JP2667525B2 - 気相成長炭素繊維の改質法 - Google Patents

気相成長炭素繊維の改質法

Info

Publication number
JP2667525B2
JP2667525B2 JP1176542A JP17654289A JP2667525B2 JP 2667525 B2 JP2667525 B2 JP 2667525B2 JP 1176542 A JP1176542 A JP 1176542A JP 17654289 A JP17654289 A JP 17654289A JP 2667525 B2 JP2667525 B2 JP 2667525B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vapor
grown carbon
carbon fiber
composite material
ionized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1176542A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0341000A (ja
Inventor
稔 原田
文夫 河村
俊彬 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikkiso Co Ltd filed Critical Nikkiso Co Ltd
Priority to JP1176542A priority Critical patent/JP2667525B2/ja
Publication of JPH0341000A publication Critical patent/JPH0341000A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2667525B2 publication Critical patent/JP2667525B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、気相成長炭素繊維の改質法に関し、さらに
詳しく言うと、均一な表面改質が可能であるとともに、
マトリクス中に高い体積含有率で含有させることのでき
る気相成長炭素繊維の改質法に関する。
[従来技術および発明が解決しようとする課題] 針状結晶であるウィスカーは、その機械的特性が理論
的に近い値を示すことから、繊維強化複合材料の一般の
強化材、たとえばカーボンファイバー、アラミド繊維等
の繊維よりも一層優れた強化材として注目されている。
しかしながら、ウィスカーは、その結晶完全性のため
に、マトリックスに対する濡れ性や接着性に問題があ
る。
そこで、通常、ウィスカーには表面改質が必要とされ
る。
ウィスカーの表面改質の方法としては、たとえば酸化
などの表面処理や異種物質のコーティングが行なわれ、
それぞれマトリックスに応じて使い分けられている。
たとえばマトリックスが合成樹脂のときには、気相酸
化法や液相酸化法などの表面処理が一般的に行なわれて
いる。
しかしながら、ウィスカーは結晶が完全であるため
に、表面に官能基を形成するのが非常に困難であり、充
分な表面処理の効果を奏することができない。
また、ウィスカーの表面に化学蒸着、物理蒸着などに
よって、アルミニウム、ニッケルなどの金属被膜あるい
は炭化ケイ素などのセラミック被膜のコーティング等が
行なわれることもあるが、コーティング材が剥離し易い
ため、満足すべき結果は得られていない。
一方、ウィスカーを含有する強化材については、複合
材料中のウィスカーの体積含有率が高いほど、複合材料
としての効果が大きいことが知られている。
しかしながら、たとえば従来の方法により表面改質を
行なったグラファイトウィスカーにおいては、一般に体
積含有率が20%を超えると、マトリックスの流動性の低
下を招いたり、均一分散性が低下したりするので、成形
を行なうことができないと言う問題がある。そして、こ
の問題は特に混練法において顕著である。
本発明は前記の事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、均一な表面改質が可能であるととも
に、マトリクス中に高い体積含有率で含有させることの
できる気相成長炭素繊維を容易に得ることのできる気相
成長炭素繊維の改質法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記課題を解決するために本発明者が鋭意検討を重ね
た結果、気相成長炭素繊維の表面を特定の不活性ガスで
処理する特定の方法によると、均一な表面改質が可能で
あるとともに、マトリクス中に高い体積含有率で含有さ
せることのできる気相成長炭素繊維が容易に得られるこ
とを見い出して、本発明に到達した。
請求項1記載の発明の構成は、気相成長炭素繊維の表
面を、イオン化された不活性ガスで処理することを特徴
とする気相成長炭素繊維の改質法である。
以下、本発明について詳述する。
本発明の方法により表面改質を好適に行なうことので
きる前記気相成長炭素繊維は、気相成長炭素繊維のウィ
スカー、及び必ずしも単結晶でない、いわゆるウィスカ
ー状気相成長炭素繊維を包含する。前記ウィスカー状気
相成長炭素繊維としては、例えば下記の方法で得られた
そのままの微小繊維を挙げることができる。
有機金属化合物と炭化水素と水素を含むキャリアガ
スとからなる混合ガスを800〜1,300℃に加熱することに
より、浮遊状態で得られる気相成長炭素繊維。
上記混合ガスにケイ素化合物を共存させて得られる
炭素とケイ素とからなる気相成長の微小繊維。
鉄等の微粒子をセラミック等の基板に担持させ、80
0〜1,300℃で水素と炭化水素との混合ガスと前記微粒子
とを接触させて得られるいわゆる基板法による気相成長
炭素繊維。
なお、これらは必ずしも厳密には単結晶ウィスカーで
はないが、その製造方法や結晶性に由来するところのウ
ィスカーと同様な問題点を持っている。したがって、こ
れら繊維に本発明の方法を適用することができる。
また、本発明の方法においては、前記気相成長炭素繊
維が、たとえば窒素、アルゴン等の不活性雰囲気中で前
記気相成長炭素繊維を熱処理して得られる黒鉛化気相成
長炭素繊維であってもよい。
前記気相成長炭素繊維の直径およびアスペクト比につ
いても、特に制限はないが、通常は、直径が0.1μm以
上、アスペクト比が300以下であることが好ましい。
本発明においては、前記気相成長炭素繊維を、イオン
化された不活性ガスで処理する(以下、この処理をボン
バード処理と称することがある。)。
前記不活性ガスとしては、気相成長炭素繊維と反応し
ないガスであれば、特に制限がなく、たとえば、アルゴ
ン、ヘリウム、ネオン、キセノン、あるいは窒素を挙げ
ることができる。
不活性ガスは、たとえば10-1〜10-5Torrに減圧した反
応室内に導入して、直流電界の印加、高周波放電、ホロ
ーカソード放電、アーク放電等により、イオン化するこ
とができる。
イオン化された不活性ガスによる前記気相成長炭素繊
維の処理条件は、不活性ガスの種類によっても異なるの
で一概に規定することができないが、たとえば、処理時
の圧力は、通常、10-1〜10-5Torr、特に10-2〜10-3Torr
である。
なお、イオン化された不活性ガスで前記気相成長炭素
繊維を処理する場合、たとえば、前記気相成長炭素繊維
を撹拌することにより、常に新鮮な気相成長炭素繊維が
前記イオン化された不活性ガスに曝されるようにするの
が好ましい。
このようにして、イオン化された不活性ガスで処理し
た気相成長炭素繊維は、その濡れ性や接着性が飛躍的に
向上する。
その理由は定かではないが、気相成長炭素繊維の表面
を、イオン化された不活性ガスで処理すると、気相成長
炭素繊維の表面が粗面化され、あるいは官能基が導入さ
れものと推測される。
導入される官能基としては、たとえばカルボニル基、
カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基
などが考えられる。
いずれにしても、本発明の方法により表面改質が行な
われた気相成長炭素繊維は、たとえば繊維強化プラスチ
ック(FRP)、繊維強化セラミックス(FRC)や繊維強化
金属(FRM)製造の際の強化材として好適に利用するこ
とができる。
なお、本発明の方法により改質を行なった前記強化材
として使用するに当たり、コロナ放電処理、硝酸酸化処
理、金属メッキ処理、無電解メッキ処理、シランカップ
リング処理等の表面処理を組み合わせて行なってもよ
い。
[実施例] 次いで、本発明の実施例および比較例を示し、本発明
についてさらに具体的に説明する。
(実施例1) 気相成長炭素繊維をアルゴン雰囲気中で2,900℃にて4
0分間かけて黒鉛化処理することにより黒鉛化気相成長
炭素繊維を得た。5×10-3Torrの減圧に保持された反応
室内に設置したこの黒鉛化気相成長炭素繊維の集合体を
撹拌しながら、600V、1mA/cm2のイオン化されたアルゴ
ンにこの黒鉛化気相成長炭素繊維を60分間接触させて、
その表面改質を行なった。
次に、100重量部のエポキシ樹脂[LY−556、チバガイ
ギー社製]、90重量部の硬化剤[HY−917J、チバガイギ
ー社製]および1重量部の硬化促進剤[DY−062、チバ
ガイギー社製]からなる混合物をプラスチックマトリク
スとして、これに、体積含有率が20%になるように、表
面改質済の前記黒鉛化気相成長炭素繊維を加え、100℃
に加熱しながら2時間、次いで150℃に加熱しながら2
時間の条件で硬化させることにより、複合材料を得た。
この複合材料につき、JIS K7208に準拠した圧縮試験
を行なった。
結果を第1表に示す。
(比較例1) 前記実施例1において、イオン化されたアルゴンによ
る処理を行なわなかったほかは、前記実施例1と同様に
して複合材料を得た。
この複合材料につき、JIS K7208に準拠した圧縮試験
を行なった。
結果を第1表に示す。
(実施例2) 気相成長炭素繊維をアルゴン雰囲気中で2,000℃にて4
0分間かけて黒鉛化処理をすることにより黒鉛化気相成
長炭素繊維を得た。5×10-3Torrの減圧に保持された反
応室内に設置したこの黒鉛化気相成長炭素繊維の集合体
を撹拌しながら、600V、0.7mA/cm2のイオン化された窒
素に、この黒鉛化気相成長炭素繊維を120分間接触させ
て、その表面改質を行なった。
次に、100重量部のエポキシ樹脂[LY−556、チバガイ
ギー社製]、90重量部の硬化剤[HY−917J、チバガイギ
ー社製]および1重量部の硬化促進剤[DY−062、チバ
ガイギー社製]からなる混合物をプラスチックマトリク
スとして、これに、体積含有率が25%になるように、表
面改質済みの前記黒鉛化気相成長炭素繊維を加え、100
℃に加熱しながら2時間、次いで150℃に加熱しながら
2時間の条件で硬化させることにより、複合材料を得
た。
この複合材料につき、JIS K7208に準拠した圧縮試験
を行なった。
結果を第1表に示す。
(比較例2) 前記実施例2において、イオン化された窒素による処
理を行なわなかったほかは、前記実施例2と同様にして
複合材料を得た。
この複合材料につき、JIS K7208に準拠した圧縮試験
を行なった。
結果を第1表に示す。
(実施例3) 5×10-3Torrの減圧に保持された反応室内に設置した
気相成長炭素繊維の集合体を撹拌しながら、600V、0.7m
A/cm2のイオン化されたアルゴンに、この気相成長炭素
繊維を60分間接触させて、その表面改質を行なった。
次に、100重量部のエポキシ樹脂[LY−556、チバガイ
ギー社製」、90重量部の硬化剤[HY−917J、チバガイギ
ー社製]および1重量部の硬化促進剤[DY−062、チバ
ガイギー社製]からなる混合物をプラスチックマトリク
スとして、これに、体積含有率が20%になるように、表
面改質済みの前記気相成長炭素繊維を加え、100℃に加
熱しながら2時間、次いで150℃に加熱しながら2時間
の条件で硬化させることにより、複合材料を得た。
この複合材料につき、JIS K7208に準拠した圧縮試験
を行なった。
結果を第1表に示す。
(比較例3) 前記実施例3において、イオン化されたアルゴンによ
る処理を行なわなかったほかは、前記実施例3と同様に
して複合材料を得た。
この複合材料につき、JIS K7208に準拠した圧縮試験
を行なった。
結果を第1表に示す。
(評価) 第1表から明らかなように、実施例1の複合材料は比
較例1の複合材料に比較して、圧縮応力および圧縮弾性
率のいずれもが向上している。
また、実施例2の複合材料と比較例2の複合材料とを
比較しても同様のことが言える。さらに、実施例3の複
合材料は比較例3の複合材料に比較して圧縮応力が向上
している。これらのことから、本発明の方法により表面
改質を行なった気相成長炭素繊維を含有する複合材料は
機械的強度が大幅に向上していることを確認した。
[発明の効果] 本発明によれば、気相成長炭素繊維の表面を、イオン
化された不活性ガスで処理するため、均一な表面改質が
可能であるとともに、マトリクス中に高い体積含有率で
含有させることのできる気相成長炭素繊維に改質するこ
とができる、という利点を有する工業的に有用な気相成
長炭素繊維の改質法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−85028(JP,A) 特開 昭59−82466(JP,A) 特開 昭63−144153(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気相成長炭素繊維の表面を、イオン化され
    た不活性ガスで処理することを特徴とする気相成長炭素
    繊維の改質法。
JP1176542A 1989-07-07 1989-07-07 気相成長炭素繊維の改質法 Expired - Lifetime JP2667525B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1176542A JP2667525B2 (ja) 1989-07-07 1989-07-07 気相成長炭素繊維の改質法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1176542A JP2667525B2 (ja) 1989-07-07 1989-07-07 気相成長炭素繊維の改質法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0341000A JPH0341000A (ja) 1991-02-21
JP2667525B2 true JP2667525B2 (ja) 1997-10-27

Family

ID=16015412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1176542A Expired - Lifetime JP2667525B2 (ja) 1989-07-07 1989-07-07 気相成長炭素繊維の改質法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2667525B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5982466A (ja) * 1982-10-27 1984-05-12 信越化学工業株式会社 カ−ボン繊維の表面改質方法
JPS6285028A (ja) * 1985-10-03 1987-04-18 Daikin Ind Ltd 気相成長カ−ボンフアイバ−の製造法
JPS63144153A (ja) * 1986-12-05 1988-06-16 群馬工業高等専門学校長 炭素繊維強化セメント複合材料およびその製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0341000A (ja) 1991-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0249927B1 (en) Fibrous material for composite materials, fiber-reinforced composite materials produced therefrom, and processes for producing same
JP3607934B2 (ja) カーボンナノチューブ強化アルミニウム複合材料
JPH0751464B2 (ja) 複合材料
US4560589A (en) Method for providing a coating layer of silicon carbide on substrate surface
Sun et al. Interface characteristics and mechanical properties of carbon fibre reinforced copper composites
CN110886089B (zh) 一种石墨烯和碳纳米管原位生长共修饰增韧碳纤维的制备方法
JPH07102473A (ja) 接着性の改良されたポリベンザゾール繊維の製造方法
JP2667525B2 (ja) 気相成長炭素繊維の改質法
US3967029A (en) Boron-carbon alloy tape
JPH062269A (ja) 炭素繊維の被覆方法および複合材
JP2624838B2 (ja) ウィスカーの改質方法
JP3279134B2 (ja) 高耐熱セラミックス繊維及びその製造方法
JPH09241929A (ja) 中空無機繊維およびその製造方法
JPH0356596B2 (ja)
JPH0135061B2 (ja)
JPH0430972B2 (ja)
Peng et al. Surface treatment of carbon fibers
JPH02111679A (ja) 耐酸化性炭素繊維強化炭素材の製造方法
JPH10209061A (ja) 半導体拡散炉用の構成部材
Bless et al. Polymer composites through in situ matrix formation
JP2852748B2 (ja) 低電気比抵抗値を有する炭化ケイ素繊維の製造方法
JPH05156386A (ja) 繊維強化複合材料
JPH0737708B2 (ja) ウイスカ−の表面改質方法
JPS637344A (ja) ウイスカ−プリフオ−ムの製造方法
EP0405544A2 (en) Method of manufacturing sintered body of silicon carbide

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100627

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100627

Year of fee payment: 13