の全てに対し、一連に論理値
「1」の読み出し信号Raが与えられ、それら各連想メモ
リセル10中においては第二和積論理ユニットGU2 の図示
下側のオアゲート50(既述したが図中仮想線で他方の入
力線を示す通り、単入力に構成されている)に論理値
「1」が与えられる。その一方で、図示上側のオアゲー
ト50(これも同様に単入力構成)には肯定ラッチ回路40
の出力論理値Qmが与えられているので、肯定ラッチ回路
40が論理値「1」を記憶している場合には第二和積論理
ユニットGU2 のアンドゲート70の出力論理値が「1」に
なり、スイッチングゲートGSを電圧状態にスイッチさ
せ、読み出し論理値も「1」になる。逆に、肯定ラッチ
回路40が論理値「0」を記憶していた場合には、第二和
積論理ユニットGU2 のアンドゲート70の出力論理値は
「1」にはならず、スイッチングゲートGSの出力論理値
も「0」となる。このようにして、肯定ラッチ回路40の
記憶している記憶論理値Qmが所期通りに読み出され、か
つこの実施例の場合には、当該読み出し出力は電流値と
して増幅されて得られる。
ラッチ回路40に記憶されている記憶論理値Qmの読み出し
は、当該j行目を指定するアドレス信号A(j)を論理
「1」とし、読み出し/書き込み信号R/W を読み出し指
令を表す論理「1」とする。すると、これらj行中のy
個の連想メモリセル10の全てに対し、一連に論理値
「1」の読み出し信号Raが与えられ、それら各連想メモ
リセル10中においては第二和積論理ユニットGU2 の図示
下側のオアゲート50(既述したが図中仮想線で他方の入
力線を示す通り、単入力に構成されている)に論理値
「1」が与えられる。その一方で、図示上側のオアゲー
ト50(これも同様に単入力構成)には肯定ラッチ回路40
の出力論理値Qmが与えられているので、肯定ラッチ回路
40が論理値「1」を記憶している場合には第二和積論理
ユニットGU2 のアンドゲート70の出力論理値が「1」に
なり、スイッチングゲートGSを電圧状態にスイッチさ
せ、読み出し論理値も「1」になる。逆に、肯定ラッチ
回路40が論理値「0」を記憶していた場合には、第二和
積論理ユニットGU2 のアンドゲート70の出力論理値は
「1」にはならず、スイッチングゲートGSの出力論理値
も「0」となる。このようにして、肯定ラッチ回路40の
記憶している記憶論理値Qmが所期通りに読み出され、か
つこの実施例の場合には、当該読み出し出力は電流値と
して増幅されて得られる。
【0055】次に、連想メモリの本分である、比較デー
タ(比較ワード)との比較に関し説明する。図1に示さ
れる連想メモリセル10に対し、比較ワードの所定のビッ
ト位置iの1ビット分の論理値Dcとして論理値「1」が
与えられた場合、肯定ラッチ回路40に記憶されている論
理値Qmがこれに一致する論理値「1」であったとする
と、当該肯定ラッチ回路40の論理値「1」の出力Qmは第
三和積論理ユニットGU3の図示上側のオアゲート50の一
入力に印加され、一方、論理値「1」の比較論理値Dcは
図示下側のオアゲート50に入力されるので、第三和積論
理ユニットGU3 の出力にあるアンドゲート70の出力論理
値は「1」になり、これがこの連想メモリセル10におけ
る一致信号Msとして第四和積論理ユニットGU4 の一方の
オアゲート50(単入力構成)に与えられる。従って、前
段の連想メモリセル10から与えられる一致信号Mi-1の論
理値が「1」であれば、第四和積論理ユニットGU4 にお
けるアンドゲート70の出力論理値Miも論理「1」とな
り、これが次段への信号Mi-1として与えられる。従って
この信号Mi-1は、当該iビットでの比較論理値Dcと記憶
論理値Qmとの一致を表すのみならず、当該iビットより
前の連想メモリセルの全てにおいて同様の一致が取られ
たことを表す信号となる。
タ(比較ワード)との比較に関し説明する。図1に示さ
れる連想メモリセル10に対し、比較ワードの所定のビッ
ト位置iの1ビット分の論理値Dcとして論理値「1」が
与えられた場合、肯定ラッチ回路40に記憶されている論
理値Qmがこれに一致する論理値「1」であったとする
と、当該肯定ラッチ回路40の論理値「1」の出力Qmは第
三和積論理ユニットGU3の図示上側のオアゲート50の一
入力に印加され、一方、論理値「1」の比較論理値Dcは
図示下側のオアゲート50に入力されるので、第三和積論
理ユニットGU3 の出力にあるアンドゲート70の出力論理
値は「1」になり、これがこの連想メモリセル10におけ
る一致信号Msとして第四和積論理ユニットGU4 の一方の
オアゲート50(単入力構成)に与えられる。従って、前
段の連想メモリセル10から与えられる一致信号Mi-1の論
理値が「1」であれば、第四和積論理ユニットGU4 にお
けるアンドゲート70の出力論理値Miも論理「1」とな
り、これが次段への信号Mi-1として与えられる。従って
この信号Mi-1は、当該iビットでの比較論理値Dcと記憶
論理値Qmとの一致を表すのみならず、当該iビットより
前の連想メモリセルの全てにおいて同様の一致が取られ
たことを表す信号となる。
【0056】これに対し、肯定ラッチ回路40の記憶して
いる記憶論理値Qmが与えられた比較論理値DCの論理値
「1」とは異なる論理値「0」であった場合には、第三
和積論理ユニットGU3 の図示上側のオアゲート50に与え
られる当該肯定ラッチ回路出力論理Qmも比較論理値の反
転論理値Dc_も、共に論理「0」であるので、第三和積
論理ユニットGU3 のアンドゲート70の出力論理は「0」
となり、仮に前段から論理値「1」の一致信号Mi-1が与
えられていても、この段の連想メモリセル10における第
四和積論理ユニットGU4 の出力論理Miは「0」となる。
そのため、この段の連想メモリセル10以降に継続接続し
ている連想メモリセル10では、仮に記憶している記憶論
理値Qmと与えられた比較論理値DCとが一致しても、論理
値「1」で有意の一致信号Miは出力し得ず、結局、図2
に示す連想メモリプレーン20において、一つでも比較論
理値と一致しない記憶論理値を記憶している連想メモリ
セル10があるワードメモリからは、最終的なワード一致
信号が出力されない。
いる記憶論理値Qmが与えられた比較論理値DCの論理値
「1」とは異なる論理値「0」であった場合には、第三
和積論理ユニットGU3 の図示上側のオアゲート50に与え
られる当該肯定ラッチ回路出力論理Qmも比較論理値の反
転論理値Dc_も、共に論理「0」であるので、第三和積
論理ユニットGU3 のアンドゲート70の出力論理は「0」
となり、仮に前段から論理値「1」の一致信号Mi-1が与
えられていても、この段の連想メモリセル10における第
四和積論理ユニットGU4 の出力論理Miは「0」となる。
そのため、この段の連想メモリセル10以降に継続接続し
ている連想メモリセル10では、仮に記憶している記憶論
理値Qmと与えられた比較論理値DCとが一致しても、論理
値「1」で有意の一致信号Miは出力し得ず、結局、図2
に示す連想メモリプレーン20において、一つでも比較論
理値と一致しない記憶論理値を記憶している連想メモリ
セル10があるワードメモリからは、最終的なワード一致
信号が出力されない。
【0057】これとは逆に、先に述べたように、ある特
定の行jの全ての連想メモリセル10において与えられた
それぞれの比較論理値と記憶している記憶論理値とが一
致した場合には、一致信号Miが全連想メモリセル10を貫
いて得られ、これがワードとしての一致信号、すなわち
比較データと同じ内容のワードを有する行のアドレスを
抽出した信号となる。もちろん、既述した一致、不一致
の関係は、それぞれの論理値が逆であっても成立する。
比較ワードの所定のビット位置の1ビット分の論理値Dc
として、先とは異なり論理値「0」が与えられた場合、
肯定ラッチ回路40に記憶されている論理値もこれに一致
する論理値「0」であったとすると、否定ラッチ回路30
の出力Qm_の方が論理値「1」となり、かつ、比較論理
値Dcの反転論理値Dc_が論理値「1」となるので、結
局、第三和積論理ユニットGU3 のアンドゲート70の出力
論理値Msは「1」になり、逆に比較論理値Dcが論理値
「0」なのに、肯定ラッチ回路40に記憶されている記憶
論理値Qmが「1」である場合には、第三和積論理ユニッ
トGU3 の下側オアゲート50の両入力は共に論理値「0」
となってオア論理が取れず、従ってこの第三和積論理ユ
ニットGU3 のアンドゲート70の出力Msも「0」となり、
一致を表すことはない(不一致を表す)。
定の行jの全ての連想メモリセル10において与えられた
それぞれの比較論理値と記憶している記憶論理値とが一
致した場合には、一致信号Miが全連想メモリセル10を貫
いて得られ、これがワードとしての一致信号、すなわち
比較データと同じ内容のワードを有する行のアドレスを
抽出した信号となる。もちろん、既述した一致、不一致
の関係は、それぞれの論理値が逆であっても成立する。
比較ワードの所定のビット位置の1ビット分の論理値Dc
として、先とは異なり論理値「0」が与えられた場合、
肯定ラッチ回路40に記憶されている論理値もこれに一致
する論理値「0」であったとすると、否定ラッチ回路30
の出力Qm_の方が論理値「1」となり、かつ、比較論理
値Dcの反転論理値Dc_が論理値「1」となるので、結
局、第三和積論理ユニットGU3 のアンドゲート70の出力
論理値Msは「1」になり、逆に比較論理値Dcが論理値
「0」なのに、肯定ラッチ回路40に記憶されている記憶
論理値Qmが「1」である場合には、第三和積論理ユニッ
トGU3 の下側オアゲート50の両入力は共に論理値「0」
となってオア論理が取れず、従ってこの第三和積論理ユ
ニットGU3 のアンドゲート70の出力Msも「0」となり、
一致を表すことはない(不一致を表す)。
【0058】本発明による連想メモリセル10の場合、上
記の基本的な比較機能に加えて、必要に応じ記憶ワード
と比較ワードとの部分一致を取るために、特定のビット
位置iの連想メモリセル10iに関しては、それの記憶回
路(肯定ラッチ回路40)に記憶されている記憶論理値Qm
の如何にかかわらない比較論理値Dc* 、すなわち外部か
ら与えられる比較ワードの特定のビット位置iのビット
をドントケアビットに設定することも簡単にできる。図
3(A) に示されるYラインドライバ回路21に対し、論理
値「1」で有意のドントケア信号Dc* を印加すると、こ
れは一対のオアゲート50,50を通過しているので、その
ビットに関する連想メモリセル10には、比較論理値Dcと
してもその反転論理値Dc_としても、共に論理「1」が
与えられる。従って、第三和積論理ユニットGU3 におけ
る入力の二つのオアゲート50,50では必ずオア論理が取
れ、アンドゲート70の出力Msは必ず論理値「1」にな
る。そのため、前段からの一致信号Mi-1が論理値「1」
である限り、この連想メモリセル10では第四和積論理ユ
ニットGU4 から無条件に論理値「1」で有意の一致信号
Miを出力する。
記の基本的な比較機能に加えて、必要に応じ記憶ワード
と比較ワードとの部分一致を取るために、特定のビット
位置iの連想メモリセル10iに関しては、それの記憶回
路(肯定ラッチ回路40)に記憶されている記憶論理値Qm
の如何にかかわらない比較論理値Dc* 、すなわち外部か
ら与えられる比較ワードの特定のビット位置iのビット
をドントケアビットに設定することも簡単にできる。図
3(A) に示されるYラインドライバ回路21に対し、論理
値「1」で有意のドントケア信号Dc* を印加すると、こ
れは一対のオアゲート50,50を通過しているので、その
ビットに関する連想メモリセル10には、比較論理値Dcと
してもその反転論理値Dc_としても、共に論理「1」が
与えられる。従って、第三和積論理ユニットGU3 におけ
る入力の二つのオアゲート50,50では必ずオア論理が取
れ、アンドゲート70の出力Msは必ず論理値「1」にな
る。そのため、前段からの一致信号Mi-1が論理値「1」
である限り、この連想メモリセル10では第四和積論理ユ
ニットGU4 から無条件に論理値「1」で有意の一致信号
Miを出力する。
【0059】
【発明の効果】本発明によると、連想メモリセル中の各
ビット論理値の記憶回路には電流注入型(直結型)のデ
ータラッチを用いているので、回路構成を簡単化でき、
安定した出力信号を得ることができる。また、全て同一
構成の和積論理ユニットを多用しているので、個々の連
想メモリセルとしても、連想メモリセルを多数用いた連
想メモリプレーン全体としても、回路構成や配置は極め
て簡単化する。そして何よりも、X,Yの各方向に伸び
る全ての作用線は、それぞれ一つのゲートのみに作用す
るので、メモリの動作速度を律速する全ての作用線の伝
搬遅延時間を一律かつ最小にでき、超伝導能動回路要素
の持つ本質的な超高速動作性を遺憾なく発揮させること
ができる。さらに、特定の連想メモリセルに与える比較
論理値をいわゆるドントケアとする回路構成も簡単であ
り、操作も容易である。ドントケアビットの利用は、連
想メモリの柔軟な応用を可能にする。
ビット論理値の記憶回路には電流注入型(直結型)のデ
ータラッチを用いているので、回路構成を簡単化でき、
安定した出力信号を得ることができる。また、全て同一
構成の和積論理ユニットを多用しているので、個々の連
想メモリセルとしても、連想メモリセルを多数用いた連
想メモリプレーン全体としても、回路構成や配置は極め
て簡単化する。そして何よりも、X,Yの各方向に伸び
る全ての作用線は、それぞれ一つのゲートのみに作用す
るので、メモリの動作速度を律速する全ての作用線の伝
搬遅延時間を一律かつ最小にでき、超伝導能動回路要素
の持つ本質的な超高速動作性を遺憾なく発揮させること
ができる。さらに、特定の連想メモリセルに与える比較
論理値をいわゆるドントケアとする回路構成も簡単であ
り、操作も容易である。ドントケアビットの利用は、連
想メモリの柔軟な応用を可能にする。
【図1】本発明に従って構成された超伝導連想メモリセ
ルの望ましい一実施例の回路構成図である。
ルの望ましい一実施例の回路構成図である。
【図2】図1に示される連想メモリセルを持ちて構成さ
れた超伝導連想メモリの概略構成図である。
れた超伝導連想メモリの概略構成図である。
【図3】図2に示された連想メモリにおけるX,Yの各
ラインドライバ回路の構成例である。
ラインドライバ回路の構成例である。
【図4】本発明に使用可能な超伝導オアゲートの回路構
成例である。
成例である。
【図5】本発明にてユニット回路として使用する超伝導
和積論理ユニットの回路構成図である。
和積論理ユニットの回路構成図である。
【図6】本発明にて位相整合用ラッチ回路の構成用とし
て、また記憶回路用として使用する電流注入型超伝導肯
定ラッチ回路と、記憶回路用として使用する電流注入型
超伝導否定ラッチ回路の回路構成例である。
て、また記憶回路用として使用する電流注入型超伝導肯
定ラッチ回路と、記憶回路用として使用する電流注入型
超伝導否定ラッチ回路の回路構成例である。
【図7】連想メモリの概略構成ないし概念図である。
10 本発明連想メモリセル, 20 本発明連想メモリプレーン, 21 Yラインドライバ回路, 22 Xラインドライバ回路, 30 電流注入型超伝導否定ラッチ回路, 40 電流注入型超伝導肯定ラッチ回路, 40’位相整合用ラッチ回路, 50 超伝導オアゲート, 70 超伝導アンドゲート, GU 超伝導和積論理ユニット.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前澤 正明 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業 技術院電子技術総合研究所内 (72)発明者 高田 進 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業 技術院電子技術総合研究所内 (72)発明者 濱崎 陽一 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業 技術院電子技術総合研究所内 (72)発明者 鈴木 基史 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業 技術院電子技術総合研究所内
Claims (10)
- 【請求項1】 yビット長のワードの1ビット分の論理
値を書き込み及び読み出し可能に記憶する記憶回路を有
し、かつ、該記憶回路の記憶している該記憶論理値と外
部から与えられる比較論理値とが一致した場合、一致信
号を出力する連想メモリセルであって;上記記憶回路
を、電流注入型の超伝導肯定ラッチ回路と電流注入型の
超伝導否定ラッチ回路とを含んで構成すると共に;二つ
の超伝導オアゲートと、該二つの超伝導オアゲートの両
出力論理値のアンド論理を取る一つの超伝導アンドゲー
トとから成る和積論理ユニットを、少なくとも第一和積
論理ユニットから第三和積論理ユニットまでの三つ用
い;第一和積論理ユニットの一方の上記オアゲートでは
上記ワードの1ビット分の論理値を上記記憶回路へ書き
込むために印加される書き込み信号と上記肯定ラッチ回
路の出力論理値とのオア論理を取るように、また他方の
上記オアゲートでは該書き込み信号の相補信号と上記記
憶回路に書き込むべき上記ワードの1ビット分の論理値
とのオア論理を取るように配線すると共に、該第一和積
論理ユニットの上記アンドゲートの出力論理値を電源位
相に関する位相整合用ラッチ回路を介して上記肯定ラッ
チ回路と上記否定ラッチ回路のそれぞれの入力に与え;
第二和積論理ユニットの一方の上記オアゲートには上記
肯定ラッチ回路の上記出力論理値を入力させ、他方の上
記オアゲートには上記記憶回路に記憶されている上記記
憶論理値を読み出すために印加される読み出し信号を入
力するように配線し、該第二和積論理ユニットの上記ア
ンドゲートの出力論理値を上記肯定ラッチ回路の記憶し
ている記憶論理値を読み出した読み出し論理値とする一
方;第三和積論理ユニットの一方の上記オアゲートでは
上記肯定ラッチ回路の上記出力論理値と上記外部から与
えられる上記比較論理値の相補論理値とのオア論理を取
るように、また他方の上記オアゲートでは上記否定ラッ
チ回路の出力論理値と上記比較論理値とのオア論理を取
るように配線し、該第三和積論理ユニットの上記アンド
ゲートの出力を、上記肯定ラッチ回路に記憶されている
上記記憶論理値と上記比較論理値との一致を表し得る一
致信号の出力とすること;を特徴とする超伝導連想メモ
リセル。 - 【請求項2】 請求項1記載の超伝導連想メモリセルで
あって;上記肯定ラッチ回路の上記出力論理値を伝送す
る線路は、上記第二和積論理ユニットの上記一方のオア
ゲートの入力から上記第三和積論理ユニットの上記一方
のオアゲートの入力を介し、上記第一和積論理ユニット
の上記一方のオアゲートの入力に通ずる直列配線である
こと;を特徴とする超伝導連想メモリセル。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の超伝導連想メモ
リセルであって;上記和積論理ユニットと同じ構成の第
四の和積論理ユニットをさらに用い;上記一致信号出力
を該第四和積論理ユニットの一方の上記オアゲートに入
力させ、該第四和積論理ユニットの他方の上記オアゲー
トには前段の連想メモリセルからの一致信号を入力させ
ることにより、該第四和積論理ユニットの上記アンドゲ
ートの出力を次段の連想メモリセルの一致信号入力とす
ること;を特徴とする超伝導連想メモリセル。 - 【請求項4】 請求項3記載の超伝導連想メモリセルで
あって;上記第四の和積論理ユニットの上記他方の入力
には、上記前段の連想メモリセルからの一致信号を入力
させるのに代えて、常に論理「1」を入力すること;を
特徴とする超伝導連想メモリセル。 - 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載の超伝導
連想メモリセルであって;上記和積論理ユニットの各々
の上記各オアゲートはスキッド型のオアゲートであるこ
と;を特徴とする超伝導連想メモリセル。 - 【請求項6】 請求項1,2,3,4または5記載の超
伝導連想メモリセルであって;上記和積論理ユニットの
各々の上記各アンドゲートは電流注入型のアンドゲート
であること;を特徴とする超伝導連想メモリセル。 - 【請求項7】 請求項6記載の超伝導連想メモリセルで
あって;上記第二和積論理ユニットの上記アンドゲート
出力に得られる上記記憶論理値の読み出し論理値を電流
値として増幅する超伝導スイッチングゲートを有するこ
と;を特徴とする超伝導連想メモリセル。 - 【請求項8】 請求項7記載の超伝導連想メモリセルで
あって;上記超伝導スイッチングゲートは電流注入型の
超伝導スイッチングゲートであること;を特徴とする超
伝導連想メモリセル。 - 【請求項9】 請求項8記載の超伝導連想メモリセルで
あって;上記超伝導スイッチングゲートは上記和積論理
ユニットと同一の回路構成を有する第五の和積論理ユニ
ットであって;該第五和積論理ユニットの二つのオアゲ
ートのそれぞれの入力には上記第二和積論理ユニットの
上記アンドゲートの上記出力論理値が共に与えられるこ
と;を特徴とする超伝導連想メモリセル。 - 【請求項10】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
8または9記載の超伝導連想メモリセルを二次元メモリ
空間の一方向に沿って複数y個並設して1ワード分のワ
ード長yのワードメモリを構成し、これらy個のワード
メモリを上記一方向に直交する方向に沿って複数x行分
並設してなる連想メモリであって;上記各連想メモリセ
ルの上記第一和積論理ユニットの上記一方のオアゲート
に入力する上記書き込み信号の伝送線路と上記他方のオ
アゲートに入力する該書き込み信号の相補信号の伝送線
路を上記x行の各行当たりにそれぞれ共通のワード書き
込み信号線対とし;上記各連想メモリセルの上記第二の
和積論理ユニットの上記一方のオアゲートに入力する読
み出し信号の伝送線路も上記x行の各行当たりに共通の
ワード読み出し信号線とすると共に;上記各連想メモリ
セルの上記第一和積論理ユニットの上記他方のオアゲー
トに入力する、上記記憶回路に上記書き込むべき論理値
の伝送線路は、上記x行の各行でそれぞれ同じビット位
置に位置する各連想メモリセルに共通の線路とし;上記
比較論理値を伝送する線路と、該比較論理値の相補論理
値を伝送する線路も、それぞれ上記x行の各々において
同じビット位置に位置する各連想メモリセルに共通の線
路としたこと;を特徴とする超伝導連想メモリ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6249213A JP2723172B2 (ja) | 1994-10-14 | 1994-10-14 | 超伝導連想メモリセル及びこれを用いた超伝導連想メモリ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6249213A JP2723172B2 (ja) | 1994-10-14 | 1994-10-14 | 超伝導連想メモリセル及びこれを用いた超伝導連想メモリ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08116100A JPH08116100A (ja) | 1996-05-07 |
JP2723172B2 true JP2723172B2 (ja) | 1998-03-09 |
Family
ID=17189604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6249213A Expired - Lifetime JP2723172B2 (ja) | 1994-10-14 | 1994-10-14 | 超伝導連想メモリセル及びこれを用いた超伝導連想メモリ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2723172B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1056219A (ja) * | 1996-05-06 | 1998-02-24 | Mark B Johnson | ホール効果装置及びその動作方法 |
-
1994
- 1994-10-14 JP JP6249213A patent/JP2723172B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08116100A (ja) | 1996-05-07 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |