JP2624838B2 - ウィスカーの改質方法 - Google Patents

ウィスカーの改質方法

Info

Publication number
JP2624838B2
JP2624838B2 JP17654189A JP17654189A JP2624838B2 JP 2624838 B2 JP2624838 B2 JP 2624838B2 JP 17654189 A JP17654189 A JP 17654189A JP 17654189 A JP17654189 A JP 17654189A JP 2624838 B2 JP2624838 B2 JP 2624838B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
whisker
whiskers
composite material
weight
diamond particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP17654189A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0340999A (ja
Inventor
稔 原田
文夫 河村
俊彬 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikkiso Co Ltd filed Critical Nikkiso Co Ltd
Priority to JP17654189A priority Critical patent/JP2624838B2/ja
Publication of JPH0340999A publication Critical patent/JPH0340999A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2624838B2 publication Critical patent/JP2624838B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ウィスカーの改質方法に関し、さらに詳し
く言うと、均一な表面改質が可能であるとともに、マト
リクス中に高い体積含有率で含有させることのできるウ
ィスカーを容易に得ることのできるウィスカーの改質方
法に関する。
[従来技術および発明が解決しようとする課題] 針状結晶であるウィスカーは、その機械的特性が理論
値に近い値を示すことから、繊維強化複合材料の一般の
強化材、たとえばカーボンファイバー、アラミド繊維等
の繊維よりも一層優れた強化材として注目されている。
しかしながら、ウィスカーは、その結晶完全性のため
に、マトリックスに対する濡れ性や接着性に問題があ
る。
そこで、通常、ウィスカーには表面改質が必要とされ
る。
ウィスカーの表面改質の方法としては、たとえば酸化
などの表面処理や異種物質のコーティングが行なわれ、
それぞれマトリックスに応じて使い分けられている。
たとえばマトリックスが合成樹脂のときには、気相酸
化法や液相酸化法などの表面処理が一般的に行なわれて
いる。
しかしながら、ウィスカーは結晶が完全であるため
に、表面に官能基を形成するのが非常に困難であり、充
分な表面処理の効果を奏することができない。
また、ウィスカーの表面の化学蒸着、物理蒸着などに
よって、アルミニウム、ニッケルなどの金属被膜あるい
は炭化ケイ素などのセラミックス被膜のコーティング等
が行なわれることもあるが、コーティング材が剥離し易
いため、満足すべき結果は得られていない。
一方、ウィスカーを含有する強化材については、複合
材料中のウィスカーの体積含有率が高いほど、複合材料
としての効果が大きいことが知られている。
しかしながら、たとえば従来の方法により表面改質を
行なったグラファイトウィスカーにおいては、一般に体
積含有率が20%を超えると、マトリックスの流動性の低
下を招いたり、均一分散性が低下したりするので、成形
を行なうことができないと言う問題がある。そして、こ
の問題は特に混練法において顕著である。
本発明は前記の事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、均一な表面改質が可能であるととも
に、マトリックス中に高い体積含有率で含有させること
のできるウィスカーを容易に得ることのできるウィスカ
ーの表面改質方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記課題を解決するために、本発明者が鋭意検討を重
ねた結果、ウィスカーの表面をダイヤモンド粒子で擦過
すると、均一な表面改質が可能であるとともに、マトリ
クス中に高い体積含有率で含有されることのできる気相
成長炭素繊維を容易に得ることができることを見い出し
て、本発明に到達した。
請求項1記載の発明の構成は、ウィスカーの表面をダ
イヤモンド粒子により擦過することを特徴とするウィス
カーの改質方法であり、 請求項2記載の発明の構成は、前記ウィスカーが気相
成長炭素繊維である前記請求項1に記載のウィスカーの
改質方法である。
以下、本発明の方法について詳述する。
本発明の方法により表面改質を好適に行なうことので
きる前記ウィスカーなる語は広義に解釈され、必ずしも
単結晶でない、いわゆるウィスカー状繊維をも包含する
広い概念である。前記ウィスカー状繊維としては例えば
下記の方法で得られたそのままの微小繊維を挙げること
ができる。
有機金属化合物と炭化水素と水素を含むキャリアガ
スとからなる混合ガスを800〜1,300℃に加熱することに
より、浮遊状態で得られる気相成長炭素繊維。
上記混合ガスにケイ素化合物を共存させて得られる
炭素とケイ素とからなる気相成長の微小繊維。
鉄等の微粒子をセラミック等の基板に担持させ、80
0〜1,300℃で水素と炭化水素との混合ガスと前記微粒子
とを接触させて得られるいわゆる基板法による基相成長
炭素繊維。
なお、これらは必ずしも厳密には単結晶ウィスカーで
はないが、その製造方法や結晶性に由来するところのウ
ィスカーと同様な問題点を持っている。したがって、こ
れら繊維をウィスカーとみなして本発明の方法を適用す
ることができる。
そして、本発明の方法においては、特に気相成長炭素
繊維であるウィスカーを特に好適に用いることができ
る。
また、本発明の方法においては、前記ウィスカーが、
たとえば窒素、アルゴン等の不活性雰囲気中で前記ウィ
スカーを熱処理して得られるグラファイトウィスカーで
あってもよい。
前記ウィスカーの直径およびアスペクト比について
も、特に制限はないが、通常は、直径が0.1μm以上、
アスペクト比が300以下であることが好ましい。
直径が0.1μm未満であったり、アスペクト比が300を
超えたりすると、本発明の方法において、ウィスカーの
表面をダイヤモンド粒子で擦過するときに、前記ウィス
カーの有する強化材としての所期の機能が充分に発揮さ
れないことがある。
使用に供される前記ダイヤモンド粒子は、天然ダイヤ
モンドおよび人工ダイヤモンドのいずれの粒子であって
も良い。
いずれにせよ、前記ダイヤモンド粒子の粒径は、通
常、1〜30μm、好ましくは5〜20μmである。この粒
径が1μm未満であると、前記ウイスカーの表面の改質
効果が充分ではないことがある。また、粒径が小さすぎ
ると、後の工程においてダイヤモンドの分離が困難にな
ることがある。一方、30μmを超えると、表面改質の効
果が充分ではなかったり、前記ウィスカーの折損を招く
ことがある。
なお、ダイヤモンド粒子の形状については特に制限が
ない。
本発明の方法においては、前記ウィスカーの表面を、
前記ダイヤモンド粒子で擦過することが重要である。
具体的には、たとえば、前記ウィスカーと前記ダイヤ
モンド粒子とを収納した容器を、震盪し、あるいは、前
記ウィスカーと前記ダイヤモンド粒子とを撹拌混合し、
両者間で擦過することにより、前記ウィスカーの表面改
質を達成することができるし、また擦過法であれば、そ
の他の種々の方法によっても前記ウィスカーの表面改質
を達成することができる。
前記ウィスカーに対する前記ダイヤモンド粒子の使用
割合は、前記ウィスカー100重量部に対して、前記ダイ
ヤモンド粒子が、通常15〜40重量部、好ましくは20〜35
重量部である。前記ウィスカー100重量部に対する前記
ダイヤモンド粒子の使用割合が15重量部未満であると、
処理時間を著しく長く要し、実用的ではない。
処理時間は前記ウィスカーの種類、前記ウィスカーに
対する前記ダイヤモンド粒子の大きさや使用割合等によ
り異なるので一様に規定することはできないが、たとえ
ば、前記ダイヤモンド粒子の粒径が5〜20μmであると
きに、流動気相法により得られたウィスカー100重量部
に対して、前記ダイヤモンド粒子35重量部を使用すれ
ば、通常、1時間〜12時間程度であり、また、前記ウィ
スカーを熱処理して得られたグラファイトウィスカー10
0重量部に対して、前記ダイヤモンド粒子30重量部を使
用すれば、通常、数時間〜24時間程度である。
このようにして表面改質を行なったウィスカーは、従
来、体積含有率20%が限界であったものが、予想を超え
て、体積含有率40%程度の高い割合でマトリクス中に含
有されることができるようになる。
その理由は定かではないが、前記ダイヤモンド粒子に
よる擦過により、前記ウィスカーの表面に官能基が形成
されるとともに、前記ウィスカーの表面が物理化学的な
改質を受けており、前記ウィスカーの濡れ性や接着性が
飛躍的に向上するものと推測される。
いずれにしても、本発明の方法により表面改質を行な
ったウィスカーは、たとえば繊維強化プラスチック(FR
P)、繊維強化セラミックス(FRC)や繊維強化金属(FR
M)製造の際の強化材として好適に利用することができ
る。
なお、本発明の方法により改質を行なった前記ウィス
カーを強化材として使用するに当たり、たとえばコロナ
放電処理、酸処理、金属メッキ処理、シランカップリン
グ処理等の表面処理を組み合わせて行なうことも可能で
ある。
[実施例] 次いで、本発明の実施例および比較例を示し、本発明
についてさらに具体的に説明する。
(実施例1) 気相成長炭素繊維をアルゴン雰囲気中で2,900℃にて4
0分間かけて黒鉛化処理をすることによりグラファイト
ウィスカーを得た。このグラファイトウィスカーと粒径
5〜20μmのダイヤモンドパウダーとを自動乳鉢を用い
て24時間擦過処理をした。その後、前記グラファイトウ
ィスカーとダイヤモンドパウダーとを分離した。
次に、100重量部のエポキシ樹脂[LY−556、チバガイ
ギー社製]、90重量部の硬化剤[HY−917J、チバガイギ
ー社製]および1重量部の硬化促進剤[DY−062、チバ
ガイギー社製]からなる混合物をプラスチックマトリク
スとして、これに、体積含有率が20%になるように、表
面改質済みの前記グラファイトウィスカーを加え、100
℃に加熱しながら2時間、次いで150℃に加熱しながら
2時間の条件で硬化させることにより、複合材料を得
た。
この複合材料につき、JIS K7208に準拠した圧縮試験
を行なった。
結果を第1表に示す。
(比較例1) 前記実施例1において、ダイヤモンドパウダーを使用
した擦過処理を行なわなかったほか、前記実施例1と同
様にして複合材料を得た。
この複合材料につき、JIS K7208に準拠した圧縮試験
を行なった。
結果を第1表に示す。
(実施例2) 気相成長炭素繊維をアルゴン雰囲気中で2,000℃にて4
0分間かけて黒鉛化処理をすることによりグラファイト
ウィスカーを得た。このグラファイトウィスカーと粒径
5〜20μmのダイヤモンドパウダーとを自動乳鉢を用い
て10時間擦過処理をした。その後、前記グラファイトウ
ィスカーとダイヤモンドパウダーとを分離した。
次に、100重量部のエポキシ樹脂[LY−556、チバガイ
ギー社製]、90重量部の硬化剤[HY−917J、チバガイギ
ー社製]および1重量部の硬化促進剤[DY−062、チバ
ガイギー社製]からなる混合物をプラスチックマトリク
スとして、これに、体積含有率が10%になるように、表
面改質済みの前記グラファイトウィスカーを加え、100
℃に加熱しながら2時間、次いで150℃に加熱しながら
2時間の条件で硬化させることにより、複合材料を得
た。
この複合材料につき、JIS K7208に準拠した圧縮試験
を行なった。
結果を第1表に示す。
(実施例3) 前記実施例2において、擦過処理をしたダイヤモンド
パウダーを分離除去した後に、さらに硝酸で10時間かけ
て還流したしたほかは、前記実施例2と同様にして実施
した。
結果を第1表に示す。
(比較例2) 前記実施例2において、ダイヤモンドパウダーを使用
した擦過処理をしなかったほかは、前記実施例2と同様
にして複合材料を製造した。
この複合材料につき、JIS K7208に準拠した圧縮試験
を行なった。
結果を第1表に示す。
(実施例4) 気相成長炭素繊維と粒径5〜20μmのダイヤモンドパ
ウダーとを自動乳鉢を用いて20時間擦過処理をした。そ
の後、前記気相成長炭素繊維とダイヤモンドパウダーと
を分離した。さらに、0.1重量%酢酸水溶液中に前記気
相成長炭素繊維重量の1%に相当するシランカップリン
グ剤[信越化学工業(株)製;「KBM403」を溶解してな
る溶液中に、前記気相成長炭素繊維を浸してから、脱
水、乾燥を行なった後、温度110℃にて10分間熱処理し
てシランカップリング処理を行なった。
次に、100重量部のエポキシ樹脂[LY−556、チバガイ
ギー社製]、90重量部の硬化剤[HY−917J、チバガイギ
ー社製]および1重量部の硬化促進剤[DY−062、チバ
ガイギー社製]からなる混合物をプラスチックマトリク
スとして、これに、体積含有率が30%になるように、表
面改質済みの前記気相成長炭素繊維を加え、100℃に加
熱しながら2時間、次いで150℃に加熱しながら2時間
の条件で硬化させることにより、複合材料を得た。
この複合材料につき、JIS K7208に準拠した圧縮試験
を行なった。
結果を第1表に示す。
(比較例3) 前記実施例4において、ダイヤモンドパウダーを使用
した擦過処理をしなかったほかは、前記実施例4と同様
にして複合材料を製造した。
この複合材料につき、JIS K7208に準拠した圧縮試験
を行なった。
結果を第1表に示す。
(評価) 第1表から明らかなように、実施例1の複合材料は比
較例1の複合材料に比較して、圧縮応力および圧縮弾性
率のいずれもが向上している。
また、実施例2および実施例3の複合材料と比較例3
の複合材料とを比較した場合、および実施例4の複合材
料と比較例4の複合材料とを比較した場合のそれぞれに
ついても同様のことが言える。これらのことから、本発
明の方法により表面改質を行なったウィスカーを含有す
る複合材料は機械的強度が大幅に向上していることを確
認した。
[発明の効果] 本発明によると、 (1) ウィスカーの表面をダイヤモンド粒子により擦
過するので、撹拌混合操作により凝集体が破壊されると
同時に均一な表面改質が可能であるとともに、 (2) 操作が容易であり、しかも、マトリクス中に高
い体積含有率で含有させることのできるウィスカーに改
質することができる驚くべき効果が奏される、 という利点を有する工業的に有用なウィスカーの表面改
質方法を提供することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウィスカーの表面をダイヤモンド粒子によ
    り擦過することを特徴とするウィスカーの改質方法。
  2. 【請求項2】前記ウィスカーが気相成長炭素繊維である
    前記請求項1に記載のウィスカーの改質方法。
JP17654189A 1989-07-07 1989-07-07 ウィスカーの改質方法 Expired - Lifetime JP2624838B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17654189A JP2624838B2 (ja) 1989-07-07 1989-07-07 ウィスカーの改質方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17654189A JP2624838B2 (ja) 1989-07-07 1989-07-07 ウィスカーの改質方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0340999A JPH0340999A (ja) 1991-02-21
JP2624838B2 true JP2624838B2 (ja) 1997-06-25

Family

ID=16015396

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17654189A Expired - Lifetime JP2624838B2 (ja) 1989-07-07 1989-07-07 ウィスカーの改質方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2624838B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0340999A (ja) 1991-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1320625C (en) Zinc oxide whiskers having a novel crystalline form and method for making the same
CA1283763C (en) Fibrous material for composite materials, fiber- reinforced composite materials produced therefrom, and processes for producing same
US3518221A (en) Reinforcing fillers in a matrix of two thermosetting resins
JPS61247663A (ja) 炭素連続繊維強化SiC複合体の製造方法
JPH0751464B2 (ja) 複合材料
US3953647A (en) Graphite fiber reinforced metal matrix composite
GB2390603A (en) Making silicon carbide fibers essentially devoid of whiskers
JP2624838B2 (ja) ウィスカーの改質方法
JPH01217072A (ja) ウイスカー強化プラスチックス
JP2667525B2 (ja) 気相成長炭素繊維の改質法
JPH0430972B2 (ja)
JPH05156386A (ja) 繊維強化複合材料
JPS637344A (ja) ウイスカ−プリフオ−ムの製造方法
JPH0340998A (ja) ウィスカーの表面改質方法
JPH0611841B2 (ja) 導電性エポキシ樹脂組成物
JPH05221799A (ja) SiCウイスカーの改質処理方法
JPS62299568A (ja) 複合材用無機繊維
JPS6048576B2 (ja) SiCウイスカ−強化Al複合材料の製造方法
JP2931648B2 (ja) 窒化ケイ素被覆繊維の製造方法
JP2600931B2 (ja) 酸化亜鉛ウィスカーの変成方法
JPS6240408B2 (ja)
JPH0135932B2 (ja)
JPS5959976A (ja) 炭化けい素被覆炭素繊維の製造方法
JPS6283439A (ja) ウイスカ−プリフオ−ムの強化形成方法
JPH0354199A (ja) ウィスカーの表面改質方法